【解決手段】このような3次元形状測定方法は測定対象物が配置された基板に向かって光を照射し測定対象物が配置された基板から反射された光を受光してイメージを取得し、取得されたイメージの検査領域のうち、測定対象物が位置するオブジェクト領域と検査領域のうちオブジェクト領域を除いたグラウンド領域とを設定し、測定対象物が配置された基板に向かってパターン光を照射し測定対象物が配置された基板から反射されたパターン光を受光してパターンイメージを取得し取得されたパターンイメージを用いて検査領域の各地点における測定対象物の高さを取得し、設定されたグラウンド領域の高さを測定対象物に対するグラウンド高さに設定することを含む。
測定対象物が配置された基板に向かって少なくとも互いに異なる2つ以上の方向からそれぞれパターン光を照射し、前記測定対象物が配置された基板から反射された前記パターン光を受光して、互いに異なる2つ以上のパターン光イメージを取得し、
前記パターン光イメージのそれぞれについて、検査領域のうち、前記測定対象物が位置するオブジェクト領域と前記検査領域のうち前記オブジェクト領域を除いたグラウンド領域とを設定し、
前記パターン光イメージのそれぞれの前記グラウンド領域の各地点の位相を平均してグラウンド位相を取得し、前記オブジェクト領域の各地点の位相から前記グラウンド位相を差し引きして前記オブジェクト領域の位相をシフトさせることによって、前記パターン光イメージのそれぞれの前記グラウンド領域の位相を互いに一致させ、
前記パターン光イメージを用いて前記検査領域の各地点の高さを取得し、前記設定されたグラウンド領域の高さを前記測定対象物に対するグラウンド高さに設定すること、
を含み、
前記パターン光イメージのそれぞれの前記グラウンド領域の位相を互いに一致させた後に、前記パターン光イメージそれぞれの位相の左側と右側に発生したエラーを除去し、影領域を除去することを特徴とする3次元形状測定方法。
前記検査領域はFOVであり、前記グラウンド領域はFOV内の全てのオブジェクトに対する共通グラウンド領域であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の3次元形状測定方法。
前記検査領域は少なくとも2つ以上の前記測定対象物が含まれるように設定され、前記グラウンド領域は前記2つ以上の測定対象物のうち一つの測定対象物に対するグラウンド領域に設定されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の3次元形状測定方法。
パターンを変化させながら基板に向かって、少なくとも互いに異なる2つ以上の方向からそれぞれパターン光を照射し、前記基板から反射されたパターン光を受光して互いに異なる2つ以上のパターン光イメージを取得し、
前記パターン光イメージのそれぞれのグラウンド領域の各地点の位相を平均してグラウンド位相を取得し、オブジェクト領域の各地点の位相から前記グラウンド位相を差し引きしてオブジェクト領域の位相をシフトさせることによって、前記パターン光イメージのそれぞれの前記グラウンド領域の位相を互いに一致させ、
前記パターン光イメージの各地点においての平均、最大値、最小値、モジュレーション、視認性、位相及び信号対雑音比のうちいずれか一つの結果画像を取得し、
前記結果画像からオブジェクト領域とグラウンド領域とを区別すること、
を含み、
前記パターン光イメージのそれぞれの前記グラウンド領域の位相を互いに一致させた後に、前記パターン光イメージそれぞれの位相の左側と右側に発生したエラーを除去し、影領域を除去することを特徴とする領域区別方法。
前記オブジェクト領域とグラウンド領域とを区別することは、各方向から取得された前記結果画像の論理積画像、論理合画像及び論理合領域から論理積領域を差し引きした画像のうち少なくとも一つ以上の合成画像を生成して前記オブジェクト領域と前記オブジェクト領域を除いたグラウンド領域とを区別することを含むことを特徴とする請求項6に記載の領域区別方法。
前記検査領域は少なくとも2つ以上の前記測定対象物が含まれるように設定され、前記グラウンド領域は2つ以上の前記測定対象物のうち一つの前記測定対象物に対するグラウンド領域に設定されることを特徴とする請求項11に記載の3次元形状測定方法。
