(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-146307(P2016-146307A)
(43)【公開日】2016年8月12日
(54)【発明の名称】液中プラズマ発生装置及び液中プラズマ発生方法
(51)【国際特許分類】
H05H 1/24 20060101AFI20160715BHJP
【FI】
H05H1/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-35810(P2015-35810)
(22)【出願日】2015年2月6日
(71)【出願人】
【識別番号】502297999
【氏名又は名称】前原 常弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 彩果
(72)【発明者】
【氏名】前原 常弘
(57)【要約】
【課題】金属汚染を防止し、低い電気伝導率の液体に対して液中でプラズマを発生させることができる。
【解決手段】本発明の液中プラズマ発生装置は、液体を収容可能な容器2と、容器内部を上方室21と下方室22に区画する本体部31と、上方室と下方室とを連通させる貫通孔32aを本体部に形成する貫通孔形成部32と、を有する絶縁部材3と、上方室に配置される上方電極4と、下方室に配置される下方電極5と、上方電極及び下方電極の電極間に高周波を印加する高周波印加装置6と、気体を注入するための機構81と、減圧するための装置9と、 気体を注入するための機構と、を備え、貫通孔の内径が3mmから10mmであり、高周波印加装置は、液中の前記電極間に高周波を印加し、貫通孔内にプラズマを発生させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容可能な容器と、
前記容器内部を上方室と下方室に区画する本体部と、前記上方室と前記下方室とを連通させる貫通孔を前記本体部に形成する貫通孔形成部と、を有する絶縁部材と、
前記上方室に配置される上方電極と、
前記下方室に配置される下方電極と、
前記上方電極及び前記下方電極の電極間に高周波を印加する高周波印加装置と、
減圧するための機構と、
気体を注入するための機構と、
を備え、
前記高周波印加装置は、液中の前記電極間に高周波を印加し、前記貫通孔内に気泡に包まれたプラズマを発生させる液中プラズマ発生装置。
【請求項2】
前記貫通孔形成部は、前記本体部に固定された筒状絶縁部材であって、内径が3mmから10mmの範囲にある請求項1に記載の液中プラズマ発生装置。
【請求項3】
請求項1〜2の何れか一項に記載の液中プラズマ発生装置を用いた液中プラズマ発生方法であって、
前記高周波印加装置により液中の前記電極間に高周波を印加する高周波印加ステップと、
前記貫通孔内に気泡を注入させる気泡注入ステップと、
前記貫通孔内にプラズマを発生させるプラズマ発生ステップと、
を含む液中プラズマ発生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液中にプラズマを発生させる液中プラズマ発生装置及び液中プラズマ発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、例えば液中でプラズマを発生させることで有機物を処理する方法など、液中でプラズマを発生させる研究が多く行われている。例えば、特開2011−210453号公報(特許文献1)には、略針状の電極に高周波を印加して、電極直上(直近)にプラズマを発生させるものが記載されている。また、特開2013−152788号公報(特許文献2)では、高い電気伝導率を有する食塩水が保持された容器において、上下に電極が置かれ、その間に絶縁板(フッ素樹脂)が配置されている。絶縁板中央に貫通孔があり、この貫通孔でプラズマが発生する。プラズマが電極と接していないため、電極金属の析出スパッタがないことが特徴である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−210453号公報
【特許文献2】特開2013−152788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に記載の発明では1.7S/m以下の電気伝導率の水溶液ではプラズマの発生が確認されておらず、純水や水道水といった電気伝導率の低い液体ではプラズマの発生は不可能であった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、金属汚染を防止し、低い電気伝導率の液体に対して液中でプラズマを発生させることができる液中プラズマ発生装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、液体を収容可能な容器と、前記容器内部を上方室と下方室に区画する本体部と、前記上方室と前記下方室とを連通させる貫通孔を前記本体部に形成する貫通孔形成部と、を有する絶縁部材と、前記上方室に配置される上方電極と、前記下方室に配置される下方電極と、前記上方電極及び前記下方電極の電極間に高周波を印加する高周波印加装置と、減圧するための機構と、気体を注入するための機構と、を備え、前記高周波印加装置は、液中の前記電極間に高周波を印加し、前記貫通孔内に気泡に包まれたプラズマを発生させる液中プラズマ発生装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、気泡が滞留せず、且つ、高周波のエネルギーが集中する前記貫通孔の内径を示している。