【解決手段】エンベデッド基板及びエンベデッド基板の製造方法を提供する。エンベデッド基板100は、絶縁層130と、絶縁層の内部に形成された第1回路層110と、絶縁層の内部に形成され、第1回路層の上部に形成された第2回路層140と、絶縁層の内部で第2回路層の側面から離隔するように配置された第1電子素子150と、第1回路層と第2回路層または第1電子素子との間に形成された金属フィラー120と、絶縁層の内部に形成され、第2回路層の上部に形成された第1ビア181と、を含む。
前記金属フィラーは、前記第1回路層と、第2回路層及び第1電子素子のうち少なくとも1つとを電気的に接続するために形成された請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエンベデッド基板。
前記絶縁層の内部での前記第1電子素子の上部に形成され、前記第1電子素子と電気的に接続する第2ビアをさらに含む請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のエンベデッド基板。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の目的、特定の利点及び新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになる。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付するにあたり、同一の構成要素には、たとえ他の図面上に示されていても、できるだけ同一の番号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、「第1」、「第2」、「一面」、「他面」などの用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語により限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨をかえって不明にすると判断される、関連のある公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施例に係るエンベデッド基板を示す例示図である。
【0019】
図1を参照すると、本発明の実施例に係るエンベデッド基板100は、絶縁層130、第1回路層110、金属フィラー120、第2回路層140、第1ビア181、第1電子素子150、第2ビア182、及び保護層190を含む。
【0020】
本発明の実施例によれば、絶縁層130は、第1絶縁層131と第2絶縁層132とに分けられる。本発明の実施例によれば、第2絶縁層132は、第1絶縁層131の上部に形成される。
【0021】
本発明の実施例によれば、第1絶縁層131及び第2絶縁層132は、通常層間絶縁素材として用いられる複合高分子樹脂で形成される。例えば、第1絶縁層131及び第2絶縁層132は、プリプレグ、ABF(Ajinomoto Build up Film)及びFR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などのエポキシ系樹脂で形成される。しかし、本発明において第1絶縁層131及び第2絶縁層132を形成するものが、これに限定されることはない。本発明の実施例に係る第1絶縁層131及び第2絶縁層132は、回路基板分野での公知の絶縁材から選択して形成されることができる。
【0022】
本発明の実施例によれば、第1回路層110は、第1絶縁層131の内部に形成される。また、第1回路層110は、第1絶縁層131の下面に形成され、第1回路層110の下面は、第1絶縁層131の下面から外部に露出される。例えば、第1回路層110の下面は、第1絶縁層131の下面と同一平面に位置することができる。
【0023】
本発明の実施例によれば、第1回路層110は、銅で形成される。しかし、第1回路層110の材料が銅に限定されることはなく、回路基板分野で用いられる伝導性材質であればいずれも使用できる。
【0024】
本発明の実施例によれば、金属フィラー120は、第1絶縁層131の内部に形成され、第1回路層110の上部に形成される。この際、金属フィラー120は、第1絶縁層131を貫通するように形成される。このように形成された金属フィラー120は、第1回路層110に接合されて互いに電気的に接続する。
【0025】
本発明の実施例によれば、金属フィラー120としては、回路基板分野で用いられる伝導性材質であればいずれも使用できる。例えば、金属フィラー120は、銅で形成される。
【0026】
