【解決手段】包装容器1は、長手の筒状で両端が開口した外スリーブ2と、外スリーブ2にスライド可能に内包された内容器3とを有する。内容器3は、内容物としての複数のガム23を長手方向X1に並べて収容可能な長手の収容空間24を有する。外スリーブ2から一端側25が引き出されることにより、引き出された一端側25にガム23を取り出すための取出口27が現れる構成である。内容器3の他端側端面としての後面15には、収容したい物を収容空間24へ挿入でき、挿入した物が戻り出ることのない一方向入口30が設けられている。
前記内容器は、一枚のブランクから組み立てられ、底壁と、底壁の左右両側縁に連接されて折り曲げられる左右側壁と、底壁の他方端縁に連設されて折り曲げられる後端壁と、左右側壁の他方端縁にそれぞれ連設されて折り曲げられる一対のフラップ片と、を含み
前記後端壁には、前記一方向入口を開口するときに除去可能な穴蓋がミシン目で繋がるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装容器。
前記フラップ片の回動防止構造は、前記容器の一方端面側の面壁に形成され、ミシン目で繋がっていて、前記一方向入口を開口するときに除去可能な穴蓋を含むことを特徴とする、請求項4に記載の包装容器。
【背景技術】
【0002】
菓子を喫食する際、剥がした包み紙や、ガムを噛み終わったカスなど不要なものが発生する。このような菓子の喫食中や喫食後に不要になったものを収容できる機能を付与した菓子用の包装容器が、従来より提案されている。
包装容器を長尺の直方体形状に形成し、長手方向の一端に、菓子を取り出すための開閉可能な取出口を設け、他端には、不要になったものを内部に挿入するための開閉可能な入口を設けている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0003】
特許文献1では、包装容器を、筒状の外箱と、この外箱内をスライド可能な内箱とで構成する。内箱をスライドさせて、外箱の上面の開口と、内箱の上面の開口とを互いに連通させることで、前記入口が開くようになっている。
特許文献2では、包装容器を、筒状の外箱と、この外箱内をスライド可能な内箱とで構成する。内箱の他端に、入口を覆うフラップ状の蓋と、この蓋に連設された差込片とを設け、蓋を開くことで、不要になったものを内部に入れることができる。
【0004】
特許文献3では、包装容器の一端が、取出口を覆う開閉可能なフラップ状の蓋と、この蓋に連設された差込片とを有している。蓋を開くことで、内部にある菓子を取り出すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1〜3の従来品には、使い勝手が悪いという課題があった。
そこで、この発明の目的は、使い勝手の向上した包装容器を提供することである。より具体的には、収容したいものを容易に収容でき、かつ組立が容易な包装容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、長手の筒状で、両端が開口した外スリーブと、前記外スリーブにスライド可能に内包された内容器とを備え、前記内容器は、内容物を長手方向に並べて収容可能な長手の収容空間を有し、前記外スリーブから一端側が引き出されることにより、引き出された一端側に内容物を取り出すための取出口が現れる構成であり、前記内容器の他端側端面には、収容したい物を前記収容空間へ挿入でき、挿入した物が戻り出ることのない一方向入口が備えられていることを特徴とする包装容器である。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記内容器は、底面、左右側面、前面および後面を有し、上面は開放された舟形形状であることを特徴とする請求項1に記載の包装容器である。
請求項3記載の発明は、前記内容器は、一枚のブランクから組み立てられ、底壁と、底壁の左右両側縁に連接されて折り曲げられる左右側壁と、底壁の他方端縁に連設されて折り曲げられる後端壁と、左右側壁の他方端縁にそれぞれ連設されて折り曲げられる一対のフラップ片と、を含み、前記後端壁には、前記一方向入口を開口するときに除去可能な穴蓋がミシン目で繋がるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装容器である。
