(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-143617(P2016-143617A)
(43)【公開日】2016年8月8日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20160711BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20160711BHJP
F21V 21/04 20060101ALI20160711BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20160711BHJP
F21Y 103/00 20160101ALN20160711BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20160711BHJP
【FI】
F21S8/02 420
F21S2/00 432
F21S2/00 433
F21S2/00 435
F21V21/04 200
F21Y101:02
F21Y103:00
F21Y105:00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-20477(P2015-20477)
(22)【出願日】2015年2月4日
(71)【出願人】
【識別番号】515032547
【氏名又は名称】リアラン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121773
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 正
(72)【発明者】
【氏名】宇野 一世
【テーマコード(参考)】
3K243
3K244
【Fターム(参考)】
3K243MA01
3K243MA02
3K243MA03
3K244AA05
3K244BA07
3K244BA08
3K244BA14
3K244BA26
3K244BA27
3K244BA28
3K244BA31
3K244BA35
3K244BA37
3K244BA39
3K244BA48
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA13
3K244EA34
3K244ED02
3K244ED06
3K244ED13
3K244ED25
3K244GA02
3K244JA03
3K244KA02
3K244KA03
3K244KA07
3K244KA09
3K244KA16
3K244KA17
3K244LA01
(57)【要約】
【課題】剛性を確保しつつ薄型化も可能なフラットパネル型の照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1は、天井下地に固定設置されるフラットパネル型の照明器具1において、天井下地95に固定されるフレーム10と、フレーム10に保持されるガラス製導光板50であって、その側面から内部に入射した光を下面から面発光するように導光する導光加工が施されたガラス製導光板50と、ガラス製導光板50の側面に対向してフレーム10の内側に設置され、フレーム10の内側に向けて光を照射する光源30と、を備え、ガラス製導光板50によって剛性が確保されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井下地に固定設置されるフラットパネル型の照明器具において、
前記天井下地に固定されるフレームと、
前記フレームに保持されるガラス製導光板であって、その側面から内部に入射した光を下面から面発光するように導光する導光加工が施されたガラス製導光板と、
前記ガラス製導光板の側面に対向して前記フレームの内側に設置され、前記フレームの内側に向けて光を照射する光源と、
を備え、前記ガラス製導光板によって剛性が確保されていることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記ガラス製導光板の上側に設置され、前記ガラス製導光板の上面から上方に出ようとする光を反射させて下面側に集める反射層と、
前記ガラス製導光板の下側に設置され、前記ガラス製導光板の下面からの光をさらに拡散するための拡散層と、
をさらに備えることを特徴とする照明器具。
【請求項3】
厚みが9.5mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記ガラス製導光板により耐撓み剛性が確保されており、耐撓み剛性を補強するための金属製補強板を備えていないことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を照らす照明器具に関し、特に、フラットパネル型の照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスの天井に設置されて部屋内を照らす照明器具として多数の製品が提供されており、LEDの普及に伴って厚みの小さいフラットパネル型の照明器具も製品化されている。例えば、下記特許文献1,2にフラットパネル型の照明器具が開示されている。
【0003】
