(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-130007(P2016-130007A)
(43)【公開日】2016年7月21日
(54)【発明の名称】コイルスクリーンを製造する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B29D 28/00 20060101AFI20160624BHJP
B29C 53/32 20060101ALI20160624BHJP
D21D 5/04 20060101ALI20160624BHJP
B29L 28/00 20060101ALN20160624BHJP
B29L 31/14 20060101ALN20160624BHJP
【FI】
B29D28/00
B29C53/32
D21D5/04
B29L28:00
B29L31:14
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-215947(P2015-215947)
(22)【出願日】2015年11月2日
(31)【優先権主張番号】14191675.9
(32)【優先日】2014年11月4日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591008465
【氏名又は名称】カール マイヤー テクスティルマシーネンファブリーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング
【氏名又は名称原語表記】KARL MAYER TEXTILMASCHINENFABRIK GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルー, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】フンク, ミヒャエル−ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】シュラッツ, ジーモン
【テーマコード(参考)】
4F209
4F213
4L055
【Fターム(参考)】
4F209AG15
4F209AH03
4F209NA06
4F209NB02
4F209NG04
4F209NG12
4F209NK04
4F209NW50
4F213AC02
4F213AG15
4F213AG16
4F213AH03
4F213WA06
4F213WA09
4F213WA15
4F213WA43
4F213WA53
4F213WA83
4F213WB01
4L055BB04
4L055CB23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コイルスクリーンを製造する装置であって製造工程の信頼性及び工程自動化の信頼性がある手段の提供。
【解決手段】装置(1)は、第1縁(3)と第2縁(4)を有する作業面(2)と、第1縁(3)から第2縁(4)への移動方向に作業面(2)に亘って移動可能であり、作業面(2)上にコイルを置くように構成され配置された結合デバイス(8)と、少なくとも第1縁(3)の領域にて作業面(2)上に配置されて、結合デバイス(8)の移動方向に直交して移動可能であるスライダを含むコイルスクリーンの製造方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルスクリーンを製造する装置(1)であって、
第1縁(3)と第2縁(4)を有する作業面(2)と、
前記作業面(2)上にコイル(7、11)を置くように構成され配置されて、前記第1縁(3)から第2縁(4)への移動方向に、作業面(2)に亘って移動可能な結合デバイス(8)と、
少なくとも前記第1縁(3)の領域にて、前記作業面(2)上に配置され、前記結合デバイス(8)の移動方向に直交して移動可能であるスライダ(13)を備えた、装置(1)。
【請求項2】
前記結合デバイス(8)は変位スプール(10)を備え、前記スライダ(13)は少なくとも変位スプール(10)の幅に等しいストロークを有する、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
更に、ストッパ(5)が作業面(2)に付与されて、該ストッパ(5)に沿って結合デバイス(8)が移動され、前記スライダ(13)は前記ストッパ(5)と作業面(2)の間に配置される、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項4】
更に、据え付けアーム(15)が配備され、該据え付けアーム(15)は前記作業面(2)上に位置するコイル(11)を覆う覆い位置と、前記作業面(2)上に位置するコイル(11)へ前記結合デバイス(8)がアクセスすることが可能な解放位置との間を移動するように構成され配置された、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項5】
