(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-143471(P2016-143471A)
(43)【公開日】2016年8月8日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/12 20060101AFI20160711BHJP
F21S 8/10 20060101ALI20160711BHJP
F21W 101/10 20060101ALN20160711BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20160711BHJP
【FI】
F21S8/12 125
F21S8/10 400
F21W101:10
F21Y101:02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-16367(P2015-16367)
(22)【出願日】2015年1月30日
(71)【出願人】
【識別番号】390024774
【氏名又は名称】技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 基広
(72)【発明者】
【氏名】南 宏明
(72)【発明者】
【氏名】菊池 郷
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 慶彦
【テーマコード(参考)】
3K243
【Fターム(参考)】
3K243AA11
3K243BB11
3K243BB18
(57)【要約】
【課題】見栄えの良い照明装置を提供する。
【解決手段】ハーフミラー3がリングLED2の正面に配置されている。ミラー4が、ハーフミラー3の背面に配置されている。これらハーフミラー3及びミラー4は、リングLED2からの光がハーフミラー3及びミラー4との間で反射を繰り返すことにより、リングLED2の背後にリングLED2の虚像が複数視認されるように設けられている。また、ハーフミラー3は、背面側に凸の凸面鏡となるような曲面に設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源と、
前記1の光源の正面に配置されたハーフミラーと、
前記ハーフミラーの背面に配置されたミラーと、を備え、
前記第1の光源からの光が前記ハーフミラー及び前記ミラーとの間で反射を繰り返すことにより、前記第1の光源の背後に前記第1の光源の虚像が複数視認されるように、前記ハーフミラー及び前記ミラーが設けられた
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第1の光源は、複数がリング状に並べて設けられ、
前記ハーフミラーは、背面側に凸の凸面鏡となるような曲面に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記リングの中央部に配置された第2の光源を備え、
前記ハーフミラーは、前記第2の光源を通す孔が設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第2の光源の側面を囲む遮光部材から成る囲み部を備え、
前記囲み部には、複数のスリットが形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した照明装置として、例えば車両に搭載されるフォグランプなどがある。上述した照明装置は、単にランプの光が視認されるだけで見栄えに面白みがない、という問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、見栄えの良い照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、第1の光源と、前記1の光源の正面に配置されたハーフミラーと、前記ハーフミラーの背面に配置されたミラーと、を備え、前記第1の光源からの光が前記ハーフミラー及び前記ミラーとの間で反射を繰り返すことにより、前記第1の光源の背後に前記第1の光源の虚像が複数視認されるように、前記ハーフミラー及び前記ミラーが設けられたことを特徴とする照明装置に存する。
【0005】
請求項2記載の発明は、前記第1の光源は、複数がリング状に並べて設けられ、前記ハーフミラーは、背面側に凸の凸面鏡となるような曲面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置に存する。
【0006】
請求項3記載の発明は、前記リングの中央部に配置された第2の光源を備え、前記ハーフミラーは、前記第2の光源を通す孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の照明装置に存する。
【0007】
