【解決手段】タッチ装置100は、タッチセンシング構造110、カバーレンズ120及び指紋識別構造130を備える。カバーレンズ120は対向する第1主表面121と第2主表面122を有する。第1主表面121はタッチ面である。カバーレンズ120は凹溝123を有し、凹溝123が第2主表面122に設けられ且つ頂面124と頂面に隣接する側面125とを有し、頂面と側面との間の夾角が90度より大きい。指紋識別構造130が少なくとも部分的に凹溝123の頂面に設けられる。タッチセンシング構造110が第2主表面122に設けられる。
前記指紋識別構造における前記凹溝の頂面に近接する表面が当該指紋識別構造の頂面であり、前記指紋識別構造の頂面と前記カバーレンズの第1主表面との間の最小距離が50μm〜450μm又は80μm〜400μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のタッチ装置。
前記タッチセンシング構造は、前記カバーレンズに製造されたタッチセンシング電極構造である、又は基板層と当該基板層の一側に設けられるタッチセンシング層とを備えることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のタッチ装置。
前記バッファ層は、前記カバーレンズの側面から前記バッファ層の外表面までの最大厚みが0.03mm〜0.2mmであることを特徴とする請求項17に記載のタッチ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術において、一般的には、該凹溝は立方体の凹溝であり、この形状の凹溝は頂面と側面の勾配が直角であるため、加工形成しにくく、さらに後続の他のユニットを凹溝の側面に付着しづらい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の事情に鑑みて、本発明に係る一実施形態は、タッチ装置であって、タッチセンシング構造、カバーレンズ及び指紋識別構造を備える。カバーレンズは対向する第1主表面と第2主表面を有する。第1主表面はタッチ面である。カバーレンズは凹溝を有し、凹溝が第2主表面に設けられ且つ頂面と頂面に隣接する側面とを有し、頂面と側面との間の夾角が90度より大きい。指紋識別構造が少なくとも部分的に凹溝の頂面に設けられる。タッチセンシング構造が第2主表面に設けられる。
【0007】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、頂面と側面との間の夾角が95度〜175度である。
【0008】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、頂面と側面との間の夾角が110度〜165度である。
【0009】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、指紋識別構造の凹溝頂面に近接する表面が指紋識別構造の頂面であり、指紋識別構造の頂面とカバーレンズの第1主表面との間の最小距離が50μm〜450μmである。
【0010】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、指紋識別構造の頂面とカバーレンズの第1主表面との間の最小距離が80μm〜400μmである。
【0011】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、タッチ装置は、凹溝の頂面と側面を被覆する遮蔽層をさらに備える。
【0012】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、タッチ装置は、指紋識別構造と頂面を被覆する遮蔽層との間に設けられる第1固定層をさらに備える。
【0013】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、第1固定層の厚みが5μm〜50μmである。
【0014】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、遮蔽層の厚みが20μm以下である。
【0015】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、タッチ装置は、指紋識別構造と凹溝の側面を被覆する遮蔽層との間に設けられる第2固定層をさらに備える。
【0016】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、第2固定層が第1固定層とともに凹溝を満たす。
【0017】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、第2固定層が指紋識別構造を被覆する。
