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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-121907(P2016-121907A)
(43)【公開日】2016年7月7日
(54)【発明の名称】温度センサ回路及び集積回路
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/01 20060101AFI20160610BHJP
【FI】
   G01K7/01 C
   G01K7/01 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-260847(P2014-260847)
(22)【出願日】2014年12月24日
(71)【出願人】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】荒井 知之
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056JT01
2F056JT08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】面積を小さくすることができる温度センサ回路及び集積回路を提供する温度センサ回路及び集積回路を提供する。
【解決手段】温度センサ回路300は、閾値電圧の2倍の電圧がゲートに印加された場合に温度に比例する電流を出力する第1の電界効果トランジスタM1を含む出力回路302と、複数の電界効果トランジスタによって閾値電圧の2倍の電圧を生成し、生成した閾値電圧の2倍の電圧を第1の電界効果トランジスタM1のゲートに供給する電圧生成回路301とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閾値電圧の2倍の電圧がゲートに印加された場合に温度に比例する電流を出力する第1の電界効果トランジスタを含む出力回路と、
複数の電界効果トランジスタによって前記閾値電圧の2倍の電圧を生成し、前記生成した閾値電圧の2倍の電圧を前記第1の電界効果トランジスタのゲートに供給する電圧生成回路と
を有することを特徴とする温度センサ回路。
【請求項2】
前記電圧生成回路内のトランジスタは、すべて電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1記載の温度センサ回路。
【請求項3】
前記電圧生成回路は、
ソースが第1の電位ノードに接続され、ゲート及びドレインが相互に接続される第2の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第1の電位ノードに接続され、ゲートが前記第2の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ドレインが前記第1の電界効果トランジスタのゲートに接続される第3の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第2の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲート及びドレインが相互に接続される第4の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第4の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲート及びドレインが第2の電位ノードに接続される第5の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第3の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第5の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ドレインが第3の電位ノードに接続される第6の電界効果トランジスタとを有することを特徴とする請求項1記載の温度センサ回路。
【請求項4】
前記電圧生成回路は、
ドレイン及びゲートが電流源に接続され、ソースが第4の電位ノードに接続される第7の電界効果トランジスタと、
ドレインが前記第5の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第7の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第8の電界効果トランジスタと、
ドレイン及びゲートが前記第6の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第9の電界効果トランジスタとを有することを特徴とする請求項3記載の温度センサ回路。
【請求項5】
前記第6の電界効果トランジスタのゲート幅は、制御信号に応じて変更可能であることを特徴とする請求項3又は4記載の温度センサ回路。
【請求項6】
前記電圧生成回路は、
ソースが第1の電位ノードに接続され、ゲート及びドレインが相互に接続される第2の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第1の電位ノードに接続され、ゲートが前記第2の電界効果トランジスタのゲートに接続される第3の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第2の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲート及びドレインが第2の電位ノードに接続される第4の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第3の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第4の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ドレインが第3の電位ノードに接続される第5の電界効果トランジスタと、
前記第5の電界効果トランジスタのソース電圧の2倍の電圧を前記第1の電界効果トランジスタのゲートに供給する増幅回路とを有することを特徴とする請求項1記載の温度センサ回路。
【請求項7】
前記電圧生成回路は、
ドレイン及びゲートが電流源に接続され、ソースが第4の電位ノードに接続される第6の電界効果トランジスタと、
