【解決手段】外部容器11と、その内部に収容される可撓性を有する2つの内部容器12と、外部容器11を閉じ、2つの内部容器12内と外気とを連通/遮断するバルブアッセンブリ13とからなる吐出製品10。2つの内部容器12は、原液が収納された膨張状態で、上下に延びる当接線Xが形成されるように当接し、原液が排出された収縮状態で、その当接線Xが消失するように離間する。外部容器11の窓部15から当接線Xの状態を視認することにより原液の残量が確認できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、新しい構造を備えた内容物の残量の確認ができる吐出製品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の吐出製品の第1の態様は、外部容器と、その内部に収容され、可撓性を有する内部容器と、前記外部容器を閉じ、内部容器と外気とを連通/遮断するバルブアッセンブリと、前記内部容器に収納される原液と、前記外部容器と内部容器との間に充填される加圧剤とからなり、前記外部容器の内部に当接壁が設けられており、前記内部容器と当接壁とが、原液が収納された膨張状態で、当接線を形成するように当接し、原液が排出された収縮状態で、当接線が消失するように離間し、前記外部容器が前記当接線を視認できるように構成されていることを特徴としている。
本発明の吐出製品の第1の態様であって、前記内部容器が外部容器内に複数収容され、前記バルブアッセンブリが、複数の内部容器と外気とを連通/遮断し、前記当接壁が他の内部容器であるものが好ましい。
前記外部容器が前記当接線を視認するための窓部を備えているものが好ましい。また、前記内部容器内の原液の吐出と共に、前記当接線が一端から他端に向かって消失するように構成されているものが好ましい。前記バルブアッセンブリが、内部容器内の原液を上部から吐出する流路部材を備えているものが好ましい。
【0006】
本発明の吐出製品の第2の態様は、外部容器と、その内部に収容され、可撓性を有する内部容器と、前記内部容器と外気とを連通/遮断するバルブアッセンブリと、前記内部容
器に収納される原液と、前記外部容器と内部容器との間に充填される加圧剤と、前記外部容器と内部容器との間に収納される残量確認用の液体とを有し、前記外部容器に液体の液面の高さで原液の残量がわかる残量特定手段が設けられていることを特徴としている。
本発明の吐出製品の第2の態様であって、前記外部容器が前記液体の液面を視認するための窓部を備えているものが好ましい。また、前記液体の液面の高さと原液の残量との関係を示す測量線が設けられているものが好ましい。さらに、前記内部容器が複数設けられており、前記バルブアッセンブリが複数の内部容器と外気とを連通/遮断するものが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吐出製品の第1の態様は、外部容器と、その内部に収容され、可撓性を有する内部容器と、前記外部容器を閉じ、内部容器と外気とを連通/遮断するバルブアッセンブリと、前記内部容器に収納される原液と、前記外部容器と内部容器との間に充填される加圧剤とからなり、前記外部容器の内部に当接壁が設けられており、前記内部容器と当接壁とが、原液が収納された膨張状態で、当接線を形成するように当接し、原液が排出された収縮状態で、当接線が消失するように離間し、前記外部容器が前記当接線を視認できるように構成されているため、外部から当接線を確認するだけで原液の残量がわかる。
本発明の吐出製品の第1の態様であって、前記内部容器が外部容器内に複数収容され、前記バルブアッセンブリが、複数の内部容器と外気とを連通/遮断し、前記当接壁が他の内部容器である場合は、複数の内部容器が同時に収縮するため当接線の離間する程度が大きくわかりやすい。
前記外部容器が前記当接線を視認するための窓部を備えている場合、当接線が窓部によって強調され、見やすい。また前記内部容器内の原液の吐出と共に、前記当接線が一端(上端または下端)から他端(下端または上端)に向かって消失するように構成されている場合、当接線と原液の残量の関係が明確であり、わかりやすい。前記バルブアッセンブリが、内部容器内の原液を上部から吐出する流路部材を備えている場合は、前記当接線が上端から下端に向かって消失するため、原液の残量がわかりやすい。
