【解決手段】 本件の開示は、ポリウレア組成物、ならびに、このポリウレア組成物を使用する方法に関するものである。ポリホルマール−イソシアネートプレポリマーと、アミンを含む硬化剤との反応での生成物を含む、ポリウレア組成物が開示されるものである。この組成物は、航空宇宙への応用においての、シーラントとして有用なものである。本発明によれば、航空宇宙用シーラント適用に対して有用な特性が向上したシーラントとしての使用のためのポリウレア組成物が、提供されるものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義
2個の文字またはシンボル間にないダッシュ(「−」)は、置換基に対するかまたは2個の原子間の結合点を示すために使用される。例えば、−CONH
2は炭素原子に結合される。
【0013】
「アルデヒド」は、式CH(O)Rの化合物を指す(式中、Rは、本明細書中で定義されるとおり、水素または、アルキル基などの炭化水素基である)。ある一定の実施形態において、アルデヒドは、C
1−10アルデヒド、C
1−6アルデヒド、C
1−4アルデヒド、C
1−3アルデヒドであり、ある一定の実施形態において、C
1−2アルデヒドである。ある一定の実施形態において、アルデヒドはホルムアルデヒドである。アルデヒドのある一定の実施形態において、Rは、水素、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリールおよび置換C
6−12アリールから選択される。
【0014】
「アルカンジイル」は、例えば、1から18個の炭素原子(C
1−18)、1から14個の炭素原子(C
1−14)、1から6個の炭素原子(C
1−6)、1から4個の炭素原子(C
1−4)または1から3個の炭化水素原子(C
1−3)を有する、分枝状または直鎖状の非環式飽和炭化水素基のジラジカルを指す。ある一定の実施形態において、アルカンジイルは、C
2−14アルカンジイル、C
2−10アルカンジイル、C
2−8アルカンジイル、C
2−6アルカンジイル、C
2−4アルカンジイルであり、ある一定の実施形態において、C
2−3アルカンジイルである。アルカンジイル基の例としては、メタン−ジイル(−CH
2−)、エタン−1,2−ジイル(−CH
2CH
2−)、プロパン−1,3−ジイルおよびイソプロパン−1,2−ジイル(例えば、−CH
2CH
2CH
2−および−CH(CH
3)CH
2−)、ブタン−1,4−ジイル(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)、ペンタン−1,5−ジイル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−)、ヘキサン−1,6−ジイル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−)、ヘプタン−1,7−ジイル、オクタン−1,8−ジイル、ノナン−1,9−ジイル、デカン−1,10−ジイル、ドデカン−1,12−ジイルなどが挙げられる。
【0015】
「アルコキシ」は、Rが本明細書中で定義されるとおりのアルキルである−OR基を指す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびn−ブトキシが挙げられる。ある一定の実施形態において、アルコキシ基は、C
1−8アルコキシ、C
1−6アルコキシ、C
1−4アルコキシであり、ある一定の実施形態において、C
1−3アルコキシである。
【0016】
「アルキル」は、例えば、1から20個の炭素原子、1から10個の炭素原子、1から6個の炭素原子、1から4個の炭素原子または1から3個の炭素原子を有する、分枝状または直鎖状の非環式飽和炭化水素基のモノラジカルを指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−デシル、テトラデシルなどが挙げられる。ある一定の実施形態において、アルキル基は、C
2−6アルキル、C
2−4アルキルであり、ある一定の実施形態において、C
2−3アルキルである。
【0017】
「アリール」は、親芳香環系の1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することにより得られる一価芳香族炭化水素ラジカルを指す。アリールは、5−および6員炭素環式芳香環、例えばベンゼン;少なくとも1個の環が炭素環および芳香環である二環式環系、例えばナフタレン、インダンおよびテトラリン;および少なくとも1個の環が炭素環および芳香環である三環式環系、例えばフルオレンを包含する。アリールは、少なくとも1個の炭素環式芳香環、シクロアルキル環またはヘテロシクロアルキル環に縮合された少なくとも1個の炭素環式芳香環を有する複数の環系を包含する。例えば、アリールは、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有する5から7員のヘテロシクロアルキル環に縮合された5−および6員炭素環式芳香環を含む。1個の環のみが炭素環式芳香環である、このような縮合二環式環系の場合、結合点は炭素環式芳香環またはヘテロシクロアルキル環にあり得る。アリール基の例としては、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなど由来の基が挙げられる。ある一定の実施形態において、アリール基は6から20個の炭素原子を有し得、ある一定の実施形態において6から12個の炭素原子を有し得、ある一定の実施形態において6から10個の炭素原子を有し得る。しかし、アリールは、本明細書中で個別に定義されるヘテロアリールを何ら包含しないか、またはこれらと重複しない。ゆえに、1以上の炭素環式芳香環がヘテロシクロアルキル芳香環と縮合されている多重環系は、本明細書中で定義されるとおり、ヘテロアリールであり、アリールではない。ある一定の実施形態において、アリール基はフェニルである。
【0018】
「アリールアルキル」は、水素原子のうち1個がアリール基で置き換えられているアルキル基を指す。アリールアルキル基のある一定の実施形態において、アルキル基の末端炭素原子上の水素原子は、アリール基で置き換えられている。アリールアルキルのある一定の実施形態において、アリール基は、C
6−12アリール基であり、ある一定の実施形態において、C
6−10アリール基であり、ある一定の実施形態において、フェニルまたはナフチル基である。ある一定の実施形態において、アリールアルキル基のアルカンジイル部は、例えば、C
1−10アルカンジイル、C
1−6アルカンジイル、C
1−4アルカンジイル、C
1−3アルカンジイル、プロパン−1,3−ジイル、エタン−1,2−ジイルまたはメタン−ジイルであり得る。ある一定の実施形態において、アリールアルキル基は、C
7−18アリールアルキル、C
7−16アリールアルキル、C
7−12アリールアルキル、C
7−10アリールアルキルまたはC
7−9アリールアルキルである。例えば、C
7−9アリールアルキルは、フェニル基に結合されたC
1−3アルカンジイル基を含み得る。
【0019】
「シクロアルキルアルキル」は、水素原子のうち1個がシクロアルキル基で置き換えられているアルキル基を指す。シクロアルキルアルキル基のある一定の実施形態において、アルキル基の末端炭素原子上の水素原子は、シクロアルキル基で置き換えられている。シクロアルキルアルキルのある一定の実施形態において、シクロアルキル基はC
3−6シクロアルキル基であり、ある一定の実施形態において、C
5−6シクロアルキル基であり、ある一定の実施形態において、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロへキシル基である。ある一定の実施形態において、シクロアルキルアルキル基のアルカンジイル部は、例えば、C
1−10アルカンジイル、C
1−6アルカンジイル、C
1−4アルカンジイル、C
1−3アルカンジイル、プロパン−1,3−ジイル、エタン−1,2−ジイルまたはメタン−ジイルであり得る。ある一定の実施形態において、シクロアルキルアルキル基は、C
4−16シクロアルキルアルキル、C
4−12シクロアルキルアルキル、C
4−10シクロアルキルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキルまたはC
6−9シクロアルキルアルキルである。例えば、C
6−9シクロアルキルアルキルは、シクロペンチルまたはシクロへキシル基に結合されたC
1−3アルカンジイル基を含む。
【0020】
「アルカンシクロアルカン」は、1以上のシクロアルキルおよび/またはシクロアルカンジイル基ならびに1以上のアルキルおよび/またはアルカンジイル基を有する飽和炭化水素基を指し、シクロアルキル、シクロアルカンジイル、アルキルおよびアルカンジイルは本明細書中で定義される。ある一定の実施形態において、各シクロアルキルおよび/またはシクロアルカンジイル基は、C
3−6、C
5−6であり、ある一定の実施形態において、シクロへキシルまたはシクロヘキサンジイルである。ある一定の実施形態において、各アルキルおよび/またはアルカンジイル基は、C
1−6、C
1−4、C
1−3であり、ある一定の実施形態において、メチル、メタンジイル、エチルまたはエタン−1,2−ジイルである。ある一定の実施形態において、アルカンシクロアルカン基は、C
4−18アルカンシクロアルカン、C
4−16アルカンシクロアルカン、C
4−12アルカンシクロアルカン、C
4−8アルカンシクロアルカン、C
6−12アルカンシクロアルカン、C
6−10アルカンシクロアルカンであり、ある一定の実施形態において、C
6−9アルカンシクロアルカンである。アルカンシクロアルカン基の例としては、1,1,3,3−テトラメチルシクロヘキサンおよびシクロヘキシルメタンが挙げられる。
【0021】
「アルカンシクロアルカンジイル」は、アルカンシクロアルカン基のジラジカルを指す。ある一定の実施形態において、アルカンシクロアルカンジイル基は、C
4−18アルカンシクロアルカンジイル、C
4−16アルカンシクロアルカンジイル、C
4−12アルカンシクロアルカンジイル、C
4−8アルカンシクロアルカンジイル、C
6−12アルカンシクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイルであり、ある一定の実施形態において、C
6−9アルカンシクロアルカンジイルである。アルカンシクロアルカンジイル基の例としては、1,1,3,3−テトラメチルシクロヘキサン−1,5−ジイルおよびシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイルが挙げられる。
【0022】
「シクロアルカンジイル」は、ジラジカル飽和単環式または多環式炭化水素基を指す。ある一定の実施形態において、シクロアルカンジイル基は、C
3−12シクロアルカンジイル、C
3−8シクロアルカンジイル、C
3−6シクロアルカンジイルであり、ある一定の実施形態においてC
5−6シクロアルカンジイルである。シクロアルカンジイル基の例としては、シクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロヘキサン−1,3−ジイルおよびシクロヘキサン−1,2−ジイルが挙げられる。
【0023】
「シクロアルキル」は、飽和単環式または多環式炭化水素モノラジカル基を指す。ある一定の実施形態において、シクロアルキル基は、C
3−12シクロアルキル、C
3−8シクロアルキル、C
3−6シクロアルキルであり、ある一定の実施形態において、C
5−6シクロアルキルである。
【0024】
「ヘテロアルキル」は、1以上の炭素原子がN、O、SまたはPなどのヘテロ原子で置き換えられているアルキル基を指す。ヘテロアルキルのある一定の実施形態において、ヘテロ原子はNおよびOから選択される。
【0025】
「ヘテロアリール」は、親ヘテロ芳香環系の1個の原子から1個の水素原子を除去することにより得られる一価ヘテロ芳香族ラジカルを指す。ヘテロアリールは、芳香族または非芳香族であり得る少なくとも1個の他の環に縮合されている少なくとも1個のヘテロ芳香環を有する多重環系を包含する。ヘテロアリールは、N、O、SおよびPから選択される、1以上の、例えば1から4個の、またはある一定の実施形態においては1から3個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子が炭素である、5から7員芳香族単環式環;およびN、O、SおよびPから選択される、1以上の、例えば1から4個の、またはある一定の実施形態においては1から3個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子が炭素であり、少なくとも1個のヘテロ原子が芳香環に存在する、二環式ヘテロシクロアルキル環を包含する。例えば、ヘテロアリールは、5から7員シクロアルキル環と縮合されている5から7員ヘテロ芳香環を含む。1個の環のみが1以上のヘテロ原子を含有するこのような縮合二環式ヘテロアリール環系の場合、結合点はヘテロ芳香環またはシクロアルキル環にあり得る。ヘテロアリール基中のN、O、SおよびP原子の総数が1を超えるある一定の実施形態において、ヘテロ原子は互いに隣り合わない。ある一定の実施形態において、ヘテロアリール基中のN、O、SおよびP原子の総数は、2を超えない。ある一定の実施形態において、芳香族ヘテロ環中のN、O、SおよびP原子の総数は、1を超えない。ヘテロアリールは、本明細書中で定義されるとおりのアリールを包含しないかまたはこれと重複しない。ヘテロアリール基の例としては、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、α−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなど由来の基が挙げられる。ある一定の実施形態において、ヘテロアリール基は、C
5−20ヘテロアリール、C
5−12ヘテロアリール、C
5−10ヘテロアリールであり、ある一定の実施形態においてC
5−6ヘテロアリールである。ある一定の実施形態において、ヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾールまたはピラジンから由来するものである。
【0026】
「ケトン」は、式CO(R)
2(式中、各Rは炭化水素基である)の化合物を指す。ケトンのある一定の実施形態において、各Rは、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキルおよび置換C
6−12シクロアルキルアルキルから独立に選択される。ケトンのある一定の実施形態において、各Rは、メチル、エチルおよびプロピルから独立に選択される。ある一定の実施形態において、ケトンは、プロパン−2−オン、ブタン−2−オン、ペンタン−2−オンおよびペンタン−3−オンから選択される。ケトンのある一定の実施形態において、各Rは、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリールおよび置換C
6−12アリールから独立に選択される。
【0027】
「フェニルアルキル」は、水素原子のうち1個がフェニル基で置き換えられているアルキル基を指す。フェニルアルキル基のある一定の実施形態において、アルキル基の末端炭素原子の水素原子の1個がフェニル基で置き換えられている。ある一定の実施形態において、フェニルアルキル基は、C
7−12フェニルアルキル、C
7−10フェニルアルキル、C
7−9フェニルアルキルであり、ある一定の実施形態においてベンジルである。
【0028】
「置換(substituted)」とは、1以上の水素原子がそれぞれ独立に同じまたは異なる置換基で置き換えられている基を指す。ある一定の実施形態において、置換基は、ハロゲン、−S(O)
2OH、−S(O)
2、−SH、−SR(式中、RはC
1−6アルキルである)、−COOH、−NO
2、−NR
2(式中、各Rは、水素およびC
1−3アルキルから独立に選択される)、−CN、=O、C
1−6アルキル、C
1−3アルキル、−CF
3、−OH、フェニル、C
