【解決手段】遊技場用システム1は、遊技場に設置された遊技機41及び場内機器に対して電力を供給する第1電力供給手段と、遊技場内の遊技機41の稼動に関する情報である稼動情報を収集して管理する遊技機管理手段と、過去の稼動情報に基づいて遊技場内の遊技機41の稼動率が予め定められた割合以上となる特別時間帯を予測する時間帯予測手段と、特別時間帯とは異なる充電時間帯において充電を行い、特別時間帯において電力を供給する第2電力供給手段と、を備えている。
前記遊技機管理手段は、曜日の情報、又は新しい種類の遊技機を設置したことに対応した情報を営業条件として営業日に対応付けた状態で、前記稼動情報を収集して管理することを特徴とする請求項2に記載の遊技場用システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の技術では、遊技機の稼動数に応じて消費電力の効率化を図ることはできるが、前もって消費電力を予測することはできず、電源装置等から遊技機や各種の場内機器への電力供給を計画的に実施することが難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技場における電力供給を計画的に実施するために役立つ遊技場用システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、遊技場に設置された遊技機、及び当該遊技機とは別に設けられた場内機器に対して電力を供給する第1電力供給手段と、
遊技場に設置された複数の遊技機の稼動に関する情報である稼動情報を収集して管理する遊技機管理手段と、
前記遊技機管理手段が管理する過去の前記稼動情報に基づいて、遊技場の単位時間あたりの遊技機の稼動率が予め定められた割合以上となる特別時間帯を当該特別時間帯になるよりも前に予測する時間帯予測手段と、
前記特別時間帯とは異なる充電時間帯において充電を行う一方、当該充電された電力を前記特別時間帯において前記遊技機、又は前記場内機器に対して供給する第2電力供給手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システムにある(請求項1)。
【0007】
本発明の第1の態様の遊技場用システムが備える時間帯予測手段は、遊技機管理手段が管理する過去の稼動情報に基づいて、遊技場の単位時間あたりの遊技機の稼動率が予め定められた割合以上となる特別時間帯を予測する。その特別時間帯において第2電力供給手段は、特別時間帯とは異なる充電時間帯に充電した電力を供給する。したがって、この遊技場用システムが導入された遊技場では、特別時間帯において第1電力供給手段が供給する必要がある電力の削減が可能となっている。
【0008】
本発明における好適な一態様の遊技場用システムにおける遊技機管理手段は、営業日に対応付けられた営業条件別に稼動情報を収集して管理するものであり、
前記時間帯予測手段は、予め定められた営業日の前記特別時間帯を予測する場合に、当該営業日と同じ営業条件の過去の営業日における前記稼動情報を用いて前記特別時間帯を予測する(請求項2)。
【0009】
この場合には、同じ営業条件の稼動情報を用いて特別時間帯を予測するため、稼動率が高くなる時間帯の予測精度を向上できる。なお、営業条件としては、例えば、新台入替やファン感謝デーや特定機種が有利となる日などの各種のイベント営業の営業条件を設定することも良い。
【0010】
本発明における好適な一態様の遊技場用システムにおける遊技機管理手段は、曜日の情報、又は新しい種類の遊技機を設置したことに対応した情報を営業条件として営業日に対応付けた状態で、前記稼動情報を収集して管理する(請求項3)。
【0011】
一般的に、遊技場では、曜日別に稼動率が大きく異なることや、新しい遊技機を設置した日は稼動率が大きく異なることがあり、稼動率が高くなる時間帯が変動する可能性がある。上記のように曜日の情報、又は新しい種類の遊技機を設置したことに対応した情報を営業条件として営業日に対応付けた状態で稼動情報を管理する場合には、例えば日曜日など休日の営業日や、新しい種類の遊技機を設置する新台入替の営業日等について、同様の営業条件が対応付けられた過去の稼動情報を容易に参照できるようになる。このように同様の営業条件が対応付けられた過去の稼動情報を利用すれば、特別時間帯の予測精度を向上でき予測が外れてしまうおそれを抑制できる。