【0018】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、指紋識別構造が凹溝の頂面を被覆する遮蔽層に直接接触する。
【0019】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、指紋識別構造がセンシング電極構造である。
【0020】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、センシング電極構造が凹溝及び第2主表面の一部に設けられる。
【0021】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、指紋識別構造が集積回路チップである。
【0022】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、タッチセンシング構造がカバーレンズに製造されるタッチセンシング電極構造である。
【0023】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、タッチセンシング構造が基板層と基板層の一側に設けられるタッチセンシング層とを備える。
【0024】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、カバーレンズが第1主表面と第2主表面を接続する側面をさらに有する。タッチ装置は、第1主表面と第2主表面を接続する側面に設けられるバッファ層をさらに備える。
【0025】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、バッファ層のカバーレンズの側面から該バッファ層の外表面までの最大厚みが0.03mm〜0.2mmである。
【発明の効果】
【0026】
タッチ装置において、カバーレンズに凹溝を設け、指紋識別構造を凹溝に設けることによって、指紋識別構造と指などのタッチ物との間の距離を短縮させる効果を達成し、カバーレンズの凹溝以外の部分は適切な厚みを維持することができ、同時に指紋識別構造の感度とカバーレンズの全体的な構造強度とを両立させる。さらに、凹溝の側面と頂面の夾角が90度より大きく、凹溝を加工形成しやすく、他のユニットを凹溝の側面に形成することに有利であり、タッチ装置の歩留まりを向上させる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明の複数の実施形態を説明し、説明を明らかにするために、数多くの実務上の細部については、以下の記述において一括して説明する。しかしながら、これらの実務上の細部は、本発明を限定するためのものではないことが理解されるべきである。即ち、本発明の一部の実施形態において、これらの実務上の細部は、必要ではない。また、図面を簡素化するために、ある公知の構造とユニットについては、簡単に模式的に図示する。
【0029】
図1は本発明の実施形態に係るタッチ装置100の上面模式図である。
図2は本発明の実施形態に係るタッチ装置100の断面模式図であり、その断面位置は
図1の破線2に沿う。本発明の異なる実施形態はタッチ装置100を提供する。タッチ装置100は、スマートフォン又はタブレットパソコンなどのポータブル装置であってもよい。
【0030】
図1及び
図2に示すように、タッチ装置100は、タッチセンシング構造110、カバーレンズ120、及び指紋識別構造130を備える。カバーレンズ120は対向する第1主表面121と第2主表面122を有する。第1主表面121は使用者がタッチ操作するタッチ面である。タッチセンシング構造110が第2主表面122に設けられる。カバーレンズ120は凹溝123を有し、凹溝123が第2主表面122に設けられ且つ頂面124と頂面124に隣接する側面125とを有し、頂面124と側面125との間の夾角θが90度より大きい。具体的には、凹溝123は第2主表面122が第1主表面121の方向に窪んで形成される。指紋識別構造130は少なくとも部分的に凹溝123の頂面124に設けられる。
【0031】
指紋識別の感度と精度を確保するために、指紋識別構造130と第1主表面121との間の距離が大きすぎてはならず、指紋識別構造130と指などのタッチ物体との間の距離は大きくてはならない。また、カバーレンズ120の強度及び耐衝撃性を確保して、カバーレンズ120の下方に設けられるタッチセンシング構造110などのユニットが外力に破壊されにくいように保護するために、カバーレンズ120の厚みは薄すぎてはならない。従って、凹溝123をカバーレンズ120の第2主表面122に設け、指紋識別構造130を凹溝123内に設けることによって、カバーレンズ120の凹溝123以外の部分は適切な厚みを維持することができ、それにより指紋識別の感度と精度及びタッチ装置100の強度(又はカバーレンズ120の強度)を同時に確保することができる。
