【解決手段】胴体部30と、胴体部30の一方側に回路基板に設けられた被接続部に接続される接続部35と、他方側に相手方コンタクトと接触される接触部40を有するコンタクト29において、接続部35は、胴体部30の端部から延設された複数の接続片36、37、38で構成され、複数の接続片36、37、38は、接続片よりも少ない数の被接続部と接続される。
前記接続部は、貫通された孔で形成された前記被接続部に挿通できるように形成され、又は、非貫通の端子面で形成された前記被接続部に載置できるように形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコンタクト。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されたコネクタに備えられたコンタクトでは、回路基板のスルーホールに挿入される結線部は、接触子の一部が延設されて形成されているため、その断面積は小さくなる。そのため、大きな電流を通電させると熱が発生してしまうため、小さな電流しか通電させることができないという課題がある。一方、熱の発生を抑え、大きな電流を流すようにすると、コンタクトを太くする必要があり、コンタクト及びコネクタが大型化するという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、大きな電流を通電させても熱の発生を抑制することができるコンタクト、リセプタクル及びコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様のコネクタは、胴体部と、前記胴体部の一方側に回路基板に設けられた被接続部に接続される接続部と、他方側に相手方コンタクトと接触される接触部を有するコンタクトにおいて、
前記接続部は、前記胴体部の端部から延設された複数の接続片で構成され、
前記複数の接続片は、前記接続片よりも少ない数の前記被接続部と接続されることを特徴とする。
【0007】
また、第2の態様のコンタクトは、第1の態様のコンタクトにおいて、前記接続部は、前記接続片の少なくとも2つが、一箇所に集まるようにされていることを特徴とする。
【0008】
また、第3の態様のコンタクトは、第1又は2の態様のコンタクトにおいて、前記胴体部は、少なくとも2枚の板状体で形成されており、
前記複数の接続片は、前記胴体部の前記板状体の端部からそれぞれ延設されていることを特徴とする。
【0009】
また、第4の態様のコンタクトは、第1〜3のいずれかの態様のコンタクトにおいて、前記胴体部は、前記接続部側及び前記接触部側が開放された箱状又は筒状で形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、第5の態様のコンタクトは、第1〜4のいずれかの態様のコンタクトにおいて、前記接続部は、貫通された孔で形成された前記被接続部に挿通できるように形成され、又は、非貫通の端子面で形成された前記被接続部に載置できるように形成されたことを特徴とする。
【0011】
また、第6の態様のリセプタクルは、少なくとも1つのコンタクトが装着されるコンタクト収容部が形成されたハウジングを有するリセプタクルであって、
前記コンタクト収容部には、少なくとも1つの前記第1〜第5のいずれかの態様のコンタクトを有していることを特徴とする。
【0012】
また、第7の態様のコネクタは、前記第6の態様のリセプタクルと、前記リセプタクルと嵌合される前記相手方プラグとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1の態様のコネクタによれば、回路基板の被接続部と接続させる接続部を胴体部を構成する各辺から接続片をそれぞれ形成することで、回路基板の被接続部と接続される接続部の断面積を大きくすることができ、大きな電流を通電しても熱の発生を抑制することができる。
【0014】
また、第2の態様のコンタクトによれば、複数の接続片を一箇所に集まるようにすることで、接続部を容易に被接続部に接続することができるようになる。
【0015】
また、第3の態様のコンタクトによれば、複数の板状体を組み合わせて形成された胴体部の端部からそれぞれ接続片が延設されることで、胴体部及び接続部が容易に形成することができる。
【0016】
また、第4の態様のコンタクトによれば、胴体部を種々の形状とすることができ、設計の範囲を広げることができる。
【0017】
第5の態様のコンタクトによれば、回路基板に形成された被接続部の形状に応じた接続部とすることができる。
【0018】
第6の態様のリセプタクルによれば、第1〜第5のいずれかの態様の効果を奏するコンタクトを少なくとも1つ備えたリセプタクルを得ることができる。
