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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-130167(P2016-130167A)
(43)【公開日】2016年7月21日
(54)【発明の名称】車載用クレーン装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/36 20060101AFI20160624BHJP
【FI】
   B66C23/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-5524(P2015-5524)
(22)【出願日】2015年1月15日
(71)【出願人】
【識別番号】506019197
【氏名又は名称】小川 英昭
(71)【出願人】
【識別番号】396008266
【氏名又は名称】永瀬 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100063185
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 擴
(72)【発明者】
【氏名】小川 英昭
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 昭夫
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA08
3F205BA06
3F205KA10
(57)【要約】
【課題】本発明は、貨物用車両に搭載されたコンテナ等の内部でも使用することができると共に車載用クレーン装置の購入者が自ら組み立てて貨物用車両に設置したり、あるいは分解して貨物用車両から取り外すことができる車載用クレーン装置を提供する。
【解決手段】車載用クレーン装置10は、小型トラック1の荷台2に立設した状態で設置されるスライド装置保持枠体12と、このスライド装置保持枠体12の上部内側に配設されると共にスライド装置保持枠体12の前後方向に向かって移動可能なスライド装置14と、このスライド装置14に取り付けられると共にスライド装置保持枠体12の前後方向の前後方向に向かって移動可能なウインチ取付体16と、このウインチ取付体16に取り付けられると共にスライド装置保持枠体12の幅方向に移動可能なウインチ18と、から構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物用車両に設置して使用される車載用クレーン装置であって、
立設した状態で配設されるスライド装置保持枠体と、このスライド装置保持枠体にスライド移動可能に保持されてスライド装置保持枠体の前後方向にスライド移動可能なスライド装置と、このスライド装置に取り付けられてスライド装置保持枠体の前後方向に移動可能で前記スライド装置保持枠体の後端部より後方に移動可能なウインチ取付体と、このウインチ取付体に取り付けられるウインチと、を有してなることを特徴とする車載用クレーン装置。
【請求項2】
貨物用車両に設置して使用される車載用クレーン装置であって、
立設した状態で配設されるスライド装置保持枠体と、このスライド装置保持枠体にスライド移動可能に保持されてスライド装置保持枠体の前後方向にスライド移動できると共に前記スライド装置保持枠体の後端部より後方に突出可能なスライド装置と、このスライド装置に取り付けられてスライド装置保持枠体の前後方向にスライド可能でスライド装置保持枠体の後方に移動可能なウインチ取付体と、このウインチ取付体に取り付けられると共にスライド装置保持枠体の幅方向にスライド可能なウインチと、を有してなることを特徴とする車載用クレーン装置。
【請求項3】
前記スライド装置保持枠体は、スライド装置保持枠体の前部に並んで立設された第1前支柱、第2前支柱と、スライド装置保持枠体の後部に並んで立設された第1後支柱、第2後支柱と、前記スライド装置保持枠体の一側で第1前支柱と第1後支柱の間に設けられた枠体第1ガイド部と、前記スライド装置保持枠体の他側で第2前支柱と第2後支柱の間に設けられた枠体第2ガイド部と、前記枠体第1ガイド部と前記枠体第2ガイド部を構成すると共に上下方向に配設された枠体第1パイプ及び枠体第2パイプと、前記第1後支柱と前記第2後支柱に回転自在に設けられると共に前記スライド装置を保持するスライド装置保持ローラーを有し、