ドレインが前記第4の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第6の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第7の電界効果トランジスタと、
ドレイン及びゲートが前記第5の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第8の電界効果トランジスタとを有することを特徴とする請求項6記載の温度センサ回路。
【請求項8】
前記第5の電界効果トランジスタのゲート幅は、制御信号に応じて変更可能であることを特徴とする請求項6又は7記載の温度センサ回路。
【請求項9】
温度に比例する電流を出力する温度センサ回路と、
前記温度に比例する電流に応じて処理する処理回路とを有し、
前記温度センサ回路は、
閾値電圧の2倍の電圧がゲートに印加された場合に温度に比例する電流を出力する第1の電界効果トランジスタを含む出力回路と、
複数の電界効果トランジスタによって前記閾値電圧の2倍の電圧を生成し、前記生成した閾値電圧の2倍の電圧を前記第1の電界効果トランジスタのゲートに供給する電圧生成回路と、
を有することを特徴とする集積回路。
【請求項10】
前記電圧生成回路内のトランジスタは、すべて電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項9記載の集積回路。
【請求項11】
前記処理回路は、パラレル信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換器又はシリアル信号をパラレル信号に変換するシリアルパラレル変換器であることを特徴とする請求項9又は10記載の集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサ回路及び集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、温度センサ回路の構成例を示す回路図である。温度センサ回路は、エミッタサイズの異なる2個のnpnバイポーラトランジスタ101及び102のコレクタに発生する電位差を用いて、温度に比例する電流Iを発生させる。ところが、トリプルウェルプロセスが使用できないCMOSプロセスでは、npnバイポーラトランジスタ101及び102を使用できない。そのため、CMOSプロセスを用いた場合には、図1の温度センサ回路を製造することができない。また、トリプルウェルプロセスを用いる場合には、ウェルを分離する必要があるが、その場合、温度センサ回路の面積が大きくなってしまう課題がある。
【0003】
図2は、他の温度センサ回路の構成例を示す回路図である。温度センサ回路は、MOS電界効果トランジスタ203〜205及びpnpバイポーラトランジスタ201,202を有し、2個のpnpバイポーラトランジスタ201及び202のエミッタに発生する電位差を用いて、温度に比例する電流Iを発生させる。CMOSプロセスを用いた場合でも、pnpバイポーラトランジスタ201及び202を使用することができる。しかし、pnpバイポーラトランジスタ201及び202は、面積が大きくなってしまう課題がある。
【0004】
また、第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタを有する温度検出装置が知られている(特許文献1参照)。ポテンシャル制御回路は、第1のMOSトランジスタのゲート下の空乏時のポテンシャルを検出し、この検出したポテンシャルに基づいて第1のMOSトランジスタのゲート電圧を制御する。第2のMOSトランジスタは、ポテンシャル制御回路によってゲート電圧が制御されかつその出力を温度出力とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−133587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図1の温度センサ回路は、npnバイポーラトランジスタ101及び102を用いるため、CMOSプロセスを用いる場合には、ウェルを分離する必要があり、面積が大きくなってしまう課題がある。また、図2の温度センサ回路は、pnpバイポーラトランジスタ201及び202を用いるため、面積が大きくなってしまう課題がある。
【0007】
本発明の目的は、面積を小さくすることができる温度センサ回路及び集積回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
温度センサ回路は、閾値電圧の2倍の電圧がゲートに印加された場合に温度に比例する電流を出力する第1の電界効果トランジスタを含む出力回路と、複数の電界効果トランジスタによって前記閾値電圧の2倍の電圧を生成し、前記生成した閾値電圧の2倍の電圧を前記第1の電界効果トランジスタのゲートに供給する電圧生成回路とを有する。
【発明の効果】
【0009】
複数の電界効果トランジスタによって閾値電圧の2倍の電圧を生成するので、温度センサ回路の面積を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、温度センサ回路の構成例を示す回路図である。
図2図2は、他の温度センサ回路の構成例を示す回路図である。
図3図3は、第1の実施形態による温度センサ回路の構成例を示す回路図である。
図4図4は、第2の実施形態による温度センサ回路の構成例を示す回路図である。
図5図5は、第3の実施形態による温度センサ回路の構成例を示す回路図である。
図6図6は、第4の実施形態による温度センサ回路の構成例を示す回路図である。
図7図7は、第5の実施形態による集積回路の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態による温度センサ回路300の構成例を示す回路図である。温度センサ回路300は、電圧生成回路301及び出力回路302を有する。出力回路302は、第1の電界効果トランジスタM1及び抵抗304を有する。電圧生成回路301は、第2の電界効果トランジスタM2、第3の電界効果トランジスタM3、第4の電界効果トランジスタM4、第5の電界効果トランジスタM5、第6の電界効果トランジスタM6、第7の電界効果トランジスタM7、第8の電界効果トランジスタM8、第9の電界効果トランジスタM9及び電流源303を有する。第1〜第6の電界効果トランジスタM1〜M6は、nチャネル電界効果トランジスタである。第7〜第9の電界効果トランジスタM7〜M9は、pチャネル電界効果トランジスタである。第1〜第9の電界効果トランジスタM1〜M9は、MOS電界効果トランジスタである。温度センサ回路300内のトランジスタは、すべてMOS電界効果トランジスタであるので、温度センサ回路300はバイポーラトランジスタを含まない。そのため、温度センサ回路300は、図1のnpnバイポーラトランジスタ101及び102を用いた温度センサ回路、及び図2のpnpバイポーラトランジスタ201及び202を用いた温度センサ回路に比べて、面積を小さくすることができる。