更に、前記第1縁(3)の領域にて前記作業面(2)から所定の距離に配置された覆いデバイス(17)を備える、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項6】
更に、前記第1縁(3)の領域に位置することが可能である解放可能なコイル固定アームを備える、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項7】
更に、前記第1縁(3)から所定距離に位置することが可能で、置かれたコイル(11)の作業面(2)から離れる方向の移動空間を規制する締め付けデバイス(20、21)を備える、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項8】
更に、前記結合デバイス(8)と同期するように構成され配置された固定ワイヤ挿入デバイス(22)を備える、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項9】
コイルスクリーンを製造する方法であって、
作業面(2)の第1縁(3)から作業面(2)の第2縁(4)への移動方向にて前記作業面(2)に亘って移動可能な結合デバイス(8)を介して、多数のコイル(7、11)を前記作業面(2)上に側方から側方に連続して置き、それによって、多数のコイル(7、11)は互いに係合する工程と、
前記結合デバイス(8)が新たなコイル(7)を置き始める前に、少なくともコイル(11)の端部が前記第1縁(3)に隣接するようにコイルの長手方向に直交してコイル(11)を変位する工程を含む、方法。
【請求項10】
前記第1縁(3)に隣接するコイルの端部は、前記コイル(11)の変位時に覆われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
更に、前記コイル(11)の変位後に、前記第1縁(3)に隣接した端部の領域にて移動に抗してコイル(11)を固定する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記結合デバイス(8)は変位スプール(10)を備え、前記第1縁(3)に隣接した前記コイル(11)の端部は、前記変位スプール(10)の幅に等しい距離だけ変位される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記コイル(11)を変位させる工程は、スライダ(13)を作動させて前記コイル(11)を前記変位スパー(10)の幅に対応した距離だけ押す工程を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
更に、コイルの変位時に、据え付けアーム(15)を所定位置に置いて、置かれたコイル(11)が前記作業面(2)から離れることを阻止する工程を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
更に、前記作業面(2)上に置かれたコイル(11)を、前記作業面(2)から離れる動きに抗して固定する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
更に、隣接する前記コイル(11)の重なり領域内に固定ワイヤ(12)を挿入する工程を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記固定ワイヤ(12)は前記結合デバイス(8)に続く先端(24)を備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
更に、前記結合デバイス(8)が前記第1縁(3)から前記第2縁(4)に移動した後に、前記コイル(11)を隔て、前記結合デバイス(8)を前記第1縁(3)に戻して新たなコイル(7)を置く工程を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
コイルスクリーンを製造する装置(1)であって、
第1縁(3)と第2縁(4)を有する作業面(2)と、
前記第1縁(3)から前記第2縁(4)へ前記作業面(2)に亘った移動時に、前記作業面(2)上にコイル(7、11)を置くように構成され配置された結合デバイス(8)であって、置いたコイルの約1/2の幅の最大幅を有する変位スパー(10)を含む結合デバイス(8)と、
前記作業面(2)上に配置されて、前記結合デバイス(8)の移動方向に直交して移動可能で、前記作業面(2)上に連続して置かれたコイル(11)に重なり領域を形成するように、置いたコイルを動かすスライダ(13)と、
重なり領域を通して固定ワイヤ(12)を挿入するように構成され配置されて、作業面(2)上に連続して置かれたコイル(11)を固定する固定ワイヤ挿入デバイス(22)を備えた装置(1)。