前記検査領域はFOVであり、前記グラウンド領域はFOV内の全てのオブジェクトに対する共通グラウンド領域であることを特徴とする請求項12に記載の3次元形状測定方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができる。ここでは、特定の実施例を図面に例示し本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定した開示形態に対して限定するのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むこととして理解されるべきである。
【0030】
第1、第2などの用語は多用な構成要素を説明するに用いられるが、前記構成要素は前記用語によって限定解釈されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみとして用いられる。例えば、本発明の権利範囲を外れることなく第1構成要素を第2構成要素ということができ、類似に第2構成要素も第1構成要素ということができる。
【0031】
本出願において使用した用語は単なる特定の実施例を説明するために用いられるもので、本発明を限定しようとする意図で用いられるものではない。単数の表現は文脈上明白に示さない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたのが存在することを意味し、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないこととして理解されるべきである。
【0032】
特別に定義しない限り、技術的、科学的用語を含んで本明細書で用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解される用語と同一の意味を有する。
【0033】
一般的に使用される辞書に定義されている用語と同じ用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0034】
以下、本発明の理解のために、モアレパターンを用いた位相シフト方式による3次元形状測定方法を簡単に説明する。
【0035】
モアレパターンを用いた位相シフト方式では光を格子パターンに通して格子柄イメージを測定対象物に照射し、測定対象物から反射される格子イメージを撮影して3次元形状を測定する。
【0036】
この際、基板表面の各位置をxy平面と仮定し、各xy座標値に対応する光の強度(インテンシティ)I
kは下の数式1で表すことができる。
【数1】
【0037】
この式において、I
kは測定光の強度、AはI
kの平均値、Bは変調(モジュレーション)である。例えば、4−バケットアルゴリズムの場合、下添え字
kは1、2、3及び4を有することができ、 δ
1、δ
2、δ
3、δ
4はそれぞれπ/2、 π、3、 π/2を示す
。
【0038】
このような数式1の位相値ΦはI
1、I
2、I
3及びI
4を用いて次の数式2のように表すことができる。
【数2】
一方、次の数式3のように、数式2に示す位相Φは高さhと比例する。
【数3】
【0039】
数式3において、Aはモアレ等価波長である。
以上の数式を用いて、各xy座標値に対応する位相値は、まず、対象物に反射される格子パターンから取得された強度I
kから求め、このような位相値を用いてx、y座標値に対応する高さを求めることで測定対象物の3次元形状を測定ことができる。
【0040】
図2aはモアレパターンをシフトすることによって3次元形状測定装置の撮影部で撮影される測定領域を示す平面図である。
図2bは測定領域が検査領域と同一である場合、複数の測定対象物が形成される測定領域を示す平面図である。
図3は測定対象物の表面が滑らかな場合、
図2aに示されたI−I’線の断面図である。
【0041】
図2a及び
図3を参照すると、一般的に、撮影部で撮影される測定領域100には複数の検査領域110が含まれ、各検査領域110は測定対象物が形成されたオブジェクト領域111とオブジェクト領域111外郭のグラウンド領域112を含む。一方、
