特開2016-138093(P2016-138093A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-138093(P2016-138093A)
(43)【公開日】2016年8月4日
(54)【発明の名称】ミノキシジル含有液剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/506 20060101AFI20160708BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20160708BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20160708BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20160708BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20160708BHJP
   A61K 47/16 20060101ALI20160708BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20160708BHJP
【FI】
   A61K31/506
   A61K9/08
   A61P17/14
   A61K47/22
   A61K47/20
   A61K47/16
   A61K47/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-6731(P2016-6731)
(22)【出願日】2016年1月18日
(31)【優先権主張番号】特願2015-10775(P2015-10775)
(32)【優先日】2015年1月23日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】坂本 小織
(72)【発明者】
【氏名】山本 桃子
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD48U
4C076DD49U
4C076DD55U
4C076DD60U
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC42
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA03
4C086ZA92
(57)【要約】
【課題】
ミノキシジルを溶液状態で保存すると経時的に着色しやすいという欠点があったことから、商品価値の低下を招くおそれがあった。本発明は、特定の色素を配合することにより、上記のような不利益がなく、継時的な着色及び沈殿防止効果を有する、品質が良好なミノキシジル含有液剤を提供することを課題とする。
【解決手段】
ミノキシジル、並びに、黄色色素、アゾ系赤色色素、橙色205号及び橙色402号からなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする液剤。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミノキシジル、並びに、黄色色素、アゾ系赤色色素、橙色205号及び橙色402号からなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする液剤。
【請求項2】
黄色色素が、黄色4号、黄色5号、黄色201号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色204号、黄色205号、黄色401号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色404号、黄色405号、黄色406号及び黄色407号からなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載の液剤。
【請求項3】
アゾ系赤色色素が、赤色2号、赤色102号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色225号、赤色227号、赤色228号、赤色404号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号及び赤色506号からなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載の液剤。
【請求項4】
ミノキシジルの含有量が1w/v%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の液剤。
【請求項5】
色素の含有量が5w/v%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の液剤。
【請求項6】
液剤のpHが4.5〜9.5である請求項1〜5のいずれかに記載の液剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経時的な着色を防止したミノキシジル含有液剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ミノキシジルは、外用塗布により優れた育毛・発毛効果を発揮する薬剤であり、ローション又はエアゾールタイプのミノキシジル含有外用剤が国内外で市販されている(特許文献1参照)。しかしながら、ミノキシジルを溶液状態で保存すると経時的に着色しやすいという欠点があり、商品価値の低下を招くおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−25770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ミノキシジルを配合した液剤の継時的な着色を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般的に着色しやすい成分を液剤に配合するには、色素などをあらかじめ配合することにより、色変化を目立たなくすることが考えられる。しかしながら、ミノキシジル含有液剤にあっては色素を配合すると、光によりミノキシジルと色素が反応し沈殿を生じる場合や、更には熱または光によって、着色を防止するどころかむしろ色変化が目立つ場合があることを本発明者らは発見した。