【請求項20】
更に、動的位置にて、置いたコイル(11)を覆うように構成され配置されて、前記スライダ(13)が作動している間に、前記コイルが前記作業面(2)から離れる動きを阻止する据え付けアーム(15)と、
動的位置にて、前記スライダ(13)が作動していない間に、前記作業面(2)に置かれたコイル(11)をクランプするように構成され配置されたコイル固定アーム(18)を備える、請求項19に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は米国特許法119条の下、2014年11月4日に出願されたヨーロッパ特許出願14 191675.9号に基づく優先権を主張し、この開示は全て引用を以て明確に組み込まれる。
【0002】
1.発明の分野
本発明の実施形態は、作業面と結合装置を含むコイルスクリーン製造用の装置に関し、該結合装置を用いてコイルは作業面上に置かれ、該結合装置は作業面上を作業面の第1の縁から作業面の第2の縁へ移動方向に動かされる。
【0003】
更に、実施形態はコイルスクリーンを製造する方法に関し、多数のコイルは結合装置によって作業面上に連続して置かれ、該結合装置は作業面上を作業面の第1の縁から作業面の第2の縁へ移動方向に動かされ、隣り合って配置されるコイルは載置中に該結合装置によって互いに係合される。
【背景技術】
【0004】
2.背景情報の記載
このタイプの装置及びこのタイプの方法は、ドイツ特許102007052594(ファミリー出願が米国公開公報2010/0287775号)から公知であり、この開示は全て引用を以て明確に組み込まれる。公知技術において、コイルは巻き取りデバイスによって作業面上で生成され、該巻き取りデバイスは結合デバイスとともに作業面上を移動する。結合デバイスは変位スプールを備え、該変位スプールを用いて、新たなコイルが作業面上に載置されるように、作業面上に既に載置されたコイルは十分遠くに側方に変位され、それによって隣接した以前に載置されたコイルと係合する。隣接したコイル間の重なり領域に固定ワイヤが摺動してコイルを互いに接続する。
【0005】
しかし、実際は上記の公知技術に記載されたアプローチを用いて工程の信頼性がある製造工程の自動化を信頼性があるように達成することは可能ではないことが明確になっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の概要
本発明の実施形態は、コイルスクリーンの製造工程を信頼性のあるものにする。
【0007】
従って、実施形態は、少なくとも第1縁の領域にて、結合デバイスの移動方向と直交して移動する作業面上に配置されたスライダを含む上記のタイプの装置を指向する。
【0008】
少なくとも新たな各コイルの載置動作の開始に対して、結合デバイスはスライダによって変位の仕事を軽減される。スライダの助けを用いて、既に作業面上に載置されたコイルの端部は変位されて、結合デバイスがこの位置で新たなコイルを載置する前に、新たなコイル用に空間が作られる。実施形態にて結合デバイスが少なくとも載置の開始時にて実行する、即ち作業面上にコイルを載置する1つの機能を有しているから、信頼性が増加した工程はこのケースとなる。
【0009】
実施形態にて、結合デバイスが変位スプールを含み、スライダが少なくとも変位スプールの幅に等しいストロークを有することは有利である。スライダを用いて、空いた空間がこのように形成され、変位スプールが該空間内に挿入され、この挿入中に既に変位動作を実行する必要はない。変位スプールのクラッシング、又はそうでなければ作業面上に位置するコイルの変形又は損傷のリスクは低く保たれる。
【0010】
ストッパが作業面に付与されて、該ストッパに沿って結合デバイスが移動され、スライダはストッパと作業面の間に配置されるのが好ましい。ストッパはこのように、作業面の全幅、即ち第1縁から第2縁に亘って延びる。このようにして、作業面に対するストッパの取り付けが容易になり、一方、作業面に亘る結合デバイスの移動中に、結合デバイスの十分に長い案内が可能となる。
【0011】
スライダの領域に据え付けアームが配備されるのが好ましく、該据え付けアームは作業面上に位置するコイルを覆う覆い位置と、作業面上に位置するコイルへ結合デバイスがアクセスすることが可能な解放位置との間を移動することが出来る。スライダによってコイルが結合デバイスの移動方向に直交するように変位されるときは、据え付けアームはコイルに接する(bear against)。このようにして、据え付けアームはこの変位移動時に、コイルが上に上がる、即ち作業面から離れないことを確実にする。一旦、コイルの端部の変位が終了すると、即ち、結合デバイスに必要な空間が形成されると、据え付けアームは離れるように移動し、結合デバイスが作業し始める。このようにして、据え付けアームは結合デバイスの機能を邪魔しない。
