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特開2016-132904スクリーン、およびスクリーン式除塵機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-132904(P2016-132904A)
(43)【公開日】2016年7月25日
(54)【発明の名称】スクリーン、およびスクリーン式除塵機
(51)【国際特許分類】
   E02B 5/08 20060101AFI20160627BHJP
【FI】
   E02B5/08 101A
   E02B5/08 103D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-7571(P2015-7571)
(22)【出願日】2015年1月19日
(71)【出願人】
【識別番号】591030651
【氏名又は名称】水ing株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】板山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 賢
(72)【発明者】
【氏名】有城 典男
(72)【発明者】
【氏名】四ノ宮 信明
(72)【発明者】
【氏名】三浦 和哉
(57)【要約】
【課題】軽量であって、しかも、隣り合うスクリーンバー間に適切な大きさの隙間を設けることができるスクリーンを提供する。
【解決手段】本発明のスクリーン1は、水路30の幅方向に沿って配列された複数のスクリーンバー2を備える。複数のスクリーンバー2は、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとから構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水路の幅方向に沿って配列された複数のスクリーンバーを備えたスクリーンであって、
前記複数のスクリーンバーは、金属製スクリーンバーと樹脂製スクリーンバーとから構成されることを特徴とするスクリーン。
【請求項2】
前記金属製スクリーンバーと前記樹脂製スクリーンバーとは、交互に配列されることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
【請求項3】
前記金属製スクリーンバーは、金属ベースバーと、前記金属ベースバーの前端面に接続された金属ワイドバーを有し、
前記金属ワイドバーは、前記金属ベースバーの上流側に位置しており、
前記金属ワイドバーの、前記水路の幅方向の厚さは、前記金属ベースバーの、前記水路の幅方向の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン。
【請求項4】
前記樹脂製スクリーンバーは、樹脂ベースバーと、前記樹脂ベースバーの前端面に接続された樹脂ワイドバーを有し、
前記樹脂ワイドバーは、前記樹脂ベースバーの上流側に位置しており、
前記樹脂ワイドバーの、前記水路の幅方向の厚さは、前記樹脂ベースバーの、前記水路の幅方向の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項5】
前記金属製スクリーンバーは、前記樹脂製スクリーンバーよりも前記水路の上流側に突出して配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項6】
前記金属製スクリーンバーの、前記水路の幅方向の厚さは、前記樹脂製スクリーンバーの、前記水路の幅方向の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン。
【請求項7】
水路を流れる水に含まれる塵芥を捕捉し、除去するスクリーン式除塵機であって、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスクリーンと、
前記スクリーンによって捕捉された塵芥を掻き上げるレーキと、を備え、
前記レーキは、レーキ歯を有しており、
前記レーキ歯が前記複数のスクリーンバーの間の隙間に挿入されることを特徴とするスクリーン式除塵機。
【請求項8】
前記金属製スクリーンバーは、金属ベースバーと、前記金属ベースバーの前端面に接続された金属ワイドバーを有し、
前記金属ワイドバーは、前記金属ベースバーの上流側に位置しており、
前記金属ワイドバーの、前記水路の幅方向の厚さは、前記金属ベースバーの、前記水路の幅方向の厚さよりも大きく、
前記レーキ歯が前記複数のスクリーンバーの間に挿入されたときに、前記レーキ歯の先端は、前記金属ワイドバーの、水路の下流側に位置することを特徴とする請求項7に記載のスクリーン式除塵機。
【請求項9】
前記樹脂製スクリーンバーは、樹脂ベースバーと、前記樹脂ベースバーの前端面に接続された樹脂ワイドバーを有し、
前記樹脂ワイドバーは、前記樹脂ベースバーの上流側に位置しており、
