特開2016-131804(P2016-131804A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-131804(P2016-131804A)
(43)【公開日】2016年7月25日
(54)【発明の名称】浴槽用巻上げ装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/00 20060101AFI20160627BHJP
【FI】
   A61H33/00 310N
   A61H33/00 310L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-9700(P2015-9700)
(22)【出願日】2015年1月21日
(71)【出願人】
【識別番号】391009512
【氏名又は名称】株式会社エヌケーパーツ工業
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100136995
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 千織
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 信明
【テーマコード(参考)】
4C094
【Fターム(参考)】
4C094AA01
4C094BB14
4C094BB20
4C094BC30
4C094CC03
4C094CC08
4C094DD14
4C094EE20
4C094GG07
(57)【要約】
【課題】上がり湯ネットとともにネットベルトを取り外して容易に洗浄することができ、ネットベルト付き上がり湯ネットを清潔に使用することができる浴槽用巻上げ装置を提供する。
【解決手段】簡易浴槽1の端部に巻上げ装置10が着脱可能に取り付けられる。巻上げ装置のベースの略中央上に、回転軸15が鉛直方向に且つ回転可能に突設される。上がり湯ネット2の端部両側に1本のネットベルト3が掛け渡すように接続される。回転軸の先端に、上がり湯ネット2のネットベルト3を巻き取る巻取ロール13が取り付けられる。回転軸には回転駆動部14が連結される。巻取ロール13にはネットベルト3の中間部を差し込むための挿入スリット13aが設けられる。巻取ロール13の両側のベース上に、1対のガイドプーリ18,19が鉛直方向に回転自在に軸支される。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
簡易浴槽内で使用されるネットベルト付き上がり湯ネットを上げ下ろしする浴槽用巻上げ装置において、
該上がり湯ネットの端部両側には、1本のネットベルトが掛け渡すように接続され、該簡易浴槽の端部に巻上げ装置が着脱可能に取り付けられ、該巻上げ装置のベースの略中央上に、回転軸が鉛直方向に且つ回転可能に突設され、
該回転軸の先端に該ネットベルトを巻き取る巻取部が取り付けられ、該回転軸には回転駆動部が連結され、該巻取部には該ネットベルトの中間部を差し込むための挿入空間が設けられ、1対のガイドプーリが該巻取ロールの両側の該ベース上に、回転自在に軸支され、
該ネットベルトを該ガイドプーリにかけるとともに、該ネットベルトの略中央部を該巻取部の挿入空間に挿入してセットすることを特徴とする浴槽用巻上げ装置。
【請求項2】
前記巻取部として該回転軸の先端に巻取ロールが取り付けられ、該巻取ロールには該ネットベルトの中間部を差し込むための挿入スリットが設けられたことを特徴とする請求項1記載の浴槽用巻上げ装置。
【請求項3】
前記巻上げ装置のベースの両側に、1対の取付ロッドが水平方向に突設され、該取付ロッドの先端部を前記簡易浴槽の両側端部に差し込んで該巻上げ装置を取り付けることを特徴とする請求項1記載の浴槽用巻上げ装置。
【請求項4】
前記回転駆動部には、ウオームギヤが設けられ、該ウオームギヤの入力軸にハンドル軸が取り付けられ、該ウオームギヤの出力軸に前記回転軸が連結され、手動でハンドル軸を回して前記巻取部を回転駆動することを特徴とする請求項1記載の浴槽用巻上げ装置。
【請求項5】