前記スライド装置は、一側に前後方向に向かって形成されたスライド装置第1ガイド部と、前記スライド装置の他側に前後方向に向かって形成されたスライド装置第2ガイド部と、前記スライド装置第1ガイド部と前記スライド装置第2ガイド部を構成すると共に上下方向に配設されたスライド装置第1パイプ及びスライド装置第2パイプと、前記スライド装置第1ガイド部と前記スライド装置第2ガイド部の側面に設けられると共に前記枠体第1パイプと枠体第2パイプの間に回転自在に配設されるスライド装置ローラーを有し、
前記ウインチ取付体は、ウインチ取付パイプの一側部に設けられた第1プレートと、ウインチ取付パイプの他側部に取り付けられた第2プレートと、この第1プレートと第2プレートに設けられると共に前記スライド装置第1パイプと前記スライド装置第2パイプの間に回動自在に配設されるウインチ取付体ローラーと、前記ウインチ取付パイプに取り付けられると共に前記スライド装置保持枠体の幅方向に移動可能な前記ウインチと、を有してなることを特徴とする請求項1、請求項2のいずれか1項に記載の車載用クレーン装置。
【請求項4】
前記スライド装置保持枠体、前記スライド装置、前記ウインチ取付体をボルトとナットで連結することにより前記スライド装置保持枠体、前記スライド装置、前記ウインチ取付体を組み立て可能にしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3のいずれか1記載の車載用クレーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック等の貨物用車両で使用される車載用クレーン装置に関し、詳しくは貨物用車両の荷台又は貨物用車両に搭載されるコンテナ等の内部に設置して使用できる車載用クレーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックの荷台へ荷物を積んだり、荷台から荷物を降ろしたりするのを容易にするための装置として車載用クレーンが提案されている(特許文献1)。
この車載用クレーンはトラックの運転席の裏側に設けられた鳥居に略垂直に固定されたポールと、ポールの上端付近に旋回可能に支持されたブームと、ブームを支持しつつ上下動させるためのダンパと、ブームの先端から引き出されるワイヤーと、ワイヤーの開放端部側に接続されたフック保持部と、フック保持部を介してワイヤーによって吊持されたフックと、ワイヤーを巻き上げたり繰り出したりするウインチと、を備えている。
しかし、この車載用クレーンはトラックの荷台に荷物を積む場合はブームを旋回させてフックを荷物の上方に位置させてフックで荷物を吊り上げて再度ブームを旋回させてから荷物を荷台に下ろして荷物を荷台に積む必要がある。
このため、このタイプの車載用クレーンは、トラックの荷台に荷物を積み降ろす場合は荷物を積み降ろしすることができるが、トラックに搭載されたコンテナの内部やトラックの荷台に設けられた幌の内部ではコンテナや幌の側面や屋根が邪魔になり使用することができない。
また、前記車載用クレーンのダンパは油圧シリンダー等の装置で構成されているため、前記車載用クレーンの構造は複雑で部品点数が多数になってしまう。
このため、車載用クレーンの購入者が車載用クレーンを組み立ててトラックに設置したり、あるいはトラックに設置されている車載用クレーンを分解して取り外したりすることは極めて煩雑で困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−129531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、貨物用車両に搭載されたコンテナ等の内部でも使用することができると共に車載用クレーン装置の購入者が自ら組み立てて貨物用車両に設置したり、あるいは分解して貨物用車両から取り外すことができる車載用クレーン装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、貨物用車両に設置して使用される車載用クレーン装置であって、
