特開2016-121514(P2016-121514A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2016-121514車両ドアラッチ装置のラッチアッシー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-121514(P2016-121514A)
(43)【公開日】2016年7月7日
(54)【発明の名称】車両ドアラッチ装置のラッチアッシー
(51)【国際特許分類】
   E05B 79/08 20140101AFI20160610BHJP
   E05B 85/02 20140101ALI20160610BHJP
   E05B 85/26 20140101ALI20160610BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20160610BHJP
   E05B 77/38 20140101ALI20160610BHJP
【FI】
   E05B79/08
   E05B85/02
   E05B85/26
   B60J5/00 M
   E05B77/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-263703(P2014-263703)
(22)【出願日】2014年12月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】長岡 智治
(72)【発明者】
【氏名】野澤 秀晶
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ09
2E250JJ43
2E250JJ45
2E250LL01
2E250PP00
2E250PP02
2E250PP04
2E250PP05
2E250PP07
2E250PP10
2E250QQ00
(57)【要約】
【課題】ラッチアッシーの加締加工箇所を減らして組立時間の短縮を図る。
【解決手段】ラッチアッシーは、中央のラッチボディ15と、表側のカバープレート16と、裏側のバックプレート17と、ラッチ軸20により支持されるラッチ19と、ラッチ19をフルラッチ位置に保持するラチェット42とを有する。前記ラッチ軸20は、表側の一端に前記カバープレート16の表面に当接する環状フランジ21を、環状フランジ21の裏面側直近に前記カバープレート16のカバー側ラッチ軸孔23より僅かに大径で前記カバー側ラッチ軸孔23に対して圧入される係合加工部22を、裏側他端に前記バックプレート17のバック側ラッチ軸孔30に挿入される加締用突起26をそれぞれ備える。加締用突起26は加締加工により前記バックプレート17に固定される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央のラッチボディ15と、前記ラッチボディ15の表側に配置されるカバープレート16と、前記ラッチボディ15の裏側に配置されるバックプレート17と、前記ラッチボディ15の表側に配置されラッチ軸20により回転自在に支持されストライカSと係合するラッチ19と、前記ラッチ19と係合することにより前記ラッチ19をフルラッチ位置に保持するラチェット42とを有するラッチアッシーにおいて、
前記ラッチ軸20は、表側の一端に前記カバープレート16の表面に当接する環状フランジ21を、前記環状フランジ21の裏面側直近に前記カバープレート16のカバー側ラッチ軸孔23より僅かに大径で前記カバー側ラッチ軸孔23に対して圧入される係合加工部22を、裏側他端に前記バックプレート17のバック側ラッチ軸孔30に挿入される加締用突起26をそれぞれ備え、
前記加締用突起26は加締加工により前記バックプレート17に固定される車両ドアラッチ装置のラッチアッシー。
【請求項2】
請求項1において、前記ラッチ19および前記ラッチボディ15は、前記カバープレート16に圧入された前記ラッチ軸20に対して裏側から取り付けられる車両ドアラッチ装置のラッチアッシー。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記ラッチボディ15には前記ストライカSとの当接により前記ストライカSの移動慣性力を吸収するバンパーラバー34を設け、前記バンパーラバー34は前記ラッチボディ15に裏側から差し込むことにより取り付けられる車両ドアラッチ装置のラッチアッシー。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項において、前記ラチェット42は、表側の一端に前記カバープレート16のカバー側ラチェット軸孔43に回転自在に支持されるカバー側軸部44を、裏側他端に前記バックプレート17のバック側ラチェット軸孔45に回転自在に支持されるバック側軸部46をそれぞれ備えた車両ドアラッチ装置のラッチアッシー。
