(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-129013(P2016-129013A)
(43)【公開日】2016年7月14日
(54)【発明の名称】タッチ・スクリーンおよびタッチ表面のための磁気サスペンション・システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20160617BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20160617BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/041 480
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】48
(21)【出願番号】特願2015-243856(P2015-243856)
(22)【出願日】2015年12月15日
(31)【優先権主張番号】14/580,161
(32)【優先日】2014年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】500390995
【氏名又は名称】イマージョン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス ビリントン
(72)【発明者】
【氏名】エレナ レデルシャイマー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム リーン
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB12
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ハプティック・タッチ・スクリーン用の改善された及び/又は代替のサスペンション・システムを提供。
【解決手段】磁気サスペンション・システムは、任意の方向において、用途に応じてx軸、y軸及び/又はz軸に沿って、より大きい又はより小さい運動を提供するように設計できる。磁気サスペンション・システムは、第1本体306に結合された第1プログラム可能磁石305Aと、第2本体314に結合された第2プログラム可能磁石305Bとを含む。第2本体が第1本体からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、プログラム可能磁石は、公称構成において互いに同時に反発し且つ引き付ける。第2本体に力が加えられていないときに第1及び第2本体が公称構成に戻るよう、プログラム可能磁石は、ハプティック・アクチュエータによって第2本体に加えられた力に反応して、プログラムされたバネ力による第1及び第2本体の間の運動も可能にする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1本体及び第2本体と、
前記第1本体に対して前記第2本体を移動し、それによって前記第2本体のユーザにハプティック効果を提供するハプティック・アクチュエータと、
前記第2本体が前記第1本体に対して可動であるように、前記第1及び第2本体を一緒に結合する少なくとも1つの磁気サスペンション・システムであって、前記磁気サスペンション・システムは、前記第1本体に結合された第1プログラム可能磁石と、前記第2本体に結合された第2プログラム可能磁石とを含む、少なくとも1つの磁気サスペンション・システムとを備え、
前記第2本体が前記第1本体からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、公称構成において互いに同時に反発し且つ引き付けるように構成されており、
前記第2本体に力が加えられていないときに前記第1及び第2本体が前記公称構成に戻るように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、前記ハプティック・アクチュエータによって前記第2本体に加えられた力に反応して、プログラムされたバネ力による少なくとも第1方向における前記第1本体と前記第2本体との間の運動を可能にするようにも構成されている、ハプティック・デバイス。
【請求項2】
前記第2本体は、前記ハプティック・アクチュエータに取り付けられたタッチ・スクリーンまたはタッチ表面構成要素を含む、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項3】
前記第2本体は、前記ハプティック・アクチュエータに取り付けられた着用可能な構成要素を含む、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項4】
前記第2本体は、周辺機器のユーザ入力デバイスを含む、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項5】
前記ユーザ入力デバイスは、トリガである、請求項4に記載のハプティック・デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの磁気サスペンション・システムは、第2方向における前記第1及び第2本体の間の運動を限定するように構成されており、前記第1方向と前記第2方向とが、互いに向い合っており、前記磁気サスペンション・システムの軸に沿って延在している、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項7】
前記軸はz軸である、請求項6に記載のハプティック・デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの磁気サスペンション・システムは、第2方向における前記第1及び第2本体の間の運動を可能にするように構成されており、前記第1方向と前記第2方向とが、互いに向い合っており、前記磁気サスペンション・システムの軸に沿って延在している、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項9】
前記軸はz軸である、請求項8に記載のハプティック・デバイス。
【請求項10】
前記第1及び第2本体の間に延在する少なくとも1つのポストをさらに備え、前記第2本体が前記ポスト上に摺動自在に配置されるように、前記第2本体は、前記ポストを受容するように寸法決めされた開口部を含む、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項11】
少なくとも第2方向における前記第1及び第2本体の間の運動を限定するように、前記開口部は、前記ポストよりもわずかだけ大きく寸法決めされており、前記第1方向及び前記第2方向は、前記磁気サスペンション・システムの第1軸及び第2軸に沿ってそれぞれ延在している、請求項10に記載のハプティック・デバイス。
【請求項12】
磁気サスペンション・システムを有するハプティック・デバイスであって、
ハウジング構成要素と、
タッチ・スクリーンと、
前記ハウジング構成要素に対して前記タッチ・スクリーンを移動し、それによって、前記タッチ・スクリーンのユーザにハプティック効果を提供するハプティック・アクチュエータと、
前記タッチ・スクリーンが前記ハウジング構成要素に対して可動であるように、前記タッチ・スクリーン及び前記ハウジング構成要素を一緒に結合する少なくとも1つの磁気サスペンション・システムであって、前記磁気サスペンション・システムは、前記ハウジング構成要素に結合された第1プログラム可能磁石と、前記タッチ・スクリーンに結合された第2プログラム可能磁石とを含む、少なくとも1つの磁気サスペンション・システムと
を備え、
前記タッチ・スクリーンが前記ハウジング構成要素からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、公称構成において互いに同時に反発し且つ引き付けるように構成されており、
前記タッチ・スクリーンに力が加えられていないときに前記タッチ・スクリーン及び前記ハウジング構成要素が前記公称構成に戻るように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、前記ハプティック・アクチュエータによって前記タッチ・スクリーンに加えられた力に反応して、プログラムされたバネ力による少なくとも第1方向における前記ハウジング構成要素及び前記タッチ・スクリーンの間の運動を可能にするようにも構成されている、ハプティック・デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの磁気サスペンション・システムは、第2方向における前記ハウジング構成要素及び前記タッチ・スクリーンの間の運動を限定するように構成されており、前記第1方向と前記第2方向とが、互いに向い合っており、前記磁気サスペンション・システムのz軸に沿って延在している、請求項12に記載のハプティック・デバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの磁気サスペンション・システムは、第2方向における前記ハウジング構成要素及び前記タッチ・スクリーンの間の運動を可能にするように構成されており、前記第1方向と前記第2方向とが、互いに向い合っており、前記磁気サスペンション・システムのz軸に沿って延在している、請求項12に記載のハプティック・デバイス。
