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特開2016-130861合わせガラス板上に表示画像を生成するための方法、装置およびその装置を備えた建物、自動車、航空機、ヘリコプターまたは船舶
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-130861(P2016-130861A)
(43)【公開日】2016年7月21日
(54)【発明の名称】合わせガラス板上に表示画像を生成するための方法、装置およびその装置を備えた建物、自動車、航空機、ヘリコプターまたは船舶
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20160624BHJP
   C03C 27/12 20060101ALI20160624BHJP
【FI】
   G02B27/01
   C03C27/12 N
【審査請求】有
【請求項の数】33
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-25245(P2016-25245)
(22)【出願日】2016年2月12日
(62)【分割の表示】特願2014-527554(P2014-527554)の分割
【原出願日】2012年7月26日
(31)【優先権主張番号】11179154.7
(32)【優先日】2011年8月29日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】512212885
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
【氏名又は名称原語表記】Saint−Gobain Glass France
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マティアス アルシンガー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ラブロート
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ レトカール
(72)【発明者】
【氏名】ビアンカ ベアクス
(72)【発明者】
【氏名】モニーク エルマー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−イヴ ラリュエ
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム ルカン
(72)【発明者】
【氏名】マークス ネアンダー
【テーマコード(参考)】
2H199
4G061
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA13
2H199DA20
2H199DA23
4G061AA26
4G061BA01
4G061BA02
4G061BA03
4G061CB16
4G061CD18
(57)【要約】
【課題】レーザ放射による車両の所有者の危険が避けられる、合わせガラス板上に表示画像を生成するための装置を提供する。
【解決手段】合わせガラス板上に表示画像を生成する装置であって、発光色素(8)を含む中間膜(2)を介して互いに結合されている第1のガラス板(3)と第2のガラス板(4)とを有する合わせガラス板(1)と、レーザ(9)、および、レーザ(9)の放射(11)を偏向させるための光学系(10)を有するレーザ投光器(5)と、なお、合わせガラス板(1)上の放射(11)は、当該合わせガラス板(1)の一領域(7)内に方向付けられており、発光色素(8)の発光放射(12)を検出する光検出器(6)と、光検出器およびレーザ投光器に電子的に接続された制御ユニット(13)と、を備えており、制御ユニットは、光検出器が発光放射を検出しないとき、レーザ投光器による放射の放出を中断する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合わせガラス板上に表示画像を生成する装置であって、
少なくとも1種の発光色素(8)を含む中間膜(2)を介して互いに結合されている第1のガラス板(3)と第2のガラス板(4)とを有する合わせガラス板(1)と、
少なくとも1つのレーザ(9)、および、前記レーザ(9)の放射(11)を偏向させるための光学系(10)を有するレーザ投光器(5)と、なお、前記放射(11)は、前記合わせガラス板(1)に方向付けられて、当該合わせガラス板(1)の一領域(7)内に方向付けられ、
前記発光色素(8)の発光放射(12)を検出する光検出器(6)と、なお、当該光検出器によって検出される発光放射(12)は、前記表示画像を生成する領域(7)全体に由来するものであり、
前記光検出器(6)および前記レーザ投光器(5)に電子的に接続された制御ユニット(13)と、
を備えており、
前記制御ユニット(13)は、前記光検出器(6)が発光放射(12)を検出しないとき、前記レーザ投光器(5)による放射(11)の放出を中断する、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記光検出器(6)は、二次元画像センサを有する少なくとも1つのカメラを有する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記二次元画像センサが、能動ピクセルセンサ(APS)である、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記光検出器(6)は、少なくとも1つのシングルピクセル光センサを有する、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記シングルピクセル光センサが、光ダイオードである、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記制御ユニット(13)は、前記レーザ投光器(5)が送信する信号と前記光検出器(6)が送信する信号とを比較する、請求項1から5のいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記レーザ投光器(5)はダイオードレーザを備える、請求項1から6のいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記ダイオードレーザが、360nm〜420nmの波長の放射(11)を放出する、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記ダイオードレーザが、375nm〜400nmの波長の放射(11)を放出する、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記放射(11)を偏向するための前記光学系(10)は、少なくとも1つのMEMSマイクロスキャナを備える、請求項1から9のいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記放射(11)は50:1以上の偏光比で直線偏光され、p偏光されて前記合わせガラス板(1)に当たる、請求項1から10のいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記放射(11)は90:1以上の偏光比で直線偏光される、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記合わせガラス板(1)に当たるときの、前記放射(11)の入射角θは、20°〜70°である、請求項11または12記載に装置。
