携帯型情報処理装置は、第1の表示部が設けられた第1の筐体と、第2の表示部が設けられた第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回転可能に連結する連結部と、前記第1の筐体の前記第1の表示部が配置された面に設けられ、第2の表示部のカラーキャリブレーションで使用される第1のカラー検出手段と、前記第2の筐体の前記第2の表示部が配置された面に設けられ、第1の表示部のカラーキャリブレーションで使用される第2のカラー検出手段と、を備えている。
前記第1の表示部と前記第2の表示部が内側を向いた状態で前記第1の筐体と前記第2の筐体が閉じられた状態において、前記第1のカラー検出手段は、前記第1の表示部と対向する位置に配置されており、前記第2のカラー検出手段は、前記第2の表示部と対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
前記キャリブレーション実行手段は、前記第1の表示部と前記第2の表示部が内側を向いた状態で前記第1の筐体と前記第2の筐体が閉じられた状態において前記カラーキャリブレーションを実行することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の携帯型情報処理装置。
前記キャリブレーション実行手段は、前記第1の表示部と前記第2の表示部との色の表示状態を揃えるように調整することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の携帯型情報処理装置。
前記キャリブレーション実行手段は、前記第1の表示部及び前記第2の表示部の色の表示状態が初期値になるように調整することを特徴とする請求項5に記載の携帯型情報処理装置。
前記キャリブレーション実行手段は、前記第1の表示部及び前記第2の表示部の一方の色の表示状態に、他方の色の表示状態を揃えるように調整することを特徴とする請求項5に記載の携帯型情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、2つの表示部を有する携帯型情報処理装置において、2つの表示部の色の表示状態を適正にすることが可能な携帯型情報処理装置、そのカラーキャリブレーション方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の表示部が設けられた第1の筐体と、第2の表示部が設けられた第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回転可能に連結する連結部と、前記第1の筐体の前記第1の表示部が配置された面に設けられた第1のカラー検出手段と、前記第2の筐体の前記第2の表示部が配置された面に設けられた第2のカラー検出手段と、前記第1の表示部にカラーパターンを表示して、前記第2のカラー検出手段の当該カラーパターンの検出結果に基づいて、前記第1の表示部のカラーキャリブレーションを実行し、また、前記第2の表示部にカラーパターンを表示して、前記第1のカラー検出手段の当該カラーパターンの検出結果に基づいて、前記第2の表示部のカラーキャリブレーションを実行するキャリブレーション実行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記第1の表示部と前記第2の表示部が内側を向いた状態で前記第1の筐体と前記第2の筐体が閉じられた状態において、前記第1のカラー検出手段は、前記第1の表示部と対向する位置に配置されており、前記第2のカラー検出手段は、前記第2の表示部と対向する位置に配置されていることが望ましい。
【0008】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記第1の表示部と前記第2の表示部は線対称に形成されており、前記第1の筐体及び前記第2の筐体の少なくとも一方を水平方向にスライド可能なスライド機構を備え、前記スライド機構は、前記第1の表示部と前記第2の表示部が内側を向いた状態で前記第1の筐体と前記第2の筐体が閉じられた状態において、前記第1のカラー検出手段が前記第1の表示部と対向する位置となり、前記第2のカラー検出手段が、前記第2の表示部と対向する位置となるように、前記第1の筐体及び前記第2の筐体の少なくとも一方を水平方向にスライドさせることが望ましい。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記キャリブレーション実行手段は、前記第1の表示部と前記第2の表示部が内側を向いた状態で前記第1の筐体と前記第2の筐体が閉じられた状態で前記カラーキャリブレーションを実行することが望ましい。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記キャリブレーション実行手段は、前記第1の表示部と前記第2の表示部との色の表示状態を揃えるように調整することが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記キャリブレーション実行手段は、前記第1の表示部と前記第2の表示部との色の表示状態が初期値になるように調整することが望ましい。