【0012】
覆いデバイスが第1縁の領域にて作業面から距離を置いて配置されているのが好ましい。この距離は、コイルの高さに大凡等しく、コイルは作業面上を変位できるが作業面から垂直にそれることは出来ない。覆いデバイスは例えば覆い板として具体化され、又は形成される。このようにして、覆いデバイスは比較的厚みが薄い。このようにして、結合デバイスは覆いデバイスの領域内でコイルに十分に接近して動かされて、作業面に新たなコイルを置き、作業面に既に位置するコイルと係合するように新たなコイルを運ぶ。
【0013】
解放可能なコイル固定アームが第1縁の領域に付与されると、更に有利である。コイル固定アームは、作業面上に既に位置するコイルに作用し、コイルを互いに接続し、作業面から離れるように移動することを阻止する。スライダによってコイルが結合デバイスの移動方向に直交するように変位されるときは、コイル固定アームは解放される。この点において、実施形態にて、コイル固定アームがコイル、即ち既に形成されたスクリーンに作用する力を単に減じるのが好ましい。このように、コイル固定アームをコイルから離す必要はない。コイル固定アームはなお、作業面から移動するためのコイルの動作空間を制限する。一旦、コイルの端部の変位が生じると、コイル固定アームは十分なクランプ力で以てコイル上に作用し、作業面上の適所にてコイルを保持する。コイルが適所にクランプされる結果として、コイルは作業面上の定められた位置を有するので、固定ワイヤの挿入に特に有利である。
【0014】
結合デバイスと同期する固定ワイヤ挿入デバイスが付与されるのが好ましい。固定ワイヤ挿入デバイスは隣り合うコイル間の重なり領域に固定ワイヤを挿入することが出来る。ここにて、固定ワイヤ挿入デバイスと結合デバイスの間の同期は、固定ワイヤの先端部が所定距離だけ結合デバイスの動きに続くように、具体化され又は形成される。このように、固定ワイヤによって未だ接続されていないコイルに隣接して互いに係合するコイルの比較的短いセクションのみがある。
【0015】
実施形態は上記したタイプの方法を指向しており、少なくとも第1縁に隣接したコイルの端部にて、結合デバイスが新たなコイルを置き始める前に、コイルはその長手方向に直交して変位する。
【0016】
装置について上記で説明したように、この変位によって空き空間が形成され、該空間内へ結合デバイスは新たなコイルの先頭、即ち第1縁に隣接した端部を挿入する。従って、載置動作の開始時に、結合デバイスの仕事は載置することのみに限定され、結合デバイスはこの時点で既にコイルの直交する変位を実行する必要が無い。既に作業面上に位置するコイルが例えば変形又は圧縮により、新たなコイルの載置中に損傷するリスクは、従って小さいままである。
【0017】
コイルの端部は変位中に覆われるのが好ましい。この方法にて、コイルは変位中に作業面から離れて上昇し、そうでなければ望ましからぬ方法で移動することが阻止される。この覆いは単に、コイルが作業面から垂直に延びて離れる方向にコイルが動く可能性を規制する。しかし、作業面に平行なコイルの移動、即ち水平の移動は許される。
【0018】
コイルは変位の後に、第1の端部の領域にて動きに抗して固定されるのが好ましい。一旦、コイルが端部領域にて変位し、新たなコイルを置く十分な空間が利用可能であると、既に作業面に位置するコイルの固定は有利である、何故ならこれらのコイルは所定位置に保持されて、固定ワイヤが挿入され得るからである。実施形態にて、結合デバイスによってコイルの残りの長さの領域内にて、コイルは側方に変位されて、置かれるべき新たなコイル用の空間を形成する結果として、固定はコイルの端部に限定される。
【0019】
コイルはその端部が結合デバイスの変位スパー(spur)の幅に等しい距離だけ変位するのが好ましい。変位スパーは作業面上に既に位置するコイルに不利な影響を与えずに、空き空間に挿入される。作業面に亘って結合デバイスを更に動かす場合にて、変位スパーは作業面上に位置するコイルを変位して、置かれるべき新たなコイル用の空間を生成する。変位スパーは置かれるべきコイルの幅よりも僅かに小さな幅を有する。この幅は作業面に平行なコイルの延びである。これにより、新たに置かれるコイルは作業面上に既に置かれたコイルと重なる方法で係合する結果となる。次に固定ワイヤが重なり領域内に挿入される。
【0020】
有利なことに、作業面に置かれたコイルは作業面から離れる動きに抗して固定される。これは第1縁に隣接するコイルの端部だけでなく、コイルの残りの長さでも固定されることを含む。コイルに大きな力を加える必要はない。作業面から離れるコイルの動きを規制できれば十分である。
【0021】