【0019】
第7の態様のコネクタによれば、第6の態様のリセプタクルの効果を奏するコネクタを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのコンタクト、リセプタクル及びコネクタを例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0022】
[実施形態]
図1〜
図8を参照して、実施形態に係るコネクタについて説明する。本発明の実施形態に係るコネクタ10は、
図1A及び
図1Bに示すように、実施形態の第1コンタクト29及び第2コンタクト43が装着されたリセプタクル11と、このリセプタクル11に嵌合される相手方のプラグ50とで構成されている。また、リセプタクル11及びプラグ50は、各々が回路基板に取り付けられる。
【0023】
まず、実施形態のリセプタクル11について説明する。リセプタクル11は、
図2及び
図3に示すように、複数のコンタクト29、43と、これらのコンタクト29、43が装着される複数のコンタクト収容部28が形成されたリセプタクルハウジング12と、リセプタクルハウジング12を回路基板に取り付ける取付部材49とで構成されている。
【0024】
なお、複数のコンタクト29、43は、形状の異なるコンタクトが用いられ、実施形態では、第1コンタクト29と第2コンタクト43の2種類で構成されており、リセプタクルハウジング12には、2本の第1コンタクト29が両端に装着され、中央側に5本の第2コンタクト43がそれぞれ装着されている。
【0025】
リセプタクルハウジング12は、樹脂材料で形成され、一方に複数のコンタクトが差し込まれる開口部14,15を有する前面13と、相手方のプラグ50に装着されたコンタクトが挿入される挿入部17、18を有する後面16と、上面19と、上面19と対向し回路基板側に配置される底面21と、一方の側面22及び他方の側面23とを有する低背な直方体状で構成されている。
【0026】
また、リセプタクルハウジング12の内部には、複数のコンタクト29、43がそれぞれ収容される複数のコンタクト収容部28が形成されている。コンタクト収容部28は、前面13から後面16に亘って貫通して形成されている。
【0027】
リセプタクルハウジング12の前面13は、矩形状の面であって、複数のコンタクト29、43が差し込まれるための複数の開口部14、15が形成されている。この複数の開口部14、15は、両端に第1コンタクト29が差し込まれる第1開口部14を有し、また、中央部に第2コンタクト43が差し込まれる5つの第2開口部15を有している。なお、第1開口部14は第2開口部15に比べて大きく形成されている。この第1開口部14及び第2開口部15は、それぞれコンタクト収容部28と繋がっている。
【0028】
リセプタクルハウジング12の後面16は、矩形状の面であって、相手側の複数のコンタクトが挿入される複数の挿入部17、18が形成されている。この複数の挿入部17、18は、両端に第1コンタクト29と接触される相手側のプラグのコンタクトが挿入される第1挿入部17を有し、また、中央部に第2コンタクト43と接触される相手側のプラグのコンタクトが挿入される5つの第2挿入部18を有している。なお、第1挿入部17は第2挿入部18に比べて大きく形成されている。この第1挿入部17及び第2挿入部18は、それぞれ、コンタクト収容部28と繋がっている。なお、リセプタクルハウジング12は、相手側のプラグ50と嵌合するために、前面13側に比べ後面16側の幅が狭くなっている。
【0029】
リセプタクルハウジング12の上面19は、平坦な面となっており、後面16側に比べ前面13側の幅が広く形成されている。この前面13側の広く形成された部分に、リセプタクルハウジング12を回路基板に取り付ける取付部材49が貫通される貫通孔20が両側に形成されている。
【0030】
リセプタクルハウジング12の底面21は、後面16側に比べ前面13側の幅が広く形成されており、前面13側及び後面16側のコンタクト収容部28と対応する部分が開口されている。前面13側の開口された部分は、装着された各コンタクトの接続部35が配置される部分となる。
なお、前面13側の広く形成された部分には、取付部材49が貫通される貫通孔20が上面19から連通して形成されている。
【0031】
リセプタクルハウジング12の一方の側面22及び他方の側面23は、後面16側のプラグ側と嵌合される嵌合部24と、前面13側の嵌合部24より幅広な平坦な部分27とで構成されている。また、嵌合部24には、溝25が形成されており、この溝25により勘合されるプラグが案内される。なお、溝25の一部が隆起した凸部26となっており、嵌入したプラグの抜け止めがされるようになっている。
