【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の屋根上構造物として、
棟頂部と前記棟頂部を挟む2つの屋根面とを少なくとも有する屋根と軒先又は軒先近傍に位置する固定部とを備える建築物の前記屋根上に搭載される屋根上構造物であって、
前記屋根上構造物は、太陽電池モジュールを支持する架台と、前記架台を前記固定部に対して固定する軒先固定手段とを備えており、
前記架台は、2枚の格子状構造体と、前記棟頂部を跨ぐようにして2枚の前記格子状構造体を連結する棟頂部連結手段とを備えており、
前記格子状構造体の夫々は、複数の縦桟と、複数の横桟と、複数の格子点連結手段とを備えており、
前記縦桟の夫々には、縦桟管状部と収容溝とが設けられており、
前記縦桟管状部は、前記縦桟の長手方向に沿って延びていると共に、前記縦桟の前記長手方向と直交する面内において多角形の断面形状を有しており、
前記収容溝は、前記縦桟管状部の上側であって前記縦桟管状部の外表面上又は前記縦桟管状部の外側に位置すると共に前記縦桟の前記長手方向に沿って延びており、
前記横桟の夫々には、2つの横桟被固定部が設けられており、
前記横桟被固定部の夫々は、前記横桟の長手方向に沿って延びていると共に、前記横桟の前記長手方向と直交する前記横桟の幅方向の外側に向かって張り出しており、
前記格子点連結手段は、2つの固定金具と、前記固定金具を前記縦桟に固定するための締結部品とを備えており、
前記固定金具の夫々には、前記締結部品による固定に使用される固定孔が形成されており、
前記締結部品は、部分的に前記収容溝に収容されており、
前記固定金具を前記横桟被固定部に対して少なくとも部分的に重ねた状態で、前記収容溝に部分的に収容され且つ前記固定孔に部分的に挿入された前記締結部品を締めると、前記格子点連結手段が前記縦桟と前記横桟とを連結する
屋根上構造物を提供する。
【0008】
また、本発明は、第2の屋根上構造物として、第1の屋根上構造物であって、
前記横桟被固定部の少なくとも一方には、前記横桟の前記長手方向に延びる第1係合部が形成されており、
前記固定金具の少なくとも一方には、前記第1係合部に係合する第2係合部が形成されており、
前記格子点連結手段が前記縦桟と前記横桟とを連結する際、前記第1係合部は前記第2係合部に係合している
屋根上構造物を提供する。
【0009】
また、本発明は、第3の屋根上構造物として、第2の屋根上構造物であって、
前記第1係合部は、2つの前記横桟被固定部のいずれにも形成されており、
前記第2係合部は、2つの前記固定金具のいずれにも形成されており、
前記格子点連結手段が前記縦桟と前記横桟とを連結する際、2つの前記第1係合部が前2つの記第2係合部に夫々係合している
屋根上構造物を提供する。
【0010】
また、本発明は、第4の屋根上構造物として、第2の屋根上構造物であって、
前記固定金具の他方には、他方の前記横桟被固定部を部分的に受容する受容部が設けられており、
前記格子点連結手段が前記縦桟と前記横桟とを連結する際、前記一方の横桟被固定部の前記第1係合部が前記一方の固定金具の前記第2係合部に係合していると共に、前記他方の横桟被固定部が前記受容部に部分的に受容される
屋根上構造物を提供する。
【0011】
また、本発明は、第5の屋根上構造物として、第2乃至第4のいずれかの屋根上構造物であって、
前記第1係合部は、前記横桟の前記長手方向に沿って延びる溝であり、
前記固定金具は、2つの端部を有しており、
前記第2係合部は、当該固定金具の一端側に形成された前記第1係合部に係合可能な突条であり、
前記突条よりも当該固定金具の他端側に近い位置には、前記固定孔が形成されている
屋根上構造物を提供する。
【0012】
また、本発明は、第6の屋根上構造物として、第1乃至第5のいずれかの屋根上構造物であって、
前記収容溝は、前記縦桟の前記長手方向と直交する前記縦桟の幅方向において所定幅を有し且つ前記縦桟の前記長手方向に延びる底面と、前記縦桟の前記幅方向において前記底面の前記所定幅より幅狭であり且つ前記縦桟の前記長手方向に延びる開口スロットとを有しており、
