【解決手段】画像形成装置100は、画像形成部61と、上部給紙部と、排紙部64と、第1の搬送路R1と、第2の搬送路R2と、第3の搬送路R3と、第1のレジストローラ対62と、第2のレジストローラ対63と、を備える。画像形成部61は用紙に画像を形成する。上部給紙部は画像形成部61の上方に配置される。排紙部64は用紙を排出する。第1の搬送路R1は上部給紙部からの用紙を画像形成部61へ搬送する。第2の搬送路R2は用紙を画像形成部61へと導いて通過させる。第3の搬送路R3は用紙を排紙部64へと搬送する。第1のレジストローラ対62は上部給紙部から給紙された用紙の斜行を補正する。第2のレジストローラ対63は第1の搬送路R1からの用紙の斜行を補正する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.第1実施形態
(1)画像形成装置の構成
以下、第1実施形態に係る画像形成装置について説明する。まず、画像形成装置100の全体的な構成を、
図1及び
図2を用いて説明する。第1実施形態に係る画像形成装置100は、コピー機能とファクシミリ機能となどを備えたMFP(Multi Functional Peripheral)とも呼ばれる画像形成装置である。
画像形成装置100は、本体部1を備える。本体部1は、画像形成装置100の本体を形成する。本体部1は、内部に画像形成機構6(
図2)を有している。
【0023】
本体部1の上面の一部には、排出トレイTが形成されている。排出トレイTには、排紙部64(
図2)から排出された、画像が形成された用紙が排出される。
【0024】
画像形成装置100は、画像読取部2を備える。画像読取部2は、典型的には、本体部1の上部に設けられる。画像読取部2は、印刷したい画像を当該印刷したい画像が形成された紙面などから読み取るイメージスキャナである。なお、画像読取部2は、画像が形成された紙面などを自動的に画像読取部2の内部に送り込むADF(Auto Document Feeder)などの自動原稿読取機構を有していてもよい。
【0025】
画像形成装置100は、操作パネル3を備える。
図1に示す例において、操作パネル3は、画像読取部2の下方に設けられている。操作パネル3は、画像形成装置100のユーザなどによる入力操作を受け付ける。ユーザは、操作パネル3を操作することにより、画像形成装置100の各種設定を行える。
【0026】
画像形成装置100は、上部給紙部として上部給紙カセット部4を備える。上部給紙カセット部4は、本体部1と画像読取部2との間に配置されている。すなわち、上部給紙カセット部4は、本体部1(画像形成機構6)の上方に配置されている。これにより、上部給紙カセット部4は、画像形成機構6の上方から、第1用紙Y1(後述)を給紙できる。なお、この実施の形態では、上部給紙部として給紙カセットとしているが、手差しトレイのようなトレイ形状の給紙部を採用してもよい。
【0027】
上部給紙カセット部4は、上部給紙カセット41を有する。上部給紙カセット41には第1用紙Y1が載置されている。画像形成装置100の動作時には、上部給紙カセット41は、上部給紙カセット収容部43に設けられた空間S1(
図2)に収容される。
【0028】
上部給紙カセット部4は、給紙ローラ45(
図2)を有する。給紙ローラ45は、例えば、円筒形の部材である。給紙ローラ45は、上部給紙カセット収容部43に設けられた空間S1において、上部給紙カセット41に載置された第1用紙Y1の表面と給紙ローラ45の円筒形の側面とが接触するように配置されている。また、給紙ローラ45は、円筒形の長さ方向の軸回りに回転可能となっている。これにより、給紙ローラ45は、当該軸回りの回転(
図2に示す例では反時計回りの回転)により、第1用紙Y1を上部給紙カセット41から第1の搬送路R1(
図2)へ送出できる。
【0029】
本実施形態において、給紙ローラ45は、
図3に示すように、上部カセット給紙クラッチ451を介して接続されたモータMの回動により回転する。具体的には、第1用紙Y1を供給する指令があったときに、制御部7(
図3)が、上部カセット給紙クラッチ451に対して、給紙ローラ45にモータMの回転を伝達させるよう指令する。
【0030】
画像形成装置100は、下部給紙部として下部給紙カセット部5を備える。下部給紙カセット部5は、本体部1の下部(画像形成機構6の下方)に配置されている。これにより、下部給紙カセット部5は、画像形成機構6の下方から、第2用紙Y2(
図2)を供給できる。
【0031】
下部給紙カセット部5は、下部給紙カセット51を有する。下部給紙カセット51には、下部給紙カセット部5から給紙される第2用紙Y2が載置されている。画像形成装置100の動作時には、下部給紙カセット51は、下部給紙カセット収容部53に設けられた空間S2(
図2)に収容される。
【0032】
下部給紙カセット部5は、給紙ローラ55(
図2)を有する。給紙ローラ55は、例えば、円筒形の部材である。給紙ローラ55は、下部給紙カセット収容部53に設けられた空間S2において、下部給紙カセット51に載置された第2用紙Y2の表面と給紙ローラ55の円筒形の側面とが接触するように配置されている。また、給紙ローラ55は、円筒形の長さ方向の軸回りに回転可能となっている。これにより、給紙ローラ55は、当該軸回りの回転(
図2に示す例では反時計回りの回転)により、第2用紙Y2を、下部給紙カセット51から第1の副搬送路R1’(
図2)を経由して、第1の搬送路R1(
図2)へ送出できる。
【0033】
本実施形態において、給紙ローラ55は、
図3に示すように、下部カセット給紙クラッチ551を介して接続されたモータMの回動により回転する。具体的には、第2用紙Y2を供給する指令があったときに、制御部7が、下部カセット給紙クラッチ551に対して、給紙ローラ55にモータMの回転を伝達させるよう指令する。