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1〜2の何れか一項に記載の液中プラズマ発生装置を用いた液中プラズマ発生方法であって、前記貫通孔内に気泡を注入する気泡注入ステップと、前記高周波印加装置により液中の前記電極間に高周波を印加する高周波印加ステップと、前記貫通孔内にプラズマを発生させるプラズマ発生ステップと、を含む液中プラズマ発生方法である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、貫通孔内に気泡を通過させることができるとともに、貫通孔内に気泡内に高周波のエネルギーが集中する。このとき、減圧されているために、液中の貫通孔内に容易にプラズマが発生する。電極付近でプラズマを発生させないため、電極金属による液体の汚染を防止することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、気泡が滑らかに上昇でき、且つ、高周波のエネルギーが集中してプラズマを発生できる程度の貫通孔の内径であれば、プラズマの発生が容易となる。また、貫通孔形成部の材料を、本体部よりもプラズマに対する耐性が高い材料で形成することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、気泡内に高周波のエネルギーを集中させ、高い電気伝導率の液中において貫通孔内にプラズマを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態の液中プラズマ発生装置の構成を説明するための概念図である。
【
図3】液中プラズマ発生方法を示すフローチャートである。
【
図4】実施例における実験装置(液中プラズマ発生装置)を示す概念図である。
【
図5】実験1における発光スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。なお、構成を示す図面は、概念図であり、寸法を正確に表すものではない。
【0014】
<実施形態>
実施形態の液中プラズマ発生装置は、
図1に示すように、容器2と、絶縁部材3と、上方電極4と、下方電極5と、高周波印加装置6と、を備えている。容器2は、液体を収容可能なものであり、ここでは水槽が用いられている。容器2は、内部に、上側の液体収容空間である上方室21と、下側の液体収容空間である下方室22と、を有している。なお、容器2の上方室21には、減圧のために孔が設けられており、減圧器(アスピレータや真空ポンプ)9に接続される。
【0015】
絶縁部材3は、絶縁体で形成されたものであり、本体部31と、貫通孔形成部32と、傾斜部33と、を備えている。本体部31は、板形状に形成されており、容器2内部の上下方向略中央に配置され、外周縁全周が容器2内周面に当接し、容器2の底面と略平行に固定されている。当該固定は、容器2に対して本体部31を嵌合・接着等させる方法で行えば良い。このように、本体部31は、容器2内部を上方室21と下方室22とに区画している。本体部31は、例えば耐熱性に優れたフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)、アクリル樹脂、又はセラミックス等で形成されている。
貫通孔形成部32は、筒形状であって、本体部31の略中央に設けられ、本体部31に貫通孔32aを形成している。貫通孔32aは、上方室21と下方室22とを連通させている。
【0016】
貫通孔形成部32は、本体部31と同材料で形成されても良いが、本実施形態では別材料により形成されている。本実施形態では、本体部31がフッ素樹脂で形成され、貫通孔形成部32はセラミックスで形成されている。つまり、本実施形態の貫通孔形成部32は、本体部31に設けられた孔に固定されたセラミック管(筒状絶縁部材)である。貫通孔形成部32は、発生させるプラズマに対して溶融・損傷しにくい材料で形成されていることが好ましい。
【0017】
傾斜部33は、本体部31の下面に設けられ、貫通孔形成部32に近づくほど上方となるように傾斜した部位である。本実施形態の傾斜部33は、本体部31の下面全面に設けられている。換言すると、本体部31の下面は、外周縁から貫通孔形成部32が位置する略中央に向かうほど上方となるように傾斜している。つまり、本体部31及び傾斜部33の上下方向の幅は、略中央に向かうほど小さい。傾斜部33は、例えば本体部31の下面を研削等して形成できる。
