【解決手段】 作業員が携帯端末3の作業用アプリを起動させると、撮影された作業現場の写真22が携帯端末3の現在位置に対応したフォルダに保存され、位置情報とともに作業管理装置4に送信される。作業管理装置4では携帯端末3の位置情報から作業現場が特定され、写真22がその作業現場の作業情報として管理される。作業管理装置4から携帯端末3に対して、携帯端末3の位置情報に対応づけられた作業指示書42が送信されると、作業指示書42が現在位置に対応したフォルダに保存される。
第一の画像を取得する画像取得手段と、自身の位置情報を取得する位置取得手段と、前記取得した位置情報を名称として画像の格納場所を設定し、当該格納場所に前記取得した第一の画像を格納する画像格納手段と、前記取得した第一の画像と前記取得した位置情報とを対応づけて送信する通信手段とを備え、前記通信手段は、前記取得した位置情報に関連する第二の画像を受信し、前記画像格納手段は、当該第二の画像を受信したときに、前記第一の画像を格納した格納場所に、当該第二の画像を格納することを特徴とする携帯端末。
請求項1に記載の携帯端末であって、前記取得した第一の画像に撮影場所の位置情報が記録されているときは、前記画像格納手段は、前記格納場所の名称として、当該第一の画像に記録された撮影場所の位置情報を設定することを特徴とする携帯端末。
請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の携帯端末であって、前記取得した第一の画像の色を分析する色分析手段を備え、前記取得した第一の画像の色が特定の色に支配されていると判断されたときに、前記取得した第一の画像を前記格納場所に格納することを特徴とする携帯端末。
コンピュータを、第一の画像を取得する画像取得手段と、自身の位置情報を取得する位置取得手段と、前記取得した位置情報を名称として画像の格納場所を設定し、当該格納場所に前記取得した第一の画像を格納する画像格納手段と、前記取得した第一の画像と前記取得した位置情報とを対応づけて送信し、前記取得した位置情報に関連する第二の画像を受信する通信手段と、として機能させ、前記第二の画像を受信したときには、前記画像格納手段として機能させて、前記第一の画像を格納した格納場所に、当該第二の画像を格納させるプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
作業現場と遠隔地の事務所との間で作業情報を簡易にやりとりできる携帯端末と、その携帯端末を用いて簡便に作業情報を管理するシステムとを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末は、第一の画像を取得する画像取得手段と、自身の位置情報を取得する位置取得手段と、前記取得した位置情報を名称として画像の格納場所を設定し、当該格納場所に前記取得した第一の画像を格納する画像格納手段と、前記取得した第一の画像と前記取得した位置情報とを対応づけて送信する通信手段とを備え、前記通信手段は、前記取得した位置情報に関連する第二の画像を受信し、前記画像格納手段は、当該第二の画像を受信したときに、前記第一の画像を格納した格納場所に、当該第二の画像を格納することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の携帯端末は、前記取得した第一の画像に撮影場所の位置情報が記録されているときは、前記画像格納手段は、前記格納場所の名称として、当該第一の画像に記録された撮影場所の位置情報を設定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の携帯端末は、前記第二の画像に含まれる情報に基づいて、前記格納場所の名称を変更することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の携帯端末は、前記取得した第一の画像の色を分析する色分析手段を備え、前記取得した第一の画像の色が特定の色に支配されていると判断されたときに、前記取得した第一の画像を前記格納場所に格納することを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、コンピュータを、第一の画像を取得する画像取得手段と、自身の位置情報を取得する位置取得手段と、前記取得した位置情報を名称として画像の格納場所を設定し、当該格納場所に前記取得した第一の画像を格納する画像格納手段と、前記取得した第一の画像と前記取得した位置情報とを対応づけて送信し、前記取得した位置情報に関連する第二の画像を受信する通信手段と、として機能させ、前記第二の画像を受信したときには、前記画像格納手段として機能させて、前記第一の画像を格納した格納場所に、当該第二の画像を格納させることを特徴とする。
