特開2016-133032(P2016-133032A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-133032(P2016-133032A)
(43)【公開日】2016年7月25日
(54)【発明の名称】車両の潤滑油又は燃料の供給装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/00 20060101AFI20160627BHJP
   F01M 11/03 20060101ALI20160627BHJP
【FI】
   F02M37/00 301Z
   F01M11/03 G
   F01M11/03 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-7559(P2015-7559)
(22)【出願日】2015年1月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】棚橋 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】兼原 洋治
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩史
【テーマコード(参考)】
3G015
【Fターム(参考)】
3G015BH00
3G015CA07
3G015DA10
(57)【要約】
【課題】潤滑油又は燃料を除電して機関の運転応答性を向上させる。
【解決手段】潤滑油又は燃料を貯留しているタンク(1)内の底部に潤滑油又は燃料用のストレーナ(2)が配置されており、タンク(1)およびタンク(1)内に貯留されている潤滑油又は燃料(4)に正の電荷が帯電する。自己放電式除電器(10)が、ストレーナ(2)と対面するタンク(1)の底壁内側面(7)の裏側に当るタンク(1)の底壁外側面(8)上に設置され、この自己放電式除電器(10)によってストレーナ(2)に流入する潤滑油又は燃料(4)が除電される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油又は燃料を貯留しているタンク内の底部に潤滑油又は燃料用のストレーナが配置されており、該タンクおよび該タンク内に貯留されている潤滑油又は燃料に正の電荷が帯電する車両において、該ストレーナと対面する該タンク底壁内側面の裏側に当る該タンク底壁外側面上に、正の帯電電荷を空気中に放電させることのできる自己放電式除電器を設置し、該自己放電式除電器によって該ストレーナに流入する潤滑油又は燃料を除電するようにした車両の潤滑油又は燃料の供給装置。
【請求項2】
該タンク内の底部から該ストレーナを介して潤滑油又は燃料を吸引するポンプを具備しており、該ポンプの外側面上に該自己放電式除電器を設置した請求項1に記載の車両の潤滑油又は燃料の供給装置。
【請求項3】
該タンク内の底部から該ストレーナを介して吸引された潤滑油又は燃料が流れる流通管を具備しており、該流通管の外側面上に該自己放電式除電器を設置した請求項1に記載の車両の潤滑油又は燃料の供給装置。
【請求項4】
該自己放電式除電器は、該タンク底壁の外側面上に導電性接着剤により接着された金属箔からなる請求項1に記載の車両の潤滑油又は燃料の供給装置。
【請求項5】
該自己放電式除電器は、自己放電を生じさせるための角部を有している請求項4に記載の車両の潤滑油又は燃料の供給装置。
【請求項6】
該自己放電式除電器は、細長い矩形状の平面形状を有している請求項4に記載の車両の潤滑油又は燃料の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の潤滑油又は燃料の供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のエンジン又はエンジンと関連する部材に放電アンテナ等の放電装置を取り付けて、エンジン部に生じ又は蓄積される高圧電気、静電気等を外部に放電、放出せしめ、それによって燃費を向上させるようにした車両が公知である(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−238438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載されているように、車両に静電気が帯電すること、およびこの車両に帯電した静電気が車両の運転に何らかの影響を与えていることは、従来より知られている。しかしながら、車両に帯電した静電気が具体的にいかなる理由でどのような影響を車両の運転に与えているかはよく分かっていない。このように車両に帯電した静電気が具体的にいかなる理由でどのような影響を車両の運転に与えているかがよく分からないと、車両への静電気の帯電に対して適切に対処することはできない。