2−6ヘテロアルキル、C
5−6ヘテロアリール、C
1−6アルコキシおよび−COR(式中、RはC
1−6アルキルである)から選択される。ある一定の実施形態において、置換基は、−OH、−NH
2およびC
1−3アルキルから選択される。
【0029】
別段の明記がない限り、ポリマーは、1以上のタイプのポリマーを包含する。例えば、ポリホルマールポリオールへの言及は、1種類のタイプのポリホルマールポリオール、例えばチオジグリコールポリホルマールポリオールなど、および異なるタイプのポリホルマールポリオールの混合物を含む。同様に、別段の明記がない限り、例えば、具体的な式の化合物またはジイソシアネートなどの化合物への言及は、1つのタイプの化合物またはジイソシアネートおよび、複数のタイプの化合物またはジイソシアネートを指す。
【0030】
以下の詳細な説明の目的のため、明らかにそうではないと示されない限り、本開示により提供される実施形態は、様々な代替的変形および工程順序を想定し得ると理解されたい。さらに、何れかの作業実施例以外、または別段の指示がない場合は、本明細書および特許請求の範囲において使用される、例えば成分量を表す数は全て、全ての場合において「約」という語で修飾されるものとして理解されたい。従って、そうでないことが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲で挙げられる数値パラメータは、本発明により得ようとする所望の特性によって変化し得る近似値である。少なくとも、そして特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするものではないが、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数値を考慮し、通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0031】
本発明の幅広い範囲を示す数の範囲およびパラメータは近似値であるものの、具体的な実施例で示される数値は、可能な限り正確に報告する。しかし、何れの数値も、それらの個々の試験測定値で見られる標準偏差の結果必然的に生じる特定の誤差を本質的に含有する。
【0032】
また、本明細書中で列挙される何れの数の範囲も、その中に包含される全ての下位範囲を含むものとすることを理解されたい。例えば、「1から10」の範囲は、挙げられる1という最小値と挙げられる10という最大値との間の(これらを含む)全ての下位範囲を含むものとし、すなわち、1以上の最小値および10以下の最大値を有する。
【0033】
ここで、化合物、組成物および方法のある一定の実施形態を詳細に参照する。開示される実施形態は、特許請求の範囲を限定するものではない。それどころか、特許請求の範囲は、全ての代替物、変更および同等物を包含するものとする。
【0034】
ポリ尿素組成物
ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、ポリホルマール−イソシアネートプレポリマーと、アミンを含む硬化剤と、を含み、本ポリホルマール−イソシアネートプレポリマーは、ポリホルマールポリオールおよび第一のジイソシアネートを含む反応物質の反応生成物を含む。
【0035】
ある一定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、ポリホルマールジオール、ポリホルマール1分子あたり少なくとも3個のヒドロキシル基を有するポリホルマールポリオールおよびそれらの組み合わせから選択されるポリホルマールポリオールを含む。ある一定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、ポリホルマールジオール、ポリホルマールトリオールおよびそれらの組み合わせから選択されるポリホルマールポリオールを含む。ある一定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、ポリホルマールジオールおよびポリホルマールトリオールの組み合わせを含む。
【0036】
ある一定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、(i)硫黄含有ジオールと;アルデヒド、ケトンおよびそれらの組み合わせから選択される反応物質と、を含む反応物質の反応生成物;(ii)硫黄含有ジオールと;ポリオール1分子あたり少なくとも3個のヒドロキシル基を含有するポリオールと;アルデヒド、ケトンおよびそれらの組み合わせから選択される反応物質と、を含む反応物質の反応生成物;および(iii)(i)および(ii)の組み合わせを含む。
【0037】
反応(i)のある一定の実施形態において、硫黄含有ジオールは1つのタイプの硫黄含有ジオールを含み、ある一定の実施形態において硫黄含有ジオールの組み合わせを含む。
【0038】
ある一定の実施形態において、本ポリホルマールポリオールは、硫黄含有ジオールと;アルデヒド、ケトンおよびそれらの組み合わせから選択される反応物質との反応生成物を含む。この反応のある一定の実施形態において、硫黄含有ジオールは、式(1)のジオール:
【0039】
【化1】
(式中、各R
3は、C
2−6アルカンジイルから独立に選択される)を含む。式(1)の硫黄含有ジオールのある一定の実施形態において、各R
3は、同じであり、ある一定の実施形態において、各R
3は異なる。ある一定の実施形態において、各R
3は、C
2−5アルカンジイル、C
2−4アルカンジイル、C
2−3アルカンジイルから選択され、ある一定の実施形態において、各R
3は、エタン−1,2−ジイルである。この反応のある一定の実施形態において、硫黄含有ジオールは、2,2’−チオジエタノール、3,3’−チオビス(プロパン−1−オール)、4,4’−チオビス(ブタン−1−オール)および前述のものの何れかの組み合わせから選択される硫黄含有ジオールを含む。この反応のある一定の実施形態において、硫黄含有ジオールは、2,2’−チオジエタノールを含む。
【0040】
反応(i)のある一定の実施形態において、反応物質はアルデヒドである。反応物質がアルデヒドである、ある一定の実施形態において、アルデヒドは、C
1−6アルデヒド、C
1−4アルデヒド、C
1−3アルデヒドを含み、ある一定の実施形態において、C
1−2アルデヒドを含む。ある一定の実施形態において、アルデヒドはホルムアルデヒドである。反応物質がホルムアルデヒドである、ある一定の実施形態において、ホルムアルデヒドは、パラホルムアルデヒドとして提供される。
【0041】
反応(i)のある一定の実施形態において、反応物質はケトンである。反応物質がケトンである、ある一定の実施形態において、ケトンは、式COR
2(式中、各Rは、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリールおよび置換C
6−12アリールから独立に選択される)を有する。ケトンのある一定の実施形態において、各Rは、メチル、エチルおよびプロピルから独立に選択される。ある一定の実施形態において、ケトンは、プロパン−2−オン、ブタン−2−オン、ペンタン−2−オンおよびペンタン−3−オンから選択される。
【0042】
反応(i)のある一定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、2,2’−チオジエタノールおよびホルムアルデヒドを含む反応物質の反応生成物を含み、本明細書中でチオジグリコールポリホルマールと呼ばれる。
【0043】
ある一定の実施形態において、ポリホルマールポリオールの数平均分子量は、200から6,000ダルトン、500から5,000ダルトン、1,000から5,000ダルトン、1,500から4,000ダルトンであり、ある一定の実施形態において、2,000ダルトンから3,600ダルトンである。
【0044】
ある一定の実施形態において、本開示により提供されるポリホルマールポリオールは、(ii)硫黄含有ジオールと;ポリオール1分子あたり少なくとも3個のヒドロキシル基を含有するポリオールと;アルデヒド、ケトンおよびそれらの組み合わせから選択される反応物質と、を含む反応物質の反応生成物を含む。この反応物質は、1以上のタイプの硫黄含有ジオール、1以上のタイプのポリオール、ならびに/または1以上のタイプのアルデヒドおよび/もしくはケトンを含み得る。
【0045】
反応(ii)のある一定の実施形態において、硫黄含有ジオールは、式(1)のジオール(式中、各R
3は、C
2−6アルカンジイルから独立に選択される)を含む。反応(ii)のある一定の実施形態において、硫黄含有ジオールは、2,2’−チオジエタノール、3,3’−チオビス(プロパン−1−オール)、4,4’−チオビス(ブタン−1−オール)および前述のものの何れかの組み合わせから選択される硫黄含有ジオールを含む。この反応のある一定の実施形態において、硫黄含有ジオールは、2,2’−チオジエタノールを含む。
【0046】
反応(ii)のある一定の実施形態において、硫黄含有ジオールは1つのタイプの硫黄含有ジオールを含み、ある一定の実施形態において硫黄含有ジオールの組み合わせを含む。
【0047】
反応(ii)のある一定の実施形態において、ポリオールは、ポリオール1分子あたり少なくとも3個のヒドロキシル基を含有する。例えば、ポリオールは、ポリオール1分子あたり3から10個のヒドロキシル基、ポリオール1分子あたり3から8個のヒドロキシル基、ポリオール1分子あたり3から6個のヒドロキシル基を含有し得、ある一定の実施形態において、ポリオール1分子あたり3から4個のヒドロキシル基を含有し得る。ある一定の実施形態において、ポリオールは、ポリオール1分子あたり4個のヒドロキシル基を含有し、ある一定の実施形態において、ポリオールは、ポリオール1分子あたり3個のヒドロキシル基を含有する。ポリオールは、1つのタイプのポリオールであり得るか、または、1分子あたり同じまたは異なる数のヒドロキシル基を有する異なるポリオールの組み合わせであり得る。
【0048】
ある一定の実施形態において、ポリオールは、式E(OH)
z(式中、zは、3から6の整数であり、Eは、z価のポリオールのコアを表す)を有する。ある一定の実施形態において、ポリオールは、式(2)のトリオール(zは3である):
【0049】
【化2】
(式中、各R
11は、独立にC
1−6アルカンジイルである)を含み;ある一定の実施形態において、ポリオールは、式(3)のトリオール:
【0050】
【化3】
(式中、各R
11は、独立にC
1−6アルカンジイルである)を含む。式(2)および式(3)のポリオールのある一定の実施形態において、各R
11は、C
1−4アルカンジイルから独立に選択され得、ある一定の実施形態において、C
1−3アルカンジイルから選択され得る。式(2)および式(3)のポリオールのある一定の実施形態において、各R
11は、同じであり得、ある一定の実施形態において、各R
11は異なり得る。式(2)および式(3)のポリオールのある一定の実施形態において、各R
11は、メタンジイル、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイルから選択され、ある一定の実施形態において、ブタン−1,4−ジイルである。
【0051】
反応(ii)のある一定の実施形態において、反応物質はアルデヒドである。反応物質がアルデヒドである、ある一定の実施形態において、アルデヒドは、C
1−6アルデヒド、C
1−4アルデヒド、C
1−3アルデヒドを含み、ある一定の実施形態において、C
1−2アルデヒドを含む。ある一定の実施形態において、アルデヒドは、アルキルを含み、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒドおよびブチルアルデヒドから選択される。ある一定の実施形態において、アルデヒドはホルムアルデヒドである。反応物質がホルムアルデヒドである、ある一定の実施形態において、ホルムアルデヒドは、パラホルムアルデヒドとして提供される。
【0052】
反応(ii)のある一定の実施形態において、反応物質はケトンである。反応物質がケトンである、ある一定の実施形態において、このケトンは、式C(O)R
2(式中、各Rは、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリールおよび置換C
6−12アリールから独立に選択される)を有する。ケトンのある一定の実施形態において、各Rは、メチル、エチルおよびプロピルから独立に選択される。ある一定の実施形態において、ケトンは、プロパン−2−オン、ブタン−2−オン、ペンタン−2−オン、ペンタン−3−オンおよび3−メチルブタン−2−オンから選択される。
【0053】
反応(ii)のある一定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、2,2’−チオジエタノールと、ポリオールと、ホルムアルデヒドと、を含む反応物質の反応生成物を含む。反応(ii)のある一定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、2,2’−チオジエタノールと、トリオールと、ホルムアルデヒドと、を含む反応物質の反応生成物を含む。ある一定の実施形態において、本開示により提供されるポリホルマールポリオールは、2,2’−チオジエタノールと、ホルムアルデヒドと、式(2)のトリオールと、を含む反応物質の反応生成物を含む。ある一定の実施形態において、本開示により提供されるポリホルマールポリオールは、2,2’−チオジエタノールと、ホルムアルデヒドと、式(3)のトリオールと、を含む反応物質の反応生成物を含む。
【0054】
本開示により提供されるポリホルマールポリオールを生成させるために使用される1以上のポリオールが、同じ数のヒドロキシル基を有する実施形態において、ポリホルマールポリオールは、1以上のポリオールの場合とおよそ同等であるヒドロキシル官能価を有する。例えば、ヒドロキシル官能価が3であるポリオールまたは組み合わせ中の各ポリオールのヒドロキシル官能価が3であるポリオールの組み合わせを使用してポリホルマールポリオールを調製する場合、ポリホルマールポリオールのヒドロキシル官能価は3である。ある一定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、3、4、5の平均ヒドロキシル官能価、ある一定の実施形態においては6の平均ヒドロキシル官能価を有し得る。
【0055】
異なるヒドロキシル官能価を有するポリオールを使用してポリホルマールポリオールを調製する場合、ポリホルマールポリオールは、様々な官能価を示し得る。例えば、本開示により提供されるポリホルマールポリオールは、3から12、3から9、3から6、3から4の平均ヒドロキシル官能価、ある一定の実施形態においては3.1から3.5の平均ヒドロキシル官能価を有し得る。ある一定の実施形態において、3から4の平均ヒドロキシル官能価を有するポリホルマールポリオールは、3というヒドロキシル官能価を有する1以上のポリオールと、4というヒドロキシル官能価を有する1以上のポリオールの組み合わせを反応させることによって調製され得る。
【0056】
ある一定の実施形態において、本開示により提供されるポリホルマールポリオールのヒドロキシル数は、10から100、20から80、20から60、20から50であり、ある一定の実施形態において20から40である。ヒドロキシル数は、ポリホルマールポリオールのヒドロキシル含量であり、例えばヒドロキシル基をアセチル化し、得られた酸を水酸化カリウムに対して滴定することにより決定され得る。ヒドロキシル数は、1gのポリホルマールポリオールからの酸を中和するミリグラム単位の水酸化カリウムの重量である。
【0057】
ある一定の実施形態において、本開示により提供されるポリホルマールポリオールの数平均分子量は、200から6,000ダルトン、500から5,000ダルトン、1,000から4,000ダルトン、1,500から3,500ダルトンであり、ある一定の実施形態において、2,000ダルトンから3,000ダルトンである。
【0058】