【請求項15】
前記ハウジング構成要素及び前記タッチ・スクリーンの間に延在する少なくとも1つのポストをさらに備え、前記タッチ・スクリーンが前記ポスト上に摺動自在に配置されるように、前記タッチ・スクリーンは、前記ポストを受容するように寸法決めされた開口部を含む、請求項12に記載のハプティック・デバイス。
【請求項16】
少なくとも第2方向における前記ハウジング構成要素及び前記タッチ・スクリーンの間の運動を限定するように、前記開口部は、前記ポストよりもわずかだけ大きく寸法決めされており、前記第1方向及び前記第2方向は、前記磁気サスペンション・システムの第1軸及び第2軸に沿ってそれぞれ延在している、請求項15に記載のハプティック・デバイス。
【請求項17】
ハウジング構成要素と、
前記ハウジング構成要素に対して回転可能なトリガと、
前記ハウジング構成要素に結合された第1プログラム可能磁石と、前記トリガに結合された第2プログラム可能磁石とを含む、少なくとも1つの磁気サスペンション・システムとを備え、
前記トリガが前記ハウジング構成要素からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、公称構成において互いに同時に反発し且つ引き付けるように構成されており、
前記トリガに力が加えられていないときに前記トリガが前記公称構成に戻るように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、プログラムされたバネ力による少なくとも第1方向における前記ハウジング構成要素に対する前記トリガの回転を可能にするようにも構成されている、ハプティック・デバイス。
【請求項18】
前記ハウジング構成要素に対する前記トリガの回転を生じさせ、それによって、前記トリガのユーザにハプティック効果を提供するハプティック・アクチュエータをさらに備える、請求項16に記載のハプティック・デバイス。
【請求項19】
前記第2プログラム可能磁石は、ベース表面と、間に旋回点が形成された2つの向い合う角度表面とを含む三角形構成を有する、請求項16に記載のハプティック・デバイス。
【請求項20】
前記トリガが前記ハウジング構成要素からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、前記第2プログラム可能磁石の少なくとも1つの表面は、前記第1プログラム可能磁石を同時に反発し且つ引き付けるようにプログラムされている、請求項19に記載のハプティック・デバイス。
【請求項21】
前記第2プログラム可能磁石の少なくとも1つの表面は、前記第1プログラム可能磁石を引き付けるようにプログラムされている、請求項20に記載のハプティック・デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、ハプティック・フィードバックをユーザに提供する構成要素および/またはシステムに関し、より詳細には、ハプティック・フィードバックをユーザに提供するタッチ・スクリーンおよびタッチ表面に関する。
【背景技術】
【0002】
新世代の消費者デバイスは、物理的入力の代替として、スクリーン上に表示される仮想ボタンおよびスライダなどのタッチ・スクリーン入力にますます依存している。ユーザは、もっぱら、スクリーン上の仮想ボタン、スライダ、スクローラなどを1つまたは複数の指でタッチおよび/または他の方法で操作することによって、そのようなデバイスとインターフェースし得る。スクリーン上のグラフィック表示は、そのような操作に応じて視覚的なフィードバックを提供する。いくつかのより最近のタッチ・スクリーン・デバイスでは、一般にハプティック・フィードバックとして集合的に知られるフォース・フィードバックまたはタクタイル・フィードバックは、また、ユーザの指がタッチ・スクリーン上の視覚的オブジェクトと対話するように、ユーザに提供され得る。これは、一般的に、スクリーンに結合されたハプティック・アクチュエータでスクリーンを移動させるまたは振動させることによって達成される。
【0003】
ハプティック・アクチュエータに応答してハプティック・タッチ・スクリーンが移動することを可能にし、それによって、スクリーンへのハプティック効果を分離するために、ハプティック・タッチ・スクリーンは、それらが内部に存在する電子デバイス内に追従的に(compliantly)浮かべられる。しかしながら、スクリーンはハプティック・アクチュエータが作動されたとき移動可能でなければならないが、浮かべられたスクリーンは、タッチされたとき、実質的に堅固に取り付けられていたかのようにユーザが感じるものでなければならないことが重要である。他では、サスペンションを使用しないことによってこの問題に対処しているが、サスペンションを使用しないことは、ハプティック効果を有し得るシステムの質量を制限する。
【0004】
その全体が参照により本明細書に組み込まれているOlienらの特許文献1に示されているように、ハウジング内にタッチ・スクリーンおよびタッチ表面を取り付けるために追従的なグロメットを利用するサスペンションは、公知である。より具体的にはOlienらから複製された
図1は、機械的サスペンション・システムにおいて複数のグロメット・サスペンション要素104を利用する、タッチ・スクリーン102にハプティック・フィードバックを提供するための電子タッチ・スクリーン・システム100の様々な構成要素の分解図を示す。タッチ・スクリーン102に加えて、タッチ・スクリーン・システム100は、キャリア106と、モータまたはハプティック・アクチュエータ108と、ダスト・シール110と、LCD構成要素112と、メインハウジング構成要素114とを含む。グロメット・サスペンション要素104は、y軸またはz軸などの他の方向の運動を制限しながら、x軸などの特定の軸に沿うタッチ・スクリーン102の優先的な運動を可能にするように構成されている。
【0005】
その全体が参照により本明細書に組み込まれているRosenbergらの特許文献2と、その全体が参照により本明細書に組み込まれているOlienらの特許文献3とに示されているように、追従的なグロメット構成要素に加えて、他のサスペンションが、タッチ・スクリーン用途のために提案されている。Rosenbergらから複製された
図2は、タッチ・パッドまたはタッチ・スクリーン202とメインハウジング構成要素214との間に結合された1つまたは複数のばね要素204を有するタッチ・スクリーン・システム200を示す。ばね要素204は、螺旋状またはコイル状要素として示されているが、ゴム、発泡体、またはフレクシャ(flexures)などの追従的な材料であり得る。ばね要素204は、タッチ・スクリーン202をシステム200の剛性ハウジング214に結合し、タッチ・スクリーン202がz軸に沿って移動することを可能にする。
図2の実施形態では、1つまたは複数の圧電アクチュエータ208は、タッチ・スクリーン202の下側に結合され、タッチ・スクリーン202上に、および、ユーザがタッチ・スクリーンに触れている場合、ユーザに、小さいパルス、振動、またはテクスチャ感覚を出力する役割を果たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8,629,954号
【特許文献2】米国特許第8,059,105号
【特許文献3】米国特許出願公開第2010/0245254A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ハプティック・タッチ・スクリーン用の改善されたおよび/または代替のサスペンション・システムに対する必要性が当該技術分野に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書の実施形態は、第1本体と、第2本体と、第1本体に対して第2本体を移動し、それによって第2本体のユーザにハプティック効果を提供するハプティック・アクチュエータと、第2本体が第1本体に対して可動であるように、第1および第2本体を一緒に結合する少なくとも1つの磁気サスペンション・システムとを含むハプティック・デバイスに関する。磁気サスペンション・システムは、第1本体に結合された第1プログラム可能磁石と、第2本体に結合された第2プログラム可能磁石とを含む。第2本体が第1本体からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、第1および第2プログラム可能磁石は、公称構成(nominal configuration)において互いに同時に反発し、引き付けるように構成されている。また、第2本体に力が加えられていないときに第1および第2本体が公称構成に戻るように、第1および第2プログラム可能磁石は、ハプティック・アクチュエータによって第2本体に加えられた力に反応して、プログラムされたバネ力による少なくとも第1方向における第1本体と第2本体との間の運動を可能にするように構成されている。
【0009】
