【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)経済産業省委託「次世代構造部材創製・加工技術開発(次世代複合材及び軽金属構造部材創製・加工技術開発)」に係る「次世代構造部材創製・加工技術開発(複合材構造)」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【解決手段】高分子のナノファイバからなるコア部に張力が付加された状態で、コア部の表面に金属薄膜が形成されて、金属被覆ナノファイバが作製される工程と、金属被覆ナノファイバの張力が緩和される工程と、張力が緩和された状態で金属被覆ナノファイバが高分子の沸点または熱分解温度以上かつ金属薄膜の融点以下の温度に加熱されて、コア部が気化するとともに金属薄膜がコイル状に収縮して、金属製の中空のナノコイルが生成する工程と、を含む金属製ナノコイルの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の製造方法では、ナノワイヤ(結晶)を気相成長させる必要があるので、大量生産することができず、製造コストが高い。
特許文献2の製造方法では、コア部材の表面に少なくとも2つの層を形成する必要があり、更に熱処理によって酸化物コア部材と炭素被覆層とを反応させている。このため、ナノ構造体の作製に長時間を要するとともに、製造コストが高いことが問題となっていた。
【0008】
本発明は、量産性に優れ、製造コストを削減できる金属製のナノコイルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、高分子のナノファイバからなるコア部に張力が付加された状態で、前記コア部の表面に金属薄膜が形成されて、金属被覆ナノファイバが作製される工程と、前記金属被覆ナノファイバの張力が緩和される工程と、張力が緩和された状態で前記金属被覆ナノファイバが前記高分子の沸点または熱分解温度以上かつ前記金属薄膜の融点以下の温度に加熱されて、前記コア部が気化するとともに前記金属薄膜がコイル状に収縮して、金属製ナノコイルが生成する工程と、を含む金属製ナノコイルの製造方法である。
【0010】
上記方法で作製される金属製ナノコイルは比重が軽く、断面積が小さいという特徴を有する。
上記方法では高分子のナノファイバをコア部に用いるために、気相成長法によりコア部を形成する特許文献1と比較して工程が簡易であり、金属製ナノコイルを一度に大量に生産することが可能である。本発明の方法は従来技術と比較して容易にコイル状に収縮しやすいと言う利点を有している。また、本発明の方法に依れば、右巻きコイルと左巻きコイルとが、ほぼ同数の巻き数で生成する。このため、マイクロ波誘導加熱を行う際にマイクロ波の偏波方向が変化した場合でも均等に加熱することが可能である。
【0011】
上記態様において、2つの金属製の可動板が離間されて配置される工程と、エレクトロスピニング法を用いて、前記可動板の間に前記コア部が形成される工程と、を更に含むことが好ましい。
【0012】
エレクトロスピニング法はナノファイバを容易かつ大量に作製できる方法であり、生産コストを低減させる点で有利である。
【0013】
上記態様において、前記可動板の距離を小さくすることにより前記金属被覆ナノファイバの張力が緩和され、前記可動板に前記金属被覆ナノファイバが固定された状態で前記金属被覆ナノファイバが加熱されることが好ましい。
【0014】
エレクトロスピニング法でナノファイバを形成した基板(可動板)を利用して金属被覆ナノファイバの張力緩和や加熱を行うので、工程が簡易である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に依れば、気相成長よりも簡易な工程で金属製のナノコイルを一度に大量に製造することができる。このため、製造コストを大幅に削減することが可能である。
また、本発明に依れば結晶成長法で作製されるナノコイルよりも比重が軽いナノコイルを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態に係る金属製ナノコイルの製造方法を、図面を参照して説明する。
<コア部の準備>
コア部として高分子からなるナノファイバを準備する。ナノファイバとは、2つの次元(長さ方向に直交する次元)がナノスケール(1〜数百nm)であり、残る1つの次元(長さ方向の次元)が上記2つの次元よりも著しく大きいサイズを有している繊維状のナノ物質である。
【0018】
上記高分子として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリウレタン(PU)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリ乳酸(PLA)、ポリフェニレンビニレン(PPV)、ナイロン6などが使用できる。高分子は1種類でも良く、複数種類の高分子を混合したものを用いても良い。