ある一定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、式(4)のポリホルマールポリオール、式(5)のポリホルマールポリオールおよびそれらの組み合わせ:
【0059】
【化4】
(式中、wは、1から50の整数から選択され;zは、3から6の整数から選択され;各R
3は、C
2−6アルカンジイルから独立に選択され;各R
4は、水素、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリールおよび置換C
6−12アリールから独立に選択され;Eは、z価の親ポリオールE(OH)
zのコアを表す)から選択されるポリホルマールポリオールを含む。
【0060】
式(4)および/または式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、各R
3はエタン−1,2−ジイルであり、各R
4は水素である。
【0061】
ある一定の実施形態において、ポリホルマールポリオールは、式(4)および/または式(5)の構造(式中、wは、1から50の整数から選択され;各R
3は、独立にC
2−6アルカンジイルであり;各R
4は、水素、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリールおよび置換C
6−12アリールから独立に選択される)を有する。
【0062】
式(4)および/または式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、各R
3は、C
2−6アルカンジイル、C
2−4アルカンジイル、C
2−3アルカンジイルから独立に選択され、ある一定の実施形態において、エタン−1,2−ジイルである。式(4)および/または式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、各R
3はエタン−1,2−ジイルである。
【0063】
式(4)および/または式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、各R
4は、水素、C
1−6アルキル、C
1−4アルキル、C
1−3アルキルから独立に選択され、ある一定の実施形態において、C
1−2アルキルである。式(4)および/または式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、各R
4は水素であり、ある一定の実施形態において、メチルであり、ある一定の実施形態において、エチルである。
【0064】
式(4)および/または式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、各R
3は同じであり、C
2−3アルカンジイル、例えばエタン−1,2−ジイルおよびプロパン−1,3−ジイルなどから選択され;各R
4は同じであり、水素およびC
1−3アルキル、例えばメチル、エチルおよびプロピルなどから選択される。式(4)および/または式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、各R
3はエタン−1,2−ジイルである。式(4)および/または式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、各R
4は水素である。式(4)および/または式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、各R
3はエタン−1,2−ジイルであり、各R
4は水素である。
【0065】
式(4)および/または式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、wは、1から50の整数、2から40の整数、4から30の整数であり、ある一定の実施形態において、wは7から30の整数である。
【0066】
ある一定の実施形態において、式(4)および/または式(5)のポリホルマールポリオールの数平均分子量は、200から6,000ダルトン、500から5,000ダルトン、1,000から5,000ダルトン、1,500から4000ダルトンであり、ある一定の実施形態において、2,000ダルトンから3,600ダルトンである。
【0067】
式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、zは3であり、zは4であり、zは5であり、ある一定の実施形態において、zは6である。
【0068】
zが3である式(5)のポリホルマールポリオールのある一定の実施形態において、親ポリオールE(OH)
zは、式(2)のトリオール:
【0069】
【化5】
(式中、各R
11は、独立にC
1−6アルカンジイルである)であり;ある一定の実施形態において、式(3)のトリオール:
【0070】
【化6】
(式中、各R
11は、独立にC
1−6アルカンジイルである)である。従って、これらの実施形態において、Eは、それぞれ構造:
【0071】
【化7】
(式中、各R
11は、独立にC
1−6アルカンジイルである)を有する。
【0072】
ジイソシアネートをポリホルマールポリオールと反応させることによって、ポリホルマール−イソシアネートプレポリマーが形成され得る。ある一定の実施形態において、ジイソシアネートとポリホルマールポリオールとのモル比は、2:1より大きく、2.3:1より大きく、2.6:1より大きく、ある一定の実施形態において、3:1より大きい。
【0073】
ポリホルマールポリオールをジイソシアネートと反応させて、ジイソシアネート−ポリホルマールポリオール付加物を形成させることによって、ポリホルマール−イソシアネートプレポリマーが形成され得る。次いで、さらなるポリホルマールポリオールおよびジイソシアネートを反応させて、ジイソシアネートが末端にあるポリホルマールオリゴマーを提供することによって、付加物をオリゴマー化し得る。ある一定の実施形態において、ポリホルマール−イソシアネートプレポリマーは、未反応ジイソシアネート、2:1ジイソシアネート−ポリホルマールポリオール付加物およびジイソシアネートが末端にあるポリホルマールオリゴマーの組み合わせを含む。H
12MDIが末端にあるチオジグリコールポリホルマール−イソシアネートプレポリマーを形成するためにチオジグリコールポリホルマールおよびH
12MDIを用いる反応順序の例は、
図1(式中、wは1から50の整数であり、yは2から15の整数である)で示される。
【0074】
ポリホルマールポリマーを調製するために使用される反応は、酸性触媒、例えば硫酸、スルホン酸またはそれらの組み合わせなどの存在下で行われ得る。ある一定の実施形態において、スルホン酸が使用され得る。スルホン酸の例としては、アルキルスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、tert−ブタンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸およびシクロへキシルスルホン酸など;アルケンスルホン酸、例えばα−オレフィンスルホン酸、二量体化α−オレフィンスルホン酸および2−ヘキセンスルホン酸など;芳香族スルホン酸、例えばパラ−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸など;およびポリマー支持スルホン酸、例えばDow Chemicalから市販されているAMBERLYST
(商標)スルホン酸触媒などが挙げられる。
【0075】
ある一定の実施形態において、ポリホルマール−イソシアネートプレポリマーは、ポリホルマールポリオールおよび脂肪族ジイソシアネートの反応生成物を含む。
【0076】
ポリホルマールポリオールと反応させるための、適切な脂肪族ジイソシアネートの例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ジイソシアナト−2−メチルペンタン、メチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノアート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,2,4−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)シクロ[2.2.1.]ヘプタン、1,3,3−トリメチル−1−(イソシアナトメチル)−5−イソシアナトシクロヘキサン、1,8−ジイソシアナト−2,4−ジメチルオクタン、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンジメチルジイソシアネートおよび1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)および4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H
12MDI)が挙げられる。
【0077】
ポリホルマールポリオールと反応させるための、適切な脂環式脂肪族ジイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−1,2−エタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンおよび2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンが挙げられる。
【0078】
ある一定の実施形態において、ポリホルマール−イソシアネートプレポリマーは、ポリホルマールポリオールおよび、IPDI、HDIトリマー、H
12MDIおよび前述のものの何れかの組み合わせから選択される脂肪族ジイソシアネートの反応生成物を含む。HDIトリマーの例としては、例えば、1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)、DESMODUR
(登録商標)N3300、DESMODUR
(登録商標)N3368、DESMODUR
(登録商標)N3386、DESMODUR
(登録商標)N3390、DESMODUR
(登録商標)N3600、DESMODUR
(登録商標)N3800、DESMODUR
(登録商標)XP2731、DESMODUR
(登録商標)XP2742、DESMODUR
(登録商標)XP2675およびDESMODUR
(登録商標)N2714が挙げられる。
【0079】
ある一定の実施形態において、ポリホルマール−イソシアネートプレポリマーは、ポリホルマールポリオールおよび4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H
12MDI)の反応生成物を含む。
【0080】
ある一定の実施形態において、アミンは、ポリアミン、例えばジアミンなどを含む。ある一定の実施形態において、アミン硬化剤は、芳香族ジアミン、例えば、ジメチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミンまたはそれらの組み合わせを含む。ある一定の実施形態において、芳香族ジアミンは、ジメチルチオトルエンジアミン、例えば、95%から97%のジメチルチオトルエンジアミン、2%から3%のモノメチルチオトルエンジアミン(このジメチルチオトルエンジアミンは、3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンおよび主要な異性体としての3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンの組み合わせを含む)を含む、ETHACURE
(登録商標)300などを含む。ある一定の実施形態において、芳香族ジアミンは、ジエチルチオトルエンジアミン、例えば、75%から81%のジエチルトルエン−2,4−ジアミンおよび18%から20%の3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンを含むETHACURE
(登録商標)100などを含む。ある一定の実施形態において、本組成物は、アミンに対してモル当量過剰のイソシアネートを含み、例えば、1.01から1.2、1.02から1.1、1.02から1.08、1.03から1.07など、ある一定の実施形態において、1.05のモル当量過剰である。
【0081】
ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、ポリホルマールポリオールおよび第一のジイソシアネートを含む反応物質の反応生成物を含むポリホルマール−イソシアネートプレポリマーと、ポリチオエーテルポリオールおよび第二のジイソシアネートを含む反応物質の反応生成物を含むポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーと、アミンを含む硬化剤と、を含む。
【0082】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、ポリチオエーテルジオール、ポリチオエーテルトリオールおよびそれらの組み合わせから選択されるポリチオエーテルポリオールを含む。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、ポリチオエーテルジオールおよびポリチオエーテルトリオールの組み合わせを含む。
【0083】
ポリチオエーテルポリオールとは、末端ヒドロキシル基を有するポリチオエーテルを指す。本明細書中で使用される場合、「ポリチオエーテル」という用語は、少なくとも2個のチオエーテル結合、すなわち「−CR
2−S−CR
2−」基、を含有する化合物を指す。ある一定の実施形態において、このような化合物はポリマーである。本明細書中で使用される場合、「ポリマー」は、オリゴマーならびに、ホモポリマーおよびコポリマーの両方を指す。別段の断りがない限り、分子量は、例えば当技術分野で認識される方式のポリスチレン標準物質を用いたゲル浸透クロマトグラフィーにより決定され得るような、「Mn」として示されるポリマー性材料に対する数平均分子量である。
【0084】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、式(6)のポリチオエーテルポリオール;式(7)のポリチオエーテルポリオールおよびそれらの組み合わせ:HO−R
1−[−S−(CH
2)
2−O−[−R
2−O−]
m−(CH
2)
2−S−R
1−]
n−OH
(6)
{HO−R
1−[−S−(CH
2)
2−O−[−R
2−O−]
m−(CH
2)
2−S−R
1−]
n−O−}
z−B
(7)
(式中、各R
1は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイル、−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−および−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−(式中、少なくも1個の−CH
2−基がメチル基で置換される)から独立に選択され;各R
2は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイルおよび−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−から独立に選択され;Xは、−O−、−S−および−NR
10−(式中、R
10は水素およびメチルから選択される)から選択され;Zは、z価の多官能化剤(polyfunctionalizing agent)B(R
8)
zのコア(式中、各R
8は、末端−SHおよび/または末端−CH=CH
2基と反応性がある基である)を表し;各mは、0から10の有理数から独立に選択され;各nは、1から60の整数から独立に選択され;各pは、2から6の整数から独立に選択され;各qは、0から5の整数から独立に選択され;各rは、2から10の整数から独立に選択され;zは、3から6の整数から選択される)から選択されるポリオールを含む。ある一定の実施形態において、Bは、米国特許第4、366,307号;同第4,609,762号、同第5,225,472号で開示されるものなどの多官能化剤のコアを表し、この場合多官能化剤とは、末端−SHおよび/または末端−CH=CH