【0012】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記キャリブレーション実行手段は、前記第1の表示部及び前記第2の表示部のうちの一方の色の表示状態に、他方の色の表示状態を揃えるように調整することが望ましい。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記第1及び第2のカラー検出手段は、照度センサであることが望ましい。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記第1及び第2のカラー検出手段は、カメラであることが望ましい。
【0015】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯型情報処理装置により実行されるカラーキャリブレーション方法であって、前記携帯型情報処理装置は、
第1の表示部が設けられた第1の筐体と、第2の表示部が設けられた第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回転可能に連結する連結部と、前記第1の筐体の前記第1の表示部が配置された面に設けられた第1のカラー検出手段と、前記第2の筐体の前記第2の表示部が配置された面に設けられた第2のカラー検出手段と、を備え、前記カラーキャリブレーション方法は、前記第1の表示部にカラーパターンを表示して、前記第2のカラー検出手段の当該カラーパターンの検出結果に基づいて、前記第1の表示部のカラーキャリブレーションを実行し、また、前記第2の表示部にカラーパターンを表示して、前記第1のカラー検出手段の当該カラーパターンの検出結果に基づいて、前記第2の表示部のカラーキャリブレーションを実行する工程を含むことを特徴とする。
【0016】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯型情報処理装置に搭載されるプログラムであって、前記携帯型情報処理装置は、第1の表示部が設けられた第1の筐体と、第2の表示部が設けられた第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回転可能に連結する連結部と、前記第1の筐体の前記第1の表示部が配置された面に設けられた第1のカラー検出手段と、前記第2の筐体の前記第2の表示部が配置された面に設けられた第2のカラー検出手段と、を備え、前記プログラムは、前記第1の表示部にカラーパターンを表示して、前記第2のカラー検出手段の当該カラーパターンの検出結果に基づいて、前記第1の表示部のカラーキャリブレーションを実行し、また、前記第2の表示部にカラーパターンを表示して、前記第1のカラー検出手段の当該カラーパターンの検出結果に基づいて、前記第2の表示部のカラーキャリブレーションを実行する工程を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、2つの表示部を有する携帯型情報処理装置において、2つの表示部の色の表示状態を適正にすることが可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、この発明にかかる携帯型情報処理装置、そのカラーキャリブレーション方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを図面に基づいて詳細に説明する。本発明の構成要素は、本明細書の図面に一般に示してあるが、様々な構成で広く多様に配置し設計してもよいことは容易に理解できる。したがって、本発明の装置、システム及び方法の実施形態についての以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の選択した実施形態の一例を示すものであって、特許請求の範囲に示す本発明と矛盾無く装置、システム及び方法についての選択した実施形態を単に示すものである。当業者は、特定の細目の1つ以上が無くても、又は他の方法、部品、材料でも本発明を実現できることが理解できる。また、フローチャートの各ステップを実行する順番はフローチャートに示す順番に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で順番を変更してもよい。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの又は実質的に同一のものが含まれる。
【0020】
(実施の形態)
図1〜
図3を参照して、本実施の形態にかかる携帯型情報処理装置の構成を説明する。本実施の形態にかかる携帯型情報処理装置は、2つのディスプレイを有する携帯型情報処理装置であり、例えば、スマートフォン、ファブレット、タブレット、及びPC等である。