【0006】
そこで、この問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の色素を配合したミノキシジル含有液剤は、上記のような不利益がなく、継時的な着色及び沈殿防止効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。かかる知見により得られた本発明の態様は次のとおりである。
【0007】
(1)ミノキシジル、並びに、黄色色素、アゾ系赤色色素、橙色205号及び橙色402号からなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする液剤、
(2)黄色色素が、黄色4号、黄色5号、黄色201号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色204号、黄色205号、黄色401号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色404号、黄色405号、黄色406号及び黄色407号からなる群から選ばれる1種以上である前記(1)の液剤、
(3)アゾ系赤色色素が、赤色2号、赤色102号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色225号、赤色227号、赤色228号、赤色404号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号及び赤色506号からなる群から選ばれる1種以上である前記(1)の液剤、
(4)ミノキシジルの含有量が1w/v%以上である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の液剤、
(5)色素の含有量が5w/v%以下である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の液剤、
(6)液剤のpHが4.5〜9.5である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の液剤である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の液剤に含まれるミノキシジルの含有量は、1w/v%以上、好ましくは、3w/v%以上、より好ましくは、5w/v%以上である。
【0009】
本発明の色素は、合成色素又は天然色素であってもよく、可視光域における極大波長が395nm〜527nmであるものが好ましい。
【0010】
本発明の黄色色素としては、黄色4号(別名タートラジン)、黄色5号(別名サンセットイエローFCF)、黄色201号(別名フルオレセイン)、黄色202号の(1)(別名ウラニン)、黄色202号の(2)(別名ウラニンK)、黄色203号(別名キノリンイエローWS)、黄色204号(別名キノリンイエローSS)、黄色205号(別名ベンチジンイエローG)、黄色401号(別名ハンサイエロー)、黄色402号(別名ポーライエロー5G)、黄色403号の(1)(別名ナフトールイエローS)、黄色404号(別名イエローAB)、黄色405号(別名イエローOB)、黄色406号(別名メタニルイエロー)、黄色407号(別名ファストライトイエロー3G)が好ましく、特に好ましくは、黄色4号(別名タートラジン)、黄色5号(別名サンセットイエローFCF)、黄色203号(別名キノリンイエローWS)、黄色406号(別名メタニルイエロー)、黄色407号(別名ファストライトイエロー3G)である。これらは1種のみが用いられても良く、2種以上が併用されてもよい。
【0011】
本発明のアゾ系赤色色素としては、赤色2号(別名アマランス)、赤色102号(別名ニューコクシン)、赤色201号(別名リソールルビンB)、赤色202号(別名リソールルビンBCA)、赤色203号(別名レーキレッドC)、赤色204号(別名レーキレッドCBA)、赤色205号(別名リソールレッド)、赤色206号(別名リソールレッドCA)、赤色207号(別名リソールレッドBA)、赤色208号(別名リソールレッドSR)、赤色219号(別名ブリリアントレーキレッドR)、赤色220号(別名ディープマルーン)、赤色221号(別名トルイジンレッド)、赤色225号(別名スダンIII)、赤色227号(別名ファストアシッドマゲンタ)、赤色228号(別名パーマトンレッド)、赤色404号(別名ブリリアントファストスカーレット)、赤色405号(別名パーマネントレッドF5R)、赤色501号(別名スカーレットレッドNF)、赤色502号(別名ポンソー3R)、赤色503号(別名ポンソーR)、赤色504号(別名ポンソーSX)、赤色505号(別名オイルレッドXO)、赤色506号(別名ファストレッドS)が好ましく、特に好ましくは、赤色2号(別名アマランス)、赤色225号(別名スダンIII)である。これらは1種のみが用いられても良く、2種以上が併用されてもよい。
【0012】
本発明の橙色205号は別名オレンジIIと称し、橙色402号は別名オレンジIと称する橙色色素である。これらは1種のみが用いられても良く、2種以上が併用されてもよい。
【0013】
本発明の液剤に含まれる色素の含有量は、5w/v%以下、好ましくは、3w/v%以下、より好ましくは、0.0001〜0.1w/v%以下である。
【0014】
本発明の液剤のpHは、4.5〜9.5、好ましくは、4.9〜9.1、より好ましくは、5.5〜8.5である。
【0015】
本発明の液剤は、ローション剤、ゲル剤、エキス剤、酒精剤、チンキ剤、リニメント剤、エアゾール剤が含まれる。さらに、ローション、ヘアトニック、ヘアリキッド等の化粧料も本発明の液剤に含まれる。
【実施例】
【0016】
以下に、実施例、比較例及び試験例を記載し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら制約されるものではない。
【0017】
(実施例1)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液44mLに赤色2号(アゾ系)0.0044gを添加し、撹拌溶解してミノキシジル-赤色2号0.01w/v%溶液を調製した。さらに、ミノキシジル-赤色2号0.01w/v%溶液4mLをミノキシジル溶液36mLに添加混合することにより、ローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は527nmであった。