【請求項5】
請求項4において、前記ラッチボディ15には前記ラチェット42が表裏方向に貫通するラチェット挿通孔47を設け、前記ラチェット42の前記カバー側軸部44は前記ラチェット挿通孔47を介して前記カバー側ラチェット軸孔43に差し込まれる車両ドアラッチ装置のラッチアッシー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ドアラッチ装置に関するものであり、特に、組立時間を短縮できるドアラッチ装置のラッチアッシーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のドアラッチ装置は、車両ドアに固定されるラッチユニットと、車体側に固定されるストライカとを備え、ストライカとラッチユニットとの係合によりドアは閉扉状態に保持される構成である。ラッチユニットは、ラッチ/ラチェット機構を有するラッチアッシーと、ロック機構や開扉機構や各種アクチュエータ等を備えた操作アッシーとを備えている。
前記ラッチアッシーは、典型的には、中央に配置されるラッチボディと、ラッチボディの正面側に配置されるカバープレートと、ラッチボディの背面側に配置されるバックプレートとからなる三重構造を呈し、ラッチボディは合成樹脂で形成されラッチ/ラチェット機構を収納するスペースを備える一方、両側のカバープレートおよびバックプレートは金属製で、ラッチ/ラチェット機構のラッチ軸・ラチェット軸の両端を支持する機能を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2013−271442号明細書
【特許文献2】特開2007−197973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来公知のラッチアッシーでは、ラッチ軸およびラチェット軸の端部は、加締加工によりカバープレートおよびバックプレートに固定されていたが、加締加工には時間を要するため組立時間の短縮を考慮すると、加締加工はできるだけ避けたいことになるが、加締加工を省略すると、組み付け強度の低下を招くことになり、組付箇所が緩んだり、異音の発生を招くことになりかねない。
本発明は、上記課題に鑑み、加締加工を1カ所のみとして組立時間を短縮したうえで、組付箇所の緩みや異音の発生を抑制できる車両ドアラッチ装置のラッチアッシーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
よって、本発明は、中央のラッチボディ15と、前記ラッチボディ15の表側に配置されるカバープレート16と、前記ラッチボディ15の裏側に配置されるバックプレート17と、前記ラッチボディ15の表側に配置されラッチ軸20により回転自在に支持されストライカSと係合するラッチ19と、前記ラッチ19と係合することにより前記ラッチ19をフルラッチ位置に保持するラチェット42とを有するラッチアッシーにおいて、
前記ラッチ軸20は、表側の一端に前記カバープレート16の表面に当接する環状フランジ21を、前記環状フランジ21の裏面側直近に前記カバープレート16のカバー側ラッチ軸孔23より僅かに大径で前記カバー側ラッチ軸孔23に対して圧入される係合加工部22を、裏側他端に前記バックプレート17のバック側ラッチ軸孔30に挿入される加締用突起26をそれぞれ備え、前記加締用突起26は加締加工により前記バックプレート17に固定される車両ドアラッチ装置のラッチアッシーの構成としたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1に係る発明では、ラッチ軸20をカバープレート16に対して圧入しているため、ラッチ軸20とカバープレート16とを良好に連結でき、異音の発生も抑制でる。
本発明の請求項2に係る発明では、ラッチ19およびラッチボディ15を同一方向からラッチ軸20に取り付けできるので、組立時間の短縮が期待できる。
本発明の請求項3に係る発明では、ラッチ19およびラッチボディ15の取り付け方向と同じ方向からバンパーラバー34をラッチボディ15に取り付けられるから、半製品の反転等の組み立て工程を省略でき、組立時間の短縮が期待できる。
本発明の請求項4に係る発明では、ラチェット42を加締加工することなくカバープレート16およびバックプレート17に支持させることができる。