2基と反応性がある3以上の部分を有する化合物を指す。
【0085】
式(6)および式(7)のポリチオエーテルポリオールは、全般的に、例えば、その全体において参照により組み込まれる、米国特許第6,172,179号で開示される。
【0086】
ポリチオエーテルポリオールは、ポリチオエーテルジオール、ポリチオエーテルトリオール、4から6の官能価を有するポリチオエーテルポリオールまたは前述のものの何れかの組み合わせを含み得る。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、ポリチオエーテルジオールおよびポリチオエーテルトリオールの組み合わせを含む。例えば、ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、式(9)のポリチオエーテルジオール:
HO−(CH
2)
4−O−(CH
2)
2−[−S−{(CH
2)
2−O}
2−(CH
2)
2−S−{(CH
2)
2−O}
3−(CH
2)
2−]
n−S−{(CH
2)
2−O}
2−(CH
2)
2−S−(CH
2)
2−O−(CH
2)
4−OH
(9)
および式(10)のポリチオエーテルトリオール:
【0087】
【化8】
(式中、各Aは、式(11)の部分:
HO−(CH
2)
4−O−(CH
2)
2−S−{(CH
2)
2−O}
2−(CH
2)
2−S−[−{(CH
2)
2−O}
3−(CH
2)
2−S−{(CH
2)
2−O}
2−(CH
2)
2−S−]
n−(CH
2)
2−
(11)
(式中、nは、1から60の整数から選択され、ある一定の実施形態において、7から30の整数である)である)の組み合わせを含む。
【0088】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、式(12)を有する構造:
−R
1−[−S−(CH
2)
2−O−[−R
2−O−]
m−(CH
2)
2−S−R
1−]
n−
(12)
(式中、
各R
1は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイル、−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−および−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−(式中、少なくとも1個の−CH
2−基がメチル基で置換される)から独立に選択され;
各R
2は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイルおよび−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−から独立に選択され;
各Xは、−O−、−S−および−NR
10−(式中、R
10は、水素およびメチルから選択される)から選択され;
各mは、0から10の有理数から独立に選択され;
各nは、1から60の整数から独立に選択され;
各pは、2から6の整数から独立に選択され;
各qは、0から5の整数から独立に選択され;
各rは、2から10の整数から独立に選択される)を含む。
【0089】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、式(13)のポリチオエーテルポリオール:
R
4−[R
3]
y−A−[R
3]
y−R
4
(13)
(式中、
各Aは、式(12)の構造を有し;
各yは、0および1から独立に選択され;
各R
3は、yが0である場合、単結合であるか;または各R
3は、yが1である場合、独立に−S−(CH
2)
2−[−O−R
2−]
m−O−であり;
各R
4は、yが0である場合、独立に−S−(CH
2)
2+s−O−R
5であるか;または各R
4は、yが1である場合、独立に−(CH
2)
2−S−R
5であり;
各mは、0から10の有理数から独立に選択され;
各sは、0から10の整数から独立に選択され;
各R
5は、独立に−(CH
2)
t−OH(各tは1から6の整数から独立に選択される)である)を含む。
【0090】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、式(14)のポリチオエーテルポリオール:
B−(A−[R
3]
y−R
4)
z
(14)
(式中、
Aは、独立に式(12)の構造を有し;
各yは、0および1から独立に選択され;
各R
3は、yが0である場合、単結合であるか;または各R
3は、yが1である場合、独立に−S−(CH
2)
2−[−O−R
2−]
m−O−であり;
各R
4は、yが0である場合、独立に−S−(CH
2)
2+s−O−R
5であるか;または各R
4は、yが1である場合、独立に−(CH
2)
2−S−R
5であり;
各R
5は、独立に−(CH
2)
t−OH(各tは、1から6の整数から独立に選択される)であり;
各mは、0から10の有理数から独立に選択され;
各sは、0から10の整数から独立に選択され;
zは、3から6の整数から独立に選択され;
Bは、多官能化剤B(R
8)
zのz価の残基(各R
8は、末端−SHおよび/または末端−CH=CH
2基と反応性がある部分である)である)を含む。
【0091】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、式(13)のポリチオエーテルポリオールおよび式(14)のポリチオエーテルポリオールの組み合わせを含む。
【0092】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、チオールが末端にあるポリチオエーテルおよびヒドロキシル官能性ビニルエーテルの反応生成物を含む。チオールが末端にあるポリチオエーテルの調製は、例えば米国特許第6,172,179号で開示されている。
【0093】
例えば、ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、(n+1)モルの1以上の式(15)のジチオール:
HS−R
1−SH
(15)
(式中、R
1は、式(12)に対して定義されるとおりである)を、(n)モルの1以上の式(16)のジビニルエーテル:
CH
2=CH−O−[−R
2−O−]
m−CH=CH
2
(16)
(式中、R
2およびmは、式(12)に対して定義されるとおりである)と適切な触媒存在下で反応させることによって、調製され得る。ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、前述の反応の生成物を含む。
【0094】
式(15)の化合物はジチオールである。ジチオールのある一定の実施形態において、R
1は、C
2−6n−アルカンジイル、例えば1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオールおよび1,6−ヘキサンジチオールである。
【0095】
式(15)のジチオールのある一定の実施形態において、R
1は、例えばメチルまたはエチル基であり得る1以上の懸垂(pendent)基を有する、C
3−6分岐状アルカンジイル基である。R
1が分岐状アルカンジイルであるジチオールのある一定の実施形態において、ジチオールは、1,2−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオールおよび1,3−ジチオ−3−メチルブタンから選択される。他の適切なジチオールとしては、R
1がC
6−8シクロアルカンジイルまたはC
6−10アルキルシクロアルカンジイル、例えば、ジペンテンジメルカプタンまたはエチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)である、式(15)の化合物が挙げられる。
【0096】
ある一定の実施形態において、ジチオールは、炭素骨格において、1以上のヘテロ原子置換基を含み、例えば、Xがヘテロ原子、例えばO、Sもしくは別の二価ヘテロ原子ラジカルなど、二級もしくは三級アミン基、すなわち−NR
6−(式中、R
6は、水素またはメチルである)または別の置換三価ヘテロ原子であるジチオールである。ジチオールのある一定の実施形態において、R
1が、例えば、−[(−CH
2−)
p−O−]
q−(−CH
2−)
r−または−[(−CH
2−)
p−S−]
q−(−CH
2−)
r−となるように、XはOまたはSである。ジチオールのある一定の実施形態において、pおよびrは、同じであり、ある一定の実施形態において、pおよびrのそれぞれは2である。ある一定の実施形態において、ジチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)、ジメルカプトジオキサオクタン(DMDO)および1,5−ジチア−3−オキサペンタンから選択される。ジチオールのある一定の実施形態において、ジチオールは、炭素骨格においてヘテロ原子置換基を含み、懸垂アルキル基、例えばメチル基などを含む。ある一定の実施形態において、ジチオールは、メチル置換DMDS、例えばHS−CH
2CH(CH
3)−S−CH
2CH
2−SH、HS−CH(CH
3)CH
2−S−CH
2CH
2−SHなど、およびジメチル置換DMDS、例えばHS−CH
2CH(CH
3)−S−CH(CH
3)CH
2−SHおよびHS−CH(CH
3)CH
2−S−CH
2CH(CH
3)−SHなどから選択される。
【0097】
式(16)の化合物は、ジビニルエーテルである。ジビニルエーテルそのもの(mは0である)を使用することができる。ある一定の実施形態において、ジビニルエーテルとしては、少なくとも1個のオキシアルカンジイル基、ある一定の実施形態においては1から4のオキシアルカンジイル基を有する化合物(すなわちmが1から4の整数から選択される化合物)が挙げられる。式(16)の化合物のある一定の実施形態において、mは、2から4の整数から選択される。本開示に従いポリチオエーテルを作製することにおいて、市販のジビニルエーテル混合物を使用することも可能である。このような混合物は、1分子あたりのアルコキシ単位数に対する非整数平均値を特徴とし得る。従って、式(16)のmはまた、0から10の間の非整数の有理値も取り得、ある一定の実施形態において、1から10、ある一定の実施形態において1から4、ある一定の実施形態において、2から4である。
【0098】
適切なジビニルエーテルの例としては、R
2がC
2−6アルカンジイル、例えばエチレングリコールジビニルエーテル(EG−DVE)など;ブタンジオールジビニルエーテル(BD−DVE);ヘキサンジオールジビニルエーテル(HD−DVE);ジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE));トリエチレングリコールジビニルエーテル;およびテトラエチレングリコールジビニルエーテルである化合物が挙げられる。適切なジビニルエーテルブレンド物としては、PLURIOL
(登録商標)−タイプブレンド物、例えばPLURIOL
(登録商標)E−200ジビニルエーテル(BASFより市販)など、およびDPEポリマー性ブレンド物、例えばDPE−2およびDPE−3(International Specialty Products,Wayne,NJより市販)などが挙げられる。ある一定の実施形態において、式(16)のジビニルエーテルは、DEG−DVEおよびPLURIOL
(登録商標)E−200から選択される。R
2がC
2−6分岐状アルカンジイルであるジビニルエーテルは、ポリヒドロキシ化合物をアセチレンと反応させることにより調製され得る。これらのジビニルエーテルの例としては、R
2がアルキル置換メチレン基、例えば−CH(CH
3)−など、およびアルキル置換エチレン、例えば−CH
2CH(CH
3)−などである化合物が挙げられる。
【0099】
ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、(n+1)モルの1以上の式(16)のジビニルエーテルの化合物;および(n)モルの1以上の式(15)のジチオールを;好適で適切な触媒の存在下で反応させることによって、調製され得る。ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、前述の反応の生成物を含む。
【0100】
ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、(n+1)モルの1以上の式(15)のジチオールの化合物;および(n)モルの1以上の式(16)のジビニルエーテルを;好適で適切な触媒の存在下で反応させることによって、調製され得る。ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、前述の反応の生成物を含む。
【0101】
多官能性チオールが末端にあるポリチオエーテルは、例えば、(n+1)モルの1以上の式(15)のジチオール;(n)モルの1以上の式(16)のジビニルエーテル;および1以上のz価の多官能化剤を;適切な触媒の存在下で反応させることによって、調製され得る。ある一定の実施形態において、多官能性チオールが末端にあるポリチオエーテルは、前述の反応の生成物を含む。
【0102】
多官能化剤は、末端−SHおよび/または末端−CH=CH
2基と反応性がある、3から6の部分など、2を超える部分を有する化合物である。多官能化剤は、式(17):
B−(R
8)
z
(17)
(式中、各R
8は、末端−SHおよび/または末端−CH=CH
2基と反応性のある基から独立に選択され、zは、3から6の整数から選択される)により表され得る。多官能化剤の例としては、トリアリルシアヌラート(TAC)および1,2,3−プロパントリチオールが挙げられる。他の適切な多官能化剤としては、トリメチロールプロパントリビニルエーテルならびに、米国特許第4,366,307号、同第4,609,762号、同第5,225,472号および同第6,172,179号で開示されるポリチオールが挙げられる。
【0103】
ある一定の実施形態において、多官能性チオールが末端にあるポリチオエーテルはまた、(n)モルの1以上の式(15)のジチオール;(n+1)モルの1以上の式(16)のジビニルエーテル;および1以上のz価の多官能化剤を;適切な触媒存在下で反応させることによっても調製され得る。ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、前述の反応の生成物を含む。
【0104】
ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、1以上の式(15)のジチオール;1以上の式(16)のジビニルエーテル;および1以上の多官能化剤を;適切な触媒存在下で、例えば30℃から120℃の温度で2時間から24時間反応させることによって、調製され得る。ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、前述の反応の生成物を含む。
【0105】
次に、チオールが末端にあるポリチオエーテルをヒドロキシ官能性ビニルエーテルと反応させて、ポリチオエーテルポリオールを提供し得る。チオールが末端にあるポリチオエーテルと反応させるために有用な、適切なヒドロキシ官能性ビニルエーテルの例としては、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメチロールモノビニルエーテル、1−メチル−3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルおよび前述のものの何れかの組み合わせが挙げられる。ある一定の実施形態において、ヒドロキシ官能性ビニルエーテルは、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルである。