【0012】
出力回路302は、閾値電圧Vthの2倍の電圧がゲートに印加された場合に温度に比例する電流Ioutを出力する第1の電界効果トランジスタM1を含む。電圧生成回路301は、閾値電圧Vthの2倍の電圧を生成し、その生成した閾値電圧Vthの2倍の電圧を第1の電界効果トランジスタM1のゲートに供給する。電圧生成回路301内のトランジスタは、すべて電界効果トランジスタである。
【0013】
まず、電圧生成回路301の構成を説明する。第2の電界効果トランジスタM2は、ソース及びバックゲートが第1の電位ノード(グランド電位ノード)に接続され、ゲート及びドレインが相互に接続される。第3の電界効果トランジスタM3は、ソース及びバックゲートが第1の電位ノード(グランド電位ノード)に接続され、ゲートが第2の電界効果トランジスタM2のゲートに接続され、ドレインが第1の電界効果トランジスタM1のゲートに接続される。第4の電界効果トランジスタM4は、ソース及びバックゲートが第2の電界効果トランジスタM2のドレインに接続され、ゲート及びドレインが相互に接続される。第5の電界効果トランジスタM5は、ソース及びバックゲートが第4の電界効果トランジスタM4のドレインに接続され、ゲート及びドレインが第8の電界効果トランジスタM8のドレイン(第2の電位ノード)に接続される。第6の電界効果トランジスタM6は、ソース及びバックゲートが第3の電界効果トランジスタM3のドレインに接続され、ゲートが第5の電界効果トランジスタM5のゲートに接続され、ドレインが第9の電界効果トランジスタM9のドレイン(第3の電位ノード)に接続される。第7の電界効果トランジスタM7は、ドレイン及びゲートが電流源303を介して第1の電位ノード(グランド電位ノード)に接続され、ソース及びバックゲートが第4の電位ノードAVDに接続される。第8の電界効果トランジスタM8は、ドレインが第5の電界効果トランジスタM5のドレインに接続され、ゲートが第7の電界効果トランジスタM7のゲートに接続され、ソース及びバックゲートが第4の電位ノードAVDに接続される。第9の電界効果トランジスタM9は、ドレイン及びゲートが第6の電界効果トランジスタM6のドレインに接続され、ソース及びバックゲートが第4の電位ノードAVDに接続される。
【0014】
第4の電位ノードAVDは、正電位ノード(電源電位ノード)である。第8の電界効果トランジスタM8のドレインも正電位ノード(第2の電位ノード)であり、第9の電界効果トランジスタM9のドレインも正電位ノード(第3の電位ノード)である。ここで、グランド電位は例えば0Vの電位であり、正電位はグランド電位より高い電位である。
【0015】
次に、出力回路302の構成を説明する。第1の電界効果トランジスタM1は、ソース及びバックゲートが第1の電位ノード(グランド電位ノード)に接続され、ゲートが第3の電界効果トランジスタM3のドレインに接続され、ドレインが出力電圧ノードVoutに接続される。抵抗304は、第4の電位ノードAVD及び出力電圧ノードVout間に接続される。電流Ioutは、第1の電界効果トランジスタM1のドレイン電流であり、後述するように温度に比例する電流となる。出力電圧ノードVoutの電圧は、温度に比例する電流Ioutに応じた電圧であり、温度に比例する電圧である。
【0016】
次に、電流Ioutが温度に比例する値になる理由を説明する。閾値電圧Vthは、第1〜第6の電界効果トランジスタM1〜M6の閾値電圧である。温度Tの変化量をΔTとし、閾値電圧Vthの変化量をΔVthとすると、ΔVth/ΔTは一定値である。
【0017】
また、第1の電界効果トランジスタM1のパラメータβは、次式(1)で表される。ここで、μは、移動度である。Coxは、第1の電界効果トランジスタM1のゲート酸化膜の容量である。Wgは、第1の電界効果トランジスタM1のゲート幅である。Lgは、第1の電界効果トランジスタM1のゲート長である。
β=μ×Cox×Wg/Lg ・・・(1)
【0018】
温度Tの変化量ΔTに対し、パラメータβの変化量をΔβとすると、(1/β)×(Δβ/ΔT)は一定値になる。
【0019】
また、第1の電界効果トランジスタM1のドレイン電流Idsは、次式(2)で表される。ここで、Vgsは、第1の電界効果トランジスタM1のゲート及びソース間電圧である。
Ids=β×(Vgs−Vth)2/2 ・・・(2)
【0020】
ここで、次式(3)のように、ゲート及びソース間電圧Vgsとして、閾値電圧Vthの2倍の電圧2×Vthを印加する。
Vgs=2×Vth ・・・(3)
【0021】
式(3)を式(2)に代入すると、次式(4)が成立する。
Ids=β×(2×Vth−Vth)2/2
=β×(Vth)2/2 ・・・(4)
【0022】
式(4)のドレイン電流Idsを温度Tで偏微分すると、次式(5)が成立する。
∂Ids/∂T={(Vth)2/2}×(∂β/∂T)
+β×Vth×(∂Vth/∂T) ・・・(5)
【0023】
式(5)を式(4)で割ると、次式(6)が成立する。
∂Ids/Ids={(1/β)×(∂β/∂T)
+(2/Vth)×(∂Vth/∂T)}∂T ・・・(6)
【0024】
上記のように、ΔVth/ΔTが一定値であり、(1/β)×(Δβ/ΔT)が一定値である。したがって、式(6)において、{}内の項は定数であるので、ドレイン電流Idsは、温度Tに比例することが分かる。第1の電界効果トランジスタM1のドレイン電流Idsは、図3の電流Ioutである。したがって、上式(3)のように、第1の電界効果トランジスタM1のゲート及びソース間電圧Vgsとして、閾値電圧Vthの2倍の電圧2×Vthを印加することにより、電流Ioutは、温度Tに比例する電流になることが分かる。
【0025】