【0008】
本発明の吐出製品の第2の態様は、外部容器と、その内部に収容され、可撓性を有する内部容器と、前記内部容器と外気とを連通/遮断するバルブアッセンブリと、前記内部容器に収納される原液と、前記外部容器と内部容器との間に充填される加圧剤と、前記外部容器と内部容器との間に収納される残量確認用の液体とを有し、前記外部容器に液体の液面の高さで原液の残量がわかる残量特定手段が設けられているため、残量特定手段で液体の液面の高さを確認するだけで残量がわかる。また内容物の吐出に伴い内部容器が変形する位置や形状などの変形状態が個々の吐出製品毎に違っても、残量を正確に確認することができる。
本発明の吐出製品の第2の態様であって、前記外部容器が前記液体の液面を視認するための窓部を備えている場合、液体の液面が強調され、見やすい。前記液体の液面の高さと原液の残量との関係を示す測量線が設けられている場合、正確な残量がわかる。さらに、前記内部容器が複数設けられており、前記バルブアッセンブリが複数の内部容器と外気とを連通/遮断する場合、2種類以上の原液であっても残量がわかる。さらに複数の内部容器で変形状態が違っても、残量を正確に確認することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1の吐出製品10は、外部容器11と、その内部に収容される可撓性を有する2つの内部容器12と、外部容器11を閉じ、2つの内部容器12内と外気とを連通/遮断するバルブアッセンブリ13と、それぞれの内部容器12に収納される2種類の原液C1、C2と、外部容器11と内部容器12との間に充填される加圧剤Pとからなり、2つの原液を同時に吐出するものである。なお、吐出製品10には、2つのバルブ機構を同時に開放する(ステム21bを下方に押し下げる)押ボタン14等が装着される。
この吐出製品10の2つの内部容器12は、原液C1、C2が収納された膨張状態で、上下に延びる当接線Xが形成されるように当接し、原液が排出された収縮状態で、その当接線Xが消失するように離間する。そして外部容器11の外面には、当接線Xを視認するための窓部15が形成されたシュリンクフィルムなどの被覆シート17を備えている。つまり、吐出製品10は、窓部15を通じて外部から当接線Xの状態(長さ)を確認することにより、原液C1、C2の残量が確認できるものである。
【0011】
外部容器11は、
図2aに示すように、透光性を有する容器本体16と、その胴部から肩部を覆うように設けられた不透明な被覆シート17とからなる。
容器本体16は、
図1に示すように、底部、筒状の胴部、テーパー状の肩部、円筒状の首部16aを備えた透光性のものである。首部16aの上部は半径方向外側に突出した肉厚部16bとなっている。
この容器本体16は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレンなどの透光性を有する合成樹脂から成形される。詳しくは、合成樹脂からなる有底筒状のパリソンを軸方向に伸ばしながら内部に空気を吹き込んで膨らます2軸延伸ブロー成形により成形するのが好ましい。しかし、筒状のパリソンをダイレクトブロー成形により成形してもよい。さらに、容器本体16は、ガラスによって成形してもよい。
被覆シート17は、容器本体16内が視認できるよう透視部17aが設けられている。この透視部17aは、容器本体16の軸線に平行で上下に細長な形状となっている。被覆シート17が容器本体16に装着されて、この透視部17aが窓部15となる。しかし、透視部17aの形状は、2つの内部容器12の当接線15の全体が確認できる形状であれば、特に限定されるものではない。また、当接線15の全体が確認できるのであれば、被覆シート17を設けなくてもよい。ただし、窓部15を設ける方が、当接線が強調されるため、確認しやすい。
この実施形態では、シュリンクフィルムを用いている。透視部17aは、被覆シート17を切り抜いたり、一部分印刷せずに透明にしたりすることにより形成される。切り抜く場合、容器本体16に設ける前に切り抜いてもよく、容器本体16に装着後に切り抜いてもよい。被覆シートの不透明な部分には、製品のロゴ、製品の詳細、安全な使用方法などが表示される。
なお外部容器11としては、透光性を有する容器本体16の外周を、窓部15を残すように塗装してもよい。また、金属容器に窓をあけて合成樹脂またはガラスの窓部を気密に嵌合させたりしてもよい。