前記巻上げ装置のベース上に、カバーが開閉可能に取り付けられ、該カバーを開いた状態で前記巻取部及びガイドプーリを露出させ、前記ネットベルトを該巻取部及びガイドプーリから着脱することを特徴とする請求項1記載の浴槽用巻上げ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽に取り付けて使用され、上がり湯ネットを巻き上げる巻上げ装置に関し、特に老人介護などに使用する運搬可能な簡易浴槽に装着して使用される浴槽用巻上げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
老人介護や身体障害者介護に、運搬可能な簡易浴槽が、使用されている。この種の簡易浴槽として、浴槽内に上がり湯ネットを弛緩可能に装着した簡易浴槽が知られており、この簡易浴槽では、入浴者を浴槽内で洗った後、上がり湯ネットを緊張させて浴槽上に持ち上げ、そこで上がり湯をかけて入浴者の体を洗うようにする。このような簡易浴槽で使用される上がり湯ネットを上げ下げするために、下記特許文献1において、上がり湯ネットのベルトを巻き上げる浴槽用巻上げ装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3613391号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の上記巻上げ装置は、ハンドルにより回転可能に、回転軸を水平に軸支し、回転軸の両端に巻取りプーリを取り付け、上がり湯ネットの端部に連結された2本のネットベルトを、連結部を介して両側の巻取りプーリに巻き取らせた巻取りベルトの先端部に連結させ、ハンドル操作によって回転軸を回転させ、両側の巻取りプーリを回転させて2本のベルトを巻き取り或いは巻き戻す構造である。2本の巻取りベルトは、上がり湯ネットのネットベルトから分離されて、巻取りプーリに巻かれているが、使用時には浴槽内の湯に浸漬される。
【0005】
このため、使用後は、上がり湯ネットはネットベルトとともに洗浄され、清潔な状態として繰り返し使用されるが、巻取りプーリに巻き取られる巻取りベルトは、浴槽のお湯が付着して汚れるにも関わらず、巻取りプーリに接続されて巻き取られるので、容易に外すことができない。このため、洗浄されるのは、ネットベルト付きの上がり湯ネットのみであり、巻取りベルトは、浴槽のお湯が付着して汚れるにも関わらず長期間、洗浄されない状態となりやすく、衛生上の問題があった。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、上がり湯ネットとともにネットベルトを取り外して容易に洗浄することができ、ネットベルト付き上がり湯ネットを清潔に使用することができる浴槽用巻上げ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る浴槽用巻上げ装置は、簡易浴槽内で使用されるネットベルト付き上がり湯ネットを上げ下ろしする浴槽用巻上げ装置において、
該上がり湯ネットの端部両側には、1本のネットベルトが掛け渡すように接続され、該簡易浴槽の端部に巻上げ装置が着脱可能に取り付けられ、該巻上げ装置のベースの略中央上に、回転軸が鉛直方向に且つ回転可能に突設され、該回転軸の先端に該ネットベルトを巻き取る巻取部が取り付けられ、該回転軸には回転駆動部が連結され、該巻取部には該ネットベルトの中間部を差し込むための挿入空間が設けられ、1対のガイドプーリが該巻取部の両側の該ベース上に、回転自在に軸支され、該ネットベルトを該ガイドプーリにかけるとともに、該ネットベルトの略中央部を該巻取部の挿入空間に挿入してセットすることを特徴とする。
【0008】
この発明の浴槽用巻上げ装置によれば、簡易浴槽の端部に巻上げ装置を取り付け、そのベース上に突設される巻取部の挿入空間に、1本のネットベルトの中間部を差し込むのみの簡単な作業で、ネットベルト付き上がり湯ネットをセットすることができ、さらに、回転駆動部により巻取部を回転駆動するのみで、上がり湯ネットの上げ下げを非常に簡便に行うことができる。また、使用後、上がり湯ネットはネットベルトとともに巻上げ装置から簡単に外して、洗浄することができるので、ネットベルト付き上がり湯ネットを衛生的に繰り返し使用することができる。
