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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-136987(P2016-136987A)
(43)【公開日】2016年8月4日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20160708BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-12067(P2015-12067)
(22)【出願日】2015年1月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100123940
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 辰一
(72)【発明者】
【氏名】西川 正晶
(72)【発明者】
【氏名】南 耕平
(72)【発明者】
【氏名】近藤 亘
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 督
【テーマコード(参考)】
2C082
【Fターム(参考)】
2C082AA02
2C082BA02
2C082CA02
2C082CB04
2C082CB23
2C082CC01
2C082CC12
2C082CD12
2C082CD18
2C082CD23
2C082DA44
(57)【要約】      (修正有)
【課題】単一の画像表示装置を用いて、連動する演出用の画像および可動部材の両方が動作する演出を実現できる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、操作部、制御部、画像表示部61および表示制御部を備える。操作部は、遊技に関する操作入力を受け付ける。制御部は、遊技の進行を制御する。画像表示部61は、リール群よりも筐体の前面側に配置さ前記リール群を透過可能な画像表示面を有する。表示制御部は、リール群の透過領域および遊技に関する演出用の画像を表示する表示領域を画像表示面に規定し、また表示領域を、遊技の進行に基づいて透過領域を含まない第1形態から透過領域を含む第2形態に拡大変形させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄が周面に表示されたリールが同軸上に複数配列されたリール群を筐体内に有する遊技機であって、
遊技に関する操作入力を受け付ける操作部と、
前記遊技の進行を制御する制御部と、
前記リール群よりも前記筐体の前面側に配置され、前記リール群を透過可能な画像表示面を有する画像表示部と、
前記リール群の透過領域および前記遊技に関する演出用の画像を表示する表示領域を前記画像表示面に規定し、また前記表示領域を、前記遊技の進行に基づいて前記透過領域を含まない第1形態から前記透過領域を含む第2形態に拡大変形させる表示制御部と、
を備えた遊技機。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第1形態として前記表示領域を前記透過領域の上方に配置し、前記第1形態の表示領域を、前記表示画面における四方に拡大させるように前記第2形態に変形させる請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記操作部の操作によって回転していた複数のリール全てが回転停止したことを条件として、前記表示領域を第2形態に拡大変形させる請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記制御部から受信した複数のリールの停止状態に基づいて、第2形態の表示領域に該複数のリールの停止状態を模した画像を表示させる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記筐体の内部に配置された発光部と、
前記筐体の内部に配置され、前記発光部からの光を前記画像表示面に拡散させて導く拡散部材と、
前記演出用の画像の表示に応じて、前記発光部を発光させる発光制御部と、
