【解決手段】薄皮に覆われた薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)を供給する供給域K、薄皮を剥く薄皮剥き域P及び薄皮被覆物を排出する排出域Dを通して収容容器34が搬送される間に収容容器34内の薄皮被覆物の薄皮を剥く薄皮剥き機。薄皮剥き域Pには、薄皮被覆物の薄皮を剥くための薄皮剥き手段36が配設され、この薄皮剥き手段36は圧縮空気噴射手段38を備えている。圧縮空気噴射手段38は、斜め下方に収容容器34の内周面に向けて圧縮空気を噴射し、噴射された圧縮空気により、収容容器34内の薄皮被覆物がその内周面に沿って移動され、かく移動する間に薄皮被覆物とその表面の薄皮との間に圧縮空気が流入して表面側の薄皮が剥がれる。
薄皮に覆われた薄皮被覆物を供給する供給域、薄皮を剥く薄皮剥き域及び薄皮が剥かれた薄皮被覆物を排出する排出域を通して搬送される間に薄皮被覆物の表面の薄皮を所要の通りに剥く薄皮剥き機であって、
前記薄皮被覆物を収容するための収容容器を備え、前記収容容器が前記供給域、前記薄皮剥き域及び前記排出域を通して移送されるように構成され、
前記薄皮剥き域には、薄皮被覆物の薄皮を剥くための薄皮剥き手段が配設され、前記薄皮剥き手段は、圧縮空気を噴射するための圧縮空気噴射手段を備えており、
前記圧縮空気噴射手段は、斜め下方に前記収容容器の内周面に向けて圧縮空気を噴射し、噴射された圧縮空気により、前記収容容器内の薄皮被覆物がその内周面に沿って移動され、かかる移動の間に薄皮被覆物とその表面の薄皮との間に圧縮空気が流入して表面側の薄皮が剥がれることを特徴とする薄皮剥き機。
前記圧縮空気噴射手段は、前記収容容器の水平な軸線を基準にして15〜45度下方に前記収容容器の前記内周面に向けて圧縮空気を噴射することを特徴とする請求項1に記載の薄皮剥き機。
前記収容容器は、略半球状の収容空間を規定し、前記圧縮空気噴射手段は、前記収容容器の前記内周面の接線方向に圧縮空気を噴射することを特徴とする請求項3に記載の薄皮剥き機。
前記薄皮剥き手段は、更に、前記薄皮剥き域に対応して配設された薄皮排出用筒状体と、前記薄皮排出用筒状体を通して排出された薄皮を回収するための薄皮回収部材とを備え、前記薄皮排出用筒状体は、前記薄皮剥き域に位置する前記収容容器に近接して配設されて上方に延び、前記薄皮剥き域に位置する前記収容容器内の薄皮被覆物から剥かれた薄皮は、前記薄皮排出用筒状体を通して前記薄皮回収部材に回収されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄皮剥き機。
前記薄皮排出用筒状体には、空気を流出させるための複数の空気流出孔が設けられ、前記圧縮空気噴射手段から前記収容容器の内周面に向けて噴射された圧縮空気の一部は、前記薄皮排出用筒状体の前記複数の空気流出孔を通して流出されることを特徴とする請求項4に記載の薄皮剥き機。
前記収容容器は、所定方向に回転駆動される回転支持体に取り付けられ、前記回転支持体が前記所定方向に一回転する間に、前記収容容器が前記供給域、前記薄皮剥き域及び前記排出域を通して移動され、これによって、前記収容容器に収容された薄皮被覆物の薄皮が剥かれて排出されることを特徴とする請求項1に記載の薄皮剥き機。
薄皮被覆物を収容するための収容容器と、圧縮空気を噴射するための圧縮空気噴射手段と、を備え、前記収容容器は、略半球状の収容空間を規定し、前記圧縮空気噴射手段は、前記収容容器の水平な軸線を基準にして15〜45度下方に且つ前記収容容器の内周面の接線方向に向けて圧縮空気を噴射し、噴射された圧縮空気により、前記収容容器内の薄皮被覆物がその内周面に沿って移動され、かくして、薄皮被覆物とその表面の薄皮との間に圧縮空気が流入して表面側の薄皮が剥がれることを特徴とする薄皮剥き機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような薄皮剥き機には、次の通りの解決すべき問題がある。第1に、この薄皮剥き機では、玉ねぎ(薄皮被覆物)を1つずつ搬送してその薄皮を剥くために、その作業効率が悪く、作業効率の改善が望まれる。第2に、玉ねぎのような比較的大きなものでは、一対の回転保持ローラ上に保持して圧縮空気を所要の通りに吹き付けて薄皮を剥くことができるが、薄皮被覆物がにんにく、銀杏などのように比較的小さいものでは一対の回転保持ローラに保持することが難しく、また一対の回転保持ローラに保持された状態で圧縮空気を所要の通りに吹き付けるのも難しく、このような構成の薄皮剥き機をにんにく、銀杏などのようなものの薄皮剥きに適用することが困難である。