本明細書の別の実施形態によれば、ハプティック・デバイスは、ハウジング構成要素と、タッチ・スクリーンと、ハウジング構成要素に対してタッチ・スクリーンを移動し、それによって、タッチ・スクリーンのユーザにハプティック効果を提供するハプティック・アクチュエータと、タッチ・スクリーンがハウジング構成要素に対して可動であるように、タッチ・スクリーンとハウジング構成要素とを一緒に結合する少なくとも1つの磁気サスペンション・システムとを含む磁気サスペンション・システムを有する。磁気サスペンション・システムは、ハウジング構成要素に結合された第1プログラム可能磁石と、タッチ・スクリーンに結合された第2プログラム可能磁石とを含む。タッチ・スクリーンが、ハウジング構成要素からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、第1および第2プログラム可能磁石は、公称構成において互いに同時に反発し、引き付けるように構成されている。また、タッチ・スクリーンに力が加えられていないときにタッチ・スクリーンおよびハウジング構成要素が公称構成に戻るように、第1および第2プログラム可能磁石は、ハプティック・アクチュエータによってタッチ・スクリーンに加えられた力に反応して、プログラムされたバネ力による少なくとも第1方向におけるハウジング構成要素とタッチ・スクリーンとの間の運動を可能にするように構成されている。
【0010】
本明細書の別の実施形態によればハプティック・デバイスは、ハウジング構成要素と、ハウジング構成要素に対して回転可能なトリガと、ハウジング構成要素に結合された第1プログラム可能磁石とトリガに結合された第2プログラム可能磁石とを含む少なくとも1つの磁気サスペンション・システムとを含む。トリガがハウジング構成要素からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、第1および第2プログラム可能磁石は、公称構成において互いに同時に反発し、引き付けるように構成されている。また、トリガに力が加えられていないときにトリガが公称構成に戻るように、第1および第2プログラム可能磁石は、プログラムされたバネ力による少なくとも第1方向におけるハウジング構成要素に対するトリガの回転を可能にするように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ハプティック・フィードバックを提供するための従来技術のハプティック・デバイスの様々な構成要素を示す分解斜視図であり、浮遊用にグロメットが利用されている。
【
図2】ハプティック・フィードバックを提供するための従来技術のハプティック・デバイスの側面図であり、浮遊用にバネが利用されている。
【
図3】本明細書の一実施形態によるハプティック・デバイスの側面図であり、ハプティック・デバイスは、z軸に沿ってハウジング構成要素の上にタッチ・スクリーンを浮かべるための複数の磁気サスペンション・システムを含み、磁気サスペンション・システムは、それらに力が加えられていないそれらの公称構成で示されている。
【
図4】
図3のハプティック・デバイスのキャリア構成要素の斜視図であり、キャリア構成要素は、単に例示の目的のためにハプティック・デバイスから除去されている。
【
図5】
図3のハプティック・デバイスのハウジング構成要素と、ハウジング構成要素に取り付けられた複数のポストの斜視図であり、ハウジング構成要素は、単に例示の目的のためにハプティック・デバイスから除去されている。
【
図7】
図3のハプティック・デバイスの側面図であり、ハプティック・デバイスのアクチュエータは、z軸に沿ってタッチ・スクリーンに下向きの力を加えている。
【
図8】
図3のハプティック・デバイスの側面図であり、ハプティック・デバイスのアクチュエータは、z軸に沿ってタッチ・スクリーンに上向きの力を加えている。
【
図9】本明細書の別の実施形態によるハプティック・デバイスの側面図であり、ハプティック・デバイスは、x軸に沿ってハウジング構成要素の横にタッチ・スクリーンを浮かべるための複数の磁気サスペンション・システムを含み、磁気サスペンション・システムは、それらに力が加えられていないそれらの公称構成で示されている。
【
図10A】コントローラの斜視図であり、コントローラは、本明細書の別の実施形態によるそれらのユーザ入力要素を浮かべるための磁気サスペンション・システムを含む。
【
図11】
図10Aおよび
図10Bのコントローラのトリガを浮かべるために利用される磁気サスペンション・システムの側面図である。
【
図12】
図10Aおよび
図10Bのコントローラのトリガと共に利用される
図11の磁気サスペンション・システムの側面図であり、下向きの力がトリガに加えられている。
【
図13】
図10Aおよび
図10Bのコントローラのトリガと共に利用される
図11の磁気サスペンション・システムの側面図であり、磁気サスペンション・システムは、それに力が加えられていないその公称構成で示されている。
【
図14】本明細書の別の実施形態によるハプティック・デバイスの斜視図であり、ハプティック・デバイスは、z軸に沿って、固定されたベース構成要素の上に着用可能な構成要素を浮かべるための磁気サスペンション・システムを含む着用可能な構成要素である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本発明を機能させる構成]
本発明の前述のおよび他の特徴および利点は、添付図面に示すその実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。本明細書に組み込まれており、明細書の一部を形成する添付図面は、さらに、本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成および使用することを可能にする役割を果たす。図面は、縮尺通りではない。
【0013】
本発明の具体的な実施形態は、ここで図面を参照して説明され、図面では、同様の参照番号は、同一のまたは機能的に類似の要素を示す。以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示であり、本発明または本発明の用途および使用を限定することを意図していない。本明細書の実施形態の説明は、電子タッチ・スクリーン用のサスペンション・システムの文脈にあるが、本発明は、それが有用であるとみなされる任意の他の用途でも使用され得る。さらに、前述の技術分野、背景技術、概要、または以下の詳細な説明に提示されているいかなる明示または暗示の理論による限定の意図はない。
【0014】
本明細書の実施形態は、タッチ・スクリーンとタッチ表面とを取り付けるための磁気サスペンション・システムに関する。磁気サスペンション・システムは、グラフィカル・ディスプレイがタッチ表面またはタッチ要素の後ろに配置されるタッチ・スクリーンの文脈内で以下に説明される。しかしながら、本発明は、そのようなタッチ・スクリーン用のサスペンションに限定されず、任意のハプティックに励起されるタッチ表面またはタッチ要素に等しく適用可能であることが理解されるであろう。たとえば、サスペンション・システムは、ディスプレイ・スクリーンがタッチ・パッドと同一位置にないコンピュータのタッチ・パッドを浮かべるために適用され得る。サスペンション・システムは、容量性センサ、近接場効果センサ、圧電センサ、または他のセンサ技術によって作成され得る少なくとも1つのタッチ感知領域またはタッチ感知領域のアレイを有するタッチ要素を浮かべることに適用され得る。グラフィカル要素は、タッチ要素の背後もしくはタッチ要素と別個の場所に配置され、ホスト・コンピュータによって更新されるディスプレイであり得、または、グラフィカル要素は、単に、関連するタッチ要素のタッチ感知領域を示す特徴(たとえば、グラフィックス)を有するプラスチック表面であり得る。したがって、以下の詳細な説明および特許請求の範囲で使用されるとき、タッチ・スクリーンという用語は、従来のタッチ・スクリーン、ならびに、ハプティック効果が適用され得る任意のタッチ表面またはタッチ要素および関連するグラフィカル要素を包含すると解釈されるべきである。
【0015】
本明細書の実施形態は、磁気サスペンション・システムを有するハプティック・デバイスに関する。より具体的には、
図3は、タッチ表面またはスクリーン302と、ハウジングまたはベース構成要素314と、タッチ・スクリーン302のユーザにハプティック効果を提供するためのハプティック・アクチュエータ308と、タッチ・スクリーンがハウジング構成要素に対して可動であるように、タッチ・スクリーン302とハウジング構成要素314とを一緒に結合する複数の磁気サスペンション・システム304とを含むハプティック・デバイス300を示す。キャリアまたは取り付け構成要素306は、タッチ・スクリーン302の下側表面に結合されている。本開示の目的のために、タッチ・スクリーン302が取り付け構成要素306に取り付けられた後、取り付け構成要素306は、タッチ・スクリーンの一体型要素または一体型構成要素とみなされ得る。キャリアまたは取り付け構成要素306は、鋼もしくはアルミニウムなどの薄板金属、またはポリカーボネートもしくはPC−ABSなどのプラスチック材料から形成されている。メインハウジング314は、一般に、コンパートメントまたはケーシングであると考えられるが、任意のタイプのベース構成要素であり得る。一実施形態では、ハプティック・デバイス300は、たとえば、7インチのタッチ・スクリーン・ディスプレイを有する医療デバイスである。別の実施形態では、ハプティック・デバイス300は、制御タッチ・パッドまたは制御タッチ・スクリーンを有する自動車のコンソール・パネルである。ハプティック・デバイス300は、たとえば、コンピュータ、移動電話、PDA、携帯ゲーム・デバイス、メディア・プレーヤ、プリンタ、オフィス電話などの、自動車インターフェース(すなわち、タッチ・スクリーン、タッチ・パッド、またはタッチ・パネル)を有するいくつかのデバイスのうちのいずれかであり得る。ハプティック・アクチュエータ308は、取り付け構成要素306の下側表面に結合され、それによって、タッチ・スクリーン302に結合されており、限定はしないが、圧電アクチュエータ、ボイス・コイル・アクチュエータ、偏心質量アクチュエータ、Eコア型アクチュエータ、ソレノイド、可動磁石アクチュエータ、または、必要に応じて他のタイプのアクチュエータを含む、いくつかの公知のアクチュエータ・タイプのいずれかであり得る。ハプティック・アクチュエータ308の配置は、図示のものから変更でき、