【0034】
画像形成装置100は、本体部1と、上部給紙カセット部4と、下部給紙カセット部5と、を組み合わせて備えていてもよい。これにより、第1用紙Y1及び第2用紙Y2を、それぞれ、上部給紙カセット部4及び下部給紙カセット部5から、画像形成機構6へ個別に給紙できる。第1用紙Y1のサイズと第2用紙Y2のサイズとは同じであってもよい。または、第1用紙Y1のサイズと第2用紙Y2のサイズとは異なっていてもよい。
【0035】
第1用紙Y1と第2用紙Y2とを異なるサイズの用紙とする場合、第1用紙Y1のサイズを第2用紙Y2のサイズよりも大きくしてもよい。例えば、第1用紙Y1の大きさをA3サイズとし、第2用紙Y2の大きさをA4サイズとできる。
これにより、画像形成装置100の底面積(設置面積)を減少できる。つまり、画像形成装置100の設置面積を省スペース化できる。
【0036】
(2)画像形成機構の構成の詳細
2−1.画像形成機構の全体構成
次に、画像形成装置100に備わる画像形成機構6の構成について、
図2を用いて詳細に説明する。画像形成機構6は、上部給紙カセット41又は下部給紙カセット51から供給した用紙の表面上に、所望の画像を形成する。従って、画像形成機構6は、画像形成部61を有する。本実施形態において、画像形成部61は、供給された第1用紙Y1又は第2用紙Y2の表面上に、電子写真方式により印刷したい画像を形成する。
【0037】
電子写真方式により画像を形成する画像形成部61は、感光体ドラム611と、感光体ドラム611の周囲に配設された帯電デバイス612と、露光デバイス613と、現像デバイス614と、転写ローラ615と、クリーニングデバイス616と、加熱ローラ617と、加圧ローラ618などにより構成されている。
【0038】
上記の構成を有する画像形成部61においては、具体的には、以下のようにして用紙の表面に画像を形成する。
まず、帯電デバイス612により帯電された感光体ドラム611に、印刷したい画像の電子データに基づいて光量が調整された光を露光デバイス613により照射する。これにより、感光体ドラム611の表面に、印刷したい画像に対応した静電潜像が形成される。
【0039】
次に、上記の静電潜像が形成された感光体ドラム611の表面に、現像デバイス614からトナーを供給する。これにより、感光体ドラム611の表面上に、印刷したい画像(静電潜像)に対応するようにトナーが付着する。
【0040】
その後、感光体ドラム611と転写ローラ615との回転により、画像形成部61へと供給されてきた用紙が、トナーが付着した感光体ドラム611と転写ローラ615との間を通過する。このとき、感光体ドラム611と転写ローラ615との間を通過した用紙の表面(感光体ドラム611の表面に面した側の表面)に、トナーが付着される。
【0041】
トナーが付着した用紙は、さらに、加熱ローラ617と加圧ローラ618との間を通過する。用紙が加熱ローラ617と加圧ローラ618との間を通過することにより、用紙に付着したトナーが、用紙の表面に固定される。
【0042】
図2に示すように、画像形成部61と、上部給紙カセット41と、下部給紙カセット51と、排出トレイTとは、互いに離れた位置に配置されている。そのため、画像形成機構6は、印刷したい用紙(第1用紙Y1、第2用紙Y2)を上部給紙カセット41又は下部給紙カセット51から画像形成部61へと搬送し、画像を印刷した用紙を排出トレイTへ搬送するための搬送路Rを有する。
【0043】
搬送路Rは、第1の搬送路R1を有する。第1の搬送路R1は、上部給紙カセット41又は下部給紙カセット51から給紙された用紙を、画像形成部61へ搬送する。搬送路Rは、第2の搬送路R2を有する。第2の搬送路R2は、第1の搬送路R1と接続される。第2の搬送路R2には画像形成部61が配置される。第2の搬送路R2は、第1の搬送路R1から搬送された用紙を画像形成部61へと導く。画像形成部61へと導かれた用紙は、第2の搬送路R2を搬送中に画像形成部61を通過する。
【0044】
搬送路Rは、第3の搬送路R3を有する。第3の搬送路R3は、第2の搬送路R2を通過することにより画像が形成された用紙を、排出トレイTへと搬送する。または、第3の搬送路R3は、画像形成装置100において両面印刷を実行中に、すでに片面に画像が印刷された用紙を、再び第1の搬送路R1へと搬送する。
以下、第1の搬送路R1と、第2の搬送路R2と、第3の搬送路R3のそれぞれについてさらに詳しく説明していく。
【0045】
2−2.第1の搬送路の詳細構成
以下、第1の搬送路R1について説明する。第1の搬送路R1は、第1用紙Y1及び第2用紙Y2が通過可能な空間として形成されている。
第1の搬送路R1は、第1の入口IN1を有する。第1の入口IN1は、上部給紙カセット部4の給紙ローラ45の近傍に設置される。給紙ローラ45の回転により、上部給紙カセット41から給紙された第1用紙Y1は、第1の入口IN1から第1の搬送路R1へと搬送される。
【0046】
第1の搬送路R1は、第1の副搬送路R1’を有する。第1の副搬送路R1’は、第1の搬送路R1の所定の位置から分岐し、下部給紙カセット51の給紙ローラ55の近傍へと伸びている。第1の副搬送路R1’の給紙ローラ55の近傍側には、第2の入口IN2が存在する。
給紙ローラ55の回転により、下部給紙カセット51から給紙された第2用紙Y2は、第2の入口IN2から第1の副搬送路R1’へ搬送される。その後、第1の副搬送路R1’が、第2用紙Y2を第1の搬送路R1へと搬送する。
【0047】
第1の搬送路R1は、第1の出口E1を有する。第1の出口E1は第2の搬送路R2の第3の入口IN3(後述)と接続されている。その結果、第1の搬送路R1を搬送された第1用紙Y1又は第2用紙Y2は、第1の出口E1から第3の入口IN3を経て、第2の搬送路R2へと搬送される。
【0048】