【0006】
本発明の目的は、比較的小さな薄皮被覆物の薄皮剥きに好都合に適用することができる薄皮剥き機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の薄皮剥き機は、薄皮に覆われた薄皮被覆物を供給する供給域、薄皮を剥く薄皮剥き域及び薄皮が剥かれた薄皮被覆物を排出する排出域を通して搬送される間に薄皮被覆物の表面の薄皮を所要の通りに剥く薄皮剥き機であって、
前記薄皮被覆物を収容するための収容容器を備え、前記収容容器が前記供給域、前記薄皮剥き域及び前記排出域を通して移送されるように構成され、
前記薄皮剥き域には、薄皮被覆物の薄皮を剥くための薄皮剥き手段が配設され、前記薄皮剥き手段は、圧縮空気を噴射するための圧縮空気噴射手段を備えており、
前記圧縮空気噴射手段は、斜め下方に前記収容容器の内周面に向けて圧縮空気を噴射し、噴射された圧縮空気により、前記収容容器内の薄皮被覆物がその内周面に沿って移動され、かく移動する間に薄皮被覆物とその表面の薄皮との間に圧縮空気が流入して表面側の薄皮が剥がれることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の薄皮剥き機では、前記圧縮空気噴射手段は、前記収容容器の水平な軸線を基準にして15〜45度下方に前記収容容器の前記内周面に向けて圧縮空気を噴射することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載の薄皮剥き機では、前記収容容器は、略半球状の収容空間を規定し、前記圧縮空気噴射手段は、前記収容容器の前記内周面の接線方向に圧縮空気を噴射することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載の薄皮剥き機では、前記薄皮剥き手段は、更に、前記薄皮剥き域に対応して配設された薄皮排出用筒状体と、前記薄皮排出用筒状体を通して排出された薄皮を回収するための薄皮回収部材とを備え、前記薄皮排出用筒状体は、前記薄皮剥き域に位置する前記収容容器に近接して配設されて上方に延び、前記薄皮剥き域に位置する前記収容容器内の薄皮被覆物から剥かれた薄皮は、前記薄皮排出用筒状体を通して前記薄皮回収部材に回収されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載の薄皮剥き機では、前記薄皮排出用筒状体には、空気を流出させるための複数の空気流出孔が設けられ、前記圧縮空気噴射手段から前記収容容器の内周面に向けて噴射された圧縮空気の一部は、前記薄皮排出用筒状体の前記複数の空気流出孔を通して流出されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に記載の薄皮剥き機では、前記収容容器は、所定方向に回転駆動される回転支持体に取り付けられ、前記回転支持体が前記所定方向に一回転する間に、前記収容容器が前記供給域、前記薄皮剥き域及び前記排出域を通して移動され、これによって、前記収容容器に収容された薄皮被覆物の薄皮が剥かれて排出されることを特徴とする。
【0013】
更に、本発明の請求項7に記載の薄皮剥き機は、薄皮被覆物を収容するための収容容器と、圧縮空気を噴射するための圧縮空気噴射手段と、を備え、前記収容容器は、略半球状の収容空間を規定し、前記圧縮空気噴射手段は、前記収容容器の水平な軸線を基準にして15〜45度下方に且つ前記収容容器の内周面の接線方向に向けて圧縮空気を噴射し、噴射された圧縮空気により、前記収容容器内の薄皮被覆物がその内周面に沿って移動され、かくして、薄皮被覆物とその表面の薄皮との間に圧縮空気が流入して表面側の薄皮が剥がれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に記載の薄皮剥き機によれば、薄皮被覆物を収容するための収容容器が供給域、薄皮剥き域及び排出域を通して移送されるので、供給域にて薄皮被覆物が収容容器に供給され、薄皮剥き域にて薄皮剥き手段により薄皮被覆物の薄皮が剥がされ、また排出域にて薄皮が剥かれた薄皮被覆物(以下、成果物ともいう)が収容容器から排出され、かくして、収容容器が所要の通りに移送される間に薄皮被覆物の薄皮を所要の通りに剥くことができる。