前記締結部品は、前記開口スロットを通して前記収容溝の内外に亘って位置しており、前記締められる前の状態において、前記縦桟の前記長手方向に沿って移動可能である
屋根上構造物を提供する。
【0013】
また、本発明は、第7の屋根上構造物として、第1乃至第6のいずれかの屋根上構造物であって、
前記締結部品は、ボルトとナットとを有しており、
前記ボルトの頭部は、前記収容溝に収容されており、
前記ボルトの軸部は、前記固定金具の前記固定孔に通されており、
前記ボルトの前記軸部に取り付けられた前記ナットを締めることにより、前記固定金具と前記収容溝の一部とを前記ボルトの頭部と前記ナットとで挟持する
屋根上構造物を提供する。
【0014】
また、本発明は、第8の屋根上構造物として、第1乃至第7のいずれかの屋根上構造物であって、
前記縦桟管状部には、前記縦桟の前記長手方向に沿って延びると共に前記縦桟の前記長手方向と直交する面内において前記縦桟管状部を2以上に仕切ることで前記縦桟管状部を内側から補強する補強壁が設けられている
屋根上構造物を提供する。
【0015】
また、本発明は、第9の屋根上構造物として、第1乃至第8のいずれかの屋根上構造物であって、
前記横桟は、横桟管状部と、モジュール受部とを有しており、
前記横桟管状部は、前記横桟の前記長手方向に沿って延びると共に、前記横桟の前記長手方向と直交する面内において多角形の断面形状を有しており、
前記モジュール受部は、前記太陽電池モジュールの一部を受けるためのものであり、前記横桟の前記幅方向の外側に向かって張り出しており、
前記架台は、前記横桟に取り付けられる押さえ部材を更に備えており、
前記押さえ部材が前記横桟に取り付けられると、前記太陽電池モジュールが前記押さえ部材と前記モジュール受部とに挟持される
屋根上構造物を提供する。
【0016】
また、本発明は、第10の屋根上構造物として、第9の屋根上構造物であって、
前記押さえ部材は、第1厚みを有する前記太陽電池モジュールである第1太陽電池モジュールと、前記第1厚みとは異なる第2厚みを有する前記太陽電池モジュールである第2太陽電池モジュールとを選択的に押さえることのできるものであり、
前記押さえ部材は、第1方向に延びる第1押さえ部と、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第2押さえ部と、前記第1押さえ部と前記第2押さえ部とを連結する連結部と、前記第1押さえ部から前記第2方向に延びる第1突当部と、前記第2押さえ部から前記第1方向に延びる第2突当部とを有しており、
前記第1太陽電池モジュールを対象とする場合、前記第1押さえ部と前記モジュール受部とで前記第1太陽電池モジュールを挟持すると共に前記第2突当部が前記横桟に突き当てられ、前記第2太陽電池モジュールを対象とする場合、前記第2押さえ部と前記モジュール受部とで前記第2太陽電池モジュールを挟持すると共に前記第1突当部が前記横桟に突き当てられるように、前記第1突当部と前記第2突当部のサイズ及び位置が決められている
屋根上構造物を提供する。
【0017】
また、本発明は、第11の屋根上構造物として、第10の屋根上構造物であって、
前記第1太陽電池モジュールを対象とする場合、前記第1突当部が前記第1太陽電池モジュールの周縁側部に接触し、前記第2太陽電池モジュールを対象とする場合、前記第2突当部が前記第2太陽電池モジュールの周縁側部に接触するように、前記第1突当部と前記第2突当部のサイズ及び位置が決められている
屋根上構造物を提供する。
【0018】
また、本発明は、第12の屋根上構造物として、第1乃至第11のいずれかの屋根上構造物であって、
前記棟頂部連結手段は、前記2枚の格子状構造体のうちの一方に固定される第1棟頂部材と、他方の前記格子状構造体に固定される第2棟頂部材と、前記第1棟頂部材と前記第2棟頂部材とを互いに固定する棟頂固定部材とを備えており、
前記棟頂固定部材は、角度維持用ボルトを有しており、
前記第1棟頂部材及び前記第2棟頂部材のうちの少なくとも一方には、複数の角度調整用孔部が設けられており、他方には、1以上の角度調整用孔部が設けられており、