【0012】
本発明の作業情報管理システムは、携帯端末と、前記携帯端末と通信可能に接続される作業管理装置と、を備えた作業情報管理システムであって、前記携帯端末は、第一の画像を取得する画像取得手段と、自身の位置情報を取得する位置取得手段と、前記取得した位置情報を名称として画像の格納場所を設定し、当該格納場所に前記取得した第一の画像を格納する画像格納手段と、前記取得した第一の画像と前記取得した位置情報とを対応づけて送信する通信手段とを備え、前記作業管理装置は、前記携帯端末から受信した前記第一の画像と前記位置情報とを保存する情報保存手段と、前記取得した位置情報に関連する第二の画像を前記位置情報と対応づけて前記携帯端末に送信する手段、とを備え、前記携帯端末は、前記位置情報に関連した前記第二の画像を受信したときに、当該第二の画像を前記格納場所に格納することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の作業情報管理システムは、前記携帯端末または前記作業管理装置が、前記取得した第一の画像の色を分析する色分析手段を備え、前記取得した第一の画像の色が特定の色に支配されていると判断されたときに、前記取得した第一の画像を所定の作業合図とみなすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の携帯端末、プログラム及び作業情報管理システムは、作業情報が作業現場の位置情報に対応づけられて携帯端末に自動的に保存されるため、作業情報の保存先を都度指定しなくてもよい。また、携帯端末の簡単な操作で、作業現場の作業情報を遠隔地の事務所に送信することを可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、
図1を参照して本発明の概念構成を説明する。本発明の実施の形態に係る作業情報管理システム10は、作業現場と、作業現場から遠隔地にある事務所との間における種々の作業情報の送受信と管理を行うシステムである。ここで作業情報としては、作業現場から事務所に対する連絡や、事務所から作業現場に対する作業指示等がある。本発明の実施の形態においては、カメラ1で撮影された作業現場の写真22を含む各種の作業情報は、携帯端末3を用いて事務所の作業管理装置4にメールに添付されて作業管理装置4に送信される。一方、作業現場に対する作業指示書42は、作業管理装置4からメールに添付されて携帯端末3に送信される。作業指示書42はカメラ1のモニタに表示することとしてもよい。
【0017】
次に、
図2を参照して作業現場から事務所に対する作業情報の送信に係る詳細構成について説明する。
【0018】
カメラ1には、撮影した写真22を保存する記録媒体としてSDカード2が接続される。カメラ1とSDカード2は、そのいずれか一方又は両方に無線LAN機能を備えている。以下では、SDカード2に無線LAN機能を備えている構成を例にとって説明する。
【0019】
SDカード2は、カメラ1から写真22の保存指示があると、当該写真22を予め形成したフォルダに格納する。またこのSDカード2は、無線LAN機能を備えている携帯端末3との間で無線LAN通信により接続されると、写真22が保存されているフォルダを共有フォルダ21として設定する。これにより、写真22が保存されているフォルダが携帯端末3との間で共有される。そして携帯端末3は、この共有フォルダ21内の写真22を取り込むことが可能になる。なお、ここでは通信によりSDカード2内の写真22を取り込む例としたが、携帯端末3がSDカードスロットを備えている場合には、SDカード2をカメラ1から取り外し、携帯端末3のSDカードスロットに挿入し、携帯端末3が当該電気的に接続されたSDカード2にアクセスして、当該SDカード2内の写真22を携帯端末3に取り込むこととしてもよい。また通信により読み取る場合も、無線LANに限らず、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Z-WAVE等の無線通信を用いて写真22を携帯端末3に取り込むようにしてもよい。
