【解決手段】物体側から順に、対物レンズと、結像レンズとを持ち、前記結像レンズ中に物体距離の変動に応じて光軸方向に移動させてフォーカシングさせるフォーカス群を具備し、前記対物レンズは被写体像を縮小して空間中間結像面に入射させ、前記結像レンズでは前記空間中間結像を拡大して撮像素子上に再結像させる観察用光学系。
物体側から順に、対物レンズと、結像レンズとを持ち、前記結像レンズ中に物体距離の変動に応じて光軸方向に移動させてフォーカシングさせるフォーカス群を具備し、前記対物レンズは被写体像を縮小して空間中間結像面に入射させ、前記結像レンズでは前記空間中間結像を拡大して撮像素子上に再結像させることを特徴とする観察用光学系。
前記第一レンズ群内に、光軸に対して垂直に移動させて手振れ補正を行う防振レンズ群を具備し、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の観察用光学系。
(6) 0.700≦fv/f≦1.300
ただし、
fv:防振群の焦点距離
f:全系の焦点距離の絶対値
【背景技術】
【0002】
近年、観察用光学系及びそれを備えた撮像装置は、限られた狭い空間に挿入して撮像するために、物体側レンズ群の小径化が望まれている。
【0003】
また、このような観察用光学系及びそれを備えた撮像装置においては、高解像度化も達成しなければならない課題の一つである。高解像度化は、被写体像をより細かく正確に確認するためのみならず、関係者間での情報の共有、または遠隔操作での被写体の確認等にも必要とされることからも、高解像度化が望まれている。
【0004】
上述した従来の観察用光学系及びそれを備えた撮像装置における対物レンズの小径化は、高解像度化に関し、以下の三つの問題がある。
第一は、Fナンバーが大きく暗い光学系にすると、前述したように小径化を実現することができる。しかし、Fナンバーが大きく暗い光学系を用いると、回折限界によって光学系の解像性能の限界が低くなり、高解像度の画質を達成できないという問題が生じる。
【0005】
第二は、対物レンズによって形成される空間中間結像が小さいことである。例えば、対物レンズ及びリレーレンズ系を小径にし、かつそれに対応して空間中間結像も小径にすることで所定領域へ挿入される部分の全体を小径にすることが考えられる。一方で、高解像度化を実現するためには、対物レンズによる空間中間結像の解像度をリレーレンズ系の横倍率と、撮像素子に必要な解像度との積にすることが必要である。そのため、対物レンズに求められる解像度が高くなるため、レンズ枚数を多くしかつ有効径を大きくしなければならないという問題が生じる。
【0006】
第三は、従来の観察用光学系では、物体側より順に、対物レンズ、単数又は複数のリレーレンズ系、接眼レンズ、結像レンズ、撮像素子の順で結像をリレーさせている。前記単数又は複数のリレーレンズ系は、小径部分の長さが一定以上長くして被写体に近接した撮像することを可能にするためである。しかし、複数の空間中間結像を形成した場合、各空間中間結像間で解像度が劣化することは避けられず、最終的には望んでいる高解像度の画質が得られないという問題が生じる。
【0007】
従来の観察用対物レンズとして、挿入部先端側から順に、少なくとも、対物光学系、リレー光学系、接眼光学系からなる観察用光学系において、Nを前記リレー光学系のリレー回数として、前記リレー光学系を除く観察光学系が空気と接する負の屈折力の屈折面を(N+4)面以上有することを特徴とする観察用対物レンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
従来の他の観察用対物レンズとして、負の屈折力を有する第1群と、正の屈折力を有する第2群と、負の屈折力を有する第3群と、正の屈折力を有する第4群とからなり、ワイド端における全系の焦点距離、第4群の焦点距離、ワイド端およびテレ端における第3群の倍率に係る所定条件式を満足すると共に、前記第3群を光軸に沿って移動させることにより倍率の変化と焦点合わせを同時に行なうようにした撮像装置用の対物レンズが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1a】第1発明の第1実施例の観察光学系の光学断面図であり、遠距離物体合焦状態を示す。
【
図1b】第1発明の第1実施例の観察光学系の光学断面図であり、近距離物体合焦状態を示す。
