【解決手段】一対のレール取付片10、20は、板状の固定部11、21を有し、それらの固定部11、21を重合状態にしてボルト4が挿通され、その挿通されたボルト4を軸として相対的な回転動作が許容されている。固定部11、21が所定の重合状態となっているときに、支持レール2が、装着空間30に、装着開口31が底部2aの幅寸法よりも狭まった状態で装着される一方、所定の重合状態を基準とした相対的な回転位置ずれがあるときに、装着開口31が所定の重合状態となっているときよりも拡がって、支持レール2が着脱自在とされるようになっている。
底部と、該底部の幅方向の両端より上端が近づくように延びた傾斜壁部とを備えた溝形の支持レールを、該支持レールを挟着固定する一対のレール取付片間に形成された装着空間に配し、前記傾斜壁部の両外側から挟着して固定するようにした建築材料支持レール取付具であって、
前記一対のレール取付片は、ボルト挿通孔を有した板状の固定部を有し、それらの固定部を重合状態にしてボルトが挿通され、その挿通されたボルトを軸として相対的な回転動作が許容されており、前記固定部が所定の重合状態となっているときに、前記支持レールが、前記装着空間に、前記支持レールの上端側に位置した装着開口が前記底部の幅寸法よりも狭まった状態で装着される一方、前記所定の重合状態を基準とした相対的な回転位置ずれがあるときに、前記装着開口が前記固定部が所定の重合状態となっているときよりも拡がって、前記支持レールが着脱自在とされるようになっており、
前記レール取付片の前記固定部どうしは、前記所定の重合状態において、前記ボルトにナットを螺着することで前記回転動作が禁止されて固定されることを特徴とする建築材料支持レール取付具。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根上に遮熱シート等を取り付けるために溝形の支持レールが用いられている。この支持レールは、幅広な底部と、その両端より上方に延びた傾斜壁部とを備え、底部よりも幅狭な溝開口を有した形状をなしている。このような形状の支持レールは、支持レールの幅方向の両側より建築材料支持レール取付具を締め付けることで、挟着、固定されるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
また近年では、建築材料支持レール取付具として、
図7に示すように、強力な締め付け操作を必要としない一対のレール取付片よりなるものも多く使用されている。
【0004】
この建築材料支持レール取付具100は、L字形の2つのレール取付片110、120の固定部111、121どうしをボルト挿通孔111a、121aを合わせた状態で重合し、折板屋根Yに設置された屋根上取付具40に上向きに設けられたボルト4に挿通され、ナット5止めされて屋根上に配されるようになっている。
【0005】
図7に示すように、いずれのレール取付片110、120についても、固定部111、121の一端には起立したレール支持部112、122が形成されている。両部材を結合させた状態では、レール支持部112、122間には支持レール2を取り付ける装着空間130が形成される。この建築材料支持レール取付具100を屋根上に複数並設した状態で、支持レール2が直線状に並んだ装着空間130に装着されるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、支持レール2の底部2aの幅は装着空間130の装着開口131の幅寸法よりも大きいため、2つのレール取付片110、120をボルト4、ナット5で固定した状態では、支持レール2を装着空間130に対して上方より装着することはできない。また、支持レール2は長尺材料であるため、長手方向の端部から装着空間130に挿入してスライド装着することは、屋根上での作業であるためほとんど不可能である。
【0008】
また、上側に配するレール取付片110のボルト挿通孔111aを長孔に形成し、支持レール2の装着作業の際に、そのレール取付片110をスライドさせ装着開口131を拡げて装着させやすくした構造とすることは可能であるが、設置後に長孔による弛み、ずれが生じやすくなるという問題がある。
【0009】
なお従来では、
図7の建築材料支持レール取付具100を用いる場合、ナット5を緩めた状態で、上側に配したレール取付片110のレール支持部112を上に持ち上げ、装着開口131を十分に拡げた状態にして支持レール2を装着する方法が採られている。しかし、この方法では、作業中は、並設された複数の建築材料支持レール取付具100を持ち上げた状態を保持しなければならず、そのため複数の作業者が必要とされる。よって、作業は決して効率的とはいえない。