第1の搬送路R1の第1の副搬送路R1’が設けられた箇所よりも用紙の搬送方向の上流側に、第1のレジストローラ対62が配置されている。第1のレジストローラ対62は、回動可能に配置された一対のローラにより構成される。第1のレジストローラ対62を構成するローラ対の回動は、第1の用紙通過検出部621からの信号に基づいて制御される。第1の用紙通過検出部621は、第1の搬送路R1において、第1のレジストローラ対62よりも用紙の搬送方向上流側に設置される。第1の用紙通過検出部621は、制御部7(
図3)に、用紙の先頭部分の通過の検出信号を送信する。
【0049】
本実施形態において、第1のレジストローラ対62は、第1の用紙通過検出部621が用紙の先頭部分の通過を検出してから第1の時間t1経過後までの間、回動を停止する。上記の第1の時間t1は、例えば、用紙が第1の用紙通過検出部621が設置された箇所から第1のレジストローラ対62に到達するまでの時間に、さらに所定の時間を加えた時間として設定される。
【0050】
第1の時間t1における上記の所定の時間は、例えば、用紙(第1用紙Y1)の先頭部分の辺の一部が第1のレジストローラ対62に当接し用紙の搬送が停止してから、用紙の回転により用紙の先頭部分の辺のほぼ全てが第1のレジストローラ対62に当接するまでにかかる時間に基づいて決定できる。
第1の時間t1を上記のように決定することにより、第1のレジストローラ対62は、第1の搬送路R1を搬送中の第1用紙Y1の斜行を補正できる。
【0051】
本実施形態において、第1のレジストローラ対62は、
図3に示すように、第1レジストクラッチ623を介して接続されたモータMの回動により回転する。具体的には、制御部7は、第1の用紙通過検出部621において用紙の先頭部分の通過が検出されてから第1の時間t1経過後まで、第1レジストクラッチ623に対して、第1のレジストローラ対62をモータMから切り離すよう指令する。その結果、第1のレジストローラ対62は、第1の時間t1経過後までの間、回動を停止する。
【0052】
図2に示すように、第1の搬送路R1は、本実施形態においては第1のレジストローラ対62と第1の入口IN1の中間点付近の接続部分C(後述)において、第2の副搬送路R2’(後述)と接続されている。第2の副搬送路R2’は、すでに片面に画像が形成され反転された用紙を、第3の搬送路R3から再度第1の搬送路R1へと搬送する。これにより、本実施形態に係る画像形成装置100は、用紙の両面に画像を形成できる(両面印刷可能)。
【0053】
本実施形態において、すでに片面に画像が形成された用紙が第1の搬送路R1へと再び戻ってきたとき、第1のレジストローラ対62は、第1の用紙通過検出部621において当該用紙の先頭部分の通過が検出されても、第1のレジストローラ対62の回転を停止しない。すなわち、第1のレジストローラ対62は、すでに片面に画像が形成された用紙に対しては、当該用紙を第2の搬送路R2へと搬送する搬送ローラ対として動作する。
第1の搬送路R1中を搬送されている用紙が、すでに片面に画像が形成された用紙であるかどうかの判断は、例えば、制御部7において行う。
【0054】
第1のレジストローラ対62が、すでに片面に画像が形成された用紙に対しては搬送ローラとして動作するのは、以下の理由からである。
すなわち、すでに片面に画像が形成された用紙には、画像形成部61により画像がすでに形成されているからである。つまり、当該用紙に対しては、すでに斜行補正がなされているからである。第1のレジストローラ対62がすでに片面に画像が形成された用紙に対しては搬送ローラ対として動作することにより、少なくとも一度は斜行補正が施された用紙に対して、無駄に斜行補正を施すことを回避できる。
【0055】
第1の搬送路R1が上記の構成を有することにより、第1の搬送路R1は、上部給紙カセット41からの第1用紙Y1、又は、下部給紙カセット51からの第2用紙Y2を第2の搬送路R2へと搬送できる。
また、第1のレジストローラ対62を第1の搬送路R1の第1の副搬送路R1’が設けられた箇所よりも用紙の搬送方向の上流側に設けることにより、用紙の搬送距離に基づいて斜行補正を実行する回数を調整できる。
【0056】
具体的には、
図2に示すように、下部給紙カセット51は画像形成部61(第2の搬送路R2)に近い位置に配置されている。このため、第2用紙Y2は、第2のレジストローラ対63(後述)のみにて斜行補正しても、十分に斜行補正される。つまり、第2用紙Y2に対しては、第1のレジストローラ対62による斜行補正は特に必要ない。
第1のレジストローラ対62を第1の搬送路R1の第1の副搬送路R1’が設けられた箇所よりも用紙の搬送方向の上流側に設けることにより、第2用紙Y2に対しては一度だけ斜行補正を行い、無駄に斜行補正を実行することを回避できる。
【0057】
一方、画像形成部61に到達するまでに比較的長い距離を搬送される第1用紙Y1は、第1の搬送路R1を通過して第2の搬送路R2へ搬送されるまでの間に第1のレジストローラ対62により一度斜行補正される。その後、第1用紙Y1は画像形成部61に到達する前に第2のレジストローラ対63により再び斜行補正される。これにより、長い距離を搬送される第1用紙Y1に対しては、画像形成部61に到達するまでに二回の斜行補正を実行して、第1用紙Y1の斜行を確実に補正できる。
【0058】
2−3.第2の搬送路の詳細構成
以下、第2の搬送路R2について説明する。第2の搬送路R2は、用紙(第1用紙Y1、第2用紙Y2)が通過可能な空間として形成されている。第2の搬送路R2の所定の位置には、画像形成部61が配置されている。具体的には、感光体ドラム611と、帯電デバイス612と、露光デバイス613と、現像デバイス614と、転写ローラ615と、クリーニングデバイス616とが、第2の搬送路R2の用紙の搬送方向上流側に配置されている。一方、画像形成部61の加熱ローラ617及び加圧ローラ618は、画像形成部61の上記の構成要素よりも、用紙の搬送方向下流側に配置されている。