本発明の実施例によれば、第2回路層140は、第1絶縁層131の上部に形成され、第2回路層140に埋め込まれるように形成される。また、第2回路層140は、複数の金属フィラー120のうち一部の金属フィラー120の上部に形成される。このように形成された第2回路層140は、金属フィラー120に接合されて互いに電気的に接続する。すなわち、第1回路層110と、第1回路層110の上部に形成された第2回路層140とは、その間に形成された金属フィラー120を介して互いに電気的に接続する。
【0027】
本発明の実施例によれば、第2回路層140は、接合する金属フィラー120の上面や第1ビア181の下面よりも大きい直径を有するように形成される。本発明の実施例によれば、第2回路層140により放熱機能が向上する。また、第2回路層140の厚みが厚いほど放熱機能がさらに向上する。
【0028】
本発明の実施例によれば、第2回路層140は、回路基板分野で用いられる伝導性材質であればいずれも使用して形成することができる。例えば、第2回路層140は、銅で形成される。
【0029】
本発明の実施例によれば、第1ビア181は、第2絶縁層132の内部に形成され、第2回路層140の上部に形成される。この際、第1ビア181は、第2絶縁層132を貫通するように形成される。また、第1ビア181の上面は、第2絶縁層132の上面から外部に露出される。例えば、第1ビア181の上面は、第2絶縁層132の上面と同一平面に位置することができる。このように形成された第1ビア181は、第2回路層140に接合されて互いに電気的に接続する。
【0030】
本発明の実施例によれば、第1ビア181は、回路基板分野で用いられる伝導性材質であればいずれも使用して形成することができる。例えば、第1ビア181は、銅で形成される。
【0031】
本発明の実施例によれば、第1電子素子150は、第2絶縁層132の内部で第2回路層140の側面から離隔して配置される。また、第1電子素子150は、金属フィラー120の上部に形成され、金属フィラー120と電気的に接続する。すなわち、第1回路層110と、第1回路層110の上部に配置された第1電子素子150とは、その間に形成された金属フィラー120を介して互いに電気的に接続する。この際、第1電子素子150と金属フィラー120との間に接着剤160が形成されてもよい。ここで、接着剤160は、ソルダのように、回路基板分野で用いられる伝導性接着材質で形成される。若し、金属フィラー120と第1電子素子150とを絶縁する必要がある場合は、接着剤160としては、エポキシ樹脂のように、回路基板分野で用いられる非伝導性接着材質で形成される。接着剤160または金属フィラー120に接合される部分は第1電子素子150の電極である。
【0032】
本発明の実施例によれば、第1電子素子150は、MLCCである。しかし、第1電子素子150がMLCCに限定されることはなく、回路基板分野で用いられるもので、回路基板に実装及び内蔵できるものであればいずれでもよい。
【0033】
本発明の実施例によれば、第2ビア182は、第2絶縁層132の内部に形成され、第1電子素子150の上部に形成される。この際、第2ビア182は、第2絶縁層132を貫通するように形成される。このように形成された第2ビア182は、第1電子素子150に接合されて互いに電気的に接続する。ここで、第2ビア182に接合される部分は、第1電子素子150の電極である。
【0034】
本発明の実施例によれば、第2ビア182は、回路基板分野で用いられる伝導性材質であればいずれも使用して形成することができる。例えば、第2ビア182は、銅で形成される。
【0035】
本発明の実施例によれば、保護層190は、第1絶縁層131の下部に形成されて、第1回路層110を保護するように形成される。また、保護層190は、第2絶縁層132の上部に形成されて、第1ビア181及び第2ビア182を保護するように形成される。
【0036】
本発明の実施例に係る保護層190は、外部部品との電気的接続のためにソルダリング(Soldering)が行われる場合、第1回路層110、第1ビア181及び第2ビア182にソルダが塗布されることを防止する。また、保護層190は、第1回路層110、第1ビア181及び第2ビア182が外部に露出されて酸化及び腐食することを防止する。例えば、外部部品(図示せず)は、電子素子、基板などであり得る。
【0037】
本発明の実施例によれば、保護層190は、外部部品に電気的に接続する領域が外部に露出するように形成される。例えば、保護層190は、第1回路層110、第1ビア181及び第2ビア182のうち外部部品に電気的に接続する部分があれば、当該領域を外部に露出させる。
【0038】