【0009】
請求項4記載の発明は、外側にフラップ片の回動防止構造を有し、その内側にフラップ片が備えられた容器であって、前記フラップ片の回動防止構造と前記フラップ片とにより、挿入した物が戻り出ることのない一方向入口が形成されていることを特徴とする、包装容器である。
請求項5記載の発明は、前記一方向入口は、前記容器の一方端面側に形成され、前記容器の反対方向端面側には、内容物を取り出すための取出口が備えられていることを特徴とする、請求項4に記載の包装容器である。
【0010】
請求項6記載の発明は、前記フラップ片の回動防止構造は、前記容器の一方端面側の面壁に形成され、ミシン目で繋がっていて、前記一方向入口を開口するときに除去可能な穴蓋を含むことを特徴とする、請求項4に記載の包装容器である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、使い勝手が向上した包装容器を提供することができる。すなわち、内容器を外スリーブに対してスライドさせることで、取出口から内容物を容易に取り出すことができる。逆向きに内容器をスライドさせることで、取出口を閉じることができる。 また、包装材やガムの噛みカス等の収容したい物が生じたときには、これを他端側端面の一方向入口から収容空間に容易に入れることができ、しかも、入れたものが包装容器からこぼれることもない。内容器が舟形形状の場合には、内容物をより一層容易に取り出すことができる。また、ブランクに、フラップ片と、ミシン目で繋がった穴蓋とを形成する場合には、一方向入口を実用的に構成できる。
【0012】
さらに、容器の構成要素が少ないため、容易に容器を組み立てることができる。
なお、一方向入口から収容できるものとしては、包装材やガムの噛みカス以外にも、補充用の内容物(例えばガム、キャンディ、チョコレート、ビスケット、スナック等の食品等)も挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1(A)は、この発明の一実施形態に係る包装容器1の一端側から見た斜視図であり、外スリーブ2から内容器3の一部を引き出した状態を示し、
図1(B)は、包装容器1を他端側から見た斜視図である。
【
図2】
図2(A)は、包装容器1の他端側の拡大斜視図であり、噛みカス33を一方向入口30から入れようとしている状態を示し、
図2(B)は、包装容器1の他端側の拡大斜視図であり、噛みカス33が
図2(A)に示す状態よりも奥側に入った状態を示す。
【
図3】
図3(A)は、包装容器1の他端側を上から見た断面図であり、噛みカス33が一方向入口30を通過中の状態を示し、
図3(B)は、この状態の包装容器1の他端側を左右方向から見た断面図であり、
図3(C)は、包装容器1の他端側を上から見た断面図であり、噛みカス33が一方向入口30を通過後の状態を示す。
【
図4】
図4(A)は、外スリーブ2のブランク40の平面図であり、
図4(B)は、内容器3のブランク41の平面図である。
【
図5】
図5(A)は、この発明の別の実施形態の全体斜視図で、一方向入口を開いた組み立て前の状態を示す図であり、
図5(B)は、
図5(A)の容器を組み立てた状態における縦断面図である。
【
図6】
図6(A)は、この発明のさらに別の実施形態の全体斜視図で、一方向入口を開いた組み立て前の状態を示す図であり、
図6(B)は、
図6(A)の容器を組み立てた状態における縦断面図である。
【
図7】
図7(A)は、この発明のさらに別の実施形態の全体斜視図で、一方向入口を開いた組み立て前の状態を示す図であり、
図7(B)は、
図7(A)の容器を組み立てた状態における縦断面図である。
【
図8】
図8は、フラップ片が4枚の構成例を示す実施例であり、(A)は図解的な斜視図、(B)は平面図である。
【
図9】
図9は、フラップ片が3枚の構成例を示す実施例であり、(A)は図解的な斜視図、(B)は平面図である。
【
図10】
図10は、フラップ片が1枚の構成例を示す実施例であり、(A)は図解的な斜視図、(B)は平面図である。
【
図11】
図11は、内容器の形態を、
図7に示すような四角柱から六角柱に変更し、6枚のフラップ片866を設けた実施例であり、(A)は図解的な斜視図、(B)は平面図である。
【
図12】