また、薄皮剥き手段は、圧縮空気を噴射するための圧縮空気噴射手段を備え、この圧縮空気噴射手段からの圧縮空気が斜め下方に収容容器の内周面に向けて圧縮空気を噴射するので、噴射された圧縮空気により、収容容器内の薄皮被覆物がその内周面に沿って移動されるとともに、この圧縮空気が薄皮被覆物とその表面の薄皮との間に入り込み、この圧縮空気の作用でもって表面側の薄皮を剥くことができる。尚、薄皮被覆物とは、例えば、にんにく、銀杏、梅の仁などであり、これらの表面の薄皮を剥くのに適用することができる。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載の薄皮剥き機によれば、圧縮空気噴射手段は、収容容器の水平な軸線を基準にして15〜45度下方に圧縮空気を噴射するので、収容容器内での薄皮被覆物の浮き上がりが効果的に抑えられ、これによって、薄皮被覆物を収容容器の内周面に沿って移動させながらその薄皮を効率良く剥くことができる。
【0016】
また、本発明の請求項3に記載の薄皮剥き機によれば、圧縮空気噴射手段は、収容容器の内周面の接線方向に向けて圧縮空気を噴射するので、薄皮被覆物を収容容器の内周面に沿って所要の通りに移動させることができ、これによって、薄皮被覆物を収容容器の内周面によって移動させながらその薄皮を効率良く剥くことができる。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の薄皮剥き機では、前記薄皮剥き手段は、更に、前記薄皮剥き域に対応して配設された薄皮排出用筒状体と、前記薄皮排出用筒状体を通して排出された薄皮を回収するための薄皮回収部材とを備えているので、収容容器内の薄皮被覆物から剥かれた薄皮を薄皮排出用筒状体を通して薄皮回収部材に回収することができる。
【0018】
また、本発明の請求項5に記載の薄皮剥き機によれば、薄皮排出用筒状体には、空気を流出させるための複数の空気流出孔が設けられているので、圧縮空気噴射手段から収容容器の内周面に向けて噴射された圧縮空気の一部は、これら空気流出孔を通して流出され、これによって、噴射された圧縮空気によって薄皮被覆物が薄皮排出用筒状体内を大きく上方に浮き上がるのを防止することができ、その結果、薄皮被覆物を収容容器の内周面に沿って所要の通りに移動させて圧縮空気を効果的に作用させることができる。
【0019】
また、本発明の請求項6に記載の薄皮剥き機によれば、薄皮被覆物を収容する収容容器が回転支持体に取り付けられ、この回転支持体が所定方向に移動する間に、収容容器が供給域、薄皮剥き域及び排出域を通して移動され、回転支持体が所定方向に移動する毎にこれらの処理域が間断なく変わっていくので、連続して収容容器に収容された薄皮被覆物の薄皮を剥き、成果物を排出することができる。
【0020】
更に、本発明の請求項7に記載の薄皮剥き機によれば、薄皮被覆物を収容するための収容容器と、圧縮空気を噴射するための圧縮空気噴射手段と、を備え、圧縮空気噴射手段は、収容容器の水平な軸線を基準にして15〜45度下方に且つ収容容器の内周面の接線方向に向けて圧縮空気を噴射するので、噴射された圧縮空気が収容容器内の薄皮被覆物に効果的に作用して表面側の薄皮を剥くことができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う薄皮剥き機の一実施形態について説明する。
図1において、図示の薄皮剥き機は、床面などに沿って移動可能なように構成された装置本体2を備え、この装置本体2は、その底面に設けられたベースプレート4と、その左右側面に設けられた左側面プレート6及び右側面プレート(図示せず)と、その上面に設けられた上面プレート8と、その前面及び背面に設けられた前面プレート(図示せず)及び背面プレート10とを備え、これらプレート4,6,8,10によって規定される装置空間12内に、薄皮剥き機の主要構成要素が内蔵されている。
【0023】
この薄皮剥き機は、装置空間12内に回転自在に支持された回転支持体16を備え、この回転支持体16の周囲に、薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)を供給する供給域K、薄皮被覆物から表面の薄皮を剥く薄皮剥き域P及び成果物を排出する排出域Dが配設され、供給域K及び薄皮剥き域Pは、装置空間12の上部に配設され、排出域Dはこの装置空間12の下部に配設され、回転支持体16は、供給域K及び薄皮剥き域Pと排出域Dとの間に配置されている。