【0021】
図1は、本実施の形態にかかる携帯型情報処理装置の外観構成を示す斜視図である。本実施の形態にかかる携帯型情報処理装置1は、第1の筐体10と、第2の筐体20と、を備えている。また、携帯型情報処理装置1は、第1の筐体10と第2の筐体20との間にヒンジ(連結部)30を備えている。
【0022】
ヒンジ30は、第1の筐体10と第2の筐体20とを回転可能に連結する。回転軸δに対する第1の筐体10と第2の筐体20との角度を「θ」と規定する。より詳細には、ヒンジ30は、第1の筐体10と第2の筐体20とを回転軸δを中心に実質的に360度回転可能に連結する。ヒンジ30は、例えば、1軸〜3軸のヒンジを使用することができる。携帯型情報処理装置1は、ヒンジ30により各種状態を取ることが可能となっている。
【0023】
第1の筐体10は、第1のタッチ表示部11と、第1のカラーセンサ(第1のカラー検出手段)12と、回路基板(不図示)を備えている。第1の筐体10は、略矩形であり、第1のタッチ表示部11及び第1のカラーセンサ12が配置される第1の面10A、第1の面10Aに対向する第2の面10B、短手方向の互いに対向する側面10C、10D、長手方向の互いに対向する側面10E、10Fを備えている。
【0024】
第1のタッチ表示部11は、第1の面10Aの略中央に配置されている。第1のタッチ表示部11は、第1の表示部11bと、第1の表示部11bに重畳された第1のタッチパネル11aとを有する。第1のタッチ表示部11は、第1の表示部11bに文字、図形、画像等の情報を表示するとともに、指、スタイラス、ペン等(以下、「指示体」と称する)を用いて第1のタッチパネル11aに対して行われる各種操作を検出する。第1のタッチパネル11aが各種操作を検出する方式は、静電容量式、感圧式等の方式を採用することができる。
【0025】
第1のカラーセンサ12は、第1の面10Aのタッチ表示部11の上方、すなわち、第1の面10Aの側面10F側に配置されている。第1のカラーセンサ12は、第2のタッチ表示部21(第2の表示部21b)のカラーキャリブレーションを実行する場合に使用される。
【0026】
第2の筐体20は、第2のタッチ表示部21と、第2のカラーセンサ(第2のカラー検出手段)22と、回路基板(不図示)を備えている。
【0027】
第2の筐体20は、略矩形であり、第2のタッチ表示部21及び第2のカラーセンサ22が配置される第1の面20A、第1の面20Aに対向する第2の面20B、短手方向の互いに対向する側面20C、20D、長手方向の互いに対向する側面20E、20Fを備えている。
【0028】
第2のタッチ表示部21は、第1の面20Aの略中央に配置されている。第2のタッチ表示部21は、第2の表示部21bと、第2の表示部21bに重畳された第2のタッチパネル21aとを有する。第2のタッチ表示部21は、第2の表示部21bに文字、図形、画像等の情報を表示するとともに、指、スタイラス、ペン等(以下、「指示体」と称する)を用いて第2のタッチパネル21aに対して行われる各種操作を検出する。第2のタッチパネル21aが各種操作を検出する方式は、静電容量式、感圧式等の方式を採用することができる。
【0029】
第2のカラーセンサ22は、第2の面20Aのタッチ表示部21の上方、すなわち、第2の面20Aの側面20E側に配置されている。第2のカラーセンサ22は、第1のタッチ表示部11(第1の表示部11b)のカラーキャリブレーションを実行する場合に使用される。
【0030】
図2は、携帯型情報処理装置1の各種状態を説明するための模式図である。
図2において、101はクローズ状態、102はクラムシェル状態、103はタブレット状態を示している。
【0031】
携帯型情報処理装置1は、第1のタッチ表示部11(第1の筐体10の第1の面10A)と第2のタッチ表示部21(第2の筐体20の第1の面20A)の向きで規定される各種状態(クローズ(Close)、ブック(Book)状態、クラムシェル(Clamshell)状態、タブレット(Tablet)状態、テント(Tent)状態、ベーシック(Basic)状態)を取ることができる。
【0032】
クローズ状態は、角度θ=0度で、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21が内側を向いて対向する状態である。クラムシェル状態は、0度<θ<180度で、第1のタッチ表示部11又は第2のタッチ表示部12が概ね水平にある状態である。ブック状態は、0度<θ<180度で、第1のタッチ表示部11の側面10D側と第2のタッチ表示部21の側面20D側が概ね鉛直方向の上方向側にある状態である。タブレット状態は、θ=180度で、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21が概ね面一にある状態である。テント状態は、180度<θ<360度にある状態であり、第1のタッチ表示部11の側面10E側及び第2のタッチ表示部21の側面20E側が概ね鉛直方向の下方向側にある状態である。ベーシック状態は、角度θ=360度で、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21が外側を向いて対向する状態である。