本発明の実施例によれば、保護層190は、耐熱性被覆材料で形成される。例えば、保護層190は、ソルダレジストで形成されることができる。
【0039】
本発明の実施例によれば、保護層190を形成するステップは、当業者の選択により省略可能である。
【0040】
本発明の実施例によれば、エンベデッド基板100において第1回路層110は、第1絶縁層131に埋め込まれ、第1ビア181及び第2ビア182は、第2絶縁層132に埋め込まれるように形成される。すなわち、第1回路層110、第1ビア181及び第2ビア182は、埋め込みパターンである。したがって、従来の突出パターンを有する基板に比べて薄い厚さを有する。
【0041】
また、保護層190を形成する場合、本発明の実施例に係るエンベデッド基板100に形成された保護層190の上面は、突出パターンを有する基板に形成された保護層よりも低い高さを有する。このため、エンベデッド基板100の上部に電子素子(図示せず)が実装される場合、突出パターンを有する基板に比べて、電子素子と保護層190との間の間隔が大きい。また、電子素子の実装後に流入されるモールディング材は、銅よりも保護層190であるソルダレジストとの密着力が大きい。そのため、電子素子と保護層190との間の間隔が小さいと、モールディング材は保護層190に、より密着し、電子素子と基板との間にボイド(void)が発生する。しかし、本発明の実施例に係るエンベデッド基板100は、埋め込みパターンにより、保護層190と電子素子との間の間隔が大きくなるため、突出パターンを有する基板に比べてモールディング材の流れ性が向上する。
【0042】
図2は、本発明の実施例に係るエンベデッド基板の製造方法を示すフローチャートである。
【0043】
図3から
図17は、本発明の実施例に係るエンベデッド基板の製造方法を示す工程図である。
【0044】
図2の本発明の実施例に係るエンベデッド基板の製造方法のフローチャートについては、
図3から
図17の工程図を参考して説明する。
【0045】
図3及び
図4を参照すると、キャリア基板200に第1回路層110を形成する(
図2のS110参照)。
【0046】
先ず、
図3に示すように、キャリア基板200が提供される。
【0047】
本発明の実施例に係るキャリア基板200は、本発明に係るエンベデッド基板の絶縁層及び回路層を形成する際に、これらを支持するための構成である。
【0048】
本発明の実施例によれば、キャリア基板200は、キャリアコア210の上面及び下面にそれぞれキャリア金属層220が積層された構造を有する。
【0049】
本発明の実施例によれば、キャリアコア210は、絶縁材質で形成される。しかし、キャリアコア210の材質が絶縁材質に限定されることはなく、金属材質または絶縁層と金属層とが1層以上積層された構造を有することができる。
【0050】
また、キャリア金属層220は、銅(Cu)で形成される。しかし、キャリア金属層220の材質が銅に限定されることはなく、回路基板分野で用いられる伝導性物質であればいずれも適用できる。
【0051】
本発明の実施例によれば、キャリア基板200の下部にも、上部の工程と同様の工程を行ってエンベデッド基板を製造することができる。したがって、本発明の実施例に係るエンベデッド基板の製造方法を説明するにあたり、キャリア基板200の上部を例示にして説明し、キャリア基板200の下部については、上部の工程と同様の工程が行なわれるので、その説明及び図面符号を省略する。
【0052】
また、本発明の実施例によれば、キャリア基板200は、キャリアコア210の上面及び下面にそれぞれ1層のキャリア金属層220が形成されたものとして示されているが、これは説明の便宜と理解を容易にするためのものであって、キャリア基板200の構造がこれに限定されることではない。例えば、キャリア基板200は、キャリアコア210の上面及び下面にそれぞれ2層のキャリア金属層220が形成されてもよい。また、2層のキャリア金属層220の間に離型層(図示せず)が形成され、以後に、該離型層(図示せず)を基準にして2層のキャリア金属層220が分離され、キャリア基板200が除去されることも可能である。このように、キャリア基板200は、当技術分野で公知のものであればいずれも使用できる。
【0053】
図4を参照すると、第1回路層110が形成される。
【0054】
本発明の実施例によれば、第1回路層110は、キャリア基板200のキャリア金属層220に形成される。
【0055】
