(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-136615(P2016-136615A)
(43)【公開日】2016年7月28日
(54)【発明の名称】電子部品内蔵基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20160701BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20160701BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20160701BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K1/18 R
H05K1/18 S
H01L23/12 B
H01L23/12 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-235993(P2015-235993)
(22)【出願日】2015年12月2日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0011203
(32)【優先日】2015年1月23日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キュン−ファン コ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−グワン コ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ−イァン リー
(72)【発明者】
【氏名】ジェ−ソー モク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−ホ バク
【テーマコード(参考)】
5E316
5E336
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA43
5E316BB16
5E316CC08
5E316CC32
5E316FF45
5E316HH22
5E316JJ02
5E316JJ03
5E316JJ06
5E336AA04
5E336AA08
5E336AA16
5E336BB03
5E336BB15
5E336BC26
5E336BC37
5E336CC32
5E336CC42
5E336CC51
5E336CC52
5E336CC53
5E336CC58
5E336DD06
5E336DD13
5E336EE08
5E336GG30
(57)【要約】
【課題】本発明は、電子部品内蔵基板およびその製造方法に関する。
【解決手段】本発明は、絶縁層と内部回路層が積層された多層基板と、前記絶縁層に形成され、前記内部回路層を互いに連結して電気的に接続されるビアと、前記多層基板の一面に形成されるキャビティと、前記キャビティに挿入される第1電子部品と、前記第1電子部品と対向するキャビティの表面に形成されたバンプパッドと、で構成され、第1電子部品がキャビティに側面実装された電子部品を提供することにより、プリント回路基板の小型化および多機能化を具現することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と内部回路層が積層された多層基板と、
前記絶縁層に形成され、前記内部回路層を互いに電気的に連結するビアと、
前記多層基板の一面に形成されるキャビティと、
前記キャビティに挿入される第1電子部品と、
前記第1電子部品と対向する前記キャビティの表面に形成されたバンプパッドと、を含み、
前記バンプパッドは、前記絶縁層および前記ビアが前記キャビティの側壁に露出して形成されている、電子部品内蔵基板。
【請求項2】
前記第1電子部品は、RF素子、IC、受動素子または能動素子である、請求項1に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項3】
前記第1電子部品を支持するように、前記キャビティの底面に形成される支持台をさらに含む、請求項1または2に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項4】
前記キャビティと前記第1電子部品との間の空間を充填する封止材をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項5】
前記バンプパッドと前記第1電子部品との間に介在される導電性ボールをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項6】
前記導電性ボールは、
環状のコアと、
前記コアの外部を包む伝導性物質の中間層と、
前記中間層上に形成された接着性フィルムと、を含む、請求項5に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項7】
前記コアは、温度に比例して体積が増加し、特定の温度で硬化する、請求項6に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項8】