【0032】
第1コンタクト29は、
図4及び
図5に示すように、筒状の胴体部30と、胴体部30の一方側に回路基板に設けられた被接続部に接続される接続部35と、胴体部30の他方側に相手側のコンタクトと接触される接触部40と、を有し、金属材料で一体に形成されている。
【0033】
胴体部30は、3つの板状体で囲まれた、断面がいわゆる「コ字状」に形成されている。胴体部30は、上板部31と、上板部31の両端から下方に屈曲された一方の側板部32及び他方の側板部33とで構成されている。なお、実施形態では、上板部31と対向する底の部分は開放されている。また、胴体部30の一方の側板部32及び他方の側板部33の下側には、鉤部34が形成されており、リセプタクルハウジング12のコンタクト収容部28に装着された場合に抜け止めされるようになっている。
【0034】
接続部35は、回路基板と接続される部分であり、胴体部30の一方側の各辺の端部から延設された複数の接続片36、37、38で形成されている。なお、実施形態の第1コンタクト29では、胴体部30が3枚の板状体で形成されているため、3本の接続片36、37、38が胴体部30からそれぞれ延設されている。これらの接続片としては、胴体部30の上板部31からは第1接続片36が延設され、一方の側板部32からは第2接続片37が延設され、他方の側板部33からは第3接続片38が延設されている。
【0035】
第1接続片36は、胴体部30の上板部31の端部から延設された後、屈曲して下方に向かってさらに延設されている。なお、第1接続片36は、胴体部30の上板部31の幅と略同じ幅で形成されている。
【0036】
第2接続片37は、胴体部30の一方の側板部32の端部から延設された後、第1接続片36を越える位置で胴体部30の中央側に屈曲され、その後、第1接続片36に沿うように下方に延設されている。なお、胴体部30の一方の側板部32の端部には、第2接続片37のほかに、突出された突出部39が形成されている。この突出部39は、第1コンタクト29をリセプタクルハウジング12のコンタクト収容部28に差し込む際に押圧される部分となる。
【0037】
第3接続片38は、胴体部30の他方の側板部33の端部から延設された後、第1接続片36を越える位置で胴体部30の中央側に屈曲され、その後、第1接続片36に沿うように下方に延設されている。そのため、第2接続片37と第3接続片38の構造は胴体部30の中央部分を基準として対象となっている。なお、胴体部30の他方の側板部33の端部にも、他方の側板部33の端部と同様に、突出部39が形成されている。
【0038】
そして、第1接続片36、第2接続片37及び第3接続片38は、それぞれが一箇所に集まるようにされており、回路基板に形成された被接続部としての一箇所の孔に挿入できるようになっている。
【0039】
接触部40は、胴体部30の他方側の端部であって、一方の側板部32及び他方の側板部33の端部から延設された一対の接触片41で形成されている。この一対の接触片41の間に相手側のコンタクトが挿入されて接触される。また、一対の接触片41が対向する内側には、凸状の突起42が形成されており、相手側のコンタクトとの接触を確実にすると共に、ワイピングの効果を得ることができる。
【0040】
なお、第1コンタクトの接触片は、第2及び第3接触片は第1接触片を越えない位置から垂下され、一箇所に延設されていてもよい。
【0041】
第2コンタクト43は、
図2及び
図3に示すように、胴体部44と、胴体部44の一方側に回路基板に設けられた被接続部に接続される接続部45と、他方側に相手方コンタクトと接触される接触部40を有している。
【0042】
第2コンタクト43の胴体部44は、コンタクト収容部28に収容可能な形状であって、接続部45と接触部40とを繋ぐことができれば、任意の形状で形成することができる。なお、実施形態では、コ字状となっている。
【0043】
第2コンタクト43の接続部45は、第1コンタクト29の接続部45と異なり、胴体部44の一方の端部から延設された1本の接続片46で構成されている。第2コンタクト43の接触部47は、第1コンタクト29の接触部47と同様に、胴体部44の他方の端部から延設された一対の接触片48で形成されている。
【0044】
なお、第2コンタクト43の大きさは第1コンタクト29に比べて小型に形成されている。また、第2コンタクトは、上記の構成に限られず任意の構成のコンタクトを使用することができる。
【0045】
また、リセプタクル11の組立ては、
図2及び