次に、電圧生成回路301が閾値電圧Vthの2倍の電圧2×Vthを第1の電界効果トランジスタM1のゲートに供給する方法を説明する。第1の電界効果トランジスタM1のゲート長をLg1とし、第1の電界効果トランジスタM1のゲート幅をWg1とする。第2の電界効果トランジスタM2のゲート長をLg2とし、第2の電界効果トランジスタM2のゲート幅をWg2とする。第3の電界効果トランジスタM3のゲート長をLg3とし、第3の電界効果トランジスタM3のゲート幅をWg3とする。第4の電界効果トランジスタM4のゲート長をLg4とし、第4の電界効果トランジスタM4のゲート幅をWg4とする。第5の電界効果トランジスタM5のゲート長をLg5とし、第5の電界効果トランジスタM5のゲート幅をWg5とする。第6の電界効果トランジスタM6のゲート長をLg6とし、第6の電界効果トランジスタM6のゲート幅をWg6とする。
【0026】
ゲート長Lg1〜Lg6は、次式(7)のように、すべて同じである。また、ゲート幅Wg2〜Wg6は、次式(8)の関係を有する。
Lg1=Lg2=Lg3=Lg4=Lg5=Lg6 ・・・(7)
Wg2×m=Wg4×m=Wg5×m=Wg3=Wg6/9 ・・・(8)
【0027】
また、第7の電界効果トランジスタM7のゲート長をLg7とし、第7の電界効果トランジスタM7のゲート幅をWg7とする。第8の電界効果トランジスタM8のゲート長をLg8とし、第8の電界効果トランジスタM8のゲート幅をWg8とする。第9の電界効果トランジスタM9のゲート長をLg9とし、第9の電界効果トランジスタM9のゲート幅をWg9とする。
【0028】
ゲート長Lg7〜Lg9は、次式(9)の関係を有する。また、ゲート幅Wg7〜Wg9は、次式(10)の関係を有する。
Lg2<Lg7=Lg8=Lg9 ・・・(9)
Wg7=Wg8×n=Wg9×m×n ・・・(10)
【0029】
ここで、Vod=(Vgs−Vth)として、電圧Vodを定義する。Vgsは、ゲート及びソース間電圧である。第2の電界効果トランジスタM2のゲート及びソース間電圧Vgs2は、次式(11)で表される。
Vgs2=Vth+Vod ・・・(11)
【0030】
同様に、第4の電界効果トランジスタM4のゲート及びソース間電圧Vgs4は、次式(12)で表される。
Vgs4=Vth+Vod ・・・(12)
【0031】
同様に、第5の電界効果トランジスタM5のゲート及びソース間電圧Vgs5は、次式(13)で表される。
Vgs5=Vth+Vod ・・・(13)
【0032】
第5の電界効果トランジスタM5のドレイン電流Ids5は、式(2)と同様に、次式(14)が成立する。ここで、パラメータβ5は、第5の電界効果トランジスタM5のパラメータβである。
Ids5=β5×(Vgs5−Vth)2/2 ・・・(14)
【0033】
同様に、第6の電界効果トランジスタM6のドレイン電流Ids6は、次式(15)が成立する。ここで、パラメータβ6は、第6の電界効果トランジスタM6のパラメータβである。
Ids6=β6×(Vgs6−Vth)2/2 ・・・(15)
【0034】
上式(8)より、Wg2×m=Wg3であるので、次式(16)のように、ドレイン電流Ids6は、ドレイン電流Ids5のm倍になる。ここで、ドレイン電流Ids2は、第2の電界効果トランジスタM2のドレイン電流であり、ドレイン電流Ids3は、第3の電界効果トランジスタM3のドレイン電流である。
Ids2×m=Ids3
Ids2=Ids5
Ids3=Ids6
Ids6=Ids5×m ・・・(16)
【0035】
上式(8)より、Wg5×m=Wg6/9であるので、上式(14)〜(16)より、次式(17)が成立する。
β6=9×β5
=32×β5 ・・・(17)
【0036】
上式(14)〜(17)より、第6の電界効果トランジスタM6のゲート及びソース間電圧Vgs6は、次式(18)が成立する。
Vgs6=Vth+3×Vod ・・・(18)
【0037】
ゲート電圧Vg5は、第5の電界効果トランジスタM5のゲート及びグランド電位ノード間の電圧であり、次式(19)で表される。
Vg5=Vgs5+Vgs4+Vgs2
=(Vth+Vod)+(Vth+Vod)+(Vth+Vod)
=3×(Vth+Vod) ・・・(19)
【0038】
したがって、第1の電界効果トランジスタM1のゲート電圧Vg1は、次式(20)になる。
Vg1=Vg5−Vgs6
=3×(Vth+Vod)−(Vth+3×Vod)
=2×Vth ・・・(20)
【0039】
以上より、電圧生成回路301は、第1の電界効果トランジスタM1のゲートに対して、閾値電圧Vthの2倍の電圧2×Vthを供給することができる。第1の電界効果トランジスタM1のゲート電圧Vg1が電圧2×Vthになると、上記のように、第1の電界効果トランジスタM1に流れる電流Ioutは、温度に比例する電流になる。本実施形態によれば、温度センサ回路300内のトランジスタがすべて電界効果トランジスタであるので、温度センサ回路300の面積を小さくすることができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態による温度センサ回路300の構成例を示す回路図である。図4の温度センサ回路300は、図3の温度センサ回路300に対し、第4の電界効果トランジスタM4を削除し、増幅回路402を追加したものである。以下、本実施形態(図4)が第1の実施形態(図3)と異なる点を説明する。
【0041】
第2の電界効果トランジスタM2のドレイン及びゲートは、第5の電界効果トランジスタM5のソース及びバックゲートに接続される。第6の電界効果トランジスタM6のソースは、増幅回路402の入力ノードに接続される。増幅回路402の出力ノードは、第1の電界効果トランジスタM1のゲートに接続される。増幅回路402は、オペアンプ401及び抵抗R1,R2を有する。オペアンプ401の非反転入力端子は、第6の電界効果トランジスタM6のソースに接続される。抵抗R1は、オペアンプ401の反転入力端子及び第1の電位ノード(グランド電位ノード)間に接続される。抵抗R2は、オペアンプ401の出力端子及び反転入力端子間に接続される。オペアンプ401の出力端子は、第1の電界効果トランジスタM1のゲートに接続される。
【0042】
ゲート長Lg1〜Lg3,Lg5,Lg6は、次式(21)のように、すべて同じである。また、ゲート幅Wg2,Wg3,Wg5,Wg6は、次式(22)の関係を有する。
Lg1=Lg2=Lg3=Lg5=Lg6 ・・・(21)
Wg2×m=Wg5×m=Wg3=Wg6/4 ・・・(22)
【0043】
上式(22)より、Wg5×m=Wg6/4であるので、上式(14)〜(16)より、次式(23)が成立する。