前記コアの内部には、エア(air)が充填された空洞が形成されている、請求項6に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項9】
前記第1電子部品は、上面に形成された接続パッドを含み、
前記接続パッドと前記バンプパッドはワイヤで連結される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項10】
前記多層基板の側部に結合する第2電子部品をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項11】
前記第2電子部品は、RF素子、IC、受動素子または能動素子である、請求項10に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項12】
絶縁層と内部回路層が積層された多層基板を準備する段階と、
前記多層基板の一面にキャビティを形成する段階と、
前記キャビティに第1電子部品を実装する段階と、を含み、
前記キャビティを形成する段階は、
前記第1電子部品と対向する前記キャビティの表面にバンプパッドを形成する段階を含む、電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項13】
前記第1電子部品を実装する段階は、
前記バンプパッドに導電性ボールを付着した後、前記第1電子部品を前記キャビティに挿入する、請求項12に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項14】
前記第1電子部品を実装する段階は、
導電性ボールが付着された前記第1電子部品を前記キャビティに挿入する、請求項12に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項15】
前記第1電子部品を実装する段階は、
前記第1電子部品を前記キャビティに挿入した後、前記バンプパッドと前記第1電子部品をワイヤで連結する、請求項12に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項16】
前記第1電子部品を実装する段階の後、
前記キャビティと前記第1電子部品との間を密封するように前記キャビティに封止材を注入する段階をさらに含む、請求項12〜15のいずれか1項に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項17】
前記キャビティを形成する段階の後、
前記キャビティの底面に前記第1電子部品を支持する支持台を介在させる段階をさらに含む、請求項12〜16のいずれか1項に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項18】
前記キャビティに第1電子部品を実装する段階の後、
前記多層基板の側部に第2電子部品を実装する段階をさらに含む、請求項12〜17のいずれか1項に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビティが形成された多層基板に電子部品が実装された電子部品内蔵基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の小型化、スリム化、および高密度化の傾向に伴い、プリント回路パッケージ基板においても小型化およびスリム化が進められている。
【0003】
電子製品の多機能化および低コスト化のために、複数の回路層が形成された多層基板に複数のチップを実装している。そのため、パッケージ基板でも、同じサイズ内でより多い実装領域を確保する必要性が生じている。
【0004】
従来、多層基板の両面の少なくとも一面にバンプパッド(bump pad)を形成して、多層基板の両面の少なくとも一面上にIC、受動素子、能動素子などを実装していた。しかし、従来の方式は、実装領域が狭小であるため複数の素子を実装するには限界があり、電子製品の多機能化の具現を妨げていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2014‐0071769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の電子部品内蔵基板で提起される前記諸般の欠点と問題点を解決するために導き出されたものであって、多層基板に形成されたキャビティの内部と、多層基板の側面に電子部品が取り付けられることができるようにすることで、電子部品の実装領域が拡張したパッケージ基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、絶縁層と内部回路層が積層された多層基板と、前記絶縁層に形成され、前記内部回路層を互いに連結して電気的に接続されるビアと、前記多層基板の一面に形成されるキャビティと、前記キャビティに挿入される第1電子部品と、前記第1電子部品と対向するキャビティの表面に形成されたバンプパッドと、で構成された電子部品内蔵基板が提供されることにより達成される。
【0008】