本発明の請求項5に係る発明では、ラチェット42をラッチボディ15を貫通させてカバープレート16に軸止させることができるから、半製品の反転等の組み立て工程を省略でき、組立時間の短縮が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係るドアラッチ装置の全体斜視図。
図2】前記ドアラッチ装置のラッチアッシーの背面側分解斜視図。
図3】前記ラッチアッシーのラッチボディの正面側斜視図。
図4】前記ラッチアッシーの正面図。
図5】前記ラッチアッシーの背面図。
図6】前記ラッチアッシーの中間レバーとオープンレバーの背面図。
図7】前記ラッチアッシーのラッチ軸の拡大図。
図8】前記ラッチアッシーのカバープレートとバックプレートの要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明によるドアラッチ装置の一実施形態を図面により説明すると、ドアラッチ装置10は、車両ドアDに複数のボルト11により固定されるラッチユニット12と、車体側に固定されるストライカSとを備え、周知のように、ストライカSとラッチユニット12との係合によりドアDは閉扉状態に保持される。
【0009】
前記ラッチユニット12は、ラッチ/ラチェット機構を有するラッチアッシー13を備え、ラッチアッシー13にはドアDのオープンハンドルやキーシリンダ等の手動操作手段に連結される操作アッシー14が接続される。ラッチアッシー13と操作アッシー14とは、図1に示したように一体的に組立て取付けられる場合と、別体に組み立てられて個別に取付けられる場合とがあり、一体構造のラッチユニット12は主にスイング式ドアに用いられ、別体構造のラッチユニット12は主にスライド式ドアに用いられる。また、操作アッシー14には、ロック/アンロック操作用のアクチュエータや、遠隔開扉用のアクチュエータ等の電動操作機能が付加的に設けられるが、本発明の要旨は、ラッチアッシー13の構成にあるため、操作アッシー14自体の詳細な説明は省略する。
【0010】
前記ラッチアッシー13は、図2の分解斜視図に示したように、中央に配置されるラッチボディ15と、ラッチボディ15の正面側(表側)に配置されるカバープレート16と、ラッチボディ15の背面側(裏側)に配置されるバックプレート17とからなる周知の三重構造を呈している。ラッチボディ15は合成樹脂で形成され、後述するように、ラッチ/ラチェット機構を収納するスペースを備える一方、両側のカバープレート16およびバックプレート17は金属製で、ラッチ/ラチェット機構の回転中心軸の両端を支持する機能を備える。
【0011】
前記ラッチボディ15の正面にはラッチ収納部18を形成し(図3参照)、そこにラッチ/ラチェット機構のラッチ19を収納し、ラッチ軸20により軸止する。ラッチ軸20の正面側の一端には、図7のように、予め大径の環状フランジ21を一体的に形成し、環状フランジ21の直近他端側にはローレット状の係合加工部22を形成する。係合加工部22は前記カバープレート16のカバー側ラッチ軸孔23より僅かに大径とし、また、カバープレート16の厚さとほぼ同じ幅を備えている。
【0012】
前記ラッチ軸20をカバープレート16の正面側からカバー側ラッチ軸孔23に挿入すると、僅かに大径の係合加工部22はカバー側ラッチ軸孔23に圧入され、環状フランジ21はカバープレート16の表面に密接する。これにより、ラッチ軸20をカバープレート16に対してがたつき無く適切な位置に容易に短時間で取付けられる。これにより、ラッチ軸20の一端側への加締加工を省略できる。
【0013】
前記ラッチ19の中心孔24はラッチ軸20の第1軸部25に回転自在に軸止される。第1軸部25は係合加工部22より僅かに小径に形成し、ラッチ軸20をカバープレート16に取り付ける際にカバー側ラッチ軸孔23と係合しない構成にする。
【0014】
前記ラッチ軸20の他端には最小径の加締用突起26を形成し、加締用突起26と係合加工部22との間には、中間の軸径を備えた第2軸部27を形成する。第2軸部27は前記ラッチボディ15の円筒部28に回転自在に支持される。
【0015】
前記バックプレート17にはラッチ軸20の他端側を支持する平面状のラッチ支持部29を設け、ラッチ支持部29は、ラッチボディ15の円筒部28の背面側端部と当接する。ラッチ支持部29の中央には前記円筒部28と軸芯が一致するバック側ラッチ軸孔30を形成し、バック側ラッチ軸孔30には加締用突起26を挿通させる。
【0016】
前記加締用突起26は前記バックプレート17のバック側ラッチ軸孔30に挿通した後、突き出た頭部が加締加工されてバックプレート17に固定される。