固定ワイヤが隣接するコイルの重なり領域に挿入されれば、また有利である。固定ワイヤは結合デバイスに続く先端を含む。固定ワイヤが一旦挿入されると、2つの隣接するコイルは互いに係合する。このようにして、固定ワイヤの先端と結合デバイスの間の距離は比較的小さく保たれ、隣接するコイルが互いに係合するが未だ互いに接続されない短いセクションのみがある。これは作業面からコイルが離れる動きを減じる更なる方策である。
【0022】
実施形態は、コイルスクリーンを製造する装置を指向し、該装置は第1縁と第2縁を含む作業面、該作業面上にコイルを置くように構成され配置され、第1縁から第2縁の移動方向に、作業面に亘って移動可能な結合デバイス、少なくとも第1縁の領域にて作業面上に配置されて、結合デバイスの移動方向に直交して移動可能なスライダを含む。
【0023】
実施形態に従って、結合デバイスは変位スパーを含み、スライダは変位スパーの幅に少なくとも等しい移動ストロークを有する。
【0024】
実施形態に従って、装置は更に、作業面に位置することが可能なストッパを含み、結合デバイスはストッパに沿って移動可能である。スライダはストッパと作業面の間に配置され得る。
【0025】
実施形態にて、装置は更に据え付けアームを有し、該据え付けアームはスライダの領域に位置することが可能であり、作業面上に位置するコイルが覆われる覆い位置と、作業面上に位置するコイルが結合デバイスによってアクセス可能である解放位置との間を移動可能であるように配置される。
【0026】
他の実施形態に従って、装置はまた、第1縁の領域にて作業面から距離を置いて配置された覆いデバイスを含む。
【0027】
尚、本発明の他の実施形態に従って、装置はまた、第1縁の領域に位置することが可能である解放可能なコイル固定アームを含む。
【0028】
更なる実施形態に従って、装置は第1縁から所定の距離に位置することが可能で、置かれたコイルの作業面から離れる方向の移動空間を規制する締め付けデバイスを含む。
【0029】
尚、更なる実施形態において、装置はまた、結合デバイスと同期するように構成され配置された固定ワイヤ挿入デバイスを含む。
【0030】
実施形態は、作業面の第1縁から作業面の第2縁への移動方向にて作業面に亘って移動可能な結合デバイスを介して、多数のコイルを作業面上に側方から側方に連続して置く工程を含むコイルスクリーンの製造方法を指向し、多数のコイルは互いに係合し、結合デバイスが新たなコイルを置き始める前に、少なくともコイルの端部が第1縁に隣接するようにコイルの長手方向に直交してコイルを変位する。
【0031】
実施形態に従って、第1縁に隣接するコイルの端部は、コイルの変位中は覆われる。
【0032】
他の実施形態に従って、方法は更にコイルを変位した後に、第1縁に隣接した端部の領域内の動きに対し、コイルを固定する工程を含む。
【0033】
尚、他の実施形態にて、結合デバイスは変位スパーを含み、第1縁に隣接したコイルの端部は変位スパーの幅に等しい距離だけ変位される。コイルを変位させる工程は、スライダを作動させて、コイルを変位スパーの幅に対応した距離だけ押す工程を含む。更に、方法は更にコイルの変位時に、据え付けアームを所定位置に置き、置いたコイルが作業面から外れることを阻止する工程を含む。
【0034】
他の実施形態に従って、方法は作業面上に置かれたコイルを作業面から離れる動きに抗して固定する工程を含む。
【0035】
尚、他の実施形態において、方法は更に、固定ワイヤを隣接するコイルの重なり領域に挿入する工程を含む。固定ワイヤは結合デバイスに続く先端を含む。
【0036】
更なる実施形態に従って、方法は更に、結合デバイスが第1縁から第2縁に移動した後に、コイルを隔て、結合デバイスを第1縁に戻して新たなコイルを置く工程を含む。
【0037】
本発明の実施形態は、コイルスクリーンを製造する装置を指向し、該装置は第1縁と第2縁を有する作業面と、第1縁から第2縁へ作業面に亘った移動時に、作業面上にコイルを置くように構成され配置された結合デバイスであって、置いたコイルの約1/2の幅の最大幅を有する変位スパーを含む結合デバイスと、作業面上に配置されて、結合デバイスの移動方向に直交して移動可能で、作業面上に連続して置かれたコイルに重なり領域を形成するように、置いたコイルを動かすスライダと、重なり領域を通して固定ワイヤを挿入するように構成され配置されて、作業面上に連続して置かれたコイルを固定する固定ワイヤ挿入デバイスを含む。
【0038】
本発明の更なる他の実施形態に従って、装置は動的位置にて、置いたコイルを覆うように構成され配置されて、スライダが作動している間に、コイルが作業面から離れる動きを阻止する据え付けアームと、動的位置にて、スライダが作動していない間に作業面に置かれたコイルをクランプするように構成され配置されたコイル固定アームを含み得る。
【0039】
本発明の他の代表的な実施形態及び利点は、本開示及び添付の図面を検討することにより確かめられるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明は、本発明の代表的な実施形態の非限定的な例による以下の複数の図面を参照して詳細な説明に更に記載される。同様の符号は幾つかの図面を通して同様の部品を示すとして表される。