立設した状態で配設されるスライド装置保持枠体と、このスライド装置保持枠体にスライド移動可能に保持されてスライド装置保持枠体の前後方向にスライド移動可能なスライド装置と、このスライド装置に取り付けられてスライド装置保持枠体の前後方向に移動可能で前記スライド装置保持枠体の後端部より後方に移動可能なウインチ取付体と、このウインチ取付体に取り付けられるウインチと、を有してなることを特徴としている。
請求項2の発明は、貨物用車両に設置して使用される車載用クレーン装置であって、
立設した状態で配設されるスライド装置保持枠体と、このスライド装置保持枠体にスライド移動可能に保持されてスライド装置保持枠体の前後方向にスライド移動できると共に前記スライド装置保持枠体の後端部より後方に突出可能なスライド装置と、このスライド装置に取り付けられてスライド装置保持枠体の前後方向にスライド可能でスライド装置保持枠体の後方に移動可能なウインチ取付体と、このウインチ取付体に取り付けられると共にスライド装置保持枠体の幅方向にスライド可能なウインチと、を有してなることを特徴としている。
請求項3の発明は、前記スライド装置保持枠体は、スライド装置保持枠体の前部に並んで立設された第1前支柱、第2前支柱と、スライド装置保持枠体の後部に並んで立設された第1後支柱、第2後支柱と、前記スライド装置保持枠体の一側で第1前支柱と第1後支柱の間に設けられた枠体第1ガイド部と、前記スライド装置保持枠体の他側で第2前支柱と第2後支柱の間に設けられた枠体第2ガイド部と、前記枠体第1ガイド部と前記枠体第2ガイド部を構成すると共に上下方向に配設された枠体第1パイプ及び枠体第2パイプと、前記第1後支柱と前記第2後支柱に回転自在に設けられると共に前記スライド装置を保持するスライド装置保持ローラーを有し、
前記スライド装置は、一側に前後方向に向かって形成されたスライド装置第1ガイド部と、前記スライド装置の他側に前後方向に向かって形成されたスライド装置第2ガイド部と、前記スライド装置第1ガイド部と前記スライド装置第2ガイド部を構成すると共に上下方向に配設されたスライド装置第1パイプ及びスライド装置第2パイプと、前記スライド装置第1ガイド部と前記スライド装置第2ガイド部の側面に設けられると共に前記枠体第1パイプと枠体第2パイプの間に回転自在に配設されるスライド装置ローラーを有し、
前記ウインチ取付体は、ウインチ取付パイプの一側部に設けられた第1プレートと、ウインチ取付パイプの他側部に取り付けられた第2プレートと、この第1プレートと第2プレートに設けられると共に前記スライド装置第1パイプと前記スライド装置第2パイプの間に回動自在に配設されるウインチ取付体ローラーと、前記ウインチ取付パイプに取り付けられると共に前記スライド装置保持枠体の幅方向に移動可能な前記ウインチと、を有してなることを特徴としている。
請求項4の発明は、前記スライド装置保持枠体、前記スライド装置、前記ウインチ取付体をボルトとナットで連結することにより前記スライド装置保持枠体、前記スライド装置、前記ウインチ取付体を組み立て可能にしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の車載用クレーン装置は、スライド装置保持枠体の前後方向にスライド移動するので貨物用車両に搭載したコンテナや荷台に設けた幌等の内部でも使用することができるという優れた効果を有する。
本発明の車載用クレーン装置は、スライド装置、ウインチ取付体、ウインチを手動でスライド移動させるので技術が無くても容易に操作できるという優れた効果を有する。
本発明の車載用クレーン装置は、構造がシンプルで軽量であるため小型貨物用車両にも設置することができるという優れた効果を有する。
請求項4の車載用クレーン装置は、上記優れた効果のほかにスライド装置保持枠体、スライド装置、ウインチ取付体はボルト、ナットで組み立てられているので、購入者が自ら組み立てたり、分解して取り外したりすることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例の車載用クレーン装置の全体斜視図である。
図2】実施例の車載用クレーン装置のスライド装置をスライドさせた状態の全体斜視図である。
図3】実施例の車載用クレーン装置の一部を断面した背面図である。
図4図3の一部拡大図である。
図5】実施例の車載用クレーン装置から枠体第1パイプとスライド装置第1パイプを取り外した状態の平面図である。
図6】実施例の車載用クレーン装置を小型トラックの荷台に設置した状態の作用説明図である。