【0024】
この形態では、回転支持体16の外形は正八角形状に形成され、その周囲に実質上等間隔をおいて8つの取付支持部18が設けられている。各取付支持部18には、後述するようにして容器ユニット20が着脱自在に取り付けられ、回転支持体16に取り付けられた各容器ユニット20は、矢印22で示す方向に一回転することにより、供給域K、薄皮剥き域P及び排出域Dを通して移送される。
【0025】
供給域Kに対応して、薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)を供給するための供給用筒状体24が配設され、この供給用筒状体24の上端部は上面プレート8に設けられた供給口26に延び、その下端部は供給域Kに延びている。この供給用筒状体24の上部には供給開閉部材27が進退自在に設けられ、またその上端、即ち上面プレート8の供給口26には投入調整部材28が移動自在に設けられている。
供給開閉部材27は、矢印30,31で示す方向に往復移動自在であり、矢印30で示す方向に二点鎖線で示す閉位置まで移動すると供給用筒状体24内に突出してこれを閉塞し、また矢印31で示す方向に実線で示す開位置まで移動させると供給筒状体24を開放し、この供給口26から供給用筒状体24を通して、供給域Kに位置する容器ユニット20(具体的には、後述する収容容器34)に薄皮被覆物を供給することができる。
また、投入調整部材28は、矢印30,32で示す方向に移動自在に装着されている。この投入調整部材28を矢印32で示す方向に移動させると、上面プレート8の供給口26が小さくなり、また矢印32で示す方向に移動させると、この供給口26が大きくなり、このように投入調整部材28を移動させることにより投入量を加減することができる。
【0026】
また、薄皮剥き域Pに対応して、薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)から表面の薄皮を剥くための薄皮剥き手段36が配設され、図示の薄皮剥き手段36は、圧縮空気を噴射するための圧縮空気噴射手段38(
図4及び
図5参照)と、剥かれた薄皮を排出するための薄皮排出用筒状体40と、剥かれた薄皮を回収するための薄皮回収部材42とを含んでいる。尚、圧縮空気噴射手段38については、後述する。
【0027】
この薄皮排出用筒状体40の上端部は垂直方向に対して幾分傾斜して上方に延び、その下端部は薄皮剥き域Pに向けて延び、その下端部は、薄皮剥き域Pに位置する容器ユニット20(具体的には、後述する収容容器34)に近接する位置まで延びている(
図3参照)。
【0028】
また、薄皮回収部材42は、薄皮剥き域Pから排出域Dまでを円弧状に覆う弧状内壁部44と、この弧状内壁部44の上流端部と上面プレート8とを接続する上流側壁部46と、弧状内壁部44の左外側を覆う外壁部48と、弧状内壁部44及び外壁部48の底部を接続する略U字状の底壁部50とを有し、これら弧状内壁部44、上流側壁部46、外壁部48及び底壁部50によって、薄皮を回収する回収空間51を規定する。尚、図示していないが、この回収空間51の底部は、例えば薄皮回収ラインを介して吸引回収装置に接続され、回収空間51に回収された薄皮は、薄皮回収ラインを通して吸引回収装置に吸引回収される。
【0029】
この薄皮回収部材42の弧状内壁部44には、薄皮剥き域Pに位置する容器ユニット20(具体的には、収容容器34)に対応して薄皮排出用開口52が設けられ、また排出域Dに位置する容器ユニット20(具体的には、容器本体34)に対応して成果物排出用開口54が設けられている。更に、薄皮排出用筒状体40の上端部には、排出された薄皮を回収空間51の底部に導くための案内部材56が設けられ、この案内部材56の上端部は上面プレート8に接続され、その下端部は回収空間51側に下方に傾斜している。
【0030】
更に、排出域Dに対応して、成果物(例えば、薄皮を剥いたにんにくなど)を回収するための回収手段60が配設されている。回収手段60は、上面が開放された箱状の回収容器62を備え、この回収容器62が載置プレート64上に引出し可能に載置されている。この回収手段60に関連して、排出域Dにて排出された成果物を回収容器62に導くためのガイド部材66が設けられているとともに、回収容器62に回収された薄皮被覆物を覆うカバー部材68が設けられており、このカバー部材68の一部は、回収容器62が