【0012】
内部容器12は、
図2b、cに示すように、シートを貼り合わせて形成される袋体18と、その開口部に取り付けられる筒状の連結部(流路部材)19とからなるパウチタイプの容器である。
袋体18は、原液を収納しない状態(収縮状態)では、実質的に平面状のものであり、原液を収納した状態(膨張状態)では、表(裏)面18aが外向きに湾曲して膨らむものである。
袋体18は、2枚以上のシートを重ね合わせ、または、1枚以上のシートを折り合わせた後、周縁部を熱溶着や接着により貼り合わせることにより成形できる。吐出製品10は、隣接した袋体18の当接線X(境界)を確認することにより、原液の残量を確認するものであるため、袋体18は外部容器11に対して見やすい色とするのが好ましい。2つの袋体18の色を変えてもよい。
袋体18のシートとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(NY)、エバール(EVOH)等からなる単層または積層した樹脂シート、前記樹脂シートにシリカ(Si)やアルミナ(Al2O3)、炭素(C)等を蒸着した蒸着シート、アルミニウム(Al箔)などの金属シート、上述のシートから選ばれる2つ以上のシートを積層シートが挙げられる。
【0013】
連結部19は、袋体18内とバルブ機構21との間を繋ぎ、袋体18内の原液C1、C2を上部からバルブ機構へと供給する部材である。連結部19は、バルブに装着される筒状の装着部19aと、その装着部の下端に同軸上に設けられ、袋体18の開口部が固定される筒状の固定部19bと、その固定部19bの下端から袋体18の底部に向かって延び、原液C1、C2を固定部19b内に誘導する誘導部19cとを備えている。
誘導部19cは、上下方向に延びる誘導部本体20aと、その誘導部本体20aの上端に設けられ、誘導部本体20aの表面と固定部19bの中心孔とを連通する連通部20bと、誘導部本体20aから突出した突出部20cとを備えている。
突出部20cは、同一線上に設けられた少なくとも2つの主突条20c1と、上下方向に離れた主突条20c1の間の位置に、主突条20c1と交差しないように設けられた副突条20c2とを有している。これにより誘導部本体20aの表面の凹凸が三次元的に形成され、連結部19全体の表面積が一層増大し、連結部19と袋体18との間に隙間が形成されやすくなる。また原液C1、C2は、主突条20c1のすそ部に沿って連通部20bに送られる(主流路P1)。副突条20c2は、袋体18が密着しやすい隣接する主突条20c1の間の位置に設けられており、隣接する主突条20c1の間の平面20c3(誘導部本体の表面)と袋体18との間に隙間を形成しやすくする。また、上下の副突条20c2の間の隙間が主突条20c1のすそ部の主流路に導く副流路P2となり、誘導部本体20aから離れている原液C1、C2を誘導部本体20aの上端にある連通部20bに安定して導出できる。なお、この副流路P2は、それより下方にある主流路P1に先んじて原液C1、C2を運ぶため、副流路P2を設けることにより、原液C1、C2を袋体の上部から効率よく順次バルブ機構21に供給できる。特に、上下に複数個の副流路P2が設けられる場合、内容物を上の副流路から順番に主流路P1に送ることができるため、一層効率良く原液C1、C2を誘導でき、袋体18は、上部から下部に向かって収縮され、当接線を安定して消失させることができ、残量がわかりやすくなる。
【0014】
2つの内部容器12は、
図1に示すように、袋体18の表(裏)面18aが互いに向きあうように配置される。そして、原液を収納した状態(膨張状態)では、外向きに湾曲した表(裏)面18a同士が少なくともその頂点で当接するように配置される。これにより、2つの内部容器が膨張状態において、上下に延びる当接線Xが形成される。この実施形態では、2つの袋体18によって当接面が形成されるように配置されている。
また2つの内部容器12は、同じ構造としており、実質的に同じ比率で膨張状態から収縮状態に変形する。しかし、実質的に同じ比率で変形するのであれば、同じ構造としなくてもよい。同じ比率で収縮させることにより、膨張状態に形成される当接線(面)Xは、当接線(面)Xの有無が明確になり、原液の残量がわかりやすい。ここで2つ異なる大きさの袋体18を同じ比率で収縮させるには、2つの袋体18の大きさの比率に応じて吐出量(流路面積)を調整することにより、達成できる。