前記樹脂ワイドバーの、前記水路の幅方向の厚さは、前記樹脂ベースバーの、前記水路の幅方向の厚さよりも大きく、
前記レーキ歯が前記複数のスクリーンバーの間に挿入されたときに、前記レーキ歯の先端は、前記樹脂ワイドバーの、水路の下流側に位置することを特徴とする請求項7に記載のスクリーン式除塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水道設備のポンプ場や沈砂池などに設けられた水路を流れる水に含まれる塵芥を捕捉する、複数のスクリーンバーを備えたスクリーン、およびこのスクリーンを備えたスクリーン式除塵機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下水道設備のポンプ場や沈砂池などに設けられた水路を流れる水に含まれる塵芥(例えば、落ち葉、流木など)を捕捉し、除去するスクリーン式除塵機が知られている。このスクリーン式除塵機は、複数のスクリーンバーが配列されたスクリーンと、複数のスクリーンバーの間の隙間(目開部)に進入するレーキ歯を有するレーキを有している。塵芥は、スクリーンバーに捕捉された後、レーキのレーキ歯によって掻き取られ、除去される。
【0003】
このスクリーン式除塵機に設けられるスクリーンのスクリーンバーは、一般的に、鋼材などの金属から製造される。そのため、複数のスクリーンバーを有するスクリーンの重量が重くなり、運搬や据付工事に多大なコストがかかっていた。
【0004】
樹脂などの軽量な材料でスクリーンバーを製造すれば、スクリーンの重量を低減することは可能である。しかしながら、金属製のスクリーンバーと同じ厚さを有する樹脂製のスクリーンバーは、スクリーンに要求される強度を確保することができない。樹脂製のスクリーンバーの強度を増加させるためには、スクリーンバーの厚さを増大させる必要があり、結果として、隣り合うスクリーンバー間の隙間が狭くなってしまうと共に、スクリーンにかかる水圧が増大してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−127201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するためになされたもので、軽量であって、しかも、隣り合うスクリーンバー間に適切な大きさの隙間を設けることができるスクリーンを提供することを目的とする。また、本発明は、このスクリーンを備えたスクリーン式除塵機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、水路の幅方向に沿って配列された複数のスクリーンバーを備えたスクリーンであって、前記複数のスクリーンバーは、金属製スクリーンバーと樹脂製スクリーンバーとから構成されることを特徴とするスクリーンである。
【0008】
本発明の好ましい態様は、前記金属製スクリーンバーと前記樹脂製スクリーンバーとは、交互に配列されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記金属製スクリーンバーは、金属ベースバーと、前記金属ベースバーの前端面に接続された金属ワイドバーを有し、前記金属ワイドバーは、前記金属ベースバーの上流側に位置しており、前記金属ワイドバーの、前記水路の幅方向の厚さは、前記金属ベースバーの、前記水路の幅方向の厚さよりも大きいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記樹脂製スクリーンバーは、樹脂ベースバーと、前記樹脂ベースバーの前端面に接続された樹脂ワイドバーを有し、前記樹脂ワイドバーは、前記樹脂ベースバーの上流側に位置しており、前記樹脂ワイドバーの、前記水路の幅方向の厚さは、前記樹脂ベースバーの、前記水路の幅方向の厚さよりも大きいことを特徴とする。
【0009】
本発明の好ましい態様は、前記金属製スクリーンバーは、前記樹脂製スクリーンバーよりも前記水路の上流側に突出して配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記金属製スクリーンバーの、前記水路の幅方向の厚さは、前記樹脂製スクリーンバーの、前記水路の幅方向の厚さよりも小さいことを特徴とする。
【0010】
本発明の他の態様は、水路を流れる水に含まれる塵芥を捕捉し、除去するスクリーン式除塵機であって、上記スクリーンと、前記スクリーンによって捕捉された塵芥を掻き上げるレーキと、を備え、前記レーキは、レーキ歯を有しており、前記レーキ歯が前記複数のスクリーンバーの間の隙間に挿入されることを特徴とするスクリーン式除塵機である。
【0011】