【
図1】コイルスクリーンを製造する装置の概略を示す。
【
図2】結合デバイスを拡大側面図で示す概略図である。
【
図3】
図2に従った結合デバイスを下から見た平面図である。
【
図4】
図2に従った結合デバイスを上から見た平面図である。
【
図5】コイルスクリーンを製造する装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
ここで示す特定の記載は、実施例にて示され、本発明の実施形態の記載を示す目的のみであって、最も有用で本発明の原理と概念の態様を容易に理解されると信じるものを付与すべく提示される。この点において、本発明の基本を理解するのに必要な程度以上に本発明の構造を詳細に示す試みはされていない。記載は図面と共に、当業者にとって、本発明の幾つかの形式が如何に実際に実行されるかを明白にする。
【0042】
コイルスクリーンを製造する装置1は、第1縁3と第2縁4を備える。ストッパ5が作業面上に配置されて、第1縁3から第2縁4に延びる。
【0043】
作業面2の上方に、「コイルディスペンサ」と呼ばれる巻き取りデバイス6が配備されている。巻き取りデバイス6は例えば供給ロールである供給部から外される例えばプラスチックフィラメントからワイヤを生産し、供給部は詳しくは図示しない。
【0044】
コイル7の生産中に巻き取りデバイス6は作業面2に亘って、即ち第1縁3から第2縁4の方向に移動する。
【0045】
巻き取りデバイス6は結合デバイス8にコイル7を供給し、コイルスクリーンの製造中に作業面2に亘って、即ちまた第1縁3から第2縁4の方向に移動する。
【0046】
代表的な実施形態において、結合デバイス8はストッパ5に隣接して又はストッパ5に沿って移動する。
【0047】
結合デバイス8は通路9を備え、該通路9を通ってコイル7が案内される。結合デバイス8は下側に、結合デバイス8の移動方向に楔形を有する変位スパー10を備える。変位スパー10は後端部、即ち第1縁3に対向する結合デバイス8の端部に最大幅を有する。変位スパー10の最大幅は、生成されたコイル7の幅より小さく、即ちコイルの延びは作業面2に平行でストッパ5に直交している。
【0048】
変位スパー10を備えた結合デバイス8が、ストッパ5と作業面2上に既に位置するコイル11の間を第1縁3から第2縁4に動けば、変位スパー10は作業面2上に既に位置するコイルをストッパ5から離し、それによって新たに生成されるコイル7が巻き取りデバイス6から挿入される空き空間を生成する。
【0049】
変位スパー10はそれによって、第1縁3から第2縁4の移動方向に直交しコイル7の幅よりも僅かに小さな最大幅を有して、コイル7の幅の半分よりも小さいのが好ましい。この方法において、新たなコイル7は作業面2上に既に位置するコイル11と係合する。このようにして、重なり領域が生じ、該重なり領域内に固定ワイヤ12が挿入され(
図5も参照)、重なるコイル7を互いに接続する。
【0050】
一旦、結合デバイス8が第1縁3から第2縁4へ作業面2の幅を横切って動かされ、該移動は巻き取りデバイス6の対応する動きと同期して生じると、作業面2上に置かれたコイル7は隔てられる。
巻き取りデバイス6とともに結合デバイス8は一旦第1縁3に再び戻される。勿論、実施形態では装置内に1以上の結合デバイス8が巻き取りデバイス6に関連付けられ、及び/又は1以上の巻き取りデバイス6が装置内に存在し、結合デバイス8と巻き取りデバイス6の戻り移動時に、他の結合デバイス8が既に、他の巻き取りデバイス6から新たなコイル7を作業面2上に置く。
【0051】
上記のアプローチは、既知のドイツ特許102007052594及びそのファミリー出願が米国公開公報2010/0287775号に記載された。これらの引例から得られる他の詳細な記載は、その全体を引用を以て、ここに組み込まれる。
【0052】
載置動作を容易にすべく、駆動部14によって作動されるスライダ13が作業面2の第1縁3の領域に配備される。スライダ13は結合デバイス8の移動方向に直交する変位スパー10の最大幅と殆ど同じ移動ストロークを有する。しかし、この移動ストロークは変位スパー10の最大幅よりも大きいとは言えない。
【0053】
図5にのみ示されているように、スライダ13の領域に付与された据え付けアーム15は、
図5に実線で示す覆い位置から点線で示す解放位置に回転され得る。このために、回転駆動部16が付与される。覆い位置において、据え付けアーム15は、既に作業面2上に置かれたコイル11の上方に配置されるが、コイル11に作用せず又は少なくとも大きな力をコイルに作用しない。据え付けアーム15は、スライダ13が作動された時に、コイル11が作業面2から垂直に離れるのを単に防ぐ。スライダ13は作業面2から離れる(又は直交する)方向に延びる厚みを有し、これは少なくともコイル11の高さの半分の大きさである。このようにして、スライダ13はコイル11をその質量中心にて押し、この方策によってコイル11が作業面2から取り除かれるリスクは小さく保たれる。