この際、キャビティに挿入される第1電子部品は、導電性ボールにより実装されることができ、導電性ボールは、温度の上昇に伴い体積が増加し、所定の温度で硬化するコアと伝導性物質の中問層および接着性のフィルムで構成され、キャビティと第1電子部品とのギャップに容易に挿入されることができる。
【0009】
本発明の他の前記目的は、絶縁層と内部回路層が積層された多層基板を準備する段階と、前記多層基板の一面にキャビティを形成する段階と、前記キャビティに第1電子部品を実装する段階と、を含み、第1電子部品が内蔵された基板を製造することができ、多層基板の両側端部に第2電子部品が結合することから電子部品の実装領域が拡張される電子部品内蔵基板の製造方法が提供されることにより達成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による電子部品内蔵基板に適用される多層基板を示す図面である。
【
図2】本発明の一実施形態による電子部品内蔵基板を示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による電子部品内蔵基板の変形例を示す図面であって、キャビティに第1電子部品がワイヤ実装された状態を示す断面図である。
【
図4】本発明の他の実施形態による電子部品内蔵基板を示す断面図である。
【
図5】本発明の他の実施形態による電子部品内蔵基板の変形例を示す図面であって、キャビティに第1電子部品がワイヤ実装された状態を示す断面図である。
【
図6A】導電性ボールの断面図であって、3層構造の導電性ボールを示す図面である。
【
図6B】導電性ボールの断面図であって、4層構造の導電性ボールを示す図面である。
【
図7】本発明の他の実施形態による電子部品内蔵基板を製造する順序を並べたフローチャートである。
【
図8A】本発明の他の実施形態による電子部品内蔵基板の製造方法を示す工程断面図であって、絶縁層と内部回路層が積層された多層基板を準備する段階を示す断面図である。
【
図8B】本発明の他の実施形態による電子部品内蔵基板の製造方法を示す工程断面図であって、キャビティ形成段階を示す断面図である。
【
図8C】本発明の他の実施形態による電子部品内蔵基板の製造方法を示す工程断面図であって、キャビティに第1電子部品を実装する段階を示す断面図である。
【
図8D】本発明の他の実施形態による電子部品内蔵基板の製造方法を示す工程断面図であって、第2電子部品を実装する段階を示す断面図である。
【
図9A】ビアをバンプパッドに形成することを示す断面図であって、ビアを形成する段階を示す断面図である。
【
図9B】ビアをバンプパッドに形成することを示す断面図であって、ビアを切断して露出する段階を示す断面図である。
【
図9C】ビアをバンプパッドに形成することを示す断面図であって、ビアが側面に露出したことを示す断面図である。
【
図9D】ビアをバンプパッドに形成することを示す断面図であって、露出したビアをエッチングし、表面処理してバンプパッドを形成することを示す断面図である。
【
図10A】内部回路層をバンプパッドに形成することを示す断面図であって、多層基板の側端を切断して内部回路層を露出することを示す断面図である。
【
図10B】内部回路層をバンプパッドに形成することを示す断面図であって、側面に内部回路層が露出したことを示す断面図である。
【
図10C】内部回路層をバンプパッドに形成することを示す断面図であって、露出した内部回路層をエッチングし、表面処理してバンプパッドを形成することを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを果たす技術などは、添付の図面とともに詳細に後述する実施形態を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されず、互いに異なる様々な形態に具現することができる。本実施形態は、本発明の開示を完全にするとともに、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に伝達するために提供されることができる。
【0012】
本明細書で用いられる用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。本明細書において、単数型は文章で特に言及しない限り複数型も含む。明細書で用いられる「含む(comprise)」および/または「含んでいる(comprising)」と言及された構成要素、段階、動作および/または素子は一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0013】
まず、
図1は本発明の一実施形態による電子部品内蔵基板に適用される多層基板を示す断面図である。
図2は本発明の一実施形態による電子部品内蔵基板を示す断面図である。
図3は本発明の一実施形態による電子部品内蔵基板の変形例を示す図面であって、キャビティに第1電子部品がワイヤ実装された状態を示す断面図である。
【0014】
図1〜
図3に図示されたように、本発明の一実施形態による電子部品内蔵基板100は、樹脂絶縁材料を主成分とする絶縁層111と内部回路層112が交互に積層された多層基板110を含む。
【0015】
絶縁層111は、光硬化性または熱硬化性の樹脂絶縁材料、具体的には、光応答性モノマーが含まれた樹脂またはエポキシのような熱硬化性樹脂の硬化物を含むビルドアップ材料で形成されることができる。