【0032】
具体的には、指紋識別構造130がカバーレンズ120に操作する指紋をより高感度に検出できるように、カバーレンズ120の第1主表面121と指紋識別構造130の頂面との間の最小距離Dは50μm〜450μmであってもよく、一部の実施形態において最小距離Dは80μm〜400μmであってもよい。指紋識別構造130の頂面は指紋識別構造130の凹溝123の頂面124に近接する表面である。ただし、カバーレンズ120の第1主表面121に反射防止、防眩又は増透膜などの一層又は多層の機能膜がさらに設けられてもよい。第1主表面121に他の機能膜がさらに設けられる場合、最小距離Dはタッチ物体の実際のタッチ面から指紋識別構造130の頂面までの最小距離であるべきであり、即ち、機能膜のカバーレンズ120から離間する表面から指紋識別構造130の頂面までの最小距離である。
【0033】
頂面124と側面125との間の夾角θが90度より大きいため、凹溝123の側面125に頂面124と第2主表面122を接続する斜面が形成される。立方体形状の凹溝に比べて、カバーレンズ120の加工において、特にカバーレンズ120が硬さの高い材質例えばガラス等である場合、このように斜面を有する凹溝123は第2主表面122に形成しやすい。そのため、カバーレンズ120の製造歩留まりを効果的に向上させる。本発明の1つ又は複数の実施形態において、頂面124と側面125との間の夾角θは95度〜175度又は110度〜165度であってもよい。以上の頂面124と側面125の具体的な実施形態は例示的なものであり、本発明を制限するものではないことを理解すべきであり、当業者は、実際の需要に応じて、頂面124と側面125の具体的な角度又は形状を組み合わせた実施形態を柔軟に選択するべきである。
【0034】
本実施形態において、側面125は平面であるが、それに限定されない。他の実施形態において、側面125は内へ曲がる又は外へ曲がる曲面であってもよい。ただし、側面125が曲面である場合、頂面124と側面125との間の夾角は頂面124と側面125が第2主表面122及び頂面124を接続する両端の接続線との夾角と定義される。
【0035】
本実施形態において、指紋識別構造130は静電容量型指紋識別構造130である。具体的には、指紋識別構造130はセンシング電極構造であり、凹溝123内及び第2主表面122の一部に設けられ、より具体的には、指紋識別構造130は凹溝123の頂面124、側面125及び側面125に接続される第2主表面122の一部に設けられる。凹溝123の頂面124に設けられる指紋識別構造130は使用者の指紋を識別し、第2主表面122の一部に設けられる指紋識別構造130は回線を外付けし、凹溝123の側面125に設けられる指紋識別構造130は凹溝123の頂面124に設けられる指紋識別構造130と第2主表面122の一部に設けられる指紋識別構造130とを接続することに用いられる。
【0036】
例として、指紋識別構造130を形成する方法は、まず一層の導電層を凹溝123の頂面124、側面125及び側面125に接続される第2主表面122(この時、カバーレンズ120は
図2の状態に対して反転し、即ち、第2主表面122が上表面であり、凹溝123が上方に向かう)の一部に堆積し、次に導電層をパターン化して指紋識別構造130を形成するものであってもよい。
【0037】
凹溝123の側面125が頂面124と第2主表面122を接続する斜面として形成されるため、導電層が凹溝123の側面125の下方に形成されやすく、且つパターン化のプロセスを行いやすい。さらに、凹溝123の側面125と頂面124、第2主表面122との間の勾配がそれぞれ小さいため、指紋識別構造130のセンシング電極構造は側面125と頂面124及び第2主表面122のそれぞれとの接続箇所が破断して破損されにくい。
【0038】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、タッチ装置100は、タッチセンシング構造110の下方に設けられる表示モジュール190をさらに備える。それにより、タッチセンシング構造110と表示モジュール190は協調してタッチと表示の2つの機能を実行する。表示モジュール190は液晶表示モジュール(Liquid Crystal Display Module、LCM) 、発光ダイオード表示モジュール又は有機発光ダイオード(OLED)表示モジュール等のタッチセンシング構造と貼り合わせることができる表示モジュールであってもよい。