【0005】
そこで、本発明者は,特に車両の潤滑油又は燃料の供給系に注目して、車両に帯電した静電気が具体的にいかなる理由でどのような影響を車両の潤滑油又は燃料の供給系に与えているかを追求した。追求の結果、車両に静電気が帯電すると潤滑油又は燃料の粘度が上昇して機関の運転応答性に影響を与えることを見出し、機関の運転応答性を向上させるのに必要な適切な除電手法を見出したのである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明によれば、潤滑油又は燃料を貯留しているタンク内の底部に潤滑油又は燃料用のストレーナが配置されており、タンクおよびタンク内に貯留されている潤滑油又は燃料に正の電荷が帯電する車両において、ストレーナと対面するタンク底壁内側面の裏側に当るタンク底壁外側面上に、正の帯電電荷を空気中に放電させることのできる自己放電式除電器を設置し、この自己放電式除電器によってストレーナに流入する潤滑油又は燃料を除電するようにしている。
【発明の効果】
【0007】
上記自己放電式除電器により潤滑油又は燃料を除電し、それにより潤滑油又は燃料の粘度を低下させることによって機関の運転応答性を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、図解的に表した車両の潤滑油又は燃料のタンクの側面断面図である。
図2図2Aおよび2Bは、自己放電式除電器を示す図である。
図3図3Aおよび3Bは夫々、除電作用と自己放電作用とを説明するための図である。
図4図4Aおよび4Bは、除電作用を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
車両には、車両毎に異なる、種々の形状および形式の潤滑油タンクおよび種々の形状および形式の燃料タンクが搭載されている。潤滑油タンクおよび燃料タンクは、形状および形式が異なっていても、タンク内にストレーナが配置されており、また、タンク内或いはタンク外に、ストレーナを介してタンク内の潤滑油又は燃料を吸引するポンプを備えている。図1は、ストレーナ2とポンプ3とを備えた代表的な潤滑油又は燃料のタンク1を示している。図1に示される例では、タンク1内に潤滑油又は燃料4が貯留されており、ストレーナ2はタンク1の底部に配置されている。また、図1に示される例では、タンク1は金属材料により形成されている。
【0010】
機関運転時には、タンク1内の潤滑油又は燃料4がストレーナ2を介してポンプ3により吸引される。タンク1内に潤滑油が貯留されている場合には、ストレーナ2を介しポンプ3により吸引された潤滑油は、流通管5を介してエンジン又は自動変速機に供給され、、タンク1内に燃料が貯留されている場合には、ストレーナ2を介しポンプ3により吸引された燃料は、流通管5を介してエンジンに供給される。なお、ストレーナ2はタンク1の底壁6の内側面7に近接して配置されており、従ってタンク1内の潤滑油又は燃料4は、矢印で示すように、タンク1の底壁6の内側面7に沿いつつストレーナ2に向け流れてストレーナ2内に流入する。
【0011】
さて、車両が走行せしめられると、タイヤの各部が路面に対して接触、剥離を繰り返すことによって静電気が発生し、またエンジンの構成部品やブレーキ装置の構成部品が相対運動することによっても静電気が発生する。また、車両の走行時に空気が車両の外周面上を摩擦接触しつつ流れることによっても静電気が発生する。これらの発生した静電気によって車両のボディ、エンジン等には電荷が帯電し、タンク1およびタンク1内の潤滑油又は燃料4にも電荷が帯電する。このとき、タンク1およびタンク1内の潤滑油又は燃料4には、正の電荷が帯電することが確認されており、しかもタンク1およびタンク1内の潤滑油又は燃料4の電圧値は1000(v)以上の高電圧になる場合があることが確認されている。
【0012】