本発明の実施例によれば、第1回路層110は、テンティング法(Tenting Process)、SAP(Semi−Additive Process)、MSAP(Modifiy Semi−Additive Process)などの回路基板分野で用いられる回路パターン形成工法により形成される。また、第1回路層110は、伝導性物質で形成される。例えば、第1回路層110は、銅で形成される。しかし、第1回路層110の材質が銅に限定されることはなく、回路基板分野で用いられる伝導性物質であれば制限されずに適用できる。
【0056】
図5から
図7を参照すると、第1回路層110の上部に金属フィラー120が形成される(
図2のS120参照)。
【0057】
図5を参照すると、メッキレジスト300が形成される。
【0058】
本発明の実施例によれば、メッキレジスト300は、キャリア基板200及び第1回路層110の上部に形成される。また、メッキレジスト300は、第1回路層110の上面を外部に露出させるメッキ開口部310を含む。
【0059】
図6を参照すると、金属フィラー120が形成される。
【0060】
本発明の実施例によれば、メッキレジスト300のメッキ開口部310に電解メッキが行われる。電解メッキにより、メッキ開口部310は伝導性物質で充填され、金属フィラー120が形成される。
【0061】
本発明の実施例によれば、金属フィラー120を形成する方法は、電解メッキに限定されることはない。すなわち、金属フィラー120は、メッキ開口部310を伝導性物質で充填できる方法であればいずれの方法を用いてもよい。
【0062】
また、本発明の実施例によれば、金属フィラー120は、回路基板分野で用いられる伝導性物質で形成される。例えば、金属フィラー120は、銅で形成される。
【0063】
このように形成された金属フィラー120は、第1回路層110に接合されて互いに電気的に接続する。
【0064】
本発明の実施例によれば、金属フィラー120は、外部に露出された第1回路層110に形成されるので、第1回路層110との位置ずれ(misalignment)を防止することができる。また、第1回路層110と金属フィラー120との位置ずれが発生しても第1回路層110の直径が金属フィラー120よりも大きいため、短絡が生じる可能性が低減する。
【0065】
図7を参照すると、
図6に示されたメッキレジスト300が除去される。
【0066】
図8及び
図9を参照すると、第1回路層110と金属フィラー120とを埋め込む第1絶縁層131が形成される(
図2のS130参照)。
【0067】
図8を参照すると、第1絶縁層131が形成される。
【0068】
本発明の実施例によれば、第1絶縁層131は、キャリア基板200の上部に形成され、第1回路層110と金属フィラー120とを埋め込むように形成される。ここで、第1絶縁層131の上面と金属フィラー120の上面とが同一線上に位置するように形成されてもよく、または、第1絶縁層131は、
図8に示すように金属フィラー120の上面を覆うように形成されてもよい。
【0069】
本発明の実施例によれば、第1絶縁層131は、フィルムタイプであって、キャリア基板200の上部に積層された後に加圧及び加熱する方法で形成されてもよく、または第1絶縁層131は、液状タイプであって、キャリア基板200の上部に塗布される方法で形成されてもよい。
【0070】
本発明の実施例によれば、第1絶縁層131は、上述した方法だけでなく、回路基板分野における絶縁層を形成する方法であればいずれの方法を用いてもよい。
【0071】
本発明の実施例によれば、第1絶縁層131は、通常層間絶縁素材として用いられる複合高分子樹脂で形成される。例えば、第1絶縁層131は、プリプレグ、ABF(Ajinomoto Build up Film)、及びFR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などのエポキシ系樹脂で形成される。しかし、本発明に係る第1絶縁層131を形成する物質がこれに限定されることはない。本発明の実施例に係る第1絶縁層131は、回路基板分野で公知の絶縁材から選択して形成することができる。
【0072】
図9を参照すると、第1絶縁層131が研磨される。
【0073】
本発明の実施例によれば、第1絶縁層131を研磨して金属フィラー120の上面が外部に露出するようにできる。
【0074】
図10を参照すると、一部の金属フィラー120の上部に第2回路層140が形成される(
図2のS140参照)。
【0075】
図10を参照すると、第2回路層140は、複数の金属フィラー120のうち一部の金属フィラー120の上部に形成される。
【0076】
本発明の実施例によれば、第2回路層140は、第1電子素子(図示せず)が配置されない領域に形成される。すなわち、第2回路層140が形成されていない領域は、後に第1電子素子(図示せず)が配置される領域である。
