特開2016-148010(P2016-148010A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-148010(P2016-148010A)
(43)【公開日】2016年8月18日
(54)【発明の名称】ポリエチレン粘着テープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/02 20060101AFI20160722BHJP
   C09J 133/04 20060101ALI20160722BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20160722BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20160722BHJP
【FI】
   C09J7/02 Z
   C09J133/04
   B32B27/32 E
   B32B27/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-60285(P2015-60285)
(22)【出願日】2015年3月24日
(31)【優先権主張番号】104105116
(32)【優先日】2015年2月13日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】515080087
【氏名又は名称】陳 鳳謙
【氏名又は名称原語表記】CHEN,Feng−Qian
(74)【代理人】
【識別番号】100106541
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 信和
(72)【発明者】
【氏名】陳 鳳謙
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4F100AK04A
4F100AK04B
4F100AK04C
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA07
4F100CB05D
4F100DG10E
4F100GB90
4F100HB31E
4F100JG01E
4F100JG03E
4F100JL10B
4F100JL13D
4F100JL14E
4J004AA10
4J004CA04
4J004CB03
4J004CC02
4J004CC03
4J004DB02
4J004EA01
4J040DF021
4J040DG011
4J040JA09
4J040JB09
4J040MA11
4J040MB03
4J040PA23
4J040PA33
(57)【要約】
【課題】 順番に積み上げられる一つの第一基層、一つの第二基層、一つの第三基層および一つの粘質層を含む一種のポリエチレン粘着テープに関わる。
【解決手段】 一つの第一基層、一つの第二基層、一つの第三基層および一つの粘質層を含むポリエチレン粘着テープを提供する。このうち、前記第一基層はポリエチレン製の透明化なものである。前記第二基層はポリエチレン製で、着色されており、しかも前記第一基層に付着されている。前記第三基層はポリエチレン製の透明なもので、前記第二基層上に付着されており、これにより前記第二基層は前記第一基層と前記第三基層の間に位置することができる。前記粘質層はアクリル接着剤で作られ、前記第三基層に付着されており、これにより前記第三基層は前記第二基層と前記粘質層の間に位置することができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記第一基層はポリエチレン製の透明なものであり、
前記第二基層はポリエチレン製で着色されており、しかも前記第一基層に付着されており、
前記第三基層はポリエチレン製の透明なもので、前記第二基層上に付着されており、これにより前記第二基層は前記第一基層と前記第三基層の間に位置することができ、
前記粘質層はアクリル接着剤で作られ、前記第三基層に付着されており、これにより前記第三基層は前記第二基層と前記粘質層の間に位置することができる、ポリエチレン粘着テープ。
【請求項2】
さらに、前記第一基層上に印刷された一つのインク層があり、これにより前記第一基層は前記インク層と前記第二基層の間に位置することができ、しかもインク層の色を第二基層と異なるものを設定できることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン粘着テープ。
【請求項3】