【0009】
ここで、上記巻取部として該回転軸の先端に巻取ロールを取り付け、該巻取ロールには該ネットベルトの中間部を差し込むための挿入スリットを設けることができる。これによれば、巻取部を比較的簡単な構造の巻取ロールとして製作することができ、またネットベルトの着脱や巻き取りも円滑に行うことができる。
【0010】
またここで、上記巻上げ装置のベースの両側には1対の取付ロッドが水平方向に突設され、該取付ロッドの先端部を上記簡易浴槽の両側端部に差し込んで該巻上げ装置を取り付けるように構成することが好ましい。これによれば、巻上げ装置を非常に簡単に簡易浴槽の端部に取り付けることができる。
【0011】
またここで、上記回転駆動部には、ウオームギヤが設けられ、該ウオームギヤの入力軸にハンドル軸が取り付けられ、該ウオームギヤの出力軸に上記回転軸が連結され、手動でハンドル軸を回して上記巻取ローラを回転駆動するように構成することが好ましい。また、巻上げ装置の上記ベース上には、カバーが開閉可能に取り付けられ、カバーを開いた状態で上記巻取ロール及びガイドプーリを露出させ、ネットベルトを着脱するように構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明の浴槽用巻上げ装置によれば、上がり湯ネットとともにネットベルトを取り外して容易に洗浄することができ、ネットベルト付き上がり湯ネットを清潔に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態を示す浴槽用巻上げ装置の正面図である。
図2】同巻上げ装置の右側面図である。
図3】同巻上げ装置の平面図である。
図4】同巻上げ装置の背面図である。
図5】同巻上げ装置の斜視図である。
図6】同巻上げ装置の背面側からの斜視図である。
図7】同巻上げ装置のカバーを開いた状態の右側面図である。
図8】カバーを外した状態の正面図である。
図9】カバーを外した状態の平面図である。
図10】カバーを開いた状態の斜視図である。
図11】簡易浴槽に取り付けた(使用)状態を示す右側面図である。
図12】カバーを外した(使用)状態を示す要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。この浴槽用巻取り装置は、図11,12に示すように、簡易浴槽1内で使用されるネットベルト3付きの上がり湯ネット2を、浴槽内で上げ下ろしするための巻上げ装置10として構成される。
【0015】
上がり湯ネット2は、簡易浴槽1内に配置されて入浴者を下から支持するように、網状布で形成され、一端には浴槽の端部に結ばれる図示しない紐が接続される。また、上がり湯ネット2の他端には、巻上げ装置10で巻き上げるための、1本のネットベルト3が、図12に示す如く、ネットの側方から見た両側端部に、掛け渡すように接続される。
【0016】
巻上げ装置10は、図7図10に示すように、水平横方向に長いベース11を備え、ベース11の略中央部に、回転軸15が鉛直方向上方に突出する形態で、回転駆動可能に軸支され、回転軸15の先端には、上記巻取部として、ネットベルト3を巻き取るための巻取ロール13が取り付けられる。さらに、巻取ロール13を支持するベース11上の両側には、1対のガイドプーリ18、19が、巻取ロール13と同じ水平レベルで、且つ鉛直方向に突出する形態で、回動自在に軸支される。
【0017】
巻取ロール13は、回転駆動部14から上方に突設された回転軸15の先端に取り付けられ、ネットベルト3を掛けて巻き取るように、巻取ロール13の中央には挿入スリット13aが縦方向に形成される。挿入スリット13aは、ネットベルト3の中間部を、上から容易に差し込み可能となっている。これにより、ネットベルト3の中間部を簡単に巻取ロール13に掛けることができ、巻取ロール13を何れの方向に回転駆動した場合でも、ネットベルト3の両側端部に接続された上がり湯ネット2の端部を均等に引張することができるようになっている。
【0018】