をさらに備えた請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記拡散部材は、周面に複数のスリットを有する中空部材であり、中空内部に前記発光部が配置された請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記拡散部材を自転させる駆動手段をさらに備えた請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記拡散部材は、前記発光部の光を前記複数のスリットから前記筐体内部の背面に導き、前記背面において入射した光を前記画像表示面に向けて反射させる請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技の演出用の画像を表示するパチンコ機やパチスロ機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機においては、遊技の進行に基づいて演出用画像が液晶ディスプレイなどの画像表示装置に表示される。また、遊技機の盤面(遊技領域)全体を液晶ディスプレイとした全面液晶タイプのものもある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−245866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の遊技機は、画像を用いた演出が主流であることから、遊技者によりインパクトを与えたり、遊技をより盛り上げたりするための画像による様々な演出手法が要望されている。
【0005】
そこで、本発明は、画像表示面の演出用の表示領域を変形させることで、演出効果をより高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される遊技機は、操作部と、制御部と、画像表示部と、表示制御部と、を備える。操作部は、遊技に関する操作入力を受け付ける。制御部は、遊技の進行を制御する。画像表示部は、リール群よりも筐体の前面側に配置さ前記リール群を透過可能な画像表示面を有する。表示制御部は、リール群の透過領域および遊技に関する演出用の画像を表示する表示領域を画像表示面に規定し、また表示領域を、遊技の進行に基づいて透過領域を含まない第1形態から透過領域を含む第2形態に拡大変形させる。
【0007】
上記発明は、以下のように変形されてもよい。表示制御部は、第1形態として表示領域を透過領域の上方に配置し、第1形態の表示領域を、表示画面における四方に拡大させるように第2形態に変形させる。
【0008】
上記発明は、以下のように変形されてもよい。表示制御部は、操作部の操作によって回転していた複数のリール全てが回転停止したことを条件として、表示領域を第2形態に拡大変形させる。
【0009】
上記発明は、以下のように変形されてもよい。表示制御部は、制御部から受信した複数のリールの停止状態に基づいて、第2形態の表示領域に該複数のリールの停止状態を模した画像を表示させる。
【0010】
上記発明は、以下のように変形されてもよい。筐体の内部に配置された発光部と、筐体の内部に配置され、発光部からの光を画像表示面に拡散させて導く拡散部材と、演出用の画像の表示に応じて、発光部を発光させる発光制御部と、をさらに備える。
【0011】
上記発明は、以下のように変形されてもよい。拡散部材は、周面に複数のスリットを有する中空部材であり、中空内部に発光部が配置される。
【0012】
上記発明は、以下のように変形されてもよい。拡散部材を自転させる駆動手段をさらに備える。
【0013】
上記発明は、以下のように変形されてもよい。拡散部材は、発光部の光を複数のスリットから筐体内部の背面に導き、背面において入射した光を画像表示面に向けて反射させる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、演出用の画像を表示する表示領域を、遊技の進行に基づいて複数のリールの透過領域を含まない第1形態から透過領域を含む第2形態に拡大変形させるので、リールの図柄表示が隠れる程度に拡大された大画面の表示領域に演出用の画像が表示される。このように演出の途中で表示領域が拡大変形することで、遊技者に演出に対する強いインパクトを与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明が適用される遊技機の外観の構成を示す正面図である。
図2】遊技機の筐体内部を上面から見た図である。
図3】液晶表示装置の構成を説明する図である。
図4(A)】液晶表示装置のシャッタの構成を説明する図である。
図4(B)】液晶表示装置の導光板の構成を説明する図である。
図5】照明装置の構成を示す図である。
図6】遊技機の機能ブロック図である。
図7(A)】遊技機のメイン表示領域を用いた遊技の演出の一例を示す図である。
図7(B)】遊技機のメイン表示領域を用いた遊技の演出の一例を示す図である。
図7(C)】遊技機のメイン表示領域を用いた遊技の演出の一例を示す図である。
図8】遊技機の所定の演出の実行処理を示すフローチャートである。
図9】遊技機のメイン表示領域を用いた遊技の演出の一例を示す図である。
図10(A)】遊技機のメイン表示領域を用いた遊技の演出の一例を示す図である。
図10(B)】遊技機のメイン表示領域を用いた遊技の演出の一例を示す図である。