【0033】
図3は、携帯型情報処理装置1がクローズ状態にある場合の断面構成を模式的に示す図である。
図3において、第1の筐体10に設けられた第1のカラーセンサ11は、第2の筐体20に設けられた第2のタッチ表示部21のカラーキャリブレーションを実行する場合に使用される。第1のカラーセンサ11は、クローズ状態で第2のタッチ表示部21に対向する位置に配置されている。
【0034】
同様に、第2の筐体20に設けられた第2のカラーセンサ22は、第1の筐体10に設けられた第1のタッチ表示部11のカラーキャリブレーションを実行する場合に使用される。第2のカラーセンサ22は、携帯型情報処理装置のクローズ状態で第1のタッチ表示部11に対向する位置に配置されている。
【0035】
本実施の形態では、携帯型情報処理装置1は、第1のカラーセンサ12及び第2のカラーセンサ22を使用して、それぞれ第2のタッチ表示部21及び第1のタッチ表示部11のカラーキャリブレーションを実行して、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21の色の適正な表示状態を維持するようにしている。カラーキャリブレーションは、例えば、クローズ状態で同時に実行され、第2のカラーセンサ22は、第1のタッチ表示部11に表示されるカラーパターンを検出し、第1のカラーセンサ12は、第2のタッチ表示部21に表示されるカラーパターンを検出する。携帯型情報処理装置1のクローズ状態では、第1のカラーセンサ12及び第2のカラーセンサ22に外部から光りが入り込まないように、第1の筐体10、第2の筐体10、第1のカラーセンサ11、および第2のカラーセンサ12等が構成されている。
【0036】
図4は、
図1の携帯型情報処理装置1の概略のハードウェア構成例を示す図である。携帯型情報処理装置1は、同図に示すように、制御部30、メモリ31、ストレージ32、第1のタッチ表示部11、第2のタッチ表示部21、第1のカラーセンサ12、第2のカラーセンサ22、通信部32、及び電源部34を備えている。
【0037】
第1のタッチ表示部11は、第1の表示部11bと、第1の表示部11bに重畳された第1のタッチパネル11aとを有する。第1のタッチパネル11aは、指やペン等の指示体を用いて第1のタッチパネル11aに対して行われた各種操作を、操作が行われた場所の第1のタッチパネル11a上での位置とともに検出し、制御部30に通知する。第1のタッチパネル11aによって検出される操作には、タッチ操作、スライド操作、及びピッチ操作が含まれる。第1の表示部11bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、制御部30の制御に従って文字や図形等を表示する。
【0038】
第2のタッチ表示部21は、第2の表示部21bと、第2の表示部21bに重畳された第2のタッチパネル21aとを有する。第2のタッチパネル21aは、指やペン等の指示体を用いて第2のタッチパネル21aに対して行われた各種操作を、操作が行われた場所の第2のタッチパネル21a上での位置とともに検出し、制御部30に通知する。第2のタッチパネル21aによって検出される操作には、タッチ操作、スライド操作、及びピッチ操作が含まれる。第2の表示部21bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、制御部100の制御に従って文字や図形等を表示する。
【0039】
第1のカラーセンサ12は、例えば、R,G,Bセンサで構成されている。第1のカラーセンサ12は、制御部30によって動作を制御されており、第2の表示部21bに表示されるテストパターンのR,G,B値を検出結果として、制御部30に出力する。
【0040】
第2のカラーセンサ22は、例えば、R,G,Bセンサで構成されている。第2のカラーセンサ22は、制御部30によって動作を制御されており、第1の表示部11bに表示されるテストパターンのR,G,B値を検出結果として、制御部30に出力する。
【0041】
第1のカラーセンサ12及び第2のカラーセンサ22は、例えば、照度センサ(ALS:Ambient Light Sensor)やカメラ等で構成することにしてもよい。
【0042】
通信部33は、制御部30の制御に従って、各種ネットワークを介して無線及び/又は有線で通信を行う。電源部34は、制御部30の制御に従って、蓄電池又はACアダプタから得られる電力を、制御部30を含む携帯型情報処理装置1の各部へ供給する。
【0043】
メモリ31は、例えば、RAMやDRAM等で構成されており、制御部30によって実行されるプログラム、制御部30が参照するデータ、制御部30の演算結果等が一時的に記憶されるワークエリアとして使用される。