β6=4×β5
=22×β5 ・・・(23)
【0044】
上式(14)〜(16)、(23)より、第6の電界効果トランジスタM6のゲート及びソース間電圧Vgs6は、次式(24)が成立する。
Vgs6=Vth+2×Vod ・・・(24)
【0045】
ゲート電圧Vg5は、第5の電界効果トランジスタM5のゲート及びグランド電位ノード間の電圧であり、次式(25)で表される。
Vg5=Vgs5+Vgs2
=(Vth+Vod)+(Vth+Vod)
=2×(Vth+Vod) ・・・(25)
【0046】
したがって、第6の電界効果トランジスタM6のソース電圧Vs6は、次式(26)になる。
Vs6=Vg5−Vgs6
=2×(Vth+Vod)−(Vth+2×Vod)
=Vth ・・・(26)
【0047】
抵抗R1及びR2は、R2=2×R1の関係を有する。増幅回路402は、ソース電圧Vs6(=Vth)に対して、R2/R1(=2)の増幅率で増幅し、電圧2×Vthを第1の電界効果トランジスタM1のゲートに出力する。すなわち、増幅回路402は、第6の電界効果トランジスタM6のソース電圧Vs6(=Vth)の2倍の電圧2×Vthを第1の電界効果トランジスタM1のゲートに供給する。
【0048】
以上より、電圧生成回路301は、第1の電界効果トランジスタM1のゲートに対して、閾値電圧Vthの2倍の電圧2×Vthを供給することができる。第1の電界効果トランジスタM1のゲート電圧Vg1が電圧2×Vthになると、上記のように、第1の電界効果トランジスタM1に流れる電流Ioutは、温度に比例する電流になる。本実施形態によれば、温度センサ回路300内のトランジスタがすべて電界効果トランジスタであるので、温度センサ回路300の面積を小さくすることができる。
【0049】
また、第1の実施形態(図3)では、第1の電位ノード(グランド電位ノード)及び第4の電位ノードAVD間には、4個の電界効果トランジスタM2、M4、M5、M8が直列に接続されている。これに対し、本実施形態(図4)では、第1の電位ノード(グランド電位ノード)及び第4の電位ノードAVD間には、3個の電界効果トランジスタM2、M5、M8が直列に接続されている。したがって、本実施形態は、第1の実施形態に比べ、第4の電位ノードAVDに印加する電源電圧を低くすることができる。すなわち、本実施形態の温度センサ回路300は、第1の実施形態の温度センサ回路300に比べ、低電源電圧で動作可能である。
【0050】
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態による温度センサ回路300の構成例を示す回路図である。図5の温度センサ回路300は、図4の温度センサ回路300に対し、第6の電界効果トランジスタM6の代わりに、n個の回路A1〜An及びレジスタ504を設けたものである。以下、本実施形態(図5)が第2の実施形態(図4)と異なる点を説明する。
【0051】
n個の回路A1〜Anは、図4の第6の電界効果トランジスタM6のゲート幅Wg6を調整するための回路であり、第3の電界効果トランジスタM3のドレイン及び第9の電界効果トランジスタM9のドレイン間に並列に接続される。レジスタ504は、nビットの制御信号S1〜Snをn個の回路A1〜Anにそれぞれ出力する。
【0052】
回路Anは、第6の電界効果トランジスタM6の構成要素となる要素トランジスタM6nの他、インバータ501n及びnチャネル電界効果トランジスタ502n,503nを有する。要素トランジスタM6nは電界効果トランジスタである。インバータ501nは、制御信号Snの論理反転信号を出力する。nチャネル電界効果トランジスタ502nは、ゲートが制御信号Snの線に接続され、ドレインが第5の電界効果トランジスタM5のゲートに接続される。nチャネル電界効果トランジスタ503nは、ゲートがインバータ501nの出力端子に接続され、ソースが第1の電位ノード(グランド電位ノード)に接続され、ドレインが第6の電界効果トランジスタの要素トランジスタM6nのゲートに接続される。第6の電界効果トランジスタの要素トランジスタM6nは、図4の第6の電界効果トランジスタM6に対応し、ソース及びバックゲートが第3の電界効果トランジスタM3のドレインに接続され、ゲートがnチャネル電界効果トランジスタ502nのソースに接続され、ドレインが第9の電界効果トランジスタM9のソース及びゲートに接続される。
【0053】
制御信号Snがハイレベルである場合、nチャネル電界効果トランジスタ502nがオンし、nチャネル電界効果トランジスタ503nがオフする。その結果、第6の電界効果トランジスタの要素トランジスタM6nは、図4の第6の電界効果トランジスタM6と同様に、ソース及びバックゲートが第3の電界効果トランジスタM3のドレインに接続され、ゲートが第5の電界効果トランジスタM5のゲート及びドレインに接続され、ドレインが第9の電界効果トランジスタM9のソース及びゲートに接続される。
【0054】
これに対し、制御信号Snがローレベルである場合、nチャネル電界効果トランジスタ502nがオフし、nチャネル電界効果トランジスタ503nがオンする。その結果、第6の電界効果トランジスタの要素トランジスタM6nは、オフし、第3の電界効果トランジスタM3及び第9の電界効果トランジスタM9に対して非接続の状態になる。
【0055】
回路A1は、回路Anと同様に、制御信号S1を入力し、第6の電界効果トランジスタの要素トランジスタM61の他、インバータ5011及びnチャネル電界効果トランジスタ5021,5031を有する。要素トランジスタM61は電界効果トランジスタである。制御信号S1がハイレベルである場合、第6の電界効果トランジスタの要素トランジスタM61は、図4の第6の電界効果トランジスタM6と同様に、ソース及びバックゲートが第3の電界効果トランジスタM3のドレインに接続され、ゲートが第5の電界効果トランジスタM5のゲート及びドレインに接続され、ドレインが第9の電界効果トランジスタM9のソース及びゲートに接続される。これに対し、制御信号S1がローレベルである場合、第6の電界効果トランジスタの要素トランジスタM61は、オフし、第3の電界効果トランジスタM3及び第9の電界効果トランジスタM9に対して非接続の状態になる。
【0056】
n個の回路A1〜Anは、相互に同様の構成であり、それぞれ、制御信号S1〜Snを入力し、第6の電界効果トランジスタの要素トランジスタM61〜M6nの他、インバータ5011〜501n及びnチャネル電界効果トランジスタ5021〜502n,5031〜503nを有する。