【0077】
本発明の実施例によれば、第2回路層140は、テンティング法(Tenting Process)、SAP(Semi−Additive Process)、MSAP(Modifiy Semi−Additive Process)などの回路基板分野で用いられる回路パターン形成工法で形成される。また、第2回路層140は、伝導性物質で形成される。例えば、第2回路層140は、銅で形成される。しかし、第2回路層140の材質が銅に限定されることはなく、回路基板分野で用いられる伝導性物質であれば制限されずに適用できる。
【0078】
このように形成された第2回路層140は、金属フィラー120に接合されて互いに電気的に接続する。
【0079】
本発明の実施例によれば、第2回路層140は、外部に露出された金属フィラー120の上面に形成される。このため、第2回路層140の形成される正確な位置は、露出された金属フィラー120により確認できる。また、第2回路層140は、金属フィラー120に比べて大きい直径を有するように形成される。したがって、第2回路層140と金属フィラー120との間に位置ずれが発生しても、互いに電気的に短絡(short)する不良が低減する。
【0080】
図10に示すように、第2回路層140は、第1回路層110に比べて厚い厚みを有するように形成されたことを例に挙げて示した。第2回路層140が厚く形成されることにより、回路信号の伝送の信頼性が向上すると共に放熱機能も向上する。しかし、第2回路層140が、必ずしも第1回路層110よりも厚く形成される必要はなく、第2回路層140の厚みは、当業者の選択により変更可能である。
【0081】
図11を参考すると、第1電子素子150が配置される(
図2のS150参照)。本発明の実施例によれば、第1電子素子150は、第2回路層140が形成されていない金属フィラー120の上部に形成される。この際、金属フィラー120の上面が外部に露出されているので、金属フィラー120が形成された位置を確認し、第1電子素子150を正確な位置に配置することができる。
【0082】
本発明の実施例によれば、第1電子素子150は、MLCCである。しかし、第1電子素子150の種類がMLCCに限定されることはなく、回路基板分野で用いられるものであって、回路基板に実装及び内蔵できるものであればいずれでもよい。
【0083】
本発明の実施例によれば、第1電子素子150と金属フィラー120との間に接着剤160を介在することも可能である。ここで、接着剤160としては、回路基板分野で用いられる接着剤であればいずれでもよい。
【0084】
本発明の実施例によれば、接着剤160は、伝導性材質の接着剤で形成される。例えば、接着剤160は、ソルダ(solder)で形成される。このように形成された接着剤160により、第1電子素子150と金属フィラー120とが互いに電気的に接続する。若し、金属フィラー120と第1電子素子150とを電気的に絶縁する必要がある場合は、接着剤160は、エポキシ樹脂のように非伝導性材質で形成されることも可能である。
【0085】
本発明の実施例によれば、接着剤160は、当業者の選択により形成されるか、または省略することが可能である。
【0086】
本発明の実施例によれば、外部に露出された金属フィラー120により、第1電子素子150が配置される位置を確認できるので、従来のキャビティ形成工程が不要となり、省略可能となる。したがって、キャビティ形成工程で発生する各種副資材やコストが低減する。
【0087】
図12を参照すると、第2回路層140及び第1電子素子150を埋め込む第2絶縁層が形成される(
図2のS160参照)。
【0088】
本発明の実施例によれば、第2絶縁層132は、第1絶縁層131の上部に形成され、第2回路層140及び第1電子素子150を埋め込むように形成される。この際、第2絶縁層132の上面には金属層170が形成されている。すなわち、第2絶縁層132と金属層170とで構成された片面の金属積層板が第1絶縁層131の上部に積層される。
【0089】
本発明の実施例によれば、第2絶縁層132は、通常層間絶縁素材として用いられる複合高分子樹脂で形成される。例えば、第2絶縁層132は、プリプレグ、ABF(Ajinomoto Build up Film)及びFR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などのエポキシ系樹脂で形成される。しかし、本発明に係る第2絶縁層132を形成する物質がこれに限定されることはない。本発明の実施例に係る第2絶縁層132は、回路基板分野で公知の絶縁材から選択して形成することができる。