前記棟頂連結手段は、前記第1棟頂部材の前記角度調整用孔部と前記第2棟頂部材の前記角度調整用孔部との組み合わせを選択することで、前記第1棟頂部材と前記第2棟頂部材とのなす角度を離散的に調整可能であり、且つ、選択された前記角度調整用孔部に前記角度維持用ボルトを挿通することにより、調整された角度を維持可能である
屋根上構造物を提供する。
【0019】
また、本発明は、第13の屋根上構造物として、第1乃至第12のいずれかの屋根上構造物であって、
前記軒先固定手段は、前記縦桟に接続される縦桟延長部と、第1ボルトと、前記第1ボルトを前記縦桟延長部に固定するためのボルト固定手段と、前記建築物の前記固定部に固定される第2ボルトと、前記第1ボルトと前記第2ボルトとを連結するボルト連結部材とを備えており、
前記ボルト連結部材は、前記第1ボルトの軸方向と前記第2ボルトの軸方向のなす角度を調整しつつ、前記第1ボルトと前記第2ボルトとを連結するものである
屋根上構造物を提供する。
【0020】
また、本発明は、第14の屋根上構造物として、第13の屋根上構造物であって、
前記第1ボルトの軸方向と前記第2ボルトの軸方向とのなす角度が0°より大きく90°以下となるように、前記第1ボルトと前記第2ボルトとは連結される
屋根上構造物を提供する。
【0021】
また、本発明は、第15の屋根上構造物として、第13又は第14の屋根上構造物であって、
前記第1ボルトには、前記第1ボルトの軸方向と直交する方向において、前記第1ボルトを貫通する軸孔部が設けられており、
前記ボルト連結部材は、前記軸孔部に挿通されて前記第1ボルトを回動可能に支持する回動軸部を有している
屋根上構造物を提供する。
【0022】
また、本発明は、第16の屋根上構造物として、第15の屋根上構造物であって、
前記ボルト連結部材は、前記第2ボルトの頭部に当接して前記軸孔部の位置決めを行う位置決め部を有している
屋根上構造物を提供する。
【0023】
また、本発明は、第17の屋根上構造物として、第13乃至第16のいずれかの屋根上構造物であって、
前記ボルト固定手段は、前記縦桟延長部に対して回動可能に取り付けられた連結片であって、前記第1ボルトを挿通する挿通孔部を有する連結片と、前記第1ボルトに取り付けられて前記第1ボルト上における前記連結片の位置決めを行う位置決めナットとを有している
屋根上構造物を提供する。
【0024】
また、本発明は、第18の屋根上構造物として、第1乃至第17のいずれかの屋根上構造物であって、
前記建築物の前記屋根は、寄棟形式のものであり、前記2つの屋根面に加えて補助的屋根面を更に有しており、
前記架台は、バランス補助構造を更に備えており、
前記バランス補助構造は、少なくとも2つの第1補助的横桟と、第2補助的横桟と、少なくとも2つの隅棟部材とを備えており、
前記第1補助的横桟は、2つの前記格子状構造体に夫々接続されており、
前記第2補助的横桟は、前記補助的屋根面上に配置されており、
前記隅棟部材が、前記屋根の隅棟を跨ぐようにして前記第1補助的横桟と前記第2補助的横桟とを連結することにより、前記バランス補助構造は、2つの前記格子状構造体を連結する
屋根上構造物を提供する。
【0025】
更に、本発明によれば、他の屋根上構造物として、
棟頂部と前記棟頂部を挟む2つの屋根面とを少なくとも有する屋根と軒先又は軒先近傍に位置する固定部とを備える建築物の前記屋根上に搭載される屋根上構造物であって、
前記屋根上構造物は、太陽電池モジュールを支持する架台と、前記架台を前記固定部に対して固定する軒先固定手段とを備えており、
前記架台は、2枚の格子状構造体と、前記棟頂部を跨ぐようにして2枚の前記格子状構造体を連結する棟頂部連結手段と、押さえ部材とを備えており、
前記格子状構造体の夫々は、複数の縦桟と複数の横桟とを格子状に連結してなるものであり、
前記横桟は、モジュール受部とを有しており、
前記モジュール受部は、前記太陽電池モジュールの一部を受けるためのものであり、前記横桟の前記幅方向の外側に向かって張り出しており、
前記押さえ部材は、第1厚みを有する前記太陽電池モジュールである第1太陽電池モジュールと、前記第1厚みとは異なる第2厚みを有する前記太陽電池モジュールである第2太陽電池モジュールとを選択的に押さえることのできるものであり、