【請求項14】
前記合わせガラス板(1)に当たるときの、前記放射(11)の入射角θは、38°〜66°である、請求項13記載に装置。
【請求項15】
前記レーザ投光器(5)は、周期的に繰り返されるパルスシーケンスで放射(11)を放出する、請求項1から14のいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
4μm〜10μmの波長域に感度を有する赤外放射検出器(16)をさらに備える、請求項1から15のいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
4μm〜10μmの波長域の赤外放射(15a)を放出する赤外放射源(15)をさらに備える、請求項16記載の装置。
【請求項18】
超音波源および超音波検出器を備える、請求項1から17のいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
前記制御ユニット(13)は、少なくとも1つの集積回路を備える、請求項1から18のいずれか1項記載の装置。
【請求項20】
前記集積回路が、特定用途向け集積回路(ASIC)である、請求項19記載の装置。
【請求項21】
前記発光色素(8)は、化学式
−COO−Ph(OH)−COO−R
の少なくとも1種のヒドロキシアルキルテレフタレートを有し、式中、
、Rは1〜10個のC原子を有するアルキルまたはアリル基であり、
Phはフェニル環であり、
OHは前記フェニル環に結合したヒドロキシル基であり、
xは0〜4の整数である、
請求項1〜20のいずれか1項記載の装置。
【請求項22】
前記発光色素(8)は、ジエチル2,5−ジヒドロキシテレフタレートを含む、請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記レーザ投光器(5)内に、光検出器(20)を備える、請求項1から22のいずれか1項記載の装置。
【請求項24】
前記光検出器(20)は光ダイオードである、請求項23記載の装置。
【請求項25】
前記第1のガラス板(3)の前記レーザ投光器(5)に面する表面に反射防止膜が設けられている、請求項1から24のいずれか1項記載の装置。
【請求項26】
前記反射防止膜は多孔性二酸化ケイ素含有膜を含む、請求項25記載の装置。
【請求項27】
合わせガラス板上に表示画像を生成する方法であって、
レーザ投光器(5)の光学系(10)によって、レーザ(9)の放射(11)が少なくとも1種の発光色素(8)を含む合わせガラス板(1)に方向付けられ、かつ、レーザ放射(11)が前記レーザ投光器(5)を出た時に、前記レーザ投光器(5)からオン信号が制御ユニット(13)に送信され、
前記合わせガラス板(1)の、前記レーザ(9)の前記放射(11)が当たって、前記表示画像を生成する領域(7)全体からの前記発光色素(8)の発光放射(12)が検出されたとき、光検出器(6)からオン信号が前記制御ユニット(13)に送信され、
前記制御ユニット(13)が前記レーザ投光器(5)のオン信号を受信し、同時に、前記光検出器(6)のオン信号を受信しないときに、前記制御ユニット(13)は前記レーザ投光器(5)からのレーザ放射(11)の放出を遮断する、
ことを特徴とする方法。
【請求項28】
前記放射(11)は、規則的な時間間隔で、所定の位置に方向付けられ、
光検出器(6)として二次元画像センサを有するカメラを用いて、前記合わせガラス板(1)上の前記所定の位置からの規則的な発光信号の発生が監視され、
前記合わせガラス板(1)上の前記所定の位置からの前記規則的な発光信号が検出されないとき、前記制御ユニット(13)は、前記レーザ投光器(5)からのレーザ放射(11)の放出を遮断する、
請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記放射(11)は、規則的な時間間隔で、前記放射(11)が当たる領域(7)の端部領域内の、所定の位置に方向付けられる、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記二次元画像センサが、能動ピクセルセンサ(APS)である請求項28または29記載の方法。
【請求項31】
前記放射(11)は、規則的な時間間隔で、前記レーザ投光器(5)内の所定の位置に方向付けられ、
前記レーザ投光器(5)内の光検出器(20)によって、前記規則的な放射信号の発生が監視され、
前記規則的な放射信号が前記光検出器(20)によって検出されないとき、前記制御ユニット(13)は、前記レーザ投光器(5)からのレーザ放射(11)の放出を遮断する、
請求項27記載の方法。
【請求項32】
請求項1から26のいずれか1項記載の合わせガラス板上に表示画像を生成するための装置を備えた、建物、自動車、航空機、ヘリコプターまたは船舶。
【請求項33】
前記表示画像を生成するための装置が、ヘッドアップ表示装置である、請求項32記載の建物、自動車、航空機、ヘリコプターまたは船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合わせガラス板上に表示画像を生成するための装置及びその使用に関する。本発明は、さらに、合わせガラス板上に表示画像を生成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドアップ表示装置は航空機において広く用いられている。パイロットの直接の視界に設けられるこのシステムは、自身及び他の航空機に関する最も重要なデータを表示する。軍事分野で確立され、多く用いられているこれらのシステムは、民間分野、特に自動車分野においても多くの使用可能性を有している。すなわち、速度データ、先行車両への距離またはナビゲーション装置の方向データが、たとえば、ドライバーの眼の高さに直接表示される。ドライバーは機器を見るときに通行位置および通行状態を観察することはできないため、これらの可能性は明らかに車両の通行安全性を向上させる。車両の速度が高いとき、たとえば高速道路上では、「見えずに(blind)」進む車両通行路が重要であり、事故のリスクが高まる可能性がある。
【0003】
US7,230,767B2には、車両用ヘッドアップ表示装置が開示されている。この装置は、発光化合物を含む合わせガラス板を備える。光源たとえばレーザが発光化合物に照射され、車のドライバーの視界に表示される。発光化合物の励起のために、高いレーザ出力たとえば100mWが必要であり、これは人の眼または肌に損傷を生じさせるおそれがある。したがって、レーザ放射は特に、反射物体、たとえば手鏡、がレーザ投光器と車両のガラス板との間にある場合に、車両の所有者にとって危険である。レーザビームは、反射物体によって、たとえば、車両の所有者の眼に向けられるおそれがある。
【0004】