【0044】
ストレージ32は、制御部30によって実行されるプログラムやデータを保持するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体であり、HDD、EEPROM、及びSSD等の不揮発性メモリである。
【0045】
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、DSP等であり、携帯型情報処理装置1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。具体的には、制御部100は、記憶部102に記憶されているデータやメモリ101に展開したデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ32に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行して、入力機能、画面表示機能、画面のカラーキャリブレーション機能、通信機能、メール機能、及びWebブラウジング機能等の各種機能を実現する。
【0046】
また、制御部30は、不図示のセンサの検出結果に基づいて、携帯型情報処理装置1の状態(ベーシック状態、クローズ状態、タブレット状態、テント状態、ブック状態、クラムシェル状態)を検出する。例えば、第1の筐体10にX
1Y
1Z
1方向(
図1参照)の加速度値を検出するための第1の加速度センサ、第2の筐体20にX
2Y
2Z
2方向(
図1参照)の加速度値を検出するための第2の加速度センサ、第1の筐体10及び第2の筐体20に第2の筐体20の開閉(クローズ状態及びベーシック状態)を検出するためのLIDセンサ(ホール素子とマグネット)等を設け、制御部30は、これらのセンサの検出結果に基づいて、携帯型情報処理装置1の状態を検出することにしてもよい。なお、携帯型情報処理装置1の状態を検出する方法はこれに限られるものはなく、他の方法を使用してもよく、例えば、ヒンジ30の回転角度を検出する角度センサ等を使用してもよい。
【0047】
次に、
図5及び
図6を参照して、上記制御部30の制御によって実行される第1及び第2の表示部11b、21bのカラーキャリブレーション処理について説明する。
図5は、第1及び第2の表示部11b、21bのカラーキャリブレーションを行う場合のユーザ操作を説明するための説明図である。
図6は、制御部30の制御によって実行されるカラーキャリブレーション処理の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0048】
制御部30は、カラーキャリブレーション処理を、例えば、ユーザの指示に応じて、又は、所定のタイムスケジュール、又は、所定の周期で実行することができる。
【0049】
図5を参照して、第1及び第2の表示部11b、21bのカラーキャリブレーションを実行する場合のユーザ操作の一例を説明する。
図5において、ユーザが、携帯型情報処理装置1がクローズ状態以外の状態(同図に示す例では、ブック状態)で作業している場合に、制御部30は、カラーキャリブレーションの実行タイミングである場合には、第2の表示部21bに、「カラーキャリブレーションを実行します。蓋をクローズして下さい」という旨のメッセージを表示する(S1)。これに応じて、ユーザが携帯型情報処理装置1をクローズ状態にすると、制御部30は、第1及び第2の表示部11b、21bのカラーキャリブレーションを自動実行する(S2)。その後、ユーザが、クローズ状態を解消すると、制御部30は、第2の表示部21bにキャリブレーション結果を表示する(S3)。
【0050】
次に、
図6を参照して、制御部30の制御によって実行される第1及び第2の表示部11b、21bのカラーキャリブレーション処理の動作の一例を説明する。
図6において、まず、制御部30は、カラーキャリブレーションの実行タイミングであるか否かを判断し(ステップS1)、カラーキャリブレーションの実行タイミングである場合には(ステップS1の「Yes」)、第1又は第2の表示部11b、21bにカラーキャリブレーションを実行する旨の表示を行う(ステップS2)。
【0051】
これに応じて、ユーザは、携帯型情報処理装置1をクローズ状態にする。そして、制御部30は、携帯型情報処理装置1がクローズ状態であるか否かを判断し(ステップS3)、携帯型情報処理装置1がクローズ状態である場合には(ステップS3の「Yes」)、カラーキャリブレーションを実行する。
【0052】
具体的には、制御部30は、まず、第1の表示部11b及び第2の表示部21bにカラーパターンを表示する(ステップS4)。第1のカラーセンサ12は、第2の表示部21bに表示されたカラーパターンを検出し、第2のカラーセンサ22は、第1の表示部11bに表示されたカラーパターンを検出する(ステップS5)。
【0053】
