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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-148384(P2016-148384A)
(43)【公開日】2016年8月18日
(54)【発明の名称】タンクトレーラ
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/00 20060101AFI20160722BHJP
   B65D 88/12 20060101ALI20160722BHJP
   B65D 90/48 20060101ALI20160722BHJP
   F17C 13/02 20060101ALI20160722BHJP
   B60P 3/22 20060101ALI20160722BHJP
   B67D 7/78 20100101ALI20160722BHJP
   B67D 7/32 20100101ALN20160722BHJP
【FI】
   F17C13/00 302D
   B65D88/12 F
   B65D90/48 A
   F17C13/02 302
   B60P3/22 Z
   B67D7/78 Z
   B67D7/78 E
   B67D7/32 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-25158(P2015-25158)
(22)【出願日】2015年2月12日
(71)【出願人】
【識別番号】506141041
【氏名又は名称】アストモスエネルギー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000158312
【氏名又は名称】岩谷産業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】高橋 丘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 順
(72)【発明者】
【氏名】美澤 秀敏
(72)【発明者】
【氏名】岸田 信之
(72)【発明者】
【氏名】中井 勝章
【テーマコード(参考)】
3E070
3E083
3E172
【Fターム(参考)】
3E070AA07
3E070AB32
3E070CA03
3E070CB20
3E070CC02
3E070GB01
3E070GB04
3E070GB16
3E070QA03
3E070RA02
3E070RA09
3E070VA06
3E070VA21
3E083AA13
3E083AB11
3E083AD28
3E083AJ10
3E083AJ11
3E172AA06
3E172AB04
3E172AB05
3E172BA10
3E172BB05
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD04
3E172CA30
3E172EA03
3E172EA30
3E172EB03
3E172EB10
3E172JA04
(57)【要約】
【課題】貯槽の更新およびメンテナンスを不要にできるタンクトレーラを提供すること。
【解決手段】第1液口21及びガス口22から液化ガスが充填されたタンク2は、トラクタTにけん引され、トラクタTから切り離されることで、タンク2は任意の場所に設置される。タンク2の第2液口24にポンプPを接続することで、タンク2に充填された液化ガスが外部へ送出される。貯槽の代わりにタンク2に液化ガスを貯蔵して、トラクタTが切り離された任意の場所で必要に応じて液化ガスをタンク2の外部へ送出できるので、貯槽を不要にすることができ、貯槽の更新およびメンテナンスを不要にできる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスが充填されるタンクを備え、トラクタにけん引されるタンクトレーラにおいて、
タンクは、前記液化ガスが供給される第1液口と、
その第1液口からの液化ガスの供給に伴って気化ガスが排出されるガス口と、
ポンプを接続することで内部に充填された液化ガスが外部へ送出される第2液口とを備えていることを特徴とするタンクトレーラ。
【請求項2】
前記タンクは、前記第2液口から前記ポンプへ送出された液化ガスの一部が循環されて前記ポンプから回収される回収口を備えていることを特徴とする請求項1記載のタンクトレーラ。
【請求項3】
前記タンクは、前記ポンプの下流側に接続されると共に前記ポンプから吐出される液化ガスの少なくとも一部が戻される戻し口を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタンクトレーラ。
【請求項4】
前記ガス口は、前記回収口または前記戻し口と共用されることを特徴とする請求項2又は3に記載のタンクトレーラ。
【請求項5】
前記第2液口は、前記第1液口と共用されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のタンクトレーラ。
【請求項6】
前記タンクに充填された液化ガスの液面の位置を検出する液面検出装置を備え、
前記タンクは、軸方向両側に位置する円筒状の第1小径部および第2小径部と、
それら第1小径部および第2小径部の間に位置し、前記第1小径部および前記第2小径部より大きな内径の円筒状に形成される大径部とを備え、
車両の後方側へ向かって軸心が下降傾斜するように横置きに設定され、