【0010】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、支持レールの屋根上等への設置を効率的に行える建築材料支持レール取付具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の建築材料支持レール取付具は、底部と、底部の幅方向の両端より上端が近づくように延びた傾斜壁部とを備えた溝形の支持レールを、支持レールを挟着固定する一対のレール取付片間に形成された装着空間に配し、傾斜壁部の両外側から挟着して固定するようにした建築材料支持レール取付具であって、一対のレール取付片は、ボルト挿通孔を有した板状の固定部を有し、それらの固定部を重合状態にしてボルトが挿通され、その挿通されたボルトを軸として相対的な回転動作が許容されており、固定部が所定の重合状態となっているときに、支持レールが、装着空間に、支持レールの上端側に位置した装着開口が底部の幅寸法よりも狭まった状態で装着される一方、所定の重合状態を基準とした相対的な回転位置ずれがあるときに、装着開口が固定部が所定の重合状態となっているときよりも拡がって、支持レールが着脱自在とされるようになっており、レール取付片の固定部どうしは、所定の重合状態において、ボルトにナットを螺着することで回転動作が禁止されて固定されることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の建築材料支持レール取付具は、ナットが接触する固定部に係止凸面が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の建築材料支持レール取付具は、レール取付片が、固定部の一端より起立形成されたレール支持部を有した折曲板状体とされ、固定部どうしを重合したときに、レール支持部の板面間に装着空間が形成されるように構成されており、レール支持部が、装着空間に装着された支持レールの傾斜壁部の外側面を押圧するように配され、相互に近づくように突出した突片と、支持レールの前記底部を支持する底支持片とを備えていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の建築材料支持レール取付具は、レール取付片の一方が、装着開口を拡げるための一方向への回転操作が許容された操作用取付片とされ、他方の前記レール取付片が、操作用取付片の前記固定部を載せ置く基板側取付片とされることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の建築材料支持レール取付具は、基板側取付片の突片が支持レールの長手方向に沿って複数片形成されている一方、操作用取付片の突片が、回転操作により基板側取付片のレール支持部から遠ざかる部位における少なくとも1箇所に設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の建築材料支持レール取付具は、操作用取付片の固定部が、所定の重合状態からの一方向の回転動作が許容され、他方向の回転動作が禁止される形状となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の建築材料支持レール取付具によれば、上述の構成となっているため、支持レールの屋根上への設置作業を効率的に行うことができる。また、複数の建築材料支持レール取付具について、回転操作による位置ずらしにより装着開口を拡げた状態を形成し、その状態を放置しておくだけでよいため、建築材料支持レール取付具の数に対応した作業者の必要はない。
【0018】
請求項2に記載の建築材料支持レール取付具によれば、上述の構成となっているため、支持レールを装着、固定した後にナットが緩む可能性は低く、支持レールがずれたり外れたりすることを防止することができる。
【0019】
請求項3に記載の建築材料支持レール取付具によれば、上述の構成となっているため、両レール支持片に設けた突片、底支持片でしっかりと支持レールを固定することができる。
【0020】
請求項4に記載の建築材料支持レール取付具によれば、上述の構成となっているため、基板側取付片を固定しておき操作用取付片だけを回転操作して装着開口を拡げることができ、操作が容易である。
【0021】
請求項5に記載の建築材料支持レール取付具によれば、上述の構成となっているため、装着開口を、支持レールの装着空間への着脱が可能なように確実に拡げることができる。また、突片は基板側取付片には複数片が、操作用取付片には少なくとも1片が設けてあるため、支持レールを強固に固定することができる。
【0022】
請求項6に記載の建築材料支持レール取付具によれば、上述の構成となっているため、操作用取付片の誤った回転操作がなされるおそれがなく、作業を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施の形態に係る建築材料支持レール取付具(以下、レール取付具と略す)について、添付図面にもとづいて説明する。まず、基本構成について
図1〜
図3にもとづいて説明する。
【0025】