【0106】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、60%から95%のポリチオエーテルジオールおよび5%から40%のポリチオエーテルトリオールを含むが、この場合%はモル%を指す。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、70%から90%のポリチオエーテルジオールおよび10%から30%のポリチオエーテルトリオールを含むが、この場合%はモル%を指す。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、75%から85%のポリチオエーテルジオールおよび15%から25%のポリチオエーテルトリオールを含むが、この場合%はモル%を指す。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、80%のポリチオエーテルジオールおよび20%のポリチオエーテルトリオールを含むが、この場合%はモル%を指す。
【0107】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、60%から95%の式(10)のポリチオエーテルジオールおよび5%から40%の式(11)のポリチオエーテルトリオールを含むが、この場合%はモル%を指す。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、70%から90%の式(10)のポリチオエーテルジオールおよび10%から30%の式(11)のポリチオエーテルトリオールを含むが、この場合%はモル%を指す。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、75%から85%の式(10)のポリチオエーテルジオールおよび15%から25%の式(11)のポリチオエーテルトリオールを含むが、この場合%はモル%を指す。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、80%の式(10)のポリチオエーテルジオールおよび20%の式(11)のポリチオエーテルトリオールを含むが、この場合%はモル%を指す。
【0108】
ある一定の実施形態において、本開示により提供されるポリチオエーテルポリオールのヒドロキシル数は、10から100、20から100、20から80、20から60であり、ある一定の実施形態において20から40である。ヒドロキシル数は、ポリチオエーテルポリオールのヒドロキシル含量であり、例えばヒドロキシル基をアセチル化し、得られた酸を水酸化カリウムに対して滴定することにより決定され得る。ヒドロキシル数は、1gのポリチオエーテルポリオールからの酸を中和するミリグラム単位の水酸化カリウムの重量である。
【0109】
ある一定の実施形態において、本開示により提供されるポリチオエーテルポリオールの数平均分子量は、200から6,000ダルトン、500から5,000ダルトン、1,000から4,000ダルトン、1,500から3,500ダルトンであり、ある一定の実施形態において、2,000ダルトンから3,000ダルトンである。
【0110】
本開示により提供されるポリチオエーテルポリオールは、50%から90%のポリチオエーテルジオールおよび10%から50%のポリチオエーテルトリオールを含み得、ある一定の実施形態において、70%から90%のポリチオエーテルジオールおよび10%から30%のポリチオエーテルトリオールを含み得る。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、70%から90%の式(6)のポリチオエーテルジオールおよび10%から30%の式(7)のポリチオエーテルトリオールを含むポリチオエーテルポリオールの組み合わせを含むが、ここでwt%は、ポリチオエーテルポリオールの総官能価に対するものである。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、70%から90%の式(10)のポリチオエーテルジオールおよび10%から30%の式(11)のポリチオエーテルトリオールを含むポリチオエーテルポリオールの組み合わせを含むが、ここでwt%は、ポリチオエーテルポリオールの総官能価に対するものである。
【0111】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテルポリオールは、ポリチオエーテルポリオールの組み合わせを含み、ポリチオエーテルポリオールの組み合わせの平均官能価は、2.1から4、3から4、2.5から3.5であり、ある一定の実施形態において2.1から2.5である。
【0112】
ポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーは、ジイソシアネートをポリチオエーテルポリオールと反応させることによって形成され得る。ある一定の実施形態において、ジイソシアネートとポリチオエーテルポリオールとのモル比は、2:1より大きく、2.3:1より大きく、2.6:1より大きく、ある一定の実施形態において、3:1より大きい。
【0113】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーは、ポリチオエーテルポリオールおよび脂肪族ジイソシアネートの反応生成物を含む。
【0114】
ポリチオエーテルポリオールと反応させるための、適切な脂肪族ジイソシアネートの例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ジイソシアナト−2−メチルペンタン、メチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノアート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,2,4−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート、2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)シクロ[2.2.1.]ヘプタン、1,3,3−トリメチル−1−(イソシアナトメチル)−5−イソシアナトシクロヘキサン、1,8−ジイソシアナト−2,4−ジメチルオクタン、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンジメチルジイソシアネートおよび1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)および4,4−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H
12MDI)が挙げられる。
【0115】
ポリチオエーテルポリオールと反応させるための、適切な脂環式脂肪族ジイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−1,2−エタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンおよび2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンが挙げられる。
【0116】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーは、ポリチオエーテルポリオールおよび、IPDI、HDIトリマー、H
12MDIおよび前述のものの何れかの組み合わせから選択される脂肪族ジイソシアネートの反応生成物を含む。
【0117】
ある一定の実施形態において、ポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーは、ポリチオエーテルポリオールおよび4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H
12MDI)の反応生成物を含む。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーは、式(10)のポリチオエーテルジオールと式(11)のポリチオエーテルトリオールとの80wt%/20wt%の組み合わせおよび4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H
12MDI)の反応生成物を含む。ある一定の実施形態において、ポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーは、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルおよび式(10)のポリチオエーテルジオールと式(11)のポリチオエーテルトリオールとの80wt%/20wt%の組み合わせの2:1チオ−エン付加物および4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H
12MDI)の反応生成物を含む。
【0118】
第一および第二のジイソシアネートは、同じまたは異なり得る。ある一定の実施形態において、第一および第二のジイソシアネートは、1以上の脂肪族ジイソシアネートを含む。ある一定の実施形態において、第一および第二のジイソシアネートは、IPDI、HDIトリマー、H
12MDIおよび前述のものの何れかの組み合わせから選択される。ある一定の実施形態において、第一のジイソシアネートおよび第二のジイソシアネートの両方とも、4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H
12MDI)を含む。
【0119】
ポリチオエーテルポリオールは、例えばチオールが末端にあるポリチオエーテルをヒドロキシ官能性ビニルエーテルと反応させて、ポリチオエーテルポリオールを提供することによっても調製され得る。ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、ポリチオエーテルジチオール、ポリチオエーテルトリチオールおよびそれらの組み合わせから選択されるチオールが末端にあるポリチオエーテルを含み得る。ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、その全体において参照により組み込まれる米国特許第6,172,179号で開示される、チオールが末端にあるポリチオエーテルまたはそれらの組み合わせの何れかである。ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、ポリチオエーテルジチオールおよびポリチオエーテルトリチオールの組み合わせ、例えばPermapol
(登録商標)3.1E(PRC−DeSoto Internationalより入手可能)などである。ある一定の実施形態において、チオールが末端にあるポリチオエーテルは、1以上の式(15)のジチオール;1以上の式(16)のジビニルエーテル;および1以上の多官能化剤の反応生成物を含む。次に、ポリチオエーテルポリオールをジイソシアネート、例えば4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H
12MDI)などと反応させて、ポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーを提供し得る。
【0120】
ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、アミン触媒、有機金属触媒または酸性触媒などの触媒を含む。適切なアミン触媒の例としては、例えば、トリエチレンジアミン(triethylenediame)(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、DABCO)、ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、ジメチルエタノールアミン(DMEA)、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチル−ビス(アミノエチル)エーテルおよびN’−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。適切な有機金属触媒の例としては、例えば、水銀、鉛、スズ(ジラウリン酸ジブチルスズ、酸化ジブチルスズ、ジオクチルスズメルカプチド)およびビスマス(オクタン酸ビスマス)が挙げられる。ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、カルボン酸触媒、例えば、ギ酸(メタン酸)、酢酸(エタン酸)、プロピオン酸(プロパン酸)、酪酸(ブタン酸)、吉草酸(ペンタン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、エナント酸(ヘプタン酸)、カプリル酸(ヘプタン酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸)、カプリン酸(デカン酸)または前述のものの何れかの組み合わせを含む。ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、ペラルゴン酸を含む。
【0121】
ある一定の実施形態において、組成物は、ポリホルマールポリオールおよび第一の脂肪族ジイソシアネートの反応生成物を含むポリホルマール−イソシアネートプレポリマーと;ポリチオエーテルポリオールおよび第二の脂肪族ジイソシアネートの反応生成物を含むポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーと;芳香族ジアミンと、を含む、反応物質の反応生成物を含む。ある一定の実施形態において、第一のジイソシアネートおよび第二のジイソシアネートは、H
12MDIを含み、ある一定の実施形態において、芳香族ジアミンは、ジメチルチオトルエンジアミンを含む。
【0122】
ある一定の実施形態において、組成物は、(a)ポリチオエーテルポリオールおよびH
12MDI(このポリチオエーテルポリオールは、Permapol
(登録商標)P3.1Eおよびヒドロキシブチルビニルエーテルの反応生成物を含み、H
12MDIとポリチオエーテルポリオールとのモル比は2対1より大きい)の反応生成物を含むポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーと;(b)式(18)のポリホルマールジオールおよびH
12MDI;
【0123】
【化9】
(式中、wは、1から50の整数から選択され;各R
3はエタン−1,2−ジイルであり;H
12MDIとポリホルマールジオールとのモル比は2対1より大きい)の反応生成物を含むポリホルマール−イソシアネートプレポリマーと;(c)ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミンおよびそれらの組み合わせから選択される芳香族ジアミンと、を含む、反応物質の反応生成物を含む。
【0124】
上記組成物のある一定の実施形態において、式(18)のポリホルマールジオール中のwは、7から30であり得る。上記組成物のある一定の実施形態において、本組成物は、70wt%から90wt%のポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーおよび10wt%から30wt%のポリホルマール−イソシアネートプレポリマーを含むが、ここでwt%は、組成物中のプレポリマーの総重量%に対するものである。上記組成物のある一定の実施形態において、本組成物は、45wt%から85wt%のポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーおよび15wt%から55wt%のポリホルマール−イソシアネートプレポリマーを含み、ここでwt%は、組成物中のポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーとポリホルマール−イソシアネートプレポリマーとの総重量に対するものである。上記組成物のある一定の実施形態において、本組成物は、55wt%から75wt%のポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーおよび25wt%から45wt%のポリホルマール−イソシアネートプレポリマーを含み、ここでwt%は、組成物中のポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーとポリホルマール−イソシアネートプレポリマーとの総重量に対するものである。上記組成物のある一定の実施形態において、芳香族ジアミンは、ジメチルチオトルエンジアミン、例えばETHACURE