【0012】
本発明の第2の態様は、遊技場に設置された遊技機、及び当該遊技機とは別に設けられた場内機器に対して電力を供給する第1電力供給手段と、
遊技場に設置された複数の遊技機の稼動に関する情報である稼動情報を収集して管理する遊技機管理手段と、
前記遊技機管理手段が管理する過去の前記稼動情報に基づいて、遊技場の単位時間あたりの遊技機の稼動率が予め定められた割合以上となる特別時間帯を当該特別時間帯になるよりも前に予測する時間帯予測手段と、
前記第1電力供給手段が供給する電力とは異なる電力を、前記特別時間帯において前記遊技機、又は前記場内機器に対して供給する第2電力供給手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システムにある(請求項4)。
【0013】
本発明の第2の態様の遊技場用システムでは、第1の態様の遊技場用システムと同様、特別時間帯において第2電力供給手段が電力を供給するため、第1電力供給手段が供給する必要がある電力を削減できる。なお、第2電力供給手段としては、例えば発電機能を備える手段であっても良い。
【0014】
以上の通り、本発明に係る遊技場用システムは、遊技場における電力供給を計画的に実施するために役立つ有用なシステムである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施形態1)
本実施形態は、パチンコ遊技機等の遊技機41が100台設置された遊技場の電力管理に有用な遊技場用システム1に関する。この内容について、
図1〜
図7を参照して説明する。
【0017】
図1に例示する遊技場には、パチンコ遊技機等の遊技機41のほか、貸出機43、呼出ランプ45、エアコン51等の空調設備などの場内機器が設置されている。遊技機41及び場内機器は、メイン電源21あるいは補助電源22から電力供給を受けて動作する。なお、
図1では、遊技機41や場内機器に電力を供給するための電力線の図示を省略してある。
【0018】
遊技場では、通路に面して例えば20台の遊技機41が配列された遊技島が例えば1番島〜5番島まで設けられている。例えば、1番島〜5番島までの遊技島のうちの4番島及び5番島は、遊技場全体の稼動率が高くなったとき、補助電源22から電力供給を受ける特定の遊技島として予め指定されている。
遊技島では、2台の遊技機41毎に1台ずつ中継装置42が設置されている。この中継装置42には、遊技機41のほか、各遊技機41に付設された呼出ランプ45及び貸出機43が通信可能な状態で接続されている。遊技機41が出力する各種の遊技信号は、中継装置42を経由して対応する呼出ランプ45に出力されるほか、中継装置42を介して通信ネットワーク40に送出される。
【0019】
遊技場に設置された遊技機41、場内機器、メイン電源21及び補助電源22等は、遊技場内の事務所スペース等に設置された管理装置11によって管理され、通信ネットワーク40を利用して動作状況がモニターされている。メイン電源21及び補助電源22は、電力の供給態様等を管理装置11側から制御可能となっている。
【0020】
遊技機41として
図1に例示するパチンコ遊技機は、玉を遊技媒体として遊技される遊技機である。このパチンコ遊技機は、始動入賞口への入賞に応じて大当たり抽選を実行すると共に図柄変動を開始し、当選したときに大当たり図柄を停止させて特別遊技状態の一例である大当たり状態を発生させる、いわゆるセブン機である。
【0021】
パチンコ遊技機は、稼動中に各種の遊技信号を外部出力する。外部出力する信号としては、例えば、玉の消費を表す払出信号(以下アウト信号という。)、入賞に応じた玉の払出を表す打込信号、大当たり抽選結果を報知する図柄変動の開始を表すスタート信号、大当たり状態の発生中に出力される大当たり信号等がある。なお、稼動率の集計に利用するアウト信号は、10玉消費する毎に1回出力される。
【0022】