【0059】
画像形成部61の各構成要素が第2の搬送路R2において上記のように配置されることにより、第2の搬送路R2を搬送される用紙にまずトナーが印刷したい画像に対応するように付着され、その後、用紙に付着されたトナーが用紙に定着される。
【0060】
第2の搬送路R2は、第3の入口IN3を有する。第3の入口IN3は、第1の搬送路R1の第1の出口E1と接続されている。従って、第3の入口IN3には、第1の搬送路R1から用紙(第1用紙Y1、第2用紙Y2)が搬送されてくる。その結果、第1の搬送路R1から搬送された用紙が、第2の搬送路R2へと搬送される。
【0061】
第2の搬送路R2には、第2のレジストローラ対63が配置されている。第2のレジストローラ対63は、第2の搬送路R2において、第3の入口IN3近傍であって画像形成部61よりも用紙の搬送方向上流側に配置されている。
第2のレジストローラ対63は、回動可能に配置された一対のローラにより構成される。第2のレジストローラ対63を構成するローラ対の回動は、第2の用紙通過検出部631からの信号に基づいて制御される。第2の用紙通過検出部631は、第2の搬送路R2において、第2のレジストローラ対63よりも用紙の搬送方向上流側に設置される。第2の用紙通過検出部631は、用紙の先頭部分の検出信号を、制御部7へ送信する。
【0062】
本実施形態において、第2のレジストローラ対63は、第2の用紙通過検出部631が用紙の先頭部分の通過を検出してから第2の時間t2経過後までの間、回動を停止する。上記の第2の時間t2は、例えば、用紙が第2の用紙通過検出部631が設置された箇所から第2のレジストローラ対63に到達するまでの時間に、さらに所定の時間を加えた時間として設定される。
【0063】
第2の時間t2における上記の所定の時間は、例えば、用紙の先頭部分の辺の一部が第2のレジストローラ対63に当接し用紙の移動が停止してから、用紙の先頭部分の辺のほぼ全てが第2のレジストローラ対63に当接するまでにかかる時間に基づいて決定できる。
【0064】
第2の時間t2を上記のように決定することにより、第2のレジストローラ対63は、第2の搬送路R2を搬送されてきた用紙(第1用紙Y1、第2用紙Y2、すでに片面に画像が形成された用紙)の斜行を補正できる。
【0065】
本実施形態において、第2のレジストローラ対63は、
図3に示すように、第2レジストクラッチ633を介して接続されたモータMの回動により回転する。具体的には、制御部7は、第2の用紙通過検出部631において用紙の先頭部分の通過が検出されてから第2の時間t2経過後まで、第2レジストクラッチ633に対して、第2のレジストローラ対63をモータMから切り離すよう指令する。その結果、第2のレジストローラ対63は、第2の時間t2経過後までの間、回動を停止する。
【0066】
第2の搬送路R2は、第2の出口E2を有する。第2の出口E2は、第3の搬送路R3の第4の入口IN4(後述)と接続される。これにより、第2の搬送路R2を搬送された用紙は、第3の搬送路R3へと搬送される。
【0067】
第2の搬送路R2が上記の構成を有することにより、第2の搬送路R2は、画像形成部61に第1の搬送路R1から搬送された用紙を通過できる。その結果、当該用紙が画像形成部61を通過中に、印刷したい画像を当該用紙の表面に形成できる。
また、画像形成部61よりも用紙の搬送方向上流側に第2のレジストローラ対63が配置されることにより、第2の搬送路R2へ搬送されてきた用紙の斜行を、当該用紙が画像形成部61へと導かれる前に補正できる。
【0068】
2−4.第3の搬送路の詳細構成
以下、第3の搬送路R3について説明する。第3の搬送路R3は、用紙(第1用紙Y1、第2用紙Y2)が通過可能な空間として形成されている。第3の搬送路R3は、第4の入口IN4を有する。上記のように、第4の入口IN4は、第2の搬送路R2の第2の出口E2と接続される。
【0069】
第3の搬送路R3は、第3の出口E3を有する。第3の出口E3は、本体部1の排出トレイTの上部に配置されている。また、第3の搬送路R3の第3の出口E3には、排紙部64が配置されている。排紙部64は、例えば、一対のローラにより構成されている。排紙部64は、第3の搬送路R3を搬送されてきた用紙を一対のローラの間に挟んだ状態にて回転することにより、当該用紙を第3の出口E3から排出トレイTへ排出する。
【0070】
排紙部64は、用紙を排出トレイTに排出するのとは逆方向に回転することにより、用紙を第3の搬送路R3へと戻す。排紙部64によって第3の搬送路R3へと戻された用紙は、第3の搬送路R3を通過中に反転(紙面の上下が反転)される。
【0071】
本実施形態において、排紙部64は、
図3に示すように、第1排紙クラッチ641と第1ギヤ列642、又は、第2排紙クラッチ643と第2ギヤ列644を介して接続されたモータMの回動により回転する。
具体的には、排紙部64へ用紙が搬送されてきたときに、当該搬送されてきた用紙を排出トレイTへと排出したい場合には、制御部7は、第1排紙クラッチ641に対して、第1ギヤ列642を介してモータMの回転を排紙部64のローラに伝達するよう指令する。
一方、搬送されてきた用紙を第3の搬送路R3へと戻したい場合には、制御部7は、第2排紙クラッチ643に対して、第2ギヤ列644を介してモータMの回転を排紙部64のローラに伝達するよう指令する。
【0072】
上記の第1ギヤ列642と第2ギヤ列644とは、例えば、モータMの回転を排紙部64へと伝達するギヤの数が、第1ギヤ列642と第2ギヤ列644との間で奇数個(例えば1つ)異なる点で異なっている。
これにより、モータMの回転方向を変更することなく、第1ギヤ列642を介してモータMの回転を排紙部64に伝達したときの排紙部64の回転方向と、第2ギヤ列644とを介してモータMの回転を排紙部64に伝達したときの排紙部64の回転方向とを互いに逆にできる。