本レール取付具1は、底部2aと、底部2aの幅方向の両端より上端が近づくように延びた傾斜壁部2b、2bとを備えた溝形の支持レール2(
図1(b)参照)を、支持レール2を挟着固定する一対のレール取付片10、20間に形成された装着空間30に配し、傾斜壁部2b、2bの両外側から挟着して固定するようにしてある。
【0026】
一対のレール取付片10、20は、ボルト挿通孔11a、21aを有した板状の固定部11、21を有し、それらの固定部11、21を重合状態にしてボルト4が挿通され、その挿通されたボルト4を軸として相対的な回転動作が許容されている。
【0027】
固定部11、21が所定の重合状態となっているときに、支持レール2が、装着空間30に、支持レール2の上端側に位置した装着開口31が底部2aの幅寸法よりも狭まった状態で装着される一方、所定の重合状態を基準とした相対的な回転位置ずれがあるときに、装着開口31が固定部11、21が所定の重合状態となっているときよりも拡がって、支持レール2が着脱自在とされるようになっている。
【0028】
そして、レール取付片10、20の固定部11、21どうしは、上記の所定の重合状態において、ボルト4にナット5を螺着することで回転動作が禁止されて固定される。
【0029】
ついで、レール取付具1の詳細について説明する。
【0030】
両レール取付片10、20はいずれも、ボルト挿通孔11a、21aを有した矩形板状の固定部11、21と、固定部11、21におけるレール取付具1の長手方向に対応した一端より起立形成されたレール支持部12、22とを備えている。これらのレール取付片10、20は、
図1(a)に示すように互いに異なるL字形状をなしている。
【0031】
これらのレール取付片10、20は、
図1(a)および
図2に示すように、矩形の固定部11、21どうしを、上下に重ねて使用され、所定の重合状態に重合されたときなどに、
図2(b)に示すように上述した装着空間30が形成される。ここで、所定の重合状態とは、
図3(a)に示すように、支持レール2がずれなく装着された(装着され得る)状態であり、両レール取付片10、20が平面視で固定部11、21がほぼ平行となるように配された状態をいう。
【0032】
具体的には、一方のレール取付片10(上に配するもの)の固定部11は、他方の固定部21よりもレール取付具1の長手方向の長さが十分に短く、ボルト挿通孔11a、21aを合わせて固定部11、21どうしを重合したときには、レール支持部12、22が離間し、その離間空間に支持レール2が装着され得る装着空間30が形成されるようになっている。
【0033】
一方のレール取付片10(上に配するもの)は、装着開口31を拡げるための一方向への回転操作が許容された操作用取付片10とされ、他方のレール取付片20(下に配するもの)は、操作用取付片10の固定部11を載せ置く基板側取付片20とされる。
【0034】
操作用取付片10のボルト挿通孔11aの周囲におけるナット5が接触する部位には、
図1(a)の拡大縦断面図に示すような係止凸面11bが形成されている。この拡大図における白抜き矢印N1はナット5の螺進の際の回転方向であり、白抜き矢印N2は螺退の際の回転方向である。つまり、係止凸面11bの係止爪11bcによって、いったん螺着したナット5が弛みにくくなっている。
【0035】
また、
図1(a)の斜視図に示すように、いずれのレール取付片10、20の固定部11、21においても、レール取付具1の短手方向(幅方向)の両端に上方に突出した突リブ11c、21cが形成されている。
【0036】
また、操作用取付片10の固定部11の幅寸法(短手方向の長さ寸法)は、基板側取付片20の固定部21の幅寸法よりも小とされる。さらに、操作用取付片10は基板側取付片20の固定部21上で回転する必要があるため、固定部11の両端の外側に回転代(回転のための余裕代)が設けてあり、かつ、固定部11の一対角線に対応した両角部11d、11dはアール状に形成してあり、その部位に相当する突リブ11cも切除されている。なお、基板側取付片20の固定部21については全長にわたり切り欠き、切除はない。
【0037】
両レール取付片10、20のレール支持部12、22は、それらによって支持レール2(
図1(b)参照)をその幅方向の両側より挟着、固定する構造となっている。具体的には、レール支持部12、22は、起立部13、23と、装着空間30に装着された支持レール2の傾斜壁部2b、2bの外側面を押圧するように配され、相互に近づくように起立部13、23より突出した突片14、24と、支持レール2の底部2aを支持する、相互に近づくように起立部13、23より固定部11、21に平行に突出した底支持片15、25とを備えている。
【0038】
具体的には突片14、24は、
図2(a)(b)に示すように、その傾斜内側端面で支持レール2の傾斜壁部2b、2bを斜め上方より押圧できるような形状となっている。
【0039】