【
図2】第1発明の第1実施例の観察光学系の遠距離物体合焦状態の縦収差図である。(a)は球面収差図であり、(b)は非点収差図であり、(c)は歪曲収差図である。
【
図3】第1発明の第1実施例の観察光学系の近距離物体合焦状態の縦収差図である。(a)は球面収差図であり、(b)は非点収差図であり、(c)は歪曲収差図である。
【
図4】第1発明の第1実施例の観察光学系の望遠端で遠距離物体合焦状態の横収差図である。横軸は、瞳面上での主光線からの距離を示す。実線はd線を示し、短破線はg線を示し、長破線はC線を示す。(a)は最大像高の70%の像点における手振れ補正を行っていない横収差図であり、(b)は軸上像点における手振れ補正を行っていない横収差図であり、(c)は最大像高の−70%の像点における手振れ補正を行っていない横収差図である。(d)は最大像高の70%の像点における手振れ補正を行った横収差図であり、(e)は軸上像点における手振れ補正を行った横収差図であり、(f)は最大像高の−70%の像点における手振れ補正を行った横収差図である。
【
図5a】第1発明の第2実施例の観察光学系の光学断面図であり、遠距離物体合焦状態を示す。
【
図5b】第1発明の第2実施例の観察光学系の光学断面図であり、近距離物体合焦状態を示す。
【
図6】第1発明の第2実施例の観察光学系の遠距離物体合焦状態の縦収差図である。(a)は球面収差図であり、(b)は非点収差図であり、(c)は歪曲収差図である。
【
図7】第1発明の第1実施例の観察光学系の近距離物体合焦状態の縦収差図である。(a)は球面収差図であり、(b)は非点収差図であり、(c)は歪曲収差図である。
【
図8】第1発明の第2実施例の観察光学系の望遠端で遠距離物体合焦状態の横収差図である。横軸は、瞳面上での主光線からの距離を示す。実線はd線を示し、短破線はg線を示し、長破線はC線を示す。(a)は最大像高の70%の像点における手振れ補正を行っていない横収差図であり、(b)は軸上像点における手振れ補正を行っていない横収差図であり、(c)は最大像高の−70%の像点における手振れ補正を行っていない横収差図である。(d)は最大像高の70%の像点における手振れ補正を行った横収差図であり、(e)は軸上像点における手振れ補正を行った横収差図であり、(f)は最大像高の−70%の像点における手振れ補正を行った横収差図である。
【
図9a】第1発明の第3実施例の観察光学系の光学断面図であり、遠距離物体合焦状態を示す。
【
図9b】第1発明の第3実施例の観察光学系の光学断面図であり、近距離物体合焦状態を示す。
【
図10】第1発明の第3実施例の観察光学系の遠距離物体合焦状態の縦収差図である。(a)は球面収差図であり、(b)は非点収差図であり、(c)は歪曲収差図である。
【
図11】第1発明の第3実施例の観察光学系の近距離物体合焦状態の縦収差図である。(a)は球面収差図であり、(b)は非点収差図であり、(c)は歪曲収差図である。
【
図12】第1発明の第4実施例の観察光学系の望遠端で遠距離物体合焦状態の横収差図である。横軸は、瞳面上での主光線からの距離を示す。実線はd線を示し、短破線はg線を示し、長破線はC線を示す。(a)は最大像高の70%の像点における手振れ補正を行っていない横収差図であり、(b)は軸上像点における手振れ補正を行っていない横収差図であり、(c)は最大像高の−70%の像点における手振れ補正を行っていない横収差図である。(d)は最大像高の70%の像点における手振れ補正を行った横収差図であり、(e)は軸上像点における手振れ補正を行った横収差図であり、(f)は最大像高の−70%の像点における手振れ補正を行った横収差図である。
【
図13a】第1発明の第4実施例の観察光学系の光学断面図であり、遠距離物体合焦状態を示す。
【
図13b】第1発明の第4実施例の観察光学系の光学断面図であり、近距離物体合焦状態を示す。
【
図14】第1発明の第4実施例の観察光学系の遠距離物体合焦状態の縦収差図である。(a)は球面収差図であり、(b)は非点収差図であり、(c)は歪曲収差図である。
【
図15】第1発明の第4実施例の観察光学系の近距離物体合焦状態の縦収差図である。(a)は球面収差図であり、(b)は非点収差図であり、(c)は歪曲収差図である。
【