【0073】
第3の搬送路R3は、第2の副搬送路R2’を有する。第2の副搬送路R2’は、第3の搬送路R3の所定の位置から分岐して、第1の搬送路R1へと伸びている。第2の副搬送路R2’は、接続部分Cにおいて第1の搬送路R1と接続される。
これにより、両面印刷の実行時に、すでに片面に画像が形成された用紙を、第3の搬送路R3から第2の副搬送路R2’と第1の搬送路R1とを経由して、再び画像形成部61へと搬送できる。
【0074】
第3の搬送路R3は、経路切替部65を有する。経路切替部65は、第3の搬送路R3と第2の副搬送路R2’との分岐部分に配置されている。経路切替部65は、第3の搬送路R3を搬送されている用紙の搬送方向を切り替える。
具体的には、第2の搬送路R2から搬送されてきた用紙を第3の出口E3方向に搬送したい場合、経路切替部65は、第3の搬送路R3と第2の副搬送路R2’とを遮断する方向に回動する。一方、第3の搬送路R3を搬送されてきた用紙を再び第1の搬送路R1へ搬送する場合、経路切替部65は、第3の搬送路R3と第2の副搬送路R2’との間の通路を開通させる方向に回動する。
【0075】
第3の搬送路R3が上記の構成を有することにより、第3の搬送路R3は、片面のみに画像を印刷したい場合には、すでに片面に画像が形成された用紙を排出トレイTへ排出する。
一方、両面印刷を実行したい場合には、第3の搬送路R3は、すでに片面に画像が形成された用紙を反転して、当該用紙を第1の搬送路R1へと搬送できる。その結果、当該用紙は第1の搬送路R1を通過して、第2の搬送路R2に配置された画像形成部61へ再び搬送される。
【0076】
(3)画像形成装置の動作
以下、本実施形態に係る画像形成装置100の動作について、
図4A〜
図4Cを用いて説明する。以下においては、画像形成装置100において、用紙(第1用紙Y1、第2用紙Y2など)の表面に画像を形成(印刷)する際の動作について説明する。
【0077】
3−1.第1のレジストローラ対による斜行補正方法
まず、第1の搬送路R1に配置された第1のレジストローラ対62による用紙(第1用紙Y1)の斜行補正方法について、
図4Aを用いて説明する。
まず、第1の搬送路R1を搬送中の第1用紙Y1の先頭部分の辺が第1の用紙通過検出部621が配置された位置を通過したかどうかが判断される(ステップS1001)。具体的には、第1の用紙通過検出部621において、検出信号の立ち下がりが検出されたかどうかにより、第1用紙Y1が第1の用紙通過検出部621を通過したかどうかを判断する。
【0078】
第1の用紙通過検出部621において第1用紙Y1の先頭部分の通過が検出されていない(ステップS1001において「No」の場合)、制御部7は、第1の用紙通過検出部621において用紙の通過が検出されるまで待機する。
【0079】
一方、第1用紙Y1が第1の用紙通過検出部621を通過したことを検出した場合(ステップS1001において「Yes」の場合)、制御部7は、第1レジストクラッチ623に対して、モータMの回転を第1のレジストローラ対62に伝達しないよう指令する。その結果、第1のレジストローラ対62は回動を停止する(ステップS1002)。第1のレジストローラ対62の回動が停止されると、第1の搬送路R1を搬送中の第1用紙Y1に対する斜行補正が開始される。
【0080】
第1のレジストローラ対62において斜行補正を実行中、第1の用紙通過検出部621において第1用紙Y1の通過が検出されてから第1の時間t1が経過したかどうかが判断される(ステップS1003)。
第1の用紙通過検出部621において第1用紙Y1の通過が検出されてから第1の時間t1が経過していないと判断された場合(ステップS1003において「No」の場合)、斜行補正が完了していないと判断される。この場合、斜行補正のプロセスは、ステップS1002に戻る。これにより、第1のレジストローラ対62の回動は停止したままとなる。すなわち、第1のレジストローラ対62は第1用紙Y1の斜行補正を継続する。
【0081】
一方、第1の用紙通過検出部621において第1用紙Y1の通過が検出されてから第1の時間t1が経過したと判断された場合(ステップS1003において「Yes」の場合)、制御部7は、第1レジストクラッチ623に対して、モータMの回転を第1のレジストローラ対62に伝達するよう指令する。その結果、第1のレジストローラ対62は、回動を開始する。すなわち、第2のレジストローラ対63は斜行補正を終了する。
斜行補正を終了後、第1のレジストローラ対62において斜行補正された第1用紙Y1は、第1のレジストローラ対62の回動により、第1の搬送路R1から第2の搬送路R2へと搬送される。
【0082】
3−2.第2のレジストローラ対による斜行補正方法
次に、第2の搬送路R2に配置された第2のレジストローラ対63による用紙の斜行補正方法について、
図4Bを用いて説明する。
まず、第2の搬送路R2に搬送されてきた用紙の先頭部分の辺が第2の用紙通過検出部631が配置された位置を通過したかどうかが判断される(ステップS2001)。具体的には、第2の用紙通過検出部631において、検出信号の立ち下がりが検出されたかどうかにより、用紙が第2の用紙通過検出部631を通過したかどうかを判断する。
【0083】
第2の用紙通過検出部631において用紙の先頭部分の通過が検出されていない場合(ステップS2001において「No」の場合)、制御部7は、第2の用紙通過検出部631において用紙の通過が検出されるまで、第2のレジストローラ対63は回動を継続する。
【0084】
一方、第2の用紙通過検出部631において用紙の通過が検出されたと判断された場合(ステップS2001において「Yes」の場合)、制御部7は、第2レジストクラッチ633に対して、モータMの回転を第2のレジストローラ対63へ伝達しないよう指令する。その結果、第2のレジストローラ対63は回動を停止する(ステップS2002)。すなわち、第2のレジストローラ対63において斜行補正が開始される。