【0020】
携帯端末3は、制御ユニット30と、記憶ユニット31と、GPSユニット32と、通信ユニット33とを備えている。また携帯端末3にはディスプレイ等が備えられており、携帯端末3は情報処理に係る汎用機能を備えている。また記憶ユニット31にはOS(Operating System)や各種のソフトウェアがインストールされている。本実施の形態では、インストールされたソフトウェアの一つに作業用アプリが含まれる。
【0021】
制御ユニット30(CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶ユニット31に格納されるプログラムに従って動作する)は、作業用アプリを実行することで、前述の情報処理に係る汎用機能と連携して、SDカード2内の共有フォルダ21の共有化、写真22の取り込み、GPSユニット32を用いた現在位置の測位、緯度経度フォルダ310の作成、通信ユニット33を用いたメール34の送信処理等、一連の制御を行う。作業用アプリは携帯端末3に予めプリインストールされていてもよいし、通信ユニット33を介して作業管理装置4等からダウンロードされてもよい。
【0022】
GPSユニット32は複数のGPS衛星からの信号を受信して自身の現在位置を測位する。GPSユニット32は携帯端末3に着脱可能であってもよく、携帯端末3に装着されたものであってもよい。ここでは着脱可能なGPSユニット32が測位機能を備えているものとしたが、携帯端末3自身がGPSユニット32を内蔵し、測位の動作を行ってもよい。
【0023】
携帯端末3の通信ユニット33は、携帯電話回線や衛星電話回線或いは無線LANを用いて事務所の作業管理装置4に対してメール34を送信する。通信ユニット33は携帯端末3に着脱可能に装着される。携帯端末3は自身の内部に通信ユニット33の通信機能を備えてもよい。
【0024】
携帯端末3の記憶ユニット31には、既に述べたように、制御ユニット30により緯度経度フォルダ310が作成される。本実施の形態では、携帯端末3の制御ユニット30は、SDカード2内の写真22が保存されたフォルダを共有フォルダ21として設定する。そして制御ユニット30は、GPSユニット32によって測位される携帯端末3の現在位置の情報を用いて、当該写真22を保存する領域としての緯度経度フォルダ310を記憶ユニット31内に作成する。つまり、緯度経度フォルダ310は、携帯端末3の現在位置に対応して作成されるフォルダ(写真22の保存場所)であり、GPSユニット32が測位した緯度経度情報をそのままフォルダの名称として設定したフォルダである。そして携帯端末3の制御ユニット30は、SDカード2内の共有フォルダ21に保存されている写真22を複製して、記憶ユニット31内に形成した緯度経度フォルダ310に保存する。また制御ユニット30は、緯度経度フォルダ310に保存された写真22をメール34に添付して事務所の作業管理装置4に送信する処理を行う。
【0025】
作業管理装置4は、無線基地局等の作業現場に係る作業情報を一元的に管理している。作業管理装置4はCPUのほか、メモリ、OS、ハードディスク、ディスプレイ等の情報処理に係る汎用機能を備えている。作業管理装置4のハードディスクには作業情報データベースが作成されている。作業情報データベースには作業現場ごとにレコードが作成され、レコードごとに、対応する作業現場の位置情報(住所地や緯度経度情報)と、その作業現場の施工状況に係る情報(施工情報)と、その作業現場に対する作業指示書(第二の画像に相当する)等とが関連付けて記録されている。またこの作業管理装置4には各種ソフトウェアがインストールされており、その一つに作業管理用ソフトウェアが含まれる。作業管理装置4のCPUは、この作業管理用ソフトウェアに従って動作し、メール34を受信して、当該受信したメール34に添付されている写真22を作業情報データベースに保存する。
【0026】
次に、
図3を参照して事務所から作業現場に対する作業情報の送信に係る詳細構成について説明する。
【0027】