図12は、一方向入口の構成要素である穴蓋に代えて、フラップ片の回動防止構造としての外側コーナー部ガイド121を設けた実施例を示す図解的な斜視図である。
【
図13】
図13は、一方向入口の構成要素である穴蓋に代えて、フラップ片の回動防止構造としての外側コーナー部ガイド131を設けた実施例を示す図解的な斜視図である。
【
図14】
図14は、この発明のさらに変形例を示す図であり、(A)は図解的な斜視図、(B)は平面図である。
【
図15】
図15は、さらに他の実施例で、
図14に示す四角柱の容器を六角柱の容器70とした構造であり、(A)は図解的な斜視図、(B)は平面図である。
【
図16】
図16(A),(B),(C)は、フラップ片101,102の形状の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下には、この発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
以下に説明する実施形態では、包装容器の一例として、内容物がガムである場合の包装容器であって、ガムの噛みカスを収容可能なものを取り上げて説明する。なお、この発明は、ガム用の包装容器に限定されるものではない。例えば、内容物としては、ガム以外の菓子、例えば、チョコレート、チョコレート菓子、キャンディ、グミ、錠菓、ビスケット、スナック、煎餅、和菓子等でもよい。また、ガムの噛みカスを、開封後に内部に収容したいものの一例として説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、内容物の包装材や、当該包装容器を包む包装材等の不要物であってもよい。更に、内部に収容したいものの一例としては、補充用の内容物(例えばガム、キャンディ、チョコレート、ビスケット、スナック等の食品等)であってもよい。
【0015】
図1(A)は、この発明の一実施形態に係る包装容器1の一端側から見た斜視図であり、外スリーブ2から内容器3の一部を引き出した状態を示し、
図1(B)は、包装容器1を他端側から見た斜視図である。
図1(A)を参照して、包装容器1は、長手の筒状で両端が開口した外スリーブ2と、外スリーブ2の長手方向X1にスライド可能に内包された内容器3とを備えている。
【0016】
外スリーブ2は、断面矩形の筒形状をなし、この筒形状の軸線に沿って長く形成されている。外スリーブ2は、長手方向X1の両側に開放されている。具体的には、外スリーブ2は、紙製であり、底壁6と、底壁6の左側縁から立ち上がる左側壁7と、底壁6の右側縁から立ち上がり左側壁7に対向する右側壁8と、左右側壁7,8の上縁にそれぞれ連接されて底壁6に対向する上壁9とを有している。
【0017】
内容器3は、外スリーブ2の内面と同形状をなし、スライド方向に長い舟形形状をなしている。内容器3は、底面11、左側面12、右側面13、前面14および後面15を有している。内容器3は、断面溝形で、内容器3の上面は開放されている。
具体的には、内容器3は、紙製の以下の各壁を有している。内容器3は、底面11を形成する底壁17と、底壁17の左側縁17aから立ち上がった左側壁18と、底壁17の右側縁17bから立ち上がり左側壁18に対向する右側壁19と、底壁17の一端側にある前側縁17cから立ち上がった前端壁20と、底壁17の他端側にある後側縁17dから立ち上がり前端壁20に対向する後端壁21とを有している。左側壁18、右側壁19、前端壁20および後端壁21に、それぞれ対応して左側面12、右側面13、前面14および後面15が形成されている。
【0018】
内容器3は、舟形形状の内側に区画された長手の収容空間24を有している。収容空間24には、内容物としての複数個のガム23が、長手方向X1に並べて収容可能である。ガム23は、粒状であり、包装紙により個包装されており、予め定められた個数のガム23が収容空間24を満たした状態で、商品として販売される。
内容器3の一端側25が外スリーブ2から引き出されることにより(内容器3の他端側26を一端側25へ向けて押してもよい)、引き出された一端側25にガム23を取り出すための取出口27が現れる構成とされている。この取出口27は、内容器3の一端側25における上方に開放された上面が、外スリーブ2の一端側としての前側の端部から突出して露出されることで形成される。取出口27を通じて、ガム23を容易に取り出すことができる。