【0017】
前記ラッチボディ15の円筒部28の外周にはラッチバネ31のコイル部を巻回させ、ラッチバネ31の一方の脚部31Aはラッチボディ15に当接させ、他方の脚部31Bはラッチボディ15に設けた円弧孔32を通ってラッチ19に掛止させ、これにより、ラッチ19をオープン方向(図4において時計方向)に付勢する。
【0018】
前記ラッチボディ15には、閉扉時に、前記ストライカSが相対的に進入するストライカ進入溝33を形成し、ストライカ進入溝33のストライカ進入方向における奥側にはバンパーラバー34を配設する。バンパーラバー34は、ラッチボディ15に形成したラバー組付孔35に、ラッチボディ15の背面側から差し込むことでラッチボディ15に取り付けられ、バンパーラバー34の背面はバックプレート17のラバー抑え部36により外れないように保持される。
【0019】
前記バンパーラバー34は、閉扉操作によりストライカSが相対的にストライカ進入溝33に進入し、ラッチ19と係合してラッチ19がフルラッチ位置に移動するタイミングにおいて、ストライカ進入溝33に進入したストライカSと弾力的に当接し、ストライカS(ドアD)の移動慣性力を吸収し、ドア閉扉時の衝撃を軽減させる。
【0020】
前記カバープレート16には前記ボルト11と螺合するねじ孔37と、ボルト11のねじ部が貫通するだけの貫通孔38とが設けられる。前記バックプレート17には前記ラッチボディ15を介さずにカバープレート16に直接接触可能なねじ孔形成部39を設け、ねじ孔形成部39にはカバープレート16の貫通孔38と軸芯が一致するねじ孔40を設ける。ねじ孔40はバーリング加工により正面側に突き出す円筒部41(図8)の内面に刻設される。貫通孔38を介してねじ孔40にボルト11を締め付けると、円筒部41がカバープレート16の貫通孔38の内側に嵌合し、カバープレート16とバックプレート17とは良好に固着される。
【0021】
前記ラッチ/ラチェット機構のラチェット42は、その両端側が前記カバープレート16とバックプレート17とで回転自在に支持される。ラチェット42は好適には金属材芯材を合成樹脂材によりモールドすることで形成され、ラチェット42の正面側の一端にはカバープレート16のカバー側ラチェット軸孔43に軸止されるカバー側軸部44が設けられ、他端側にはバックプレート17のバック側ラチェット軸孔45に軸止されるバック側軸部46が設けられる。ラチェット42はラッチボディ15に形成したラチェット挿通孔47を介してラッチボディ15を貫通して前後に延在する。
【0022】
前記ラチェット42には、前記ラッチ19のフルラッチ段部48またはハーフラッチ段部49に選択的に係合可能な係合爪50が設けられ、係合爪50がフルラッチ段部48またはハーフラッチ段部49に係合することにより、周知のように、ラッチ19のアンラッチ回転が防止され、閉扉状態が保持される。
【0023】
前記ラッチボディ15の背面側には、後方に突出するボス部51が一体的に形成され、ボス部51にはラチェットバネ52のコイル部を巻回させ、ラチェットバネ52の一方の脚部52Aはラッチボディ15に当接させ、他方の脚部52Bはラチェット42に掛止させ、これにより、ラチェット42をラッチ係合方向(図4において反時計方向)に付勢する。
【0024】
前記ラッチボディ15の背面側の下部には、後方に突出するレバー軸53を設ける。レバー軸53は好適にはラッチボディ15と一体形成する。レバー軸53の後端部には十字突起54を形成し、十字突起54はバックプレート17の係合孔55に係合させる。
【0025】
前記レバー軸53にはアウターオープンレバー56を回転自在に軸止させる。アウターオープンレバー56はドアのオープンハンドル57の開扉操作により図6において反時計回転する。前記レバー軸53には更に中間レバー58を回転自在に軸止させる。中間レバー58はアウターオープンレバー56の正面側に配置され、アウターオープンレバー56が開扉回転(反時計回転)すると、アウターオープンレバー56との当接により開扉回転する。中間レバー58の開扉回転は前記操作アッシー14のロック機構等を介して前記ラチェット42に伝達され、ラチェット42が解放移動すると周知のようにドアDは開扉可能となる。
【0026】
前記レバー軸53には戻しバネ59のコイル部を巻回させる。コイル部は中間レバー58とラッチボディ15との間に配置され、戻しバネ59の一方の脚部59Aはラッチボディ15に当接させ、他方の脚部59Bは中間レバー58に掛止させ、中間レバー58およびアウターオープンレバー56を時計回転方向に付勢させてこれらを初期位置に復帰させる。