【0018】
上方電極4は、円柱形状の導体(例えば銅又は真鍮等)であり、上方室21に配置されている。上方電極4は、先端面41が容器2内で下方に露出するように容器2の上蓋に固定されている。つまり、上方電極4は、下方に露出した下方面(先端面41)を有する。上方電極4は、接地(グランドに接続)されている。上方電極4の先端面41は、容器2に液体を収容した際、液中に配置される。
【0019】
下方電極5は、円柱形状の導体(例えば銅又はタングステン等)であり、下方室21に配置されている。下方電極5は、先端面51が容器2内で上方に露出するように容器2の底部に固定されている。下方電極5の先端面51は、絶縁部材3を介して、上方電極4の先端面41に対向している。つまり、下方電極5は、上方に露出した上方面(先端面51)を有する。下方電極5の外周面は、セラミックスからなる被覆部材5Aで覆われている。下方電極5は、高周波印加装置6に接続されている。下方電極5の先端面51は、容器2に液体を収容した際、液中に配置される。
【0020】
高周波印加装置6は、下方電極5に電力を供給し、上方電極4と下方電極5の両電極間に高周波を印加する装置である。具体的には、高周波印加装置6は、高周波電源61と、整合回路62と、共振回路63と、を備えている。高周波電源61は、整合回路62及び共振回路63を介して下方電極5に接続されている。高周波電源61は、整合回路62及び共振回路63を経て下方電極5に電力を印加する。高周波とは、周波数およそ20kHz〜2GHzの範囲を意味する。
【0021】
ポンプ7は、上方室21に蓄えられた液体を下方室22へと送る。このことにより、気泡が下方室22に滞留することを防ぐ。配管71は、コイル形状であり、ポンプ7と下方室22とを連通させる流路を形成するものである。配管8をコイル形状にすることにより、上方室21と下方室22のショートによる不具合発生を抑制することができる。
図1の構成の場合、配管71で形成されるコイル71aのインダクタンスは、別体である共振回路63中に含まれるコイルのインダクタンスより大きい(例えば10倍程度)ことが好ましい。このため、配管71が形成するコイルには強磁性体(例えば鉄)からなる芯を有することが望ましい。なお、配管71の材料は、金属でも樹脂でも良い。
【0022】
気体注入口81は、下方室22に設けられており、バルブを経由して、ボンベなど必要な気体を蓄えた容器8に接続されている。気体は放電を容易にする気体(希ガスなど)が望ましい。注入された気体は気泡を形成し、下方室22内を上昇後、貫通孔32aを経由して、上方室21に入り、減圧器9によって排気される。
【0023】
ここで、液中プラズマ発生装置1の作用効果について説明する。容器2内に液体が収容され、高周波印加装置6により下方電極5に電力が印加されると、電極4、5間に複数の電気力線(電場)が発生する。気泡が貫通孔32a内に到達するとき、
図2(a)に示すように、電気力線の多くは気泡を避けるように迂回する。その結果、気泡と貫通孔形成部32の間の電気力線の密度は高くなり、電場が強くなる。誘電体の不連続面において、電場の接戦成分は連続であるので、気泡内において貫通孔形成部32近傍の電場は強くなる。十分な電場強度を達成すると、プラズマが発生する。プラズマ発生後は気体注入口81からの気体の注入を停止しても、プラズマが気泡を生成するために、気泡とプラズマは持続的に維持される。貫通孔32aは、気泡が通過しやすい直径(3mm以上)で形成されていることが好ましい。貫通孔形成部32の材料に、本体部31よりもプラズマに対する耐性(例えば耐熱性や耐損傷性)が大きい材料を選択することが望ましい。電極4、5付近でプラズマを発生させないため、電極金属による液体の汚染を防止することができる。
【0024】
ここで、本実施形態の液中プラズマ発生装置(
図1)を用いた液中プラズマ発生方法の流れは以下のようになる。
図3に示すように、液中プラズマ発生方法は、気体を注入するステップS101と、高周波印加装置6により液中の電極4、5間に高周波を印加する高周波印加ステップS102と、貫通孔32a内にプラズマを発生させるプラズマ発生ステップS103と、プラズマ発生後に気体注入を停止するステップS104を含んでいる。なお、S101前に、容器2に液体を、上方電極4の下方面41が液中に位置する程度に収容する。
【実施例】
【0025】
実験で用いた液中プラズマ発生装置(
図4)について説明する。上方電極4は、真鍮管(外径20mm、内径8mm)であって、開口には分光計測用の石英窓42が設けられている。また、上方電極4にはレンズ43と光ファイバ44とが取り付けられている。プラズマの発光は、これら器具42、43、44を介して分光器(図示せず)に送られる。下方電極5は、銅丸棒(直径10mm)であって、周囲(側面)をセラミック被覆部材5Aで覆われている。セラミック被覆部材5Aは、電極側面からの電力損失を防止している。