遊技信号には、出力元の遊技機41を特定可能なID情報である台番IDがひも付けされている。管理装置11等、遊技信号を入力した側では、遊技信号にひも付けされた台番IDを参照することで、その遊技信号の出力元の遊技機41を特定可能である。
【0023】
(管理装置の構成)
図1の管理装置11は、液晶ディスプレイ等のPCモニタ111や図示しないプリンタ等を含む出力部と、各種の演算処理を実行する装置本体113と、キーボード112及び図示しないマウスを含む入力部と、を備えている。装置本体113は、CPU(Central Processing Unit)を中心とした演算機能、ハードディスクドライブ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を利用した記憶機能、及び各種信号あるいは情報を送受信する通信機能等を有している。
【0024】
管理装置11は、例えばハードディスクドライブから読み出したソフトウェアプログラムをCPUが実行することで、さまざまな機能を実現する。管理装置11は、各遊技機41が出力する遊技信号を中継装置42経由で入力する。特に、本実施形態の管理装置11は、各遊技機41が出力するアウト信号を利用して遊技場の遊技機41の稼動率を集計する。
【0025】
特に、本実施形態の管理装置11は、遊技場の消費電力を管理するための機能として、以下の各手段としての機能を実現可能である。
(1)営業条件設定手段:遊技場の管理者等がキーボード112やマウス等を介して入力した営業条件を、当日の営業日に対応付けて設定する手段。管理者等が入力可能な営業条件としては、例えば新機種(新しい種類)の遊技機41の設置を意味する新台入替や、特定機種の有利度合いを高くする「機種○○の日」や、ファン感謝デーなどのイベント情報などがある。なお、営業条件の入力がない営業日については、当日の営業日の曜日、及び平日であるか休日であるかが営業条件として自動的に設定される。
(2)信号入力手段:各遊技機41側から出力されて来る遊技信号を入力(取得)する手段。信号入力手段は、アウト信号など各遊技機41側から出力される遊技信号をリアルタイムで入力する。遊技信号には、遊技機41を特定可能なID情報である台番IDがひも付けされており、管理装置11では、遊技信号の出力元の遊技機41を特定可能である。
(3)稼動判定手段:各遊技機41について稼動状態であるか非稼動状態であるかを判定する手段。
(4)稼動率集計手段:稼動判定手段による各遊技機41の稼動状態の判定結果に基づいて、単位時間(本実施形態では1時間。)あたりの遊技場内の遊技機41の稼動率を集計する手段。
(5)遊技機管理手段:遊技場内の遊技機41の稼動率(稼動)に関する稼動情報を収集して管理する手段。稼動率としては、遊技場内の遊技機41の稼動率が営業日別、時間帯毎に管理される。なお、稼動に関する情報として、遊技機が稼動している台数の割合や、稼動した時間の割合等を管理する構成とし、その割合を稼動率として管理する構成とすると良い。
(6)時間帯予測手段:単位時間(本実施形態では1時間。)あたりの遊技場内の遊技機41の稼動率が予め定められた割合以上となる特別時間帯、及び予め定められた割合以下となる充電時間帯を予測する手段。本実施形態では、特別時間帯の閾値として8割を設定し、充電時間帯の閾値として2割を設定している。時間帯予測手段は、遊技機管理手段が管理する稼動情報を利用して特別時間帯及び充電時間帯を予測する。
(7)時間帯提示手段:時間帯予測手段による予測結果を遊技場の管理者等に対して提示する手段。
(8)電源設定手段:特別時間帯及び充電時間帯における電力供給の態様を設定する手段。電源設定手段は、特別時間帯等の予測結果を基にして遊技場の管理者等が設定した電力供給の態様を設定する。
(9)電源制御手段:メイン電源21、補助電源22を制御する手段。電源制御手段は、メイン電源21及び補助電源22の電力供給を制御すると共に、充電機能を有する補助電源22の充電を制御する。
【0026】
(電源装置の構成)