図3に示す場所に限定されないことは、当業者によって理解されるであろう。ソフトウェアは、ハプティック・デバイス300のユーザにハプティック・フィードバックを提供するために使用される。一実施形態では、タッチ・スクリーン302は、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)などの、動作しているアプリケーション・プログラムおよび/またはオペレーティング・システムに基づくグラフィカル環境を表示し得る。グラフィカル環境は、たとえば、背景、ウィンドウ、データ・リスト、カーソル、ボタンなどのアイコン、および、GUI環境でよく知られている他のグラフィカル・オブジェクトを含み得る。ユーザは、スクリーン上に表示された仮想グラフィカル・オブジェクトを作動させ、移動させ、フリップし、前進させ、または他の方法で操作するようにタッチ・スクリーン302の様々な領域をタッチすることによって、ハプティック・デバイス300と対話し、それによってデバイスへの入力を提供する。そのようなタッチ・スクリーンおよびGUIは、上記で参照により組み込まれているRosenbergらの米国特許8,059,105号に例示されているように、よく知られている。図示していないが、ハプティック・デバイス300は、タッチ・スクリーン302とLCD構成要素との間のダスト侵入を防止するために設置されたダスト・シール(図示せず)と共に、任意の適切な方法でメインハウジング構成要素314に固定されたLCD構成要素(図示せず)も含み得る。
【0016】
図3の実施形態では、4つの別個の、しかし同一の磁気サスペンション・システム304は、ハプティック・デバイスの角部において、タッチ・スクリーン302とハウジング構成要素314とを結合しているが、より多くの磁気サスペンション・システムが利用でき、または、より少ない磁気サスペンション・システムが利用できることは、当業者によって理解されるであろう。たとえば、本明細書の別の実施形態(図示せず)では、ハプティック・デバイスは、限定はしないが、ハプティック・デバイスの中心線に沿って、ハプティック・デバイスの1つもしくは複数の端部に沿って、および/またはハプティック・アクチュエータに隣接して等、戦略的な場所において、タッチ・スクリーン302とハウジング構成要素314との間に延在する複数の別個の磁気サスペンション・システムを含み得る。本明細書のさらに別の実施形態(図示せず)では、1つの磁気サスペンション・システムのみが、タッチ・スクリーンのすべてまたは一部の下に連続的に延在し得る。
【0017】
ハプティック・デバイス300のタッチ・スクリーン302は、ハプティック・タッチ・スクリーンとみなされ得、ハプティック・タッチ・スクリーンは、ハプティック・アクチュエータ308と、アクチュエータに信号を提供し、ユーザのタッチに連動してタッチ・スクリーン302の所望の動きをアクチュエータに誘発させる関連する制御ハードウェアおよびソフトウェアとが設けられている。上記で参照により組み込まれているRosenbergらの米国特許第8,059,105号でより詳細に説明されているように、たとえば、仮想ボタンの押下もしくは仮想要素間の衝突に連動してショックを誘発させる、または、スクリーンを横切る仮想要素の運動に連動して振動を誘発させる、もしくは必要に応じて他のタイプのスクリーンの運動を誘発させるように、信号が提供され得る。タクタイル・フィードバック、タッチ・フィードバック、および振動タクタイル・フィードバックとしても知られている、そのようなハプティック・フィードバックまたは効果は、ハプティック・デバイス300のユーザのためのより直感的で、魅力的で、自然な認識を可能にし、したがって、ユーザとハプティック・デバイス300との間の対話は、ハプティック効果によって提供されるタクタイル・フィードバックを通して、かなり強化される。
【0018】
この実施形態では、タッチ・スクリーン302に対してアクチュエータ308によって生成または出力される力は、線形であり、タッチ・スクリーン302の平面に対して垂直または直角であるz軸に沿っている。ユーザがアクチュエータ308によって生成または出力された力を感じることを可能にするために、本明細書の実施形態による磁気サスペンション・システム304は、タッチ・スクリーン302がハプティック・フィードバックのために必要な追従性(compliance)を有し、アクチュエータ308によって出力された力によって移動されることを可能にするために設置される。しかしながら、ユーザが動作中にタッチ・スクリーン302に力を加えたとき、他の方向におけるタッチ・スクリーンの運動または移動を可能にすることは、ユーザにとって脆弱性または不安定性であると感じる可能性がある。別の言い方をすれば、ハプティック・フィードバック中にタッチ・スクリーンの移動を可能にすることが望ましいが、ユーザ操作またはその制御中にタッチ・スクリーンの移動を可能にすることは、望ましくない。所望のハプティック効果を提供するために、本明細書の実施形態による磁気サスペンション・システムは、ハプティック・デバイス300内に取り付けられたとき、y方向またはy軸およびx方向またはx軸などの他の方向におけるまたは他の並進軸に沿った運動を制限または限定しながら、z方向またはz軸などの特定の方向におけるまたは特定の並進軸に沿ったハウジング構成要素314に対するタッチ・スクリーン302の優先的な運動を可能にするように構成されている。
図3に示す座標系に関して、磁気サスペンション・システム304は、z軸の方向におけるタッチ・スクリーン302の移動を可能にし、y軸および/またはx軸の方向における移動を制限または限定するように構成されて示されている。本明細書の他の実施形態では、以下でより詳細に説明するように、タッチ・スクリーンが所望のハプティック効果の方向において移動するが、他の方向において非常に堅固であることを可能にするために、磁気サスペンション・システム304は、y軸および/もしくはx軸の方向におけるタッチ・スクリーン302の移動を可能にし、ならびに/またはz軸の方向における移動を制限もしくは限定するようにプログラムまたは構成されている。
【0019】
各磁気サスペンション・システム304は、(取り付け構成要素306を介して)タッチ・スクリーン302に取り付けられた第1プログラム可能磁石305Aと、ハウジング構成要素314に取り付けられた第2プログラム可能磁石305Bとを含む。第1プログラム可能磁石305Aおよび第2プログラム可能磁石305Bは、各々、単一の基板上の様々な強度および極性の複数の磁気要素を含むプログラム可能磁石である。より具体的には、従来の磁石605Aが
図6Aに示されており、例示的なプログラム可能磁石605Bが
図6Bに示されている。従来の磁石605Aは、単一の極性および強度を有する単一のまたは個別の磁気要素であるが、プログラム可能磁石605Bは、様々な強度および極性の複数の磁気要素607を含む。それらの上の磁気要素が互いに対向するまたは向い合うように1対のプログラム可能磁石が互いに対向したまたは向い合ったとき、対応する対向する磁気要素は、所望の動作を達成するように設計された予めプログラムされた相関パターンを形成する。プログラム可能な動作は、様々なサイズ、場所、向き、および飽和の複数の磁気要素を備える多極構造を作成することによって達成される。
図6Bの例示的な実施形態は、単一のまたは個別の表面または基板上の66の磁気要素607を有するプログラム可能磁石を示すが、特定の数の磁気要素は、例示的であり、例示の目的のみに使用するためのものであり、用途に応じて変更され得る。各磁気要素607は、
図6Bでは同じ強度および極性を有するが、任意の磁気要素607の磁気強度および極性は、各々、所望の動作を達成するために変更され得る。したがって、プログラム可能磁石は、任意の磁気要素607の磁気強度および極性が所望の動作を達成するために設計または選択されているという意味でプログラム可能である。しかしながら、磁石のプログラム可能な側面または性質は、プログラム可能磁石が様々な強度および極性の複数の磁気要素607で形成された後で完成し、したがって、プログラム可能磁石は、「ワンタイム」プログラム可能磁石であるとみなされ得る。プログラム可能磁石は、アラバマ州ハンツビルのCorrelated Magnetics Research LLCから市販されている。