【0026】
絶縁部材3の本体部31は、フッ素樹脂(PTFE)からなる絶縁板であって、傾斜部33は2段階の傾斜を有している。縁部分の厚さ(最大厚さ)が10mm、中央部分の厚さ(最小厚さ)が2mmとなっている。貫通孔形成部32は、セラミック管(外径8mm、内径5mm、長さ2mm)であって、本体部31中央部に取り付けられている。なお、実験装置における貫通孔形成部32の取付方法としては、本体部31中央に直径7.9mmの穴を開けた後、本体部32を加熱(およそ100℃)し、本体部32が膨張した際に貫通孔形成部32を挿入する手法を用いた。ただし、別の固定方法を用いても良い。上方電極4から貫通孔形成部32までの距離は60mmであり、下方電極5から貫通孔形成部32までの距離は50mmであった。
【0027】
上方室21は、内径40mm、高さ100mmの耐熱ガラスで形成されており、貯水槽9Aと2つの管で接続されている。貯水槽9Aはアスピレータ9に接続され、減圧される。直接、容器2にアスピレータを接続し、減圧した場合は、気体の注入やプラズマ発生に伴って、液面が上下に乱れて容器内の水が吸い出さることが起こる。このことにより、液面の低下し、上方電極4と液面が非接触状態となり、インピーダンスの大幅な変化を生み出す。インピーダンスの大幅な変化は高周波の正味の電力印加を困難にする。そこで、貯水槽9Aを経由して減圧することとした。下方室22および貯水槽9Aは内径40mm、高さ70mmの耐熱ガラスで形成されている。実験するにあたり、下方室22および貯水槽9Aには約80mlの純水を入れ、上方室21には約100mlの純水を入れた。ポンプ7として、ペレスタリティックポンプを用い、3mL/分の流速で、上方室21から下方室22へと水を流した。なお、ペレスタリティックポンプはシリコンチューブを押し潰して、送液するため、チューブ内より外部の気圧が高い場合には送液できない。そこで、ペレスタリティックポンプ周囲も減圧を行っている。純水の電気伝導率は0.2mS/mであった。実験前の水温は25℃であった。高周波印加装置6は、下方電極5に接続されており、電極4、5間に高周波(13.56MHz)を印加する。
【0028】
[実験1]
実験1は以下の手順で行った。まず、減圧器9により減圧し、容器内の圧力を0.05気圧とした。次に、気体注入口81より、アルゴンガスを注入した。高周波印加装置6により、下方電極5に小電力(40W)を印加し、反射電力が最小となるように整合回路62を調整した後、電力を増加(漸増)していった。供給電力が400W程度となったところで、貫通孔32a内にプラズマが発生した。プラズマ発生後はアルゴンガスの注入を停止した。アルゴンガスの注入を停止しても、貫通孔32a内において、プラズマによって気泡は生成され続ける。電力を減少(漸減)していき、200Wとした。供給電力を200Wで維持して、プラズマ発生を継続させた。貫通孔32a内にプラズマが発生し、貫通孔形成部32の上端開口から気泡とプラズマが吹き出たことも確認できた。
【0029】
図5は、上記純水において、下方電極5に13.56MHzで400Wの電力を印加した場合の発光スペクトル(縦軸:発光強度、横軸:波長)を示している。
図5に示すように、OH(〜309nm)やH(656nm)、O(777nm)の発光が見られた。プラズマにより水分子が解離し、OH及びHが発生していることを示唆している。
【0030】
[実験2]
実験2では、貫通孔のサイズ(長さ、内径)を変化させた他は、実験1と同様の条件・手順で行った。すなわち、貫通孔のサイズ(長さ、内径)に対するプラズマ発生の依存性を調べた。結果を[表1]にまとめる。この表において、◎は400Wで、○は600Wで、△は800Wで、プラズマの維持が可能であることを示している。×は800W以下で維持できない、若しくは、セラミック管が破損する、ということを示している。
【0031】
【表1】
【0032】
[実験3]
実験3では、注入する気体をアルゴンから空気に替えて、実験1と同様の条件・手順で行った。実験1では400Wでプラズマが発生していたが、本実験3では700Wでプラズマが発生した。なお、気体の注入なしではプラズマは発生しなかった。すなわち、気体の注入は必要であり、空気でも構わないが、希ガスがより望ましい。
【0033】
このように、本実施形態の液中プラズマ発生装置では、低い電気伝導率、例えば0.2mS/mの液中で好適にプラズマを発生させることができる。
【符号の説明】
【0034】
1:液中プラズマ発生装置、
2:容器、 21:上方室、 22:下方室、
3:絶縁部材、 31:本体部、 32:貫通孔形成部、 32a:貫通孔、
33:傾斜部、
4:上方電極、 5:下方電極、
6:高周波印加装置、 61:高周波電源、 62:整合回路、 63:共振回路
7:ポンプ、 71:配管
8:気体を蓄えた容器、 81:気体注入口
9:減圧器