第1電力供給手段の一例をなすメイン電源21は、遊技場の主たる電源装置である。第2電力供給手段の一例をなす補助電源22は、充電可能な蓄電池を備えた電源装置である。上記のように補助電源22は、予め定められた特定の遊技島(例えば4番島、5番島)及び空調設備に電力を供給可能である。
【0027】
メイン電源21は、補助電源22が特定の遊技島及び空調設備に対して電力を供給する際、その遊技島及び空調設備に対する電力供給を停止するように構成されている。補助電源22による電力供給を実施するか充電を実施するか、特定の遊技島等に対してメイン電源21から電力供給を実施するか否か等は、管理装置11による制御により選択的に設定可能である。
【0028】
次に、本実施形態の遊技場用システム1の動作について、管理装置11及び電源装置の動作を中心として説明する。
(管理装置の動作)
(1)営業条件の設定
管理装置11では、PCモニタ111に表示された図示しない営業条件入力画面上で営業条件を入力するための入力操作が可能である。営業条件としては、新機種の遊技機41を設置する新台入替、特定の機種が有利となる「機種○○の日」などのイベント情報を入力可能である。管理装置11では、当日の営業日の曜日及び平日であるか休日であるかの営業条件のほか、営業条件入力画面上で入力されたイベント情報等の営業条件が、営業日の年月日データに対応付けて管理される。なお、営業条件入力画面上で営業条件が何も入力されない場合には、当日の営業日の曜日及び平日であるか休日であるかが営業条件として自動的に設定される。
【0029】
(2)稼動情報の収集・管理
管理装置11は、いずれかの遊技機41側からアウト信号を入力した後、2分間が経過するまで、出力元の遊技機41が稼動状態にあると判定する。その後、2分以内にその遊技機41からアウト信号を再度入力できれば、その遊技機41について稼動状態の判定を継続する。
【0030】
管理装置11は、上記のような各遊技機41の稼動状態の判定結果を基にして
図2に例示するように単位時間の一例である1時間の時間帯毎に遊技場内の遊技機41の稼動率を集計している。例えば12時から1時間の時間帯(12:00〜12:59の時間帯)において、2番台の遊技機が稼動状態と判定された累積時間が30分であれば、稼動時間が30分のその遊技機の稼動率は50%となる。遊技場内の遊技機41の時間帯毎の稼動率は、このように集計された各遊技機41の稼動率を平均して求められる。
図2の場合、例えば10:00〜10:59の時間帯の平均の稼動率が30%となっている。
【0031】
管理装置11は、営業日別の時間帯毎の遊技場内の遊技機41の稼動率を集計し、これに営業日別の営業条件を対応付けた状態で稼動情報として収集、管理している。本実施形態の管理装置11は、
図3に例示するように、時間帯毎の稼動率及び営業条件を営業日別に記憶し管理している。例えば201×年4月29日の営業日の場合であれば、水曜日、平日、新台入替なる営業条件が対応付けされ、各時間帯の稼動率が例示するようになっている。
【0032】
(3)特別時間帯・充電時間帯の予測
管理装置11は、上記のように管理する営業日別の営業条件の中から当日の営業条件と同じ営業条件が対応付けられた営業日の過去の稼動情報を特定する(
図4)。そして、特定した営業日の時間帯毎の稼動率のデータを基にして時間帯毎の平均の稼動率を算出する。例えば
図4の例では、水曜日の平日及び新台入替等の同じ営業条件が対応付けされた営業日として201×年4月29日、201△年5月6日、201*年10月22日などの営業日の稼動情報が特定され、それらの営業日の各時間帯について平均稼動率が算出されている。例えば18:00〜18:59の時間帯の平均稼動率が91%となっている。
【0033】
管理装置11は、時間帯毎の平均稼動率の中から予め定められた例えば8割以上の稼動率となる時間帯を特定する。そして、当日の営業時間のうちの特定した時間帯に相当する時間帯について、遊技機41の稼動率が高まり消費電力が大きくなる特別時間帯と予測する。同様に、予め定められた例えば2割以下の時間帯を特定し、当日の営業時間のうちの特定した時間帯に相当する時間帯について、遊技機41の稼動率が低くなり消費電力が少なく補助電源22の充電に適した充電時間帯と予測する。
【0034】