【0039】
具体的には、タッチセンシング構造110はカバーレンズ120に製造される単層のタッチセンシング電極構造であり、言い換えると、タッチセンシング構造110とカバーレンズ120はともにワングラスソリューションタッチパネル(One Glass Solution、OGS)を形成する。さらに、タッチセンシング構造110の材質は金属ナノワイヤ、透明金属酸化物フィルム又は金属メッシュ(metal mesh)等であってもよい。
【0040】
プロセスにおいて、まずタッチセンシング構造110を第2主表面122(この時、カバーレンズ120は
図2の状態に対して反転し、即ち、第2主表面122が上表面である)に形成し、次にカバーレンズ120とタッチセンシング構造110を表示モジュール190に設ける。
【0041】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、タッチ装置100は、凹溝123の頂面124、側面125及び第2主表面122の一部を被覆する遮蔽層140をさらに備える。このように、
図1に示すように、上方からタッチ装置100を見ると、第1主表面121はタッチ表示領域121Tと枠領域121Fに区別される。具体的には、
図1及び
図2に示すように、枠領域121Fの第2主表面122における正投影は第2主表面122の遮蔽層140に被覆される部分であり、タッチ表示領域121Tの第2主表面122における正投影は第2主表面122のタッチセンシング構造110が設けられる部分である。対応して表示モジュール190も主にタッチ表示領域121Tに対応する。
【0042】
具体的には、遮蔽層140は、一般的には不透明なインク、フォトレジスト等の材料で形成され、タッチ装置100に枠を持たせ、カバーレンズ120の下方に位置する複数の不透明なユニット、例えば可撓性回路基板及び導電回線等を遮蔽することに用いられる。遮蔽層140は単層の構造であってもよく、多層の材料を積層してなる多層の構造であってもよい。遮蔽層140の凹溝123の頂面124を被覆する部分の厚みが20μm以下である。以上の遮蔽層140の材質は例示的ものであり、本発明を制限するものではないことを理解すべきであり、当業者は、実際の需要に応じて、遮蔽層140の材質を柔軟に選択するべきである。
【0043】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、遮蔽層140をカバーレンズ120の頂面124及び第2主表面122に形成する方法はコーティングとフォトリソエッチング又はスクリーン印刷である。
【0044】
具体的には、コーティング方法を使用する場合、まず遮蔽層140を凹溝123の頂面124及び第2主表面122(この時、カバーレンズ120は
図2の状態に対して反転し、即ち、第2主表面122が上表面であり、凹溝123が上方に向かう)にコーティングし、次にフォトリソエッチングのプロセスを行い、タッチ表示領域121Tの第2主表面122における正投影に被覆される遮蔽層140を除去する。このように、遮蔽層140はカバーレンズ120の頂面124と第2主表面122の枠領域121Fに位置する領域とに均一に形成される。
【0045】
遮蔽層140をカバーレンズ120の頂面124と第2主表面122の枠領域121Fに位置する領域とに形成した後、遮蔽層140をカバーレンズ120の側面125に形成する。遮蔽層140をカバーレンズ120の側面125に形成する方法はインクジェット又はパッド印刷であってもよい。
【0046】
頂面124と側面125との間の夾角θが90度より大きいため、頂面124と第2主表面122を接続する斜面(即ち、側面125)が形成される。遮蔽層140はインクジェット又はパッド印刷によって側面125に直接形成されてもよく、従って、遮蔽層140を側面125に形成できなかったり、遮蔽層140を側面125に均一に形成できなかったりすることで、遮蔽層140の遮蔽が不完全になる現象は起こらない。
【0047】
具体的には、遮蔽層140の色は黒又は白である。以上の遮蔽層140の色は例示的なものであり、本発明を制限するものではないことを理解すべきであり、当業者は、実際の需要に応じて、遮蔽層140の色を柔軟に選択するべきである。
【0048】
ただし、遮蔽層140はカバーレンズ120と指紋識別構造130との間に設けられる。言い換えると、プロセスにおいて、まず遮蔽層140をカバーレンズ120に形成し、次に指紋識別構造130を遮蔽層140に形成する。