【0054】
据え付けアーム15は、ストッパ5と覆いデバイス17の間に付与される空間内に達する。覆いデバイス17は例えば0.1〜1mm、好ましくは0.1〜0.3mmの厚みを有する薄板として具体化され又は形成される。覆いデバイス17はまたコイル11が作業面2から離れる動きを阻止する機能を有する。覆いデバイス17はコイル11にクランプ力を加える。
【0055】
ストッパ5から見て覆いデバイス17の外方には、締め付け又はコイル固定デバイス18が配置されて、アクチュエータによって該コイル固定デバイスに力19が加えられて、作業面2上に置かれたコイル11を作業面2上の所定位置にクランプする。
【0056】
図4に見られるように、作業面2の幅を横切って分配され得る更なる締め付けデバイス要素20(又はコイル固定アーム要素)が付与される。締め付けデバイス要素20は軸21上に回転可能な方法で保持され、重量を以て作業面2上に置かれたコイル11に接するのみである(bear)。このようにして、締め付けデバイス要素20は置かれたコイル11の動きを許すが、作業面2からコイル11が取り外されることを阻止する。
【0057】
コイルスクリーンを製造するために、最初にコイル7が作業面2上に置かれる。代表的な実施形態において、結合デバイス8がストッパ5に沿って、第1縁3から第2縁4まで作業面2に亘って動くにつれ、置かれるコイル11がこのように生成される。新たに置かれたコイル11を隔てるのに続き、結合デバイス8は一旦再び第1縁3にて開始位置に戻る。
【0058】
結合デバイス8が他の又は次のコイル7を置き始める前に、スライダ13が作動して、第1縁3に隣接して置かれたコイルの端部を、変位スパー10の幅に対応した距離だけ結合デバイス8の移動方向に直交して滑らせる。この変位中に、据え付けアーム15は
図5に実線で示す位置にロックされ、即ち作業面2から置かれたコイル11が取り除かれることを防ぐ。
【0059】
スライダ13が作動されると、コイル固定アーム18が非作動となり、即ちコイル固定アームは置かれたコイル11にクランプ力を与えることなく、自身の重量のみによって置かれたコイル11に抗する。このように、スライダ13によるコイル11の移動が可能である。しかし、コイルの逸脱、即ち作業面2から離れる動きは出来ない。
【0060】
一旦、スライダ13の動きが完了すると、コイル固定アーム18は一旦再び作動され、即ち力19がコイル11上に生成され、置かれたコイル11が作業面2上の所定位置にクランプされ、置かれたコイル11は所定位置を担う。
【0061】
据え付けアーム15は次に、
図5に点線で示す解放位置に回転され、結合デバイス8は据え付けアーム15の位置内に移動することが出来る。結合デバイス8の変位スパー10は次に、スライダ13による作業の結果、ストッパ5の隣の空いた空間に入る。一旦、変位スパー10がこの空間に入ると、変位スパーは作業面2の第1縁3から第2縁4に動くにつれ、楔形により、置かれたコイル11を変位することが出来る。
【0062】
図5に見られるように、スライダ13は作業面2とストッパ5の間に配備されるから、ストッパ5の機能は未だ実行され、即ちストッパ5は結合デバイス8の接触面として役立つ。
【0063】
固定ワイヤ12が固定ワイヤ挿入デバイス22によって供給され、該固定ワイヤ挿入デバイスは供給スプール22から固定ワイヤ12を引き出す。固定ワイヤ挿入デバイス22が一旦作動されると、結合デバイス8はコイル7を作業面2上に置き始め、置かれたコイル7を既に作業面2上に位置するコイル11と係合し始める。固定ワイヤ12は短い距離をおいて結合デバイス8に続く先端24を有する。この距離内にて、新たに供給されるコイル7と既に置かれたコイル11とは接続されていない。このために、固定ワイヤ挿入デバイス22と結合デバイス8の駆動を同期させることが単に必要であり、必要ならば、巻き取りデバイス6の駆動を互いに同期させる。
【0064】
前記の例は単に説明の目的に付与され、本発明を限定するものとして解釈するものでは決してないことに注意されたい。本発明が実施例を参照して記載されてきたが、ここで用いられてきた用語は限定するものではなく、記載と説明の用語であると理解される。以前に述べ補正したように、その態様における本発明の範囲及び精神から離れることなく、添付の請求の範囲の範囲内にて変更がなされる。本発明が特定の手段、材料及び実施形態に関して記載されてきたが、本発明はここに開示された特定の事項に限定されることを意図しておらず、むしろ添付の請求の範囲の範囲内のように機能的に均等な構造、方法及び使用に拡大される。
【外国語明細書】