図2bに示すように、検査領域110は
図2aの測定領域100と実質的に同一であってもよく、検査領域110内に複数の測定対象物にそれぞれ対応する複数のオブジェクト領域111を含んでいてもよい。例えば、このような複数のオブジェクト領域111にそれぞれ対応する測定対象物は以後説明するコイン型のバンプであってもよい。
【0042】
一方、格子パターンは
図3に示すように、例えば、第1方向D1または第2方向D2に、測定対象物0に傾斜方向に照射される。このため、測定対象物の3次元形状が正確に測定できない場合が発生する。より詳細に説明すると、第1方向D1に格子パターンを測定対象物0に照射する場合、測定対象物0の右側に影領域が発生し、反対に第2方向D2に格子パターンを照射する場合、測定対象物0の左側に影領域が発生する。このような影領域に対応する測定対象物0の一部の3次元形状を正確に測定するために、測定対象物0の両側で位相を測定する。一方、検査の正確性を向上するために格子パターンを二つ以上の方向に照射することもできる。
【0043】
図4は
図3の測定対象物の位相図面であるである。
【0044】
図4を参照すると、
図3の第1方向D1に格子パターンを照射することで測定された位相は右側にエラーS1が発生し、第2方向D2に格子パターンを照射することで測定された位相は左側にエラーS2が発生し得る。従って、このように測定対象物の両方向から観測された位相を補正し、オブジェクト領域を明確にすることで、測定対象物の正確な高さを測定することができる。
【0045】
一方、モアレパターンを用いた位相シフト法は絶対的な高さではなく相対的な高さが測定されるので、
図4に示すように、第1方向D1で測定されたグラウンド領域の位相に対応するグラウンド位相(Φ
A)と第2方向D2で測定されたグラウンド領域の位相に対応するグラウンド位相(Φ
B)とが互いに相異であり得るので、これを補正することが必要である。
【0046】
これを補正するために、まず、測定領域100の一部である検査領域110のうち、測定対象物が位置するオブジェクト領域111と前記オブジェクト領域を除いたグラウンド領域112とを区別する必要がある。
【0047】
その後、グラウンド領域の各地点x、yの位相を平均してグラウンド位相を取得し、オブジェクト領域の各地点x、yの位相から前記グラウンド位相を差し引きして前記オブジェクト領域の位相をシフトさせる。このように両方向で測定されてグラウンド位相にシフトされた二つの位相で影領域を除去することで
図5に示す位相ダイアグラムを取得し、前記数式3を用いて各地点x、yの高さを求めて測定対象物の3次元形状を測定する。
【0048】
本発明の一実施例によると、オブジェクト領域とグラウンド領域とを区別するために、測定対象物が形成された基板の2次元イメージを取得する。即ち、オブジェクト領域とグラウンド領域とを区別するために、前記検査領域の各地点の強度を測定する。このような2次元イメージは、例えば、白色の単色イメージであっても、複数のカラーイメージであってもよいのである。
【0049】
これのために、まず、基板上に特徴値(例えば、配線パターンの特異な形状など)を用いてレファレンスデータと2次元イメージとの間の歪曲に対する定量的補償を通じて検査領域設定を正確にするための、パッドレポランシング(Pad Referencing)過程を選択的に行うこともできる。即ち、設計や製造データを用いて以後説明する白色の単色イメージまたは複数のカラーイメージからオブジェクト領域を臨時に確定した後、より正確なオブジェクト領域とグラウンド領域とを区別することもできる。以上説明したように、パッドレポランシング過程を行う場合、オブジェクト領域とグラウンド領域の位置をまず知ることができるので、オブジェクト領域とグラウンド領域を区別するに必要な時間を短縮することができる。
【0050】
まず、白色の単色イメージを用いたオブジェクト領域とグラウンド領域とを区別する方法を説明する。
【0051】