図3を参照して、まず、各コンタクト29、43をリセプタクルハウジング12へ装着させる。この装着は、リセプタクルハウジング12の前面13側の各開口部14、15から各コンタクト29、43の接触部40、47を先にして挿入することで行なわれる。その際、第1開口部14に第1コンタクト29が挿入され、第2開口部15に第2コンタクト43が挿入される。次に、取付部材49をリセプタクルハウジング12の貫通孔20に上面19側から挿通させて、組立てが完了する。
【0046】
また、リセプタクル11の回路基板75への実装は、
図6に示すように、回路基板75に形成された複数の被接続部としての孔76に、各コンタクト29、43の接続部35、45を挿入し、孔76に設けられた金属部と接続部35、45とが半田付けされる。そして、リセプタクルハウジング12に取り付けられた取付部材49を回路基板75に差し込むことにより、リセプタクル11が回路基板75に固定される。
【0047】
このとき、第1コンタクト29の接続部35は、複数の接続片36、37、38で構成されているが、この複数の接続片36、37、38を1つの孔76に挿入し、半田付けすることで、回路基板75の一箇所の被接続部としての孔76と接続することができる。このようにすることで、第1コンタクト29は、接続部35の断面積を大きく、すなわち太く形成することができ、また、接続部35が、胴体部44から平行して複数本の接続片が延設されて形成されているため、断面積が小さい箇所に大きな電流が流れることがなく、熱の発生を抑制することができる。
【0048】
また、実施形態では、第1コンタクト29を2本とし、第2コンタクト43を5本用いた場合を説明したが、これに限らず、第1コンタクトを少なくとも1本用いるようにすることができる。そのため、すべてのコンタクトを第1コンタクトとすることもできる。
【0049】
次に、リセプタクル11と嵌合されるプラグ50について
図7及び
図8を参照して説明する。プラグ50は、複数のプラグコンタクト66、70と、これらプラグコンタクト66、70が装着されたプラグハウジング51と、プラグハウジング51を回路基板に取り付ける取付部材74とで構成されている。
【0050】
なお、複数のプラグコンタクト66、70は、リセプタクル11側の第1コンタクト29と接触される第1プラグコンタクト66と第2コンタクト43と接触される第2プラグコンタクト70を有している。
【0051】
プラグハウジング51は、樹脂材料で形成され、一方に複数のプラグコンタクト66、70が突出される突出口53、54を有する前部52と、プラグコンタクト66、70が差し込まれる差込口58、59を有する後部57と、平坦な上部60と、上部60と対向し、回路基板側に配置される底部62と、一方の側部63及び他方の側部64とを有する低背な直方体状に構成されている。
【0052】
また、プラグハウジング51の内部には、複数のプラグコンタクト66、70がそれぞれ収容される複数のプラグコンタクト収容部65が形成されている。プラグコンタクト収容部65は、前部52から後部57に亘って貫通するように形成されている。
【0053】
プラグハウジング51の前部52は、矩形状の面であって、複数のプラグコンタクト66、70が突出される複数の突出口53、54が形成されている。この複数の突出口53、54は、両端に第1プラグコンタクト66が突出される第1突出口53と、中央部に第2プラグコンタクト70が突出される5つの第2突出口54と、を有している。なお、第1突出口53は第2突出口54に比べて大きく形成されている。この第1突出口53及び第2突出口54は、それぞれプラグコンタクト収容部65と繋がっている。
【0054】
また、前部52には、両端の第1突出口53のさらに外側に、一方の側部63側及び他方の側部64側がそれぞれ延設された囲い部55が形成されており、嵌合されたリセプタクルハウジング12の一方の側面22及び他方の側面23の嵌合部24が囲まれるようにされている。
【0055】
囲い部55の一方の側部63及び他方の側部64の内側には、突起部56がそれぞれ形成されており、リセプタクルハウジング12の一方の側部63及び他方の側部64に形成された溝25に嵌ることで、移動の際に案内される部分となっている。また、突起部56は、リセプタクルハウジング12の一方の側部63及び他方の側部64に形成された溝25に形成された凸部26と噛合わされることで、抜け止めがされるようになっている。
【0056】
プラグハウジング51の後部57は、複数のプラグコンタクト66、70が差し込まれる複数の差込口58、59が形成されている。この複数の差込口58、59は、両端に第1プラグコンタクト66が差し込まれる第1差込口58を有し、また、中央部に第2プラグコンタクト70が差し込まれる5つの第2差込口を有している。なお、第1差込口58は第2差込口59に比べて大きく形成されている。この第1差込口58及び第2差込口59は、それぞれ、プラグコンタクト収容部65と繋がっている。