【0018】
(実施例2)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液44mLに赤色225号(アゾ系)0.0044gを添加し、撹拌溶解してミノキシジル-赤色225号0.01w/v%溶液を調製した。さらに、ミノキシジル-赤色225号0.01w/v%溶液4mLをミノキシジル溶液36mLに添加混合することにより、ローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は512nmであった。
【0019】
(実施例3)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液44mLに黄色4号(アゾ系)0.0044gを添加し、撹拌溶解してミノキシジル-黄色4号0.01w/v%溶液を調製した。さらに、ミノキシジル-黄色4号0.01w/v%溶液4mLをミノキシジル溶液36mLに添加混合することにより、ローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は431nmであった。
【0020】
(実施例4)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液44mLに黄色5号(アゾ系)0.0044gを添加し、撹拌溶解してミノキシジル-黄色5号0.01w/v%溶液を調製した。さらに、ミノキシジル-黄色5号0.01w/v%溶液4mLをミノキシジル溶液36mLに添加混合することにより、ローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は486nmであった。
【0021】
(実施例5)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液44mLに黄色203号(キノリン系)0.0044gを添加し、撹拌溶解してミノキシジル-黄色203号0.01w/v%溶液を調製した。さらに、ミノキシジル-黄色203号0.01w/v%溶液4mLをミノキシジル溶液36mLに添加混合することにより、ローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は420nmであった。
【0022】
(実施例6)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液44mLに黄色406号(アゾ系)0.0044gを添加し、撹拌溶解してミノキシジル-黄色406号0.01w/v%溶液を調製した。さらに、ミノキシジル-黄色406号0.01w/v%溶液4mLをミノキシジル溶液36mLに添加混合することにより、ローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は423nmであった。
【0023】
(比較例1)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液44mLに赤色3号(キサンテン系)0.0044gを添加し、撹拌溶解してミノキシジル-赤色3号0.01w/v%溶液を調製した。さらに、ミノキシジル-赤色3号0.01w/v%溶液4mLをミノキシジル溶液36mLに添加混合することにより、ローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は539nmであった。
【0024】
(比較例2)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液44mLに赤色106号(キサンテン系)0.0044gを添加し、撹拌溶解してミノキシジル-赤色106号0.01w/v%溶液を調製した。さらに、ミノキシジル-赤色106号0.01w/v%溶液4mLをミノキシジル溶液36mLに添加混合することにより、ローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は561nmであった。
【0025】
(比較例3)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液44mLに赤色213号(キサンテン系)0.0044gを添加し、撹拌溶解してミノキシジル-赤色213号0.01w/v%溶液を調製した。さらに、ミノキシジル-赤色213号0.01w/v%溶液4mLをミノキシジル溶液36mLに添加混合することにより、ローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は551nmであった。
【0026】
(比較例4)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液44mLに青色1号(トリフェニルメタン系)0.0044gを添加し、撹拌溶解してミノキシジル-青色1号0.01w/v%溶液を調製した。さらに、ミノキシジル-青色1号0.01w/v%溶液4mLをミノキシジル溶液36mLに添加混合することにより、ローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は630nmであった。
【0027】
(比較例5)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液44mLに橙色204号0.0044gを添加し、撹拌溶解してミノキシジル-橙色204号(アゾ系)0.01w/v%溶液を調製した。さらに、ミノキシジル-橙色204号0.01w/v%溶液4mLをミノキシジル溶液36mLに添加混合することにより、ローションタイプの液剤を得た。本液剤は調製直後に沈殿が認められた。
【0028】
(比較例6)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.2であった。
【0029】
(試験例1:光安定性試験)
実施例1〜6及び比較例1〜6の試験液を白色蛍光灯光源下で3000Lux×30日間曝光させた。これらの試験液を目視で観察し、色調及び沈殿の有無を確認した。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
(試験例2:熱安定性試験)
実施例1〜6及び比較例1〜6の試験液を65℃(相対湿度成り行き)で14日間保管した。これらの試験液を目視で観察し、色調を確認した。結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
