(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-118004(P2016-118004A)
(43)【公開日】2016年6月30日
(54)【発明の名称】構築用組材
(51)【国際特許分類】
E03F 1/00 20060101AFI20160603BHJP
E03B 3/02 20060101ALI20160603BHJP
【FI】
E03F1/00 A
E03B3/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-256774(P2014-256774)
(22)【出願日】2014年12月19日
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063AA01
2D063AA11
2D063AA17
(57)【要約】
【課題】
主として雨水の流出制御施設の構築、その他各種の組み枠状の構築に最適とする構築用組材の提供を図る。
【解決手段】
柱体の輪郭壁面を形成するための柱形成板と、組まれた上下の柱体を連結する役割とを果たし、その十文字の各端部に、柱形成板強に係合して外方向に対する強い引っ張り抵抗を示すようなかぎ型形状のカシメ用係合端を形成した十文字状結束板と、並行して立設する二本の柱体を互いに連結することによって立設の安定化を図るための中間梁材とから成る構築用組材。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四枚を一単位とし各側縁を直角に合致させることによって平面正四角形状を呈する柱体の輪郭壁面を形成するための柱形成板と、
上記柱形成板を平面正四角形状に組んだ状態での保持と、このように組まれた上下の柱体を連結する役割とを果たし、その十文字の各端部に、柱形成板に係合して外方向に対する強い引っ張り抵抗を示すようなかぎ型形状のカシメ用係合端を形成した十文字状結束板と、
重複的に対向させる二枚を1単位とし、並行して立設する二本の柱体を互いに連結することによって立設の安定化を図るための中間梁材とから成り、
上記した柱形成板と、十文字状結束板と、中間梁材との組み合わせを一組とし、これを所要組用いて目的物を構築するようにした構築用組材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として雨水の流出制御施設の構築、その他各種の組み枠状の構築に最適とする構築用組材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、雨水の流出制御施設の構築を行うための組材として、所要の単位部材を組み立てて枠状構築物を構成するものがある(例えば特許文献1参照。)。 更に、堤防の骨格部を形成するために、所要の単位部材を組み立てて構築するための組材がある(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012―92552号
【特許文献2】特開2012―77530号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献は、何れも本願と同一の発明者及び出願人に係るものであるが、これらは何れも立体状の突起部分を有するものであり、ぴったりとした積み重ねができる平坦状の部材からだけで形成されたものではなかった。 そのため、輸送時に当該突起部分の存在は、積み重ねて積載するためには著しく邪魔な存在とされ、輸送スペース並びに保管スペースの合理性を阻害することを余儀なくされた。
【0005】
本発明は、全ての部材を平坦状のもので構成することにより、上記したような輸送上等の問題の解消化を図ると同時に、強度的劣化を招くことなく、全体を著しい軽量化を図るようにした新規の「構築用組材」の提供を可能化したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は請求項1に記載のように、四枚を一単位とし各側縁を直角に合致させることによって平面正四角形状を呈する柱体の輪郭壁面を形成するための柱形成板と、
上記柱形成板を平面正四角形状に組んだ状態での保持と、このように組まれた上下の柱体を連結する役割とを果たし、その十文字の各端部に、柱形成板に係合して外方向に対する強い引っ張り抵抗を示すようなかぎ型形状のカシメ用係合端を形成した十文字状結束板と、
重複的に対向させる二枚を1単位とし、並行して立設する二本の柱体を互いに連結することによって立設の安定化を図るための中間梁材とから成り、
上記した柱形成板と、十文字状結束板と、中間梁材との組み合わせを一組とし、これを所要組用いて目的物を構築するようにした構築用組材に係る。
【発明の効果】
【0007】
本発明は請求項1に記載のような構成の採用に基づき、すべての部材が平坦面なものとされるため、その保管時及び輸送時にぴったりとした積み重ねが可能化される。 従って、従来のように突起した部分の存在に基づき重合積み重ねに齟齬をきたすことに依る、保管時及び輸送時の非合理性発生という問題は全く解消される。
【0008】
同時に、形成される柱体は、平面正四角形状を呈する輪郭壁面から成る柱体、すなわち中空な柱体とれるため、軽量化目的とコストの低廉化目的が図られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態の要部を表した説明用斜視図である。