本発明の好ましい態様は、前記金属製スクリーンバーは、金属ベースバーと、前記金属ベースバーの前端面に接続された金属ワイドバーを有し、前記金属ワイドバーは、前記金属ベースバーの上流側に位置しており、前記金属ワイドバーの、前記水路の幅方向の厚さは、前記金属ベースバーの、前記水路の幅方向の厚さよりも大きく、前記レーキ歯が前記複数のスクリーンバーの間に挿入されたときに、前記レーキ歯の先端は、前記金属ワイドバーの、水路の下流側に位置することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記樹脂製スクリーンバーは、樹脂ベースバーと、前記樹脂ベースバーの前端面に接続された樹脂ワイドバーを有し、前記樹脂ワイドバーは、前記樹脂ベースバーの上流側に位置しており、前記樹脂ワイドバーの、前記水路の幅方向の厚さは、前記樹脂ベースバーの、前記水路の幅方向の厚さよりも大きく、前記レーキ歯が前記複数のスクリーンバーの間に挿入されたときに、前記レーキ歯の先端は、前記樹脂ワイドバーの、水路の下流側に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数のスクリーンバーは、金属製スクリーンバーと樹脂製スクリーンバーとから構成される。樹脂製スクリーンバーは、金属製スクリーンバーよりも軽量であるため、スクリーン全体が軽量化できる。また、金属製スクリーンバーが使用されることにより、スクリーンの強度が確保されるので、スクリーンバー間に適切な大きさの隙間を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】スクリーン式除塵機の概略正面図である。
図2】スクリーン式除塵機の概略側面図である。
図3】レーキの概略断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るスクリーンの一部断面図である。
図5】本発明の別の実施形態に係るスクリーンの一部断面図である。
図6】本発明のさらに別の実施形態に係るスクリーンの一部断面図である。
図7】本発明のさらに別の実施形態に係るスクリーンの一部断面図である。
図8】本発明のさらに別の実施形態に係るスクリーンの一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、スクリーン式除塵機20の概略正面図であり、図2は、スクリーン式除塵機20の概略側面図である。図1および図2に示されるようなスクリーン式除塵機20は、下水道設備のポンプ場や沈砂池などに設けられた水路30を横切るように配置され、該水路30を流れる水に含まれる塵芥(例えば、落ち葉や流木など)を捕捉して、除去する装置である。
【0015】
図1および図2に示されるように、スクリーン式除塵機20は、水路30の幅方向に沿って配列された複数のスクリーンバー2を備えたスクリーン1と、スクリーン1によって捕捉された塵芥を掻き上げる複数のレーキ3と、を備える。複数のスクリーンバー2は、互いに平行に配列されている。
【0016】
複数のレーキ3は、無端状に構成された一対のレーキチェーン5,5に固定されている。レーキチェーン5,5は、一対の駆動スプロケット7,7と一対の従動スプロケット8,8にそれぞれ掛け渡されている。各レーキ3は、図3に示すように、レーキ本体3aと、レーキ本体3aに取り付けられた複数のレーキ歯3bとを有している。レーキ本体3aの両端部が、それぞれ、レーキチェーン5,5に固定される。後述するように、レーキ歯3bは、複数のスクリーンバー2間の隙間(目開部)に進入することによって、塵芥を掻き上げる。
【0017】
駆動スプロケット7,7は、駆動軸10に固定されており、駆動軸10と一体に回転可能になっている。駆動軸10の端部は、モータなどの駆動源11に連結されている。駆動源11を駆動すると、駆動軸10および駆動スプロケット7,7が回転して、レーキチェーン5,5が循環する。レーキチェーン5,5が循環することにより、レーキチェーン5,5に固定された複数のレーキ3が循環する。さらに、従動スプロケット8,8は、レーキチェーン5,5の循環に伴って連れ廻る。
【0018】
スクリーン1を構成する複数のスクリーンバー2は、水路30の幅方向に沿って、所定の間隔で離間して配置される。隣り合うスクリーンバー2間の隙間(目開部)に、上述したレーキ3のレーキ歯3bが挿入される。これらスクリーンバー2は、水路30の幅方向に延びる複数の連結バー15によって互いに連結されている。連結バー15は、矩形状の断面を有していてもよいし、円形状の断面を有していてもよい。連結バー15の両端は、フレーム18に固定されている。図1および図2において、フレーム18は、点線で描かれている。フレーム18には、上記したレーキチェーン5,5の走行軌道に沿った溝(図示せず)が設けられており、レーキチェーン5,5は、該溝に案内されて循環する。
【0019】
スクリーン1の上部には、平板状のエプロン14が配置される。スクリーン1によって捕捉された塵芥は、レーキ3によって掻き上げられ、さらに、レーキ3によってエプロン14の表面上を上方に移送されて、スクリーン式除塵機20の上部まで運ばれ、そして、図示しないコンベアなどを介して、図示しないホッパまたはコンテナボックスなどの容器に回収される。
【0020】