作業管理装置4の作業情報データベースには、作業現場に対する作業指示書42等の作業情報が事務所側担当者により作成されて格納されている。作業管理装置4のCPUは、作業管理用ソフトウェアに従って、作業情報データベースに格納されている作業指示書42を読み出して、メール41に添付して携帯端末3宛に送信する。
【0028】
携帯端末3は、通信ユニット33を介して作業管理装置4から送信されたメール41を受信する。携帯端末3の制御ユニット30は、メール41に添付されている作業指示書42を緯度経度フォルダ310に保存する。携帯端末3は、緯度経度フォルダ310に保存した作業指示書42を複製し、複製した作業指示書42をSDカード2の共有フォルダ21に転送する。これにより、カメラ1において、当該共有フォルダ21に転送された作業指示書42を、カメラ1のモニタに表示することが可能となる。
【実施例1】
【0029】
次に、実施例1として、携帯電話基地局に関する作業を行う際に、本実施の形態のシステムを用いる例について述べる。まず携帯端末3と作業管理装置4との間における作業情報の送受信と管理に係る詳細手順を説明する。ここでは作業情報の一例として、作業現場で撮影された写真22と、作業管理装置4の作業情報データベースに格納されている作業指示書42を互いに送信する場合について説明する。
【0030】
まず、
図4を参照して、携帯端末3から作業管理装置4に写真22を送信する詳細手順を説明する。作業員は作業開始にあたり、カメラ1を用いて現場の写真22を撮影する。撮影された写真22はSDカード2内のフォルダに保存される。次に作業員は携帯端末3の画面に予め表示されている所定のアイコンにタッチして作業用アプリを起動させる(S501)。
【0031】
携帯端末3は、作業用アプリが起動されると、ディスプレイに写真22の取り込みを促すメッセージを表示する。ここで携帯端末3は、SDカード2と携帯端末3とのそれぞれの無線LAN機能をONにするべき旨のメッセージを表示してもよい。カメラ1と携帯端末3を近接させると、SDカード2と携帯端末3が無線LANで接続される。携帯端末3は、SDカード2内の、写真22が保存されているフォルダを、共有フォルダ21として設定する。これにより共有フォルダ21に保存されている写真22を携帯端末3に取り込むことが可能な状態になる(S502)。
【0032】
続いて携帯端末3は、GPSユニット32が装着されているか否かを調べ、装着されている場合には、GPSユニット32を起動して、GPSユニット32に携帯端末3の現在位置の測位処理を行わせる。なお携帯端末3にGPSユニット32が装着されていない場合には、携帯端末3は、ディスプレイにGPSユニット32の装着を促すメッセージを表示してもよい。また、携帯端末3が本体に測位機能を備えている場合には、GPSユニット32が装着されているか否かに関わらず、本体の測位機能により現在位置の測位処理を行ってもよい。GPSユニット32(または携帯端末3本体)による測位処理が完了して、携帯端末3が自己の現在位置情報を取得すると、携帯端末3は、その現在位置情報を用いて緯度経度フォルダ310を作成する。具体的には、緯度経度フォルダ310は、測位処理によって取得された緯度経度情報「N36・・・,E139・・・」を名称としたフォルダを作成する(S503)。
【0033】
携帯端末3は、緯度経度フォルダ310を作成すると、S502で共有可能になった写真22を共有フォルダ21から読み出す。ここで読み出された写真22(第一の画像に相当する)は、携帯端末3により複製されて緯度経度フォルダ310に保存される。緯度経度フォルダ310に写真22が保存されるにあたり、写真22を取り込んだときに一旦「新しいフォルダ」を作成して、その「新しいフォルダ」に写真22を複製したあと、測位処理後に作成された緯度経度フォルダ310に写真22を移動させてもよい。或いは、測位処理後に「新しいフォルダ」を緯度経度フォルダ310に設定することにして、フォルダの名称を緯度経度情報「N36・・・,E139・・・」としてもよい(S504)。
【0034】
ここで、緯度経度フォルダ310は、作業用アプリによって管理されるフォルダであり、作業用アプリ自身の記憶領域内に作成されてもよいし、その記憶領域外に作成されてもよい。
【0035】