図7】実施例の車載用クレーン装置を小型トラックの荷台に設置した状態の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明を実施するために最良の形態の例として以下のような実施例を示す。
【実施例1】
【0009】
図1図7には本発明に係る車載用クレーン装置の一実施例が示されている。なお、この車載用クレーン装置は貨物用車両としてのトラックの荷台やトラックに搭載されたコンテナの内部やトラックの荷台に設けられた幌等の内部に設置して使用することができるが、この実施例では小型トラックの荷台に車載用クレーン装置を露出した状態で設置した場合を例にして説明する。
【0010】
図1及び図2に示されるように本発明の車載用クレーン装置10は小型トラック1の荷台2(図6図7参照)に立設した状態で設置固定されるスライド装置保持枠体12と、このスライド装置保持枠体12の上部内側に配設されると共にスライド装置保持枠体12の前後方向(図矢印A方向,矢印B方向)に向かって移動可能なスライド装置14と、このスライド装置14に取り付けられると共にスライド装置保持枠体12の前後方向の前後方向に向かって移動可能なウインチ取付体16と、このウインチ取付体16に取り付けられると共にスライド装置保持枠体12の幅方向(図矢印C方向)に移動可能なウインチ18と、を備えている。
【0011】
前記スライド装置保持枠体12は小型トラック1の荷台2(図6図7参照)の前部に幅方向に並んで立設される第1前支柱20、第2前支柱22と、小型トラック1の荷台2(図6図7参照)の後部に幅方向に並んで立設される第1後支柱24、第2後支柱26を有している。
【0012】
前記第1前支柱20の上端部と第2前支柱22の上端部との間及び第1後支柱24の上端部と第2後支柱26の上端部との間には、それぞれ上横連結パイプ28が連結されている。
【0013】
また、前記第1前支柱20の下端部と第2前支柱22の下端部との間及び第1後支柱24の下端部と第2後支柱26の下端部との間には、それぞれ下横連結プレート30が連結されている。
【0014】
さらに、第1前支柱20と第2前支柱22の間には補強部材としての筋交いプレート32,32が連結されている。
【0015】
また、前記第1前支柱20の下部と前記第1後支柱24の下部の間及び前記第2前支柱22の下部と前記第2後支柱26の下部の間にはそれぞれ前後方向に向かって下前後連結パイプ34が横架され、第1前支柱20と第1後支柱24、第2前支柱22と第2後支柱26とが、それぞれ連結されている。
【0016】
前記スライド装置保持枠体12の一側の上部で第1前支柱20と第1後支柱24の間には前後方向に向かって枠体第1ガイド部36が設けられ、枠体第1ガイド部36は第1前支柱20及び第1後支柱24と連結されている。
【0017】
また、前記スライド装置保持枠体12の他側の上部で第2前支柱22と第2後支柱26の間には前後方向に向かって枠体第2ガイド部38が設けられ、枠体第2ガイド部38は第2前支柱22及び第2後支柱26と連結されている。
【0018】
前記枠体第1ガイド部36と枠体第2ガイド部38は同一構造で、その構造は枠体第1パイプ40と枠体第2パイプ42を上下方向に間隔を設けて配設し、枠体第1パイプ40と枠体第2パイプ42の間にスライド装置ストッパー44(図6図7参照)とパイプ間隔保持体45(図6図7参照)を設けて構成している。
【0019】
図3に示されるように、前記第1後支柱24の上部内側と前記第2後支柱26の上部内側にはそれぞれローラー取付体46が形成され、このローラー取付体46には強化プラスチック製のスライド装置保持ローラー48が回転自在に取り付けられている。スライド装置保持ローラー48を強化プラスチック製にすることにより消音効果を高めることができる。
【0020】
図4に示されるように、これらスライド装置保持ローラー48には窪み部48Aが形成されている。
【0021】
図1及び図2に示されるように、前記スライド装置保持枠体12の内側には前記スライド装置14がスライド装置保持枠体12の前後方向(図矢印A方向,矢印B方向)に向かってスライド可能に配設されている。
【0022】
前記スライド装置14の一側には前後方向に向かってスライド装置第1ガイド部50が形成され、スライド装置14の他側には前後方向に向かってスライド装置第2ガイド部52が形成されている。
【0023】