【0057】
プラグハウジング51の上部60は、平坦な面となっており、前部52側の一方の側部63及び他方の側部64がそれぞれ延設されて囲い部55を構成している。また、上部60の一方の側部63側及び他方の側部64側には、プラグハウジング51を回路基板に取り付ける取付部材74が貫通される貫通孔61がそれぞれ形成されている。
【0058】
プラグハウジング51の底部62は、後部57が開放されており、装着された各プラグコンタクト66、70の回路基板と接続される接続部68、72(
図7B参照)が突出されるようにされている。なお、底部62の一方の側部63側及び他方の側部64側には、取付部材74が貫通される貫通孔61が上部60から連通して形成されている。
【0059】
プラグハウジング51の一方の側部63及び他方の側部64は、それぞれ矩形状に形成された平坦な面となっている。
【0060】
第1プラグコンタクト66は、
図7及び
図8に示すように、コンタクト本体67を有し、コンタクト本体67の一方側に回路基板に設けられた被接続部に接続される接続部68と、コンタクト本体67の他方側にリセプタクル11側の第1コンタクト29の接触部40と接触される接触部69とを有し、金属材料で一体に形成されている。
【0061】
接続部68は、回路基板の被接続部と接続される部分であり、コンタクト本体67の一方側がコンタクト本体67の長手方向に対して、回路基板が配置される側、すなわち下方側に突出して形成されている。なお、第1プラグコンタクト66の接続部68は、一部で二股に分かれて形成されている(
図7B参照)。
【0062】
接触部69は、コンタクト本体67の他方側であって、コンタクト本体67の長手方向に延設された板状体で形成されている。この板状体の接触部69が、リセプタクル11側の第1コンタクト29の一対の接触片41の間に挿入されて接触されるようになる。
【0063】
第2プラグコンタクト70は、
図7及び
図8に示すように、コンタクト本体71を有し、コンタクト本体71の一方側に回路基板に設けられた被接続部に接続される接続部72と、胴体部44の他方側にリセプタクル11側の第2コンタクト43の接触部47と接触される接触部73とを有し、金属材料で一体に形成されている。
【0064】
また、第2プラグコンタクト70の接続部72は、第1プラグコンタクト66の接続部68と異なり1本で形成されている(
図7B参照)。
【0065】
なお、リセプタクル側の第2プラグコンタクトは、第1プラグコンタクトと比べ、接続部の構成と、大きさが異なるのみで、他の構成は、共通するので詳細な説明は省略する。
【0066】
また、プラグ50の組立ては、プラグハウジング51の後部57の各差込口58、59から、各プラグコンタクト66、70の接触部69、73側を先にして差し込むことで行なわれる。その際、第1差込口58に第1プラグコンタクトが挿入され、第2差込口に第2プラグコンタクトが挿入される。次に、取付部材74をプラグハウジング51の貫通孔61に上部60側から挿通させて、組立てが完了する。
【0067】
また、プラグの回路基板への実装は、リセプタクルの場合と同様に、基板に形成された複数の被接続部としての孔に、各コンタクトの接続部を挿入し、孔に設けられた金属部と接続部とが半田付けされる。また、プラグは、取付部材を回路基板に差し込むことにより、回路基板に固定される(図示省略)。
【0068】
そして、実施形態のコネクタ10は、上記のリセプタクルとプラグとを嵌合することで構成される。この嵌合は、リセプタクル11の後面16側と、プラグ50の前部52側とを対向させて、押圧することで、リセプタクル11側の各コンタクト29、43と、プラグ50側の各プラグコンタクト66、70とが接触し、嵌合される。この嵌合において、リセプタクルハウジング12の一方の側面22及び他方の側面23に形成された各溝25に、プラグハウジング51の一方の側部63及び他方の側部64に形成された突起部56が案内されて移動される。その際、リセプタクルハウジング12の溝25に形成された凸部26をプラグハウジング51の突起部56が乗り越えることで、抜け止めがされる。以上により、リセプタクルとプラグの接続が完了する(
図1参照)。
【0069】
[変形例]
上記の実施形態のリセプタクル11側の第1コンタクト29では、接触部40は3本の接触片36〜38により構成された場合を説明したが、これに限らず、胴体部の板状体の構造に応じて、2本とすることもでき、また、4本以上とすることもできる。以下、変形例として接続部に5本の接触片が形成された場合について説明する。