請求項4記載の発明は、前記第2の光源の側面を囲む遮光部材から成る囲み部を備え、前記囲み部には、複数のスリットが形成されていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置に存する。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、第1の光源からの光がハーフミラー及びミラーとの間で反射を繰り返すことにより、第1の光源の背後に第1の光源の虚像が複数視認されるようになるので、見栄えを向上できる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、ハーフミラーは、背面側に凸の凸面鏡となるような曲面に設けられている。これにより、リングの虚像が背面に向かうに従って段々小さくなるように視認されるため、より一層、見栄えを向上できる。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、第2の光源からの光がハーフミラーで反射されることがない。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、第2の光源の側面を囲む遮光部材から成る囲み部に複数のスリットが形成される。これにより、スリットから漏れた光が第2の光源を中心とした放射状に視認され、より一層、見栄えを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の照明装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【
図4】
図1に示す照明装置の見え方を説明するための図である。
【
図5】
図1に示す照明装置の見え方を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の照明装置について、
図1〜
図3を参照して説明する。
図1は、本発明の照明装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
図2は、
図1に示す照明装置の斜視図である。
図3は、
図2のI−I線断面図である。
【0014】
同図に示す照明装置1は、例えば車両のフォグランプ設置個所に設けられる。同図に示すように、照明装置1は、リングLED2と、リングLED2の正面に配置されたハーフミラー3と、ハーフミラー3の背面に配置されたミラー4と、リングLED2の中央部に配置されたLED5と、ハーフミラー3の正面に配置された意匠部品6と、これらを収容するケース7と、を備えている。
【0015】
リングLED2は、例えば夜間に装飾光として点灯するために設けられている。リングLED2は、リング状の基板と、基板上にリング状に並べられた第1の光源としての複数のLED(何れも図示せず)と、から構成されている。リングLED2としては、複数のLEDが露出されていてもよいし、複数のLEDの正面を覆うリング状の拡散板が設けられた構成であってもよい。
【0016】
ハーフミラー3は、リングLED2からの光の一部を反射し、一部を透過させる。ハーフミラー3は、リングLED2の外径よりも少し径の大きい円板状に設けられ、背面側に凸の凸面鏡となるような曲面に設けられている。ハーフミラー3は、その凸面鏡の頂点部に後述するLED5を通す孔31が設けられている。この孔31からLED5が突出して配置される。
【0017】
ミラー4は、リングLED2の内径よりも径の小さい円板状に設けられ、リングLED2の内側に配置されている。ミラー4は、平板状に設けられ、中央に後述するLED5を通す孔41が設けられている。
【0018】
LED5は、例えばデイライトとして点灯するために設けられている。LED5は、ハーフミラー3の孔31及びミラー4の孔41に通され、ハーフミラー3よりも正面側に突出して配置されている。LED5は、レンズ付きのLEDから構成され、側面からも光が照射される。
【0019】
意匠部品6は、例えば遮光部材から構成され、LED5の正面に配置される。意匠部品6は、LED5の光軸回りを縁取る小縁取り部61と、ハーフミラー3の正面に配置され、ハーフミラー3の外縁を縁取る大縁取り部62と、小縁取り部61及び大縁取り部62を連結する連結部63と、から構成されている。本実施形態では、連結部63は3本設けられ、LED5を中心とした放射状に形成されている。
【0020】
ケース7は、遮光部材から構成された受皿状のケース本体71と、ケース本体71の正面開口を覆う透光部材から構成されたクリアレンズ72と、を備えている。ケース本体71は、円板状の底壁71aと、底壁71aから正面に向かって立設する周壁71bと、を備えている。
【0021】
上記底壁71aには、上述したリングLED2及びミラー4が搭載されている。底壁71aには、リングLED2の内縁、及び、ミラー4の外縁の全周に沿って立設する立壁71cが設けられている。この立壁71cの外側にリングLED2が配置され、内側にミラー4が配置される。
【0022】
また、底壁71aには、LED5を通す孔71dが設けられ、この孔71dを囲むように囲い部71eが正面に向かって立設している。囲い部71eは、ハーフミラー3よりも正面に突出する高さに立設されている。そして、この囲い部71eには、LED5の光軸方向に沿ったスリット71fが複数設けられている。スリット71fは、囲い部71eの正面側の端部まで延在している。スリット71fは少なくとも一部が、ハーフミラー3よりも正面側の囲い部71eに設けられている。
【0023】