さらに一つの耐静電気層および一つの離型層を含み;前記耐静電気層は導電材料で作られ、しかも前記インク層上に覆設されており、前記インク層が前記耐静電気層と前記第一基層の間に位置することができ;前記離型層は離型剤で作られ、しかも前記耐静電気層上に覆設されているため、前記耐静電気層は前記離型層と前記インク層の間に位置することができることを特徴とする請求項2に記載のポリエチレン粘着テープ。
【請求項4】
さらに離型剤で作られ、前記インク層上に覆設された一つの離型層を含み、前記インク層は前記離型層と前記第一基層の間に位置することができることを特徴とする請求項2に記載のポリエチレン粘着テープ。
【請求項5】
さらに一つの耐静電気層および一つの離型層を含み;前記耐静電気層は導電材料で作られ、前記第一基層上に覆設されており、前記第一基層は前記耐静電気層と前記第二基層の間に位置することができ;前記離型層は離型剤で作られ、しかも前記耐静電気層に覆設されており、前記耐静電気層は前記離型層と前記第一基層の間に位置することができることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン粘着テープ。
【請求項6】
さらに離型剤で作られ、前記第一基層に覆設された一つの離型層を含み、前記第一基層は前記離型層と前記第二基層の間に位置することができることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン粘着テープ。
【請求項7】
前記粘着層の厚みは前記第一基層と第二基層、前記第三基層の合計よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン粘着テープ。
【請求項8】
前記粘着層の厚みは前記第一基層と第二基層、前記第三基層の厚みよりも小さいことを特徴とする請求項7に記載のポリエチレン粘着テープ。
【請求項9】
さらに前記粘着層に設置される一つの離型紙を含み、前記粘着層は前記離型紙と前記第三基層の間に位置することができることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、対象物を保護あるいは固定するために対象物上に粘着するテープ、特に一種のポリエチレン粘着テープの構造に関わる。
【背景技術】
【0002】
工業技術が進歩するにつれ、テープの活用は既に私たちの日常生活や様々な工業分野において普及しつつある。一般的な粘着テープのデーブ物は通常、ポリ塩化ビニール(Polyvinylchloride、以下PVCという)を原料としており、主な背景としてはポリ塩化ビニールに低コスト、加工しやすさ等のメリットがあることが挙げられる。
【0003】
上記のポリ塩化ビニールテープ物で生産されたテープ(以下ポリ塩化ビニールテープという)が完成した後、通常はロール状に巻き取って使用者が使用しやすいようにしておくが、実際では使用者がロール状のポリ塩化ビニールテープを剥がすと、ポリ塩化ビニールテープ上の接着材は、ロール状に加工する際に貼り付けするテープ表面に付着しやすく残余接着剤と化す恐れがあり、そのため使用者がポリ塩化ビニールテープを使用して作業すると、表面上の残余接着剤は使用者の手や工具に付着してしまい、使用者の手や工具をねばねばさせて不快感をもたらしてしまう。
【0004】
また、ポリ塩化ビニールテープを高温あるいは温度差の大きい環境で使用すると、その接着材のプラスチック剤が接着材から染み出て、断面の粘り感、接着剤溢れ出し、ロールズレ、テープ耐久性の低下等の欠陥に至る恐れがある。言い換えれば、ポリ塩化ビニールテープは使用者の使用上の利便性を低下させやすいだけでなく、使用者の手入れを妨げ、耐用性が低下するなどの問題点を抱える。
【0005】
他にも、ここ十年、人々の環境問題への関心の高まりにより、環境にやさしい材料(Environmentally-Friendly Materials)、あるいはエコ材料(Eco-Materials)の開発に力を入れるようになり、中でもEUでは、2004年より電気製品や工業製品への鉛およびハロゲン含有製品の使用を禁止する等の措置を講じ始めている。そのため、より環境にやさしい材料で塩素含有のポリ塩化ビニールテープに取って代わることが急務となった。
【0006】
故に、単層ポリエチレン(Polyethylene、以下「PE」という)をテープ物とした製造原料を開発する業者が現れるようになり、接着材をポリエチレン粘着テープ物に付着させることで上記接着剤残し、接着剤抜けおよび環境破壊などの問題の解決を試みている。
【0007】