図1に示す回収位置を越えて内側に挿入されるのを防止するための挿入阻止部材として機能する。尚、この回収容器62の前面には取っ手部70が設けられ、この取っ手部70を把持することによって、上記回収位置への挿入操作、またこの回収位置からの引出操作を容易に行うことができる。
【0031】
この装置本体2のベースプレート4の4角部にはキャスター72(
図1において2つのみ示す)が取り付けられ、これらキャスター72のコロ74が回転することによって、装置本体2を簡単に所望の場所に移動させることができる。尚、これらのキャスター72を省略して設置型のものとすることもできる。
【0032】
次に、
図1とともに
図2及び
図3を参照して、容器ユニット20について説明する。回転支持体16に取り付けられた8つの容器ユニット20は実質上同一の構成であり、以下それらの1つについて説明する。
【0033】
図示の容器ユニット20は、所定方向(
図1及び
図3において紙面に対して垂直な方向、
図2において左右方向)に間隔をおいて配設された2つの収容容器34を備えており、これら収容容器34に薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)が収容されてその薄皮剥きが行われる。尚、この実施形態では、このことに関連して、供給域Kにおいては、各収容容器34に対応して供給用筒状体24及びこれに関連する構成が設けられ、薄皮剥き域Pにおいては、各収容容器24に対応して薄皮剥き手段36及びこれに関連する構成が設けられ、また排出域Dにおいては、回収手段60が2つの収容容器34に共通に設けられている。
【0034】
この容器ユニット20は、更に、矩形状のユニットベース部材78と、このユニットベース部材78の上方に配設される容器挟持部材80とを備え、容器挟持部材80には、各収容容器34に対応して貫通開口82が設けられ、各貫通開口82の下端部に拡径段部84が設けられている。収容容器34は上面が開放されたお椀状であり、その内側に略半球状の収容空間85が規定され、この収容空間85内に薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)が収容される。
【0035】
容器ユニット20は、次のようにして組み付けられる。一対の収容容器34をユニットベース部材78の所定位置に載置し、拡径段部84内に対応する収容容器34の開口部を位置付けるように容器挟持部材80を一対の収容容器34の上側に載せる。そして、この状態で、ユニットベース部材78と容器挟持部材80との間に一対の中間接続部材86(
図2において1つのみ示す)を介在させ、ユニットベース部材78の外側からこれを通して取付用ねじ88を中間接続部材86に螺着するとともに、容器挟持部材80の外側からこれを貫通して固定用ねじ90をこの中間接続部材86に固定する。このように組み付けると、一対の収容容器34は、ユニットベース部材78と容器挟持部材80との間に挟持され、
図2及び3に示す状態に組み付けられる。このように組み付けた状態では、収容容器34の開口部が容器挟持部材80の貫通開口82と整合し、薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)は、容器挟持部材80の貫通開口82を通して収容容器34内に収容され、また収容容器34内の薄皮被覆物は、この貫通開口82をして排出される。
【0036】
尚、この形態では、
図3に示すように、容器挟持部材80の拡径段部84内に、例えば合成ゴムから形成されるO−リング91が配設され、収容容器34の開口部はこのO−リング91を介して容器挟持部材80に取り付けられ、このO−リング91によって、収容容器34と容器挟持部材80との間が密封される。
【0037】
この形態では、回転支持体16と一体的に容器ユニット20が薄皮回収部材42の弧状内壁部44の径方向内側をその内周面に沿って回動することから、
図3に示すように、容器挟持部材80の幅方向(
図2において紙面に対して垂直な方向、
図3において左右方向)中央部がその両端部よりも幾分径方向外方に突出し、その上面は円弧凸状に形成されており、このように構成することにより、弧状内壁部44の内周面と容器ユニット20の容器挟持部材80の上面との間隔を小さくすることができる。