なお、内容物C1、C2を上部から下部に向かって収縮させる連結部としては、筒状の誘導本体を備え、その側面に導入孔が複数上下に配置されたものも挙げられる。この場合、上側の導入孔近辺の原液から誘導本体に吸い取られる。
さらに、連結部19を下端だけ開口した筒体としてもよい。この場合、内部容器12の袋体18は下部から上部に向かって収縮し、当接線(面)Xは原液の吐出と共に下端から上端に向かって消失する。
【0015】
内部容器12は、後述するバルブアッセンブリ13に連結することができ、可撓性を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、前述のパウチタイプの他、合成樹脂製のパリソンをブロー成形してもよい。しかし、シートからなる袋体18を用いることにより、袋体18の膨張状態と収縮状態とが明確になるため、当接線(面)Xを明確に出しやすく、好ましい。
【0016】
バルブアッセンブリ13は、
図3aに示すように、内部容器12と外部とを連通/遮断するバルブ機構21と、それらを受けるバルブホルダー22と、バルブ機構21とバルブホルダー22を覆うようにしてバルブ機構21をバルブホルダー22に固定し、バルブホルダー22を外部容器11の開口部に固定するマウンテンカバー23とからなる。
【0017】
バルブ機構21は、ステムを上下に移動することにより内部容器12と外部とを連通/遮断するものである。詳しくは、筒状のハウジング21aと、そのハウジング21a内に上下動自在に収容されるステム21bと、そのステム21bのステム孔を閉じるステムラバー21cと、そのステム21bを常時上方に付勢するバネ21dと、ハウジング21aの上端開口部を覆い、ステム21b、ステムラバー21c、バネ21dをハウジング21a内に固定するカバー21eとからなるエアゾールバルブである。ハウジング21aの下端には、内部容器12の連結部19の上端と装着する装着部21fが設けられている。
なお、後述するバルブホルダー22のホルダー部30にステム21b、ステムラバー21c、バネ21dを収容し、マウンテンカバー23でそれらをホルダー部30内に固定してもよい。バルブ機構21は、ステム21bを作動させることにより内部容器12の内部と外部とを連通/遮断するものであれば、特に限定されるものではない。
【0018】
バルブホルダー22は、
図3b、cに示すように、外部容器11の開口部に挿入される円柱状の栓部26と、その栓部26の上端に半径方向外側に突出して形成され、外部容器11の肉厚部16bの上に配置されるフランジ部27と、そのフランジ部27の上から上方に突出した縮径した円柱状の蓋部28とを有する。またバルブホルダー22には、栓部26、フランジ部27、蓋部28を上下に貫通するホルダー部30が2本形成されている。ホルダー部30内にバルブ機構21が保持され、マウンティングカバー23により固定される。
栓部26の外周には、Oリング31を保持するための環状凹部26aが形成されている。環状凹部26aの底と、外部容器11の首部11aの内面との間でOリング31を挟み、シール構造が形成されている。しかし、バルブホルダー22と外部容器11とのシール構造は、特に限定されない。例えば、容器本体16の首部16aの上面とバルブホルダー22のフランジ部27の下面との間にシール材を設けてシールしてもよい。
蓋部28は、
図3cに示すように、全体の向きがわかるように、扇状に切り欠いた切欠き28aを備えた断面円弧形状となっている。
ホルダー部30の内面には、下方に向かって縮径する支持段部30aが形成されている。支持段部30aは、バルブ機構21(エアゾールバルブ)を支持する部位である。その形状は、特に限定されるものではない。2つのホルダー部30は、蓋部の切欠き28aと平行するように並べられ、外部容器11の軸線を中心に相対するように設けられている。なお、ホルダー部30の下端で内部容器12の連結部19と装着するようにしてもよい。
【0019】
図3aに戻って、マウンテンカバー23は、バルブ機構21およびバルブホルダー22を覆う円筒状のカバー部23aと、バルブホルダー22のフランジ部27と外部容器11の肉厚部16bとを挟着し、カバー部23aより大きい径の円筒状の固定部23bとを有