しかし、上記ポリエチレン粘着テープ物で作られた粘着テープ(以下、「ポリエチレン粘着テープ」という)は上記問題を解決できるものの、実際に使用してみると、ポリエチレン粘着テープには通常インクや染色剤を混用してフレーズを印刷したり染色したりするため、ポリエチレン粘着テープのインクと染色剤は接触する接着材と同調しやすく、ポリエチレン粘着テープが使用者によって対象物から剥がされる際に、インクと染色剤が接着材によって引き離されて対象物に付着して対象物がインクや染色剤に染色されてその外観性が損なわれてしまう問題が発生する。
【0008】
上記からも見て取れるように、従来のポリエチレン粘着テープの設計はまだまだ未熟で、改善すべき課題が多かれ少なかれ残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−236952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような従来例の問題点に鑑みて、本発明の目的は、残余接着剤、接着剤抜け、および環境破壊等の問題点を解消し、貼り付け対象物が染色剤やインクによって染色されるのを防げる一種のポリエチレン粘着テープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を実現するために、本出願では、一つの第一基層、一つの第二基層、一つの第三基層および一つの粘質層を含むポリエチレン粘着テープを提供した。このうち、前記第一基層はポリエチレン製の透明化なものである。前記第二基層はポリエチレン製で、着色されており、しかも前記第一基層に付着されている。前記第三基層はポリエチレン製の透明なもので、前記第二基層上に付着されており、これにより前記第二基層は前記第一基層と前記第三基層の間に位置することができる。前記粘質層はアクリル接着剤で作られ、前記第三基層に付着されており、これにより前記第三基層は前記第二基層と前記粘質層の間に位置することができる。
【0012】
上記構想を踏まえて、前記ポリエチレン粘着テープはさらに前記第一基層上に印刷された一つのインク層があり、これにより前記第一基層は前記インク層と前記第二基層の間に位置することができる。
【0013】
上記構想を踏まえて、前記ポリエチレン粘着テープはさらに一つの耐静電気層および一つの離型層を含む。前記耐静電気層は導電材料で作られ、しかも前記インク層上に覆設されているため、これにより前記インク層が前記耐静電気層と前記第一基層の間に位置することができる。前記離型層は離型剤で作られ、しかも前記耐静電気層上に覆設されているため、これにより前記耐静電気層は前記離型層と前記インク層の間に位置することができる。
【0014】
上記構想を踏まえて、前記ポリエチレン粘着テープはさらに離型剤で作られ、しかも前記インク層上に覆設された一つの離型層を含み、これにより前記インク層は前記離型層と前記第一基層の間に位置することができる。
【0015】
上記構想を踏まえて、前記ポリエチレン粘着テープはさらに一つの耐静電気層および一つの離型層を含む;前記耐静電気層は導電材料で作られ、しかも前記第一基層上に覆設されており、これにより前記第一基層は前記耐静電気層と前記第二基層の間に位置することができる。前記離型層は離型剤で作られ、しかも前記耐静電気層に覆設されており、これにより前記耐静電気層は前記離型層と前記第一基層の間に位置することができる。
【0016】
上記構想を踏まえて、前記ポリエチレン粘着テープはさらに離型剤で作られ、しかも前記第一基層上に覆設された一つの離型層を含み、これにより前記第一基層は前記離型層と前記第二基層の間に位置することができる。
【0017】
このような工夫を施すことで、前記ポリエチレン粘着テープがロール状になっているか否かを問わず、いずれも前記第一基層と前記第三基層の構造設計により、前記第二基層と前記粘質層を隔てて、前記ポリエチレン粘着テープを貼り付ける対象物が染色剤やインクによって染色される心配がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本出願の上記実施例その一の構造を示す説明図である。
図2】ポリエチレン粘着テープをロール状にした時の状態を示す立体図である。
図3】本出願の上記実施例その二の構造を示す説明図である。
図4】本出願の上記実施例その三の構造を示す説明図である。
図5】本出願の上記実施例その四の構造を示す説明図である。
図6】本出願の上記実施例その五の構造を示す説明図である。