まず、白色光を検査領域または測定領域に照射し、前記検査領域の各地点の強度を取得する。測定領域全体において強度を取得することが望ましい。このように測定領域全体のグラウンド位相を計算するための測定領域全体の強度を取得した場合、測定領域内部の他の検査領域を検査する場合、同一のグラウンド位相を適用することができるので反復性が向上できる。さらに、検査領域内でオブジェクト領域がグラウンド領域に比べて相当大きい場合、グラウンド領域のグラウンド位相の正確性が低下することがあるが、測定領域全体のグラウンド位相を測定すると、より正確な位相を適用ことができる。
【0052】
以後、強度を第1軸とし該当強度に対応する各地点の個数を第2軸とすることでグレースケールヒストグラムを形成した後、前記グレースケールヒストグラムを用いて前記オブジェクト領域と前記グラウンド領域との境界を取得する。
【0053】
まず、測定領域の各地点の強度を取得するために、前記測定対象物の上部に向かって光
を照射し、前記測定対象物から反射された光を受光して測定領域の各地点の強度を測定する。
【0054】
一方、測定対象物に光を照射するとき、測定領域全体に均等に光を照射できるようにすることが重要である。測定対象物から反射される光が均等でなく一部分のインテンシティが高かったり低かったりする場合、正確度が劣れるからである。
【0055】
これを避けるために、光の照射方向が測定対象物に対して垂直するように調節することができる。
【0056】
一つの方法として、測定対象物、受光部及び光源が垂直する同軸線上にあるように配置することができ、測定領域上部で同心円に配置された光源から測定領域に向かって光を照射することができ、またはドーム形態に配置された光源から測定領域に向かって光を照射することもできる。一方、光源を即部に配置し反射鏡を用いて光の照射方向が測定対象物に対して垂直するように調節することができる。
【0057】
このように測定された測定領域の各地点x、yの強度を用いてイ強度を第1軸とし、該当強度に対応する各地点の個数の第2軸としてグレースケールヒストグラムを形成する。
【0058】
図6は強度に対応する頻度数を示すグレースケールヒストグラムの図面であり、
図7は位相に対応する頻度数を示す位相ヒストグラムの図面である。
【0059】
図6を参照すると、例えば、強度の低いA領域と強度の高いB領域のうちいずれか一つはオブジェクト領域に対応し、他の一つはグラウンド領域に対応する。測定対象物の反射率がグラウンド領域より高い場合、例えば、PCB基板(グラウンド領域)にソルダ(測定対象物)が形成された場合には測定対象物の強度が高く、グラウンド領域の強度が低い。この場合にはA領域がグラウンド領域に対応し、B領域がオブジェクト領域に対応する。反面、測定対象物反射率がグラウンド領域より低い場合には測定対象物の強度が低く、グラウンド領域の強度が高い場合にはB領域がグラウンド領域に対応しA領域がオブジェクト領域に対応する。
【0060】
この場合、強度の低いA領域と強度の高いB領域との間に頻度数が少ないC領域がオブジェクト領域とグラウンド領域との境界部に対応することができる。
【0061】
一方、測定対象物を形成するためのCADデータまたはステンシルの開口部のエッジ(edge)に対応する領域がオブジェクト領域とグラウンド領域との境界に対応することができる。
【0062】
図7aを参照すると、レファレンスデータの位置情報とオブジェクト領域の大きさと周辺の相関関係を考慮して位相のノイズを除去する段階をさらに含むことができる。レファレンスデータによる位置情報によってPCB基板などで配線パターンなどを連結するためのホール及びプリント回路基板表面にシルクスクリン印刷方法で形成されるシルクスクリンパターン領域及びOCR領域は除去する。ホールには光が反射されなくシルクスクリンパターン領域及びOCR領域に光がサチュレイション(saturation)されてノイズとして作用するようになる。他にも、周辺の相関関係、即ち、周辺に比べて急な変化のある領域は除去するノイズとみなされる。
【0063】
図7bを参照すると、このように前記グレースケールヒストグラムで最小の個数範囲の強度に対応する領域を前記オブジェクト領域と前記グラウンド領域との境界に決定し、グラウンド領域を決定した後、グラウンド領域A’の位相を平均してグラウンド位相を取得する。または、影領域を考慮してオブジェクト領域を膨張させてオブジェクト領域とグラウンド領域との新しい境界に確定し、グラウンド領域を決定した後、グラウンド領域A’の位相を平均してグラウンド位相を取得することもできる。