国際標準IEC60825−1 Ed.2.0には、最大許容露光量(MPE)が定められている。MPEとは、レーザビームが人の眼に当たったときに眼の損傷が生じないレーザの最大出力密度である。露光面および放射出力を考慮して、MPEから最大許容露光時間が得られる。レーザ放射が最大許容露光時間より長い期間で人の眼に当たると、眼の損傷を生じさせる。レーザ放射は1つまたは複数の調整ミラーによって典型的には画像を生成するために動かされる。車両の所有者のレーザ放射による危険は、たとえば、機械的な損傷によってミラーの動きに故障が生じる場合に、特に大きい。この場合、レーザ放射は一定の点に方向付けられる。レーザ放射が車両の所有者の眼に入ると、最大許容露光時間を容易に超えてしまうおそれがある。
【0005】
EP2233962A2には、レーザ放射によってフロントガラス上に生成される表示画像が開示されており、これにおいては、レーザ放射は反射部材において一定の時間間隔で方向付けられる。反射部材はフロントガラス上に設けられ、レーザ放射をセンサに偏向させる。センサによるレーザ放射の検出が停止する場合、これは故障を表し、レーザ放射は継続されない。このような解決手段は、確かに車両の所有者の安全性を明確に向上させるが、多くの欠点がある。レーザ投光器とフロントガラスとの間の障害物の存在は連続的に確認されず、レーザ放射が反射部材に方向付けられる期間にのみ確認される。さらに、障害物がレーザ投光器と反射部材との間にあるときのみ検出可能である。フロントガラスの他の領域の前にある障害物は検出されない。さらに、反射部材の設置と正確な調節はコストがかかり、かつ、フロントガラスの外観を損ねる場合がある。
【0006】
レーザ放射の拡散反射および/または散乱により表示画像が適切な背景たとえばスクリーン上に生成される投光システムから、拡散反射および/または散乱放射の検出により人への危険を低減可能なことが知られている。このような解決手段は、たとえば、US2006/0065735A1、US2001/0005262A1、US2006/0244925A1に記載されている。このような投光システムでは、障害物または他の障害物たとえばスクリーンの損傷は、検出される放射強度の減少により検出可能である。しかし、滑らかなガラス表面では拡散反射放射成分が僅かであることから、このような解決手段は、ガラス板上のヘッドアップ表示装置に用いることはできない。(それ自体望ましくない)反射をさらに低減するための手段がしばしばとられる。
【0007】
特開2009−145846号公報には、障害物が付加的な光ビームによって検出されるヘッドアップ表示装置が開示されている。しかし、表示画像を生成する放射源に加えて別の放射源を設けることは、技術的に非常にコストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】US7,230,767B2
【特許文献2】EP2233962A2
【特許文献3】US2006/0065735A1
【特許文献4】US2001/0005262A1
【特許文献5】US2006/0244925A1
【特許文献6】特開2009−145846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、レーザ放射による車両の所有者の危険が避けられる、合わせガラス板上に表示画像を生成するための改善された装置を提供することである。また、本発明の課題は、合わせガラス板上に表示画像を生成するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の課題は、本発明によれば、独立請求項1に記載の合わせガラス板上に表示画像を生成するための装置により解決される。好ましい実施形態が従属請求項に記載されている。
【0011】
本発明にかかる、合わせガラス板上に表示画像を生成する装置は、以下の特徴を有する:
少なくとも1種の発光色素を含む中間膜を介して互いに結合されている第1のガラス板と第2のガラス板とを有する合わせガラス板、
少なくとも1つのレーザ、および、レーザの放射を偏向させるための光学系を有するレーザ投光器、なお、当該放射は、合わせガラス板に方向けられて、当該合わせガラス板の一領域内に方向付けられ、
発光色素の発光放射を検出する光検出器、
光検出器およびレーザ投光器に電子的に接続された制御ユニット。
【0012】
レーザ投光器を出たレーザビームは合わせガラス板に方向付けられる。レーザビームは、第1のガラス板を介して中間膜へと入る。レーザ放射の少なくとも一部は中間膜の通過の際に発光色素によって吸収される。このとき、発光色素は好ましくは、光学的に励起され、励起エネルギーの少なくとも一部は電磁放射の形態で再び放出される。すなわち、発光色素によって発光放射が放出される。発光には、蛍光および/または燐光過程が含まれる。発光放射は好ましくは、レーザ放射とは異なって変更された波長、好ましくはより長波長を有する。発光放射は、本発明によれば、可視光領域の波長を含む。
【0013】
好ましくは、レーザ放射の大部分は、中間膜の通過の際に発光色素によって吸収される。これにより、ガラス板を透過したレーザ放射による人の危険は、有利に避けられる。
【0014】
発光色素による発光放射の放出は、全空間方向に静的に拡散される。したがって、発光放射の一部は見る者の眼に方向付けられ、すなわち、ガラス板上のピクセルとして見る者に知覚される。
【0015】
レーザビームの方向はレーザ投光器の光学系によって変更可能である。すなわち、レーザビームは、合わせガラス板の少なくとも一領域の上を移動可能である。合わせガラス板上のレーザビームの動きによって、画像、たとえば、図像、数および/または文字が生成される。本発明において、画像が生成されるべき、レーザビームが合わせガラス板上を移動可能な合わせガラス板の領域は、レーザ放射が当たる合わせガラス板の領域、と記載される。レーザ放射が当たる合わせガラス板の領域は、たとえば、レーザ投光器と、合わせガラス板、たとえば、合わせガラス板の取付部材と、の間の物体によってレーザに対して遮蔽されない合わせガラス板の全体領域を含む。
【0016】
光検出器は発光色素の発光放射の波長域の少なくとも一部からの少なくとも電磁放射に感度を有する。光検出器は、少なくともレーザ放射が当たる合わせガラス板の領域全体からの発光放射が検出可能なように配置され、方向調整されている。特に、光検出器と、レーザ放射が当たる合わせガラス板の領域との間には、電磁放射に対する障害物があってはならない。
【0017】
レーザ放射がレーザ投光器を出て、同時に、光検出器が発光放射を検出しないとき、合わせガラス板の前に障害物が存在することになる。障害物はたとえばレーザ投光器とガラス板との間にあり、発光色素の励起を妨げる。あるいは、障害物はたとえば光検出器と合わせガラス板との間にあり、発光放射の検出を妨げる。このような障害物は、たとえば人の頭であるか、または、レーザ放射を人の眼に向けて偏向させるおそれのある反射体たとえば手鏡である。見る者の危険を防ぐため、合わせガラス板の前に障害物が存在する場合には、レーザ放射は遮断されなければならない。制御ユニットは、光検出器が発光放射を検出しない場合、レーザ投光器からのレーザ放射の放出を遮断する。
【0018】
レーザ投光器および光検出器は、制御ユニットを介して互いに電子的に接続されている。制御ユニットは、レーザ投光器および光検出器からの信号を受信し、処理する。制御ユニットは、好ましくは、集積回路、たとえば、マイクロコントローラ、信号プロセッサまたはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)を含む。制御ユニットは、特に好ましくは、特定用途向け標準品(ASSP)または特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。これは信号処理の速度の観点から、特に有利である。