【0020】
再び
図3を参照すると、第1プログラム可能磁石305Aおよび第2プログラム可能磁石305Bは、プログラムされた力または強度で同時に互いを引き付け、反発するようにプログラムされている。磁石の異なる部分において異なる強度および磁極の方向を有するように異なる磁気要素をプログラムすることによって、タッチ・スクリーン302は、タッチ・スクリーンがプログラムされたバネ力または制動でハウジング構成要素の上に浮遊するように、ハウジング構成要素314の上に磁気的に「浮かべられる」。したがって、磁気サスペンション・システム304は、タッチ・スクリーン302が公称構成においてハウジング構成要素314から制御されたまたはプログラムされた離間距離に浮遊またはホバーするように、構成またはプログラムされている。磁気サスペンション・システム304は、また、力がタッチ・スクリーン302に加えられていないときに、ハウジング構成要素314およびタッチ・スクリーン302が公称構成に戻るように、制御されたまたはプログラムされたバネ力でハプティック・アクチュエータ308によってタッチ・スクリーンに加えられた力に反応してハウジング構成要素314とタッチ・スクリーン302との間の運動を可能にするように構成またはプログラムされている。ハプティック・デバイス300の公称構成は
図3に示され、タッチ・スクリーン302がハウジング構成要素314から制御されたまたはプログラムされた距離D
Nに浮かべられている。本明細書で使用されるとき、制御されたまたはプログラムされた離間距離は、互いに接触またはタッチしていないハウジング構成要素とタッチ・スクリーンとの間に空間または間隙が存在するように、タッチ・スクリーン302がハウジング構成要素314に対して位置づけられるまたは配置されていることを意味し、距離の測定サイズは、磁気サスペンション・システム304のプログラム可能な特徴または特性である。加えて、本明細書で使用されるとき、公称構成は、力がいずれの構成要素にも加えられていないときのタッチ・スクリーン302とハウジング構成要素314との間の相対的な位置または関係である。別の言い方をすれば、公称構成は、タッチ・スクリーン302およびハウジング構成要素314の平衡またはゼロ力状態とみなされ得る。
【0021】
図3の実施形態では、磁気サスペンション・システム304は、z軸の方向におけるタッチ・スクリーン302の運動を可能にし、y軸およびx軸の方向における移動を制限または限定するように構成またはプログラムされている。より具体的には、タッチ・スクリーン302は、磁気サスペンション・システムのz軸に沿って、反対方向に、すなわち、上下方向に移動することを許可または可能にされる。本明細書で使用される「反対方向」は、互いから離れるほうに延在するもしくは面する、または、互いから180度の反対の方向に延在するもしくは面する1対の方向を含む。しかしながら、ユーザが任意の方向においてx軸に沿って、または任意の方向においてy軸に沿ってタッチ・スクリーン302に力を加えたとき、磁気サスペンション・システム304は、これらの方向におけるタッチ・スクリーン302の運動を可能にせず、したがって、ユーザは、タッチ・スクリーン302がハプティック・デバイス300のハウジング構成要素314に対して堅固に取り付けられているように感じる。アクチュエータ308がz軸に沿って力を出力したとき、磁気サスペンション・システム304は、ユーザにハプティック効果を提供するために、z軸に沿ったタッチ・スクリーン302の上向きと下向き両方の運動を可能にするようにプログラムまたは構成されている。より具体的には、ハプティック・アクチュエータ308が
図7の方向矢印720によって示されているようにz軸に沿って下向きの方向において力を出力したとき、磁気サスペンション・システム304は、タッチ・スクリーン302とハウジング構成要素314との間の距離が短縮された距離D
Sに減少または低減するように、タッチ・スクリーン302の下向きの運動を可能にする。短縮された距離D
Sは、
図3の公称構成で示す制御されたまたはプログラムされた距離D
Nよりも小さい。下向きの力がハプティック・アクチュエータ308によってもはや加えられていないとき、ハウジング構成要素314およびタッチ・スクリーン302は、磁気サスペンション・システム304の制御されたまたはプログラムされたバネ力のため、公称構成に戻る。同様に、ハプティック・アクチュエータ308が
図8の方向矢印820によって示されるようにz軸に沿って上向きの方向の力を出力したとき、磁気サスペンション・システム304は、タッチ・スクリーン302とハウジング構成要素314との間の距離がより長い距離D
Lに増加するように、タッチ・スクリーン302の上向きの運動を可能にする。より長い距離D
Lは、
図3の公称構成で示されている制御されたまたはプログラムされた距離D
Nよりも大きい。上向きの力がハプティック・アクチュエータ308によってもはや加えられていないとき、ハウジング構成要素314およびタッチ・スクリーン302は、磁気サスペンション・システム304の制御されたまたはプログラムされたバネ力のため、公称構成に戻る。したがって、磁気サスペンション・システム304は、z軸に沿ったタッチ・スクリーンの運動を許可することによって、ユーザがアクチュエータ308によって生成された振動、ショック、および同様のタクタイル・フィードバックを感じることを可能にするだけでなく、x軸およびy軸に沿ったタッチ・スクリーンの運動を限定または防止することによって、タッチ・スクリーン302のユーザ操作中に、タッチ・スクリーン302に安定性を提供する。
【0022】
本明細書の別の実施形態では、磁気サスペンション・システム304は、z軸に沿った、すなわち、ハプティック・デバイス300およびタッチ・スクリーン302に対して垂直なタッチ・スクリーン302の下向きの運動も、x軸に沿ったおよびy軸に沿った運動に加えて限定されるように構成またはプログラムされている。ユーザがタッチ・スクリーン302の操作中にタッチ・スクリーン302上で押下したとき、磁気サスペンション・システム304は、タッチ・スクリーン302がハウジング構成要素314内に堅固に取り付けられているかのようにユーザが感じるように、この例ではz軸におけるデバイスの並進軸に沿った第1方向におけるハウジング構成要素314に対するタッチ・スクリーン302の運動を制限または限定するように構成されている。しかしながら、アクチュエータ308によって生成された力に反応して、磁気サスペンション・システム304は、z軸に沿った第2方向または反対方向におけるハウジング構成要素314に対するタッチ・スクリーン302の運動を可能にするように構成されている。したがって、磁気サスペンション・システムは、第2方向または反対方向における運動を依然として可能にしながら、特定方向または第1方向における運動または移動を限定するために、反対の作動方向において異なる剛性を有するようにプログラムされている。本明細書の一実施形態では、z軸に沿ったタッチ・スクリーン302の下向きの運動は、限定されないか、またはx軸に沿ったおよびy軸に沿った運動と同じ程度には限定されない。z軸に沿ったタッチ・スクリーン302の下向きの運動は、押されたときタッチ・スクリーンが動いているように感じさせない程度にのみ限定または制限されるが、そのような下向きの運動は、ハプティック効果の振動中に許可または可能にされる。たとえば、第1プログラム可能磁石305Aおよび第2プログラム可能磁石305Bは、プログラム可能磁石が互いに押すよりもプログラム可能磁石を引き離すためにより小さい力が必要とされるように構成され得る。
【0023】
図3の実施形態では、ハプティック・デバイス300は、タッチ・スクリーン302の運動中に安定性をハプティック・デバイス300に提供するために、取り付け構成要素306を通って形成されたスルーホールまたは開口部318を介して摺動自在に受容される複数のガイド・レールまたは円筒状ポスト316を含む。より具体的には、取り付け構成要素306の斜視図を示す
図4と、ハウジング構成要素314およびポスト316の斜視図を示す
図5とをさらに参照すると、各ポスト316は、第1端部317と、ハウジング構成要素314に固定されたまたは取り付けられた第2端部または対向する端部319とを含む。ポスト316は、取り付け構成要素306(および、それに取り付けられたタッチ・スクリーン302)がポスト316の上に摺動自在に配置されるように、対応する開口部318を介して配置されるように寸法決めされる。本明細書で使用される「摺動自在に配置される」は、取り付け構成要素306(および、それに取り付けられたタッチ・スクリーン302)がポスト316の上に配置され、ポスト316に対して摺動または移動するように構成されていることを意味する。力がアクチュエータ308によって出力されたとき、取り付け構成要素306(および、それに取り付けられたタッチ・スクリーン302)は、z軸に沿って移動され、取り付け構成要素(および、それに取り付けられたタッチ・スクリーン302)は、ポストがz軸に沿ったタッチ・スクリーンの運動のためのトラックまたはガイドとして機能するように、ポスト316に沿って上下に摺動する。加えて、本明細書の一実施形態では、開口部318は、x軸に沿ったおよび/またはy軸に沿ったタッチ・スクリーン302の左右の運動をさらに制限または限定するために、ポスト316よりもほんのわずか大きく寸法決めされる。したがって、ポスト316は、ハプティック・デバイスの必須の構成要素ではないが、ポスト316は、x軸に沿ったおよび/またはy軸に沿ったタッチ・スクリーン302の左右の運動を限定する上で磁気サスペンション・システム304を支援するように構成されている。