【0064】
一方、前記グレースケールヒストグラムから前記オブジェクト領域と前記グラウンド領域との境界を取得するために、0tsuアリゴリズムを用いて前記オブジェクト領域と前記グラウンド領域との境界を決定するか、または0tsuアリゴリズムを用いて取得した前記オブジェクト領域を膨張させて新しい境界を設定してこの新しい境界で決定されるグラウンド領域の位相を平均してグラウンド位相を取得することもできる。
【0065】
0tsuアリゴリズムで、オブジェクト領域とグラウンド領域との境界を決定する方法を詳細に説明すると、まず、オブジェクト領域とグラウンド領域との境界値Tを推定する。例えば、オブジェクト領域とグラウンド領域との境界値Tを推定するためにCADデータが使用されても、前述したグレースケールヒストグラムで最小の頻度数を有する領域が使用されてもよいのである。
【0066】
次に、推定された境界値Tによってオブジェクト領域G1とグラウンド領域G2の2つのグループに分けて、オブジェクト領域の平均強度m1を求め、グラウンド領域の平均強度m2を求める。
【0067】
このように求められたオブジェクト領域の平均強度m1とグラウンド領域の平均強度m2を用いて平均強度m1と平均強度m2との平均に対応する新しい境界値(T=(m1+m2)/2)を求め、現在境界値と前境界値との差異が、特定値(ε)より小さくなる時ま
で上の過程を繰り返す。
【0068】
このような方法は0tsuアリゴリズムの一例として、多様な0tsuアリゴリズムが適用されてもよいのである。
【0069】
本発明の他の実施例においてはオブジェクト領域とグラウンド領域とを区別するために、複数のカラー光を測定領域に照射して複数のカラーイメージを取得する。例えば、赤色光、緑色光及び青色光を測定領域にそれぞれ照射した後、それぞれのカラー光に対応される赤色イメージ、緑色イメージ及び青色イメージを取得する。
【0070】
互いに異なる波長を有する赤色光、緑色光及び青色光を使用することによって、色収差によって測定領域内に赤色イメージ、緑色イメージ及び青色イメージの分布が互いに異なって示される。
図1に示すソルダ及び配線パターンを除いたグラウンド領域を区別するために、材質によって区別できる色相情報のある色相情報マップを用いると容易にグラウンド領域Bを区別することができる。
【0071】
例えば、彩度マップを用いるとグラウンド領域BをソルダS及び配線パターンPから容易に区別することができる。一般的に、測定対象物、例えば、ソルダSは無彩色に近いので、彩度マップ上で0に近い値を有する領域をオブジェクト領域として判断することができる。例えば、
図1においてソルダSと配線パターンPは無彩色を有する。従って、基板から無彩色を有する領域を削除すると基板からグラウンド領域Bを取得することができる。
【0072】
このような彩度マップを形成するために、取得されたカラーイメージに対する色座標変換を通じてカラー別色相、彩度及び明度などが含まれたHSI情報を取得する。このようなRGB情報からHSI情報に変換する過程は周知の方法を通じて実行できるので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0073】
選択的に、取得されたカラーイメージに対する色座標変換をする前に取得されたカラーイメージにそれぞれアベレージフィルタを適用して彩度を緩和させる過程を行ってもよい。
【0074】
以後、前記HSI情報の画素でカラー別彩度情報を用いて彩度マップを生成する。
【0075】
前記彩度マップは赤色イメージ、緑色イメージ及び青色イメージの各画素の彩度情報を用いて生成することができる。具体的に彩度マップは次の数式4を通じて算出された画素別彩度に基づいて生成することができる。
【数4】
【0076】
前記数式4において、Rは赤色イメージでの各ピクセルに対する彩度情報であり、Gは緑色イメージでの各ピクセルに対する彩度情報であり、Bは青色イメージでの各ピクセルに対する彩度情報である。