【0019】
レーザ放射がレーザ投光器を出ると、レーザ投光器はオン信号、たとえば、1V電圧信号を制御ユニットに送信する。レーザ放射がレーザ投光器を出ないとき、レーザ投光器は、オフ信号、たとえば、0V電圧信号を制御ユニットに送信する。発光放射が検出されないとき、光検出器は、オン信号を制御ユニットに送信する。制御ユニットはレーザ投光器からの信号および光検出器からの信号を比較する。レーザ投光器のオン信号が受信され、同時に、光検出器のオン信号が検出されないとき、合わせガラス板の前には障害物があるはずである。この場合、制御ユニットは、レーザ投光器からのレーザ放射の放出を遮断する。したがって、合わせガラス板上に表示画像を生成するための本発明の装置により、レーザ放射による人の危険は有利に防がれる。
【0020】
「オン信号(Ein-Signal)」および「オフ信号(Aus-Signal)」の語は、本発明の着想を明確にするものであり、本発明の文脈において広く解釈されるべきである。これらは、2つの異なる、別個の信号を意味するのみでは無いことは理解されるべきである。オン信号およびオフ信号の送信は、生データ、たとえば、光検出器の計数率の制御ユニットへの送信をも含み、この生データは、まずオン信号ないしオフ信号として適切な限界値を用いて制御ユニットによって解釈される。一般的には、オン信号およびオフ信号の各信号の下で、発光放射が光検出器により検出されたか否か、ないし、レーザ放射がレーザ投光器を出たか否かを、制御ユニットが区別できることが理解される。
【0021】
光検出器により検出される発光色素の発光放射は、レーザ放射の拡散反射および/または散乱成分よりもより明らかに強い。さらに、発光放射の強度は、合わせガラス板上のレーザ放射の位置に大きく依存しない。結果的に、本発明の装置によれば、たとえば、拡散反射および/または散乱されたレーザ放射によるものより、明らかにより効率的に障害物を識別可能である。たとえば拡散反射および/または散乱されたレーザ放射または他の放射源により生じる発光放射よりも弱い強度である望まれない背景放射は、たとえば、光検出器の適切なしきい値の導入により回避される。
【0022】
レーザ投光器からのレーザ放射の放出の遮断は、たとえば、レーザの電源の遮断により行われる。あるいは、ビームブロッカーをビーム経路に導入してもよい。ビームブロッカーは、たとえばレーザと光学系との間、光学系の中、または、レーザ放射方向における光学系の後に配置される。レーザ投光器からのレーザ放射の放出の遮断は、電気光学または音響光学部材によって行っても良い。
【0023】
本発明の有利な実施形態では、光検出器は、二次元画像センサたとえばCCDセンサを有するカメラを備える。好ましくは、光検出器は、能動ピクセルセンサ(APS、CMOSセンサ)を有するカメラを備える。APSセンサの速い読み取り速度および低い出力条件が、特に有利である。
【0024】
合わせガラス板上のレーザ放射の位置は、レーザ投光器の光学系によって定められる。合わせガラス板上のレーザ放射の位置は、カメラの二次元画像センサ上の検出された発光放射の位置を決定する。本発明の特に好ましい実施形態では、ガラス板上のレーザ放射の所定の位置に関する情報が制御ユニットによりカメラに送信される。すなわち、全体のAPSセンサは読み取られる必要はなく、APSセンサ上の発光放射の位置を含むセンサの領域の一部のみが必要とされる。これは特に、読み取り速度の観点から有利である。
【0025】
カメラの二次元画像センサ上の連続的に放射された一連のピクセルまたはピクセル群は、たとえば、制御ユニットによって、生成される画像の形状と比較される。これにより、合わせガラス板上に表示画像を生成するための装置の本発明の機能性が有利に確認できる。
【0026】
本発明の代替的な有利な実施形態では、光検出器は少なくとも1つのシングルピクセル光センサ、たとえば、光依存抵抗器、光トランジスタまたは二次電子増倍管、好ましくは、光ダイオードを含む。光ダイオードは、pn接合またはpin接合での可視光を内部の光電効果により電流に変換する半導体ダイオードである。可視スペクトル域での検出に適した半導体材料としては、たとえば、シリコン、あるいは、III−V化合物半導体、たとえばガリウム、アルミニウムおよび/またはインジウムのヒ化物、リン化物または窒化物が挙げられる。光ダイオードの特別な利点は、短い反応時間にある。
【0027】
本発明の好ましい実施形態では、レーザ投光器を出るレーザビームは、たとえばチョッパにより、周期的に遮断される。遮断されたレーザ放射を用いて位相中に光検出器により検出される放射は、たとえば、ガラス板中の蛍光色素が励起される位相中に検出される放射から減算される。これにより、外部光源たとえば日光または消防車やパトカーの警告灯(「青色光」)の遮蔽される効果は、有利に低減される。信号対雑音比は、ロックインアンプによって改善可能である。
【0028】
本発明の別の好適な実施形態では、光検出器の信号対雑音比は、最適フィルタリング法(マッチングフィルタ)により改善される。この場合、レーザ放射は、レーザ投光器から、特徴的な、周期的に繰り返されるパルスシーケンスで放出される。パルスシーケンスは、たとえば、チョッパまたはレーザ電源の遮断によって生成可能である。合わせガラス板を出る発光放射は、その後、同じ特徴のパルスシーケンスでもって生じる。光検出器の信号は、特徴的なパルスシーケンスの存在について分析される。これにより、発光放射は、背景放射から有利に区別できる。
【0029】
光検出器により検出可能な波長域は、好ましくは、発光色素の発光放射の波長域に適合される。これは、たとえば、光検出器の活性面の前に設けた適切なスペクトルフィルタによって実現される。これにより、他の光源の遮蔽効果は有利に低減される。レーザ放射の成分が反射または散乱される場合には、このような他の光源の1つは、たとえば、レーザであってもよい。
【0030】
光検出器には、さらに、レンズおよび/または他の光学的、電子的または機械的構成要素が含まれても良い。
【0031】
レーザ投光器は、放射源としての少なくとも1つのレーザと、レーザ放射の方向およびすなわち合わせガラス板上の照射位置を定める光学系とを有する。
【0032】
レーザ投光器の光学系は、可動部材に接続された少なくとも1つのミラーを有する。可動部材は、たとえば、少なくとも1つの圧電素子を含む。好ましくは、可動部材は、マイクロシステム原則に基づく部材(マイクロメカニカルシステム、MEMS)を含む。ミラーおよび可動なMEMS部材は、いわゆるマイクロミラーデバイス、より正確にはいわゆるマイクロスキャナを構成する。より小さいサイズ、より小さい重量、より低い電力消費、および、環境影響に対するロバスト性が、特に有利である。
【0033】
可動な部材によって、ミラーは二方向、好ましくは互いに垂直な二方向、特に好ましくは垂直方向と水平方向に傾斜可能である。光学系は、可動部材にそれぞれ取り付けられた複数のミラーを含んでも良い。たとえば、光学系は、2つのミラー、すなわち、水平方向に傾斜可能な1つのミラーと、垂直方向に傾斜可能なもう1つのミラーとを有する。光学系は、機械的、電子的および/または光学的部材、たとえば、レンズをさらに有しても良い。
【0034】