【0085】
第2のレジストローラ対63において斜行補正を実行中、第2の用紙通過検出部631において用紙の通過が検出されてから第2の時間t2が経過したかどうかが判断される(ステップS2003)。
第2の用紙通過検出部631において用紙の通過が検出されてから第2の時間t2が経過していないと判断された場合(ステップS2003において「No」の場合)、斜行補正のプロセスは、ステップS2002に戻る。すなわち、第2のレジストローラ対63の回動は停止したまま維持され、斜行補正が継続される。
【0086】
一方、第2の用紙通過検出部631において用紙の通過が検出されてから第2の時間t2が経過したと判断された場合(ステップS2003において「Yes」の場合)、制御部7は、第2レジストクラッチ633に対して、モータMの回動を第2のレジストローラ対63に伝達するよう指令する。これにより、第2のレジストローラ対63は、回動を開始する。
第2のレジストローラ対63の回動が開始されると、斜行補正された用紙は、第2の搬送路R2に配置された画像形成部61へと搬送される。
【0087】
3−3.画像形成装置の動作
次に、画像形成装置100の具体的な印刷動作について、
図4Cを用いて説明する。
画像形成装置100において印刷動作を開始後、画像を印刷したい用紙の種別が確認される(ステップS1)。画像形成装置100は、例えば、操作パネル3を用いてユーザにより設定された用紙種別、及び/又は、画像形成装置100と通信可能(有線にて接続されてもよいし、無線にて接続されてもよい)な情報機器(例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなど)にて設定された用紙種別を参照することにより、用紙の種別を確認できる。
【0088】
画像を印刷する用紙の種別が第1用紙Y1であると判断された場合(ステップS1において「第1用紙」の場合)、上部給紙カセット41に載置された第1用紙Y1が、第1の搬送路R1へと搬送される(ステップS2)。
具体的には、制御部7が、上部カセット給紙クラッチ451に対して、モータMの回転を給紙ローラ45へ伝達するように指令する。その後、給紙ローラ45の回転により、上部給紙カセット41に載置されている第1用紙Y1は、第1の搬送路R1へと搬送される。
【0089】
第1用紙Y1が第1の搬送路R1を搬送中、第1の用紙通過検出部621において第1用紙Y1の通過が検出されると、第1のレジストローラ対62において斜行補正が実行される(ステップS3)。具体的には、上記にて説明したステップS1001〜S1003が実行されることにより、第1の搬送路R1において第1用紙Y1の斜行補正が実行される。その後、斜行補正された第1用紙Y1は第1の搬送路R1から第2の搬送路R2へと搬送される(ステップS5)。
【0090】
一方、画像を印刷する用紙の種別が第2用紙Y2であると判断された場合(ステップS1において「第2用紙」の場合)、下部給紙カセット51から第2用紙Y2が第1の副搬送路R1’を経由して、第1の搬送路R1へ搬送される(ステップS4)。
具体的には、制御部7が、下部カセット給紙クラッチ551に対して、モータMの回転を給紙ローラ55へ伝達するように指令する。その後、給紙ローラ55の回転により、下部給紙カセット51に載置されている第2用紙Y2は、第1の副搬送路R1’を通過して第1の搬送路R1へと搬送される。その後、第2用紙Y2は、第1の搬送路R1から第2の搬送路R2へ搬送される(ステップS5)。
【0091】
斜行補正された第1用紙Y1、第2用紙Y2、又はすでに片面に画像が形成された用紙が第2の搬送路R2へ搬送されると、第2のレジストローラ対63においてこれらの用紙の斜行補正が実行される(ステップS6)。具体的には、上記にて説明したステップS2001〜S2003が実行されることにより、第2のレジストローラ対63により斜行補正が実行される。
【0092】
その後、第2のレジストローラ対63により斜行補正された用紙は、第2の搬送路R2を搬送中に画像形成部61を通過する。画像形成部61を通過中の用紙の表面には、電子写真方式により画像が形成される(ステップS7)。
【0093】
画像形成部61により画像が形成された用紙は、第2の搬送路R2から第3の搬送路R3へと搬送される(ステップS8)。このとき、経路切替部65は、第2の副搬送路R2’と第3の搬送路R3とを遮断している。従って、画像が形成された用紙は、第3の搬送路R3の第3の出口E3(すなわち、排紙部64)へ向かって搬送される。
【0094】
上記の画像が形成された用紙が第3の搬送路R3へ搬送されたとき、制御部7は、第3の搬送路R3へ搬送されてきた用紙に再び画像を形成するか否かを判断する(ステップS9)。具体的には、画像形成装置100において両面印刷が実行されるように設定されているが、第3の搬送路R3へ搬送されてきた用紙の片面のみに画像が形成されている場合に、当該用紙に再び画像を形成すると判断する。
【0095】
第3の搬送路R3へ搬送されてきた用紙に再び画像を形成すると判断した場合(ステップS9において「Yes」の場合)、第3の搬送路R3に搬送され第3の出口E3付近に到達した用紙は、排紙部64によって、第3の搬送路R3へと戻される。具体的には、制御部7が、第2排紙クラッチ643に対して、第2ギヤ列644を介してモータMの回転を排紙部64へ伝達するよう指令する。この結果、排紙部64は、用紙を排出トレイTへ排出するのとは逆方向に回転する。
【0096】