する。カバー部23aの上面には、バルブ機構21のステム21bを通す挿通孔23cが形成されている。
マウンテンカバー23は、アルミニウムやブリキ等の金属によって成形される。固定部23bは、外部容器11への装着後、下端を半径方向内側にカシメることによって成形される。
【0020】
2種の原液としては、2つを混合させることにより、その反応による効果を得ることができる2液式染毛剤や2液式パーマ剤等の2液反応型製剤が好ましい。ただし、同じ種類の原液を2つの内部容器12に充填してもよい。
噴射剤としては、窒素、圧縮空気、炭酸ガス、亜酸化窒素などの圧縮ガス、液化石油ガス、ハイドロフルオロオレフィンなどの液化ガスなどが挙げられる。
【0021】
この吐出製品10の製造方法は、2つのバルブ機構21をバルブホルダーのホルダー部30に挿入し、バルブ機構の装着部21fに内部容器の連結部19を装着する。内部容器12を外部容器11内に挿入しながらバルブホルダーのフランジ部27を外部容器の肉厚部16bの上方に保持する。バルブホルダーにマウンテンカバー23を被せ、マウンテンカバー23の下端と外部容器11の肉厚部16bの間、詳しくは、バルブホルダー22と外部容器11の肉厚部11bの間から加圧剤Pを充填する。それと同時に、バルブアッセンブリ12を下降してOリング31を外部容器11の首部11aの内面に当接させてシールし、マウンテンカバーの固定部23bの下端を内側に塑性変形して外部容器11を閉じる。このとき2つの内部容器12は収縮状態であり、離間している。最後にそれぞれのステム21bから内部容器12に原液C1、C2を充填し、内部容器12が膨張状態になって対向する表面18a同士が当接して当接線Xが形成されて吐出製品10が製造される。
【0022】
この吐出製品10を操作したときの状態を
図4で説明する。つまり、
図4aのように満注量の原液が収納された状態の吐出製品10において、2つのステム21bを押し下げ、2つのバルブ機構21を開放することにより、両原液が吐出される。つまり、両バルブ機構21が開放されることにより、加圧剤が2つの内部容器12を押圧し、2つの内部容器12が同時に上部から収縮させられ、それと共に両原液がバルブ機構21に送られ、2つのステム21bから同時に吐出される。このように内部容器12が収縮すると、それと共に当接線Xも上側から順番に消失していく(
図4b)。さらに操作を継続し、原液を吐出しきってしまうことにより、当接線Xが完全に消失する(
図4c)。そして、当接線Xを外部容器11の窓部15から確認することにより、原液の残量がわかる。また、被覆シートの窓部15の近辺に、残量との関係を示す目盛を設けてもよい。なお、
図1および
図4の当接線Xは直線で示しているが、当接線Xは曲線でもよく屈曲していてもよい。
【0023】
図5の吐出製品35は、外部容器内に内部容器と当接する当接壁が設けられたものである。詳しくは、バルブアッセンブリ36のバルブホルダー37に2つの内部容器12の間に挟まれる当接壁38が設けられている。バルブアッセンブリ36のバルブ機構21およびマウンテンカバー23は、
図1の吐出製品10と実質的に同じものである。さらに、他の構成は、
図1の吐出製品10と実質的に同じであり、外部容器11、内部容器12、2種類の原液C1、C2、加圧剤Pを備えている。ここでは当接壁38を外部容器11の内部を半分に区画するように設けているが、2つの内部容器12の大きさ等の比率に応じてその配置箇所は適宜選択される。また、当接壁は外部容器に設けられてもよい。
この吐出製品35の2つの内部容器12は、原液C1、C2が収納された膨張状態で、それぞれ上下に延びる当接線Xが形成されるように当接壁38と当接し、原液が排出された収縮状態で、その当接線Xが消失するように当接壁38から離間する。
この場合、それぞれの内部容器12が当接壁38と当接線Xを形成するため、外部容器36の窓部15からそれぞれの当接線Xの状態(長さ)を確認することにより、それぞれの内部容器12の残量を独立して確認できる。そのため、吐出製品35は2つの原液を同
時に吐出する製品としなくてもよい。
なお、この吐出製品35では、内部容器を一つとし、バルブアッセンブリを1つのバルブ機構を備えたものとしてもよい。この場合、当接壁の配置は、バルブホルダーの中央でなくてよく、内部容器の形状、大きさ等に応じて適宜選択することができる。