ミラーの方向調整によって、合わせガラス板上のレーザ放射の目標位置が定められる。レーザ放射がレーザ投光器を出ると、レーザ放射の合わせガラス板上の目標位置がレーザ放射により照射される。
【0035】
レーザ放射が当たる合わせガラス板内に画像を生成するために、合わせガラス板上のレーザ放射の目標位置は動かされる。レーザ放射の合わせガラス板上の目標位置が生成される画像の面内にあるとき、レーザ放射がレーザ投光器から出され、合わせガラス板に当てられる。レーザ放射の合わせガラス板上の目標位置が、生成される画像の面内に配置されないとき、レーザ放射はレーザ投光器から出されない。
【0036】
本発明の好ましい実施形態では、合わせガラス板上の画像は、ラスタースキャン法によって生成される。この際、合わせガラス板上のレーザ放射の目標位置は、好ましくは、レーザ放射が当たる合わせガラス板の領域の少なくとも一部にわたってライン状に周期的に動かされる。たとえば、2つの隣接するライン間の距離は、合わせガラス板上のレーザビームの幅に等しい。あるいは、2つの隣接するライン間の距離は、合わせガラス板上のレーザビームの幅よりも大きくまたは小さくともよい。ラスタースキャン法の特別な利点は、画像生成領域におけるレーザ照射の均一な分散にある。これにより、画像の均一な輝度が実現される。
【0037】
本発明の別の好ましい実施形態では、合わせガラス板上の画像は、ベクタースキャン法により生成される。この場合、生成される画像の形状は、合わせガラス板上のレーザ放射の目標位置の動きにより再生される。この際、目標位置は、画像が1つのつながった面を有する場合(たとえば数字の「0」のような)、レーザ放射の動きの全体時間の間、合わせガラス板上の生成される画像の面内に位置づけられる。すなわち、レーザ放射の動きの全体時間の間、レーザ放射がレーザ投光器から出される。これにより、有利には、発光色素の高い励起度および画像の高い輝度が得られる。互いに分離した複数の面を有する1つの画像の生成の際(たとえば数字の「10」のような)、複合ガラス上のレーザビームの所定の位置は、レーザの動きの時間の大部分の間、生成される画像の面内に位置づけられる。
【0038】
画像は、ベクタースキャン法およびラスタースキャン法の組み合わせによって生成されても良い。
【0039】
レーザは、好ましくはダイオードレーザである。レーザは、好ましくは、360nm〜420nmの波長の電磁放射を放出する。適切な市販のダイオードレーザは、たとえば、約405nmの放出波長のダイオードレーザである。
【0040】
本発明の特に有利な実施形態では、レーザは、375nm〜400nm、たとえば395nmの波長の電磁放射を放出する。これは、可視スペクトル域の放出波長を有する発光色紙の励起に関して有利である。レーザ放射の波長は、この場合、電磁スペクトルのUV−A領域である。UV−A領域(315nm〜400nm)における、可視領域(400nm〜780nm)におけるよりも高い最大許容露光量が、特に有利である。より高い最大許容露光量は、眼の放射の異なる作用メカニズムから生じる。UV−A放射は眼の結晶体レンズに作用し、可視放射は眼の網膜に作用する。より高い最大許容露光量により、同じ露光強度で、可視領域におけるよりも、UV−A領域において、より長い最大許容露光時間が得られる。たとえば、1x10W/mの露光強度での最大許容露光時間は、可視域で1x10−8s未満であり、UV−A領域では1x10−3s超である。これにより、レーザ投光器と合わせガラス板との間の障害物の検出後に、レーザ放射の遮断が必要な反応時間は、有利に長くなる。
【0041】
レーザ投光器は、また、複数のレーザを有してよい。異なるレーザは同じ放出波長または異なる放出波長を有してよい。
【0042】
レーザ投光器から放出されたときのレーザ放射の出力は、好ましくは5mW〜1000mW、特に好ましくは、50mW〜600mWである。これは特に、十分に明るい画像の生成に関して有利である。
【0043】
レーザが放出する電磁放射は、典型的には、直線偏光される。直線偏光において、電界の振動方向は一定である。電界の絶対値および符号は周期的に変化する。主たる振動方向が偏光方向といわれる。直線偏光光は、等しい振幅および位相で互いに垂直に振動する、等しい周波数および等しい伝播方向の2つの成分に分解できる。2つの成分の強度比は、偏光比ともいう。本発明において、偏光比は、好ましくは50:1以上、特に好ましくは90:1以上である。
【0044】
本発明の有利な実施形態では、レーザ放射は、合わせガラス板の表面に対して、(p−)偏光または主としてp−偏光されている。p−偏光は、レーザ放射が合わせガラス板に当たるときの偏光方向が入射平面内にあることを意味する。この際、入射平面は、レーザ放射が合わせガラス板に当たる位置での合わせガラス板の面法線と入射ベクトルとにより形成される。p−偏光レーザ放射は、合わせガラス板の表面で反射されずに、大きく屈折される。これは、見る者を邪魔しまたは危険にもさらす、合わせガラス板上でのレーザ放射の反射の低減に関して特に有利である。さらに、レーザ放射のより大きい割合は、発光色素を含む合わせガラス板の中間膜に当たる。これにより、発光色素の励起割合は有利に増大される。偏光方向は、放出方向により定められる軸を中心としたレーザの回転により調節できる。あるいは、偏光方向はたとえば、λ/2波長板により調節可能である。
【0045】
高い偏光比を実現するため、レーザ投光器は1つまたは複数の偏光子、たとえば偏光フィルタをさらに備えても良い。
【0046】
直線偏光レーザ放射の反射率は、合わせガラス板の表面上のレーザ放射の入射角に依存する。反射率は、反射放射強度の入射放射強度に対する比である。入射角は、合わせガラス板の表面にレーザ放射が当たる位置での、合わせガラス板の面法線と入射ベクトルとの間の角度である。直線偏光レーザ放射の反射の低減は、入射角が所謂ブルースター角に等しいときに特に顕著である。ブルースター角での光の入射の際、p−偏光放射の角度は0である。本発明において好ましく生じる気体−ガラスの移行時のブルースター角は約57.2°である。
【0047】
本発明の特に有利な実施形態では、レーザ放射が合わせガラス板の表面に当たる入射角は、レーザ放射が当たる合わせガラス板の全体領域にわたって、20°〜70°である。この場合、反射率は、典型的には、0.04以下である。非常に特に好ましくは、入射角は38°〜66°である。この際、反射率は、典型的には、0.02以下である。これは、合わせガラス板の表面での散乱反射の回避に関して特に有利である。
【0048】
本発明の別の有利な実施形態では、レーザ投光器に面する合わせガラス板の第1のガラス板の表面に反射防止膜が設けられている。これにより、合わせガラス板でのレーザ放射の反射は有利に低減され、発光色素の励起割合は有利に増大される。反射防止膜は、好ましくは、シリコン酸化物を含有する多孔性層を含む。特別な利点は、合わせガラス板へのレーザ放射の入射角が反射低減特性に依存しないことである。多孔性層はたとえば、DE822714Bに開示されているようなエッチング法により製造可能である。あるいは、多孔性層をコロイド分散溶液からのゾルゲル法で形成しても良い。適切な方法は、たとえば、DE19918811A1およびGB2424382Aに開示されている。反射低減防止性は、特に好ましくは、使用されるレーザの放出波長に対して最適化されており、これは、反射防止膜の層厚さの選択により実現可能である。反射低減性は、反射防止膜の層厚さがレーザ放出波長の1/4またはレーザ放出波長の1/4の奇数倍であるときに最適である。