前記第1太陽電池モジュールを押さえるために前記押さえ部材が前記横桟に取り付けられると、前記第1押さえ部と前記モジュール受部とで前記第1太陽電池モジュールを挟持すると共に前記第2突当部が前記横桟に突き当てられ、
前記第2太陽電池モジュールを押さえるために前記押さえ部材が前記横桟に取り付けられると、前記第2押さえ部と前記モジュール受部とで前記第2太陽電池モジュールを挟持すると共に前記第1突当部が前記横桟に突き当てられる
屋根上構造物が得られる。
【0026】
また、本発明によれば、更に他の屋根上構造物として、
棟頂部と前記棟頂部を挟む2つの屋根面とを少なくとも有する屋根と軒先又は軒先近傍に位置する固定部とを備える建築物の前記屋根上に搭載される屋根上構造物であって、
前記屋根上構造物は、太陽電池モジュールを支持する架台と、前記架台を前記固定部に対して固定する軒先固定手段とを備えており、
前記架台は、2枚の格子状構造体と、前記棟頂部を跨ぐようにして2枚の前記格子状構造体を連結する棟頂部連結手段とを備えており、
前記棟頂部連結手段は、前記2枚の格子状構造体のうちの一方に固定される第1棟頂部材と、他方の前記格子状構造体に固定される第2棟頂部材と、前記第1棟頂部材と前記第2棟頂部材とを互いに固定する棟頂固定部材とを備えており、
前記棟頂固定部材は、角度維持用ボルトを有しており、
前記第1棟頂部材及び前記第2棟頂部材のうちの少なくとも一方には、複数の角度調整用孔部が設けられており、他方には、1以上の角度調整用孔部が設けられており、
前記棟頂連結手段は、前記第1棟頂部材の前記角度調整用孔部と前記第2棟頂部材の前記角度調整用孔部との組み合わせを選択することで、前記第1棟頂部材と前記第2棟頂部材とのなす角度を離散的に調整可能であり、且つ、選択された前記角度調整用孔部に前記角度維持用ボルトを挿通することにより、調整された角度を維持可能である
屋根上構造物が得られる。
【0027】
また、本発明によれば、更に他の屋根上構造物として、
棟頂部と前記棟頂部を挟む2つの屋根面とを少なくとも有する屋根と軒先又は軒先近傍に位置する固定部とを備える建築物の前記屋根上に搭載される屋根上構造物であって、
前記屋根上構造物は、太陽電池モジュールを支持する架台と、前記架台を前記固定部に対して固定する軒先固定手段とを備えており、
前記架台は、2枚の格子状構造体と、前記棟頂部を跨ぐようにして2枚の前記格子状構造体を連結する棟頂部連結手段とを備えており、
前記格子状構造体の夫々は、複数の縦桟と複数の横桟とを格子状に連結してなるものであり、
前記軒先固定手段は、前記縦桟に接続される縦桟延長部と、第1ボルトと、前記第1ボルトを前記縦桟延長部に固定するためのボルト固定手段と、前記建築物の前記固定部に固定される第2ボルトと、前記第1ボルトと前記第2ボルトとを連結するボルト連結部材とを備えており、
前記ボルト連結部材は、前記第1ボルトの軸方向と前記第2ボルトの軸方向のなす角度を調整しつつ、前記第1ボルトと前記第2ボルトとを連結するものである
屋根上構造物が得られる。
【0028】
更に、本発明によれば、他の屋根上構造物として、
寄棟形式の屋根であって棟頂部と前記棟頂部を挟む2つの屋根面と前記2つの屋根面以外の補助的屋根面とを少なくとも有する屋根と軒先又は軒先近傍に位置する固定部とを備える建築物の前記屋根上に搭載される屋根上構造物であって、
前記屋根上構造物は、太陽電池モジュールを支持する架台と、前記架台を前記固定部に対して固定する軒先固定手段とを備えており、
前記架台は、2枚の格子状構造体と、前記棟頂部を跨ぐようにして2枚の前記格子状構造体を連結する棟頂部連結手段と、バランス補助構造とを備えており、
前記バランス補助構造は、少なくとも2つの第1補助的横桟と、第2補助的横桟と、少なくとも2つの隅棟部材とを備えており、
前記第1補助的横桟は、2つの前記格子状構造体に夫々接続されており、
前記第2補助的横桟は、前記補助的屋根面上に配置されており、
前記隅棟部材が、前記屋根の隅棟を跨ぐようにして前記第1補助的横桟と前記第2補助的横桟とを連結することにより、前記バランス補助構造は、2つの前記格子状構造体を連結する
屋根上構造物が得られる。