潤滑油又は燃料に電荷が帯電すると潤滑油又は燃料の粘度が上昇し、その結果、機関運転時に、潤滑油又は燃料が、必要とする箇所まで応答性よく供給されなくなる。その結果、機関の運転応答性が悪化することになる。この場合、機関の運転応答性が悪化するのを阻止するためには、潤滑油又は燃料の粘度を低下させる必要があり、そのためには潤滑油又は燃料に帯電している電荷を除去すること、即ち潤滑油又は燃料を除電することが必要となる。
【0013】
そこで本発明者は、潤滑油又は燃料に帯電している電荷を減少させるための簡便な除電方法について検討し、自己放電式除電器を用いた簡便な除電方法を見出したのである。この自己放電式除電器の一例が図2Aおよび図2Bに示されている。なお、図2Aはこの自己放電式除電器10の平面図を示しており、図2Bは、この自己放電式除電器10をタンク1の底壁6の外側面8に設置したときの側面断面図を示している。図2Aおよび図2Bに示される例では、この自己放電式除電器10は細長い矩形状の平面形状をなすと共に、タンク1の底壁6の外側面8上に導電性接着剤12により接着せしめられる金属箔11からなる。
【0014】
本発明では、図1に示されるように、この自己放電式除電器10を、ストレーナ2と対面するタンク底壁内側面7の裏側に当るタンク底壁外側面8上に設置し、それにより潤滑油又は燃料を除電するようにしている。この場合、自己放電式除電器10により潤滑油又は燃料の除電が行われるときの除電メカニズムについては明らかではないが、おそらく自己放電式除電器10からの正の電荷の放電作用によって潤滑油又は燃料の除電作用が行われているものと推測される。そこで、次に、図2Bの拡大図を示す図3Aを参照しつつ、タンク1の底壁6において行われていると推測される除電メカニズムについて説明する。
【0015】
さて、前述したように、本発明による実施例では、タンク1および潤滑油又は燃料4には、正の電荷が帯電している。この場合、図1に示される例では、前述したように、タンク1は金属材料により形成されているので、タンク1の底壁6の内部には正の電荷が帯電することになる。一方、自己放電式除電器10は、前述したように、タンク1の底壁6の外側面8上に、導電性接着剤12により接着された金属箔11からなる。この場合、金属箔11および導電性接着剤12は共に導電性であり、従って、金属箔11の内部、即ち自己放電式除電器10の内部にも正の電荷が帯電することになる。
【0016】
ところで、自己放電式除電器10の電圧は自己放電式除電器10の周りのタンク1の底壁6の電圧とほぼ等しくなっており、従って自己放電式除電器10の電圧はかなり高くなっている。一方、空気は正に帯電する傾向があり、従って空気の一部は正の空気イオン(丸内に+で表示)となっている。この場合、空気イオンの電位と自己放電式除電器10の電位とを比べると、自己放電式除電器10の電位の方が空気イオンの電位に比べてかなり高くなっている。従って、空気イオンが図3Bに示されるように、例えば自己放電式除電器10の角部13に近づくと、空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間の電界強度が高くなり、その結果、空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間で放電が生ずることになる。
【0017】
空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間で放電が生ずると、図3Bに示されるように、空気イオンの電子の一部が自己放電式除電器10内に移動するため、空気イオンの正の帯電量が増大し(丸内に++で表示)、自己放電式除電器10内に移動した電子によって自己放電式除電器10に帯電している正の電荷が中和される。一旦、放電が行われると放電が生じやすくなり、別の空気イオンが自己放電式除電器10の角部13に近づくと空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間でただちに放電が生ずることになる。即ち、自己放電式除電器10の周りの空気が移動していると、空気イオンが次から次へと自己放電式除電器10の角部13に近づき、従って空気イオンと自己放電式除電器10の角部13との間で継続的に放電が生ずることになる。
【0018】