【0077】
前記数式4を通じて生成された彩度マップは0〜1の値を有し、1に近いほど原色であることを示す。このような方法を通じてグラウンド領域を確定し、グラウンド領域の位相を平均してグラウンド位相を取得することができる。
【0078】
前述した実施例は半導体工程のコイン型バンプのうち上面の滑らかなバンプに対応する測定対象物の場合に有利である。なぜなら、上面が平坦なコイン型バンプは、パッド上部に導電体を塗布させた後、硬化過程(reflow)後に電気的な接触特性を向上させるために物理的に押えて上部を平坦化させたもので、硬化過程(reflow)後上部を平坦化させたコイン型を検査する場合、光の反射率が大きくて反射率が相対的に低いグラウンド面との差異が明確して2次元イメージによってオブジェクト領域とグラウンド領域とが明確に区別されるからである。前述したリフロー工程後には傾面反射がさらに酷くなることがあり得るので区別がより明確である。
【0079】
本発明の他の実施例においてはオブジェクト領域とグラウンド領域とを区別するために、まず、互いに相異した一つ以上の方向で、パターンをシフトしながら前記測定対象物の上部から前記測定対象物に向かってパターン光を照射し、前記測定対象物から反射されたパターン光を取得する。この際、前記パターン光は測定対象物及び受光部と垂直する同軸線と一定の角度を成す。次に、前記パターンをシフトしながら前記測定対象物から反射されたパターン光の下の数式5で表現される平均A、数式6で表現される最大値(Max)、数式7で表現される最小値(Min)、数式8で表現されるモジュレーションB、数式9で表現される視認性、数式10で表現される信号対雑音比SNR及び前述した数式2で表現される位相のうちいずれか一つの演算を実行した結果である結果画像(またはパターンイメージを併合したイメージ)を取得する。
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】
【0080】
上述された数式5乃至10は数式1から取得される。
【0081】
次に、一つ以上の方向から取得された前記結果画像を用いるか、または前記結果画像の合成画像を取得した後、このような合成画像を用いてオブジェクト領域と前記オブジェクト領域外郭のグラウンド領域とを区別する。
【0082】
図8乃至
図11は多様なパターン光照射方向による結果画像を示す図面である。
図12は
図8乃至
図11の結果画像の論理合領域を示す図面であり、
図13は
図8乃至
図11の結果画像の論理積領域を示す図面である。
図14は
図12に示す論理合領域から
図13に示す論理積領域を差し引きして取得された、オブジェクト領域とグラウンド領域との境界領域を示す図面である。
【0083】
図8乃至
図11を参照すると、パターン光の照射方向A、B、C、Dによって、例えば、影領域などによって測定対象物0の結果画像700、800、900、1000が相異に示されることがある。
【0084】
次に、
図12を参照すると、このような結果画像700、800、900、1000などを論理合して論理合画像1100を形成する。ここで、「論理合」というのは数学的論理合ではなく、同一領域がグラウンド領域に表示される領域とオブジェクト領域に表示される領域のうち照射方向によってオブジェクト領域とグラウンド領域とで互いに相異に表現される場合、そのような領域はオブジェクト領域とすることを意味する。
【0085】
次に、
図13を参照すると、このような結果画像700、800、900、1000を論理積して論理積画像1200を形成する。ここで、「論理積」というのは数学的論理積ではなく、同一領域がグラウンド領域に表示される領域とオブジェクト領域に表示される領域のうち照射方向によってオブジェクト領域とグラウンド領域とで互いに相異に表現される場合そのような領域はグラウンド領域とすることを意味する。
【0086】
図14を参照すると、論理合画像110から論理積画像1200を差し引きして取得された領域をオブジェクト領域とグラウンド領域との境界領域1300にする。または、このような境界領域を外部に拡張し、拡張された境界領域外部をグラウンド領域に決定することもできる。