携帯端末3は、写真22を緯度経度フォルダ310に保存すると、続いてメール機能を起動する。携帯端末3は、このメール機能を用いて作業管理装置4宛てのメール34を作成する。ここで携帯端末3は、メール34の宛先欄には作業管理装置4のメールアドレス(予め定められている)を設定し、件名欄或いは本文メッセージ欄には、現在位置情報として緯度経度情報「N36・・・,E139・・・」を含める。ここで現在位置情報は緯度経度情報に限られず、緯度経度情報から変換して得た住所地の情報や、作業現場である基地局の名称(基地局名)であってもよい。緯度経度の情報から住所等の情報へ変換する方法は広く知られているので、ここでの詳しい説明を省略する。
また携帯端末3は、このメール34に、通信中の基地局名や、作業開始時刻を含めてもよい。さらに携帯端末3は、作業員により入力された、作業者名等の作業情報をメール34に含めてもよい。携帯端末3は、このメール34の添付ファイルとして、緯度経度フォルダ310から読み出した写真22を含める。携帯端末3は、この写真22のファイル名として緯度経度情報「N36・・・,E139・・・」等の現在位置情報を含めてもよい。
図7に写真22のファイル名の一例を示す。このようにファイル名に現在位置情報を含める場合には、件名欄或いは本文メッセージ欄に現在位置情報を含める必要は必ずしもない。携帯端末3は、こうして写真22が添付され、携帯端末3の現在位置情報を含めたメール34を作業管理装置4宛に送信する(S505)。
【0036】
ここで、S501からS505の各動作手順において、携帯端末3は、動作手順ごとに、作業員に動作を行うか否かを確認させるポップアップメッセージをディスプレイに表示してもよい。
【0037】
作業管理装置4は、携帯端末3から送信されたメール34を受信する。作業管理装置4は、メール34に含まれている現在位置情報を読み出し、読み出した緯度経度情報を、作業情報データベース内の情報と照合する。ここで作業管理装置4の作業情報データベースはファイルシステムを用い、作業現場となる基地局ごとにレコードとしてのフォルダを作成し、各フォルダ内に、対応する基地局の位置情報(住所地や緯度経度情報)のほか、当該基地局の施工情報や運用に係る情報、当該作業現場に対する作業指示書42等を予め格納したものである。
作業管理装置4は、メール34から読み出した現在位置情報と、作業情報データベース内の各フォルダに格納された位置情報とを照合し、メール34から読み出した現在位置情報に一致する、あるいは一致しなくても最も近い位置情報を格納したフォルダを見出す。これにより作業現場の基地局が特定される。
【0038】
作業現場の基地局が特定されると、作業管理装置4は、メール34に添付されている写真22を取り出して、作業情報データベースの当該基地局に対応して作成されたフォルダに保存する。写真22はメール34と一緒に保存されてもよいし、サブフォルダに写真22だけを保存してもよい。これ以降、携帯端末3から作業管理装置4に送信されてきたメール34と写真22は作業情報として管理される(S506)。
【0039】
次に、
図5を参照して、作業管理装置4から携帯端末3に対して作業指示書42を送信する詳細手順を説明する。
【0040】
作業管理装置4において受信したメール34から基地局を特定されると、作業情報データベース内の当該基地局のフォルダから作業指示書42が読み出される。作業管理装置4は、メール機能を起動して、メール34に対する返信メールとしてメール41を作成し、作業指示書42を添付して送信する。これにより作業情報データベースから読み出された作業指示書42がメール41に添付されて、携帯端末3に送信される(S601)。
【0041】
ここで、メール41の件名欄或いは本文メッセージ欄には、メール34で通知された携帯端末3の現在位置情報が含められる。携帯端末3から通知された現在位置情報が緯度経度情報であれば「N36・・・,E139・・・」といった文字列が含められる。通知された現在位置情報が緯度経度を住所地に変換した情報であれば、その住所地を表す文字列が含められる。基地局名が現在位置情報として通知された場合には、その基地局名が含められる。以下、このメール41に含めた、メール34から抽出した現在位置情報を、区別のため「通知位置情報」と呼ぶ。
【0042】