このようなフラットパネル型の照明器具によれば、デザイン性が高く、天井に直接貼り付けることも可能なため、ほこりが溜まる心配も無いというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−222301号公報
【特許文献2】特開2014−17176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、フラットパネル型の照明器具は、薄いためにそのままでは剛性が低く、設置後に自重により撓んで変形してしまう場合がある。このため、従来は、照明器具が撓まない程度の剛性を確保するために、補強のための金属製の硬いプレートが設置されている。
【0006】
しかし、剛性を確保するために硬いプレートを設置すると、その分だけ照明器具の厚みが増してしまう。このため、従来は、フラットパネル型の照明器具として、一般的な天井用石膏ボードの規格で定められた厚み9.5mmよりも厚みの大きい照明器具しか提供されていない。
【0007】
照明器具が天井ボードよりも厚くなると、照明器具が天井面から飛び出してデザイン性が低下したり、発光位置が天井よりも下になって均一に光を照射できる範囲が狭くなるといった課題が生じてしまう。また、照明器具が天井面から飛び出さないように設置しようとすると、照明器具を埋め込むために、天井ボードを固定するための野縁をカットするといった工事が別途必要となってしまう。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、剛性を確保しつつ薄型化も可能なフラットパネル型の照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係る照明器具は、天井下地に固定設置されるフラットパネル型の照明器具において、前記天井下地に固定されるフレームと、前記フレームに保持されるガラス製導光板であって、その側面から内部に入射した光を下面から面発光するように導光する導光加工が施されたガラス製導光板と、前記ガラス製導光板の側面に対向して前記フレームの内側に設置され、前記フレームの内側に向けて光を照射する光源と、を備え、前記ガラス製導光板によって剛性が確保されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る照明器具によれば、ガラス製導光板により剛性を確保することができるので、薄型化も実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るLED照明器具の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るLED照明器具の垂直断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るLED照明器具の構成部材を展開した斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るLEDモジュール及び第一アルミフレームの拡大斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係るLED照明器具の設置状態を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係るLED照明器具の設置状態を示す垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、光源としてLEDを用いたフラットパネル型のLED照明器具を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態に係るLED照明器具の構成を示す図であり、
図1(a)は、一般的な天井への設置姿勢における底面図、
図1(b)は同じく平面図、
図1(c)は同じく右側面図を示している。
【0013】
図2は、本実施形態に係るLED照明器具の垂直断面図である。
図3は、本実施形態に係るLED照明器具の構成部材を展開した斜視図である。
図4は、本実施形態に係るLEDモジュール及び第一アルミフレームの拡大斜視図である。
【0014】
フラットパネル型のLED照明器具1は、オフィスビルの天井に設置される天井用石膏ボードの規格(910mm×455mm、9.5mm厚)と略同じ形状(910mm×455mm、9mm厚)であり、天井ボードの代わりに天井部分に設置して使用される。もちろん、LED照明器具1のサイズは適宜変更可能であり、他の一般的な規格である、910mm×910mmや、910mm×1820mmのサイズであっても良い。但し、LED照明器具1の厚みは、後述するように天井用石膏ボードの一般的な規格である9.5mm以下であるのが望ましい。
【0015】
フラットパネル型のLED照明器具1は、フレーム10と、フレーム10に設置された光源30と、発光側と逆の裏側(天井へ設置した状態である設置姿勢において上方側)から順にフレーム10に保持される、反射シート40、導光板50及び拡散シート60と、を備えている。
【0016】
フレーム10は、アルミ製の長方形状の枠体であり、裏側(上方側)に位置する長方形状枠体である第一アルミフレーム11と、発光側(下方側)に位置する長方形状枠体である第二アルミフレーム21とを備えている。三層構造の反射シート40、導光板50及び拡散シート60は、鉛直方向において第一アルミフレーム11と第二アルミフレームと21との間に挟み込まれて保持されている。