【0019】
内容器3の一端側25をスライドさせて外スリーブ2内に戻すことにより、取出口27は塞がれる。
図1(B)を参照して、内容器3の他端側端面としての後面15には、一方向入口30が備えられている。この一方向入口30は、収容したい物、例えば、ガム23の噛みカスを収容空間24内へ挿入できるとともに、一旦挿入した噛みカスが戻り出ることのないようになっている。
【0020】
一方向入口30は、内容器3の後面15に形成された開口31と、この開口31を塞ぐように収容空間24内側に設けられた開閉可能な開閉扉としての一対のフラップ片32とを有している。
図2(A)は、包装容器1の他端側の拡大斜視図であり、噛みカス33を一方向入口30から入れようとしている状態を示し、
図2(B)は、包装容器1の他端側の拡大斜視図であり、噛みカス33が
図2(A)に示す状態よりも奥側に入った状態を示す。
【0021】
図2(A)および
図2(B)を参照して、噛みカス33を一方向入口30の外側から押し込むことで、フラップ片32は押されて回動する。これにより、開口31に、噛みカス33を通すことができる隙間が形成され、噛みカス33は押されながら内部に入る。
図3(A)は、包装容器1の他端側を上から見た断面図であり、噛みカス33が一方向入口30を通過中の状態を示し、
図3(B)は、この状態の包装容器1の他端側を左右方向から見た断面図であり、
図3(C)は、包装容器1の他端側を上から見た断面図であり、噛みカス33が一方向入口30を通過後の状態を示す。
【0022】
図3(A)および
図3(B)を参照して、フラップ片32は、一対で設けられ、内容器3の左右側壁18,19の他方側端縁18a,19aから屈曲状にそれぞれ連設されている。
また、内容器3は、後端壁21の上端縁から屈曲状に連設された舌片34を有している。舌片34は、フラップ片32が開くときに、フラップ片32の上端と接するようになっている。舌片34は、フラップ片32が開くのを抑制するように作用する。
【0023】
図3(A)および
図3(C)を参照して、一対のフラップ片32は、他方側端縁18a,19aを回転の中心軸線として回転でき、可動端が互いに近接した閉じた状態(
図3(C)に示す状態)と、可動端が互いに遠ざかった開いた状態(
図3(A)に示す状態)との間で変位できる。フラップ片32は、開いた状態では、他方側端縁18a,19a近傍部分の弾性復元力により閉じた状態に向けて自律的に戻るように構成されている。その結果、噛みカス33が一対のフラップ片32の間の隙間を通過した後、フラップ片32は閉じる向きに回転する。従って、挿入された噛みカス33が戻ることは阻止される。
【0024】
また、噛みカス33を一方向入口30から入れると、その近くにある収容物、例えば、ガム23(既に中にある噛みカス33でもよい)を押して、収容空間24の一端側に向けて移動させることができる。その結果、収容空間24内のガム23を取出口27から取り出し易くなる。
次に、外スリーブ2および内容器3の製造方法の一例を説明する。
【0025】
図4(A)は、外スリーブ2のブランク40の平面図であり、
図4(B)は、内容器3のブランク41の平面図である。
図1(A)と
図4(A)を参照して、外スリーブ2は、一枚のブランク40から組み立てられてなる。
ブランク40は、外スリーブ2の展開形状を有する板であり、組立品としての外スリーブ2の対応部分を有している。すなわち、ブランク40は、底壁6と、底壁6の左右両側縁に連接されて折り曲げられる左右側壁7,8と、上壁9と、右側壁8および上壁9を互いに接合するための糊代42とを有している。ブランク40の折り線43に沿って折り曲げて、筒状に形成し、右側壁8および上壁9を糊代42で互いに接合する。これにより、外スリーブ2が完成する。
【0026】
図1(B)と
図4(B)を参照して、内容器3は、一枚のブランク41から組み立てられてなる。