【0057】
nビットの制御信号S1〜Snに応じて、第6の電界効果トランジスタのn個の要素トランジスタM61〜M6nの接続/非接続が制御され、第6の電界効果トランジスタの要素トランジスタM61〜M6nの並列接続数が制御される。n個の要素トランジスタ(電界効果トランジスタ)M61〜M6nのゲート幅は、例えば2のべき乗の異なる値に設定される。第6の電界効果トランジスタの要素トランジスタM61〜M6nのうちの接続状態であるものが図4の第6の電界効果トランジスタM6に対応する。したがって、温度センサ回路300は、制御信号S1〜Snに応じて、第6の電界効果トランジスタM6のゲート幅Wg6を変更可能である。
【0058】
第6の電界効果トランジスタM6のゲート幅Wg6は、上式(22)のように、Wg2×m=Wg5×m=Wg3=Wg6/4に設定されることにより、第1の電界効果トランジスタM1のゲート電圧が2×Vthになる。しかし、プロセスばらつき又は環境変化等により、第6の電界効果トランジスタM6のゲート幅Wg6の値はずれることがある。その場合、レジスタ504に記憶される制御信号S1〜Snの値を変更することにより、上式(22)の関係を満たすように、第6の電界効果トランジスタM6のゲート幅Wg6を調整することができる。これにより、第1の電界効果トランジスタM1のゲート電圧が2×Vthになり、電流Ioutは温度に比例する電流となる。
【0059】
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態による温度センサ回路300の構成例を示す回路図である。図6の温度センサ回路300は、図3の温度センサ回路300に対し、第6の電界効果トランジスタM6の代わりに、n個の回路A1〜An及びレジスタ504を設けたものである。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。n個の回路A1〜An及びレジスタ504は、図5のものと同じである。本実施形態の温度センサ回路300は、第3の実施形態と同様に、制御信号S1〜Snに応じて、第1の実施形態の第6の電界効果トランジスタM6のゲート幅Wg6を変更可能である。
【0060】
第6の電界効果トランジスタM6のゲート幅Wg6は、上式(8)のように、Wg2×m=Wg4×m=Wg5×m=Wg3=Wg6/9に設定されることにより、第1の電界効果トランジスタM1のゲート電圧が2×Vthになる。レジスタ504に記憶される制御信号S1〜Snの値を変更することにより、上式(8)の関係を満たすように、第6の電界効果トランジスタM6のゲート幅Wg6を調整することができる。これにより、第1の電界効果トランジスタM1のゲート電圧が2×Vthになり、電流Ioutは温度に比例する電流となる。
【0061】
(第5の実施形態)
図7は、第5の実施形態による集積回路の構成例を示す図である。集積回路700は、n個のレーンに対応し、n個の受信回路701及びn個の送信回路711を有する。デジタル回路720は、n個の受信回路701及びn個の送信回路711間に接続される。
【0062】
各受信回路701は、温度センサ回路300、イコライザ702及びデマルチプレクサ703を有する。イコライザ702は、入力端子INを介して受信したシリアル信号に対して等化処理を行う。デマルチプレクサ703は、シリアルパラレル変換器であり、イコライザ702が出力するシリアル信号をパラレル信号に変換する。デジタル回路720は、デマルチプレクサ703が出力するパラレル信号に対してデジタル処理を行う。温度センサ回路300は、第1〜第4の実施形態の温度センサ回路300のうちのいずれかであり、温度に比例する電流Ioutに基づく電圧を、イコライザ702及びデマルチプレクサ703に出力する。イコライザ702及びデマルチプレクサ703は、処理回路であり、温度センサ回路300が出力する電流Ioutに基づく電圧に応じて処理する。具体的には、イコライザ702及びデマルチプレクサ703は、電流Ioutに基づく電圧に応じて、バイアス点を制御する。
【0063】
各送信回路711は、温度センサ回路300、アンプ712及びマルチプレクサ713を有する。マルチプレクサ713は、パラレルシリアル変換器であり、デジタル回路720が出力するパラレル信号をシリアル信号に変換する。アンプ712は、マルチプレクサ713が出力するシリアル信号を増幅し、その増幅したシリアル信号を、出力端子OUTを介して送信する。温度センサ回路300は、第1〜第4の実施形態の温度センサ回路300のうちのいずれかであり、温度に比例する電流Ioutに基づく電圧を、アンプ712及びマルチプレクサ713に出力する。アンプ712及びマルチプレクサ713は、処理回路であり、温度センサ回路300が出力する電流Ioutに基づく電圧に応じて処理する。具体的には、アンプ712及びマルチプレクサ713は、電流Ioutに基づく電圧に応じて、バイアス点を制御する。
【0064】
集積回路700は、消費電力に応じて、温度勾配が生じる。n個の受信回路701及びn個の送信回路711のそれぞれに、小面積及び低消費電力の温度センサ回路300を設ける。n個の受信回路701は、それぞれ、温度センサ回路300により局所的な温度を検出し、イコライザ702及びデマルチプレクサ703の特性を補償し、低消費電力化に貢献することができる。同様に、n個の送信回路711は、それぞれ、温度センサ回路300により局所的な温度を検出し、アンプ712及びマルチプレクサ713の特性を補償し、低消費電力化に貢献することができる。
【0065】
集積回路700は、消費電力が大きく、温度変化が回路特性に影響を与えるため、局所的な温度を計測するために、小面積の温度センサ回路300を多数配置する必要がある。温度センサ回路300は、第1〜第4の実施形態で説明したように、CMOSプロセスにより、小面積及び低コストにすることができる。
【0066】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0067】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0068】
(付記1)
閾値電圧の2倍の電圧がゲートに印加された場合に温度に比例する電流を出力する第1の電界効果トランジスタを含む出力回路と、
複数の電界効果トランジスタによって前記閾値電圧の2倍の電圧を生成し、前記生成した閾値電圧の2倍の電圧を前記第1の電界効果トランジスタのゲートに供給する電圧生成回路と