【0049】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、カバーレンズ120は、第1主表面121と第2主表面122を接続する側面126をさらに有する。タッチ装置100は、側面126に設けられるバッファ層160をさらに備える。具体的には、バッファ層160の材質は固着剤であってもよい。より具体的には、固着剤は流動性と粘性を有するコロイドであってもよく、主成分が例えばアクリル樹脂であり、常温で液体であり、硬化プロセス例えば紫外線によって硬化して形成することができる。固着剤は、液体状態で、射出成形、粘着、スプレー又はローラコーティング等の方式によって側面126に形成される。固着剤の粘度が500〜1200ミリパスカル秒であってもよく、硬化後の硬さが70D〜85D(ショア硬さ)であってもよく、バッファ層160はカバーレンズ120の側面126からバッファ層160の外表面までの最大厚みTが0.03mm〜0.2mmであってもよく、好ましくは0.08mm〜0.12mmである。バッファ層160の外表面が側面126から離間する表面である。そこで、バッファ層160は外力をバッファリングしてカバーレンズ120を保護するという機能を有する。又は、加工過程で、カバーレンズ120の側面126に微小なクラック又は切欠きが生じる恐れがあるが、バッファ層160は液体状態で側面126の微小なクラック又は切欠きと毛細管現象を起こして、これらの微小なクラック及び切欠きを修復し、カバーレンズ120の強度を向上させることもできる。さらに、上記特性の固着剤でバッファ層160を形成することによって、バッファ層160を側面126に強固に密着させ、側面126の耐衝撃性、耐割れ能力を向上させ、それによりカバーレンズ120、さらにタッチ装置100全体の強度を向上させ、特に前述したワングラスソリューションタッチパネルに対して、タッチパネルの落下耐性、耐衝撃性を向上させることができる。
【0050】
具体的には、カバーレンズ120の材質は透明な高硬度材料である。例として、カバーレンズ120の材質は強化ガラス、サファイア又はポリメチルメタクリレート(Polymethylmethacrylate、PMMA)であってもよい。カバーレンズ120の第1主表面121と第2主表面122は化学又は物理強化された表面であり、さらに、カバーレンズ120の側面126も化学又は物理強化された表面であってもよく、それによりカバーレンズ120の強度を向上させることができる。カバーレンズ120の第1主表面121及び/又は第2主表面122はさらに曲面であってカバーレンズ120の3D(3次元)構造を形成してもよい。
【0051】
図1及び
図2に示すように、第1主表面121はタッチ表示領域121T、枠領域121F、及び指紋識別領域121Rに区別されてもよい。具体的には、凹溝123の第1主表面121における正投影は指紋識別領域121Rであり、頂面124の第1主表面121における正投影は指紋識別領域121Rと少なくとも部分的に重なる。さらに、指紋識別構造130の第1主表面121における正投影はタッチセンシング構造110の第1主表面121における正投影と重ならない。
【0052】
具体的には、指紋識別領域121Rの形状は矩形であるが、それに限定されない。他の実施形態において、指紋識別領域121Rの形状は菱形、円形又は楕円形であってもよい。
【0053】
具体的には、タッチ装置100は、第2主表面122に設けられ、且つ凹溝123を取り囲む遮蔽パターン層142をさらに備える。遮蔽層140と遮蔽パターン層142の色は異なり、例として、遮蔽層140の色は黒で、遮蔽パターン層142の色は赤又は青である。そして、第1主表面121は、指紋識別領域121Rの位置を明確にマークするためのマーク領域121Eをさらに備えてもよく、遮蔽パターン層142の第1主表面121における正投影はマーク領域121Eである。
【0054】
関連プロセスにおいて、まず遮蔽層140を第2主表面122に形成し、且つマーク領域121Eの第2主表面122における正投影における遮蔽層140を除去して透かし構造を形成し、次にマーク領域121Eの第2主表面122における正投影に遮蔽パターン層142を形成する。
【0055】
図3は本発明の他の実施形態に係るタッチ装置100の断面模式図であり、その断面位置は
図1の破線2に沿う。本実施形態は上記実施形態とほぼ同じであり、以下、主に相違点を説明する。
【0056】
指紋識別構造130は集積回路チップであり、凹溝123の頂面124の下方に設けられ、凹溝123の頂面124を被覆する遮蔽層140に直接接触する。以上の指紋識別構造130の具体的な実施形態は例示的なものであり、本発明を制限するものではないことを理解すべきであり、当業者は、実際の需要に応じて、指紋識別構造130の具体的な実施形態を柔軟に選択するべきである。