例えば、
図4中の下段の時間帯毎の平均稼動率の場合であれば、稼動率が8割以上となる特別時間帯として、14:00〜14:59の時間帯と、18:00〜18:59の時間帯とが特定される。また、稼動率が2割以下となる充電時間帯として、22:00〜22:59の時間帯が特定される。
【0035】
(4)電源設定
管理装置11は、
図5の特別時間帯設定画面31、
図6の充電時間帯設定画面32をPCモニタ111に表示することで、予測した特別時間帯、充電時間帯を遊技場の管理者等に提示する。
【0036】
図5に例示する特別時間帯設定画面31では、当日に設定された営業条件の表示欄311と、当日の特別時間帯の予測結果の表示欄312と、充電時間帯設定画面32に切り換えるための画面切換ボタン313と、設定完了ボタン314と、が配置されている。特別時間帯の表示欄312には、「過去の稼動率に基づく本日の高稼動率予測時間帯」という見出しが付記される。また、予測された特別時間帯の右側の欄には、マウス等によるクリック操作が可能な○印が表示される。表示された○印をクリック操作すると図示しない×印に置き換わり、その×印をクリック操作すると○印に置き換わる。なお、
図5の特別時間帯設定画面31は、
図4に対応する表示例である。この特別時間帯設定画面31では、
図4の下段に例示する平均稼動率が82%となる14:00〜14:59の時間帯、及び同91%となる18:00〜18:59の時間帯が、特別時間帯として表示されている。
【0037】
図6に例示する充電時間帯設定画面32では、当日の営業条件の表示欄321と、当日の充電時間帯の予測結果の表示欄322と、特別時間帯設定画面31に切り換えるための画面切換ボタン323と、設定完了ボタン324と、が配置されている。充電時間帯の表示欄322には、「過去の稼動率に基づく本日の低稼動率予測時間帯」という見出しが付記される。また、予測された充電時間帯の右側の欄には、マウス等によるクリック操作が可能な○印が表示される。表示された○印をクリック操作すると図示しない×印に置き換わり、その×印をクリック操作すると○印に置き換わる。なお、
図6の充電時間帯設定画面32は、
図4に対応する表示例である。この充電時間帯設定画面32では、
図4の下段に例示する平均稼動率が17%となる22:00〜22:59の時間帯が、充電時間帯として表示されている。
【0038】
特別時間帯設定画面31の表示欄312の○印は、対応する特別時間帯において補助電源22からの電力供給を実施する旨を意味し、×印は、補助電源22からの電力供給を実施しない旨を意味している。また、充電時間帯設定画面32の表示欄322の○印は、対応する充電時間帯において補助電源22の充電を実施する旨を意味し、×印は、補助電源22の充電を実施しない旨を意味している。特別時間帯設定画面31あるいは充電時間帯設定画面32上で、予測された特別時間帯あるいは充電時間帯に対応する印を○印とするか×印とするかを選択すれば、補助電源22の動作の態様を設定できる。特別時間帯を○印とすれば、補助電源22から遊技機41等に電力供給される態様を設定できる。充電時間帯を○印とすれば、メイン電源21からの電力供給により補助電源22が充電される態様を設定できる。
【0039】
なお、図示しない時間帯入力欄を表示させるための時間帯設定ボタンを、特別時間帯設定画面31及び充電時間帯設定画面32に設けることも良い。このような構成は、例えば、遊技客に特別なサービスを実施するサービスタイム等が予定されている営業日などで有用である。特別時間帯設定画面中の時間帯設定ボタンを操作して時間帯入力欄を表示させ、サービスタイムが属する時間帯を入力すれば、特別時間帯を手動で追加設定できる。過去の稼動情報に基づかない当日の営業日特有の特別時間帯を手動で追加設定できれば、例えばサービスタイムで稼動率が高くなったときでもメイン電源21の供給電力が過大となる状況を未然に回避できる。
【0040】
(5)電源制御
特別時間帯でもなく充電時間帯でもない時間帯では、遊技場内の遊技機41及び場内機器に対してメイン電源21から電力が供給されるように制御される。補助電源22については、電力供給も充電も行われない休止状態となる。