図16】第1発明の第4実施例の観察光学系の望遠端で遠距離物体合焦状態の横収差図である。横軸は、瞳面上での主光線からの距離を示す。実線はd線を示し、短破線はg線を示し、長破線はC線を示す。(a)は最大像高の70%の像点における手振れ補正を行っていない横収差図であり、(b)は軸上像点における手振れ補正を行っていない横収差図であり、(c)は最大像高の−70%の像点における手振れ補正を行っていない横収差図である。(d)は最大像高の70%の像点における手振れ補正を行った横収差図であり、(e)は軸上像点における手振れ補正を行った横収差図であり、(f)は最大像高の−70%の像点における手振れ補正を行った横収差図である。
【
図17a】第1発明の第5実施例の観察光学系の光学断面図であり、遠距離物体合焦状態を示す。
【
図17b】第1発明の第5実施例の観察光学系の光学断面図であり、近距離物体合焦状態を示す。
【
図18】第1発明の第5実施例の観察光学系の遠距離物体合焦状態の縦収差図である。(a)は球面収差図であり、(b)は非点収差図であり、(c)は歪曲収差図である。
【
図19】第1発明の第5実施例の観察光学系の近距離物体合焦状態の縦収差図である。(a)は球面収差図であり、(b)は非点収差図であり、(c)は歪曲収差図である。
【
図20】第1発明の第5実施例の観察光学系の望遠端で遠距離物体合焦状態の横収差図である。横軸は、瞳面上での主光線からの距離を示す。実線はd線を示し、短破線はg線を示し、長破線はC線を示す。(a)は最大像高の70%の像点における手振れ補正を行っていない横収差図であり、(b)は軸上像点における手振れ補正を行っていない横収差図であり、(c)は最大像高の−70%の像点における手振れ補正を行っていない横収差図である。(d)は最大像高の70%の像点における手振れ補正を行った横収差図であり、(e)は軸上像点における手振れ補正を行った横収差図であり、(f)は最大像高の−70%の像点における手振れ補正を行った横収差図である。
【
図21】第2発明の撮像装置の実施例の断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の観察用光学系及びそれを備えた撮像装置について説明する。
本発明に係る観察用光学系は、物体側から順に、対物レンズと、結像レンズとを持ち、前記結像レンズ中に物体距離の変動に応じて光軸方向に移動させてフォーカシングさせるフォーカス群を具備し、前記対物レンズは被写体像を縮小して空間中間結像面に入射させ、前記結像レンズでは前記空間中間結像を拡大して撮像素子上に再結像させることを特徴とする。
【0018】
このような観察用光学系及びそれを備えた撮像装置によれば、空間中間結像の数が少なく、撮像素子に到達する光量損失を抑え、明るく鮮明な画像を形成することができる。
【0019】
本発明に係る観察用光学系はまた、以下の条件式を満足することが好ましい。
(1) 0.050≦fo/fi≦1.100
fo:対物レンズの焦点距離
fi:結像レンズの遠距離物体合焦状態での焦点距離
【0020】
条件式(1)は、対物レンズの焦点距離と結像レンズの遠距離物体合焦状態での焦点距離の比に関する。この数値が下限を下回ると、対物レンズの焦点距離が短くなり、広角レンズとなる。そのため、物体側の小径部分の光路長を更に長くしないと被写体に近接させて拡大観察することが困難となる。すなわち、光学系全体の小型化や高解像度化が困難となる。また、この数値が上限を超えると、対物レンズの焦点距離が長くなり、望遠レンズとなる。そのため、取り込む画角が狭く、被写体や観察用光学系の周辺状況を把握することが困難となる。
【0021】
条件式(1)は、前記目的を達成するために、好ましくは、 0.100≦fo/fi ≦0.850であり、より好ましくは、0.150≦fo/fi≦0.700である。
【0022】
本発明に係る観察用光学系はまた、以下の条件式を満足することが好ましい。
(2) 0.000≦b1f≦0.100
(3) 3.000≦b2f≦6.500
ただし、
b1f:対物レンズの遠距離物体合焦状態での近軸横倍率の絶対値
b2f:結像レンズの遠距離物体合焦状態での横倍率の絶対値
【0023】