(登録商標)300などを含む。
【0125】
ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、45wt%から85wt%のポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーおよび15wt%から55wt%のポリホルマール−イソシアネートプレポリマーを含み、ここでwt%は、組成物中のポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーとポリホルマール−イソシアネートプレポリマーとの総重量に対するものである。ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、55wt%から75wt%のポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーおよび25wt%から45wt%のポリホルマール−イソシアネートプレポリマーを含み、ここでwt%は、組成物中のポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーとポリホルマール−イソシアネートプレポリマーとの総重量に対するものである。
【0126】
ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、少なくとも1つの充填剤、例えば、本組成物の比重を低下させることにおいて有効である充填剤などを含む。ある一定の実施形態において、組成物の比重は、0.8から1、0.7から0.9、0.75から0.85であり、ある一定の実施形態において、0.8である。本組成物の比重を低下させるための適切な充填剤としては、例えば、Expancel微小球体(AkzoNobelより入手可能)またはDUALITE
(登録商標)低密度ポリマー微小球体(Henkelより入手可能)などの中空微小球体が挙げられる。
【0127】
組成物の特性
ある一定の実施形態において、本開示により提供されるポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーおよびポリホルマール−イソシアネートプレポリマーは、室温で液体である。ある一定の実施形態において、Brookfield CAP 2000粘度計を用いてASTM D−2849§79−90に従い測定して、プレポリマーの粘度は、100%固体で、25℃の温度および760mmHgの圧力で、約500ポイズを超えず、例えば10から300ポイズまたは、一部の場合において、100から200ポイズである。
【0128】
用途
本開示により提供される組成物は、シーラント、コーティングおよび/また電気ポッティング(electrical potting)組成物として使用され得る。シーラント組成物とは、湿気および温度などの大気条件に耐え、水、燃料および他の液体および気体などの材料の透過を少なくとも一部は阻止することができるフィルムを生成させることが可能な組成物を指す。ある一定の実施形態において、本発明のシーラント組成物は、例えば、航空宇宙用シーラントおよび燃料タンクに対するライニングとして有用である。
【0129】
ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、10wt%から90wt%の本開示により提供されるポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーおよびポリホルマール−イソシアネートプレポリマー、20wt%から80wt%、30wt%から70wt%、ある一定の実施形態においては40wt%から60wt%の本開示により提供される硫黄含有ポリマーを含む(wt%は組成物の全不揮発性成分の総重量(すなわち乾燥重量)に対するものである)。ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、10wt%から90wt%の本開示により提供されるポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーおよびポリホルマール−イソシアネートプレポリマー、20wt%から90wt%、30wt%から90wt%、40wt%から90wt%、50wt%から90wt%、60wt%から90wt%、70wt%から90wt%、ある一定の実施形態においては80wt%から90wt%の本開示により提供される硫黄含有ポリマーを含む(wt%は組成物の全不揮発性成分の総重量(すなわち乾燥重量)に対するものである)。
【0130】
本開示により提供される組成物は、1以上の異なるタイプの充填剤を含有し得る。適切な充填剤としては、無機充填剤、例えばカーボンブラックおよび炭酸カルシウム(CaCO
3)など、および軽量充填剤を含め、当技術分野で一般的に公知であるものが挙げられる。適切な軽量充填剤としては、例えば米国特許第6,525,168号に記載のものが挙げられる。ある一定の実施形態において、組成物は、組成物の総乾燥重量に対して、5wt%から60wt%の充填剤または充填剤の組み合わせ、10wt%から50wt%、ある一定の実施形態において20wt%から40wt%の充填剤または充填剤の組み合わせを含む。
【0131】
理解され得るとおり、組成物中で使用されるポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマー、ポリホルマール−イソシアネートプレポリマー、アミンおよび充填剤ならびに何らかの添加剤は、互いに相溶性となるように選択され得る。
【0132】
本開示により提供される組成物は、1以上の着色剤、揺変剤(thixotropic
agent)、硬化促進剤、硬化遅延剤、接着促進剤、溶媒、マスキング剤または前述のものの何れかの組み合わせを含み得る。
【0133】
本明細書中で使用される場合、「着色剤」という用語は、組成物に色彩および/またはその他の不透明性および/またはその他の視覚効果を付与する何らかの物質を意味する。着色剤は、離散粒子、分散物、溶液および/またはフレークなどの、何らかの適切な形態のものであり得る。単一の着色剤、または2種類以上の着色剤の組み合わせを組成物中で使用し得る。
【0134】
着色剤の例としては、顔料、染料および色付け剤(tint)、例えば、塗料工業で使用される、および/またはDry Color Manufacturers Association(DCMA)で列挙されるものならびに特殊効果組成物が挙げられる。着色剤は、例えば、不溶性であるが使用条件下で湿潤性である微粉化固形粉末を含み得る。着色剤は、有機性または無機性であり得、凝集性であり得るかまたは非凝集性であり得る。着色剤は、アクリル粉砕ビヒクルなどの粉砕ビヒクル(grind vehicle)の使用によって、組成物に組み込まれ得る。顔料および/または顔料組成物の例としては、カルバゾールジオキサジン粗製顔料、アゾ、モノアゾ、ジアゾ、ナフトールAS、塩タイプ(フレーク)、ベンゾイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、多環式フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジケトピロロピロール、チオインディゴ、アントラキノン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、ピラントロン、アントアントロン、ジオキサジン、トリアリールカルボニウム、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロールレッド(「DPPBOレッド」)、二酸化チタン、カーボンブラックおよび前述のものの何れかの組み合わせが挙げられる。染料の例としては、溶剤型および/または水性のもの、例えばフタログリーンまたはブルー、酸化鉄、バナジウム酸ビスマス、アントラキノン、ペリレンおよびキナクリドンなどが挙げられる。色付け剤(tint)の例としては、Degussa Inc.から市販されているAQUA−CHEM896、Eastman Chemical Inc.のAccurate Dispersions divisionから市販されているCHARISMA COLORANTSおよびMAXITONER INDUSTRIAL COLORANTSなどの、水性または水混和性の担体中で分散された顔料が挙げられる。
【0135】
上述のように、着色剤は、例えばナノ粒子分散物を含む、分散物の形態であり得る。ナノ粒子分散物は、所望の可視色および/または不透明性および/または視覚効果を生じる、1以上の高分散ナノ粒子着色剤および/または着色剤粒子を含み得る。ナノ粒子分散物は、150nm未満、例えば70nm未満または30nm未満などの粒径を有する顔料または染料などの着色剤を含み得る。ナノ粒子は、0.5mm未満の粒径を有する粉砕媒体を用いてストックの有機または無機顔料を粉砕することにより作製され得る。ナノ粒子分散物およびそれらの作製方法の例は、米国特許第6,875,800号で開示される。ナノ粒子分散物は、結晶化、沈殿、気相凝縮および/または化学的摩耗(すなわち部分溶解)によっても作製され得る。コーティング中のナノ粒子の再凝集を最小限に抑えるために、樹脂コーティングされたナノ粒子の分散物が使用され得る。本明細書中で使用される場合、「樹脂コーティングされたナノ粒子の分散物」は、ナノ粒子およびこのナノ粒子上の樹脂コーティングを含む、分散された目立たない「複合微粒子」が分散されている連続相を指す。樹脂コーティングされたナノ粒子を含有する分散物の例およびそれらを作製するための方法は、米国特許第7438,972号で開示される。
【0136】
本開示により提供される組成物中で使用され得る特殊効果組成物の例としては、反射、真珠光沢、金属光沢、リン光、蛍光、フォトクロミズム、感光性、サーモクロミズム、ゴニオクロミズム(goniochromism)および/または色彩変化などの1以上の外観に対する効果を生じる、顔料および/または組成物が挙げられる。さらなる特殊効果組成物は、不透明性または質感などのその他の知覚可能な特性を与え得る。ある一定の実施形態において、特殊効果組成物は、コーティングが異なる角度で見られた場合に組成物の色が変化するような、色のシフトを生じさせ得る。色彩効果組成物の例は、米国特許第6,894,086号で開示される。さらなる色彩効果組成物としては、透明コーティングされた雲母および/または合成雲母、コーティングされたシリカ、コーティングされたアルミナ、透明液晶顔料、液晶コーティングおよび/または、物質の表面と空気との間の屈折率の差によるのではなく、物質内の屈折率の差により干渉が生じる何らかの組成物が挙げられ得る。一般に、着色剤は、組成物の総乾燥重量に対する重量%で、組成物の1wt%から65wt%、2wt%から50wt%、例えば3wt%から40wt%または5wt%から35wt%などを構成し得る。
【0137】
チキソトロープ剤(thixotrope)、例えばシリカは、組成物の総乾燥重量に対して0.1wt%から5wt%の量で使用され得る。
【0138】
硬化促進剤は、組成物の総重量に対して0.1から5重量%の量で存在し得る。適切な硬化促進剤の例としては、1,4−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO
(登録商標)、Air Products,Chemical Additives Division)およびDMP−30
(登録商標)(2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを含む硬化促進組成物)が挙げられる。
【0139】
接着促進剤は、組成物の総乾燥重量に対して、組成物の0.1wt%から15wt%の量で存在し得る。接着促進剤の例としては、フェノール樹脂(phenolics)、例えばOccidental Chemicalsから入手可能なMETHYLONフェノール樹脂などおよび有機シラン、例えばエポキシ、メルカプトまたはアミノ官能性シランなど、例えばMomentive Performance Materialsから入手可能なSILQUEST
(登録商標)A−187およびSILQUEST
(登録商標)A−1100などが挙げられる。
【0140】
マツ香料または他の芳香などのマスキング剤は、組成物の何らかの低レベルの臭いを隠すことにおいて有用であり得、組成物の総乾燥重量に対して、0.1wt%から1wt%の量で存在し得る。
【0141】
ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、航空宇宙用シーラントにおいて通常有用であるものよりもガラス遷移温度T
gがプレポリマーの使用を促進し得る可塑剤を含み得る。例えば、可塑剤を使用することにより、組成物のT
gを効果的に低下させ、それによって、プレポリマーのみの場合のT
gを基にして予想されるものよりも、硬化重合性組成物の低温可撓性を向上させ得る。本組成物のある一定の実施形態において適切な可塑剤としては、例えばフタラートエステル、塩素化パラフィンおよび水素化テルフェニルが挙げられる。可塑剤または可塑剤の組み合わせは、組成物の1wt%から40wt%または組成物の1wt%から10wt%を構成し得る。ある一定の実施形態において、組成物は、組成物の非乾燥重量に対して、例えば0wt%から15wt%、0wt%から10wt%または0wt%から5wt%の量で1以上の有機溶媒、例えばイソプロピルアルコールなどを含み得る。
【0142】
ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、何らかの溶媒、例えば有機溶媒または水性溶媒、すなわち水などを実質的に含まないかまたは、一部の例では、完全に含まない。言い換えると、ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は実質的に100%固体である。
【0143】
ある一定の実施形態において、シーラント組成物などの組成物はマルチパック組成物、例えば2パック組成物などとして提供され得、この場合、1個のパッケージは、1以上の本開示により提供されるプレポリマーを含み、第二のパッケージは、1以上のプレポリマーのための1以上のアミン硬化剤を含む。添加剤および/または他の材料が、所望または必要に応じてパッケージの何れかに添加され得る。この2個のパッケージは使用前に組み合わせられ得、混合され得る。ある一定の実施形態において、1以上の混合したプレポリマーおよび硬化剤のポットライフは、少なくとも30分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間であり、ある一定の実施形態において2時間を超える。ここで、ポットライフとは、その混合された組成物が、混合後、シーラントとしての使用に引き続き適している時間を指す。
【0144】
本開示により提供される組成物は、様々な基材の何れかに対して適用され得る。上記組成物が適用され得る基材の例としては、陽極酸化され得るか、下塗りされ得るか、有機物質で被覆され得るかまたはクロメート被覆され得る、チタンなどの金属、ステンレス鋼およびアルミニウム;エポキシ;ウレタン;グラファイト;ガラス繊維複合材料;KEVLAR
(登録商標);アクリル(acrylics);およびポリカーボネートが挙げられる。
【0145】
本開示により提供される組成物は、当業者にとって公知の何らかの適切な被覆プロセスによって、基材の表面上または下層全体に直接適用され得る。
【0146】
ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物は、耐燃料油性である。本明細書中で使用される場合、「耐燃料油性」という用語は、基材に適用され、硬化させられた場合、ASTM D792(American Society for Testing and Materials)またはAMS 3269(Aerospace