基板側取付片20の突片24、24および底支持片25、25は、支持レール2の長手方向に沿って2組がレール支持部22の幅方向の両端に形成されている。一方、操作用取付片10の突片14は、回転操作により基板側取付片20のレール支持部22から遠ざかる部位であるレール支持部12の幅方向の一端に設けられている。なお、操作用取付片10の底支持片15、15は、基板側取付片20と同様、幅方向の両端に設けられている。
【0040】
また、固定部11、21どうしの所定の重合状態においては、操作用取付片10の一端側に設けられた底支持片15と突片14とは、平面視において、基板側取付片20の長手方向の側端縁に沿って、基板側取付片20の底支持片25と突片24とに向き合う(
図3(a)参照)。操作用取付片10の他端側に設けられた底支持片15も同様に、基板側取付片20の底支持片25とに向き合う(
図3(a)参照)。
【0041】
つまり、両レール取付片10、20のレール支持部12、22は、操作用取付片10に突片14が1片しか形成されていない点を除き、両レール支持部12、22はほぼ同形状をなしており、所定の重合状態においては、平面視で両レール支持部12、22が向き合って長方形状を形成するようになっている。
【0042】
そして、両レール支持部12,22間には、突片14、24、底支持片15、25によって形状の定まった正面視台形状の装着空間30が形成される(
図2(b)参照)。
図2(b)に示すように、この装着空間30に支持レール2が装着、固定されるようになっている。
【0043】
以下、支持レール2の装着空間30への装着手順について説明する。
【0044】
一対のレール取付片10、20は、固定部11、21が所定の重合状態で重合された状態で、屋根上取付具40の台座部41より上向きに突出したボルト4に挿通される(
図1、
図3(a)参照)。
【0045】
この所定の重合状態においては、装着空間30の上端に位置するの装着開口31の幅寸法W1(
図3(a)参照)は、突片14、24の先端間の寸法により定められている。この状態では、装着空間30に支持レール2を底部2a側より装着することはできないが(
図2(b)、
図3(a)参照)、本レール取付具1では、
図3(b)に示すように、操作用取付片10を平面視で半時計回りに回転させ、装着開口31の開口寸法を所定の重合状態となっているときよりも拡げてW2とすることで、支持レールを装着できるような状態にすることができる。
【0046】
図3(b)の状態では、操作用取付片10の突片14の先端は回転により基板側取付片20(の突片24)より遠ざかる。また、操作用取付片10における突片14が形成されていないほうの、起立部13の端部13aは回転により基板側取付片20に近づくが、その端部13aには突片14が形成されていないため、
図3(b)に示すように、突片14と同程度に基板側取付片20より離れた状態となり、その結果、装着開口31は拡がる。
【0047】
こうして、装着開口31は支持レール2(の底部2a)の幅寸法よりも大きく拡げられ、上方から支持レール2を装着できるようになる。
【0048】
支持レール2は、装着空間30に装着されたのちに、操作用取付片10を時計回りに回転させ、元の所定の重合状態に戻すことで、両レール支持部12、22にしっかりと固定、支持された状態となる。
【0049】
そして、ボルト挿通孔11a、21aより突出したボルト4の軸部に対しナット5が螺着されて、2片のレール取付片10、20は、所定の重合状態において固定状態となる。上述したように、いったんナット5を締め付けて固定すると、操作用取付片10のボルト挿通孔11aの周囲に形成した係止凸面11bにより、ナット5は弛みにくくなる。
【0050】
図4にレール取付具1の固定台として例示した屋根上取付具40は、山部Y1、谷部Y2が交互に形成された折板屋根Yの頂部Y1aより突出したボルト体Bに取り付けられる部材である。この屋根上取付具40は、
図5に示すように略門形をなし、緊締用ボルト44、ナット45により両脚片42、42を緊締することで、その両挟着片43、43がボルト体Bを挟着することで屋根上に固定される。
【0051】
屋根上取付具40は、上部に台座部41を有しており、その中央から上方に向けてボルト4が突出している。このボルト4にレール取付具1が取り付けられる。なお、このボルト4は、屋根上取付具40の台座部41にあらかじめ固定されていることが、レール取付具1を取り付けやすくするうえで望ましい。
【0052】
また、屋根上取付具40の台座部41の上では、ボルト挿通孔11a、21aに挿通されたボルト4がナット5止めされていない状態では、操作用取付片10の回転操作などにより基板側取付片20も回転するおそれがあるため、台座部41には基板側取付片20の回転を防止するための回り止めを設けることが望ましい。また、たとえば、基板側取付片20を接着剤や糊などで基板側取付片20を台座部41に仮止めしておいてもよい。