前記スライド装置第1ガイド部50と前記スライド装置第2ガイド部52は同一構造で、その構造はスライド装置第1パイプ54とスライド装置第2パイプ56が上下方向に間隔を設けて配設され、スライド装置第1パイプ54とスライド装置第2パイプ56の前端部にはスライド装置第1柱体60が固定され、後端部にはスライド装置第2柱体62が固定されている。なお、スライド装置第1柱体60とスライド装置第2柱体62は前記ウインチ取付体16のスライド移動のストッパーの役目も果たすようになっている。
【0024】
図3に示されるように、前記スライド装置第1ガイド部50と前記スライド装置第2ガイド部52のスライド装置第2パイプ56は前記スライド装置保持ローラー48に載置されスライド装置第2パイプ56はスライド装置保持ローラー48の窪み部48Aに対応してフィットするようになっている。
【0025】
図1及び図2に示されるように、前記スライド装置第1柱体60とスライド装置第1柱体60の間及びスライド装置第2柱体62とスライド装置第2柱体62との間には横方向にスライド装置間隔保持パイプ64がそれぞれ配設された状態で固定されている。
【0026】
図2に示されるように、前記スライド装置第1柱体60の側面にはそれぞれスライド装置ローラー66が回転自在に取り付けられている。これらスライド装置ローラー66は前記スライド装置保持ローラー48と同一構造であり、スライド装置ローラー66には窪み部66A(図5参照)が形成されている。
【0027】
図1及び図2に示されるように、これらスライド装置ローラー66は前記枠体第1ガイド部36と枠体第2ガイド部38の枠体第1パイプ40と枠体第2パイプ42に挟まれた状態で配設され、枠体第1パイプ40と枠体第2パイプ42はスライド装置ローラー66の窪み部66Aと対応してフィットするようになっている。
【0028】
前記スライド装置14にはスライド装置保持枠体12の前後方向(図矢印A方向,矢印B方向)に向かってスライド可能な前記ウインチ取付体16が取り付けられている。
【0029】
図5に示されるように、このウインチ取付体16のウインチ取付パイプ70の一側部には第1プレート72が固定され、ウインチ取付パイプ70の他側部には第2プレート74が固定されている。この第1プレート72と第2プレート74にはウインチ取付体ローラー76,76が回転自在に設けられている。
【0030】
これらウインチ取付体ローラー76は前記スライド装置保持ローラー48と同一構造であり、ウインチ取付体ローラー76には窪み部76Aが形成されている。
【0031】
図4に示されるように、前記ウインチ取付体ローラー76,76はスライド装置第1パイプ54とスライド装置第2パイプ56に挟まれて配設され、スライド装置第1パイプ54とスライド装置第2パイプ56はウインチ取付体ローラー76の窪み部76Aに対応してフィットするようになっている。
【0032】
図1及び図2に示されるように、前記ウインチ取付体16のウインチ取付パイプ70には吊り下げられた状態で前記ウインチ18が取り付けられている。
【0033】
このウインチ18は公知のウインチであり、図示しないリモートコントローラーを操作することにより作動するようになっている。
【0034】
なお、ウインチ18を駆動させるための電源はウインチ装置専用バッテリー(図示せず)や小型トラック1のバッテリー(図示せず)を利用することができるようになっている。
【0035】
前記ウインチ18には回転自在にウインチローラー80が設けられ、ウインチ18がスライド装置保持枠体12の幅方向(図矢印C方向)にスライド可能になっている。
【0036】
このウインチローラー80は前記スライド装置保持ローラー48と同一構造であり、ウインチローラー80には窪み部80Aが形成されている。ウインチローラー80はウインチ取付パイプ70に載置された状態で配設され、ウインチローラー80の窪み部80Aにはウインチ取付パイプ70が対応してフィットするようになっている。
【0037】
前記ウインチ18には巻き上げられたり繰り出されたりするウインチワイヤー82が巻かれており、ウインチワイヤー82の先端部にはフック84が設けられている。
【0038】
なお、前記スライド装置保持枠体12は、第1前支柱20、第2前支柱22、第1後支柱24、第2後支柱26、上横連結パイプ28、下横連結プレート30、筋交いプレート32、下前後連結パイプ34、枠体第1パイプ40、枠体第2パイプ42をボルト90とナット92で連結して組み立てられている。