Material Specification)に記載されるものと同様の方法に従い、ジェット基準液(Jet Reference Fluid)(JRF)タイプI中で140°F(60℃)および周囲圧力で1週間にわたり浸漬した後、40%を超えない、一部の例では25%を超えない、一部の例では20%を超えない、また他の場合では10%を超えない%体積膨潤度を示す、シーラントなどの硬化生成物を組成物が提供し得ることを意味する。ジェット基準液(Jet Reference Fluid)JRFタイプIは、耐燃料油性の測定のために使用される場合、次の組成を有する:トルエン:28±1体積%;シクロヘキサン(テクニカルグレード):34±1体積%;イソオクタン:38±1体積%;および三級ジブチルジスルフィド:1±0.005体積%(SAE(Society of Automotive Engineers)から入手可能なAMS 2629、1989年7月1日発行、§3.1.1など参照)。
【0147】
ある一定の実施形態において、組成物は、AMS3279、§3.3.17.1、試験手順AS5127/1、§7.7に記載の手順に従い測定した場合に、少なくとも100%の伸びおよび少なくとも400psiの引張強度を示す、硬化生成物、例えばシーラントなどを提供する。
【0148】
ある一定の実施形態において、組成物は、SAE AS5127/1 段落7.8に記載の手順に従い測定した場合に、200psiより大きいラップせん断強度および一部の例では少なくとも400psiのラップせん断強度を示す、硬化生成物、例えばシーラントなどを提供する。
【0149】
ある一定の実施形態において、本開示により提供される組成物を含む硬化シーラントは、AMS3277で規定されるような航空宇宙用シーラントに対する要件に合致するかまたはそれを上回る。
【0150】
さらに、本開示により提供される組成物を利用して開口部を密封するための方法が提供される。これらの方法は、例えば、開口部を密封するために本開示により提供される組成物を表面に適用することと、この組成物を硬化させることと、を含む。ある一定の実施形態において、周囲条件下で組成物が硬化され得るが、この場合、周囲条件とは、20℃から25℃の温度および大気湿度を指す。ある一定の実施形態において、0℃から100℃の温度および0%RHから100%RHの湿度を包含する条件下で組成物が硬化され得る。ある一定の実施形態において、組成物が、少なくとも30℃、少なくとも40℃などのより高い温度で、ある一定の実施形態において、少なくとも50℃で硬化され得る。ある一定の実施形態において、室温、例えば25℃で組成物が硬化され得る。ある一定の実施形態において、紫外線などの化学線への曝露のときに組成物が硬化され得る。同様に理解され得るとおり、本方法は、航空宇宙ビークルの開口部を密封するために使用され得る。
【実施例】
【0151】
本開示により提供される実施形態は、ポリチオエーテルポリオールおよびそれらのプレポリマー、ポリホルマールポリオールおよびそれらのプレポリマーならびに前述のものの何れかの組成物の合成、特性および使用について述べる、次の実施例を参照することによりさらに説明される。当業者にとって当然のことながら、本開示の範囲から逸脱することなく、多くの変更が、材料および方法の両方に対して行われ得る。
【0152】
(実施例1)
ポリホルマールポリオール
チオジグリコール(1,833g)、パラホルムアルデヒド(純度95%)(360g)、AMBERLYST
(登録商標)15(319g、Dow Chemical Companyより入手可能)およびトルエン(1,000mL)を5リットルの4口丸底フラスコに入れた。加熱マントル、熱電対、温度制御装置ならびに、還流冷却器、滴下漏斗および窒素陽圧用のインレットを取り付けたディーン・スタークアダプターをフラスコに装備した。窒素下で反応物質を撹拌し、118℃に加熱し、118℃でおよそ7時間維持した。この時間中、回収した水をディーン・スタークアダプターから一定時間ごとに除去した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、フリット上に直径9.0cmのWhatman GF/Aろ紙を入れた粗フリット(coarse−fritted)ブフナー漏斗(容積600mL)を通してろ過した。フラスコおよびろ過ケーキを500mLトルエンで洗浄した。ろ液を得た。次に、2Lの丸底フラスコを用いて真空下でろ液を乾燥させ(ロータリーエバポレーター、7トル最終真空圧、90℃水浴)、黄色の粘性のあるポリマー(1,456g)を得た。得られたチオジグリコールポリホルマールポリオールは、ヒドロキシル数が34.5であり、粘度が92ポイズであった。
【0153】
(実施例2)
H
12MDIが末端にあるポリホルマール−イソシアネートプレポリマー
実施例1のチオジグリコールポリホルマールポリオール(450g)を1,000mLの4口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を与えるためのインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。およそ200rpmでポリホルマールポリオールを撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、続いてDESMODUR
(登録商標)W(H
12MDI)(99.5g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジラウリン酸ジブチルスズの0.01%溶液(5.50g)を添加した。反応混合物を76.6℃で7時間維持し、次いで室温まで冷却した。次に、メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンジルの1%溶液(5.50g)を反応混合物に添加した。得られたチオジグリコールポリホルマール−イソシアネートプレポリマーのイソシアネート含量は3.73%であり、粘度は356ポイズであった。
【0154】
(実施例3)
HDI−ウレチジオン(Uretidione)が末端にあるポリホルマール−イソシアネートプレポリマー
実施例1のチオジグリコールポリホルマールポリオール(101g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を与えるためのインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。およそ200rpmでポリホルマールポリオールを撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、続いてDESMODUR
(登録商標)XP−2730(HDI−ウレチジオン脂肪族ポリイソシアネート)(33.4g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジラウリン酸ジブチルスズの0.01%溶液(1.4g)を添加した。反応混合物を76.6℃でおよそ7時間維持し、次いで室温まで冷却した。次に、メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンジルの1%溶液(1.4g)を反応混合物に添加した。得られたプレポリマーのイソシアネート含量は3.41%であり、粘度は695ポイズであった。
【0155】
(実施例4)
HDI−ウレチジオンが末端にあるポリホルマール−イソシアネートプレポリマー
実施例1のチオジグリコールポリホルマールポリオール(400g)を1,000mLの4口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を与えるためのインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。およそ200rpmでポリホルマールポリオールを撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、続いてDESMODUR
(登録商標)N−3400(137g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジラウリン酸ジブチルスズの0.01%溶液(5.50g)を添加した。反応混合物を76.6℃でおよそ7時間維持し、次いで室温まで冷却した。次に、メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンジルの1%溶液(5.5g)を反応混合物に添加した。得られたチオジグリコールポリホルマール−イソシアネートプレポリマーのイソシアネート含量は3.31%であり、粘度は697ポイズであった。
【0156】
(実施例5)
HDI−ウレチジオンが末端にあるポリホルマール−イソシアネートプレポリマー
実施例1のチオジグリコールポリホルマールポリオール(504g)を1,000mLの4口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を与えるためのインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。およそ200rpmでポリホルマールポリオールを撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、続いてDESMODUR
(登録商標)N−3400(521g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジラウリン酸ジブチルスズの0.01%溶液(10.3g)を添加した。反応混合物を76.6℃でおよそ7時間維持し、次いで室温まで冷却した。次に、メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンジルの1%溶液(10.4g)を反応混合物に添加した。得られたチオジグリコールポリホルマール−イソシアネートプレポリマーのイソシアネート含量は8.94%であり、粘度は46ポイズであった。
【0157】
(実施例6)
イソホロンが末端にあるポリホルマール−イソシアネートプレポリマー
実施例1のチオジグリコールポリホルマールポリオール(325g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を与えるためのインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。およそ200rpmでポリホルマールポリオールを撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、続いてDESMODUR
(登録商標)I(62.5g)(IPDI)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジラウリン酸ジブチルスズの0.01%溶液(4g)を添加した。反応混合物を76.6℃でおよそ7時間維持し、次いで室温まで冷却した。次に、メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンジルの1%溶液(4g)を反応混合物に添加した。得られたチオジグリコールポリホルマール−イソシアネートプレポリマーのイソシアネート含量は3.51%であり、粘度は229ポイズであった。
【0158】
(実施例7)
H
12MDIが末端にあるポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマー
チオールが末端にあるポリチオエーテルは、米国特許第6,172,179号の実施例1に従い調製した。2Lフラスコにおいて、524.8g(3.32mol)のジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)および706.7g(3.87mol)のジメルカプトジオキサオクタン(DMDO)を19.7g(0.08mol)のトリアリルシアヌラート(TAC)と混合し、77℃に加熱した。反応混合物に4.6g(0.024mol)のアゾビスニトリルフリーラジカル触媒(VAZO
(登録商標)67、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))を添加した。反応は実質的に進行し、2後に完了し、T
gが−68℃で粘度が65ポイズである、1,250g(0.39mol、収率100%)の液体の、チオールが末端にあるポリチオエーテル樹脂を得た。この樹脂は僅かに黄色であり、低臭であった。
【0159】
1Lの4口丸底フラスコにマントル、熱電対、温度制御装置、窒素ライン、機械式スターラーおよび滴下漏斗を装着した。このフラスコに、米国特許第6,172,179号の実施例1に従い(前出の段落参照)調製した、チオールが末端にあるポリチオエーテル(652.30g)を入れた。フラスコを窒素下で71℃に加熱し、300rpmで撹拌した。滴下漏斗を介して4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(47.40g)およびVazo−67(1.19g)の混合物を1時間、フラスコに添加した。反応混合物を71℃でおよそ41時間維持し、この時点で反応が完了した。この後、次に反応装置に真空ラインを装着し、生成物を94℃に加熱した。真空下で1.3時間にわたり加熱を続けた。真空処理後、淡黄色の粘性のあるポリチオエーテルポリオール(678.80g)を得た。ポリチオエーテルポリオールのヒドロキシル数は31.8であり、粘度は77ポイズであった。
【0160】
次に、ポリチオエーテルポリオール(300.03g)を500mLの4口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を与えるためのインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。およそ200rpmでポリチオエーテルポリオールを撹拌し、76.6℃(170°F)に加熱し、続いてDESMODUR
(登録商標)W(H
12MDI)(82.90g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジラウリン酸ジブチルスズの0.01%溶液(3.90g)を添加した。反応混合物を76.6℃でおよそ7時間維持し、次いで室温まで冷却した。次に、メチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンジルの1%溶液(3.80g)を反応混合物に添加した。得られたH
12MDIが末端にあるポリチオエーテルプレポリマーのイソシアネート含量は4.47%であり、粘度は282ポイズであった。
【0161】
(比較例8)
H
12MDIが末端にあるポリ(テトラヒドロフラン)プレポリマー
TERATHANE
(登録商標)T−2000(ポリ(テトラヒドロフラン))(400g)を1,000mLの3口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を与えるためのインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。TERATHANE
(登録商標)T−2000を76.6℃(170°F)に加熱し、撹拌した。DESMODUR
(登録商標)W(H
12MDI)(137.2g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジラウリン酸ジブチルスズの0.01%溶液(3.3g)をフラスコに添加した。混合物を76.6℃(170°F)でおよそ6時間反応させ、その時点でメチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンジルの1%溶液(3.3g)を添加した。得られたポリ(テトラヒドロフラン)−イソシアネートプレポリマーのイソシアネート含量は4.67%であり、粘度は479ポイズであった。
【0162】
(比較例9)
H
12MDIが末端にあるポリブタジエンプレポリマー
KRASOL
(登録商標)LBH−P2000(ヒドロキシルが末端にあるポリブタジエン)(200g)およびKRASOL