図11】遊技機の所定の演出の実行処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照してこの発明の実施形態である遊技機について説明する。なお、本発明の構成は、実施形態に限定されるものではない。また、各フローチャートの処理手順は、実施形態に限定されるものではなく、矛盾などが生じない限り順不同である。この実施形態では、遊技機としてパチスロ機について説明する。パチスロ機は、ユーザ(遊技者)がメダル(遊技媒体)をベットしてスタートレバーを所定方向に倒すことで遊技を開始させる。遊技開始によって回転を開始した3つのリールを、ユーザが停止ボタンを押下することで停止させる。各リールの外周面には複数の図柄があり、停止時の各リールの図柄の組み合わせ(遊技結果)によって特別遊技への移行やメダルの支払いが行われる。このようにスタートレバーを倒して3つのリール全てが停止するまでが1遊技となる。
【0017】
図1は、この発明が適用される遊技機1の外観の構成を示す正面図である。図2は、遊技機1の筐体内部を上面から見た図である。図3は、液晶表示装置6の構成を説明する図である。図4(A)は、液晶表示装置6のシャッタ66F,66Rの構成を説明する図であり、図4(B)は、液晶表示装置6の導光板67の構成を説明する図である。遊技機1は、縦長の直方体形状の筐体2の正面に配設された、リール3(3A,3B,3C)、操作部4、払出部5、液晶表示装置(画像表示部)6、および照射装置7,8を有している。
【0018】
リール3(3A,3B,3C)は、左右方向に同軸上に並設され、リール制御基板130(図5参照)によって回転駆動する。また、各リール3(3A,3B,3C)の外周面には、複数の図柄が周方向に並んで配置されている。各リール3(3A,3B,3C)は、液晶表示装置6(液晶パネル60)に形成された透過窓領域(透過領域)63を通じてユーザから視認可能である。
【0019】
操作部4は、投入口41、ベットボタン42、スタートレバー43、停止ボタン44A〜44Cを有している。投入口41は、メダルを投入する開口部(不図示)を有する。投入口41から投入されたメダルは、投入枚数だけベットまたはクレジットされる。ベットボタン42は、クレジットされているメダルのベット操作を受け付ける。スタートレバー43は、遊技開始の操作を受け付ける。遊技開始の操作によって各リール3(3A,3B,3C)の回転が開始される。停止ボタン44A,44B,44Cは、それぞれリール3(3A,3B,3C)に対応付けられ、対応付けられたリール3(3A,3B,3C)の回転停止の操作を受け付ける。
【0020】
払出部5は、筐体2の下部に位置し、メダル払出機構120(図6参照)、払出口(不図示)、下皿52を有している。メダル払出機構120は、遊技結果に応じて獲得等したメダルを払出口から払い出す。下皿52は、払い出されたメダルを貯留する。
【0021】
液晶表示装置6は、図1に示す一点鎖線で囲まれた筐体2正面の上半分を覆う大きさの単一の透過型の液晶パネル(画像表示面)60を有し、リール3(3A,3B,3C)よりも筐体2の前面側に配置されている。液晶パネル60は、周囲を装飾パネル9で覆われ、メイン表示領域(画像表示領域)61、サブ表示領域62、透過窓領域63などの仮想的な領域を有する。メイン表示領域61は、フレーム画像61Aによって囲まれた領域であり、演出用の画像などを表示する。フレーム画像61Aは、メイン表示領域61およびサブ表示領域62の仮想的な境界を表す。
【0022】
サブ表示領域62は、メイン表示領域61の周囲に位置し、演出用の画像や装飾用の画像などを表示する。透過窓領域63は、リール3に対向し、所定の演出時を除いて基本的にはリール3を視認できるように透過設定され、画像表示されない。装飾パネル9は、樹脂で形成され、内部にLEDが配置されている。
【0023】
液晶表示装置6は、図5及び図6に示すように、筐体2の前面側から順に配置されたフロントシャシ65F、液晶パネル60、フロントシャッタ66F、導光板67、リアシャッタ66R、リアシャシ65Rを有している。また、液晶表示装置6は、導光板67の上方側に配置されたLEDバーライト68U、下方側に配置されたLEDバーライト68Dを有している。
【0024】
フロントシャシ65F、リアシャシ65Rは、たとえば透明樹脂パネルであり、液晶パネル60などを保護する。リアシャシ65Rの後方には、リール3(3A,3B,3C)が配置されている。フロントシャッタ66Fおよびリアシャッタ66Rは、所定方向の光のみを透過させる。フロントシャッタ66Fは、図6(A)に示すフロント領域FA〜FHで形成される。また、リアシャッタ66Rについても、同形状のリア領域RA〜RHが形成される。フロント領域FA〜FH及びリア領域RA〜RHは、導光板67を挟んで対向する。フロント領域FA〜FH及びリア領域RA〜RHの組み合わせによって、リアシャシ66R後方の光を透過させる領域と透過させない領域とを形成している。
【0025】