試験例1及び2の結果より、色調の変化がなかったものを○、変化したものを×、沈殿が発生しなかったものを○、沈殿が発生したものを×とした。さらに総合評価として、光及び熱いずれの条件にも安定であったものを○、いずれかの条件に安定でなかったものを×とした。結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】
(実施例7)
ミノキシジル10g、エタノール60gに乳酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%黄色4号(アゾ系)液を50μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは5.4であった。
【0036】
(実施例8)
ミノキシジル10g、エタノール60gに乳酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%黄色203号(キノリン系)液を50μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは5.4であった。
【0037】
(比較例7)
ミノキシジル10g、エタノール60gに乳酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%赤色3号(キサンテン系)液を50μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは5.4であった。
【0038】
(比較例8)
ミノキシジル10g、エタノール60gに乳酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%青色1号(トリフェニルメタン系)液を50μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは5.4であった。
【0039】
(比較例9)
ミノキシジル10g、エタノール60gに乳酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは5.4であった。
【0040】
(試験例3:光安定性試験)
実施例7〜8及び比較例7〜9の試験液を白色蛍光灯光源下で3000Lux×30日間曝光させた。これらの試験液を目視で観察し、色調及び沈殿の有無を確認した。結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
(試験例4:熱安定性試験)
実施例7〜8及び比較例7〜9の試験液を65℃(相対湿度成り行き)で7日間保管した。これらの試験液を目視で観察し、色調を確認した。結果を表5に示す。
【0043】
【表5】
【0044】
試験例3及び4の結果より、色調の変化がなかったものを○、変化したものを×、沈殿が発生しなかったものを○、沈殿が発生したものを×とした。さらに総合評価として、光及び熱いずれの条件にも安定であったものを○、いずれかの条件に安定でなかったものを×とした。結果を表6に示す。
【0045】
【表6】
【0046】
(実施例9)
ミノキシジル8g、エタノール50gに乳酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%黄色4号(アゾ系)液を50μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは4.9であった。
【0047】
(実施例10)
ミノキシジル8g、エタノール50gに乳酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%黄色203号(キノリン系)液を50μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは4.9であった。
【0048】
(比較例10)
ミノキシジル8g、エタノール50gに乳酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%赤色3号(キサンテン系)液を50μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは4.9であった。
【0049】
(比較例11)
ミノキシジル8g、エタノール50gに乳酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%青色1号(トリフェニルメタン系)液を50μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは4.9であった。
【0050】
(比較例12)
ミノキシジル8g、エタノール50gに乳酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは4.9であった。
【0051】
(試験例5:光安定性試験)
実施例9〜10及び比較例10〜12の試験液を白色蛍光灯光源下で3000Lux×30日間曝光させた。これらの試験液を目視で観察し、色調及び沈殿の有無を確認した。結果を表7に示す。
【0052】
【表7】
【0053】
(試験例6:熱安定性試験)
実施例9〜10及び比較例10〜12の試験液を65℃(相対湿度成り行き)で7日間保管した。これらの試験液を目視で観察し、色調を確認した。結果を表8に示す。
【0054】
【表8】
【0055】
試験例5及び6の結果より、色調の変化がなかったものを○、変化したものを×、沈殿が発生しなかったものを○、沈殿が発生したものを×とした。さらに総合評価として、光及び熱いずれの条件にも安定であったものを○、いずれかの条件に安定でなかったものを×とした。結果を表9に示す。
【0056】
【表9】
【0057】
(実施例11)
ミノキシジル5g、プロピレングリコール10g、エタノール60gを精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%黄色4号(アゾ系)液を25μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは9.1であった。
【0058】
(実施例12)
ミノキシジル5g、プロピレングリコール10g、エタノール60gを精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%黄色203号(キノリン系)液を25μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは8.8であった。