【0090】
また、本発明の実施例によれば、金属層170は、銅で形成される。しかし、金属層170の材質が銅に限定されることはなく、回路基板分野で用いられる金属であればいずれでも使用できる。
【0091】
本発明の実施例では、第2絶縁層132を形成するために片面の金属積層板を積層するが、第2絶縁層132を形成する方法がこれに限定されることはない。すなわち、第2絶縁層132は、金属層170を省略して形成されることができる。例えば、第2絶縁層132は、フィルムタイプで第1絶縁層131の上部に積層された後、加圧及び加熱する方法で形成されることができる。また、第2絶縁層132は、液状タイプで第1絶縁層131の上部に塗布される方法で形成されることができる。本発明の実施例によれば、第2絶縁層132は上述した方法だけでなく、回路基板分野で絶縁層を形成する方法であればいずれも適用できる。
【0092】
図13及び
図14に示すように、第2回路層140の上部に第1ビア181が形成される(
図2のS170参照)。
【0093】
図13に示すように、第2絶縁層132に第1ビアホール175が形成される。
【0094】
本発明の実施例によれば、第1ビアホール175は、第2回路層140の上部に形成され、第2絶縁層132及び金属層170を貫通するように形成される。したがって、第1ビアホール175により第2回路層140の上面の一部が外部に露出する。
【0095】
本発明の実施例によれば、第1ビアホール175は、レーザー加工方法により形成される。しかし、第1ビアホール175を形成する方法が、レーザー加工方法に限定されることはなく、回路基板分野で金属と絶縁層を加工する方法であればいずれも適用できる。
【0096】
本発明の実施例によれば、第2絶縁層132に第2ビアホール176が形成される。本発明の実施例によれば、第2ビアホール176は、第1電子素子150の上部に形成され、第2絶縁層132及び金属層170を貫通するように形成される。したがって、第2ビアホール176により第1電子素子150の上面の一部が外部に露出される。ここで、露出される第1電子素子150は、電極に該当する部分である。
【0097】
本発明の実施例によれば、第2ビアホール176は、第1ビアホール175と同様のレーザー加工方法により形成される。しかし、第2ビアホール176を形成する方法が、レーザー加工方法に限定されることはなく、回路基板分野で金属と絶縁層を加工する方法であればいずれも適用できる。
【0098】
図14を参照すると、第1ビア181が形成される。
【0099】
本発明の実施例によれば、第1ビアホール175に、回路基板分野で用いられる伝導性物質を充填することで第1ビア181を形成する。例えば、第1ビア181は、銅で形成される。
【0100】
本発明の実施例によれば、第1ビア181は、電解メッキ方法により形成される。しかし、第1ビア181を形成する方法が電解メッキに限定されることはない。すなわち、第1ビア181は、第1ビアホール175を伝導性物質で充填する方法であればいずれも適用できる。
【0101】
このように形成された第1ビア181は、第2回路層140に接合されて電気的に接続する。
【0102】
本発明の実施例によれば、第2ビアホール176に第2ビア182が形成される。本発明の実施例によれば、第2ビア182は、回路基板分野で用いられる伝導性物質を第2ビアホール176に充填することで形成される。
【0103】
本発明の実施例によれば、第2ビア182は、電解メッキ方法により形成される。しかし、第2ビア182を形成する方法が電解メッキに限定されることはない。すなわち、第2ビア182は、第2ビアホール176を伝導性物質で充填する方法であればいずれも適用できる。
【0104】
このように形成された第2ビア182は、第1電子素子150に電気的に接続する。
【0105】
本発明の実施例によれば、第1ビア181は、第2回路層140の一部を外部に露出させた後に形成され、第2回路層140よりも小さい直径を有するように形成される。したがって、第1ビア181と第2回路層140との間の位置ずれによる短絡の発生が低減する。また第2ビア182も、第1電子素子150の一部が外部に露出され、第2ビア182を形成する位置を確認した後に形成できるので、位置ずれの発生が低減する。
【0106】
本発明の実施例によれば、エンベデッド基板の製造方法は、パターンを形成するときに、外部に露出された下部のパターンを確認できるので、積層されるパターン間の位置合わせが向上する。
【0107】