【0038】
また、容器ユニット20(即ち、容器挟持部材78)の上述した構成に関連して、薄皮排出用筒状体40の下端部に補助筒状体92が取り付けられている。この補助筒状体92は薄皮排出用筒状体40の下端部から薄皮剥き域Pに向けて幾分突出し、その先端面は、薄皮回収部材42の弧状内壁部44と実質上連続する円弧凹状面を規定するように形成され、このように補助筒状体92を設けることによって、薄皮剥き域Pにおける薄皮排出用筒状体40(具体的には、補助筒状体92)と容器ユニット20(具体的には、容器挟持部材80)との間隔を小さくすることができる。尚、この補助筒状体92を設けることに代えて、薄皮排出用筒状体40の先端部(下端部)を円弧凹状に形成するようにしてもいよい。
【0039】
この容器ユニット20は、次のようにして回転支持体16の各取付支持部18に着脱自在に取り付けられる。この形態では、各取付支持部18の4角部にガイド手段94が配設されている(
図2に片側の2つを示し、
図3に一端側の2つを示す)。各ガイド手段94は実質上同一の構成であり、プレート状のガイド部材96と、スペーサ部材98とを備え、取付用ねじ100をガイド部材96及びスペーサ98を通して取付支持部18に取り付けることによって、ガイド部材96が取付支持部18の支持面から所定間隔(即ち、スペーサ98の厚み)をおいて取り付けられる。ガイド部材96は内側に延び、このガイド部材96と取付支持部18の支持面との間にガイド溝102が規定される。
【0040】
また、容器ユニット20のユニットベース部材78の両側部には凹部104が設けられ、これら凹部104が長手方向(
図2において左右方向、
図3において紙面に対して垂直方向)に延びている。両側のガイド手段94のガイド部材96は、両側からユニットベース部材78の凹部104に位置し、従って、ユニットベース部材78の両側部は、ガイド手段94のガイド溝102に沿って長手方向にスライド自在であり、矢印106(
図2)で示す方向に
図2に示す装着位置まで移動させると、この容器ユニット20が回転支持体16の取付支持部18に装着され、またこの装着位置から矢印108で示す方向に移動させると、この容器ユニット20が取付支持部18から離脱される。
【0041】
この形態では、回転支持体16の取付支持部18の一端部(矢印106で示す装着方向に見て先端側端部、
図2において右端部)に、上方に突出する当接突部110が設けられている。従って、容器ユニット20を矢印106で示す装着方向に装着位置まで移動させると、ユニットベース部材78の先端部がこの当接突部110に当接し、これによって、容器ユニット20の上記装着位置を越える移動が阻止される。尚、この容器ユニット20(具体的には、収容容器34)は、薄皮剥き域Pにおいて
図1〜
図3及び
図5に示すように水平乃至ほぼ水平状態に保持するのが好ましく、このような水平乃至ほぼ水平状態に保つことによって、圧縮空気噴射手段38からの圧縮空気を後述するように収容容器34内の薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)に所要の通りに作用させることができる。
【0042】
この形態では、また、容器ユニット20を上記装着位置に解除自在にロック保持するためのロック手段112が設けられている(
図2参照)。このロック手段112は、それ自体周知のスナップロックから構成され、係止部114を有する第1部材116と、操作部118を有する第2部材120とを有し、この第2部材120の中間部が、ユニットベース部材78の裏面に取り付けられた取付部材124の取付部126にピン128を介して回転自在に支持されているとともに、この第2部材120の先端部が第1部材116の後端部にピン130を介して旋回自在に連結されている。また、ユニットベース部材78の裏面には、係止爪部132を有する係止部材134が固定され、この係止爪部132に第1部材116の係止部114が解除自在に係止される。
【0043】
このロック手段112においては、第1部材116の係止部114を容器ユニット20側の係止部材134の係止爪部132に係止し、この状態で第2部材120をピン128を中心として