この実施形態では、フロント領域FB及びリア領域RBのみ、リアシャシ65R後方の光が透過しない非透過領域となっている。フロント領域FB及びリア領域RBは、一部がメイン表示領域61に対向する。また、リール3A,3B,3Cは、フロント領域FE,FF,FG及びリア領域RE,RF,RGに対向するので、各領域を透過してユーザが視認可能である。
【0026】
また、導光板67も、図6(B)に示すように、シャッタ66F,66Rと同形状の領域67A〜67Hが形成されている。また、領域67A〜67Hに対応するように、LEDバーライト68U,68Dも複数で構成される。LEDバーライト68Uは、LEDバーライト68UA〜UCで構成され、それぞれ点灯および消灯が独立して行われる。
【0027】
導光板67の領域67A〜67Cは、対応するLEDバーライト68UA〜UCの光をフロント領域FA〜FCに導く。すなわち、上方の光を筐体2の前面側に導く。導光板67の領域67A〜67Cは、対応するLEDバーライト68DD〜DHの光をフロント領域FD〜FHに導く。すなわち、下方の光を筐体2の前面側に導く。また、導光板67は、リアシャッタ66Rからの光もフロントシャッタ66Fに導く。このような構成によって、LCDパネル60で、上述した構成の画像等が視認可能となる。
【0028】
照射装置7,8は、筐体2の右端および左端の天板内壁に吊り下げ支持されている。照明装置7,8は、同様の構成であるので、以下、照明装置7について図5も参照しつつ説明する。図5は、照明装置7の構成を示す図である。照明装置7は、筒状体(拡散部材)71および発光部72を有している。筒状体71は、発光部72を内包し、周面全体に複数のスリット73が形成された中空の円筒形状を呈する。なお、図5では、スリット73の一部の図示を省略している。
【0029】
筒状体71は、上部が支持部材74によって筐体2の天板内壁に吊り下げ支持される。また、筒状体71は、支持部材74を軸として駆動機構75(図6参照)によって回転(自転)する。スリット73は、発光部72の光を筐体2内部に導く(拡散させる)。この筐体2内部に拡散された光(拡散光)は、筐体2裏面の内壁面に反射等して液晶表示装置6にも導かれる。すなわち、拡散光は、リアシャシ65R側から入射する。詳細は後述するが、この拡散光は画像による演出の際に使用される。発光部72は、たとえばLED72A(図6参照)およびLED点灯回路72B(図6参照)を有し、支持部材74の下方端部で支持されている。
【0030】
図6は、遊技機1の機能ブロック図である。遊技機1は、第1制御部100、この第1制御部100に接続された入出力インタフェイス(I/F)110、メダル払出機構120、リール制御基板130を有している。第1制御部100は、CPU,ROM、RAMなどを備え、リール3の動作の制御、所定数のメダルの払い出し等の遊技の制御を行う。また、第1制御部100は、役抽選の処理も実行する。役抽選とは、遊技における当選役の抽選であり、この当選役および操作タイミングに基づいて各リール3A,3B,3Cに特定の図柄が揃うように停止制御が行われる。
【0031】
入出力インタフェイス110は、接続されている検知センサ41A(投入口41)、ベットボタン42、スタートレバー43、停止ボタン44A〜44Cの入力情報を第1制御部100に送信する。検知センサ41Aは、投入口41に投入されたメダルを検知する。第1制御部100は、検知された情報に基づいてメダルの投入枚数を計数する。また、入出力インタフェイス110は、メダルのクレジット枚数を表示するクレジット表示器(不図示)などにも接続され、第1制御部100から受信したクレジット枚数の情報をクレジット表示器に送信する。
【0032】
メダル払出機構120は、第1制御部100によって駆動が制御され、上述したように払出口51にメダルを払い出す。リール制御基板130は、第1制御部100によって駆動が制御され、各リール3A,3B,3Cを回転および停止させる。
【0033】
また、遊技機1は、第2制御部200、この第2制御部200に接続された映像制御基板240を有している。第2制御部200は、CPU、ROM、RAMなどを備え、遊技の演出を実行するべく各部を制御する。第2制御部200は、第1制御部100に接続され、第1制御部100で行われる役抽選の結果、操作部4に対する遊技者の操作入力の情報、リール3の動作情報などを受信して、これらの情報に基づいて実行する演出の抽選および演出を実行する。第2制御部200は、この発明の制御部、表示制御部および発光制御部に相当する。
【0034】
映像制御基板240は、CPU,ROM,RAMやグラフィックコントローラ23などを備え、接続された液晶表示装置6、照明装置7,8などを制御する。具体的には、第2制御部200の指示に基づいて液晶表示装置6のメイン表示領域61、サブ表示領域62の演出用および装飾用の画像などを生成する。なお、演出などに用いられる画像データは、ハードディスク等の記憶装置(不図示)に記憶されている。また、透過窓領域63を透過させる処理も行う。また、第2制御部200の指示に基づいて照明装置7,8のLED点灯回路72B,82Bを制御してLED72A,82Aの点灯および消灯を行い、駆動回路75,85を駆動して筒状体71,81を回転させる。