【0017】
第一アルミフレーム11は、長方形状の枠体において、上下に貫通する固定用ネジ穴12と挟持用ネジ穴13がそれぞれ複数形成されている。固定用ネジ穴12は、フレーム10を後述する天井下地に固定するための固定ネジ28が挿通される穴であり、挟持用ネジ穴13は、第一アルミフレーム11と第二アルミフレーム21とを密着固定するための挟持ネジ25が挿通される穴である。
【0018】
第二アルミフレーム21は、長方形状の枠体において、上下に貫通する固定用ネジ穴22と、内側壁にネジ溝が形成された挟持用ネジ穴23がそれぞれ複数形成されている。固定用ネジ穴22は、フレーム10を後述する天井下地に固定するための固定ネジ28が挿通される穴であり、挟持用ネジ穴23は、第一アルミフレーム11と第二アルミフレーム21とを密着固定するための挟持ネジ25がねじ込まれる穴である。
【0019】
光源30は、LEDモジュール32と、一端がLEDモジュール32に接続された配線37と、配線37の他端に設置されたコネクタ38とを備えている。LEDモジュール32は、細長い基板33と、基板33上に一列に配置された多数のLED34とを備えている。
【0020】
LEDモジュール32は、第二アルミフレーム21の両側の長側辺の内側壁面上に設置され、発光素子であるLED34から照射された指向性の高い光がフレーム10の内側に向けて略水平方向に進むように構成されている。なお、LED34は導光板50の側面に対向する位置に設置されており、フレーム10の内側に向けて光源30から照射された光は、導光板50の側面から内部に入射する。
【0021】
反射シート40は、反射率の高い素材、例えば白色に着色された樹脂から構成される。反射シート40は、導光板50の上面に密着しており、導光板50の裏側(上方側)に出てしまう光を反射させて発光側(下方側)に集める機能を有する。なお、反射シート40の裏側上面の周縁部は、第一アルミフレーム11の下面に接着固定されている。
【0022】
導光板50は、ガラス製の厚さ2mmの平板であり、側面から板内部に入射した光が下面から発光するように導光するための導光加工がされている。具体的には、導光板50の裏側の面(上面)には、微小なV溝が多数形成されている。なお、導光板50の厚さは適宜変更可能であるが、設置時にLED照明器具1が撓まない程度の剛性が確保できるようにする必要があり、ガラス素材の特性等も考慮しながら所定の厚みとすれば良い。
【0023】
ガラス製導光板50の具体的な素材としては、例えば、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、硼珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英等を用いることができる。但し、導光板50は導光加工を行う必要があり、加工性に優れた素材を用いることが望ましい。よって、加工性を考慮すると、軟質ガラスであるソーダ石灰ガラスや鉛ガラスを導光板50の素材として用いることが望ましい。
【0024】
拡散シート60は、光を拡散する特殊な加工が施されており、拡散シート60を通過した光は拡散されるため、明るさのムラが解消される。本実施形態では、導光板50の下面から照射された光が拡散シート60によって拡散され、拡散シート60の下面(発光面)においてより均一な面光源を実現することができる。
【0025】
このように、本実施形態では、高い剛性を有するガラス製の厚さ2mmの導光板50を採用しているので、導光板50によってLED照明器具1が撓まない程度の剛性を確保することができる。
【0026】
よって、LED照明器具1において剛性確保のために補強用の金属板等をさらに積層させる必要がないため、LED照明器具1の厚みを薄くすることができる。本実施形態に係るLED照明器具1では、標準的な規格である天井用石膏ボードの厚み9.5mmよりも薄い9.0mmの厚みを実現している。
【0027】
このように、LED照明器具1の厚みを天井ボード90の厚み以下とすることで、天井ボード90に代えてLED照明器具1を野縁96に直接固定して天井に設置した際に、従来のように野縁96をカットするなどの工事をしなくても、室内から見てLED照明器具1が天井面より出っ張ることがなく、デザイン性を格段に向上させることができる。
【0028】
また、LED照明器具1の厚みが天井ボード90の厚み以下となることで、フレーム10の内側に設置された光源30が天井ボード90と同じ高さに位置することになる。光源30が天井ボード90よりも低い位置にあると、光源30から照射される光の室内での拡散範囲が特に上方において狭くなり、逆に、光源30が天井ボード90よりも高い位置にあると、光源30から照射される光が天井ボード90に遮られて室内での照射範囲が狭くなる。
【0029】
よって、本実施形態のように、高さ方向において天井ボード90が位置する範囲内に光源30が設置されることで、室内においてより広範囲で均一に光を照射することが可能となる。
【0030】
また、従来、フラットパネル型のLED照明器具では、導光板の素材として合成樹脂が採用されていたが、ガラスと合成樹脂では、ガラスのほうが熱伝導率が格段に高い。よって、ガラス製の導光板50を採用した本実施形態によれば、LED照明器具1の放熱性を高め、内部が高温になるのを防止することができるので、LED34の発光効率の向上、長寿命化といった効果も奏する。