図2において反時計方向に実線で示すロック位置まで回動すると、このロック手段112はロック状態に保持される。かくロック状態にすると、係止部材134を介して容器ユニット20が矢印106で示す装着方向に移動され、そのユニットベース部材78が取付支持部18の当接突部110に当接することによって、容器ユニット20が上記装着位置にロック保持される。また、第2部材120をピン128を中心として
図2において時計方向に二点鎖線で示す解除位置まで回動すると、ロック手段112がロック解除状態となる。かかる状態においては、
図2から理解される如く、容器ユニット20側の係止部材134と第1部材116の係止部114との係止状態が解除可能となり、両者の係止状態を解除して容器ユニット20を矢印108で示す取外し方向に移動させることによって、この容器ユニット20を支持回転体16の取付支持部18から取り外すことができる。
【0044】
尚、この実施形態では、ロック手段112を用いて容器ユニット20を支持回転体16の取付支持部18に着脱自在に装着しているが、このようなロック手段112に代えて、例えば固定用ボルト及びナットなどの固定用手段を用いて取外し可能に取付支持部18に取り付けるようにしてもよい。
【0045】
この薄皮剥き機では、薄皮剥き域P(具体的には、薄皮剥き域Pに位置する収容容器34)に対応して、上述した圧縮空気噴射手段38が配設されている。この実施形態では、容器ユニット20には2つの収容容器34が設けられているので、これら収容容器34の各々に対応して圧縮空気噴射手段38が設けられる。
【0046】
図1とともに
図4及び
図5を参照して、図示の圧縮空気噴射手段38は、圧縮空気を噴射するための噴射ノズル142を備え、この噴射ノズル142は圧縮空気送給ライン144(例えば、送給配管などから構成される)を介して圧縮空気供給源146に接続されている。圧縮空気供給源146は、例えばコンプレッサなどから構成され、この圧縮空気供給源146からの圧縮空気が圧縮空気送給ライン144を通して噴射ノズル142に送給される。
【0047】
噴射ノズル142からの圧縮空気は、収容容器34の内周面に向けて次のように噴射されるのが望ましい。噴射ノズル142から噴射される圧縮空気は、
図5に示すように、収容容器34の内周面に向けて斜め下方に噴射されるのが好ましく、より具体的には、収容容器34の水平な軸線Lに対する傾斜角度αが15〜45度であるのが好ましく、20〜35であるのがより好ましい。ここでの水平な軸線Lとは、収容容器34の傾斜に関係しない水平な軸線をいう。
【0048】
圧縮空気の噴射方向の傾斜角度αに関し、この傾斜角度αが45度より大きくなると、噴射ノズル142から噴射された圧縮空気が薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)を下方に押し下げるように作用し、従って、収容された薄皮被覆物は収容容器34の底部に向けて移動され、その内周面に沿って周方向に効果的に移動させるのが難しくなる。また、この傾斜角度αが15度より小さくなると、噴射ノズル142からの圧縮空気が薄皮被覆物を上方に押し上げるように作用し、従って、収容された薄皮被覆物は収容容器34の開口部に向けて幾分浮き上がるように移動され、この場合においても収容容器34の内周面に沿って周方向に効果的に移動させるのが難しくなる。
【0049】
また、噴射ノズル142から噴射される圧縮空気は、
図4に示すように、収容容器34の内周面の接線方向に向けて噴射されるのが望ましい。このように接線方向に噴射すると、噴射された圧縮空気によって薄皮被覆物が収容容器34の内周面に沿って移動され、これによって、噴射ノズル142からの圧縮空気を薄皮被覆物に効果的に作用させることができる。
【0050】
また、噴射ノズル142からの圧縮空気は、収容容器34の内周面の上部に向けて噴射するのが好ましく、この噴射位置Pは、収容容器34の全体の深さをHとしたときにその開口端から深さH1が(1/5〜1/2)Hである(1/5H≦H1≦1/2H)のが好ましく、(1/5〜1/3)Hである(1/5H≦H1≦1/3H)のが更に好ましい。
【0051】
圧縮空気噴射手段38からの圧縮空気が薄皮剥き域Pの収容容器34に向けて噴射されることに関連して、