立壁71cには、段差部71gが設けられる。ハーフミラー3は、その外縁部が段差部71g上に搭載される。
図3に示すように、意匠部品6は、大縁取り部62の外縁部がケース本体71とクリアレンズ72との間に挟まれて支持される。ハーフミラー3は、その外縁部が立壁71cと意匠部品6の大縁取り部62との間に挟まれて支持される。
【0024】
次に、上述した構成の照明装置1の見え方について
図4を参照して説明する。本実施形態の照明装置1は、例えば車両のイグニッションオンに応じてリングLED2又はLED5を点灯し、イグニッションオフに応じて消灯する。また、照明装置1は、ヘッドライトがオフされていれば昼間であると判定しリングLED2を消灯すると共にLED5を点灯し、ヘッドライトがオンされていれば夜間であると判定しLED5を消灯すると共にリングLED2を点灯する。
【0025】
まず、LED5をオンしたときの見え方について
図4を参照して説明する。LED5を点灯すると、LED5からの光が正面に照射され、LED5が光輝して視認される。また、
図3の矢印で示すようにLED5の側面から照射される光が囲い部71eのスリット71fから漏れ、ハーフミラー3で正面に向かって反射される。このため、
図4に示すように、スリット71fの虚像L1がLED5を中心とした放射状に光輝して視認されるため、より一層見栄えが良くなる。
【0026】
また、上述したようにハーフミラー3は背面側に向かって凸の凸面鏡となる曲面に形成される。言い換えると、ハーフミラー3は正面側に向かって凹の凹面鏡となる曲面に形成されている。即ち、スリット71fから漏れた光がハーフミラー3で反射される際に凹面鏡として正面に反射する。このため、虚像L1は、LED5から離れるに従って正面側に向かうように視認される。
【0027】
次に、リングLED2をオンしたときの見え方について
図5を参照して説明する。リングLED2をオンすると、一部の光がハーフミラー3を透過して正面に照射するため、リングLED2の実像が光輝して視認される。一方、リングLED2からの光の一部は、ハーフミラー3で背面に向かって反射され、その後ミラー4で反射される。ミラー4で反射された光の一部がハーフミラー3を透過して正面に照射するため、リングLED2の実像の反射経路分後ろにリングLED2の虚像L21が視認して見える。
【0028】
また、ミラー4で反射された光の一部がハーフミラー3で背面に向かって反射され、その後ミラー4で反射される。ミラー4で反射された光の一部がハーフミラー3を透過して正面にするため、リングLED2の虚像L21のさらに後ろにリングLED2の虚像L22が視認して見える。なお、
図5においては、2つの虚像L21、L22しか図示していないが、虚像としては3つ以上視認できるようにしてもよい。
【0029】
上述したように、リングLED2からの光がハーフミラー3及びミラー4との間で反射を繰り返すことにより、リングLED2の背後にリングLED2の虚像L21、L22が複数視認されるようになるので、見栄えを向上できる。
【0030】
また、上述したハーフミラー3は、背面に向かって凸の凸面鏡に設けられている。これにより、リングLED2からの光がハーフミラー3及びミラー4との間で反射を繰り返す際に、ハーフミラー3が凸面鏡としてミラー4に反射する。これにより、リングLED2の虚像L21、L22が背面に向かうに従って段々小さくなるように視認されるため、より一層、見栄えを向上できる。
【0031】
なお、上述した実施形態によれば、ハーフミラー3は曲面に設けられていたが、これに限ったものではない。リングLED2の背面に複数の虚像L21、L22が視認されるようなものであればよく、ハーフミラー3としては平面に設けてもよい。
【0032】
また、上述した実施形態によれば、リングLED2は円リング状に設けられていたが、これに限ったものではない。例えば、四角リング状に設けられていてもよいし、それ以上の多角リング状に設けてもよい。
【0033】
また、上述した実施形態によれば、リングLED2の中心にLED5を配置していたが、これに限ったものではない。LED5は必須ではなく、なくてもよい。
【0034】
また、上述した実施形態によれば、LED5の側面を囲む囲い部71eを設け、囲い部71eにスリット71fを設けていたが、これに限ったものではない。囲い部71eは必須ではなく、なくてもよい。
【0035】
また、上述した実施形態では、照明装置1は車両のフォグランプ設置場所に設けられる例について説明していたが、これに限ったものではない。照明装置1の設置場所はこれに限定されるものではなく、例えば、車室内に設ける照明装置1に適用してもよい。
【0036】
また、上述した実施形態では、第1の光源、第2の光源としてLEDを用いていたが、これに限定されるものではない。第1の光源、第2の光源としては、上述した照明装置1と同等の効果を得られるような光源であればよく、例えば電球などであってもよい。
【0037】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 照明装置
2 リングLED(第1の光源)
3 ハーフミラー
5 LED(第2の光源)
71e 囲い部
71f スリット