【0016】
絶縁層111の少なくとも一面には、金属パターンが印刷されて形成された内部回路層112が形成されることができる。
図1に図示されたように、多層基板110の表面の少なくとも一部は、内部回路層112が露出した接続端子を含むことができる。接続端子は、受動素子、能動素子のような各種の電子部品が実装される領域になりうる。
【0017】
内部回路層112は、絶縁層111を境界として電気的に絶縁されることができる。この際、絶縁層111にビア113が形成されることができ、絶縁層111の上下にそれぞれ形成される内部回路層112がビア113を介して電気的に連結されることができる。ビア113は、一方向、すなわち、下部にテーパ状の形態に構成されたり、中心に向かってテーパ状に形成されて、臼状の形状を有することができる。
【0018】
一方、多層基板110は、少なくとも一面にキャビティ130が形成されることができる。キャビティ130は、電子部品が実装される領域として多層基板110に陥没形成されることができる。キャビティ130が多層基板110に陥没形成される場合、キャビティ130に挿入された電子部品が多層基板110の表面に突出しなかったり、突出してもその突出領域が大きくなく、本実施形態による電子部品内蔵基板の軽薄化に適うことができる。
【0019】
キャビティ130の表面には、電子部品と連結されるバンプパッド120を含むことができる。バンプパッド120は、第1電子部品160に対応して形成されることができ、バンプパッド120と第1電子部品160との間に導電性ボール140が介在されて、両者が電気的に連結されることができる。バンプパッド120の形成方法については、電子部品内蔵基板の製造方法について説明するときより詳細に説明する。
【0020】
第1電子部品160は、キャビティ130に挿入されるものであって、キャパシタ、抵抗、インダクタ、フィルタなどの受動素子だけでなく、IC、Ampなどの能動素子またはRF素子であってもよい。
【0021】
第1電子部品160は、多層基板110と電気的に連結される外部電極を含むことができ、外部電極は、接続パッド161で構成されることができる。キャビティ130の側面に形成されたバンプパッド120は、導電性ボール140またはワイヤ(wire)により、第1電子部品160の表面に形成された接続パッド161と接続されることができる。
【0022】
キャビティ130の底面には、第1電子部品160を支持する支持台をさらに含むことができる。支持台は、キャビティ130内に実装される第1電子部品160の外部電極とキャビティ130に形成されたバンプパッド120の位置を整列させることができ、整列された第1電子部品160の移動を防止することができる。支持台は、絶縁性を有する公知の材料を含むことができ、第1電子部品160の固定のための接着性の物質をさらに含むことができる。
【0023】
導電性ボール140は、第1電子部品160とバンプパッド120との間に介在される。第1電子部品160とキャビティ130との間に導電性ボール140を介在した後、加熱すると、導電性ボール140は、温度の上昇に伴い体積が膨張して、第1電子部品160とキャビティ130との間の空間に拡張されることができる。これにより、第1電子部品160とバンプパッド120は互いに電気的に連結される。
【0024】
一方、第1電子部品160の上面に形成された接続パッド161は、ワイヤ141を媒介としてバンプパッド120と接続することができる。ワイヤ141は、第1電子部品160とキャビティ130との間の空間が狭小であるため、キャビティ130の側面に形成されたバンプパッド120に連結されることがより好ましい。
【0025】
第1電子部品160が実装されてバンプパッド120と電気的に連結されると、第1電子部品160とキャビティ130との間の空間は、封止材180を充填して密封することができる。第1電子部品160とキャビティ130との間の空間に水分が流入されると、多層基板110のクラックを誘発することがあり、流入された水分は導電性ボール140の電気接続度を低下させることがある。また、他の工程の進行中に流動される第1電子製品160は、導電性ボール140のクラックまたは断線を誘発することがある。したがって、封止材180は、導電性ボール140を保護し、第1電子部品160を固定して、外部刺激から導電性ボール140と第1電子部品160を保護することができる。
【0026】
封止材180は、絶縁性の樹脂、MUF(Molded Under Fill)などからなることができる。粒子が小さい封止材180は、第1電子部品160とキャビティ130との間に容易に充填されることからキャビティの隙間を密封することができる。また、封止材180は、第1電子部品160で発生した熱を分散させることもできる。
【0027】
一方、
図4と
図5に図示されたように、本発明の他の実施形態として、多層基板110の側部には第2電子部品170が結合することができる。多層基板110の両側部は、多層基板110の内部回路層112やビア113と第2電子部品170を電気的に連結する外部パッド150をさらに含むことができる。