図3に示すように、薄皮排出用筒状体40に複数の空気流出孔148を設けるようにしてもよい。このように複数の空気流出孔148を設けると、圧縮空気噴射手段38(噴射ノズル142)から収容容器34の内周面に向けて噴射された圧縮空気の一部は、これら空気流出孔148を通して回収空間51に流れ、これによって、薄皮排出用筒状体40の全体を通して回収空間51に流れる圧縮空気の量が少なくなり、その結果、収容容器34内の薄皮被覆物が圧縮空気流によって持ち上げられて薄皮排出用筒状体40内まで浮くのを抑えることができる。
【0052】
この薄皮剥き機では、薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)表面の薄皮は、次のようにして剥かれる。主として
図1、
図4及び
図5を参照して、回転支持体16は矢印22で示す方向に間欠的に回転され、容器ユニット20が供給域Kに位置付けられると、この容器ユニット20の収容容器34に、薄皮を剥くべき薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)が供給される。この供給の際には、開閉部材28が
図1に実線で示す開位置に位置付けられ、かかる開放状態において、供給用筒状体24を通して薄皮被覆物が収容容器34に供給される。
【0053】
そして、回転支持体16が矢印22で示す方向に回動して、薄皮被覆物が収容された容器ユニット20(収容容器34)が供給域Kから薄皮剥き域Pまで移動すると、圧縮空気噴射手段38(噴射ノズル142)からの圧縮空気が上述したように容器ユニット20の収容容器34の内周面に向けて噴射される。このとき、この圧縮空気は、収容容器34の内周面に向けて斜め下方に且つこの内周面の接線方向に噴射するので、その内周面に沿ってトルネード状に流れ、この圧縮空気流によって薄皮被覆物が収容容器34の内周面に沿って周方向に移動される。そして、収容容器34の内周面に沿って多数回にわたって回動する間に、圧縮空気噴射手段38(噴射ノズル142)からの圧縮空気が薄皮被覆物とその表面の薄皮との間に流入し、この流入した空気の圧力によって薄皮は捲られて薄皮被覆物の表面から剥がされ、このようにして圧縮空気を利用して薄皮被覆物から薄皮が剥がされる。
【0054】
薄皮被覆物から剥がれた薄皮の大部分は、圧縮空気の流れとともに薄皮排出用筒状体40を通して回収空間51に回収され、その一部(比較的小さいもの)は、薄皮排出用筒状体40の空気流出孔148(
図3参照)を通して回収空間51に回収される。
【0055】
その後、回転支持体16が矢印22で示す方向に回動して、薄皮が剥かれた薄皮被覆物を収容する容器ユニット20(収容容器34)が薄皮剥き域Pから排出域Dまで移動すると、成果物が容器ユニット20(収容容器34)から落下して回収手段60(回収容器62)に回収される。このように容器ユニット20(収容容器34)が供給域K、薄皮剥き域P及び排出域Dを通して移動される間に、供給域Kにて供給された薄皮被覆物(例えば、にんにくなど)が、薄皮剥き域Pにて表面の薄皮が剥かれた後に排出域Dにて排出され、容器ユニット20が所要の通りに移動する間に薄皮被覆物の薄皮を自動的に剥くことができる。
【0056】
以上、本発明に従う薄皮剥き機の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0057】
例えば、上述した実施形態では、1つの容器ユニットに2つの収容容器を設けて2列構成にしているが、例えば薄皮剥き機の構成を簡単に且つ小型化するときには、この容器ユニットに1つの収容容器を設けて1列構成にしてもよく、また作業効率を上げるときには、この容器ユニットに3つ以上の収容容器を設けて3列以上の構成にしてもよい。
【0058】
また、例えば、上述した実施形態では、回転支持体の外形を8角形状に形成して合計8つの容器ユニットをその取付支持部に取り付けているが、このような構成に限定されず、回転支持体を4角形状、6角形状の適宜の多角形状に形成するようにしてもよく、例えば4角形状(6角形状)にした場合、合計4つ(6つ)の容器ユニットをその取り付け支持部に取り付けることができる。
【0059】
また、例えば、上述した実施形態では、回転支持体の取付支持部に容器ユニット(収容容器)を取り付けて所定方向に供給域、薄皮剥き域及び排出域を通して移動させているが、このような構成に限定されず、上述した回転支持体を省略し、収容容器を固定的に設けて圧縮空気噴射手段(噴射ノズル)からの圧縮空気を所要の通りに噴射して薄皮を剥くようにしてもよく、このようなものにおいても同様に適用することができる。