【0019】
ナノファイバは、エレクトロスピニング法、メルトブロー法、延伸法などにより作製される。以下ではエレクトロスピニング法を用いたナノファイバ製造方法を詳細に説明する。
【0020】
<エレクトロスピニング法を用いたコア部の作製>
エレクトロスピニング法は、容易にナノファイバを作製できる方法である。
図1はエレクトロスピニング法によるコア部の製造装置の概略図である。製造装置10は、シリンジ11と、高電圧電源13と、基板20とを備える。
【0021】
シリンジ11は不図示のスタンドによって、基板20の上方に基板20から所定距離だけ離間されて固定されている。シリンジ11の先端には金属製のノズル12が取り付けられる。
【0022】
シリンジ11内に上記高分子を含む高分子溶液が充填される。高分子溶液の溶媒は、上記高分子が溶解可能であれば特に限定されない。例えば、溶媒として水、トリクロロ酢酸、ジメチルホルミアミド、クロロホルム、メタノール、ギ酸などが用いられる。高分子溶液中の高分子濃度は、粘度、高分子の溶解性、作製されるコア部のサイズ等を考慮して適切に設定される。
【0023】
図2は
図1の基板20を詳細に説明するための概略図である。基板20は、支持板21上にポリテトラフルオロエチレン製の板(PTFE板)22と金属製の可動板支持部材23が配置される。PTFE板22及び可動板支持部材23上に、2つの金属製の可動板24が互いに離間して配置されて構成される。
【0024】
図3は、本実施形態の製造装置10に適用できる基板の別の例の概略図である。
図3の製造装置10は特に可動板(符号34)の間の面積(ナノファイバ作製領域の面積)が大きい場合に用いられる。
基板30は、L字型の支持板31上に2つの金属製の可動板34と、可動板34の間にPTFE板32とが配置されて構成される。可動板34の間に可撓部材35を固定する。可撓部材35は、融点が300℃以上であり、可撓性を有する部材であれば特に限定されない。例えば可撓部材35は銅線である。
【0025】
可動板24,34の間の距離は、作製されるコア部の大きさ(長さ)に応じて設定される。
図3の基板30では、PTFE板32の幅によって可動板34間の距離が決定される。
【0026】
可動板24,34の厚さは、可動板24、34の距離に応じて、後述するようにファイバの張力を緩和し撓ませた時に支持板21と接触しない厚さに設定される。但し、可動板34が厚くなると(支持板31と可動板34の上面との距離が大きくなると)、基板30が不安定になる。
図3の基板30は、
図2の基板20に比べて可動板が厚くなっても可動板の安定性が確保される。つまり、
図3の基板30は可動板34間の大きくしても、コア部を撓ませた時にコア部が支持板31に接触することを防止できる。
【0027】
シリンジ11のノズル12は高電圧電源13の正極に接続され、支持板21(または支持板31)は高電圧電源13の負極に接続される。支持板21(または支持板31)は接地される。
【0028】
以下では、
図2の基板20を用いて金属ナノコイルを製造する方法を説明する。
高電圧電源13は、ノズル12と支持板21との間に所定電圧(5kV以上80kV以下)を印可する。ノズル12先端から一定の速度で高分子溶液が基板20に向かって押し出される。ノズル−アース間の電気引力によって高分子溶液が基板20の可動板24及びPTFE板22上に向けて噴霧される。噴霧される際に高分子溶液中の溶媒が徐々に揮発し、基板20に到達するときにはナノファイバとなる。ナノファイバはPTFE板22を跨いで2つの可動板24間に形成される。
【0029】
上記エレクトロスピニング法によって形成されるナノファイバは、断面の直径が30nm以上1000nm以下の繊維である。
【0030】
ナノファイバを載置した基板20が真空デシケータ内に収納され、ナノファイバが減圧乾燥される。乾燥温度は室温が好ましいが、30℃以上、かつ、ナノファイバを構成する高分子の融点温度以下または熱分解温度以下の範囲の温度とすることもできる。圧力は10Pa以上100Pa以下である。
ナノファイバが乾燥することにより、可動板24間でナノファイバに張力が付加される。
【0031】
<金属薄膜の形成>
基板20のPTFE板22が外される。その後、ナノファイバをコア部として、コア部表面に金属薄膜が形成され、金属被覆ナノファイバが作製される。金属の種類は限定されない。例えば、Pt,Auなどの貴金属や、Cu,Niが好適である。金属薄膜の形成方法には、スパッタリング法、蒸着法、CVD法などが用いられる。金属薄膜の膜厚は5nm以上50nm以下である。
上記の金属薄膜形成方法を用いると、成膜時に金属原子が飛来する側と反対側の面は影となる。このため、金属薄膜の膜厚は周方向に不均一となり、影になる部分が最も薄くなる。
【0032】
<金属被覆ナノファイバの張力緩和>