【0049】
本発明の有利な実施形態では、合わせガラス板上に表示画像を生成するための装置は、さらに、中赤外波長域に感度を有する少なくとも1つの光検出器、好ましくは光トランジスタまたは光ダイオードを備える。赤外放射検出器は、好ましくは、4μm〜10μmの波長域に感度を有する。この波長域で、合わせガラス板は、好ましくは、非常に僅かな透過性しか、または、全く透過性を有しない。光ダイオードに適した半導体材料は、たとえば、CdTeまたはGeAu化合物である。赤外放射検出器は、好ましくは少なくとも、レーザ放射が当たる合わせガラス板の領域から合わせガラス板を出る赤外放射が検出されるように、配置され、方向調整される。特に好ましくは、レーザ放射が当たる合わせガラス板の領域のみからの赤外放射が検出される。このために、赤外放射検出器の方向性は構造部材、たとえばシャッタにより制御されてもよい。
【0050】
赤外放射検出器は、好ましくは、合わせガラス板を出る熱放射を検出する。赤外放射検出器は、好ましくは、構造的な実現可能性の文脈において、レーザ投光器からのレーザ放射の放出位置から最も近い距離で配置される。
【0051】
赤外放射検出器は、好ましくは、制御ユニットに接続されている。合わせガラス板の前に動いた障害物は、赤外放射検出器により検出される赤外放射の突然の変化となる。検出される赤外放射の突然の変化が生じると、レーザ投光器からのレーザ放射の放出は、制御ユニットによって遮断される。特別な利点は、レーザ放射による見る者に対する危険がさらに低減されることである。有利には、合わせガラス板の前にある障害物は、レーザ放射がオンになる前にすでに検出されても良い。
【0052】
本発明の代替的な好ましい実施形態では、赤外放射検出器は、適切なスペクトルフィルタと組み合わされた発光ダイオードまたは白熱灯などの赤外放射源の、ガラス板で反射された放射を検出する。この場合、好ましくは、拡散反射された放射部分が赤外放射検出器により検出される。赤外放射源は、好ましくは、4μm〜10μmの波長域の赤外放射を放出する。この際、赤外放射は4μm〜10μmの波長域全体を含む。あるいは、赤外放射は、4μm〜10μmの波長域の部分領域、たとえば、5μmを中心とした半値幅0.05μmの輝線を含んでも良い。赤外放射源により放出される波長域全体は、4μm〜10μmの波長域を超えてもよい。好ましくは、レーザ放射が当たる合わせガラス板の領域の少なくとも全体が赤外放射源によって照射される。赤外放射源は、好ましくは、構造的な実現可能性の文脈において、レーザ投光器からのレーザ放射の放出位置から最も近い距離に配置される。赤外放射源はレーザ投光器内に配置されても良い。この実施形態においても、赤外放射検出器により検出される放射の突然の変化は、合わせガラス板の前の障害物を示唆する。この場合、レーザ投光器からのレーザ放射の放出は、制御ユニットによって有利に遮断される。
【0053】
赤外放射検出器および任意選択的に赤外放射源による合わせガラス板の前の障害物を検出する能力は、発光色素の発光放射に感度のある光検出器に依存しない。したがって基本的に、赤外放射検出器および任意選択的に赤外放射源のみによる、レーザ放射による見る者の危険の低減の提供が考えられる。
【0054】
本発明の代替的な有利な実施形態では、合わせガラス板の表面に表示画像を生成するための装置は、さらに、少なくとも1つの超音波源および超音波検出器を備える。超音波源および超音波検出器は、好ましくは、制御ユニットに接続されている。超音波検出器は、規則的な時間間隔で超音波信号を放出する。超音波信号の繰り返し間隔は、好ましくは、0.5ms〜10msである。超音波信号は、合わせガラス板で反射された後に超音波検出器に当たる。超音波信号の放出および検出の時間間隔は、超音波源から合わせガラス板へ超音波信号が進む距離と、合わせガラス板から超音波検出器へ超音波信号が進む距離とによって決定される。制御ユニットは、超音波信号の放出と検出との間の時間間隔を監視する。合わせガラス板の前に障害物が位置する場合、超音波信号は、障害物で反射され、より短い時間で超音波検出器に達する。この場合、レーザ投光器からのレーザ放射の放出は、制御ユニットによって遮断される。特別な利点は、レーザ放射による見る者の危険のさらなる低減である。有利には、合わせガラス板の前の障害物はレーザ放射がオンとなる前に、すでに検出されても良い。
【0055】
超音波検出器および超音波源を用いた合わせガラス板の前の障害物の検出能力は、発光色素の発光放射に対する感度を有する光検出器に依存しない。したがって基本的に、超音波検出器および超音波源のみによる、レーザ放射による見る者の危険の低減の提供が考えられる。
【0056】
本発明における合わせガラス板は、中間膜を介して互いに結合された、少なくとも1つの第1のガラス板および第2のガラス板を有する。
【0057】
ガラス板は、好ましくは、平板ガラス(フロートガラス)、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスまたはソーダ石灰ガラスを含む。ガラス板は、好ましくは、80%超、好ましくは90%超の平均光透過率(特記しない限り、380nm〜780nmの波長の光に対するDIN5033に従う光タイプAおよび2°の標準的観測装置に対する光透過率)を有する。ガラス板は、360nm〜420nmの波長域において、好ましくは、>70%、特に好ましくは75%の光透過率を有する。
【0058】
第1のガラス板および/または第2のガラス板は、好ましくは、1mm〜4mm、特に好ましくは1.4mm〜2.5mmの厚さを有する。第1および第2のガラス板は、厚さが異なっていても良い。
【0059】
第1のガラス板および/または第2のガラス板は、好ましくは、色付けおよび/またはコーティングを有する。色付けおよび/またはコーティングは、投影された画像のコントラストを強め、発光色素をエージングから保護することができる。レーザ投光器から離れた側の第2のガラス板は、好ましくは、色付けおよび/またはコーティングを有し、レーザ投光器に面する側の第1のガラス板は、色付けおよび/またはコーティングを有しない。
【0060】
中間膜は、好ましくは、少なくとも1種の熱可塑性ポリマー、特に有利には、少なくともポリビニルブチラール(PVB)である。中間膜は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)および/またはポリエチルビニルアセテート(EVA)を含んでも良い。中間膜は異なるポリマーの混合物またはコポリマーを含んでもよい。
【0061】
中間膜は、好ましくは、0.30mm〜0.9mm、好ましくは、0.50mm〜0.80mmの厚さを有する。この層厚さの範囲で良好な結果が得られる。
【0062】
中間膜は、有利には、390mm〜410nmの波長域において、>70%、好ましくは、>80%の光透過率を有する。中間膜の光透過率は、膜厚、ポリマー組成、重合度、重合分布、UVブロッカー、または、可塑剤によって調整可能である。本発明における中間膜によれば、励起されて放出された放射のほんの僅かな吸収、および、したがって、ヘッドアップ表示装置の高い輝度が実現される。
【0063】
中間膜は、複数の個別の層を含んでいても良い。
【0064】