制御部30は、第1のカラーセンサ12の検出結果に基づいて、第2の表示部21bのカラーキャリブレーション(色相、彩度、明度、γ等の調整)を行い、第2のカラーセンサ22の検出結果に基づいて、第1の表示部11bのカラーキャリブレーションを行う(ステップS6)。
【0054】
例えば、制御部30は、第1のカラーセンサ12及び第2のカラーセンサ22の検出結果に基づいて、第1の表示部11b及び第2の表示部21bの色の表示状態(色相、彩度、明度、γ等)が初期値(工場出荷値)になるようにカラーキャリブレーションを実行することにしてもよい。
【0055】
また、制御部30は、第1のカラーセンサ12及び第2のカラーセンサ22の検出結果に基づいて、第1の表示部11bと第2の表示部21bとの色の表示状態を揃えるようにカラーキャリブレーションを行うことにしてもよい。この場合、第1の表示部11bを基準とする場合には、第2の表示部21bの色の表示状態を第1の表示部11bに揃える。他方、第2の表示部21bを基準とする場合には、第1の表示部11bの色の表示状態を第2の表示部21bに揃える。なお、基準とする表示部をいずれにするかをユーザが設定するための設定画面を表示して、ユーザが選択可能な構成としてもよい。
【0056】
なお、
図5及び
図6に示す例では、制御部30はカラーキャリブレーションを行う場合に、ユーザにカラーキャリブレーションを実行する旨を表示した後に実行することとしたが、かかる表示を行うことなく、クローズ状態にある場合に自動的にカラーキャリブレーションを実行してもよい。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1の表示部11bが設けられた第1の筐体10と、第2の表示部21bが設けられた第2の筐体30と、第1の筐体10と第2の筐体20とを回転可能に連結するヒンジ30と、第1の筐体10の第1の表示部11bが配置された面に設けられた第1のカラーセンサ12と、第2の筐体20の第2の表示部21bが配置された面に設けられた第2のカラーセンサ22と、第1の表示部11bにカラーパターンを表示して、第2のカラー検出手段の当該カラーパターンの検出結果に基づいて、第1の表示部11bのカラーキャリブレーションを実行し、また、第2の表示部21bにカラーパターンを表示して、第1のカラーセンサ12の当該カラーパターンの検出結果に基づいて、第2の表示部21bのカラーキャリブレーションを実行する制御部30と、を備えているので、2つの表示部を有する携帯型情報処理装置において、簡単な構成で2つの表示部のカラーキャリブレーションを実行して、色の表示状態を適正にすることが可能となる。
【0058】
また、クローズ状態において、第1のカラーセンサ12は、第1の表示部11bと対向する位置に配置されており、第2のカラーセンサ21は、第2の表示部21bと対向する位置に配置されていることとしたので、クローズ状態においてカラーキャリブレーションを実行することが可能となる。
【0059】
また、制御部30は、第1の表示部11bと第2の表示部21bとの色の表示状態が初期値になるように調整することとしたので、第1の表示部11bと第2の表示部21bの色の表示状態を初期値に合わせることが可能となる。
【0060】
また、制御部30は、第1の表示部11b及び第2の表示部21bのうちの一方の色の表示状態に、他方の色の表示状態を揃えるように調整することとしたので、第1の表示部11b及び第2の表示部21b色の表示状態を合わせることが可能となる。
【0061】
なお、本実施の形態では、クローズ状態(θ=0度)でカラーキャリブレーションを実行することとしたが、第2の筐体20を僅かに開いた状態で(θ>0)カラーキャリブレーションを実行してもよい。
【0062】
(変形例)
上記実施の形態では、上記
図3に示すように、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21が線対称に構成されていないため(クローズ状態において、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21が完全には重ならない)、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21が線対称となるような構成がデザイン上望まれる場合もある。ここで、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21を線対称に形成すると、クローズ状態において、第1のカラーセンサ12と第2のタッチ表示部21は対向せず、また、第2のカラーセンサ22と第1のタッチ表示11は対向しないため、カラーキャリブレーションを実行できなくなってしまう。
【0063】
そこで、変形例では、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21を線対称に形成し(クローズ状態で、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21が完全に重なる構成)、クローズ状態において、第1の筐体10及び第2の筐体10の少なくとも一方を水平方向(