【0041】
図5に例示する特別時間帯設定画面31上で○印が付された例えば14:00〜14:59の特別時間帯に現在時刻が属しているときには、上記の特定の遊技島(例えば1番島〜5番島のうちの4番島、5番島)の遊技機41及び場内機器に対して補助電源22から電力が供給され、その遊技島以外(例えば1番島〜3番島)の遊技機41及び場内機器に対してメイン電源21から電力が供給されるように制御される。このような制御によれば、稼動率が高くなり消費電力が大きくなる特別時間帯において、メイン電源21が供給する電力が過大となる状況を未然に回避できる。
【0042】
図6に例示する充電時間帯設定画面32上で○印が付された例えば22:00〜22:59の充電時間帯に現在時刻が属しているときには、遊技場内の遊技機41及び場内機器に対してメイン電源21から電力が供給され、さらに、補助電源22に対してもメイン電源21から充電用の電力が供給されるように制御される。このような制御によれば、営業時間のうちで稼動率が低く消費電力が低い時間帯を充電時間帯に設定することにより営業時間中の消費電力の平滑化を図ることができる。また、営業時間中に充電を行えば、従業員が帰宅する夜間等に充電を行わない運用も可能である。遊技場の管理者等の目が十分に行き届く昼間等の時間帯に充電を実施すれば、安全性を確保するための運営コストを抑制できる。
【0043】
以上のように構成された遊技場用システム1では、管理装置11が過去の稼動情報に基づいて遊技場の遊技機41の稼動率が予め定められた割合以上となる特別時間帯を予測し、特別時間帯では、補助電源22が充電時間帯で充電した電力を供給する。したがって、この遊技場用システム1が導入された遊技場では、稼動率が高くなり消費電力が大きくなる時間帯においてメイン電源21からの供給電力の抑制が可能となっており、メイン電源21の過負荷運転を未然に回避できる。
【0044】
遊技場用システム1は、営業日毎に営業条件を対応付けた状態で稼動情報を収集して管理しており、同様の営業条件の過去の営業日の稼動情報を利用して特別時間帯を予測している。このように同様の営業条件の稼動情報を用いて特別時間帯を予測すれば、特別時間帯の予測精度を向上できる。
【0045】
また、遊技場用システム1は、曜日や平日であるか休日であるかの情報、及び新機種導入を表す新台入替等の情報を営業条件として営業日に対応付けた状態で、過去の稼動情報を収集して管理している。一般的に遊技場では、曜日毎に時間帯毎の稼動率の分布が大きく異なったり、新台入替の営業日は営業開始直後の稼動率が格段に高くなる等、稼動率が高くなる時間帯が変動する可能性がある。上記のように曜日の情報や新台入替等の情報を営業条件として営業日に対応付けた状態で、過去の稼動情報を管理し、営業条件が同じ過去の営業日の稼動情報に基づいて予測すれば、稼動率が高くなる特別時間帯の予測精度を格段に向上できる。
【0046】
以上のように、本実施形態の遊技場用システム1は、稼動率が高くなって消費電力が大きくなる特別時間帯を前もって予測可能なシステムである。この遊技場用システム1によれば、過去の稼動情報を利用して特別時間帯を予測して補助電源22による電力供給を実施することで、メイン電源21の供給電力が過大となる状況を未然に回避できる。遊技場用システム1を導入した遊技場では、電源供給を計画的に実施でき、電源装置等の負担が過大となる状況を未然に回避できる。
【0047】
本実施形態の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本実施形態では、メイン電源21から供給された電力で補助電源22を充電する構成を採用したが、かかる構成に限定されない。例えば、メイン電源21とは異なる電源装置から供給された電力を用いて充電する構成としても良いし、発電する機能を備える補助電源を採用し、発電した電力を供給する構成としても良い。また、補助電源として、蓄電池に充電する補助電源22を例示したが、蓄電池に代えてキャパシタなど蓄電可能なデバイスを利用して充電可能な補助電源を構成することも良い。