を有することを特徴とする温度センサ回路。
(付記2)
前記電圧生成回路内のトランジスタは、すべて電界効果トランジスタであることを特徴とする付記1記載の温度センサ回路。
(付記3)
前記電圧生成回路は、
ソースが第1の電位ノードに接続され、ゲート及びドレインが相互に接続される第2の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第1の電位ノードに接続され、ゲートが前記第2の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ドレインが前記第1の電界効果トランジスタのゲートに接続される第3の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第2の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲート及びドレインが相互に接続される第4の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第4の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲート及びドレインが第2の電位ノードに接続される第5の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第3の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第5の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ドレインが第3の電位ノードに接続される第6の電界効果トランジスタとを有することを特徴とする付記1記載の温度センサ回路。
(付記4)
前記電圧生成回路は、
ドレイン及びゲートが電流源に接続され、ソースが第4の電位ノードに接続される第7の電界効果トランジスタと、
ドレインが前記第5の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第7の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第8の電界効果トランジスタと、
ドレイン及びゲートが前記第6の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第9の電界効果トランジスタとを有することを特徴とする付記3記載の温度センサ回路。
(付記5)
前記第6の電界効果トランジスタのゲート幅は、制御信号に応じて変更可能であることを特徴とする付記3又は4記載の温度センサ回路。
(付記6)
前記第6の電界効果トランジスタは、前記第3の電界効果トランジスタのドレインと、前記第3の電位ノードの間に並列に設けられた複数の要素トランジスタを含み、
前記第5の電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続される前記複数の要素トランジスタの数を前記制御信号に応じて変更することにより、前記第6の電界効果トランジスタのゲート幅を変更することを特徴とする付記5記載の温度センサ回路。
(付記7)
前記電圧生成回路は、
ソースが第1の電位ノードに接続され、ゲート及びドレインが相互に接続される第2の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第1の電位ノードに接続され、ゲートが前記第2の電界効果トランジスタのゲートに接続される第3の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第2の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲート及びドレインが第2の電位ノードに接続される第4の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第3の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第4の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ドレインが第3の電位ノードに接続される第5の電界効果トランジスタと、
前記第5の電界効果トランジスタのソース電圧の2倍の電圧を前記第1の電界効果トランジスタのゲートに供給する増幅回路とを有することを特徴とする付記1記載の温度センサ回路。
(付記8)
前記電圧生成回路は、
ドレイン及びゲートが電流源に接続され、ソースが第4の電位ノードに接続される第6の電界効果トランジスタと、
ドレインが前記第4の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第6の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第7の電界効果トランジスタと、
ドレイン及びゲートが前記第5の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第8の電界効果トランジスタとを有することを特徴とする付記7記載の温度センサ回路。
(付記9)
前記第5の電界効果トランジスタのゲート幅は、制御信号に応じて変更可能であることを特徴とする付記7又は8記載の温度センサ回路。
(付記10)
前記第5の電界効果トランジスタは、前記第3の電界効果トランジスタのドレインと、前記第3の電位ノードの間に並列に設けられた複数の要素トランジスタを含み、
前記第4の電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続される前記複数の要素トランジスタの数を前記制御信号に応じて変更することにより、前記第5の電界効果トランジスタのゲート幅を変更する
ことを特徴とする付記9記載の温度センサ回路。
(付記11)
温度に比例する電流を出力する温度センサ回路と、
前記温度に比例する電流に応じて処理する処理回路とを有し、
前記温度センサ回路は、
閾値電圧の2倍の電圧がゲートに印加された場合に温度に比例する電流を出力する第1の電界効果トランジスタを含む出力回路と、
複数の電界効果トランジスタによって前記閾値電圧の2倍の電圧を生成し、前記生成した閾値電圧の2倍の電圧を前記第1の電界効果トランジスタのゲートに供給する電圧生成回路と、