【0039】
また、前記スライド装置14は、スライド装置第1パイプ54、スライド装置第2パイプ56、スライド装置第1柱体60、スライド装置第2柱体62、スライド装置間隔保持パイプ64をボルト90とナット92で連結して組み立てられている。
【0040】
さらに、前記ウインチ取付体16はウインチ取付パイプ70、第1プレート72、第2プレート74をボルト90とナット92で連結して組み立てられている。
【0041】
従って、前記ボルト90とナット92の連結を解除すればスライド装置保持枠体12、スライド装置14、ウインチ取付体16を組み立てたり分解したりすることができる。
なお、作図上の関係から前記ボルト90、ナット92は図面で一部のみ示す。
【0042】
次に、本発明の車載用クレーン装置10の作用について説明する。
【0043】
組み立てられた車載用クレーン装置10を小型トラック1の荷台2に設置する場合は、図6図7に示されるように、スライド装置保持枠体12の第1後支柱24、第2後支柱26が荷台2の後端面に対応するようにして車載用クレーン装置10を荷台2に置く。
【0044】
そして、ボルト、ナット、チェーン等の適宜固定手段で荷台2の床板2Aや横煽り2B(図6図7に想像線で示す)の適宜箇所を選んで車載用クレーン装置10のスライド装置保持枠体12を固定することにより車載用クレーン装置10を小型トラック1の荷台2に固定する。
【0045】
前記小型トラック1の荷台2に車載用クレーン装置10を使用して荷物3を載せる場合は、荷台2の後煽り2C(図6図7に想像線で示す)を下げ、スライド装置14の後部に位置するスライド装置間隔保持パイプ64を把持して後方向(図矢印B方向)に向かって引くことによりスライド装置14を後方向にスライドさせてスライド装置14をスライド装置保持枠体12の後方に突出させる(図6参照)。
【0046】
前記スライド装置14が後方向にスライド移動するとスライド装置14のスライド装置ローラー66がスライド装置ストッパー44に当接し、スライド装置14はそれ以上後方向に移動するのを停止されるため(図6参照)、スライド装置14がスライド装置保持枠体12から脱落するようなことはない。
【0047】
次に、ウインチ取付体16のウインチ取付パイプ70を把持して後方向に引いてウインチ取付体16を後方向にスライドさせて、ウインチ取付体16に取り付けられているウインチ18を小型トラック1の荷台2の後方にスライド移動させる。
【0048】
なお、ウインチ取付体16が後方向にスライド移動してもウインチ取付体ローラー76はスライド装置第2柱体62に当接するのでウインチ取付体16が脱落することはない(図6参照)。
【0049】
図6に示されるように、ウインチ取付体16に取り付けたウインチ18を荷物3の上方に対応させてから、ウインチ18のリモートコントローラーを操作してウインチワイヤー82を繰り出してフック84を荷物3に結ばれている梱包用ロープ4に掛ける。
【0050】
そして、前記リモートコントローラーを操作してウインチワイヤー82を巻き上げて荷物3の下端面が荷台2の床板2Aの上面より上方に位置するまで吊り上げる。
【0051】
次に、スライド装置14の後部のスライド装置間隔保持パイプ64を把持して前方向(図矢印A方向)に引くことによりスライド装置14を前方向にスライド移動させる。
【0052】
また、ウインチ取付体16のウインチ取付パイプ70を把持して前方向に引いてウインチ取付体16を前方向にスライド移動させる。
【0053】
図7に示されるように、ウインチ18で吊り下げた荷物3を載置したい荷台2の場所の上方に対応させる。
【0054】
次に、ウインチ18のリモートコントローラーを操作してウインチワイヤー82を繰り出して荷物3を荷台2に置くことにより、荷物3を荷台2に載置することができる。
【0055】
従って、重い荷物3でも小型トラック1の荷台2に容易に積んだり降ろしたりすることができる。
【0056】
なお、前記ウインチ18はウインチローラー80を介してスライド装置保持枠体12の幅方向(図矢印C方向)にスライド可能であるため、荷物3を荷台2の側部に載置したい場合や荷物3を複数積む場合でも容易に対応することができる。
【0057】