【0024】
磁気サスペンション・システム304は、z軸に沿った優先的な運動を可能にするように構成されているが、本明細書の別の実施形態による磁気サスペンション・システムは、x軸またはy軸などに沿った作動の他の方向における優先的な運動を可能にするように構成されている。より具体的には、
図9は、本明細書の別の実施形態によるハプティック・デバイス900の側面図であり、ハプティック・デバイスは、x軸に沿ってハウジングまたはベース構成要素914の横にまたはその中にタッチ・スクリーン902を浮かべるための磁気サスペンション・システム904を含む。磁気サスペンション・システム904は、タッチ・スクリーンがx軸に沿ってハウジング構成要素に対して可動であるように、タッチ・スクリーン902とハウジング構成要素914とを一緒に結合する。磁気サスペンション・システム904は、それらに力が加えられていないそれらの公称構成において示されている。キャリアまたは取り付け構成要素906は、タッチ・スクリーン902の下側表面に結合されている。
図3の実施形態と同様に、各磁気サスペンション・システム904は、タッチ・スクリーン902に取り付けられた第1プログラム可能磁石905Aと、ハウジング構成要素914に取り付けられた第2プログラム可能磁石905Bとを含む。第1プログラム可能磁石905Aおよび第2プログラム可能磁石905Bは、各々、単一の基板上の様々な強度および極性の複数の磁気要素を含むプログラム可能磁石である。
【0025】
この実施形態では、しかしながら、タッチ・スクリーン902に対してハプティック・アクチュエータ908によって生成または出力される力は、線形であり、タッチ・スクリーン902の平面と平行なx軸に沿っている。第1プログラム可能磁石905Aおよび第2プログラム可能磁石905Bは、タッチ・スクリーンがプログラムされたバネ力または制動でハウジング構成要素の横またはその中に浮遊するように、タッチ・スクリーン902がハウジング構成要素914の横またはその中に磁気的に「浮かべられる」ように、同時に、プログラムされた力で、互いに引き付け、反発するようにプログラムされている。したがって、本明細書の実施形態による磁気サスペンション・システムは、力がタッチ・スクリーン902に加えられていないときにハウジング構成要素914およびタッチ・スクリーン902が公称構成に戻るように、制御されたまたはプログラムされたバネ力でハプティック・アクチュエータ908によってタッチ・スクリーンに加えられる力に反応してハウジング構成要素914とタッチ・スクリーン902との間の動きを可能にするようにも構成されながら、タッチ・スクリーン902が
図9に示す公称構成におけるハウジング構成要素914から制御されたまたはプログラムされた離間距離に浮遊またはホバーするように、構成またはプログラムされている。
図9の実施形態では、磁気サスペンション・システム904は、x軸の方向におけるタッチ・スクリーン902の運動を可能にするように構成またはプログラムされている。本明細書では示されていないが、磁気サスペンション・システムは、同様にy軸に沿った優先的な運動を可能にするように構成され得る。
【0026】
図9の実施形態では、バネ要素922は、タッチ・スクリーン902をハウジング構成要素914に結合し、タッチ・スクリーン902がz軸に沿って移動することを可能にするために、ハプティック・デバイス900における機械的サスペンション・システムとして利用される。バネ要素922は、螺旋状またはコイル状要素として示されているが、ゴム、発泡体、またはフレクシャなどの追従的な材料であり得る。別の実施形態(図示せず)では、磁気サスペンション・システム304などの別の磁気サスペンション・システムは、タッチ・スクリーン902をハウジング構成要素914に結合し、タッチ・スクリーン902がz軸に沿って移動することを可能にするために、サスペンション・システムとして利用され得る。さらに別の実施形態(図示せず)では、x軸の方向におけるタッチ・スクリーン902の運動を可能にするように構成またはプログラムされた磁気サスペンション・システム904は、また、z軸の方向においてハウジング構成要素914の上にタッチ・スクリーン902を浮かべまたは浮遊させ、z軸の方向におけるタッチ・スクリーン902の運動を可能にするようにプログラムまたは構成されている。
【0027】
タッチ・スクリーンの表面に加えて、上記で説明したようなものなどの磁気サスペンション・システムは、プログラムされたバネ力または制動で、固定されたハウジング構成要素に対して可動構成要素を磁気的に浮かべるために、他のハプティック用途において利用され得る。たとえば、上記で説明したものなどの磁気サスペンション・システムは、
図10A〜
図10Bに示したものなどのゲーミング・システムのためのハンドヘルド・ゲーミング・コントローラ1024のユーザ入力デバイスを磁気的に浮かべるために利用され得る。しかしながら、当業者は、コントローラが、単にハプティック周辺機器の例示的な実施形態であり、他の構成、形状、およびサイズを有するハプティック周辺機器(限定はしないが、電話、携帯情報端末(PDA)、タブレット、コンピュータ、ゲーミング周辺機器、および、当業者に周知の仮想現実システムのための他のコントローラなど)で使用され得ることを認識するであろう。
【0028】
図10Aおよび
図10Bは、コントローラ1024の異なる斜視図である。コントローラ1024のハウジング1034は、左利きのユーザまたは右利きのユーザのいずれかによってデバイスを把持する両手を容易に収容するように形付けられている。当業者は、コントローラ1024が、単に、ビデオ・ゲーム・コンソール・システムのために現在利用可能な多くの「ゲーム・パッド」に対する同様の形状およびサイズのコントローラの例示的な実施形態であり、限定はしないが、Wii(商標)リモートまたはWii(商標)U Controller、Sony(登録商標)SixAxis(商標)コントローラまたはSony(登録商標)Wandコントローラ、Xbox(商標)コントローラまたは同様のコントローラ、ならびに、現実のオブジェクト(テニス・ラケット、ゴルフ・クラブ、野球のバットなど)のような形状および他の形状のコントローラを含む、ユーザ入力要素の他の構成、形状、およびサイズを有するコントローラが使用され得ることを認識するであろう。コントローラ1024は、ジョイスティック1030と、ボタン1032と、トリガ1036とを含むいくつかのユーザ入力要素またはマニピュランダムを含む。本明細書で使用するとき、ユーザ入力要素は、ホスト・コンピュータ(図示せず)と対話するためにユーザによって操作されるトリガ、ボタン、ジョイスティックなどのインターフェース・デバイスを指す。ハウジング1034内で、コントローラ1024は、ユーザ入力要素、ならびに、ユーザの手が一般的に配置されている場所においてハウジング1034に結合された1つまたは複数の汎用またはランブル・アクチュエータ1026、1028を駆動するために、1つまたは複数のハプティック・アクチュエータ(図示せず)を含み得る。そのようなハプティック・アクチュエータは、ビデオ・ゲームの操作に関連してユーザにハプティック・フィードバックを提供する。
【0029】
ここで
図11に戻り、コントローラ1024内で利用される磁気サスペンション・システム1004について説明する。各磁気サスペンション・システム1004は、(
図12〜
図13に関連してより詳細に説明するように、組み立てられたとき、トリガ1036に取り付けられる)第1プログラム可能磁石1005Aと、コントローラ1024内に収容された非可動部分である第2プログラム可能磁石1005Bとを含む。第1プログラム可能磁石1005Aおよび第2プログラム可能磁石1005Bは、各々、単一の基板上の様々な強度および極性の複数の磁気要素を含むプログラム可能磁石である。第1プログラム可能磁石1005Aは、ベース面または表面1042、ならびに、2つの対向する角度面または表面1038、1040を含む三角形の構成を有する。トリガ1036が操作されると、第1プログラム可能磁石1005Aは、
図11に示す方向矢印1048によって示すように、それらの対向する角度表面1038、1040の間に形成された旋回点1044の周りを回転または旋回する。
【0030】
磁気サスペンション・システム1004がコントローラ1024内で利用されたとき、第1プログラム可能磁石1005Aは、
図12〜
図13に示すようにトリガ1036に取り付けられ、第2プログラム可能磁石1005Bは、コントローラ1024内に収容または配置される。
図12〜
図13は、トリガ1024と磁気サスペンション・システム1004との間の構造的関係を説明するためにハウジング1034を除去した(ハウジング1034の一部は、仮想線で示されている)コントローラ1024の一部の概略図である。