図7】本出願の上記実施例その六の構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本出願をよりはっきりと理解できるよう、いくつかの実施例と図面を併用して次のように詳しく説明する。まず図1を参照されたい。本出願の実施例その一のポリエチレン粘着テープは一つの第一基層11、一つの第二基層12、一つの第三基層13および一つの粘質層14を含む。
【0020】
前記第一基層11はポリエチレンで吹き込み成型された薄膜状のもので、しかも着色がなく透明なものである。ここで特記すべきことは、本出願であえてポリエチレンを原料として使用した理由は、ポリエチレンには無臭、無毒で、しかも優れた耐低温性能があり、化学的安定性が高く、殆どの塩基による侵食に耐えるからである。また、ポリエチレンを日差しの下に長時間置くと自然にもろくして分解するほか、空気中で完全に燃やしても二酸化炭素(CO)と水(HO)しか出さず、他の大気汚染物を一切出さないため、環境への影響が少なく、地球にやさしい材料といえる。
【0021】
前記第二基層12は同じくポリエチレンで作られており、しかも吹き込み成型され薄膜状を呈し、前記第一基層11上に付着し、染色剤での染色により着色されている。本実施例では、ポリエチレンに白色のエコ染色剤を混入して白色の前記第二基層12に吹き込み成型しているが、これに限らず、前記第二基層に黒色、赤色、黄色あるいはその他の色の染色剤を混入してテープの識別性を高めることもできる。
【0022】
前記第三基層13は同じくポリエチレンで作られており、しかも同じく吹き込み成型され薄膜状を呈し、前記第二基層12上に付着し、これにより前記第二基層12は前記第一基層11と前記第三基層13の間に位置することができる。また、前記第三基層13は第一基層11と同じく、着色されていない透明なものである。
【0023】
前記粘質層14はエコアクリル接着剤で作られ、前記第三基層13上に付着されており、これにより前記第三基層13は前記第二基層12と前記粘質層14の間に位置し、しかも前記粘質層14の厚みは前記第一基層11、第二基層12および前記第三基層13の厚みの合計よりも小さい。具体的には、前記粘質層14の厚みも前記第一基層11、第二基層12および前記第三基層13の個々の厚みより小さい。また、前記粘質層14にあえてエコアクリル接着剤を使用した理由としては、エコアクリル接着剤に溶剤が残留する特性がなく環境にやさしいほか、ポリエチレンとエコアクリル接着剤との間に高い同調性があり、これによりエコアクリル接着剤で作られる前記粘質層14は前記厚み設計により前記第三基層13に付着されると、剥がれにくくしかもポリ塩化ビニールテープによく見られる接着剤溢れ出しといった欠陥がない。
【0024】
そうすると、上記順番に前記第一基層11、前記第二基層12、前記第三基層13および前記粘質層14に付着される構造設計により、前記第三基層13を利用して前記第二基層12を前記粘質層14から隔てて、第二基層12に含まれる染色剤と前記粘質層14との同調を防ぐことができる。また、使用者の利便性を高めるために、ポリエチレン粘着テープは通常、図2に示すようにロール状に巻かれる。一方で前記第一基層11の設計目的は、ポリエチレン粘着テープがロール状に巻かれて互いに粘着すると、内側の前記ポリエチレン粘着テープの前記第一基層11は、外側の前記ポリエチレン粘着テープの前記粘質層14と内側の前記ポリエチレン粘着テープの前記第二基層12の間に位置して前記粘質層14と前記第二基層12をうまく隔離して内側の前記ポリエチレン粘着テープの第二基層12にある染色剤が同じように外側の前記ポリエチレン粘着テープの前記粘質層14と同調するのを防ぐことができる。また、前記第一基層11と前記第三基層13が透明状を呈する設計を利用することで、前記第二基層12の着色に支障をきたすことがない。
【0025】
そのため、使用者が前記ポリエチレン粘着テープを一つの物体 (例えばアルミサッシ) に貼り付けた後、たとえ前記ポリエチレン粘着テープが使用者によって対象物から剥がされたとしても、前記第二基層12にある染色剤も前記粘質層14によって引き離されることがなく、染色剤も前記対象物に付着して前記対象物の外観性を損なうこともない。
【0026】
他にも、図3を参照して、図1の構造をベースに、前記第一基層11においてエコインクで一つのインク層15を印刷して前記第一基層11が前記インク層15と前記第二基層12の間に位置させる。前記インク層15の印加内容は数字、警告フレーズ或いは会社名等の標示、注意喚起或いは広告宣伝効果のあるものであれば良い。また、本実施例における前記インク層15の色はブルーではあるが、ブルー以外でも前記インク層15の内容がはっきりと識別できるものであれば前記第二基層12と異なる色を使用しても構わない。