中間膜は、発光色素の拡散に対する1つまたは複数のバリア層を有しても良い。バリア層は、好ましくは、可塑剤を含まない、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリビニルブチラール(PVB)、および、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および/または、そのコポリマー、特に好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む。
【0065】
中間膜は、他の機能層、たとえば、加熱可能な層、アンテナ機能を有するコーティングおよび/またはより低い放射率のコーティングを含んで良い。
【0066】
本発明の中間層は、少なくとも1種の発光色素を含む。本発明において、発光色素は、有機および/または無機の発色団、あるいは、発光性の化合物、イオン、結合体および/または分子を含む。
【0067】
中間膜が複数の個別の層を含む場合、発光色素は1つまたは複数の個別の層に含まれても良い。異なる発光色素が中間膜の異なる個別の層に含まれても良い。
【0068】
発光色素は、好ましくは、350nm〜450nm、特に好ましくは390nm〜420nmの範囲において励起極大を有する。この範囲で良好な結果が得られる。
【0069】
発光色素は、好ましくは、400nm〜800nm、好ましくは430nm〜500nmの範囲で放出極大を示す。良好な結果がこの範囲で得られる。
【0070】
発光色素は、好ましくは、式R−COO−Ph(OH)−COO−Rを有するヒドロキシアルキルテレフタレートを含み、式中、R、Rは1〜10個のC原子を有するアルキルまたはアリル基であり、Phはフェニル環であり、OHはフェニル環に接続されたヒドロキシル基であり、xは0〜4の整数である。一般構造式は以下のものである:
【化1】
【0071】
蛍光色素は、好ましくは、ジエチル−2,5−ジヒドロキシテレフタレートを含む。構造式は以下のものである:
【化2】
【0072】
蛍光色素は、ベンゾピラン、ナフトピラン、2H−ナフトピラン、3H−ナフトピラン、2H−フェナントロピラン、3H−フェナントロピラン、フォトクロミック樹脂、クマリン、キサンチン、ナフタレン酸誘導体、オキサゾール、スチルベン、スチリル、ペリレン、ナフタルイミド、ナフタレン、フェニレン、キサンテン、ランタノイド、好ましくは、Y:Eu、YVO:Tm、YS:Pr、GdS:Tbおよび/またはその混合物を含む。
【0073】
合わせガラス板の製造のため、蛍光色素は、好ましくは溶媒とともに、中間膜上に、または、中間膜の個別の層上に、たとえば、スプレー、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、および/または、フレキソ印刷によって塗布される。溶媒は、好ましくは、アルコール、ケトン、エステル、アミン、アミドおよび/またはこれらの混合物を含む。溶媒は、特に好ましくは、エタノール、テトラヒドロフランおよび/またはベンジルアルコールを含む。溶媒の大部分は、蛍光色素の塗布後の蒸発によって失われる。第1のガラス板と第2のガラス板との間の中間膜の積層の際、蛍光色素は、好ましくは、中間膜全体に、または、中間膜の1つまたは複数の個別の層全体に均一に分布される。積層は、好ましくは、120℃〜170℃の温度、10バール〜15バールの圧力、30min〜240minの間、行われる。
【0074】
中間膜は、好ましくは0.1g/m〜15g/mの発光色素を含む。この量の指標は、約0.76mmの中間膜の厚さに基づいている。良好な結果がこの範囲で得られる。
【0075】
本発明の課題は、合わせガラス板上に表示画像を生成するための方法により解決され、ここで、
レーザの放射は少なくとも1種の蛍光色素を含む合わせガラス板上にレーザ投光器の光学系を介して方向付けられ、放射がレーザ投光器を出る際にレーザ投光器からオン信号が制御ユニットに送信され、
レーザ放射が当たる合わせガラス板の領域から発光色素の発光放射が検出されるときに、オン信号が光検出器から制御ユニットに送信され、
制御ユニットが、レーザ投光器のオン信号を受信し、同時に、光検出器のオン信号を受信しないときに、制御ユニットはレーザ投光器からのレーザ放射の放出を遮断する。
【0076】
レーザ放射による見る者の危険は、ミラーの動きが妨げられるとき、すなわち、レーザビームが一定の場合に、特に大きい。本発明の有利な実施形態では、レーザ投光器の光学系の調整可能なミラーの可動性が、規則的な時間間隔で確認される。このために、規則的な信号がレーザ投光器によって生成され、この際、ミラーの可動性が信号の生成に必要である。たとえば、好ましくは、レーザ放射が当たる合わせガラス板の領域の端部領域における、合わせガラス板上の所定の位置が、レーザ投光器によって規則的に照射される。合わせガラス板上の所定の位置が照射される周波数は、好ましくは30Hz〜50Hzである。これは、ミラーに結合された可動部材への損傷の回避、並びに、ミラーの可動性が失われた場合の高速な応答性のために、特に有利である。二次元画像センサ上の対応する位置に規則的な信号が到着したかは、光検出器としてのカメラによって分析される。規則的な信号がない場合、レーザ投光器からのレーザ放射の放出は、有利に遮断される。
【0077】
本発明の代替的な有利な実施形態では、レーザビームはレーザ投光器内の所定の位置に規則的に方向付けられる。制御ユニットに接続された付加的な光検出器、たとえば、光ダイオード、光依存抵抗器または光トランジスタが、レーザ投光器内の所定の位置に配置される。規則的な信号の生成時に、レーザ放射がレーザ投光器を出ることなく、かつ、たとえば、合わせガラス板上に照射点の中断が生じることなく、規則的な信号によって調整可能なミラーの可動性が監視可能であることが、特別な利点である。レーザ投光器内の光検出器上に規則的な信号が無いことは、調整可能なミラーの損傷を示唆する。この場合、レーザ投光器からのレーザ放射の放出は有利に遮断される。
【0078】
複合ガラス上に表示画像を生成するための装置は、建造物、車両、航空機、ヘリコプターおよびまたは船舶において、好ましくは、透明な表示装置として、特に好ましくは、ヘッドアップ表示装置として用いられる。
【0079】
本発明について、図面および例示的実施形態を参照して詳細に説明する。図面は概略的なものである、
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1】複合ガラス上に表示画像を生成するための装置の概略図を示す。
図2図1にかかる装置のA−A’断面を示す。
図3】本発明にかかる装置の別の実施形態によるA−A’断面を示す。
図4】種々の波長域における最大許容露光量の図である。
図5】入射角に対する反射率の図である。
図6】合わせガラス板でのレーザ放射の反射の概略図を示す。
図7】本発明にかかる方法の詳細なフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0081】
図1および2は、合わせガラス板上に表示画像を生成するための、本発明にかかる装置の詳細をそれぞれ示す。合わせガラス板1は、幅150cm、高さ90cmである。合わせガラス板1は、厚さ2.1mmの第1のガラス板3および第2のガラス板4を有する。合わせガラス板1は、さらに、厚さ0.76mmの中間膜2を有する。中間膜2はPVBを含む。中間膜2は、さらに、発光色素8として、ジエチル−2,5−ジヒドロキシテレフタレートを含む。ジエチル−2,5−ジヒドロキシテレフタレートは、合わせガラス板1の製造時に、約3g/mの濃度で中間膜の表面上に形成される。