携帯端末3は、メール41を受信すると、受信したメール41をディスプレイに表示する。またこのとき、携帯端末3は、作業用アプリの動作を行い、メール41に含められている通知位置情報を読み出す。携帯端末3は、読み出した通知位置情報が、従前に送信したメール34に含めた携帯端末3の現在位置情報と一致するか否か照合する。両者が一致した場合には、携帯端末3は、メール41に添付されている作業指示書42を緯度経度フォルダ310に保存する。両者が一致しない場合には、携帯端末3は、作業員に確認させるためのポップアップメッセージをディスプレイに表示し、作業員の確認が得られた場合に限り、作業指示書42を緯度経度フォルダ310に保存するようにしてもよい(S602)。
【0043】
また携帯端末3は、メール41に基地局名が含まれる場合は、緯度経度フォルダ3120のフォルダ名称を当該基地局名に書き換えてもよい。具体的に、受信したメール41に添付されている作業指示書42のファイル名に基地局名が用いられている場合には、携帯端末3は、当該基地局名を読み出して、緯度経度フォルダ310の名称を当該基地局名に書き換えてもよい(S603)。
図6に緯度経度フォルダ310の一例とフォルダ名称の変更例を示す。また。
図8に作業指示書の一例を示す。
【0044】
携帯端末3は、緯度経度フォルダ310に保存された作業指示書42を、ディスプレイに表示する。これにより、当初予定されていた作業内容に追加や変更があった場合でも、作業指示書42として追加・変更後の作業指示を送信することにより、作業現場で最新の作業内容を確認できる。携帯端末3は、受信したメール41に添付されていた作業指示書42を、共有フォルダ21に複製して格納してもよい。共有フォルダ21は、SDカード2内の、写真22が保存されているフォルダと同期されているため、この
複製された作業指示書42はカメラ1からも読み取ることが可能となり、カメラ1のモニタに表示できるようになる。これにより、作業者は携帯端末3の持ち込みが困難であったとしても、カメラ1のモニタに表示された作業指示書42を見ることによって作業内容を確認できるようになる(S604)。
【0045】
ここで、S602からS604の動作手順において、携帯端末3は、動作手順ごとに、作業員に動作を行うか否かを確認させるポップアップメッセージを、ディスプレイに表示してもよい。
【実施例2】
【0046】
次に実施例2として、写真22を作業開始の合図として用いる例を説明する。これは、撮影された写真22の内容が予め定めた条件を満足する場合に、その写真22の受信を作業開始の合図として取り扱うものである。ここで予め定めた条件としては、写真22の所定範囲以上の部分が特定の色で占められているとの条件などでよい。例えば、作業員が作業開始にあたり、カメラ1のレンズキャップを付けた状態でシャッターを押して写真22を撮影すると、当該写真22はほとんどの画素が黒色と判断される写真となる。
【0047】
本実施例では、携帯端末3は、画像分析ソフトとしての処理を実行する。まず
図4に例示したのと同様の処理を開始し、緯度経度フォルダ310に写真22を保存すると、携帯端末3は、作業用アプリとして、画像分析ソフトを起動させる。携帯端末3は、画像分析ソフトの指示に従い、色分析処理を実行する。具体的には、携帯端末3は、写真22の各画素のうち、色空間コードのRGBの値が「0,0,0」である画素の数をカウントする。そして携帯端末3は、このカウントの結果が、写真22の全画素に占める割合(または当該カウントされた値そのものでもよい)が予め定めたしきい値を超える場合に、当該写真22は全体が黒色の写真であると判定する。なお、RGBの値が「0,0,0」に完全一致していなくとも、画素値が「0,0,0」から予め定めた所定の範囲内の値(色空間上のユークリッド距離が所定の値未満であるなどの条件を満足する値)である画素については、RGBの値が「0,0,0」である画素としてカウントしてもよい。携帯端末3は、写真22が、その全体が黒色の写真であると判断すると、つまり、写真22の色を分析して、全体が黒色に支配された画像であると判断すると、その写真22を作業開始の合図として取り扱う。
【0048】