【0059】
(実施例13)
ミノキシジル5g、プロピレングリコール20g、エタノール50gを精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%黄色4号(アゾ系)液を25μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは8.8であった。
【0060】
(実施例14)
ミノキシジル5g、プロピレングリコール20g、エタノール50gを精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%黄色203号(キノリン系)液を25μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは8.9であった。
【0061】
(比較例13)
ミノキシジル5g、プロピレングリコール10g、エタノール60gを精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%赤色3号(キサンテン系)液を25μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは8.9であった。
【0062】
(比較例14)
ミノキシジル5g、プロピレングリコール10g、エタノール60gを精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%青色1号(トリフェニルメタン系)液を25μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは8.9であった。
【0063】
(比較例15)
ミノキシジル5g、プロピレングリコール10g、エタノール60gを精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは9.3であった。
【0064】
(比較例16)
ミノキシジル5g、プロピレングリコール20g、エタノール50gを精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%赤色3号(キサンテン系)液を25μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは8.8であった。
【0065】
(比較例17)
ミノキシジル5g、プロピレングリコール20g、エタノール50gを精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%青色1号(トリフェニルメタン系)液を25μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは8.9であった。
【0066】
(比較例18)
ミノキシジル5g、プロピレングリコール20g、エタノール50gを精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは8.9であった。
【0067】
(試験例7:光安定性試験)
実施例11〜14及び比較例13〜18の試験液を白色蛍光灯光源下で3000Lux×30日間曝光させた。これらの試験液を目視で観察し、色調及び沈殿の有無を確認した。結果を表10に示す。
【0068】
【表10】
【0069】
(試験例8:熱安定性試験)
実施例11〜14及び比較例13〜18の試験液を65℃(相対湿度成り行き)で14日間保管した。これらの試験液を目視で観察し、色調を確認した。結果を表11に示す。
【0070】
【表11】
【0071】
試験例7及び8の結果より、色調の変化がなかったものを○、変化したものを×、沈殿が発生しなかったものを○、沈殿が発生したものを×とした。さらに総合評価として、光及び熱いずれの条件にも安定であったものを○、いずれかの条件に安定でなかったものを×とした。結果を表12に示す。
【0072】
【表12】
【0073】
(実施例15)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%橙色205号(アゾ系)液を50μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は486nmであった。
【0074】
(実施例16)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%橙色402号(アゾ系)液を50μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は475nmであった。
【0075】
(実施例17)
ミノキシジル5g、1,3−ブチレングリコール10g、エタノール60gにリン酸適量を添加し、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してミノキシジル溶液を調製した。このミノキシジル溶液50mLに1w/v%黄色407号(アゾ系)液を50μL添加し、撹拌溶解してローションタイプの液剤を得た。液剤のpHは6.1、可視光域における極大波長は395nmであった。
【0076】
(試験例9:光安定性試験)
実施例15〜17の試験液を白色蛍光灯光源下で3000Lux×30日間曝光させた。これらの試験液を目視で観察し、色調及び沈殿の有無を確認した。結果を表13に示す。
【0077】
【表13】
【0078】
(試験例10:熱安定性試験)
実施例15〜17の試験液を65℃(相対湿度成り行き)で14日間保管した。これらの試験液を目視で観察し、色調を確認した。結果を表14に示す。
【0079】
【表14】
【0080】
試験例9及び10の結果より、色調の変化がなかったものを○、変化したものを×、沈殿が発生しなかったものを○、沈殿が発生したものを×とした。さらに総合評価として、光及び熱いずれの条件にも安定であったものを○、いずれかの条件に安定でなかったものを×とした。結果を表15に示す。
【0081】
【表15】
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明により、ミノキシジルと色素が反応して沈殿を生じることなく、且つ経時的な色変化及び沈殿の発生が無い、品質が良好なミノキシジル含有液剤を提供することが可能となった。