【0057】
本実施形態において、遮蔽層140は遮光性を有する粘着材料である。それにより、遮蔽層140は遮蔽機能を有するだけでなく、指紋識別構造130をカバーレンズ120の凹溝123に固定することができる。
【0058】
ただし、他の実施形態において、指紋識別構造130は必ずしも遮蔽層140によってカバーレンズ120の凹溝123に固定する必要はなく、補助ユニットを設けることによって指紋識別構造130をカバーレンズ120の凹溝123に固定してもよく、又は凹溝123の寸法又は形状を設計することによって指紋識別構造130をカバーレンズ120の凹溝123に係合してもよい。
【0059】
図1及び
図3に示すように、タッチ装置100は、凹溝123の頂面124に設けられる遮蔽パターン層142をさらに備える。遮蔽層140と遮蔽パターン層142の色は異なり、例として、遮蔽層140の色は黒で、遮蔽パターン層142の色は赤又は青である。そして、第1主表面121は、指紋識別領域121Rの位置を明確にマークするためのマーク領域121Eをさらに備えてもよく、遮蔽パターン層142の第1主表面121における正投影はマーク領域121Eである。
【0060】
ただし、遮蔽パターン層142は第2主表面122に設けられてもよく、関連記述は上記実施形態と類似するため、ここでは説明を省略する。
【0061】
図4は本発明の別の実施形態に係るタッチ装置100の断面模式図であり、その断面位置は
図1の破線2に沿う。本実施形態は
図3の実施形態とほぼ同じであり、以下、主に相違点を説明する。
【0062】
本実施形態において、遮蔽層140が遮蔽機能のみを有するため、タッチ装置100は、指紋識別構造130と凹溝123の頂面124を被覆する遮蔽層140との間に設けられ、指紋識別構造130をカバーレンズ120の凹溝123に固定する第1固定層150をさらに備える。
【0063】
具体的には、第1固定層150の材質は粘性を有するコロイドであってもよく、例えば光学接着剤又は固着剤である。具体的には、固着剤の主成分が例えばアクリル樹脂であり、常温で液体であり、硬化プロセス例えば紫外線によって硬化して形成することができる。固着剤は、液体状態で、射出成形、粘着、スプレー又はローラコーティング等の方式によって指紋識別構造130と遮蔽層140との間に形成され、硬化後に、指紋識別構造130と遮蔽層140を安定的に接着する。固着剤の粘度が500〜1200ミリパスカル秒であってもよく、硬化後の硬さが70D〜85D(ショア硬さ)であってもよく、厚みが5μm〜50μmであってもよい。そこで、第1固定層150はカバーレンズ120の凹溝123近傍の強度を向上させ、特に上記特性の固着剤で第1固定層150を形成し、その粘度と硬さによって、カバーレンズ120の凹溝123近傍の強度をさらに向上させることができる。
【0064】
図5は本発明のさらなる実施形態に係るタッチ装置100の断面模式図であり、その断面位置は
図1の破線2に沿う。本実施形態は
図4の実施形態とほぼ同じであり、以下、主に相違点を説明する。
【0065】
図5に示すように、タッチ装置100は、指紋識別構造130と凹溝123の側面125を被覆する遮蔽層140との間に設けられ、凹溝123を満たして、指紋識別構造130をカバーレンズ120の凹溝123に固定する第2固定層170をさらに備える。
【0066】
具体的には、第2固定層170の材質は粘性を有するコロイドであってもよく、例えば光学接着剤や固着剤である。第2固定層170の主成分、形成方法は第1固定層150と類似するため、ここでは説明を省略する。第2固定層170と第1固定層150は接続して指紋識別構造130と凹溝頂面124及び側面125の遮蔽層140との間に一体に設けられるように接続してもよい。
【0067】
第2固定層170は硬化後に指紋識別構造130と遮蔽層140を安定的に接着し、凹溝123と指紋識別構造130との間の隙間をなくすことができるため、第2固定層170は指紋識別構造130を凹溝123に安定的に固定することができ、且つカバーレンズ120の凹溝123近傍の強度をさらに向上させることができる。
【0068】
図6は本発明のさらなる実施形態に係るタッチ装置100の断面模式図であり、その断面位置は
図1の破線2に沿う。本実施形態のタッチ装置100は
図5のタッチ装置100とほぼ同じであり、主な相違点として、本実施形態において、第2固定層170が指紋識別構造130と凹溝123の側面125を被覆する遮蔽層140との間に設けられる以外に、指紋識別構造130を被覆する。このように、第2固定層170は外力をバッファリングして指紋識別構造130を保護するという機能を有し、後続プロセスで外力による指紋識別構造130への擦り傷又は損傷を減少させることができる。