【0070】
変形例の第1コンタクト77は、
図9及び
図10に示すように、筒状の胴体部78と、胴体部78の一方側に回路基板に設けられた被接続部に接続される接続部85と、胴体部78の他方側に相手側のコンタクトと接触される接触部40と、を有し、金属材料で一体に形成されている。
【0071】
胴体部78は、5つの板状体で囲まれた筒状体で形成されている。胴体部78は、上板部79と、上板部79の両端から下方に屈曲された一方の側板部80及び他方の側板部81と、一方の側板部80の下端部を屈曲させて中央側に延設させた一方の底板部83と、他方の側板部81の下端部を屈曲させて中央側に延設させた他方の底板部84と、で構成されている。このとき、一方の底板部83と他方の底板部84のそれぞれの端部は中央部で隣接するようにされ、筒状になっている。
【0072】
また、胴体部78の一方の側板部80及び他方の側板部81の下側には、一方の底板部83及び他方の底板部84が延設されていない部分に鉤部82が形成されており、リセプタクルハウジング12のコンタクト収容部28に装着された場合に抜け止めされるようになっている。
【0073】
接続部85は、回路基板と接続される部分であり、胴体部78の一方側の各辺の端部から延設された複数の接続片86〜90で形成されている。なお、変形例の第1コンタクト77では、胴体部78が5枚の板状体で形成されているため、5本の接続片86〜90が胴体部78からそれぞれ延設されている。これらの接続片86〜90としては、胴体部78の上板部79からは第1接続片86が延設され、一方の側板部80からは第2接続片87が延設され、他方の側板部81からは第3接続片88が延設され、一方の底板部83からは第4接続片89が延設され、他方の底板部84からは第5接続片90が延設されている。
【0074】
変形例の第1接続片86、第2接続片87及び第3接続片88は、実施形態の第1接続片86、第2接続片及び第3接続片88と共通するため、詳細な説明は省略する。
【0075】
第4接続片89は、第1接続片86の手前側、すなわち第1接続片86を越えない位置であって、胴体部78の一方の底板部83の他方の底板部84と隣接する部分が第1接続片86に沿うように下方に延設されている。
【0076】
第5接続片90は、第1接続片86の手前側、すなわち第1接続片86を越えない位置であって、胴体部78の他方の底板部84の一方の底板部83と隣接する部分が第1接続片86に沿うように下方に延設されている。
【0077】
そして、第1接続片86、第2接続片87、第3接続片88、第4接続片89及び第5接続片90は、それぞれが一箇所に集まるようにされており、回路基板に形成された一箇所の被接続部としての孔に挿入できるようになっている。
【0078】
また、接触部91は、上記実施形態の接触部91と同様に、一対の接触片92を有している。なお、他の構成は実施形態の接触部47と共通するので詳細な説明は省略する。
【0079】
したがって、変形例の第1コンタクトの接続部は、複数の接続片で構成されているが、この複数の接続片を1つの孔に挿入し、半田付けすることで、一箇所の回路基板の被接続部としての孔に接続することができる。このようにすることで、変形例の第1コンタクトは、実施形態の第1コンタクトより接続部の断面積を大きくすることができ、また、接続部が、胴体部から平行して複数本の接続片が延設されて形成されているため、断面積が小さい箇所に大きな電流が流れることがなく、熱の発生を抑制することができる。
【0080】
なお、上記実施形態では、コンタクトは回路基板に形成された被接続部としての孔に取り付ける場合を説明したが、これに限らず、回路基板の表面に形成された被接続部としての端子部にコンタクトの接続部としての複数の接続片を載置させた後、半田付けをして接続させる、いわゆる表面実装とすることもできる。
【0081】
また、実施形態及び変形例では、第1コンタクトの接続部の複数の接続片のすべてを一箇所に集めるようにしているが、これに限らず、例えば、3つの接続片のうち2つのみを一箇所に集め、1つの接続片と2つを集めた接続片のそれぞれを1つの被接続部に接続することもできる。また、例えば、5つの接続片のうち、2つの接続片と3つの接続片をそれぞれ集めるようにすることもできる。
【0082】
また、実施形態及び変形例では、第1コンタクトの接続部の複数の接続片を1つの被接続部に接続しているが、これに限らず、複数の被接続部、接続片の数より少ない数の被接続部に接続することもできる。例えば、3つの接続片をそれぞれ分けて2つの被接続部に接続するようにしたり、5つの接続片をそれぞれ分けて2乃至4つの被接続部に接続したりすることもできる。