ブランク41は、内容器3の展開形状を有する板であり、組立品としての内容器3の対応部分を有している。すなわち、ブランク41は、底壁17と、底壁17の左右両側縁に連接されて折り曲げられる左右側壁18,19と、底壁17の一方端縁に連設されて折り曲げられる前端壁20と、底壁17の他方端縁に連設されて折り曲げられる後端壁21と、左右側壁18,19の一方端縁にそれぞれ連設されて折り曲げられる一対のフラップ片45と、前端壁20の上縁に連接されて折り返される舌片46と、左右側壁18,19の他方端縁にそれぞれ連設されて折り曲げられる上述した一対のフラップ片32と、後端壁21の上縁に連接されて折り返される上述した舌片34と、を含んでいる。
【0027】
ブランク41の折り線47に沿って折り曲げて、舟形形状に形成する。これとともに、フラップ片45と舌片46とを根元の折り線48,49で曲げて、前端壁20と舌片46とで、フラップ片45を挟む。フラップ片32と舌片34とを根元の折り線50,51で曲げて、後端壁21と舌片34とで、フラップ片32を挟む。これにより、内容器3が完成する。
【0028】
後端壁21には、一方向入口30を開口するときに除去可能な穴蓋53がミシン目54で繋がるように形成されている。ガムの販売時には、穴蓋53は後端壁21に繋がっており、一方向入口30は塞がっている。一方向入口30を利用しようとするときに、穴蓋53は除去される。これにより、一方向入口30の開口31が形成され、ここから噛みカス33を押し込むことができるようになる。
【0029】
なお、除去された穴蓋53を、そのまま収容空間24内に押し込むことで、ガム23と噛みカス33との間の仕切り壁として使用することもできる。また、穴蓋53が最初から除去された状態で包装容器1を構成し、包装容器1の上からセロハン掛けなどのオーバーラップ処理を行って、製品として販売することもできる。
このように、この実施形態によれば、使い勝手が向上した包装容器1を提供することができる。すなわち、内容器3を外スリーブ2に対してスライドさせることで、取出口27から内容物を容易に取り出すことができる。逆向きに内容器3をスライドさせることで、取出口27を閉じることができる。また、包装材やガムの噛みカス33等の収容したい物が生じたときには、これを他端側端面としての後面15の一方向入口30から収容空間24に容易に入れることができ、しかも、入れたものが包装容器1からこぼれ出ることもない。
【0030】
内容器3が舟形形状であるので、ガム23をより一層容易に取り出すことができる。
また、ブランク41に、一対のフラップ片32と、ミシン目54で繋がった穴蓋53とを形成することで、一方向入口30を実用的に構成できる。更に、包装容器1の構成要素が少ないため、容易に包装容器1を組み立てることができる。
なお、外スリーブ2および内容器3の少なくとも一方は、紙以外の材料、例えば、金属、合成樹脂等により形成することもできる。
【0031】
次の、この発明の別態様の実施形態について説明する。
図5(A)は、この発明の別の実施形態の全体斜視図で、一方向入口を開いた組み立て前の状態を示す図であり、
図5(B)は、
図5(A)の容器を組み立てた状態における縦断面図である。
図6(A)は、この発明のさらに別の実施形態の全体斜視図で、一方向入口を開いた組み立て前の状態を示す図であり、
図6(B)は、
図6(A)の容器を組み立てた状態における縦断面図である。また、
図7(A)は、この発明のさらに別の実施形態の全体斜視図で、一方向入口を開いた組み立て前の状態を示す図であり、
図7(B)は、
図7(A)の容器を組み立てた状態における縦断面図である。
【0032】
図5ないし
図7を参照して、この発明の別形態としては、
図5に示されるように、いわゆる直サック箱(キャラメル箱)タイプを例示することができる。すなわち、直方体状の容器60の一端面側61に、1枚の蓋板62と2枚のフラップ片(一対のフラップ)63,64を設け、外方に位置する蓋板62に穴蓋65(ハッチングを付して示している)を設け、内部に位置する2枚のフラップ片63,64と併せて一方向入口66を構成した形態となっている。この場合、容器60の他方側面側(底面部分)67に内容物の取出口(不図示)が形成される。
【0033】
また、
図6に示されるように、直方体状の容器70の一端面側71に、4枚のフラップ片72,73,74,75を設け、外方に位置する2枚のフラップ片72,73のそれぞれに穴蓋76,77を設けた上でフラップ片72,73同士の接着を行い、内部に位置する2枚のフラップ片74,75と併せて一方向入口78を構成した形態とすることもできる。この場合も、容器70の他方側面側(底面部分)79に内容物の取出口(不図示)が形成される。