【0031】
続いて、本実施形態に係るLED照明器具1の設置手順について説明する。本実施形態に係るLED照明器具1は、オフィスビルの天井ボードと略同じ形状のフラットパネル型であり、天井ボードが設置される場所に天井ボードの代わりに設置されて照明として機能する。
図5は、本実施形態に係るLED照明器具の設置状態を示す斜視図である。
図6は、本実施形態に係るLED照明器具の設置状態を示す垂直断面図である。
【0032】
なお、
図5に示すように、オフィスの天井の構造は、建物本体に対して固定された天井下地95(野縁96、吊りボルト97)と、天井下地95に対してネジ留め固定される天井ボード90から構成される。具体的には、複数の野縁96が格子状に整列した状態で、吊りボルト97により建物本体に対して吊下固定されており、天井ボード90は野縁96に対してネジ留め固定されて設置される。
【0033】
まず、新設のオフィスの場合には、オフィスの天井の照明器具を設置したい場所に、
図5に示すような態様で、最初から天井ボード90の代わりにLED照明器具1を設置すれば良い。設置にあたっては、フレーム10に形成された固定用ネジ穴12,22に下方から固定ネジ28を貫挿させて野縁96のネジ穴にねじ込むことで、LED照明器具1を天井下地95に直接固定することができる。
【0034】
一方、蛍光灯等のオフィスの既存の照明器具と交換して設置する場合には、天井ボード90の下面に取付固定されている既存の照明器具を外した後、その天井ボード90を取り外し、その天井ボード90の位置にLED照明器具1を設置するようにすれば良い。
【0035】
天井ボード90の代わりにLED照明器具1を設置する際には、
図5に示すように、LED照明器具1を天井ボード90と同じ位置に設置して固定する。具体的には、反射シート40が上方、拡散シート60が下方に位置する姿勢、すなわち、発光面が下方に向いた姿勢でLED照明器具1を天井部分の他の天井ボード90と同じ平面内に設置し、フレーム10の固定用ネジ穴12,22を介して固定ネジ28によってLED照明器具1を野縁96に所定の箇所にネジ留めする。これにより、天井ボード90に代わってLED照明器具1が設置され、室内を照明することができる。
【0036】
以上、本実施形態に係るLED照明器具1によれば、ガラス製の導光板50を採用したことで、導光板50によってLED照明器具1が撓まない程度の剛性(耐撓み剛性)を確保することができるので、耐撓み剛性補強のために別途金属製補強板を設置する必要がなく、LED照明器具1の薄型化を実現することができる。
【0037】
また、導光板50を熱伝導率の高いガラス製としたことで、LED照明器具1の放熱性を高め、LED34の発光効率の向上や長寿命化を実現することができる。また、LED照明器具1を薄型化できることで、光源30を高さ方向において天井ボード90が位置する範囲内に設置することができ、室内においてより広範囲で均一に光を照射することができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、LED照明器具を構成する各部材の形状やサイズは適宜変更可能である。
【0039】
また、上記実施形態では、光源としてLEDを採用しているが、LED以外の発光素子等を光源として用いても良い。例えば、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp、CCFL)、熱陰極蛍光ランプ(Hot Cathode Fluorescent Lamp、HCFL)、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)、平面蛍光ランプ(Flat Fluorescent Lamp、FFL)、エレクトロルミネッセンス(Electro-Luminescence、EL)、ライトバー(Light Bar)、無極ランプ等を光源として用いることができる。
【0040】
また、上記実施形態では、導光板とは別部材として反射シート及び拡散シートを設置しているが、反射シートや拡散シートの機能を導光板に一体に持たせるようにしても良い。例えば、反射層を導光板に印刷することで導光板に反射機能を持たせても良い。なお、反射層とは、印刷されたものに限らず、反射機能を有する層全般を意味し、反射層には上述した反射シートが含まれる。
【0041】
また、拡散層を導光板に印刷したり、光拡散材料を導光板の素材に混合したりすることで導光板に拡散機能を持たせたりすることができる。なお、拡散層とは、印刷されたものに限らず、拡散機能を有する層全般を意味し、本明細書では、拡散層には上述した拡散シートが含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1 LED照明器具
10 フレーム
11 第一アルミフレーム
12 固定用ネジ穴
13 挟持用ネジ穴
21 第二アルミフレーム
22 固定用ネジ穴
23 挟持用ネジ穴
25 挟持ネジ
28 固定ネジ
30 光源
32 LEDモジュール
33 基板
34 LED
37 配線
38 コネクタ
40 反射シート
50 導光板
60 拡散シート
90 天井ボード
95 天井下地
96 野縁
97 吊りボルト