本発明の実施例において、パターンは、第1回路層110、第2回路層140、金属フィラー120、第1ビア181、及び第2ビア182である。
【0108】
例えば、従来には貫通ビアを形成する場合、基板の上部と下部に同時にビアホールを加工する。このとき、基板の歪みなどによる変形のために、上部と下部にそれぞれ形成されたビアホール間の位置ずれが発生し、これは電気的短絡の原因となる。
【0109】
しかし、本発明の実施例によれば、貫通ビアである、第1回路層110に金属フィラー120、第2回路層140に第1ビア181を形成するとき、下部に形成されている各パターンが外部に露出されているので、形成される位置を確認した後に積層することができる。また、第2回路層140は、金属フィラー120の上面や第1ビア181の下面よりも大きい直径を有するように形成される。このため、各パターン間の位置ずれが発生しても短絡が生じることを防止できる。したがって、本発明の実施例によれば、従来のような位置ずれが発生しても短絡の問題が低減する。
【0110】
図15及び
図16を参照すると、キャリア基板200が除去される(
図2のS180参照)。
【0111】
図15を参照すると、キャリアコア210が除去される。
【0112】
本発明の実施例によれば、キャリアコア210とキャリア金属層220とを分離する。これにより、キャリアコア210は除去され、キャリア金属層220は第1絶縁層131の下面に接着された状態で残される。
【0113】
図16を参照すると、キャリア金属層220及び金属層170が除去される。
【0114】
本発明の実施例によれば、第1絶縁層131の下面に形成されたキャリア金属層(
図15の220)を除去して第1回路層110を外部に露出させる。また、第2絶縁層132の上面に形成された金属層(
図15の170)を除去して第1ビア181及び第2ビア182を外部に露出させる。
【0115】
本発明の実施例によれば、キャリア金属層(
図15の220)及び金属層(
図15の170)は、クィックエッチング(quick etching)方法またはフラッシュエッチング(flash etching)方法により除去される。または、キャリア金属層(
図15の220)及び金属層(
図15の170)は、研磨工程により除去されることも可能である。キャリア金属層(
図15の220)及び金属層(
図15の170)を除去する方法は、上述した方法に限定されず、回路基板分野で金属を除去する方法であればいずれも適用できる。
【0116】
このように、キャリア基板200が除去されることで、2つのエンベデッド基板100が形成される。
【0117】
図17を参照すると、保護層190が形成される。
【0118】
本発明の実施例によれば、保護層190は、第1絶縁層131の下部に形成され、第1回路層110を保護する。また保護層190は、第2絶縁層132の上部に形成され、第1ビア181及び第2ビア182を保護する。
【0119】
本発明の実施例に係る保護層190は、外部部品との電気的接続のためのソルダリング(Soldering)が行われるとき、第1回路層110、第1ビア181及び第2ビア182にソルダが塗布されることを防止する。また保護層190は、第1回路層110、第1ビア181及び第2ビア182が外部に露出して酸化及び腐食することを防止する。
【0120】
本発明の実施例によれば、保護層190は、外部部品との電気的接続のための領域が外部に露出するように形成される。例えば、保護層190は、第1回路層110、第1ビア181及び第2ビア182のうち外部部品と電気的に接続する部分があれば、当該領域を外部に露出させる。
【0121】
本発明の実施例によれば、保護層190は、耐熱性被覆材料で形成される。例えば、保護層190は、ソルダレジストで形成することができる。
【0122】
本発明の実施例によれば、保護層190を形成するステップは、当業者の選択により省略可能である。
【0123】
本発明の実施例に係るエンベデッド基板の製造方法によれば、第1回路層110は、第1絶縁層131に埋め込まれ、第1ビア181及び第2ビア182は、第2絶縁層132に埋め込まれるように形成される。すなわち、エンベデッド基板100は、埋め込みパターンを有するように形成される。したがって、保護層190を形成する場合、本発明の実施例に係るエンベデッド基板100に形成された保護層190の上面は、突出パターンを有する基板に形成された保護層よりも低い高さを有する。すなわち、本発明の実施例に係るエンベデッド基板100は、突出パターンを有する基板よりも薄い厚さで形成できる。
【0124】
図18は、本発明の実施例に係る電子素子が実装されたエンベデッド基板を示す例示図である。