【0024】
次に本発明の第2の態様の吐出製品の実施形態の説明をする。
図6の吐出製品40は、内部が視認できる外部容器41と、その内部に収容される可撓性を有する2つの内部容器42と、外部容器41を閉じ、2つの内部容器42内と外気とを連通/遮断するバルブアッセンブリ43と、それぞれの内部容器13に収納される2種類の原液C1、C2と、外部容器41と内部容器42との間に充填される加圧剤Pと、外部容器41と内部容器42との間に収納される残量確認用の液体Lとからなる。この吐出製品40は、2つの原液を同時に吐出するものでなくてもよい。この吐出製品40の外部容器41には、液体Lの液面Fの高さによって原液の残量がわかるように上下細長の窓部44aが設けられている。つまり、窓部44aに表れる液体Lの液面Fの高さを読むことにより原液の残量が確認できるものである。なお、2つの原液を同時に吐出する場合、
図1の吐出製品10のように2つのバルブ機構を同時に開放する(ステム21bを下方に押し下げる)押ボタン14が装着される。
【0025】
外部容器41は、透光性を有する容器本体16と、その胴部を覆うように設けられた被覆シート44とからなる。容器本体16は、
図1の吐出製品10の容器本体16と実質的に同じものである。
被覆シート44には、容器本体16内が視認できるように上下に細長の窓部44aが設けられている。この窓部44aは、液体Lの液面Fの高さによって、少なくとも両内部容器42内に原液がなくなったことがわかるように設けられている。例えば、原液が無くなったときに、液体Lの液面Fが窓部44aから見えなくなるように構成したり、その窓部44aに沿って液面Fの高さを測る測量線を設けること等が考えられる。測量線を設ける場合、原液の残量が明確にわかるため好ましい。他の構成は、
図1の吐出製品の被覆シート17と実質的に同じものである。
なお、外部容器41としては、透光性を有する容器本体16に直接測量線を設けるだけでもよい。また、吐出製品10の場合と同様に、容器本体16の外周を塗装してもよい。
【0026】
内部容器42は、
図1の吐出製品10の内部容器12と実質的に同じものである。しかし、2つの内部容器42の配置は特に限定されるものではなく、膨張状態において当接させなくてもよい。
バルブアッセンブリ43は、
図1の吐出製品10のバルブアッセンブリ13と実質的に同じものである。
原液および加圧剤も、
図1の吐出製品10と実質的に同じものである。
残量確認用の液体Lは、内部容器42の大部分を浸漬させる程度の量が充填される。これにより内部容器42が収縮することにより、液体Lを収納する空間が増加し、液体Lの液面Fが下がる。少なくとも内部容器42が膨張状態から収縮状態に変化するとき、変化する部位を浸漬する程度の量を充填しなければならない。液体Lとしては、液体であれば特に限定されないが、粘度の比較的低いものが好ましく、特に水が好ましい。また、液体に色を付けると水面Fがわかりやすい。
【0027】
この吐出製品40の製造方法は、外部容器41内に液体Lを充填する。その後は、
図1の吐出製品10と同様に、内部容器42を連結させたバルブアッセンブリ43を外部容器41の上方に保持し、バルブアッセンブリ43と外部容器41との間から噴射剤Pを充填する。それと同時に、バルブアッセンブリ43を下降させて外部容器41を閉じる。最後にステムから原液を内部容器に充填する。このとき2つの内部容器42は膨張状態となり、液面Fが上昇する。
【0028】
次に吐出製品40を操作したときの状態を説明する。つまり、
図7aのように満注量の原液が収納された状態の吐出製品40において、2つのステム21bを押し下げ、2つのバルブ機構21を開放することにより、両原液が吐出される。そして、内部容器42が収縮すると、それに伴い外部容器41と内部容器42との間の空間の体積が増加する。そのため、液体Lの液面Fが下がる(
図7b)。さらに操作を継続し、原液を吐出しきってしまうことにより、液体Lの液面Fがさらに下がり、残量がなくなったことがわかる(
図7c)。液体Lを用いることにより、吐出した原液の容積分の液面が低下するため、残量を正確に表示することができる。
なお吐出製品40では、2つの内部容器42を設けているが、内部容器42は一つとし、バルブアッセンブリ43のバルブ機構21を一つとしてもよい。