【0035】
<<所定の演出1>>
次に、メイン表示領域61を用いた所定の演出1について、図7(A)〜図7(C)を参照して説明する。図7(A)〜図7(C)は、遊技機1のメイン表示領域61を用いた遊技の演出の一例を示す図である。所定の演出1は、敵モンスタ500が徐々に遊技者(画面手前)に向かって近づいてきて最終的に遊技者を襲おうとする様子が画像表示される演出である。そして、遊技者が停止ボタン44A〜44Cを押す(リール3A〜3Cが停止する)タイミングで敵モンスタ500に銃弾が発射される。すなわち、計3発の銃弾が発射される。
【0036】
この実施形態の所定の演出1では、最終的に敵モンスタ500を銃弾で倒すことに成功した画像が表示される場合と、倒すことに失敗した画像が表示される場合とがある。倒すことに成功した画像が表示されるのは、役抽選でボーナス当選し、ユーザの操作によってリール3の有効ライン上にボーナス図柄が揃った(ボーナス入賞した)場合となる。すなわち、ボーナスが確定した場合である。そして、ボーナス入賞以外は、倒すことに失敗した画像が表示される。すなわち、第2制御部200は、第1制御部100でのボーナス当選およびリール3での入賞の結果に応じて、所定の演出1での敵モンスタ500の動作(成功または失敗)を決定する。
【0037】
所定の演出1は、たとえば、図7(A)〜図7(C)の順に画像の表示が遷移していく。図7(A)は、遊技者が仮想空間に発生した敵モンスタ500を銃で撃った(一発目)直後の様子を示す画像である。その後、敵モンスタ500は、遊技者に気づいて近づいてくる。図7(B)は、遊技者が敵モンスタ500を銃で撃った(二発目)直後の様子を示す画像である。敵モンスタ500は、遊技者にかなり近づいている状態である。その後、敵モンスタ500は遊技者を襲う動作を開始する。図7(C)は、遊技者が襲われる直前に敵モンスタ500を銃で撃った(三発目)直後の様子を示す画像である。図7(C)では、銃弾によって敵モンスタ500の頭部が吹っ飛んで倒される様子が表示されている。すなわち、図7(C)は、敵モンスタ500を銃弾で倒すことに成功したボーナス入賞用の画像である。
【0038】
また、所定の演出1では、図7(A)〜図7(C)に示すように、リール3A〜3Cが停止するタイミングでメイン表示領域61の形態が拡大変形していく。そして、遊技者が最も興味を引く敵モンスタ500が倒れるか否かが判明する画像表示においては、図7(C)に示すような液晶パネル60の全体がメイン表示領域61となる。このとき、サブ表示領域62および透過窓領域63の部分もメイン表示領域61になって画像表示が行われる。なお、図7(A)及び図7(B)のメイン表示領域61の表示形態が、本発明の第1形態に相当し、図7(C)のメイン表示領域61の表示形態が、第2形態に相当する。
【0039】
次に、上述の所定の演出1の実行処理について図8のフローチャートを参照して説明する。この実行処理は、遊技開始時の演出抽選などによって所定の演出1を実行することが決定された場合に主として第2制御部200によって実行される。
【0040】
第2制御部200は、所定の演出1の前半画像のメイン表示領域61への表示処理を行う(ステップS10)。そして、1つ目のリール3が停止する(ステップS11でYES)までステップS10の処理を継続する。前半画像は、たとえば、仮想空間内で敵モンスタ500が出現する画像である。なお、リール3の停止情報は、第2制御部200が第1制御部100から受信すればよい。
【0041】
1つ目のリール3が停止されたと判断した場合(ステップS11でYES)、第2制御部200は、所定の演出1の中半画像のメイン表示領域61への表示処理を行う(ステップS12)。そして、2つ目のリール3が停止する(ステップS13でYES)までステップS12の処理を継続する。中半画像は、たとえば、敵モンスタ500が、図7(A)に示すように遊技者によって発射された一発目の銃弾に当たり、その後に遊技者に向かって近づいてくる画像である。
【0042】
2つ目のリール3が停止されたと判断した場合(ステップS13でYES)、第2制御部200は、所定の演出1の後半画像のメイン表示領域61への表示処理を行う(ステップS14)。そして、3つ目のリール3が停止する(ステップS15でYES)までステップS14の処理を継続する。後半画像は、たとえば、敵モンスタ500が、図7(B)に示すように遊技者によって発射された二発目の銃弾に当たりつつも、さらに遊技者に向かって近づいてくる画像である。また、ステップS14の処理では、図7(B)に示すように、メイン表示領域61を拡大して(フレーム画像61A)後半画像を表示させる。