用紙が第3の搬送路R3へ戻されたとき、経路切替部65は、第3の搬送路R3と第2の副搬送路R2’とを開通する方向に回動する。その結果、第3の搬送路R3へと戻された用紙は、第2の副搬送路R2’へと搬送される。上記のように、第3の搬送路R3を搬送中の用紙は、第3の搬送路R3(及び/又は第2の副搬送路R2’)にて反転される。反転された用紙は、第2の副搬送路R2’を経由して、第1の搬送路R1へ再び搬送される(ステップS10)。
【0097】
第1の用紙通過検出部621において第1の搬送路R1へ再び搬送された用紙(すでに片面に画像が形成された用紙)の通過が検出されたとき、制御部7は、第1レジストクラッチ623に対して、モータMと第1のレジストローラ対62とを遮断するよう指令しない。すなわち、すでに画像が形成された用紙に対して、第1のレジストローラ対62は斜行補正を実行しない。
【0098】
具体的には、制御部7は、第1の用紙通過検出部621が用紙の通過を検出しても、通過した用紙の片面にすでに画像が形成されていると判断したら、第1レジストクラッチ623に対して、モータMの回転を第1のレジストローラ対62に伝達するように指令する。この結果、すでに片面に画像が印刷された用紙は、第1のレジストローラ対62にて停止することなく、第1の搬送路R1を搬送され続ける。
言い換えると、すでに片面に画像が形成された用紙に対しては、第1のレジストローラ対62は、当該用紙を第1の搬送路R1から第2の搬送路R2へ搬送する搬送ローラとして動作する(ステップS11)。
【0099】
ステップS11が実行されて第1のレジストローラ対62が搬送ローラとして動作した場合、印刷プロセスはステップS5に戻る。すなわち、片面に画像が形成された用紙は、第2のレジストローラ対63において斜行補正された後、画像形成部61を再び通過する。画像形成部61を通過することにより、当該すでに片面に画像が形成された用紙には、画像がすでに形成されている表面とは反対側の表面に画像が形成される。つまり、当該用紙に両面印刷が施される。
【0100】
一方、第3の搬送路R3に搬送されてきた用紙に画像を再び形成しないと判断した場合(ステップS9において「No」の場合)、経路切替部65は第2の副搬送路R2’と第3の搬送路R3とを遮断する。また、制御部7は、第1排紙クラッチ641に対して、第1ギヤ列642を介してモータMの回転を排紙部64へ伝達するよう指令する。その結果、第3の搬送路R3に搬送されてきた用紙(片面印刷された用紙、又は、両面印刷された用紙)は、排紙部64により、排出トレイTへと排出される(ステップS12)。
【0101】
上記のステップS1〜S12が実行されることにより、1枚の第1用紙Y1又は第2用紙Y2に、印刷したい画像が当該1枚の用紙の片面又は両面に印刷される。
【0102】
画像が印刷された用紙を排出トレイTへ排出後、画像形成装置100は、印刷動作を停止するかどうか判断する(ステップS13)。例えば、印刷キューに印刷すべき書類のデータが残っていない場合などに、印刷動作を停止すると判断できる。
【0103】
画像形成装置100において印刷動作を継続すると判断した場合(ステップS13において「No」の場合)、印刷プロセスはステップS1に戻る。これにより、他の用紙に対して画像の印刷を実行できる。
一方、画像形成装置100において印刷動作を終了すると判断した場合(ステップS13において「Yes」の場合)、印刷プロセスを終了する。
【0104】
上記のように、画像形成装置100においては、上部給紙カセット41から給紙された第1用紙Y1は、画像形成部61に到達するまでに、画像形成部61近傍に設置された第2のレジストローラ対63だけでなく、第1の搬送路R1に設置された第1のレジストローラ対62によっても斜行補正される。すなわち、上部給紙カセット41から給紙された第1用紙Y1のように、画像形成部61に到達するまでに長い距離を搬送される用紙に対しては、二段階の斜行補正が施される。
【0105】
これにより、一度だけ斜行補正をする従来の画像形成装置と比較して、長い距離を搬送されてきた用紙に対して、より確実に斜行補正を行える。その結果、用紙の供給元や用紙の搬送経路にかかわらず、用紙に適切に画像を形成できる。
【0106】
また、画像形成装置100においては、下部給紙カセット51から給紙される第2用紙Y2は、第2のレジストローラ対63のみにより斜行補正されている。これにより、第2用紙Y2のように、画像形成部61に到達するまでに短い距離しか搬送されない用紙に対しては、無駄な斜行補正を施すことを回避できる。
【0107】
さらに、画像形成装置100においては、排紙部64により第3の搬送路R3へと再び搬送されてきた用紙(すなわち、すでに片面に画像が形成された用紙)に対しても、第1のレジストローラ対62は、斜行補正を行わない。言い換えると、すでに片面に画像が形成された用紙に対して、第1のレジストローラ対62は、当該用紙を第2の搬送路R2へと搬送する搬送ローラとして動作する。これにより、すでに片面に画像が形成された用紙のように、少なくとも一度は斜行補正が施された用紙に対して、無駄な斜行補正を施すことを回避できる。
【0108】
(4)第1実施形態の作用効果
上記第1実施形態の作用効果は、下記のように記載できる。
画像形成装置(例えば、画像形成装置100)は、画像形成部(例えば、画像形成部61)と、上部給紙部(例えば、上部給紙カセット部4)と、排紙部(例えば、排紙部64)と、第1の搬送路(例えば、第1の搬送路R1)と、第2の搬送路(例えば、第2の搬送路R2)と、第3の搬送路(例えば、第3の搬送路R3)と、第1のレジストローラ対(例えば、第1のレジストローラ対62)と、第2のレジストローラ対(例えば、第2のレジストローラ対63)と、を備える。
画像形成部は、用紙に対する画像形成処理を担う。上部給紙部は、画像形成部の上方に配置された、用紙を供給するためのカセットである。排紙部は、画像形成部にて画像が形成された用紙を排出する。
【0109】