図13は、磁気サスペンション・システム1004およびトリガ1024の公称構成を示し、力はトリガ1024に加えられていない。トリガ1036は、ハウジング1034の外側に突き出し、またはハウジング1034から遠ざかる方向に延在し、第1プログラム可能磁石1005Aのベース表面1042は、第2プログラム可能磁石1005Bに対向するまたは向い合っている。第1プログラム可能磁石1005Aおよび第2プログラム可能磁石1005Bのベース表面1042は、プログラムされたバネ力または制動でトリガ1024がハウジング1034の外側に突き出たまたはハウジング1034から遠ざかる方向に延在する公称構成においてトリガ1024が磁気的に「浮かべられる」ように、同時に、プログラムされた力で互いに引き付け、反発するようにプログラムされている。したがって、本明細書の実施形態による磁気サスペンション・システム1004は、第1プログラム可能磁石1005Aが第2プログラム可能磁石1005Bから制御されたまたはプログラムされた離間距離に浮かべられるまたは配置されるように、構成またはプログラムされている。
【0031】
図12上の方向矢印1050によって示すように下向きの力がトリガ1036に加えられたとき、トリガ1036と、それに取り付けられた第1プログラム可能磁石1005Aとは、
図12に示すように第1プログラム可能磁石1005Aの角度表面1040が第2プログラム可能磁石1005Bに対向するまでまたは隣接するまで、旋回点1044の周りを回転または旋回する。トリガ1036に加えられる下向きの力は、ユーザによって印加でき(たとえば、トリガ1036は、ハウジング1034に対して手動で回転され、トリガは、ユーザ動作を入力するためにビデオ・ゲーム操作中にユーザによってコントローラ・ハウジング内に押し込められる)、または、ビデオ・ゲーム操作中にユーザにハプティック効果を提供するためのコントローラ1024内に収容されたハプティック・アクチュエータ(図示せず)によって印加できる。第1プログラム可能磁石1005Aの角度表面1040および/または角度表面1038は、第2プログラム可能磁石1005Bを引き付けるようにプログラムされている。方向矢印1050によって表される下向きの力がトリガ1036から除去されたとき、第1プログラム可能磁石1005Aの角度表面1040および/または角度表面1038と第2プログラム可能磁石1005Bとの間の吸引力は、第1プログラム可能磁石1005A(および、それに取り付けられたトリガ1036)を第2プログラム可能磁石1005Bに向けて移動させ、それによって、第1プログラム可能磁石1005A(および、それに取り付けられたトリガ1036)を、
図13に示すそれらの公称構成に戻させる。第1プログラム可能磁石1005Aの角度表面1040および/または角度表面1038と第2プログラム可能磁石1005Bとの間の吸引力は、したがって、本質的に、トリガ1036に力が加えられていないとき、トリガ1036を公称構成に戻すように制御されたまたはプログラムされたバネ力である。
【0032】
本明細書の別の実施形態では、上記で説明したものなどの磁気サスペンション・システムは、プログラムされたバネ力または制動で、着用可能なハプティック・アクチュエータを、固定されたベース構成要素に対して磁気的に浮かべるために、着用可能ハプティック用途において利用される。より具体的には、
図14は、本明細書の別の実施形態によるハプティック・デバイス1452を含むハプティック・システム1400の斜視図であり、ハプティック・デバイスは、z軸に沿って、固定されたベース構成要素1414の上に着用可能な構成要素を浮かべるための少なくとも1つの磁気サスペンション・システムを利用する着用可能な構成要素である。着用可能ハプティック・デバイス1452は、少なくとも、第1プログラム可能磁石1405Aと、ハプティック効果を生成するために、それに取り付けられたハプティック・アクチュエータ1408とを含む。
図14の実施形態では、固定されたベース構成要素1414は、複数の第2プログラム可能磁石1405B
1、1405B
2を含み、複数の第2プログラム可能磁石1405B
1、1405B
2は、各々、プログラムされたまたはプログラムされた特性をそれぞれが有する個別のまたは別個の磁気サスペンション・システム1404
1、1404
2を形成または作成する。プログラム可能磁石1405A、1405B
1、1405B
2は、各々、単一の基板上の様々な強度および極性の複数の磁気要素を含むプログラム可能磁石である。
【0033】
より具体的には、各磁気サスペンション・システムは、着用可能ハプティック・デバイスが、プログラムされたバネ力または制動で、固定されたベース構成要素の上に浮遊するように、着用可能ハプティック・デバイス1452が、固定されたベース構成要素1414の上に磁気的に「浮かべられる」ように、同時に、プログラムされた力で、引き付け、反発するようにプログラムされた第1および第2プログラム可能磁石を含む。したがって、本明細書の実施形態による磁気サスペンション・システムは、着用可能ハプティック・デバイスに力が加えられていないとき、固定されたベース構成要素1414および着用可能ハプティック・デバイス1452が公称構成に戻るように、制御されたまたはプログラムされたバネ力で、ハプティック・アクチュエータ1008によって着用可能ハプティック・デバイスに加えられた力に反応して、固定されたベース構成要素1414と着用可能ハプティック・デバイス1452との間の運動を可能にするようにも構成されながら、着用可能ハプティック・デバイス1452が、
図14に示す公称構成において、固定されたベース構成要素1414から制御されたまたはプログラムされた離間距離に浮遊するまたはホバーするように構成または形成されている。
【0034】
着用可能ハプティック・デバイス1452が、固定されたベース構成要素1414の上を移動または並進すると、磁気サスペンション・システムは、(着用可能ハプティック・デバイスに取り付けられた)第1プログラム可能磁石1405Aと、第1プログラム可能磁石1405Aと向い合うかまたは対向する第2プログラム可能磁石との間に形成される。各磁気サスペンション・システム1404
1、1404
2は、予めプログラムされたサスペンションのパターンと、バネ力特性とを有するように構成されている。たとえば、一実施形態では、第1プログラム可能磁石1405Aが第2プログラム可能磁石1405B
1と向い合うかまたは対向するように配置されているとき、磁気サスペンション・システム1404
1は、固定されたベース構成要素1414から制御されたまたはプログラムされた第1離間距離に着用可能ハプティック・デバイス1452を浮かべるようにプログラムされ、制御されたまたはプログラムされた第1バネ力でハプティック・アクチュエータ1008によって着用可能な構成要素に加えられた力に反応して着用可能ハプティック・デバイス1452と固定されたベース構成要素1414との間の運動を可能にするようにプログラムされている。第1プログラム可能磁石1405Aが第2プログラム可能磁石1405B
2と向い合うまたは対向するように配置されているとき、磁気サスペンション・システム1404
2は、固定されたベース構成要素1414から制御されたまたはプログラムされた第2離間距離に着用可能ハプティック・デバイス1452を浮かべるようにプログラムされ、制御されたまたはプログラムされた第2バネ力でハプティック・アクチュエータ1008によって着用可能な構成要素に加えられた力に反応して着用可能ハプティック・デバイス1452と固定されたベース構成要素1414との間の運動を可能にするようにプログラムされている。制御されたまたはプログラムされた第1および第2離間距離は、用途に応じて、異なる値であり得るしまた同じであり得る。そして、制御されたまたはプログラムされた第1および第2バネ力は、用途に応じて、異なる値であり得るしまた同じであり得る。2つの個別のまたは別個の磁気サスペンション・システム1404
1、1404
2のみが本明細書で説明されているが、ハプティック・システム1400は、任意の数の磁気サスペンション・システムを利用でき、磁気サスペンション・システムは、上記で説明したのと同じ特性または異なる特性を用いて構成またはプログラムされ得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0035】
様々な実施形態を上記で説明してきたが、それらは、本発明の例示および例としてのみ提示されており、限定として提示されていないことが理解されるべきである。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な変更がそれらにおいてなされ得ることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の広がりおよび範囲は、上記で説明した例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ定義されるべきである。本明細書で論じた各実施形態の各特徴および本明細書で引用した各参照文献の各特徴は、任意の他の実施形態の特徴と組み合わせて用いられ得ると理解されるであろう。本明細書で論じたすべての特許および刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【手続補正書】