【0043】
次に、3つ目のリール3が停止されたと判断した場合(ステップS15でYES)、第2制御部200は、ボーナス入賞したかを判断する(ステップS16)。たとえば、第1制御部100から受信した入賞結果に基づいて判断される。
【0044】
ボーナス入賞したと判断した場合(ステップS16でYES)、ボーナス入賞用画像のメイン表示領域61への表示処理を行う(ステップS17)。そして、ボーナス入賞用画像の表示処理が終了する(ステップS18でYES)までステップS17の処理を継続する。ボーナス入賞用画像は、たとえば、敵モンスタ500が、図7(C)に示すように遊技者によって発射された三発目の銃弾に当たって頭部が吹っ飛び、その後に地面に倒れていく画像である。また、ステップS17の処理では、図7(C)に示すように、メイン表示領域61(フレーム画像61A)を液晶パネル60一杯にまで拡大してボーナス入賞用画像を表示させる。その際、リール3は視認できない状態となる。
【0045】
そして、ボーナス入賞用画像の表示処理が終了したと判断した場合(ステップS18でYES)、第2制御部200は、液晶パネル60一杯にまで拡大したメイン表示領域61の全体にボーナス確定画像を表示させる(ステップS19)。ボーナス確定画像は、たとえば、図9に示すように現在のリール3A〜3Cの停止状態を模した画像である。すなわち、透過窓領域63から視認されていたリール3の様子が拡大画像で表現される。
【0046】
図9は、ボーナス入賞(確定)した状態のリール3A〜3Cの停止状態として、有効ラインP上に「7」の図柄が並んでいる状態が表示されている。なお、有効ラインPの上段、下段の図柄の図示は省略している。また、リール3A〜3Cの停止状態(図柄の位置)の情報は、第2制御部200が第1制御部100から受信すればよい。筐体2内部には、第1制御部100が入賞状態の判断や所謂リールのすべり制御を行うため、各リール3A〜3Cの回転状態を検出するセンサ等を含む検出部(不図示)が配置されている。なお、検出部は、一般的な構成であるため詳細な説明は省略する。
【0047】
また、ステップS16の処理に戻って、ボーナス入賞してないと判断した場合、第2制御部200は、ハズレ用画像のメイン表示領域61への表示処理を行い(ステップS20)、この表示処理が終了する(ステップS21でYES)までステップS20の処理を実行する。ステップS20の処理では、ステップS17の処理と同様に、メイン表示領域61(フレーム画像61A)を液晶パネル60一杯にまで拡大してハズレ用画像を表示させる。ハズレ用画像は、たとえば、敵モンスタ500が、遊技者によって発射された三発目の銃弾に当たったが頭部は吹っ飛ばず(倒されず)、遊技者(画面手前)に向かっていき噛みつくなどの攻撃動作を行う画像である。
【0048】
なお、上述した所定の演出1のように、メイン表示領域61の拡大変形をリール3の停止と連動させなくてもよく、遊技が開始されてから予め定めたタイミングで変形させてもよい。また、拡大変形させる演出は、上述の所定の演出1だけに限定されるものではない。
【0049】
<<所定の演出2>>
次に、照明装置7,8を駆動する所定の演出2について、図10(A)を参照して説明する。所定の演出2は、所定の演出1と同様に、敵モンスタ500が徐々に遊技者(画面手前)に向かって近づいてきて最終的に遊技者を襲おうとする様子が画像表示される演出である。この演出実行中に照明装置7,8が駆動される点で所定の演出1と異なる。以下、異なる点を主として説明する。
【0050】
図10(A)は、遊技機1のメイン表示領域61を用いた遊技の演出の一例を示す図である。図10(A)は、照明装置7,8が駆動されてLED72A,82Aが点灯している状態で、メイン表示領域61に図7(C)と同様の画像が表示されている状態を示す。すなわち、所定の演出2では、ボーナス入賞用画像が表示されている間、照明装置7,8が駆動される。
【0051】
照明装置7,8は、駆動によって筒状体71,81が回転し、またLED72A,82Aが発光する。これによって、図10(A)に示すように、破線で示すシャッタ66F.66Rの領域FB,RBに対応する領域を除いたメイン表示領域61(液晶パネル60)に裏面から表面にLED72A,82Aからの光(拡散光)が透過する。なお、液晶表示部6のバックライト(不図示)の出力を調整する、または、バックライトよりも高輝度のLEDを使用することで、遊技者が拡散光を視認可能となる。なお、図10(A)では、拡散光を星型の形状で例示している。
【0052】
この拡散光によって、画像による表現とは異なる態様でメイン表示領域61が輝く様子が実現される。しかも、筒状体71,81は回転しているので、拡散光は揺ら揺らとするような動きも生じる。所定の演出2では、この拡散光の輝きで敵モンスタ500が倒れていく(ボーナス入賞した)ことを強調する。