図7及び
図8で示すY方向又はX方向)にスライドさせることが可能なスライド機構を設けている。かかるスライド機構は、手動又は電動としてもよく、また、ヒンジ30と一体又は別個に形成してもよい。また、ヒンジ30による360度の回転とスライド機構による水平方向のスライドは両立できるように構成されている。なお、水平方向にスライドさせるためのスライド機構は公知の機構を使用できるため、その詳細な説明は省略する。なお、カラーキャリブレーションの方法は上記実施の形態と同様である。
【0064】
キャリブレーション実行時には、クローズ状態において、スライド機構により、第1の筐体10及び第2の筐体20の少なくとも一方を水平方向に移動させることにより、第1のカラーセンサ11を第2のタッチ表示部21に対向する位置とし、かつ、第2のカラーセンサ22を、第1のタッチ表示部11に対向する位置となるようにする。
【0065】
図7は、クローズ状態において、第2の筐体20をY方向にスライドさせる例を説明するための模式図である。同図では、携帯型情報処理装置1のクローズ状態の断面及び平面の模式図を示している。ヒンジ30にスライド機構を搭載して、第2の筐体20をY方向にスライドさせる例を示している。第1のカラーセンサ12は、第1の筐体10の第1の面10Aの側面10E側に、第2のカラーセンサ22は、第2の筐体20の第1の面20Aの側面20F側に配置されている。
【0066】
第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21は線対称(X方向を基準として)に形成されている。通常の場合には、クローズ状態において、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21はZ方向に完全に重なった状態となっているが、第1のカラーセンサ12と第2のタッチ表示部21は対向しておらず、また、第2のカラーセンサ12と第1のタッチ表示11は対向していない。
【0067】
キャリブレーション実行時には、クローズ状態において、例えば、ユーザが第2の筐体20に対してY方向に力を加えると、ヒンジ30がY方向にスライドすることにより、第2の筐体20はY方向にスライドする。これにより、第1のカラーセンサ12と第2のタッチ表示21は対向し、かつ、第2のカラーセンサ12と第1のタッチ表示部11は対向した状態となる。この状態で、カラーキャリブレーションを実行する。
【0068】
図8は、クローズ状態において、第2の筐体20をX方向にスライドさせる例を説明するための模式図である。同図では、ヒンジにスライド機構を搭載して、第2の筐体20をX方向にスライドさせる例を示している。同図では、携帯型情報処理装置1のタブレット状態及びクローズ状態の平面の模式図を示している。ヒンジは、例えば、第1の筐体10を連結する第1のヒンジ部30Aと、第2の筐体20を連結する第2のヒンジ部30Bとで構成し、第2のヒンジ部30Bは、第1のヒンジ部30Aに対してX方向にスライド可能に構成されている。第1のカラーセンサ12は、第1の筐体10の第1の面10Aの側面10D側に、第2のカラーセンサ22は、第2の筐体20の第2の面20Aの側面20C側に配置されている。
【0069】
第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21は線対称(X方向を基準として)に形成されている。通常の場合には、クローズ状態において、第1のタッチ表示部11と第2のタッチ表示部21とがZ方向に完全に重なった状態となっているが、第1のカラーセンサ12と第2のタッチ表示部21は対向しておらず、また、第2のカラーセンサ12と第1のタッチ表示部11は対向していない。
【0070】
キャリブレーション実行時には、クローズ状態において、例えば、ユーザが第2の筐体20に対してX方向に力を加えると、ヒンジ30BがX方向にスライドすることにより、第2の筐体20はX方向にスライドする。これにより、第1のカラーセンサ12と第2のタッチ表示部21は対向し、かつ、第2のカラーセンサ22と第1のタッチ表示部11は対向した状態となる。この状態で、カラーキャリブレーションを実行する。
【0071】
変形例によれば、第1の表示部11bと第2の表示部21bを線対称に形成し、第1の筐体10及び第2の筐体20の少なくとも一方を水平方向にスライド可能なスライド機構を設け、スライド機構は、クローズ状態において、第1のカラーセンサ12が第2の表示部と対向する位置となり、第2のカラーセンサ22が、第2の表示部21bと対向する位置となるように、第1の筐体10及び第2の筐体20の少なくとも一方を水平方向にスライドさせることとしたので、第1の表示部と第2の表示部を線対称に形成した場合でも、第1の表示部及び第2の表示部のカラーキャリブレーションを実行することが可能となる。