条件式(2)は、対物レンズの遠距離物体合焦状態での近軸横倍率の絶対値に関する。この数値が下限を下回ると、より遠方の撮影ができるようにフォーカス群の移動量を確保しなければいけないために、光学系全体の小型化が困難となる。また、この数値が上限を超えると、遠距離物体への合焦が困難となり、その結果物体側の小径部分の光路長を更に長く取らないと対象物に近接させて拡大観察することが困難となる。さらに、光学系全体の小型化や高解像度化が困難となる。
【0024】
観察用光学系及びそれを備えた撮像装置は、上述の構成により、広い視野を有し、観察用光学系の周辺にある障害物等を十分に視認することができる。
【0025】
条件式(2)は、前記目的を達成するために、好ましくは、0.020≦b1f≦0.070であり、より好ましくは、0.030≦b1f≦0.050である。
【0026】
条件式(3)は、結像レンズの遠距離物体合焦状態での近軸横倍率の絶対値に関する。この数値が下限を下回ると、空間中間結像が大きくなって小径部分の光学有効径が大きくなり、かつ撮像素子が小さくなるため、高解像度化が困難となる。また、この数値が上限を超えると、空間中間結像が小さくなって回折限界により高解像度化が困難になる。さらに、撮像素子が大きくなり、像側レンズ群及び装置全体の小型化が困難となる。
【0027】
観察用光学系及びそれを備えた撮像装置は、上述のように構成することにより、像高に対してレンズ全長が長く、小径部分の十分な長さを必要とする観察用光学系にも有効に使用することができる。また、観察用光学系及びそれを備えた撮像装置は、物体側の光学有効径が小径でありながら、小径部分の光路長を長く確保でき、高解像度化に対応することもできる。
【0028】
条件式(3)は、前記目的を達成するために、好ましくは、3.500≦b2f≦6.000であり、より好ましくは、4.000≦b2f≦5.500である。
【0029】
本発明に係る観察用光学系はまた、以下の条件式を満足することが好ましい。
(4) 0.290≦(b1f×b2f)/(b1n×b2n)≦0.470
ただし、
b1n:対物レンズの近距離物体合焦状態での横倍率の絶対値
b2n:結像レンズの近距離物体合焦状態での横倍率の絶対値
【0030】
条件式(4)は、遠距離物体合焦状態と近距離物体合焦状態との結像倍率の比に関する。この数値が下限を下回ると、より遠方の撮影ができるようにフォーカス群の移動量を確保しなければいけないために、光学系全体の小型化が困難となる。また、この数値が上限を超えると、フォーカス調整範囲が狭くなり、被写体に合焦できない物体距離においては高解像度化が困難となる。
【0031】
条件式(4)は、前記目的を達成するために、好ましくは、0.320≦(b1f×b2f)/(b1n×b2n)≦0.430であり、より好ましくは、0.350≦(b1f×b2f)/(b1n×b2n)≦0.400である。
【0032】
本発明に係る観察用光学系はまた、以下の条件式を満足することが好ましい。
(5) 0.800≦TanWf/TanWn≦1.400
ただし、
Wf:遠距離物体合焦状態での半画角
Wn:近距離物体合焦状態での半画角
【0033】
条件式(5)は、遠距離物体合焦状態と近距離物体合焦状態との画角の比に関する。動画撮影時に被写体のコントラストを演算しながら合焦状態、非合焦状態を繰り返すようなオートフォーカスシステムを組み込んだ場合や、被写体と対物レンズの間隔を頻繁に変化させて撮像する際などに、フォーカス群の移動に対する画角の変化が小さいことが望まれる。フォーカス群の移動に対する画角の変化が大きい場合には、オートフォーカスをさせながら動画撮影する際に違和感が生じる。また、物体距離に対する対象物の拡大倍率のリニアリティーが損なわれると、被写体と対物レンズの距離間隔が不明確となり、対物レンズと対象物とが接触してしまう等の問題が生じやすい。本条件式はその問題が生じにくい望ましい領域を定めたものである。
【0034】
条件式(5)は、前記目的を達成するために、好ましくは、0.850≦TanWf/TanWn≦1.200であり、より好ましくは、0.890≦TanWf/TanWn≦1.000である。
【0035】
本発明に係る観察用光学系はまた、前記第一レンズ群内に、光軸に対して垂直に移動させて手振れ補正を行う手振れ補正レンズ群を具備し、以下の条件式を満足することが好ましい。
(6) 0.700≦fv/f≦1.300
ただし、
fv:防振群の焦点距離
f:全系の焦点距離の絶対値
【0036】