【
図2】本発明の組み立て状態の平面形態を表した説明用平面図であって、重要部材たる十文字結束板を、分かり易くするために強調して示してある。
【
図3】本発明の一つの組み立て状態を表した正面図である。
【
図5】本発明における要旨部材たる十文字状結束板を表したものであって、(イ)は平面形状を、(ロ)は正面形状を、(ハ)は最上位及び最下位に位置させるものであるために高さを半分としてなるもの正面形状を、各表したものである。
【
図6】本発明における柱形成板を表したものであって、(イ)は平面形状を、(ロ)は正面形状を、(ハ)は側面形状を、夫々表したものである。
【
図7】本発明における中間梁材を表した正面図である。
【
図10】最上位及び最下位に位置させるための端部梁材を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1は柱形成板であって 四枚を一単位とし、各側縁を直角に合致させることによって、平面正四角形状を呈する柱体Aの輪郭壁面を形成するためのものである。
【0011】
そして、当該柱形成板1は
図6に示すように、その両側縁部には各直角に合致させるためのテーパー面1aが形成してある。 また、その上縁及び下縁の中央部には、後述する十文字状結束板2のカシメ用嵌合端2bを嵌め込むためのカシメ用嵌合溝1bが形成してある。 更に、当該カシメ用嵌合溝1bの両側には、後述する中間梁材3の端部をかみ合せるためのかみ合せ用嵌合溝1cが形成してある。
【0012】
2は上記した一単位(四枚)の柱形成板1を正四角形状に連結するための十文字状結束板であって、
図5に示すように、その各突起片2aの端部には、平面釘頭状を呈するカシメ用嵌合端2bが形成してある。 なお、当該カシメ用嵌合端2bの形状は、外方向に対する強い引っ張り抵抗を有するかぎ型形状であれば、図示のものに限定されることはない。
【0013】
当該十文字状結束板2は、上記したように一単位(四枚) の柱形成板1で形成される柱体Aを、上下に連結するための役割も果たすものである。 そのため、
図5の(ロ)に示すように、その縦幅の上半分は、上位側柱体に嵌合させ、その下半部を下位側柱体に嵌合させること依って、両者の連結が図られるように構成してある。 そして、
図5の(ハ)に示すものは、最上位及び最下位に位置させるものを示し、この場合、上記連結の必要がないため、その縦幅を図示のように半分とするように設定してある。
【0014】
3は並行させて立設する二本の柱体を互いに連結するための中間梁材であって、重複的に対抗する二枚を一単位とするものである。 そして、
図7に示すように、当該中間梁材3の両端部の上下両縁には、上下に位置する柱形成板1に形成したかみ合せ用嵌合溝1cに対して、夫々係止せるため係止用溝3aが形成してある。
【0015】
図10及び
図11において、4は最上位及び最下位に位置させる端部梁材であって、上位側と下位側との2組を最低単位とするものであり、組み立て構築された枠体の最下位及び最上位に縁止め的に使用するものである。 然し乍ら、当該端部梁材4、及び、既述した
図5の(ハ)に示す十文字状結束板は、単に最上位及び最下位に位置させるたるめの特別形態のものを表したに過ぎず、これに限定されるものではない。 すなわち、このような構成は本発明の要部とするものではなく、これ以外適宜な形態で実施するように構成しても良い。
【0016】
本発明は
図1及び
図3に示すように、縦方向及び横方向に組むことにより、所定の形態の組み枠を構築する。 そして、その具体的組み立て方法は、
図2に示すようにして行う。
【0017】
先ず、四枚の柱形成板1をその各側縁を直角に合致させることによって、平面正四角形状を呈する柱体Aを組むと同時に、その上縁及び下縁の中央部に形成したカシメ用嵌合溝1bに対して、十文字状結束板2を、そのカシメ用嵌合端2bを嵌め込むこととによって取り付ける。 これにより、平面正四角形状を呈する柱体Aの組み立ての安定化が図られる。
【0018】
同時に、該柱形成板1に形成したかみ合せ用嵌合溝1cに対して、中間梁材3を、その端部に形成した係止用溝3aを係止させて、二本の当該中間梁材3を並行状態で取り付けることにより、柱体Aの所定間隔を保った立設の安定化を図る。
【0019】
このような操作を繰り返すことにより、
図1、
図3及び
図4に示すような組み立てが行われ、所定の形態の組み枠の組み立て構築が行われる。
【0020】
なお、組み立て状態にある四枚の柱形成板1は、その端縁に形成したテーパー面1aの合致に基づき、その安定化の向上が図られる。 更に、組み立て状態において、中間梁材3も同様なテーパー面を形成することにより、
図2に示すように、その各隅角部合致に基づく安定性の向上を図るように構成することが好ましい。
【0021】
そして、最上位及び最下位部分には、必要に応じて適宜の縁止め的部材を取り付けることによって、所定形態の組み枠の組み立て構築が完了する。
【符号の説明】
【0022】
A 柱体
1 柱形成板
1a テーパー面
1b カシメ用嵌合溝
1c かみ合わせ用嵌合溝
2 十文字状結束板
2a 突起片
2b カシメ用嵌合端
3 中間梁材
3a 係止用溝
4 端部梁材