【0082】
レーザ投光器5は、レーザ9と、レーザ放射11を偏向させるための光学系10とを有する。レーザ9は、放出波長395nmのダイオードレーザである。レーザ9の出力は2200mWである。合わせガラス板1の光透過率は、発光色素8による吸収のために、使用されるレーザ9の放出波長では0.1%未満である。したがって、合わせガラス板1により透過されるレーザ光による人の危険は、有利に防がれる。
【0083】
光学系10は、MEMSマイクロスキャナを有する。レーザ放射11は、MEMSマイクロスキャナによって合わせガラス板1の上で可動である。レーザ放射11の動きは、合わせガラス板1の範囲7内で可能である。発光色素8はレーザ放射11によって光学的に励起される。発光色素8は、その後、可視光の波長域にある発光放射12を放出する。発光放射12の一部は、見る者14の眼に達し、合わせガラス板1上のピクセルとして知覚される。合わせガラス板1上のレーザ放射11の動きにより、画像、たとえば、図像、数または文字が生成される。
【0084】
光検出器6は能動ピクセルセンサを有するカメラを備える。適切なスペクトルフィルタの使用により、カメラは430nm〜480nmの波長の光を検出する。カメラはレーザ光が当たる合わせガラス板1の領域全体からの発光色素8の発光放射12を検出することができる。
【0085】
光検出器6およびレーザ投光器5は、制御ユニット13に接続されている。制御ユニット13は特定用途向け集積回路(ASIC)を備える。レーザ投光器5は、レーザ放射11がレーザ投光器5を出る際に、制御ユニット13にオン信号を送信する。光検出器6は、発光放射12が検出されたとき、制御ユニット13にオン信号を送信する。レーザ放射11がレーザ投光器5を出たが、同時に、発光放射が検出されないとき、レーザ投光器5と合わせガラス板1との間に、または、光検出器6と合わせガラス板1との間に障害物が存在するはずである。この場合、制御ユニット13は、レーザ9の電源を遮断する。たとえば障害物で反射されるレーザ放射11による、見る者14の危険は、もはや生じ得ない。
【0086】
図3は、合わせガラス板上に表示画像を生成するための、本発明にかかる装置の別の実施形態の断面A−A’を示す。赤外放射源15は、レーザ放射11が当たる合わせガラス板1の領域7の全体を照射する。赤外放射源15は、レーザ投光器5の放射口の近くに配置されている。赤外放射源15は、適切なスペクトルフィルタを有する白熱電球を有し、約5μmの波長の赤外放射15aを放出する。赤外放射15aは合わせガラス板1の表面で反射される。赤外放射検出器16は好ましくは、レーザ放射11が当たる合わせガラス板1の領域7からの赤外放射の反射分16aを検出する。赤外放射検出器16は、制御ユニット13に接続されている。たとえば、合わせガラス板1の前に障害物が突然入った結果として、赤外放射16aの強度が突然変化した場合、制御ユニット13は、レーザ投光器5からのレーザ放射11の放出を遮断する。このために、制御ユニット13は、たとえば、レーザ9の電源を遮断する。
【0087】
本発明の代替的実施形態では、赤外放射検出器16は、合わせガラス板1を出る熱放射を検出する。検出される熱放射の突然の変化は、合わせガラス板1の前の障害物を示唆する。この場合、制御ユニット13は、有利には、レーザ投光器5からのレーザ放射11の放出を遮断する。この場合、赤外放射源15は不要である。
【0088】
レーザ投光器5内に光検出器20として光ダイオードが設けられている。レーザ放射11は、周波数30Hzで光検出器20に規則的に向けられる。光検出器20は、制御ユニット13に接続されている。光検出器20に規則的な放射信号が来ないことは、光学系10、特に調整可能なミラーの故障を示唆する。この場合、制御ユニット13は、有利には、レーザ投光器5からのレーザ放射11の放出を遮断する。
【0089】
図4は、種々の波長範囲についての放射時間に対する最大許容露光量の図を示す。たとえば、1x10W/mの露光強度において、400nm〜700nmの可視波長域では、約5x10−9s後に最大許容露光量を超える。同じ露光強度において、315nm〜400nmのUV−A波長域では、約1x10−3s後に最大許容露光量を超える。記載した点は、図中に円で示されている。プロットから、可視域に放射波長を有するレーザ9と比較した、UV−A域に放射波長を有するレーザ9の利点が示される。図は、http://www2.physik.uni-Greifswald.de/sensoren/skripten/LASER11.pdfから得られる。
【0090】
図5は、空気−ガラスの移行時のp偏光およびs偏光レーザ放射11に関する反射率の入射角θに対する図を示す。p偏光レーザ放射11について電界ベクトルは入射平面内にあり、s偏光レーザ放射11について電界ベクトルは入射平面に垂直である。s偏光光はp偏光光よりも強く反射される。20°〜70°の範囲の入射角に関して、p偏光光に対する反射率は0.04以下である。38°〜67°の範囲の入射角θに関して、p偏光光に対する反射率は、0.02以下である。ここで、反射率に関する値は、標準波長である589nmにおけるガラスの典型的な屈折率1.55を用いて計算した。反射率についての値は使用されるガラス板の材料に依存し、用いられるレーザ波長は本明細書で示される値とは僅かに異なる。
【0091】
図6は、合わせガラス板1でのレーザ放射11の反射における形状のパラメタを示す。合わせガラス板1に当たるレーザ放射11の伝播方向が、入射ベクトル17により示されている。合わせガラス板1の表面上のレーザ放射11が当たる場所における、合わせガラス板1の面法線18および入射ベクトル17が、入射角θを形成する。入射ベクトル17および面法線18は、入射平面を形成する。レーザ放射11は周期的な曲線として示されており、これは、電界ベクトル19の方向における電界の偏向を示している。p偏光レーザ放射11について、電界ベクトル19は入射平面内にある。
【0092】
図7は、例としての、合わせガラス板上に表示画像を生成するための、本発明にかかる方法を示す。
【0093】
図1による合わせガラス板上に表示画像を生成するための装置について試験した。障害物で反射されるレーザ放射11による、見る者14の眼の損傷は防ぐことができることが示された。この結果は、当業者には予測不能であり、驚くべきものであった。
【符号の説明】
【0094】
1 合わせガラス板
2 合わせガラス板1の中間膜
3 合わせガラス板1の第1のガラス板
4 合わせガラス板1の第2のガラス板
5 レーザ投光器
6 光検出器
7 合わせガラス板1の領域
8 発光色素
9 レーザ
10 レーザ放射11を偏向するための光学系
11 レーザ放射
12 発光放射
13 制御ユニット
14 見る者
15 赤外放射源
15a 赤外放射
16 赤外放射検出器
16a 反射された赤外放射の分
17 反射面上のレーザ放射11の入射ベクトル
18 反射面の面法線
19 直線偏光された放射の電界ベクトル
20 レーザ投光器5内の光検出器
θ 反射面上のレーザ放射11の入射角
A−A’ 断面線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7