【0053】
以上に示したレール取付具1は、
図6に示すように、複数のものが、頂部Y1aに固定された屋根上取付具40、40、40に取り付けられるようになっている。つまり、支持レール2は、並設された複数のレール取付具1、1、1に架け渡すように取り付けられる。
【0054】
支持レール2をこのように取り付けるためには、すべてのレール取付具1、1、1の操作用取付片10、10、10を回転させ装着開口31(
図2(b)参照)を拡げておけばよい。そして、支持レール2の長手方向の両端や中央部などを手で支えながら、直線状に並んだ装着空間30に対して上方から落とし込むようにして装着すればよい。
【0055】
このように、レール取付具1が回転操作にて装着開口31を大きくする構成となっているため、支持レール1の屋根上への固定作業を効率的に行うことができる。また、複数のレール取付具1、1、1について、回転操作による位置ずらしにより装着開口31を拡げた状態にして、その状態を放置しておけばよいため、レール取付具1、1、1の数に対応した作業者の必要はなく、装着作業の手間はかからない。
【0056】
また、上述したレール取付片10、20は、装着空間30を形成した両レール支持部12、22が固定部11、21の一端より起立した形状となっているため、屋根上で、屋根上取付具40から突出したボルト4に取り付けることができ、その結果、支持レール2を屋根上取付具40の側方において取り付けることができる。さらに、レール取付具1がこのような形状、構成となっているため、両レール支持部12、22に設けた突片14、24および底支持片15、25でしっかりと支持レール2を固定することができる。
【0057】
また、回転操作にて装着開口31を拡げるようにしているため、ボルト挿通孔11a、21aを長孔とする必要がない。そのため、支持レール2の設置後に長孔による横方向への弛みが発生することはない。
【0058】
なお、レール取付片10、20は上述したようなL字形状のものには限られず、種々の形状であってもよく、少なくともボルト4が挿通される固定部11、21を有し、支持レール2を装着する装着空間30が形成されるものであればよい。
【0059】
また、レール取付片10、20の一方が操作用取付片10、他方が基板側取付片20となっているため、基板側取付片20を固定しておき操作用取付片10だけを回転操作して装着開口31を拡げることができ、操作が容易である。
【0060】
また、基板側取付片20の突片24、24が支持レール2の長手方向に沿って2片形成されている一方、操作用取付片10の突片14が、回転操作により基板側取付片20のレール支持部22から遠ざかる部位における1箇所に設けられているため、装着開口31を、支持レール2の装着空間30への着脱が可能なように確実に拡げることができる。また、突片24、14は基板側取付片20には複数片が、操作用取付片10には少なくとも1片が設けてあるため、支持レール2を強固に固定することができる。
【0061】
なお、支持レール2をさらに強固に固定するために、基板側取付片20は3片以上の突片24を備えてもよく、また、操作用取付片10は基板側取付片20のレール支持部22から遠ざかる部位における複数個所に突片14を備えてもよい。
【0062】
また、操作用取付片10の固定部11は一対角線に対応した角部11d、11dがアール状に形成されているため、所定の重合状態からの一方向の回転動作だけが許容され、他方向へはわずかに回動するが大きな回転動作は禁止される。そのため、操作用取付片10の誤った回転操作がなされるおそれがなく、作業を効率的に行うことができる。
【0063】
さらに、操作用取付片10を回転させすぎて、突片14を備えていない起立部13の端部13aが基板側取付片20のレール支持部22に近づきすぎないようにするために、基板側取付片20の突リブ21cがストッパとして作用する構成とすることが望ましい。つまり、基板側取付片20における突リブ21cの現位置よりもやや内側(
図3(b)に2点鎖線で示した位置)に突リブ21cを設けるようにすれば、操作用取付片10が
図3(b)の状態よりも大きく回転するおそれはなく、より望ましい。
【0064】
なお、操作用取付片10、基板側取付片20の固定部11、21は本図例のような形状でなくてもよく、操作用取付片10の固定部11が回転可能なものであれば、どのような形状であってもよい。たとえば、確実に回転できるように基板側取付片20が突リブ21cを有さない平板形状であってもよい。
【0065】
また、操作用取付片10の回転規制用のストッパとしては、操作用取付片10、基板側取付片20の両部材の各部の接触によって作用するものであれば、どのような形状、構造のものであってもよい。
【0066】
また、上述したレール取付具の種々の構成は、窓用の日よけシート取り付け用の支持レールを取り付けるためのレール取付具にも適用させることができる。