空気イオンと自己放電式除電器10の角部13との間で継続的に放電が生ずると、自己放電式除電器10に帯電している正の電荷が次から次へと中和され、その結果自己放電式除電器10に帯電している正の電荷量が減少する。自己放電式除電器10に帯電している正の電荷量が減少すると、自己放電式除電器10の周囲のタンク底壁6内に帯電している正の電荷が自己放電式除電器10内に移動し、従って自己放電式除電器10の周囲のタンク底壁6内に帯電している正の電荷が減少する。自己放電式除電器10の周囲のタンク底壁6内に帯電している正の電荷が減少すると、自己放電式除電器10から離れたタンク底壁6内に帯電している正の電荷が自己放電式除電器10の周囲に移動すると共に、図3Aに示されるように、潤滑油又は燃料4に帯電している正の電荷(丸内に+で表示)が自己放電式除電器10の周囲のタンク底壁6内に移動してくる。
【0019】
この場合、自己放電式除電器10から離れたタンク底壁6内に帯電している正の電荷量が減少してくると、潤滑油又は燃料4に帯電している多量の正の電荷が自己放電式除電器10の周囲のタンク底壁6内に向けて移動するようになる。その結果、図1において、矢印で示されるようにストレーナ2内に流入する潤滑油又は燃料4は順次除電され、従って、ポンプ3から送り出される全ての潤滑油又は燃料が除電されることになる。その結果、潤滑油又は燃料の粘度が低下し、それにより、機関運転時に、潤滑油又は燃料が、必要とする箇所まで応答性よく供給されるようになるので、機関の運転応答性が向上することになる。
【0020】
なお、自己放電式除電器10をストレーナ2から離れたタンク底壁6の外側面8上に配置した場合でも、自己放電式除電器10によって潤滑油又は燃料4を除電することができる。しかしながら、このとき除電できるのは、タンク1内の限られた領域内に存在しているほんの一部の潤滑油又は燃料4であって、ストレーナ2に流入する大部分の潤滑油又は燃料4は除電されない。即ち、ストレーナ2に流入する全潤滑油又は燃料4を除電するには、自己放電式除電器10を、ストレーナ2と対面するタンク底壁内側面7の裏側に当るタンク底壁外側面8上に設置する必要がある。
【0021】
そこで、本発明では、潤滑油又は燃料4を貯留しているタンク1内の底部6に潤滑油又は燃料用のストレーナ2が配置されており、タンク1およびタンク1内に貯留されている潤滑油又は燃料4に正の電荷が帯電する車両において、ストレーナ2と対面するタンク底壁内側面7の裏側に当るタンク底壁外側面8上に、正の帯電電荷を空気中に放電させることのできる自己放電式除電器10を設置し、自己放電式除電器10によってストレーナ2に流入する潤滑油又は燃料4を除電するようにしている。
【0022】
ところで、前述したように、空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間で放電が生ずると、図3Bに示される如く、正の帯電量の増大した空気イオン(丸内に++で表示)が生成され、この正の帯電量の増大した空気イオンは周囲の空気中に飛散する。この正の帯電量の増大した空気イオンの量は、自己放電式除電器10の周囲を流動する空気の量に比べれば極めて少量である。なお、自己放電式除電器10の周りの空気が停滞しており、空気イオンが移動しない場合には、継続して放電が生じず、潤滑油又は燃料の除電作用は行われない。即ち、潤滑油又は燃料の除電作用を行うには、自己放電式除電器10の周りの空気を流動させることが必要となる。
【0023】
空気イオンと自己放電式除電器10間の放電は、空気イオンと自己放電式除電器10の角部13との間、或いは空気イオンと自己放電式除電器10の周辺部の尖端部14との間で生ずる。従って、空気イオンと自己放電式除電器10との間で放電を生じさせ易くずるには、自己放電式除電器10の周辺部に角部13に加え、多数の尖端部14を形成しておくことが好ましいといえる。従って、自己放電式除電器10を作成する際には、大きな寸法の金属箔を切断することによって金属箔11を作成する際に、切断面に尖端部14のようなバリが生ずるように、金属箔を切断することが好ましいことになる。
【0024】
図2Aおよび図2Bに示される自己放電式除電器10の金属箔11は、延性金属、例えばアルミニウム又は銅からなり、本発明による実施例では金属箔11はアルミニウム箔からなる。また、本発明による実施例において用いられているアルミニウム箔11の長手方向の長さは50mmから100mm程度であり、厚みは0.05mmから0.2mm程度である。なお、自己放電式除電器10として、アルミニウム箔11に導電性接着剤12の層が形成されているアルミニウムテープを切断して用いることもできる。
【0025】