さらに、特定時間帯において補助電源22が電力を供給する機器は適宜、変更できる。例えば、遊技機に加えて、又は代えて、エアコン等の場内機器に電力供給する構成としても良い。
【0048】
本実施形態では、20台の遊技機が設置された遊技島が1番島〜5番島まで設けられた比較的小規模な遊技場を例示しているが、例えば、40台の遊技機が設置された遊技島が1番島〜20番島まで設けられた規模の大きな遊技場に対して本願発明を適用することも可能である。さらに、特定時間帯において補助電源22から電力供給する特定の遊技島として、1番島〜5番島のうちの4番島及び5番島を例示したが、遊技場の全遊技島のうちの特定の遊技島の割合や配置などは適宜、変更可能である。
【0049】
営業時間のうち、稼動率が低い時間帯を充電時間帯としたが、かかる構成に限定されない。夜間などの営業時間外に充電時間帯を設定する構成としても良いし、特別時間帯とは異なる時間帯を全て充電時間帯とし、特別時間帯以外は常時充電を行うように構成しても良い。このように、充電時間帯は適宜変更することが可能である。
【0050】
特別時間帯を予測するための閾値として8割の稼動率を設定し、充電時間帯を予測するための閾値として2割の稼動率を設定したが、閾値となる稼動率は適宜変更できる。例えば、特別時間帯を予測する稼動率を7割以上、充電時間帯を予測する稼動率を4割以下としても良い。
【0051】
特別時間帯を予測するための閾値が稼動率8割である一方、過去の稼動情報のなかに稼動率が8割以上となる時間帯が存在していない場合、各時間帯のうち稼動率が高いものから所定の順位以内の時間帯を特別時間帯に設定するようにしても良い。
【0052】
営業日に対応付ける営業条件を変更しても良い。例えば、開場時間を遅らせる等、普段よりも短い時間で営業したこと等を営業条件として対応付けることも可能である。また、営業条件を対応付けることなく稼動情報の収集及び管理を行い、特別時間帯を予測するようにしても良い。
【0053】
本実施形態では、単位時間として1時間を設定し、開店時刻である10:00から閉店時刻である23:00までの遊技場の営業時間を単位時間毎の時間帯に区分している。単位時間としては、本実施形態の1時間に代えて、30分間や2時間毎等の単位時間を設定することもできる。
また、本実施形態では、当日の特別時間帯及び充電時間帯を予測する構成としたが、特別時間帯等を将来的に予測すれば良く、予測対象の営業日は将来的ないずれの営業日であっても良い。
【0054】
本実施形態では、遊技機41としてパチンコ遊技機を例示しているが、その他の遊技機に適用しても良い。例えば、玉が封入してあり、得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機や、メダルを消費して抽選を行い、ゲームが進行するスロットマシンや、得点を消費して抽選を行い、ゲームが進行するクレジット式スロットマシンが考えられる。
【0055】
遊技機41が出力するアウト信号を利用して集計可能なアウト(消費玉数)を利用して稼動率を集計することも良い(例えば
図7参照。)。アウト信号は、消費玉10玉毎に1回入力できることから、アウト信号の入力数の10倍を各遊技機のアウト(消費玉数)として集計できる。各遊技機のアウトを合計して遊技場全体の合計アウトを集計することで、単位時間で区切った時間帯毎の遊技場内の合計アウトを集計すると良い。単位時間当たりのアウト信号の最大入力数に対応する理論アウトに対する前記合計アウトの割合が稼動率となる。例えばパチンコ遊技機であれば、1分間連続稼動した場合に発射される玉数であるアウトは約100玉である。それ故、単位時間である1時間の理論アウトは6000玉となり、例えば、遊技場内のパチンコ遊技機が100台であれば、単位時間である1時間当たりの理論アウトが600000玉となる。この遊技場の稼動率を例示する
図7の場合、例えば10:00〜10:59の時間帯における実際の合計アウトが180150玉となっていることから、その時間帯の稼動率が約30%(180150/600000)となる。
【0056】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。