写真22の全体が黒色であると判断し、作業開始の合図として取り扱うことが決定されると、携帯端末3は、作業記録を作成する。ここで作業記録とは、現場で行った作業の記録であり、作業の行われた日時と、当該作業の内容を表す情報とを関連付けたものである。本実施例の携帯端末3では、全体が黒色であると判断した写真22から撮影時刻の情報を抽出し、当該抽出した撮影時刻の情報を、作業開始時刻として作業記録に追記する。携帯端末3が、写真22を添付し、携帯端末3の現在位置情報を含めたメール34を作業管理装置4宛に送信する際に、当該メール34の件名欄や本文メッセージ欄に、「作業開始」の文字列を含める。
【0049】
作業管理装置4は、このメール34を受信すると、そのディスプレイに携帯端末3の位置情報とともに「作業開始」の文字列を表示する。なお、携帯端末3に代わり、あるいは携帯端末3とは別に作業管理装置4が作業記録を作成する場合は、作業管理装置4が、メール34に添付されている写真22から、その撮影時刻の情報を抽出し、当該抽出した撮影時刻の情報を作業開始時刻として作業記録に追記する。なお、ここでは写真22の撮影時刻を作業開始時刻とする例について述べたが、作業管理装置4が作業記録を作成する際には、写真22の撮影時刻に代えて、メール34の送信時刻或いは受信時刻を作業開始時刻としてもよい。
【0050】
また携帯端末3の代わりに、作業管理装置4が画像分析ソフトとしての処理を実行するようにしてもよい。この場合は、作業管理装置4がメール34に添付されている写真22の色分析処理を行い、前述と同様の方法により、写真22の全体が黒色であると判定されたときは、写真22を作業開始の合図とみなして、作業開始の情報を作業記録に含める。
【0051】
携帯端末3または作業管理装置4の行う色分析処理は、上述のように、ある色空間における画素値を分析するものに限られず、既知の種々の分析処理の方法を用いてもよい。また、色分析処理における画素値の分析の処理は、携帯端末3や作業管理装置4において実行するのではなく、ネットワークを介して通信可能に接続されたサーバにおいて行われてもよい。この場合、色分析処理を実行する携帯端末3や作業管理装置4は、写真22を当該サーバに送信(通信はHTTP等を用いて行うことができる)して、分析の結果を受信することで、写真22が所定の条件を満足するか否かを判断する。
【0052】
また本実施例では、携帯端末3は、写真22に対する色分析処理の結果、全体が黒色であると判定された場合に、現在位置の測位の動作を開始するようにしてもよいし、緯度経度フォルダ310を作成して写真22を保存するようにしてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施例1によれば、作業員が携帯端末3の作業用アプリを起動させると、撮影された作業現場の写真22が携帯端末3の現在位置に対応したフォルダに保存され、現在位置情報とともに作業管理装置4に送信される。作業管理装置4では携帯端末3の現在位置情報から作業現場の基地局が特定され、写真22がその基地局の作業情報として管理される。作業管理装置4から携帯端末3に作業指示書42が送信されると、作業指示書42が現在位置に対応したフォルダに保存される。作業指示書42は複製されてカメラ1のモニタに表示される。作業員は携帯端末3の簡易な操作により、事務所との間で作業に関する情報を簡便にやりとりすることが可能になる。
【0054】
また、実施例2によれば、作業員がカメラ1のレンズキャップを付けた状態でシャッターを押し、全体の大部分が黒色で占められている写真22を撮影するという簡便な操作により、作業開始の合図を作業管理装置4側に伝達できる。その際に作成される作業記録には写真22の撮影時刻が作業開始時刻として記載されるため、作業員と作業管理者は作業開始時刻の連絡と確認を簡略にすることができる。
【0055】
なお、実施例2と実施例1とを組み合わせることで、作業開始の記録が作成されるときに、携帯端末3と作業管理装置4との間で写真22が端末装置3の現在位置情報とともに授受されることにより、作業管理装置4において現場を特定でき、また当該特定した現場に関して予め用意された作業指示書42を作業管理装置4から携帯端末3に作業指示書42が送信させることが可能になる。この作業指示書42は携帯端末3とカメラ1(のSDカード2)との間で共有された記憶領域内の、現在位置に対応したフォルダに保存される。従ってこの作業指示書42はカメラ1のモニタに表示させることが可能になる。このように作業員はカメラ1を操作することで、事務所との間で作業に関する情報を簡便にやりとりすることが可能になる。