2つの可動板24が内側に向かって移動される。こうすることにより、金属被覆ナノファイバの張力が緩和され、金属被覆ナノファイバが撓む。この場合の可動板24間の距離は、後述する加熱による金属皮膜の収縮率などを考慮して設定される。
【0033】
図3の基板30の場合は、可動板34間の距離を小さくするように可動板34を移動させると、可動板34の長手方向に(
図3によると、L字型の支持板31の垂直部分に向かって)可撓部材35が撓む。こうすることにより、金属被覆ナノファイバの張力が2方向に緩和される。
可動板34間の距離が大きい(ナノファイバ作製領域面積が大きい)場合には、大気の揺らぎにより金属被覆ナノファイバが切断する恐れがある。可撓部材35を設けることにより、金属被覆ナノファイバの切断の問題を防止することができる。
【0034】
この工程では、撓ませた時に金属被覆ナノファイバと支持板21,31とが接触しないように、可動板24,34の移動距離が設定される。
【0035】
<金属被覆ナノファイバの加熱>
金属被覆ナノファイバの張力が緩和された状態で、金属被覆ナノファイバが熱処理される。熱処理温度条件は、コア部を構成する高分子の沸点または熱分解温度以上、かつ、金属被覆の融点以下の温度である。
熱処理は、金属被覆の種類によって適切な熱処理雰囲気で行われる。Pt,Au等のように酸化されにくい金属の場合、大気中などの酸素が存在する雰囲気下、または、N
2,Arなどの不活性ガス雰囲気下で熱処理が行われる。一方、酸化される金属(上述の例ではCu,Ni)の場合は不活性ガス雰囲気下で加熱される。
【0036】
上記温度に金属被覆ナノファイバが加熱されると、コア部の高分子が気化する。上述したように金属薄膜は周方向に膜厚が不均一である。高分子が気化することにより金属薄膜内側の圧が高まり、金属薄膜の膜厚最少部分が破れ、破裂部分から気化した高分子がファイバ外部に排出される。
【0037】
一方、金属被覆は基板20に固定された状態で残留する。金属被覆は極めて薄いため、加熱により金属被覆がコイル状に収縮し、金属製ナノコイルが生成する。作製された金属製ナノコイルの断面は中空状あるいはU字状となり、中実の場合よりも断面積が小さくなる。断面積が小さいために、本実施形態の金属製ナノコイルを用いてマイクロ波誘導加熱を行った場合は、加熱効率を向上させることが可能であると考えられる。
【0038】
金属製ナノコイルの断面の大きさは、コア部の直径、金属薄膜の不整合歪み、金属薄膜の膜厚によって調整される。金属薄膜の不整合歪みは、成膜方法や金属の種類に応じて調整することが可能である。コイルのピッチは、熱処理前の金属被覆ナノファイバの張力緩和の程度(可動板間の距離)により調整される。
具体的に、本実施形態の方法により、断面の最大長さが40nm〜1000nm、螺旋径100nm〜2000nm、ピッチ100nm〜10000nmの金属製ナノコイルが製造可能である。
【0039】
本実施形態の方法では、右巻きコイルと左巻きコイルとがほぼ同数の巻き数で形成される。マイクロ波誘導加熱を行う場合、マイクロ波の偏波方向が変化した場合でも均等に加熱される。
【0040】
使用用途に応じて作製後の金属ナノコイルが所定の長さに切断される。
【実施例】
【0041】
<実施例1>
コア部にPVAを用い、Pt製の金属ナノコイルを作製した。
まず、エレクトロスピニング法を用いてPVAのコア部を作製した。9wt%PVA水溶液を作製した。純水にPVA粉末(ケン化度86〜90mol%、平均重合度1500)を添加し、温度50℃で5時間撹拌した。
【0042】
図2に示す基板20(可動板24間の距離:10mm)をシリンジ11の下方に設置した。
図1に示す製造装置10のシリンジ11に上記PVA水溶液を充填した。ノズル12先端から基板20までの距離(ノズル12先端からPTFE基板20までの最短距離)を25cmに設定した。ノズル12及び基板20の間に20kVの電圧を印可した。一定速度でノズル12先端からPVA溶液を基板20に向かって押し出した。これにより、基板20の可動板24及びPTFE板22上にPVA製のナノファイバ(直径200nm〜1000nm、平均径300nm)が形成された。ナノファイバが形成された領域は、可動板24の長手方向:10mmの範囲内であった。
【0043】
ナノファイバが載置された基板20が真空デシケータ内に収容され、室温で12時間減圧乾燥(約100Pa)を行った。この工程により、基板20上に固定されたコア部が得られた。
【0044】
PTFE板22を取り外した基板20をスパッタリング装置内に収容される。ターゲット:Pt、圧力1.5Pa、電圧0.6kV、基板−電極間距離2.5cmの条件でスパッタリングを実施した。スパッタリングにより、コア部の表面に厚さ30nmのPt薄膜を形成し、Pt被覆ナノファイバを得た。
【0045】