【0069】
図7は本発明のさらなる実施形態に係るタッチ装置100の断面模式図であり、その断面位置は
図1の破線2に沿う。本実施形態のタッチ装置100は
図5のタッチ装置100とほぼ同じであり、主な相違点として、本実施形態において、タッチ装置100の指紋識別構造130が凹溝123の頂面124を被覆する遮蔽層140に直接接触する。言い換えると、指紋識別構造130と頂面124との間に第1固定層150が設けられず、且つ指紋識別構造130が第2固定層170によって凹溝123に固定される。また、第2固定層170は
図6の第2固定層170と類似して、指紋識別構造130の側面と底面をさらに被覆してもよい。
【0070】
指紋識別構造130が凹溝123の頂面124を被覆する遮蔽層140に直接接触するため、指紋識別構造130と第1主表面121との間の距離を縮小することができ、指紋識別の感度と精度をさらに向上させる。
【0071】
図8は本発明のさらなる実施形態に係るタッチ装置100の断面模式図であり、その断面位置は
図1の破線2に沿う。本実施形態のタッチ装置100は
図3のタッチ装置100とほぼ同じであり、主な相違点として、遮蔽層140が遮蔽機能のみを有し、タッチ装置100は第2固定層170をさらに備え、指紋識別構造130が第2固定層170によって側面125に設けられ、且つ指紋識別構造130が凹溝123の頂面124を被覆する遮蔽層140に直接接触する。言い換えると、第2固定層170は指紋識別構造130と凹溝123の側面125を被覆する遮蔽層140との間に設けられ、且つ第2固定層170は凹溝123の側面125を被覆する遮蔽層140のみに設けられ、凹溝123を満たさない。
【0072】
具体的には、第2固定層170の材質は粘性を有するコロイドであってもよく、例えば光学接着剤と固着剤である。第2固定層170の主成分、形成方法は第1固定層150と類似するため、ここでは説明を省略する。
【0073】
第2固定層170は硬化後に指紋識別構造130と遮蔽層140を安定的に接着するため、第2固定層170は指紋識別構造130を凹溝123に安定的に固定することができる。さらに、第2固定層170は十分な硬さを有し且つ凹溝123に設けられるため、カバーレンズ120の凹溝123近傍の強度を向上させることができる。
【0074】
図9は本発明のさらなる実施形態に係るタッチ装置100の断面模式図であり、その断面位置は
図1の破線2に沿う。本実施形態のタッチ装置100は
図4のタッチ装置100とほぼ同じであり、主な相違点として、本実施形態において、タッチセンシング構造110は基板層111とタッチセンシング層112とを備え、タッチセンシング層112が基板層111の一表面に設けられ、基板層111がカバーレンズ120とタッチセンシング層112との間に位置する。さらに、タッチセンシング層112は単層のタッチセンシング電極構造であってもよい。
【0075】
関連するプロセスにおいて、まずタッチセンシング層112を基板層111に形成し、次に基板層111をタッチセンシング層112と共に基板層111の一側によって第2主表面122に貼り合わせ且つタッチ表示領域121Tに位置し、表示モジュール190をタッチセンシング層112に貼り合わせする。
【0076】
図10は本発明のさらなる実施形態に係るタッチ装置100の断面模式図であり、その断面位置は
図1の破線2に沿う。本実施形態のタッチ装置100は
図9のタッチ装置100とほぼ同じであり、主な相違点として、本実施形態において、タッチセンシング層112が基板層111に設けられ、且つさらにカバーレンズ120と基板層111との間に位置する。
【0077】
関連するプロセスにおいて、まずタッチセンシング層112を基板層111に形成し、次に基板層111をタッチセンシング層112と共にタッチセンシング層112の一側によって第2主表面122に貼り合わせ、表示モジュール190を基板層111に貼り合わせる。
【0078】
図11は本発明のさらなる実施形態に係るタッチ装置100の断面模式図であり、その断面位置は
図1の破線2に沿う。本実施形態のタッチ装置100は
図4のタッチ装置100とほぼ同じであり、主な相違点として、本実施形態において、タッチセンシング構造110は基板層111、上層タッチセンシング層113及び下層タッチセンシング層114を備え、上層タッチセンシング層113と下層タッチセンシング層114がそれぞれ基板層111の対向する両側に設けられ、且つ上層タッチセンシング層113がさらにカバーレンズ120と基板層111との間に位置する。
【0079】