(登録商標)HLBH−P2000(水素化ヒドロキシルが末端にあるポリオレフィン)(200g)を1,000mLの3口丸底フラスコに入れた。マントル、熱電対、温度制御装置、窒素陽圧を与えるためのインレットおよび機械式スターラー(PTFEパドルおよび軸受)をフラスコに取り付けた。混合物を76.6℃(170°F)に加熱し、撹拌した。DESMODUR
(登録商標)W(H
12MDI)(137.4g)およびメチルエチルケトン中に溶解させたジラウリン酸ジブチルスズの0.01%溶液(5.4g)をフラスコに添加した。混合物を76.6℃(170°F)でおよそ6時間反応させ、その時点でメチルエチルケトン中に溶解させた塩化ベンジルの1%溶液(5.4g)を反応混合物に添加した。得られたポリブタジエン−イソシアネートプレポリマーのイソシアネート含量は5.34%であり、粘度は892ポイズであった。
【0163】
(実施例10)
H
12MDIが末端にあるポリホルマールプレポリマーの硬化組成物
12x12in
2ポリエチレンシートを平坦な12x12x0.25in
3ステンレス鋼プレート上に置いた。4枚の12x1x0.125in
3スペーサをポリエチレンシートの端部に置いた。実施例2のポリホルマール−イソシアネートプレポリマー(90g)、ペラルゴン酸(1.1g)およびETHACURE
(登録商標)300(8.15g、Albemarle Corporation)をプラスチック容器に添加した。材料を最初に手動で混合し、次いでミキサー(DAC 600 FVZ)中で2,300rpmで60秒間混合した。
【0164】
ポリエチレンシート上、スペーサとスペーサの間に混合した組成物を均一に注いだ。第二の12x12in
2ポリエチレンシートを組成物の上面に置き、第二のポリエチレンシートが第一のポリエチレンシートから0.125−inスペーサによって分離されるようにした。第二の12x12x0.125in
3厚のステンレス鋼プレートを第二のポリエチレンシートの上面においた。2枚のポリエチレンシート間に挟んだ組成物を室温で48時間、続いて140°Fで24時間硬化させた。最後に、このポリエチレンシートを取りはずし、平坦なおよそ0.125−in厚の硬化ポリマーシートを得た。
【0165】
ポリマーシートの硬度、引張強度および伸び、引裂強度、体積膨潤および耐水性を表1で示す。硬化ポリマーの硬度は、ASTM D2240に従い測定し;引張強度および伸びは、ASTM D412に従い測定し;引裂強度はASTM D624 Die Cに従い測定した。重量損失は、SAE AS5127/1B§7.4に従い測定し、体積膨潤は、SAE AS 5127/1B§7.5に従い測定した。
【0166】
(実施例11)
HDI−ウレチジオンが末端にあるポリホルマールプレポリマーの硬化組成物
実施例3のポリホルマール−イソシアネートプレポリマー(HDI−ウレチジオン末端)(50g)、ペラルゴン酸(0.55g)およびETHACURE
(登録商標)300(4.13g)を含有する組成物に対して実施例10に記載のように、硬化ポリマーシートを調製した。硬化シーラントの特性を表1で与える。
【0167】
(実施例12)
HDI−ウレチジオンが末端にあるポリホルマールプレポリマーの硬化組成物
実施例4のポリホルマール−イソシアネートプレポリマー(HDI−ウレチジオン末端)(50g)、ペラルゴン酸(0.55g)およびETHACURE
(登録商標)300(4.02g)を含有する組成物に対して実施例10に記載のように、硬化ポリマーシートを調製した。硬化シーラントの特性を表1で与える。
【0168】
(実施例13)
HDI/IPDI−ウレチジオンが末端にあるポリホルマールプレポリマーの硬化組成物
実施例5のHDI−ウレチジオンが末端にあるポリホルマール−イソシアネートプレポリマー(12g)、実施例6のIPDIが末端にあるポリホルマールイソシアネートプレポリマー(48g)、ペラルゴン酸(0.72g)およびETHACURE
(登録商標)300(6.69g)を含有する組成物に対して、実施例10に記載のように、硬化ポリマーシートを調製した。硬化シーラントの特性を表1で与える。
【0169】
(比較例14)
H
12MDIが末端にあるポリ(テトラヒドロフラン)の硬化組成物
比較例8のH
12MDIが末端にあるポリ(テトラヒドロフラン)プレポリマー(50g)、ペラルゴン酸(0.6g)およびETHACURE
(登録商標)300(5.67g)を含有する組成物に対して、実施例10で記載のように、硬化ポリマーシートを調製した。硬化シーラントの特性を表1で与える。
【0170】
(比較例15)
ヒドロキシルが末端にあるポリブタジエン/水素化ヒドロキシルが末端にあるポリオレフィンプレポリマーの硬化組成物
比較例9のH
12MDIが末端にあり、ヒドロキシルが末端にあるポリブタジエン/水素化ヒドロキシル末端ポリオレフィンプレポリマー(50g)、ペラルゴン酸(0.6g)およびETHACURE
(登録商標)300(6.48g)を含有する組成物に対して、実施例10で記載のように、硬化ポリマーシートを調製した。硬化シーラントの特性を表1で与える。
【0171】
(実施例16)
H
12MDIが末端にあるポリチオエーテルプレポリマーおよびH
12MDIが末端にあるポリホルマールプレポリマーの硬化組成物
実施例2のポリホルマール−イソシアネートプレポリマー(H
12MDI末端)(32g)、実施例7のH
12MDIが末端にあるポリチオエーテルプレポリマー(18g)、ペラルゴン酸(0.6g)およびETHACURE
(登録商標)300(4.85g)を含有する組成物に対して、実施例10に記載のように、硬化ポリマーシートを調製した。硬化シーラントの特性を表1で与える。
【0172】
(実施例17)
ポリホルマール−イソシアネートプレポリマー、ポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーおよびアミン硬化剤を用いて調製した硬化組成物
実施例10に従い、硬化組成物A−Kを調製した。組成物A−Kは、表2で与えられるような成分を含有し、この硬化組成物の特性を表3から6で与える。表2において、イソシアネート含量とは、プレポリマーの%イソシアネートを指し、イソシアネートプレポリマー重量とは、本組成物を得るために反応させたイソシアネートプレポリマーのグラム単位での重量を指す。N3400は、DESMODUR
(登録商標)N3400を指し、H
12MDIは、DESMODUR
(登録商標)Wであった。ポリホルマール−イソシアネートプレポリマーを形成させるために、実施例2に記載のように、実施例1に従い調製したチオジグリコールポリホルマールをDESMODUR
(登録商標)N3400またはDESMODUR
(登録商標)Wと反応させた。ポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーを形成させるために、実施例7におけるように調製したポリチオエーテルポリオールを、実施例7に記載のようにDESMODUR
(登録商標)Wと反応させた。
【0173】
【表1】
【0174】
【表2】
【0175】
【表3】
【0176】
【表4】
【0177】
【表5】
【0178】
【表6】
【0179】
最後に、本明細書中で開示される実施形態を実施する代替的な方法があることに留意されたい。従って、本実施形態は、例示とみなされるべきものであり、限定するものではない。さらに、特許請求の範囲は、本明細書中で与えられる詳細に限定されるべきものではなく、その完全な範囲およびその同等物が認められる。
【0180】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
ポリホルマールポリオールおよび第一のジイソシアネートを含む反応物質の反応生成物を含む、ポリホルマール−イソシアネートプレポリマーと;
アミンを含む硬化剤と、
を含む組成物。
(項2)
前記第一のジイソシアネートと前記ポリホルマールポリオールとのモル比が、2:1より大きい、上記項1に記載の組成物。
(項3)
前記ポリホルマールポリオールが、
(i)硫黄含有ジオールと;アルデヒド、ケトンおよびそれらの組み合わせから選択される反応物質と、を含む反応物質の反応生成物;
(ii)硫黄含有ジオールと;ポリオール1分子あたり少なくとも3個のヒドロキシル基を含有するポリオールと;アルデヒド、ケトンおよびそれらの組み合わせから選択される反応物質と、を含む反応物質の反応生成物;および
(iii)(i)および(ii)の組み合わせ
から選択される、上記項1に記載の組成物。
(項4)
前記ポリホルマールポリオールが、式(4)のポリホルマールポリオール、式(5)のポリホルマールポリオールおよびそれらの組み合わせ:
【化10】
(式中、
各wは、1から50の整数から独立に選択され;
zは、3から6の整数であり;
各R
3は、独立にC
2−6アルカンジイルであり;
各R
4は、水素、C
1−6アルキル、C
7−12フェニルアルキル、置換C
7−12フェニルアルキル、C
6−12シクロアルキルアルキル、置換C
6−12シクロアルキルアルキル、C
3−12シクロアルキル、置換C
3−12シクロアルキル、C
6−12アリールおよび置換C
6−12アリールから独立に選択され;
Eは、z価の親ポリオールE(OH)
zのコアを表す)
から選択されるポリホルマールポリオールを含む、上記項1に記載の組成物。
(項5)
前記ポリホルマールポリオールが、式(4)のポリホルマールポリオール(式中、各R
3は、エタン−1,2−ジイルであり、各R
4は水素である)を含む、上記項4に記載の組成物。
(項6)
前記アミンが、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミンおよびそれらの組み合わせから選択される、上記項1に記載の組成物。
(項7)
ポリチオエーテルポリオールと第二のジイソシアネートとを含む反応物質の反応生成物を含むポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーを含む、上記項1に記載の組成物。(項8)
前記ポリチオエーテルポリオールが、ポリチオエーテルジオール、ポリチオエーテルトリオールおよびそれらの組み合わせから選択されるポリチオエーテルポリオールを含む、上記項7に記載の組成物。
(項9)
前記第二のジイソシアネートと前記ポリチオエーテルポリオールとのモル比が、2:1より大きい、上記項7に記載の組成物。
(項10)
前記ポリチオエーテルポリオールが、チオールが末端にあるポリチオエーテルおよびヒドロキシ官能性ビニルエーテルの反応生成物を含む、上記項7に記載の組成物。
(項11)
前記チオールが末端にあるポリチオエーテルが、式(15)の1以上の化合物;式(16)の1以上の化合物:
HS−R
1−SH
(15)
CH
2=CH−O−[−R
2−O−]
m−CH=CH
2
(16)
(式中、
各R
1は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイル、−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−および−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−(式中、少なくとも1個の−CH
2−基がメチル基で置換される)から独立に選択され;
各R
2は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイル、−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−、−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−から独立に選択され;
各Xは、−O−、−S−および−NR
10−(式中、R
10は、水素およびメチルから選択される)から選択され;
各mは、0から10の有理数から独立に選択され;
各pは、2から6の整数から独立に選択され;
各qは、0から5の整数から独立に選択され;
各rは、2から10の整数から独立に選択される)
および1以上の多官能化剤の反応生成物を含む、上記項10に記載の組成物。
(項12)
前記ポリチオエーテルポリオールが、式(6)のポリチオエーテルポリオール、式(7)のポリチオエーテルポリオールおよびそれらの組み合わせ:
HO−R
1−[−S−(CH
2)
2−O−[−R
2−O−]
m−(CH
2)
2−S−R
1−]
n−OH
(6)
{HO−R
1−[−S−(CH
2)
2−O−[−R
2−O−]
m−(CH
2)
2−S−R
1−]
n−O−}
z−B
(7)
(式中、
各R
1は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイル、−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−および−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−(式中、少なくとも1個の−CH
2−基がメチル基で置換される)から独立に選択され;
各R
2は、C
2−6アルカンジイル、C
6−8シクロアルカンジイル、C
6−10アルカンシクロアルカンジイルおよび−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−から独立に選択され;
各Xは、−O−、−S−および−NR
10−(式中、R
10は、水素およびメチルから選択される)から選択され;
Bは、z価の多官能化剤B(R
8)
zのコア(式中、各R
8は、−SH基および−CH=CH
2基と反応性がある基から選択される)を表し;
各mは、0から10の有理数から独立に選択され;
各nは、1から60の整数から独立に選択され;
各pは、2から6の整数から独立に選択され;
各qは、0から5の整数から独立に選択され;
各rは、2から10の整数から独立に選択され;
zは、3から6の整数から選択される)
から選択されるポリチオエーテルポリオールを含む、上記項7に記載の組成物。
(項13)
前記第一のジイソシアネートおよび第二のジイソシアネートが、脂肪族ジイソシアネートを含む、上記項7に記載の組成物。
(項14)
15wt%から55wt%のポリホルマール−イソシアネートプレポリマーと、45wt%から85wt%のポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーとを含む(wt%は、前記組成物中のポリホルマール−イソシアネートプレポリマーおよびポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーの総重量に対するものである)、上記項7に記載の組成物。
(項15)
ポリホルマールポリオールおよび第一の脂肪族ジイソシアネートの反応生成物を含むポリホルマール−イソシアネートプレポリマーと;
ポリチオエーテルポリオールおよび第二の脂肪族ジイソシアネートの反応生成物を含むポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーと;
芳香族ジアミンと、
を含む反応物質の反応生成物を含む、組成物。
(項16)
前記芳香族ジアミンが、ジメチルチオトルエンジアミンを含む、上記項15に記載の組成物。
(項17)
前記第一のジイソシアネートおよび前記第二のジイソシアネートが、4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネートを含む、上記項15に記載の組成物。
(項18)
15wt%から55wt%のポリホルマール−イソシアネートプレポリマーと、45wt%から85wt%のポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーとを含む(wt%は、前記組成物中のポリホルマール−イソシアネートプレポリマーおよびポリチオエーテル−イソシアネートプレポリマーの総重量に対するものである)、上記項15に記載の組成物。
(項19)
上記項1に記載の組成物を含むシーラントで密封される開口部。
(項20)
上記項15に記載の組成物を含むシーラントで密封される開口部。