第1の搬送路は、上部給紙カセットから給紙された用紙(例えば、第1用紙Y1)を画像形成部へ搬送する。第2の搬送路には画像形成部が配置される。第2の搬送路は、第1の搬送路から搬送された用紙を画像形成部へと導いて通過させる。第3の搬送路は、第2の搬送路を通過することにより画像が形成された用紙を、排紙部へと搬送する。
【0110】
第1のレジストローラ対は、第1の搬送路に設けられている。第1のレジストローラ対は、上部給紙部から給紙された用紙の斜行を補正する。第2のレジストローラ対は、第2の搬送路の画像形成部が配置された箇所よりも用紙の搬送方向の上流側に設けられている。第2のレジストローラ対は、第1の搬送路から搬送された用紙の斜行を補正する。
【0111】
第1実施形態の画像形成装置においては、画像の形成(印刷)動作時において、上部給紙部から給紙された用紙は、第1の搬送路を搬送される。上部給紙部から給紙された用紙は、第1の搬送路を搬送中に、第1のレジストローラ対によって斜行補正される。斜行補正された当該用紙は画像形成部が設けられた第2の搬送路へ搬送される。
【0112】
第2の搬送路を搬送中に、第1の搬送路から搬送された用紙(斜行補正された、上部給紙部から給紙された用紙)は画像形成部を通過する。この結果、当該用紙のいずれかの表面上に画像が形成される。第2の搬送路において、第1の搬送路から搬送された用紙(斜行補正された、上部給紙部から給紙された用紙)は、画像形成部へ導かれる前に、第2のレジストローラ対によって斜行補正される。画像が形成された用紙は、第3の搬送路を経て排紙部へと搬送される。
【0113】
第1実施形態の画像形成装置において、上部給紙部から給紙された用紙は、画像形成部へと搬送されるまでに、画像形成部近傍に設置された第2のレジストローラ対だけでなく、第1の搬送路に設置された第1のレジストローラ対によっても斜行補正される。つまり、画像形成部に到達するまでに長い距離を搬送される用紙に対して、画像形成部に到達するまでに二段階の斜行補正が施される。
【0114】
画像形成部に到達するまでに比較的長い距離を搬送される用紙に対して、画像形成部に到達するまでに二段階の斜行補正を施すことにより、一度だけ斜行補正をする従来の画像形成装置と比較して、より確実に斜行補正を行える。その結果、用紙の供給元や用紙の搬送経路にかかわらず、用紙に適切に画像を形成できる。
【0115】
第1実施形態の画像形成装置は、下部給紙部(例えば、下部給紙カセット部5)と第1の副搬送路(例えば、第1の副搬送路R1’)とをさらに備えている。下部給紙部は、画像形成部の下方に配置される。第1の副搬送路は、下部給紙部から給紙された用紙(例えば、第2用紙Y2)を画像形成部へと搬送するために、当該用紙を第1の搬送路へ搬送する。
この場合、第1のレジストローラ対は、第1の搬送路において、第1の副搬送路が設けられた箇所よりも用紙の搬送方向の上流側に設けられる。
【0116】
つまり、下部給紙部から給紙された用紙は、第1のレジストローラ対によっては斜行補正されない。この結果、短い距離を搬送された用紙に対しては、無駄に斜行補正を施すことを回避できる。
【0117】
第1実施形態の画像形成装置は、第2の副搬送路(例えば、第2の副搬送路R2’)をさらに備えている。第2の副搬送路は、片面に画像が形成された用紙を排紙部から再び画像形成部へ搬送するため、当該用紙を第1の搬送路へ搬送する。
この場合、片面に画像が形成された用紙が第1の搬送路へ再び搬送されれば、第1のレジストローラ対は、搬送ローラ対として動作する。搬送ローラ対は、片面に画像が形成された用紙を第2の搬送路へと搬送する。つまり、片面に画像が形成された用紙に対しては、第1のレジストローラ対により斜行補正が実行されない。これにより、少なくとも一度は斜行補正が施された用紙に対して、無駄に斜行補正を施すことを回避できる。
【0118】
(5)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
第1実施形態において説明した画像形成装置100の動作における各ステップは、本発明の範囲を超えない範囲にて適宜変更できる。
【0119】
(A)給紙部に関する他の実施形態
上記の第1実施形態において、用紙を供給する給紙部について、画像形成部61(本体部1)の上部に1つの上部給紙部が配置され、下部に1つの下部給紙部が配置されていた。しかし、給紙部の配置は上記に限られない。
例えば、本体部1の下部及び/又は上部に複数の給紙部が配置されていてもよい。これにより、より多くの枚数及び/又は多種類の用紙を画像形成装置100に載置できる。
また、画像形成装置100は、少ない枚数の用紙を外部から供給可能な手差し給紙部を備えていてもよい。これにより、画像形成装置100のユーザは、給紙部の給紙カセットに用紙を給紙することなく画像形成装置100に用紙を供給できる。
【0120】
(B)レジストローラ対の配置に関する他の実施形態
上記の第1実施形態において、第1の搬送路R1に1つのレジストローラ対(第1のレジストローラ対62)が配置され、第2の搬送路R2の画像形成部61よりも用紙の搬送方向の上流側に1つのレジストローラ対(第2のレジストローラ対63)が配置されていた。
しかし、レジストローラ対の配置は上記に限られない。例えば、画像形成装置100が大規模であり、上部給紙カセット41から画像形成部61まで第1用紙Y1を極端に長い距離搬送する必要がある場合には、搬送路R(特に第1の搬送路R1)に2以上のレジストローラ対を配置してもよい。これにより、用紙が長距離を搬送された場合でも、確実に用紙の斜行を補正できる。
【0121】
また、本体部1の下部に複数の給紙部を配置した場合には、当該下部に配置された給紙部の給紙カセットから画像形成部61へ至るまでの搬送路に複数のレジストローラ対を配置してもよい。これにより、下部に配置された給紙部から画像形成部61までの搬送距離が長い場合であっても、確実に用紙の斜行を補正できる。