【0027】
また、図3のポリエチレン粘着テープをロール状に巻く際に、内側の前記ポリエチレン粘着テープの前記インク層15の色料が外側の前記ポリエチレン粘着テープの前記粘質層14によって引き離されるのを防ぐために、図4を参照し、図3の構造をベースに、前記インク層15上に一つの離型層16を覆設して前記インク層15が前記離型層16と前記第一基層11の間に位置するようにする。対して本実施例では、前記離型層1の主要成分はポリエチレンイミン(Polyethylenimine、以下「PEI」という)の構成物ではあるが、ポリエチレンイミンに限らず、ポリパラベンゼンカーボン酸エチルダイエス(Polyethylene Terephthalate、以下「PET」という)、シリコンオイル、シリカゲルあるいは前記粘質層14と低同調性呈するその他の材料を使用しても構わない。
【0028】
そうすると、図4のポリエチレン粘着テープをロール状に巻く際に、内側の前記ポリエチレン粘着テープの前記インク層15の色料は前記離型層16によって隔たれ、外側の前記ポリエチレン粘着テープの前記粘質層14によって引き離されなくなる。また、前記離型層16は前記粘質層14と低同調性を呈するため、外側の前記ポリエチレン粘着テープの前記粘質層14が内側の前記ポリエチレン粘着テープの前記離型層16と接触すると、前記粘質層14の接着材は前記離型層16上に貼りつくことなく、使用者がテープを使用しても残余接着剤が発生する心配がない。これにより前記粘質層14の粘着力を継続させることができるだけでなく、さらに使用者の利便性と使い心地を向上させることができる。
【0029】
さらに、本出願のポリエチレン粘着テープの離型効果を高めるために、図5を参照して図4に示す構造をベースに、前記インク層15および前記離型層16の間に一つの導電材料で作られる耐静電気層17を増設することが望ましい。本実施例において、前記耐静電気層17はポリチオフェン(Polythiophene、以下「PT」という)で作られ、その導電性を利用して余分な電荷を排除して、製造時や使用時に発生する静電気による離型層16のイオンの溢れ出しを防ぎ、前記離型層16の離型効果を保持することができる。もちろん、ポリチオフェンの他に、カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube、以下「CNT」という)、グラフェン(Graphene)或いはその他の導電性を持つ材料を使用しても構わない。
【0030】
ここで特記すべきことは、上記各実施例で示される構造以外にも、図1の構造をベースに、実際では前記インク層15を印刷しなくでも構わない。代わりに図6に示すように前記離型層16をそのまま前記第一基層11上に覆設して前記第一基層11が前記離型層16と前記第二基層12の間に位置させるか、もしくは図7に示すように前記耐静電気層17をそのまま前記第一基層11に覆設した後、前記離型層16を前記耐静電気層17に覆設して前記耐静電気層17が前記離型層16と前記第一基層11の間に位置させて、上記の接着剤抜けや溢れ出しおよび残余接着剤等を防ぐほか、同時に染色剤が前記粘質層14によって引き離されて前記対象物の外観性が損なわれるのを防ぐことができる。
【0031】
他にも、上記各実施例における前記粘質層14上に一つの離型紙(図に表示していない)を増設して前記粘質層14が前記離型紙と前記第三基層13の間に位置させて前記粘質層14により優れた保護効果をもたせることができる。
【0032】
以上述べたところを要するに、本出願のポリエチレン粘着テープの構造およびその原材料の設計は、環境への負担を減らせるだけでなく、接着剤抜けや溢れ出しおよび残余接着剤の発生を防ぎ、貼り付けられる対象物の外観性が染色剤よって損なわれるのを防ぐことができる。もう一つ注意していただく点としては、上記各実施例はあくまでもいくつかの実施態様にすぎず、特許発明の技術的範囲を画するものではない。上記実施形態に種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
11 … 第一基層
12 … 第二基層
13 … 第三基層
14 … 粘質層
15 … インク層
16 … 離型層
17 … 耐静電気層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7