【0028】
第2電子部品170は、キャパシタ、抵抗、インダクタ、キャパシタ、フィルタなどの受動素子だけでなく、IC、Ampなどの能動素子またはRF素子であってもよい。多層基板110の側面に実装される第2電子部品170は、キャビティ130に実装される第1電子部品160および多層基板110の表面に実装されるその他の電子部品とともに多層基板110に実装されることから、本実施形態による電子部品内蔵基板200が使用される電子製品の高性能化および多機能化を具現することができる。
【0029】
第2電子部品170は、電気伝導性を有する半田(solder)により多層基板110に結合することができる。または、第2電子部品170は、導電性ボール140を媒介として多層基板110と結合することができる。
【0030】
外部パッド150の形成方法については、電子部品内蔵基板の製造方法について説明するときより詳細に説明する。
【0031】
一方、
図6A及び
図6Bは導電性ボールの断面図であって、
図6Aは3層構造の導電性ボールを示す図であり、
図6Bは4層構造の導電性ボールを示す図である。
【0032】
導電性ボール140は、電気伝導性を有する公知の物質であって、基板と電子部品を連結する媒介体であり、半田(solder)で構成されることができる。
【0033】
または、導電性ボール140は、内側に形成された環状のコア140aと、伝導性物質の中問層140bと、最外側に形成された接着性フィルム140cと、で構成されることができる。コア140aは、温度の増減に伴い体積が増減し、圧力が減少すると体積が膨張することができ、所定の温度で硬化されることができる。
【0034】
一方、コア140aは、内部に空洞140dが形成された中空構造に形成されることができる。すなわち、コア140aの内部にエア(air)が充填された形態であってもよい。エアは、温度の上昇に伴い膨張しやすいため、導電性ボール140の膨張による接触力が向上し、コア140aの原料コストを下げることができる効果がある。
【0035】
中問層140bは、伝導性が良好で、軟性を有する物質であってもよく、Au、Ag、伝導性繊維、グラファイト(graphite)などで構成されることができる。
【0036】
接着性フィルム140cは、ACFボンディングフィルムで構成されることができ、ACFボンディングフィルムは、エポキシ樹脂として、導電性ボール140が電子部品またはバンプパッド120に接着されるようにすることができる。導電性ボール140は、第1電子部品160の外部電極に付着された後、第1電子部品160がキャビティ130に挿入されることで、キャビティ130に挿入されることができる。または、導電性ボール140は、キャビティ130に第1電子部品160が挿入される前にキャビティ130の表面に形成されたバンプパッド120にまず付着されることができる。後者の場合、導電性ボール140は、キャビティ130と第1電子部品160との間の微細空間に予め挿入されることから、導電性ボール140の電気接続不良または隣り合う導電性ボール140同士の接触による短絡(short)を防止することができる。
【0037】
次に、電子部品内蔵基板の製造方法について説明する。
図7は本発明の他の実施形態による電子部品内蔵基板を製造する順序を並べたフローチャートである。
図8A〜
図8Dは本発明の他の実施形態による電子部品内蔵基板の製造方法を示す工程断面図であって、
図8Aは絶縁層と内部回路層が積層された多層基板を準備する段階を示す断面図であり、
図8Bはキャビティ形成段階を示す断面図であり、
図8Cはキャビティに第1電子部品を実装する段階を示す断面図であり、
図8Dは第2電子部品を実装する段階を示す断面図である。
【0038】
図7および
図8A〜
図8Dに図示されたように、本発明の他の実施形態による電子部品内蔵基板の製造方法は、絶縁層111と内部回路層112が積層された多層基板110を準備する段階(S110)と、キャビティ130の形成段階(S120)と、キャビティ130に第1電子部品160を実装する段階(S130)と、第2電子部品170を実装する段階(S140)と、で構成されることができる。
【0039】
図8Aに図示されたように、絶縁層111の表面に少なくとも一つの金属パターンが印刷されて形成された内部回路層112を形成し、異なる層に形成された内部回路層112同士の間を電気的に連結するように絶縁層111に形成されるビア113を有する多層基板110を準備する(S110)。
【0040】
次に、
図8Bに図示されたように、多層基板110の一面にキャビティ130を形成して第1電子部品160が挿入されることができる領域を形成する(S120)。キャビティ130は、CO
2レーザ、YAGレーザ工法やCNCを用いたドリリング工法により形成することができる。
【0041】
キャビティ130の表面の少なくとも一部には、第1電子部品160と電気的に連結されるバンプパッド120が形成されることができ、バンプパッド120は、内部回路層112またはビア113がキャビティ130の表面に露出して形成されることができる。
【0042】
次に、