を有することを特徴とする集積回路。
(付記12)
前記電圧生成回路内のトランジスタは、すべて電界効果トランジスタであることを特徴とする付記11記載の集積回路。
(付記13)
前記電圧生成回路は、
ソースが第1の電位ノードに接続され、ゲート及びドレインが相互に接続される第2の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第1の電位ノードに接続され、ゲートが前記第2の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ドレインが前記第1の電界効果トランジスタのゲートに接続される第3の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第2の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲート及びドレインが相互に接続される第4の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第4の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲート及びドレインが第2の電位ノードに接続される第5の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第3の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第5の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ドレインが第3の電位ノードに接続される第6の電界効果トランジスタとを有することを特徴とする付記11記載の集積回路。
(付記14)
前記電圧生成回路は、
ドレイン及びゲートが電流源に接続され、ソースが第4の電位ノードに接続される第7の電界効果トランジスタと、
ドレインが前記第5の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第7の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第8の電界効果トランジスタと、
ドレイン及びゲートが前記第6の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第9の電界効果トランジスタとを有することを特徴とする付記13記載の集積回路。
(付記15)
前記第6の電界効果トランジスタのゲート幅は、制御信号に応じて変更可能であることを特徴とする付記13又は14記載の集積回路。
(付記16)
前記第6の電界効果トランジスタは、前記第3の電界効果トランジスタのドレインと、前記第3の電位ノードの間に並列に設けられた複数の要素トランジスタを含み、
前記第5の電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続される前記複数の要素トランジスタの数を前記制御信号に応じて変更することにより、前記第6の電界効果トランジスタのゲート幅を変更する
ことを特徴とする付記15記載の集積回路。
(付記17)
前記電圧生成回路は、
ソースが第1の電位ノードに接続され、ゲート及びドレインが相互に接続される第2の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第1の電位ノードに接続され、ゲートが前記第2の電界効果トランジスタのゲートに接続される第3の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第2の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲート及びドレインが第2の電位ノードに接続される第4の電界効果トランジスタと、
ソースが前記第3の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第4の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ドレインが第3の電位ノードに接続される第5の電界効果トランジスタと、
前記第5の電界効果トランジスタのソース電圧の2倍の電圧を前記第1の電界効果トランジスタのゲートに供給する増幅回路とを有することを特徴とする付記11記載の集積回路。
(付記18)
前記電圧生成回路は、
ドレイン及びゲートが電流源に接続され、ソースが第4の電位ノードに接続される第6の電界効果トランジスタと、
ドレインが前記第4の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが前記第6の電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第7の電界効果トランジスタと、
ドレイン及びゲートが前記第5の電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが前記第4の電位ノードに接続される第8の電界効果トランジスタとを有することを特徴とする付記17記載の集積回路。
(付記19)
前記第5の電界効果トランジスタのゲート幅は、制御信号に応じて変更可能であることを特徴とする付記17又は18記載の集積回路。
(付記20)
前記第5の電界効果トランジスタは、前記第3の電界効果トランジスタのドレインと、前記第3の電位ノードの間に並列に設けられた複数の要素トランジスタを含み、
前記第4の電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続される前記複数の要素トランジスタの数を前記制御信号に応じて変更することにより、前記第5の電界効果トランジスタのゲート幅を変更する
ことを特徴とする付記19記載の集積回路。
(付記21)
前記処理回路は、パラレル信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換器又はシリアル信号をパラレル信号に変換するシリアルパラレル変換器であることを特徴とする付記11〜20のいずれか1項に記載の集積回路。
【符号の説明】
【0069】
300 温度センサ回路
301 電圧生成回路
302 出力回路
303 電流源
304 抵抗
M1〜M9 電界効果トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7