【0034】
さらに、
図7に示されるように、身となる直方体状の内容器80の一端面側81に2枚のフラップ片82,83を設け、内容器80の上面と前後側壁、左右側壁を覆う蓋となる外容器84の上面壁85に穴蓋86を設けて、内部に位置する内容器80の2枚のフラップ片82,83と併せて一方向入口87を構成した形態とすることもできる。この場合も、内容器80の他方側面側(底面部分)88に内容物の取出口(不図示)が形成される。
【0035】
図8〜16を参照して、この発明のさらに変形例を説明する。
まず、この発明の構成要素である一方向入口を構成するフラップ片は、上述の各実施例のように1対(2枚)の構成以外に、1枚、または3枚以上とすることもできる。また、一方向入口を構成する穴蓋は、フラップ片が容器の外方に飛び出ようと回動するのを防止するような構造であればよい。すなわち「フラップ片の回動防止構造」であれば、穴蓋以外の構成であってもよい。
【0036】
図8は、フラップ片が4枚の構成例を示す実施例である。
図8においては、
図7の実施例の一対のフラップ片82,83が、4枚のフラップ片841,842,843,844に変更された形態をしている。
図9は、フラップ片が3枚の構成例を示す実施例であり、
図5の実施例の一対のフラップ片63,64が、3枚のフラップ片631,632,633に変更された形態である。
【0037】
図10は、フラップ片が1枚の構成例を示す実施例であり、
図5の実施例の一対のフラップ片63,64が、1枚のフラップ片634に変更された形態である。
図11は、内容器の形態を、
図7に示すような四角柱から六角柱に変更し、6枚のフラップ片866を設けた実施例である。なお、内容器の形態には特に制限は無く、同様の構造をとるならば、三角柱や五角柱、八角柱などであっても良い。
【0038】
また、
図12および
図13に示すように、一方向入口の構成要素である穴蓋に代えて、フラップ片の回動防止構造としての外側コーナー部ガイド121,131を設けてもよい。
図12に示すように、フラップ片の基端側の外側の四隅に設けられた外側コーナー部ガイド121は、外部から物を収容でき、かつフラップ片が容器の外方に飛び出ようとするのを防止するような一方向入口を形成する構成要素となりうる。また、
図13に示すように、一対のフラップ片の両方の側辺部分を覆うように外側コーナー部ガイド131を設けた形態としてもよい。さらに、
図13において、外側コーナー部ガイド131はいずれか一方の側辺部分のみを覆う形であってもよい。
【0039】
また、
図12,13において、外側コーナー部ガイド121,131の素材としては、紙、金属、合成樹脂などを例示することができる。また、図示はしないが、外側コーナー部ガイド121,131に代えて、糸もしくは糸状の物(例えばビニールひも、針金など)を張って、フラップ片が容器の外方に飛び出ようとするのを防止するような構造としても良い。更には、図示はしないが、一対のフラップ片ではなく、1枚もしくは3枚以上のフラップ片に対して、フラップ片が容器の外方に飛び出ようとするのを防止するようなガイドや糸状の物を設ける構造としても良い。
【0040】
図14は、この発明のさらに変形例を示す図である。
図14の実施例では、四角柱の容器70に蓋を2枚設け、一方の蓋にフラップの代わりとなる放射状の切れ込み771を設けて内方に位置する蓋72とし、穴蓋77を設けた方の蓋73を外方に位置する蓋として折り込んだ構造となっている。
図15は、さらに他の実施例で、
図14に示す四角柱の容器を六角柱の容器70とした構造である。
【0041】
なお、
図14,15の実施例において、蓋に形成した放射状の切れ込み771の数は、中心点から3本以上設けてあるならば何本でも構わない。また、角柱の種類にも特に制限は無い。
図16は、フラップ片101,102の形状の変形例を示す。フラップ片101,102を2枚以上設ける場合、相対する(隣接する)フラップ片101,102の各辺は必ずしもお互いに直線である必要はなく、曲線や波形線など、様々な形状とすることができる。
【0042】
この発明は、以上説明した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。