なお、上記巻取部となる巻取ロール13は、円柱状のロールの中央に挿入スリット13aを縦に設けて形成したが、巻取部の回転によりネットベルト3を巻き取る構造であればよく、例えば、小型円板の上に2本の巻取軸を、挿入空間をあけて立設し、その挿入空間にネットベルト3を差し込み、巻取部の回転によりネットベルト3を巻き取る構造とすることもできる。
【0019】
回転軸15を回転駆動する回転駆動部14は、図8,9に示す如く、ウオームギヤ14aを内蔵し、入力軸となるウオームと出力軸となるウオームホイール14bが噛合する構造である。ウオームホイール14bの出力軸は回転軸15となり、ウオームギヤ14aの入力軸はハンドル軸16として背面側に突設され、ハンドル軸16には、手動でハンドル軸16を回すためにハンドル17が設けられる。これにより、ハンドル17を回すと、ウオームギヤ14aの回転駆動部14を介して回転軸15及び巻取ロール13が回転し、ネットベルト3を巻き取ることができる。
【0020】
巻取ロール13の両側のベース11上に、ガイド部11a,11bが設けられ、ガイド部11a,11bの上に、各々ガイドプーリ18、19が鉛直方向に突設され、且つ回動自在に軸支される。ガイドプーリ18とガイドプーリ19との正面から見た幅は、上がり湯ネット2におけるネットベルト3の両側の接続箇所の間隔と略等しくなるように配置される。これにより、上がり湯ネット2の両側に接続された1本のネットベルト3の両端は、ネットの長手方向と平行に引き出され、そのままガイドプーリ18、19にかけられて、引張され或いは弛緩されるようになっている。
【0021】
さらに、ベース11のガイド部11a,11bの両側には、浴槽に取り付けるために、1対の取付ロッド4が水平に且つ正面に向かって突設される。取付ロッド4は、図2、3などに示すごとく、ベース11に対し直角に正面に向けて突設され、図11,12に示すように、簡易浴槽1の端部両側に設けた挿入孔に、取付ロッド4の先端部を挿入して、巻上げ装置10を簡易浴槽1の端部に取り付ける構造となっている。なお、ベース11の両側のガイド部11a,11b正面側には、図8〜10に示すように、各々、ガイドローラ9が水平に回転自在に軸支され、1対のガイドプーリ18,19を介して引き出されるネットベルト3を、ガイドローラ9に接触させて回転し円滑にガイドするようになっている。また、ベース11の下側は、下カバー部11cによって覆われている。
【0022】
さらに、図1,2などに示すように、巻上げ装置10のベース11上には、その上部を覆うように、カバー12が開閉可能に装着される。カバー12は、下側を開放した直方体状の箱型に形成され、その背面側下部に設けたヒンジ部12bを介して、図7に示す如く、下カバー部11cの上縁部に取り付けられ、カバー12は上下に回動し開閉される。また、カバー12には係止フック21が取り付けられ、カバー12を閉じたとき、係止フック21がベース11の一部に係止される構造であり、その係止フック21の係止を外すために、アンロックレバー22がカバー12の両側に設けられている。
【0023】
カバー12の上部には、把手12cが取り付けられ、把手12cを持って巻上げ装置10の持ち運びやカバー12の開閉を容易に行うことができるようになっている。さらに、図1に示す如く、カバー12の正面において、1対のガイドプーリ18,19の前面両側位置に、開口部12aが形成され、カバー12を閉じた状態で、ネットベルト3を両側の開口部12aから浴槽側に引き出されるようになっている。
【0024】
次に、上記構成の浴槽用巻上げ装置の使用態様について説明する。上記浴槽用巻上げ装置は、老人や身体障害者などの介護を必要とする被介護者を、簡易浴槽1に入浴させる際、簡易浴槽1の端部に取り付けて使用される。
【0025】
簡易浴槽1は、例えば複数個に分解して搬送可能な構造であり、入浴者の部屋などに搬入して使用され、簡易浴槽1内には、図11,12に示すように、上がり湯ネット2が配設される。上がり湯ネット2の一方の両側端部に接続した紐は、簡易浴槽1の一端(巻上げ装置10とは反対側の端部)に結んで接続される。
【0026】