条件式(6)は、手振れ補正群の焦点距離と遠距離物体合焦状態における光学系全系の焦点距離の比に関する。この数値が下限を下回ると、手振れ補正群のパワーが強くなり、手振れ補正時の球面収差やコマ収差の収差補正が不十分となる。また、この数値が上限を超えると、手振れ補正群のパワーが弱くなり、手振れ補正群の光軸に対する垂直方向の手振れ補正量が大きくなり、外径が大きくなる。
【0037】
上述の構成によれば、フォーカス機能を有し、さらに防振群を容易に組み込むことができるため、使い勝手の良い観察用光学系及びそれを備えた撮像装置を構成することができる。
【0038】
条件式(6)は、前記目的を達成するために、好ましくは、0.800≦fv/f≦1.200であり、より好ましくは、0.900≦fv/f≦1.100である。
【0039】
本発明に係る観察用光学系はまた、前記対物レンズが、前記結像レンズ内にも物体側と像側が逆転して存在し、対称型レンズ部を有することが好ましい。
【0040】
観察用光学系をこのように構成して対称型レンズ部を設けることにより、諸収差を容易に良好に補正することができる。また、同一のレンズ部材を2組使用することにより製造コストを下げることができる。
【0041】
また、上述の構成によれば、さらに、合理的な枚数のレンズを含み、十分に収差補正された観察用光学系及びそれを備えた撮像装置を構成することもできる。
【0042】
また、本発明に係る観察用光学系は、物体側から順に、対物レンズと、結像レンズとを持ち、前記結像レンズ中に物体距離の変動に応じて光軸方向に移動させてフォーカシングさせるフォーカス群を具備し、前記対物レンズは被写体像を縮小して空間中間結像面に入射させ、前記結像レンズでは前記空間中間結像を拡大して撮像素子上に再結像させる観察用光学系と、形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。
【実施例1】
【0043】
以下、本発明の数値実施例を示す。
以下の表において、FNO.はFナンバー、fは全系の焦点距離(mm)、Wは半画角(°)、rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、Ndはd線の屈折率、vdはd線基準のアッベ数を示す。
【0044】
図1,5,9,13,17の各光学断面図において、数字1,2,3,・・・・は面番号を示し、G1が前レンズ群を示し、G2は後レンズ群を示す。IMGは、結像を示す。G3は手振れ補正レンズ群を示し、G4は合焦レンズ群を示し、G5は撮像レンズ群を示す。後レンズ群G2は手振れ補正レンズ群G3を含む。
図2,3,6,7,10,11,14,15,18、19の各収差図において、(a)は球面収差(SA(mm))を示し、(b)は非点収差(AST(mm))を示し、(c)は歪曲収差(DIS(%))を示す。
球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNO.で示す)を示し、実線はd線(d−line)、短破線はg線(g−line)、長破線はC線(C−line)の収差を示す。非点収差図において、縦軸は半画角(図中、Wで示す)を示し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Mで示す)を示す。歪曲収差 図において、縦軸は半画角(図中、Wで示す)を示す。
図4,8,12,16,20は、観察光学系の望遠端で遠距離物体合焦状態の横収差図である。横軸は、瞳面上での主光線からの距離を示す。実線はd線を示し、短破線はg線を示し、長破線はC線を示す。
【0045】
非球面は次式で定義される。
z=ch
2/[1+{1-(1+k)c
2h
2}
1/2]+A4h
4+A6h
6+A8h
8+A10h
10・・・
但し、cは曲率(1/r)、hは光軸からの高さ、kは円錐係数、A4、A6、A8、A10・・・は各次数の非球面係数を示す。
【0046】
本発明による観察用光学系の実施例1を図面を参照して説明する。
図1は光学断面図、
図2,3はそれぞれ遠距離物体合焦状態、近距離物体合焦状態での縦収差図である。表1,2はその数値データである。
【0047】
実施例1の観察用光学系は、
図1に示すように物体側から順に、対物レンズ系OL(対物レンズ)と結像レンズ系IL(結像レンズ)とを備え、対物レンズ系OLは前レンズ群G1を有し、結像レンズ系ILは後レンズ群G2、合焦レンズ群G4、及び撮像レンズ群G5を有する。後レンズ群G2は、手振れ補正レンズ群G3を含む。