【0125】
本発明の実施例によれば、第1電子素子150が内蔵されたエンベデッド基板100の上部に第2電子素子155が実装される。ここで、エンベデッド基板100は、
図1のエンベデッド基板100である。したがって、エンベデッド基板100に関する詳細な説明は省略する。
【0126】
本発明の実施例によれば、第2電子素子155の下部には接続パターン157が形成される。接続パターン157は、第2電子素子155の下面に形成され、外部(下部)に突出するように形成される。
【0127】
本発明の実施例によれば、接続パターン157は、回路基板分野で用いられる伝導性物質で形成される。例えば、接続パターン157は、銅で形成される。
【0128】
本発明の実施例によれば、第2電子素子155がエンベデッド基板100の上部に実装されると、接続パターン157は、第1ビア181の上部に位置することになる。このとき、接続パターン157と第1ビア181とは、ソルダボールのような第1外部接続端子197により互いに電気的に接続する。または接続パターン157と第1ビア181とは、直接接触して電気的に接続することも可能である。
【0129】
本発明の実施例によれば、エンベデッド基板100の第1絶縁層131の下部には第2外部接続端子199が形成される。第2外部接続端子199は、保護層190により外部に露出した第1回路層110の下部に形成される。第2外部接続端子199は、第1回路層110と接触して電気的に接続する。
【0130】
本発明の実施例によれば、第1外部接続端子197及び第2外部接続端子199は、エンベデッド基板100と外部部品とを電気的に接続する構成要素である。例えば、第1外部接続端子197及び第2外部接続端子199は、ソルダボールである。
【0131】
本発明の実施例では、第2電子素子155が外部に突出するように形成された場合の接続パターン157を例示して説明したが、第2電子素子155の構造は、これに限定されることはない。例えば、接続パターン157は、第2電子素子155の内部に形成されてもよく、または、第2電子素子155は、接続パターン157が省略されたものであってもよい。このとき、第2電子素子155の電極(図示せず)が第1外部接続端子197と直接接触することができる。
【0132】
本発明の実施例によれば、第2電子素子155とエンベデッド基板100との間にアンダーフィル(Underfill)樹脂195が形成される。本発明の実施例によれば、アンダーフィル樹脂195は、第2電子素子155をエンベデッド基板100に固定する接着剤の役割を果たすことができる。また、アンダーフィル樹脂195は、外部の衝撃から第2電子素子155及びエンベデッド基板100を保護する役割を果たすことができる。本発明の実施例によれば、アンダーフィル樹脂195は、回路基板分野で公知のアンダーフィル材料であればいずれも使用できる。
【0133】
本発明の実施例に係るエンベデッド基板100は、上部に実装された第2電子素子155と保護層190との間の間隔が、突出パターンを有する基板の場合よりも大きい。第2電子素子155の実装後に流入されるアンダーフィル樹脂195の場合、保護層190であるソルダレジストとの密着力が銅よりも大きい。そのため、第2電子素子155と保護層190との間の間隔が小さいと、アンダーフィル樹脂195は、保護層190にさらに密着して、結局、第2電子素子155と基板との間にボイド(void)が発生する。しかし、本発明の実施例に係るエンベデッド基板100は、埋め込みパターンにより、保護層190と電子部品との間の間隔が大きいので、突出パターンを有する基板に比べてアンダーフィル樹脂195の流れ性が向上する。したがって、第2電子素子155とエンベデッド基板100との間にボイドが発生することを防止できる。
【0134】
本発明の実施例では、第2電子素子155がエンベデッド基板100の上部に形成されたことを例示にして説明したが、第2電子素子155が実装される位置は、これに限定されない。すなわち、第2電子素子155は、エンベデッド基板100の上部及び下部のうち少なくとも一方に実装される。ここで、エンベデッド基板100の上部は、第2絶縁層132の上部であり、下部は、第1絶縁層131の下部である。
【0135】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的思想内で当該分野で通常の知識を有する者により、その変形や改良が可能であることは明らかである。
【0136】
本発明の単純な変形や変更はすべて本発明の範囲に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。