Pt薄膜形成後、Pt被覆ナノファイバを鉛直方向に撓ませるために、可動板24間の距離を10mmから7mmに変更した。この時、Pt被覆ナノファイバと支持板21とが接触していないことを確認した。
【0046】
その後、基板20を加熱炉の石英管(内径25mm)内に収容し、Ar雰囲気(流量10sccm、圧力約170Pa)中にて300℃、30分熱処理した。
熱処理後、基板20を石英管から取り出し、Pt製のナノコイルを得た。
【0047】
図4は、実施例1のエレクトロスピニング法で作製されたPVAナノファイバのSEM画像である。得られたナノファイバに長さ方向の収縮(例えばコイル状の収縮)は認められなかった。
【0048】
図5は、実施例1の方法によりPt薄膜が形成された金属被覆ナノファイバのSEM画像である。ナノファイバの表面にPt薄膜が形成されてもナノファイバの収縮は観察されなかった。
【0049】
図6及び
図7は、
図5の金属被覆ナノファイバを熱処理した後のSEM画像である。図面に示されているように、熱処理によりPt薄膜がコイル状に収縮していることがわかる。得られたナノコイルは、断面の最大長さ約200〜1000nm、螺旋径0.2〜2μm、ピッチ1〜10μmであった。
【0050】
<実施例2>
図3に示す基板を用いてエレクトロスピニング法によりナノファイバを作製した。基板30の可動板34間の距離を36mmとした。基板30を
図1の製造装置のシリンジ11の下方に設置した。シリンジ11内に実施例1と同じ高分子溶液を充填した。ノズル12先端から基板30までの距離(ノズル12先端からPTFE基板30までの最短距離)を36cmに設定した。
【0051】
実施例1と同条件で高分子溶液が基板30に向かって押し出され、可動板34及びPTFE板32上にPVA製のナノファイバ(直径200nm〜1000nm、平均径300nm)を形成した。ナノファイバ形成後、実施例1と同じ条件で乾燥処理が実施され、コア部が形成された。ナノファイバが形成された領域は、可動板34の長手方向:25mmの範囲内であった。
【0052】
次いで、基板30のPTFE板32を取り外し、基板30をスパッタリング装置内に収容する。ターゲット:Pt、圧力1.5Pa、電圧0.6kV、基板−電極間距離2.5cmの条件でスパッタリングを実施した。スパッタリングにより、コア部の表面に厚さ30nmのPt薄膜を形成した。
【0053】
Cu薄膜形成後、可動板34をL字型の支持板31及び可撓部材35に沿って移動させ、可動板34間の距離を36mmから25mmに変更した。
【0054】
その後、基板30を加熱炉の石英管(内径25mm)内に収容し、大気中にて300℃、15分熱処理した。
熱処理後、基板30を石英管から取り出し、Pt製のナノコイルを得た。
【0055】
図8及び
図9は、実施例2で作製されたPt製ナノコイルのSEM画像である。図面に示されているように、
図8,9に示すように、実施例2の工程でもPt製ナノコイルが得られた。得られたナノコイルは、断面の最大長さ約200〜1000nm、螺旋径0.2〜2μm、ピッチ1〜10μmであった。
【0056】
<実施例3>
実施例2と同じ基板30を用い、同条件でコア部を形成した。基板30のPTFE板32を取り外したのち、基板30をスパッタリング装置内に収容する。ターゲット:Cu、圧力1.5Pa、電圧0.6kV、基板−電極間距離2.5cmの条件でスパッタリングを実施した。スパッタリングにより、コア部(PVAファイバ)の表面に厚さ30nmのCu薄膜を形成した。
【0057】
Cu薄膜形成後、可動板34をL字型の支持板31及び可撓部材35に沿って移動させ、可動板34間の距離を36mmから25mmに変更した。
【0058】
その後、実施例1と同じ条件で金属被覆ナノファイバを熱処理した。熱処理後、基板30を石英管から取り出し、Cu製のナノコイルを得た。
【0059】
<実施例4>
実施例2と同じ基板30を用い、同条件でコア部を形成した。基板30のPTFE板32を取り外したのち、基板30をスパッタリング装置内に収容する。ターゲット:Ni、圧力1.5Pa、電圧0.6kV、基板−電極間距離2.5cmの条件でスパッタリングを実施した。スパッタリングにより、コア部(PVAファイバ)の表面に厚さ30nmのNi薄膜を形成した。
【0060】
Ni薄膜形成後、可動板34をL字型の支持板31及び可撓部材35に沿って移動させ、可動板34間の距離を36mmから25mmに変更した。
【0061】
その後、実施例1と同じ条件で金属被覆ナノファイバを熱処理した。熱処理後、基板30を石英管から取り出し、Ni製のナノコイルを得た。
【0062】
図10は、実施例3で作製したCu製ナノコイルのSEM画像である。
図11は、実施例4で作製したNi製ナノコイルのSEM画像である。このように、CuやNiを金属薄膜層に形成した場合でも、金属ナノコイルを形成することができた。得られたナノコイルは、断面の最大長さ約200〜1000nm以下、螺旋径0.2〜2μm、ピッチ1〜10μmであった。