【0048】
(表1)諸元表
FNO.=14.629
f =27.771
Y =17.000
(表2)可変間隔表
【実施例2】
【0049】
本発明による観察用光学系の実施例2を図面を参照して説明する。
図5は光学断面図、
図6,7はそれぞれ遠距離物体合焦状態、近距離物体合焦状態での縦収差図である。表3,4はその数値データである。
【0050】
実施例2の観察用光学系は、
図5に示すように物体側から順に、対物レンズ系OLと結像レンズ系ILとを備え、対物レンズ系OLは前レンズ群G1を有し、結像レンズ系ILは後レンズ群G2、合焦レンズ群G4、及び撮像レンズ群G5を有する。後レンズ群G2は、手振れ補正レンズ群G3を含む。
【0051】
(表3)諸元表
FNO.=14.567
f =27.805
Y =17.000
(表4)可変間隔表
【実施例3】
【0052】
本発明による観察用光学系の実施例3を図面を参照して説明する。
図9は光学断面図、
図10,11はそれぞれ遠距離物体合焦状態、近距離物体合焦状態での縦収差図である。表5,6はその数値データである。
【0053】
実施例3の観察用光学系は、
図9に示すように物体側から順に、対物レンズ系OLと結像レンズ系ILとを備え、対物レンズ系OLは前レンズ群G1を有し、結像レンズ系ILは後レンズ群G2、合焦レンズ群G4、及び撮像レンズ群G5を有する。後レンズ群G2は、手振れ補正レンズ群G3を含む。
【0054】
(表5)諸元表
FNO.=14.578
f =29.342
Y =17.000
(表6)可変間隔表
【実施例4】
【0055】
本発明による観察用光学系の実施例4を図面を参照して説明する。
図13は光学断面図、
図14,15はそれぞれ遠距離物体合焦状態、近距離物体合焦状態での縦収差図である。表7,8はその数値データである。
【0056】
実施例4の観察用光学系は、
図13に示すように物体側から順に、対物レンズ系OLと結像レンズ系ILとを備え、対物レンズ系OLは前レンズ群G1を有し、結像レンズ系ILは後レンズ群G2、合焦レンズ群G4、及び撮像レンズ群G5を有する。後レンズ群G2は、手振れ補正レンズ群G3を含む。
【0057】
(表7)諸元表
FNO.=15.105
f =27.531
Y =17.000
(表8)可変間隔表
【実施例5】
【0058】
本発明による観察用光学系の実施例5を図面を参照して説明する。
図17は光学断面図、
図18,19はそれぞれ遠距離物体合焦状態、近距離物体合焦状態での縦収差図である。表9〜11はその数値データである。
【0059】
実施例5の観察用光学系は、
図17に示すように物体側から順に、対物レンズ系OLと結像レンズ系ILとを備え、対物レンズ系OLは前レンズ群G1を有し、結像レンズ系ILは後レンズ群G2、及び合焦レンズ群G4を有する。すなわち、実施例5の観察用光学系は、実施例1〜4の観察用光学系が備える撮像レンズ群G5に対応するレンズ群を有していない。なお、後レンズ群G2は、手振れ補正レンズ群G3を含む。
【0060】
(表9)諸元表
FNO.=12.223
f =25.338
Y =14.200
(表10)非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。)
(表11)可変間隔表
【0061】
各実施例の観察用光学系において、手振れ補正状態での防振群の光軸と垂直な方向への移動量は全て0.330mmである。また、その時の防振補正角は下記に記載の通りである。
実施例1 0.604度
実施例2 0.605度
実施例3 0.581度
実施例4 0.623度
実施例5 0.723度
【0062】
各実施例の請求項記載の数式に対応する条件式対応値を表12に示す。
(表12)条件式対応値
【0063】
本発明に係る撮像装置の一実施例は、
図21の断面説明図に示すように、照明光源101から出射した照明光が、照明光路102を経由して被写体(図示せず)へ照射される。被写体で反射された被写体光は、対物レンズ系OLによって空間中間結像IMGを形成する。空間中間結像IMGは、結像レンズ系ILによって撮像装置105内の撮像素子106上に再結像する。撮像素子106から出力された撮像信号は表示装置107に入力され、表示装置107が被写体像を表示する。