図8Cに図示されたように、キャビティ130に第1電子部品160を実装する段階において、導電性ボール140は、リフロー工程によりバンプパッド120と第1電子部品160とを電気的に接続させる(S130)。
【0043】
導電性ボールのコア140aは、温度の上昇に伴い体積が膨張されるが、コアの体積が所定の方向に拡張されるものではない。したがって、導電性ボール140の膨張を水平面の一方向へ制御するために回転工程が必要となりうる。このために、多層基板110の下面には、キャビティ130の中心軸を基準として多層基板110を回転させる手段が存在しうる。回転手段によって多層基板110が回転すると、導電性ボール140は、遠心力によって水平に移動することができる。この際、キャビティ130の側面に接着された導電性ボール140は、キャビティ130の側面に移動して、第1電子部品160とバンプパッド120が連結される。
【0044】
次に、多層基板110の側部に第2電子部品170を実装する段階が行われる。多層基板110の側部には、第2電子部品170が実装される外部パッド150が備えられる。
【0045】
一方、バンプパッド120と外部パッド150の形成方法は、
図9A〜
図9Dと
図10A〜
図10Cを参照して説明する。この際、
図9A〜
図9Dはビアをパッドに形成することを示す断面図であって、
図9Aはビア形成する段階を示す断面図であり、
図9Bはビアを切断して露出する段階を示す断面図であり、
図9Cはビアが側面に露出したことを示す断面図であり、
図9Dは露出したビアをエッチングし、表面処理してパッドを形成することを示す断面図である。
図10A〜
図10Cは内部回路層をパッドに形成することを示す断面図であって、
図10Aは多層基板の側端を切断して内部回路層を露出することを示す断面図であり、
図10Bは側面に内部回路層が露出したことを示す断面図であり、
図10Cは露出した内部回路層をエッチングし、表面処理してパッドを形成することを示す断面図である。
【0046】
図9A〜
図9Dに図示されたように、バンプパッド120と外部パッド150は、ビア113を垂直に切断して側部を露出し、後工程を経て形成されることができる。
【0047】
図9A〜
図9Dには一字型のビア113が図示されているが、ビア113は、一方向にテーパが形成された形状または中心に向かってテーパが形成された臼状の形状を有することができる。バンプパッド120と外部パッド150は、露出面積が大きいほど電気接続度が向上するため、ビア113を切断する工程は、ビア113の垂直中心軸を基準として切断して露出するビア113の面積を極大化することができる。
【0048】
キャビティ130の加工工程などにより外部に露出したビア113は、Cuエッチング工程を実施して陥没部が形成されることができる。陥没部は、絶縁層より低く形成されるため、導電性ボール140をバンプパッド120に接着する際に精巧に位置させることができる。
【0049】
次に、陥没部に金属層を形成する段階が行われることができる。金属層は、導電性ボール140の接着の際に接触度を向上させることができる。金属層は、電解めっき、無電解めっき、その他のスクリーン印刷などにより形成することができるが、特にこれを制限する必要はない。
【0050】
また、
図10A〜
図10Cに図示されたように、バンプパッド120と外部パッド150は、内部回路層112を垂直に切断して側部を露出し、後工程を経て形成されることができる。内部回路層112および絶縁層111が交互に積層された多層基板110の側面が切断されると、側部に内部回路層112が露出する。
【0051】
次に、ビア113を用いたバンプパッド120と外部パッド150の形成方法と同様に、Cuエッチング工程および金属層形成段階を経て形成されることができる。
【0052】
以上の詳細な説明は、本発明を例示するものである。また、上述の内容は、本発明の好ましい実施形態を示し説明するものに過ぎず、本発明は、様々な他の組み合わせ、変更および環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、上述の開示内容と均等な範囲および/または当業界における技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。上述の実施形態は、本発明を実施することにおいて最善の状態を説明するためのものであって、本発明と同様な他の発明を利用するために当業界に公知の他の状態への実施、そして発明の具体的な適用分野および用途で要求される様々な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は、開示された実施状態で本発明を制限するためのものではない。また、添付の特許請求の範囲は、他の実施状態をも含むものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0053】
100、200 電子部品内蔵基板
110 多層基板
111 絶縁層
112 内部回路層
113 ビア
120 バンプパッド
130 キャビティ
140 導電性ボール
140a コア
140b 中問層
140c 接着性フィルム
140d 空洞
141 ワイヤ
150 外部パッド
160 第1電子部品
161 接続パッド
170 第2電子部品
180 封止材