図2に示されるように、複数のスクリーンバー2、エプロン14、およびフレーム18は、水路30の水の流れ方向に対して傾斜している。より具体的には、複数のスクリーンバー2、エプロン14、およびフレーム18は、鉛直方向に対して、水路30の下流側に向かって傾斜する勾配を有している。
【0021】
図2に示されるように、駆動スプロケット7,7を回転させると、レーキチェーン5,5が循環し、レーキチェーン5,5に固定されたレーキ3が上昇しながら、そのレーキ歯3bがスクリーンバー2の間の隙間を通過する。このレーキ3の上方への移動により、スクリーンバー2に捕捉された塵芥が掻き上げられる。さらに、塵芥は、レーキ3によって、エプロン14の表面上を上方に移送されて、スクリーン式除塵機20の上部まで運ばれ、図示しないコンベアなどを介して、図示しない容器に回収される。
【0022】
図4は、本発明の一実施形態に係るスクリーン1の一部断面図である。図4に示されるように、このスクリーン1のスクリーンバー2は、複数の金属製スクリーンバー2aと複数の樹脂製スクリーンバー2bとから構成される。金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとは、互いに平行であり、かつ交互に配列される。レーキ3のレーキ歯3bは、この金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとの間の隙間(目開部)に挿入される。すなわち、レーキ歯3bが金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとの間の隙間を通過することによって、塵芥がレーキ歯3bによって掻き上げられる。
【0023】
樹脂製スクリーンバー2bは、金属製スクリーンバー2aよりも軽量であるため、スクリーン1全体が軽量化される。また、金属製スクリーンバー2aが使用されることにより、スクリーン1の強度が確保される。したがって、樹脂製スクリーンバー2bの、水路30の幅方向の厚さを大きくする必要がないので、スクリーンバー2間の隙間(目開部)を適切な大きさに設定することができる。
【0024】
図5は、本発明の別の実施形態に係るスクリーン1の一部断面図である。図5に示されるスクリーン1の金属製スクリーンバー2aは、金属ベースバー2cと、この金属ベースバー2cの前端面に接続された金属ワイドバー2dを有する。この金属ワイドバー2dの、水路30の幅方向の厚さT1は、金属ベースバー2cの、水路30の幅方向の厚さT2よりも大きい。金属ベースバー2cと金属ワイドバー2dは、互いに平行に延び、金属ワイドバー2dは、金属ベースバー2cの上流側に位置している。金属製スクリーンバー2aの上流部が金属ワイドバー2dから構成されているので、レーキ歯3bは、複数のスクリーンバー2の間に挟まった塵芥を容易に掻き出すことができる。
【0025】
図5に示される金属ワイドバー2dは、矩形状の横断面形状を有している。このような矩形状の横断面形状を有している金属ワイドバー2dを有する金属製スクリーンバー2aは、市場で入手可能な汎用の鋼材を組み合わせて製造することができる。金属ワイドバー2dは、楕円または円の横断面形状を有していてもよいし、六角形などの多角形の横断面形状を有していてもよい。
【0026】
図5に示されるように、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとの間の隙間に、レーキ歯3bが挿入されたときに、該レーキ歯3bの先端は、金属製スクリーンバー2aの金属ワイドバー2dの下流側に位置する。この状態で、レーキ歯3bが金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとの隙間内を移動することにより、レーキ歯3bは、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとの間に挟まった塵芥を確実に掻き出すことができる。
【0027】
図6は、本発明のさらに別の実施形態に係るスクリーン1の一部断面図である。図6に示されるスクリーン1の樹脂製スクリーンバー2bは、樹脂ベースバー2eと、この樹脂ベースバー2eの前端面に接続された樹脂ワイドバー2fを有する。この樹脂ワイドバー2fの、水路30の幅方向の厚さT3は、樹脂ベースバー2eの、水路30の幅方向の厚さT4よりも大きい。樹脂ベースバー2eと樹脂ワイドバー2fは、互いに平行に延び、樹脂ワイドバー2fは、樹脂ベースバー2eの上流側に位置している。樹脂製スクリーンバー2bの上流部が樹脂ワイドバー2fから構成されているので、レーキ歯3bは、複数のスクリーンバー2の間に挟まった塵芥を容易に掻き出すことができる。
【0028】
樹脂ワイドバー2fを有する樹脂製スクリーンバー2bは軽いため、スクリーン1全体の重量は大きく増加しない。その結果、スクリーン1を軽量化したまま、塵芥を容易に掻き出すことのできるスクリーン1を実現することができる。樹脂ベースバー2eと樹脂ワイドバー2fを有する樹脂製スクリーンバー2bを、樹脂を型に流し込むことで一体に成形してもよい。または、直方体に成形された樹脂から樹脂製スクリーンバー2bを削りだしてもよい。樹脂ワイドバー2fは、楕円または円の横断面形状を有していてもよいし、六角形などの多角形の横断面形状を有していてもよい。