また、車載用クレーン装置10のスライド装置14、ウインチ取付体16、ウインチ18は、スライド装置保持枠体12の前後方向にスライド移動するので屋根や側面を備えるトラック1に搭載するコンテナや荷台2に設けられる幌の内部でも使用することができる。
【0058】
しかも、車載用クレーン装置10は、手動でスライド装置14、ウインチ取付体16、ウインチ18をスライド移動させる構造であるため、スライド装置14、ウインチ取付体16、ウインチ18の移動を特別な技術がなくても容易に行うことができる。
【0059】
また、車載用クレーン装置10は、構造がシンプルであると共にボルト90とナット92で前記スライド装置保持枠体12、スライド装置14、ウインチ取付体16が組み立てられているので、車載用クレーン装置10を購入した購入者が自ら組み立てることができると共に小型トラック1の荷台2に設置した車載用クレーン装置10を荷台2から取り外したい場合は購入者が自ら車載用クレーン装置10を分解して荷台2から取り外すことができ、便利である。
【0060】
車載用クレーン装置10は、ウインチ18等を移動させるための油圧装置等の駆動装置が不要であるので、構造がシンプルで軽量であるため小型トラック1のような小型の貨物用車両にも設置して使用することができる。
【0061】
さらに、車載用クレーン装置10は、ボルト90とナット92の連結を解除することによりスライド装置保持枠体12、スライド装置14、ウインチ装置取付体16を部品ごとに分解できるため、車載用クレーン装置10を保管する場合等は保管スペースが小さくて済み保管し易い。
【0062】
また、車載用クレーン装置10は、ボルト90とナット92の連結を解除するとスライド装置保持枠体12、スライド装置14、ウインチ取付体16を部品ごとに分解できるため、運搬等を行い易い。
【0063】
なお、実施例では前記スライド装置14、前記ウインチ取付体16、前記ウインチ18をそれぞれスライド装置保持ローラー48、スライド装置ローラー66、ウインチ取付体ローラー76、ウインチローラー80等のローラーでスライド移動させるようにしたが、前記スライド装置14、前記ウインチ取付体16、前記ウインチ18をスライド移動させる手段はローラー以外でもよいことは勿論である。
【0064】
また、実施例の作用で示した小形トラック1の荷台2に荷物3を積んだり、荷台2から荷物3を降ろす手順は一手順であり、実施例に示した手順に限定されるものでないことは勿論である。
【0065】
また、実施例では小型トラック1の荷台2に車載用クレーン装置10を設置した場合を例にして説明したが、車載用クレーン装置10は小型トラック1だけでなく大型トラックあるいは荷物を運ぶバンタイプ等の他の種類の貨物用車両に設置して使用してもよいことは勿論である。
【0066】
なお、実施例では小型トラック1の荷台2に車載用クレーン装置10を設置した場合を例にして説明したが、車載用クレーン装置10はトラックに搭載されたコンテナの内部やトラックの荷台に設けられた幌の内部に設置して使用してもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の車載用クレーン装置は、各種物品の輸送、物流および宅配等の分野において利用することができる。
【符号の説明】
【0068】
10 車載用クレーン装置
12 スライド装置保持枠体
14 スライド装置
16 ウインチ取付体
18 ウインチ
20 第1前支柱
22 第2前支柱
24 第1後支柱
26 第2後支柱
28 上横連結パイプ
30 下横連結プレート
32 筋交いプレート
34 下前後連結パイプ
36 枠体第1ガイド部
38 枠体第2ガイド部
40 枠体第1パイプ
42 枠体第2パイプ
44 スライド装置ストッパー
45 パイプ間隔保持体
46 ローラー取付体
48 スライド装置保持ローラー
50 スライド装置第1ガイド部
52 スライド装置第2ガイド部
54 スライド装置第1パイプ
56 スライド装置第2パイプ
60 スライド装置第1柱体
62 スライド装置第2柱体
64 スライド装置間隔保持パイプ
66 スライド装置ローラー
70 ウインチ取付パイプ
72 第1プレート
74 第2プレート
76 ウインチ取付体ローラー
80 ウインチローラー
82 ウインチワイヤー
84 フック
90 ボルト
92 ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7