一方、タンク1の底壁6が非導電性の合成樹脂材料から形成されている場合でも、図1に示されるように、自己放電式除電器10を、ストレーナ2と対面するタンク底壁内側面7の裏側に当るタンク底壁外側面8上に設置すると、潤滑油又は燃料を除電することができる。この場合に、タンク1の底壁6において行われていると推測される除電メカニズムについて図3Aと同様な図4Aを参照しつつ簡単に説明する。
【0026】
タンク1の底壁6が非導電性の合成樹脂材料から形成されている場合には、図4Aに示されるように、底壁6の内部には電荷が帯電せず、底壁6の表面に正の電荷が帯電する。なお、このとき、金属箔11の内部、即ち自己放電式除電器10の内部には正の電荷が帯電する。この場合、自己放電式除電器10の電圧は自己放電式除電器10の周りの底壁6の外側面8の電圧とほぼ等しくなっており、従って自己放電式除電器10の電圧はかなり高くなっている。従って、この場合にも、自己放電式除電器10の電位の方が空気イオンの電位に比べてかなり高くなっており、従って図3Bに示されるように空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間で放電が生ずることになる。
【0027】
空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間で放電が生じ、自己放電式除電器10に帯電している正の電荷量が減少すると、自己放電式除電器10の周囲の底壁外側面8上に帯電している正の電荷が自己放電式除電器10内に移動し、従って自己放電式除電器10の周囲の底壁外側面8上に帯電している正の電荷が減少する。その結果、自己放電式除電器10および自己放電式除電器10の周囲の底壁外側面8の電圧が徐々に低下していくことになる。このような自己放電式除電器10および自己放電式除電器10の周囲の底壁外側面8の電圧の低下作用は、自己放電式除電器10の電圧が低くなって放電作用が停止するまで継続し、その結果、図4Bに示されるように、自己放電式除電器10の設置箇所を中心とした破線で示す限られた範囲D内の底壁外側面8の電圧が低下することになる。
【0028】
一方、このとき、自己放電式除電器10の設置箇所を中心とした破線で示す限られた範囲D内の底壁6の内側面7の電圧も低下する。ただし、この場合、底壁6の内側面7の電圧の低下量は、底壁6の外側面8の電圧の低下量に比べて小さい。このように電圧自己放電式除電器10を底壁6の外側面8上に設置しても、底壁6の内側面7の電圧が低下するのは、底壁6の外側面8における電圧の低下が底壁6の内側面7の電圧の低下として底壁6の内側面7に現れてくるからだと考えられる。
【0029】
底壁6の内側面7の電圧が低下すると、底壁6の内側面7に沿って流れる潤滑油又は燃料4の電圧が低下し、従ってストレーナ2に流入する潤滑油又は燃料4の電圧が低下する。このように潤滑油又は燃料4の電圧が低下するということは、潤滑油又は燃料4に帯電している電荷量が低下したことを意味しており、従ってこの場合にも、ストレーナ2に流入する全潤滑油又は燃料4が除電されることになる。
【0030】
一方、ポンプ3の外側面上に自己放電式除電器10を設置すると、ポンプ3内を流れる潤滑油又は燃料が除電される。従って、この場合にも、潤滑油又は燃料の粘度が低下し、その結果、機関運転時に、潤滑油又は燃料が、必要とする箇所まで応答性よく供給されるようになるので、機関の運転応答性が向上することになる。従って、本発明による一実施例では、図1に示されるように、ポンプ3の外側面上に自己放電式除電器10が設置される。この場合、自己放電式除電器10の設置場所としては、周囲の空気が流動する場所、即ち、タンク1の外部に露呈しているポンプ3の外側面上が好ましいといえる。
【0031】
また、流通管5の外側面上に自己放電式除電器10を設置すると、流通管5内を流れる潤滑油又は燃料が除電される。従って、この場合にも、潤滑油又は燃料の粘度が低下し、その結果、機関運転時に、潤滑油又は燃料が、必要とする箇所まで応答性よく供給されるようになるので、機関の運転応答性が向上することになる。従って、本発明による一実施例では、図1に示されるように、流通管5の外側面上に自己放電式除電器10が設置される。この場合にも、自己放電式除電器10の設置場所としては、周囲の空気が流動する場所、即ち、タンク1の外部に露呈している流通管5の外側面上が好ましいといえる。
【符号の説明】
【0032】
1 タンク
2 ストレーナ
3 ポンプ
4 潤滑油又は燃料
5 流通管
6 底壁
10 自己放電式除電器
図1
図2
図3
図4