関連するプロセスにおいて、まず上層タッチセンシング層113と下層タッチセンシング層114を基板層111の対向する両側に形成し、次に上層タッチセンシング層113を第2主表面122に貼り合わせ、表示モジュール190を下層タッチセンシング層114に貼り合わせる。
【0080】
具体的には、上層タッチセンシング層113及び下層タッチセンシング層114の電極向きは交互に配置される。例として、上層タッチセンシング層113の電極向きが垂直向きであってもよく、下層タッチセンシング層114の電極向きが水平向きであってもよい。上層タッチセンシング層113の電極は駆動側配線方式、下層タッチセンシング層114の電極は受信側配線方式であってもよく、又は上層タッチセンシング層113の電極は受信側配線方式、下層タッチセンシング層114の電極は駆動側配線方式であってもよい。
【0081】
図12は本発明のさらなる実施形態に係るタッチ装置100の断面模式図であり、その断面位置は
図1の破線2に沿う。本実施形態のタッチ装置100は
図11のタッチ装置100とほぼ同じであり、主な相違点として、本実施形態において、タッチセンシング構造110は上層タッチセンシング層113、下層タッチセンシング層114、上層基板層115及び下層基板層116を備える。下層タッチセンシング層114が下層基板層116に設けられ、上層タッチセンシング層113が上層基板層115に設けられ、上層基板層115が上層タッチセンシング層113と下層タッチセンシング層114との間に位置し、上層タッチセンシング層113がさらにカバーレンズ120と上層基板層115との間に位置する。
【0082】
関連するプロセスにおいて、まず上層タッチセンシング層113と下層タッチセンシング層114をそれぞれ上層基板層115と下層基板層116の一側に形成し、次に上層タッチセンシング層113を第2主表面122に貼り合わせ、下層タッチセンシング層114を上層基板層115に貼り合わせ、表示モジュール190を下層基板層116に貼り合わせる。
【0083】
ただし、他の実施形態は上記の説明に限定されない。他の実施形態において、上層タッチセンシング層113と上層基板層115の配置位置を交換してもよく、下層タッチセンシング層114と下層基板層116の配置位置を交換してもよく、上層タッチセンシング層113と下層タッチセンシング層114を互いに絶縁するだけでよい。
【0084】
上記
図9〜
図12において、基板層111、上層基板層115及び下層基板層116はいずれもガラス又はプラスチックフィルムなどの透明絶縁材料で形成され、プラスチックフィルムは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を含んでもよい。タッチセンシング層112、上層タッチセンシング層113及び下層タッチセンシング層114はいずれも透光性が高い導電材料で形成され、例えば金属ナノワイヤ、透明金属酸化物フィルム又は金属メッシュ等である。
【0085】
また、本発明の1つ又は複数の実施形態において、タッチ装置100は、凹溝123内に設けられ、指紋識別構造130を取り囲み、タッチ物体を検出し、指紋識別構造130をアクティベーションし信号雑音比を改善することに用いられる金属リング(図示せず)をさらに備えてもよい。
【0086】
タッチ装置100において、カバーレンズ120に凹溝123を設け、指紋識別構造130を凹溝123に設けることによって、指紋識別構造123と指などのタッチ物との間の距離を短縮させる効果を達成し、カバーレンズ120の凹溝123以外の部分は適切な厚みを維持することができ、同時に指紋識別構造123の感度とカバーレンズ120の構造強度とを両立させる。
【0087】
さらに、凹溝123の側面125が頂面124と第2主表面122を接続する斜面として形成されるため、凹溝123が第2主表面122に加工形成されやすく、カバーレンズ120の製造歩留まりを効果的に向上させる。さらに、凹溝123の側面125と頂面124、第2主表面122との間の勾配がそれぞれ小さいため、指紋識別構造130のセンシング電極構造は側面125と頂面124及び第2主表面122のそれぞれとの接続箇所が破断して破損されにくい。最後に、遮蔽層140はインクジェット又はパッド印刷によって側面125に直接形成されてもよく、従って、遮蔽層140を側面125に形成できなかったり、遮蔽層140を側面125に均一に形成できなかったりすることで、遮蔽層140の遮蔽が不完全になる現象は起こらない。
【0088】
以上は本発明の好ましい実施例であり、本発明を制限するものではなく、本発明の精神と原則を逸脱することなく行われるすべての変更、同等置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に属すべきである。