簡易浴槽1の他方の端部に、巻上げ装置10が図12に示す如く取り付けられ、そこに上がり湯ネット2の他方の端部に接続した1本のネットベルト3が巻き掛けられる。巻上げ装置10は、両側前方に突出させた1対の取付ロッド4を、簡易浴槽1の端部両側に設けた挿入孔に差し込み、簡単に取り付けることができる。
【0027】
この状態で、カバー12を開き、上がり湯ネット2の他方の両側端部に接続された1本のネットベルト3の中間部を、巻上げ装置10の巻取ロール13の挿入スリット13aに挿入して掛ける。さらに、その両側に延びるネットベルト3を、巻取ロール13の両側位置のガイドプーリ18,19の外側に掛ける。これにより、上がり湯ネット2の他方の両側端部は、図11,12に示すように、簡易浴槽1内の端部位置に略水平に支持される状態となって、上がり湯ネット2は浴槽内にセットされる。このように、ネットベルト3を、巻上げ装置10の巻取ロール13、ガイドプーリ18,19に対し、非常に簡単に装着してセットすることができる。
【0028】
この状態で、簡易浴槽1内にお湯が入れられ、図示しない持上器などで入浴者を持ち上げ、持上器を下降動作させて、入浴者を簡易浴槽1内の上がり湯ネット2上に載せる。このとき、上がり湯ネット2は、巻上げ装置10によりそのネットベルト3を巻き上げて、緊張状態(上昇状態)としても良いし、ネットベルト3を巻き戻して、弛緩状態(下降状態)としても良い。
【0029】
ネットベルト3を緊張状態(上昇状態)とする場合、巻上げ装置10のハンドル17を把持してハンドル軸16を回し、回転駆動部14を介して、巻取ロール13をベルトの巻取方向に回動させ、ネットベルト3及び上がり湯ネット2を浴槽上で緊張状態とする。
【0030】
このとき、巻取ロール13がネットベルト3を巻き取った状態で、巻取ロール13に戻り方向のテンションが印加されたとしても、回転駆動部14にウオームギヤ14aが使用されるため、巻取ロール13の戻り方向の回転はロックされ、そこにかかるテンションで巻取ロール13は戻り方向に回転することはない。
【0031】
このため、上がり湯ネット2の緊張状態とその上昇位置は確実に保持され、入浴者を上がり湯ネット2の上に安全に載せることができる。そしてこの後、巻上げ装置10のハンドル17を、上記とは逆に回して、巻取ロール13をベルトの戻し方向に回動させ、ネットベルト3及び上がり湯ネット2を弛緩させる。これにより、入浴者はその自重で浴槽内に下降し、お湯に入って、入浴が行われ、石鹸やシャンプーなどで体が洗われる。
【0032】
そして、入浴者の体を洗った後、再び、巻上げ装置10のハンドル17を回して、巻取ロール13を、巻取方向に回動させ、ネットベルト3及び上がり湯ネット2を浴槽上で緊張状態とし、入浴者をお湯から上げ、その状態で、上がり湯を入浴者にかける。これにより、入浴者の体に付着した石鹸などがきれいなお湯で洗い流され、入浴を終えることができる。そして、再び図示しない持上器などを用いて、上がり湯ネット2上の入浴者を持ち上げて、ベッドなどに移動させる。
【0033】
このように、入浴の終わった上がり湯ネット2は、その両端の紐やネットベルト3を外して、洗浄されるが、ネットベルト3は、その全体を、巻取ロール13の挿入スリット13aから簡単に上に引上げて外すことができるので、ネットベルト3付きの上がり湯ネット2の全体を、簡易浴槽1及び巻上げ装置10から外して洗浄することができる。したがって、ネットベルト3付きの上がり湯ネット2を、衛生的に繰り返し使用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 簡易浴槽
2 湯ネット
3 ネットベルト
4 取付ロッド
9 ガイドローラ
10 巻上げ装置
11 ベース
11a ガイド部
11c 下カバー部
12 カバー
12a 開口部
12b ヒンジ部
12c 把手
13 巻取ロール
13a 挿入スリット
14 回転駆動部
14a ウオームギヤ
14b ウオームホイール
15 回転軸
16 ハンドル軸
17 ハンドル
18 ガイドプーリ
19 ガイドプーリ
21 係止フック
22 アンロックレバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12