【0027】
本発明によるラッチアッシー13は以上の構成であり、これを組み立てるときは、先ず、環状フランジ21が下になり加締用突起26が上方へ向くようにラッチ軸20をジグに固定し、固定させたラッチ軸20にカバープレート16のカバー側ラッチ軸孔23を差し込むと、ラッチ軸20の根本に形成した係合加工部22がカバー側ラッチ軸孔23に摺接するから、ラッチ軸20の環状フランジ21がカバープレート16の表面に当接するまで圧入して係合加工部22をカバー側ラッチ軸孔23に密着接続させる。
【0028】
次に、ラッチ軸20にラッチ19の中心孔24を差し込み、ラッチ19の中心孔24をラッチ軸20の第1軸部25に取り付け、続いてラッチ軸20の第2軸部27にラッチボディ15の円筒部28を差し込む。ついで、ラッチボディ15のラバー組付孔35にバンパーラバー34をラッチボディ15の背面側から取り付け、また、ラッチボディ15の円筒部28の外周にラッチバネ31のコイル部をラッチボディ15の背面側から取り付け、また、ラッチバネ31の脚部31Bをラッチボディ15の円弧孔32を介してラッチ19に掛止させる。
【0029】
次に、ラッチボディ15の背面側からラチェット42のカバー側軸部44を、ラッチボディ15のラチェット挿通孔47を介して、カバープレート16のカバー側ラチェット軸孔43に差し込み、ついで、ラッチボディ15のボス部51の外周にラチェットバネ52のコイル部をラッチボディ15の背面側から取り付ける。
【0030】
次に、ラッチボディ15の背面側下部に形成したレバー軸53に戻しバネ59のコイル部をラッチボディ15の背面側から取り付け、ついで、中間レバー58およびアウターオープンレバー56を順次レバー軸53にラッチボディ15の背面側から取り付ける。
【0031】
これにより、内部部品の取付が背面側からの組み付け作業により完了し、バックプレート17の固定作業に移行する。バックプレート17の取り付け作業においても、作業は背面側から行え、まず、バックプレート17のバック側ラッチ軸孔30にラッチ軸20の後端の加締用突起26を挿通させ、バックプレート17のバック側ラチェット軸孔45にラチェット42のバック側軸部46を挿通させ、バックプレート17の係合孔55にレバー軸53の後端の十字突起54を挿通させる。
【0032】
ここまでの組み付けが適正に終了すると、バックプレート17の円筒部41はカバープレート16の貫通孔38に適切に嵌合し、バックプレート17の組立準備は終了し、最後に、バックプレート17のバック側ラッチ軸孔30から後方に突き出たラッチ軸20の加締用突起26の頭部に加締加工を施し、ラッチアッシー13の組立は完了する。
【0033】
以上の作業において、部品の組み付け作業は全て背面側から行えるので、組み付け作業中に、半製品を反転させる等の移動作業なく連続して組立が行えるので、組立が容易となり、組立時間の短縮が期待できる。
また、時間を要する軸部の加締加工が、ラッチ軸20の他端側の1カ所のみとなるので、更に、組立時間の短縮が期待できる。
また、加締加工を1カ所に抑制しても、ラッチ軸20の一端側はローレット状の係合加工部22をカバープレート16のカバー側ラッチ軸孔23に圧入させて密着させているので、がたつきの発生を抑制できる。
【符号の説明】
【0034】
10…ドアラッチ装置、11…ボルト、12…ラッチユニット、13…ラッチアッシー、14…操作アッシー、15…ラッチボディ、16…カバープレート、17…バックプレート、18…ラッチ収納部、19…ラッチ、20…ラッチ軸、21…環状フランジ、22…係合加工部、23…カバー側ラッチ軸孔、24…中心孔、25…第1軸部、26…加締用突起、27…第2軸部、28…円筒部、29…ラッチ支持部、30…バック側ラッチ軸孔、31…ラッチバネ、31A…脚部、31B…脚部、32…円弧孔、33…ストライカ進入溝、34…バンパーラバー、35…ラバー組付孔、36…ラバー抑え部、37…ねじ孔、38…貫通孔、39…ねじ孔形成部、40…ねじ孔、41…円筒部、42…ラチェット、43…カバー側ラチェット軸孔、44…カバー側軸部、45…バック側ラチェット軸孔、46…バック側軸部、47…ラチェット挿通孔、48…フルラッチ段部、49…ハーフラッチ段部、50…係合爪、51…ボス部、52…ラチェットバネ、52A…脚部、52B…脚部、53…レバー軸、54…十字突起、55…係合孔、56…アウターオープンレバー、57…オープンハンドル、58…中間レバー、59…戻しバネ、D…ドア、S…ストライカ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8