【0053】
なお、上述の拡散光を透過させるのは、液晶パネル60だけでなくてもよい。装飾パネル9が配置されている筐体2の壁面部分を透過部材で形成して、装飾パネル9からも透過させるようにしてもよい。そして、この拡散光を透過させる際は、装飾パネル9内部のLEDを消灯すればよい。これにより、液晶パネル60よりも大きな領域で拡散光の演出を実現することができる。また、シャッタ66F.66Rの領域FB,RBも透過領域とし、図10(B)に示すようなメイン表示領域61全体に拡散光を透過させる構成としてもよい。
【0054】
次に、所定の演出2の実行処理について図11を参照して説明する。この実行処理は、所定の演出1と一部を除いて同様であり、以下、異なる処理部分(ステップS37,S38)のみ説明する。
【0055】
第2制御部200は、ステップS10〜S16と同様の処理(ステップS30〜S36)を実行し、ステップS36の処理において、ボーナス入賞したと判断した場合、照明装置7,8を駆動する(ステップS37)。すなわち、筒状体71,81を回転させ、LED72A,82Aを点灯する。次に、第2制御部200は、上述したステップS17の処理と同様に、ボーナス入賞用画像のメイン表示領域61Aへの表示処理を行う(ステップS38)。このとき、必要に応じてバックライトの出力設定を行う。
【0056】
そして、ボーナス入賞用画像の表示が終了するまで(ステップS39でYES)、ステップS37,S38の処理を継続して実行する。その後、ステップS19と同様の処理(ステップS40)を行う。また、ステップS36の処理において、ボーナス入賞ではないと判断した場合も、ステップS20,S21と同様の処理(ステップS41、S42)を行う。
【0057】
以上のように、演出用の画像を表示する表示領域(メイン表示領域61)を、遊技の進行に基づいて複数のリール3の透過領域(透過窓領域63)を含まない第1形態から透過領域を含む第2形態に拡大変形させるので、リール3の図柄表示が隠れる程度に拡大された大画面の表示領域に演出用の画像が表示される。このように演出の途中で表示領域が拡大変形することで、遊技者に演出に対する強いインパクトを与えることができる。
【0058】
また、筐体内に配置した照明装置7,8から筐体前面に透過する光を、画像による所定の演出と連動させているので、従来とは異なる画像演出を遊技者に提供することができ、遊技者に斬新な感覚を与えることができる。特に、遊技者からは光原を直接視認できない状態であり且つ画像による表現でもないのに輝いているように視認できるので、遊技者は非常に興味が惹かれることとなる。
【0059】
なお、この実施形態では、所定の演出中の所定タイミングにおいてのみ照明装置7,8が駆動されるが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、遊技者が遊技をしていない待機状態にある場合に駆動してもよい。これにより、遊技台が輝いているように見え、遊技する台を探しているような遊技者に興味を抱かせることができる。また、上述の演出以外の演出に用いてもよく、メイン表示領域61が第1形態である場合でもよい。
【0060】
また、この実施形態では、照明装置7,8による拡散光を液晶パネル60に透過させているが、上述した装飾パネル9のみ透過させるようにしてもよく、筐体2前面側のいずれかで透過させられればよい。また、照明装置7,8の筒状体71の回転速度は、一定でなくてもよい。たとえば、演出の種類に応じて変更すればよい。また、LED72A,82Aの輝度や色についても一定でなくてもよい。また、照明装置7,8を交互に駆動するなど、同時に駆動しなくてもよい。
【0061】
さらに、この実施形態では、スリット73を有する筒状体71を用いて拡散光を生成しているが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、周面全体に複数の鏡の小片を貼付した球形状のミラーボールを用いてもよい。この場合、このミラーボールに向けてLED等の光を照射すればよい。
【0062】
最後に、この実施形態では、パチスロ機について説明したが、特にこれに限定されるものではない。パチンコ機などの遊技機であってもよい。たとえば、パチンコ機のリーチ演出などに本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 遊技機
2 筐体
3(3A,3B,3C) リール
4 操作部
6 液晶表示装置
7,8 照明装置
60 液晶パネル
61 メイン表示領域
62 サブ表示領域
71,81 筒状体
72,82 発光部
72A,82A LED
100 第1制御部
200 第2制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11