【0087】
以後、このように決定されたグラウンド領域の位相を平均して、グラウンド位相を取得する。
【0088】
本発明の例示的なさらに他の実施例によると、測定領域の一部である検査領域のうち、測定対象物が位置するオブジェクト領域と前記オブジェクト領域を除いたグラウンド領域を区別する領域区別方法によると、測定対象物の特性によって前述した2つの方法を平行する。
【0089】
より詳細には、まず前記測定対象物の表面粗さに合わせて前記測定対象物に光源を照射するか、パターン光を照射するかを判断する。
【0090】
図15は
図3と異なり、上部表面が粗い測定対象物を示す断面図である。
図15に示すように、測定対象物0の上部表面が粗い場合、基板のグラウンド面Bとの強度差異が小さくなる場合が発生し得る。例えば、ソルダのような測定対象物0は一般的に反射度が基板Bより大きくて強度が高く測定されるが表面が粗く形成されると表面で散乱されて測定される強度が高くない。この場合、測定対象物0とグラウンド領域の強度差異が大きくないので2次元イメージを用いた方法(即ち、強度を用いた方法)を適用すると正確性が劣れることがある。
【0091】
従って、この場合にはパターン光を照射する実施例を適用し、そうでない場合には光を照射する実施例を適用する。
【0092】
即ち、前記測定対象物の表面が既設定値より粗さが低い場合、光源を照射し、前記測定対象物から反射された光を受光してイメージを取得し前記取得されたイメージに基づいて前記オブジェクト領域と前記グラウンド領域とを区別する。
【0093】
より詳細には、測定領域の各地点での強度を取得し、強度を第1軸とし該当強度に対応する各地点の個数を第2軸とするヒストグラムを形成した後、前記ヒストグラムから前記オブジェクト領域と前記グラウンド領域との境界を取得する。または、前記検査領域に一つ以上のカラー光を照射してイメージを取得し、前記イメージの各地点で材質によって区別される色相情報を取得し取得された前記材質によって区別される色相情報のある色相情報マップを生成して前記色相情報マップを用いてグラウンド領域を区別する。
【0094】
反対に、測定対象物の表面が既設定値より粗さの高い場合、互いに相異した一つ以上の方向で、パターンをシフトしながら前記測定対象物の上部から前記測定対象物に向かってパターン光を照射し、前記測定対象物から反射されたパターン光を取得し、前記取得されたパターンイメージに基づいて前記オブジェクト領域と前記グラウンド領域とを区別する。
【0095】
より詳細には、前記パターンをシフトしながら前記測定対象物から反射されたパターン光の平均、最大値、最小値、モジュレーション、視認性、位相及び信号対雑音比のうちいずれか一つを用いて結果画像を取得し、一つ以上の方向から取得された前記結果画像の合成画像を取得した後、前記合成画像からオブジェクト領域と前記オブジェクト領域を除いたグラウンド領域とを区別する。
【0096】
以上で説明したように、本発明によると3次元形状測定の際、オブジェクト領域とグラウンド領域との区別を明確することができる。従って、多様な方向から測定されたグラウンド領域の位相を互いに一致させることで測定の精密度を向上させることができる。
【0097】
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
測定対象物が形成された基板に向かって複数の方向からそれぞれ照射されたパターン光によって、オブジェクト領域とグラウンド領域とを含む少なくとも一つの検査領域についての複数のパターン光の画像を取得することと、
前記検査領域に含まれる前記グラウンド領域について、前記複数のパターン光の画像の取得のたびに算出される第1グラウンド位相から一つの第2グラウンド位相を決定することと、
前記検査領域について、前記複数のパターン光の画像のうちの少なくとも一つで、前記第1グラウンド位相から前記第2グラウンド位相にシフトされた位相差だけ前記検査領域の各地点の位相をシフトし、前記シフトされた前記各地点の位相と前記第2グラウンド位相とから前記検査領域の各地点の高さを決定することと、
を含む3次元形状測定方法。