【提出日】2016年3月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1本体及び第2本体と、
前記第1本体に対して前記第2本体を移動し、それによって前記第2本体のユーザにハプティック効果を提供するハプティック・アクチュエータと、
前記第2本体が前記第1本体に対して可動であるように、前記第1及び第2本体を一緒に結合する少なくとも1つの磁気サスペンション・システムであって、前記磁気サスペンション・システムは、前記第1本体に結合された第1プログラム可能磁石と、前記第2本体に結合された第2プログラム可能磁石とを含む、少なくとも1つの磁気サスペンション・システムとを備え、
前記第2本体が前記第1本体からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、公称構成において互いに同時に反発し且つ引き付けるように構成されており、
前記第2本体に力が加えられていないときに前記第1及び第2本体が前記公称構成に戻るように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、前記ハプティック・アクチュエータによって前記第2本体に加えられた力に反応して、プログラムされたバネ力による少なくとも第1方向における前記第1本体と前記第2本体との間の運動を可能にするようにも構成されている、ハプティック・デバイス。
【請求項2】
前記第2本体は、前記ハプティック・アクチュエータに取り付けられたタッチ・スクリーンまたはタッチ表面構成要素を含む、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項3】
前記第2本体は、前記ハプティック・アクチュエータに取り付けられた着用可能な構成要素を含む、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項4】
前記第2本体は、周辺機器のユーザ入力デバイスを含む、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項5】
前記ユーザ入力デバイスは、トリガである、請求項4に記載のハプティック・デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの磁気サスペンション・システムは、第2方向における前記第1及び第2本体の間の運動を限定するように構成されており、前記第1方向と前記第2方向とが、互いに向い合っており、前記磁気サスペンション・システムの軸に沿って延在している、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項7】
前記軸はz軸である、請求項6に記載のハプティック・デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの磁気サスペンション・システムは、第2方向における前記第1及び第2本体の間の運動を可能にするように構成されており、前記第1方向と前記第2方向とが、互いに向い合っており、前記磁気サスペンション・システムの軸に沿って延在している、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項9】
前記軸はz軸である、請求項8に記載のハプティック・デバイス。
【請求項10】
前記第1及び第2本体の間に延在する少なくとも1つのポストをさらに備え、前記第2本体が前記ポスト上に摺動自在に配置されるように、前記第2本体は、前記ポストを受容するように寸法決めされた開口部を含む、請求項1に記載のハプティック・デバイス。
【請求項11】
少なくとも第2方向における前記第1及び第2本体の間の運動を限定するように、前記開口部は、前記ポストよりもわずかだけ大きく寸法決めされており、前記第1方向及び前記第2方向は、前記磁気サスペンション・システムの第1軸及び第2軸に沿ってそれぞれ延在している、請求項10に記載のハプティック・デバイス。
【請求項12】
磁気サスペンション・システムを有するハプティック・デバイスであって、
ハウジング構成要素と、
タッチ・スクリーンと、
前記ハウジング構成要素に対して前記タッチ・スクリーンを移動し、それによって、前記タッチ・スクリーンのユーザにハプティック効果を提供するハプティック・アクチュエータと、
前記タッチ・スクリーンが前記ハウジング構成要素に対して可動であるように、前記タッチ・スクリーン及び前記ハウジング構成要素を一緒に結合する少なくとも1つの磁気サスペンション・システムであって、前記磁気サスペンション・システムは、前記ハウジング構成要素に結合された第1プログラム可能磁石と、前記タッチ・スクリーンに結合された第2プログラム可能磁石とを含む、少なくとも1つの磁気サスペンション・システムと
を備え、
前記タッチ・スクリーンが前記ハウジング構成要素からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、公称構成において互いに同時に反発し且つ引き付けるように構成されており、
前記タッチ・スクリーンに力が加えられていないときに前記タッチ・スクリーン及び前記ハウジング構成要素が前記公称構成に戻るように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、前記ハプティック・アクチュエータによって前記タッチ・スクリーンに加えられた力に反応して、プログラムされたバネ力による少なくとも第1方向における前記ハウジング構成要素及び前記タッチ・スクリーンの間の運動を可能にするようにも構成されている、ハプティック・デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの磁気サスペンション・システムは、第2方向における前記ハウジング構成要素及び前記タッチ・スクリーンの間の運動を限定するように構成されており、前記第1方向と前記第2方向とが、互いに向い合っており、前記磁気サスペンション・システムのz軸に沿って延在している、請求項12に記載のハプティック・デバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの磁気サスペンション・システムは、第2方向における前記ハウジング構成要素及び前記タッチ・スクリーンの間の運動を可能にするように構成されており、前記第1方向と前記第2方向とが、互いに向い合っており、前記磁気サスペンション・システムのz軸に沿って延在している、請求項12に記載のハプティック・デバイス。
【請求項15】
前記ハウジング構成要素及び前記タッチ・スクリーンの間に延在する少なくとも1つのポストをさらに備え、前記タッチ・スクリーンが前記ポスト上に摺動自在に配置されるように、前記タッチ・スクリーンは、前記ポストを受容するように寸法決めされた開口部を含む、請求項12に記載のハプティック・デバイス。
【請求項16】
少なくとも第2方向における前記ハウジング構成要素及び前記タッチ・スクリーンの間の運動を限定するように、前記開口部は、前記ポストよりもわずかだけ大きく寸法決めされており、前記第1方向及び前記第2方向は、前記磁気サスペンション・システムの第1軸及び第2軸に沿ってそれぞれ延在している、請求項15に記載のハプティック・デバイス。
【請求項17】
ハウジング構成要素と、
前記ハウジング構成要素に対して回転可能なトリガと、
前記ハウジング構成要素に結合された第1プログラム可能磁石と、前記トリガに結合された第2プログラム可能磁石とを含む、少なくとも1つの磁気サスペンション・システムとを備え、
前記トリガが前記ハウジング構成要素からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、公称構成において互いに同時に反発し且つ引き付けるように構成されており、
前記トリガに力が加えられていないときに前記トリガが前記公称構成に戻るように、前記第1及び第2プログラム可能磁石は、プログラムされたバネ力による少なくとも第1方向における前記ハウジング構成要素に対する前記トリガの回転を可能にするようにも構成されている、ハプティック・デバイス。
【請求項18】
前記ハウジング構成要素に対する前記トリガの回転を生じさせ、それによって、前記トリガのユーザにハプティック効果を提供するハプティック・アクチュエータをさらに備える、請求項17に記載のハプティック・デバイス。
【請求項19】
前記第2プログラム可能磁石は、ベース表面と、間に旋回点が形成された2つの向い合う角度表面とを含む三角形構成を有する、請求項17に記載のハプティック・デバイス。
【請求項20】
前記トリガが前記ハウジング構成要素からプログラムされた離間距離に浮かべられるように、前記第2プログラム可能磁石の少なくとも1つの表面は、前記第1プログラム可能磁石を同時に反発し且つ引き付けるようにプログラムされている、請求項19に記載のハプティック・デバイス。
【請求項21】
前記第2プログラム可能磁石の少なくとも1つの表面は、前記第1プログラム可能磁石を引き付けるようにプログラムされている、請求項20に記載のハプティック・デバイス。
【外国語明細書】