【0029】
図6に示されるように、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとの間の隙間に、レーキ歯3bが挿入されたときに、該レーキ歯3bの先端は、樹脂製スクリーンバー2bの樹脂ワイドバー2fの下流側に位置する。この状態で、レーキ歯3bが金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとの隙間内を移動することにより、レーキ歯3bは、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとの間に挟まった塵芥を確実に掻き出すことができる。
【0030】
図5に示される金属ワイドバー2dを有する金属製スクリーンバー2aと、図6に示される樹脂ワイドバー2fを有する樹脂製スクリーンバー2bとを組み合わせて、スクリーン1を構成してもよい。
【0031】
図7は、本発明のさらに別の実施形態に係るスクリーン1の一部断面図である。図7に示される金属製スクリーンバー2aは、樹脂製スクリーンバー2bよりも水路30の上流側に突出して配置される。すなわち、金属製スクリーンバー2aの上流側端面2Aは、樹脂製スクリーンバー2bの上流側端面2Bよりも上流側に位置している。図7に示される金属製スクリーンバー2aは、金属ワイドバー2dを有しているが、図4に示す金属ワイドバー2dがない金属製スクリーンバー2aを用いてもよい。さらに、樹脂製スクリーンバー2bは、図6に示す樹脂ワイドバー2fを有していてもよい。
【0032】
このような構成のスクリーン1では、水路30内を硬い塵芥が流れてきたときに、該塵芥は強度が高い金属製スクリーンバー2aに衝突する。したがって、強度が低い樹脂製スクリーンバー2bは、金属製スクリーンバー2aによって保護され、スクリーン1の破損を防止することができる。
【0033】
図8は、本発明のさらに別の実施形態にかかるスクリーン1の一部断面図である。図8に示される金属製スクリーンバー2aの、水路30の幅方向の厚さは、樹脂製スクリーンバー2bの、水路30の幅方向の厚さよりも小さい。このように、強度が高い金属製スクリーンバー2aの、水路30の幅方向の厚さを小さくすることにより、スクリーン1の更なる軽量化を図ることができる。
【0034】
上述した実施形態では、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとが交互に配列されているが、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bの配列順序は、この例に限定されない。例えば、連続する2本の金属製スクリーンバーの隣に1本の樹脂製スクリーンバー2bを配列してもよい。この場合、レーキ3は、2本の金属製スクリーンバー2aの間の隙間に挿入されるレーキ歯3bと、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとの間の隙間に挿入されるレーキ歯3bを有する。連続する2本の樹脂製スクリーンバー2bの隣に1本の金属製スクリーンバー2bを配列してもよい。この場合、レーキ3は、2本の樹脂製スクリーンバー2bの間の隙間に挿入されるレーキ歯3bと、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとの間の隙間に挿入されるレーキ歯3bを有する。さらに、連続する2本の金属製スクリーンバーの隣に連続する2本の樹脂製スクリーンバー2bを配列してもよい。このように、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bの配列順序は、任意であり、様々な配列順序で、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bを配列することができる。スクリーンバー2の強度をその全体にわたって均一にするために、金属製スクリーンバー2aと樹脂製スクリーンバー2bとは、所定の配列パターンに従って規則的に配列されてもよい。
【0035】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 スクリーン
2 スクリーンバー
2a 金属製スクリーンバー
2b 樹脂製スクリーンバー
2c 金属ベースバー
2d 金属ワイドバー
2e 樹脂ベースバー
2f 樹脂ワイドバー
3 レーキ
3a レーキ本体
3b レーキ歯
5 レーキチェーン
7 駆動スプロケット
8 従動スプロケット
10 駆動軸
11 駆動源
14 エプロン
15 連結バー
18 フレーム
20 スクリーン式除塵機
30 水路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8