前記第2液口は前記大径部に形成され、前記液面検出装置は前記大径部の液面の位置を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のタンクトレーラ。
【請求項7】
前記液面検出装置は、液面の位置に関する検出信号を、前記タンクの設置場所に設置された警報装置へ送信することを特徴とする請求項6記載のタンクトレーラ。
【請求項8】
前記タンクは、横置きに設定され、
水平面に対する前記タンクの軸心の傾きを調整する傾き調整機構を備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のタンクトレーラ。
【請求項9】
前記ポンプは、前記タンクに対して設置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のタンクトレーラ。
【請求項10】
前記第2液口を開閉する緊急遮断弁を備え、
その緊急遮断弁は、前記タンクの設置場所から供給される圧縮空気に基づいて開閉されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のタンクトレーラ。
【請求項11】
前記第2液口を開閉する緊急遮断弁を備え、
その緊急遮断弁は、前記タンクに設置されたエアタンクから供給される圧縮空気に基づいて開閉されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のタンクトレーラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタンクトレーラに関し、特に貯槽の更新およびメンテナンスを不要にできるタンクトレーラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液化石油ガス(LPG)等の液化ガスは、移動式の貯蔵設備(タンクトレーラ等)を使って輸入基地や製油所等の基地から充填所へ運ばれ、充填所の貯槽に一旦貯蔵される。充填所の貯槽に貯蔵された液化ガスは容器へ充填され、その容器が消費先へ運ばれる(特許文献1)。充填所の耐震性や防災性の向上のため、近年、老朽化した貯槽の更新が急務である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2968766号公報(図6等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、充填所の耐震性や防災性を向上させその状態を維持するためには、貯槽の更新およびメンテナンスに加え、充填所に液化ガスを搬入して貯槽に液化ガスを充填する移動式の貯蔵設備(タンクトレーラ等)のメンテナンスも必要である。即ち、充填所の耐震性や防災性を向上させその状態を維持するために、貯槽の更新およびメンテナンス、並びに、移動式の貯蔵設備のメンテナンスを要するという問題点がある。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、貯槽の更新およびメンテナンスを不要にできるタンクトレーラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載のタンクトレーラは、液化ガスが充填されるタンクを備え、トラクタによってけん引されるものにおいて、タンクは、前記液化ガスが供給される第1液口と、その第1液口からの液化ガスの供給に伴って気化ガスが排出されるガス口と、ポンプを接続することで内部に充填された液化ガスが外部へ送出される第2液口とを備えている。
【0007】
請求項2記載のタンクトレーラは、請求項1記載のものにおいて、前記タンクは、前記第2液口から前記ポンプへ送出された液化ガスの一部が循環されて前記ポンプから回収される回収口を備えている。
【0008】
請求項3記載のタンクトレーラは、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記タンクは、前記ポンプの下流側に接続されると共に前記ポンプから吐出される液化ガスの少なくとも一部が戻される戻し口を備えている。
【0009】
請求項4記載のタンクトレーラは、請求項2又は3に記載のものにおいて、前記ガス口は、前記回収口または前記戻し口と共用される。
【0010】
請求項5記載のタンクトレーラは、請求項1から4のいずれかに記載のものにおいて、前記第2液口は、前記第1液口と共用される。
【0011】
請求項6記載のタンクトレーラは、請求項1から5のいずれかに記載のものにおいて、前記タンクに充填された液化ガスの液面の位置を検出する液面検出装置を備え、前記タンクは、軸方向両側に位置する円筒状の第1小径部および第2小径部と、それら第1小径部および第2小径部の間に位置し、前記第1小径部および前記第2小径部より大きな内径の円筒状に形成される大径部とを備え、前記トラクタが連結される側から反対側に向かって軸心が下降傾斜するように横置きに設定され、前記第2液口は前記大径部に形成され、前記液面検出装置は前記大径部の液面の位置を検出する。
【0012】
請求項7記載のタンクトレーラは、請求項6記載のものにおいて、前記液面検出装置は、液面の位置に関する検出信号を、前記タンクの設置場所に設置された警報装置へ送信する。
【0013】
請求項8記載のタンクトレーラは、請求項1から7のいずれかに記載のものにおいて、前記タンクは、横置きに設定され、水平面に対する前記タンクの軸心の傾きを調整する傾き調整機構を備えている。
【0014】
請求項9記載のタンクトレーラは、請求項1から8のいずれかに記載のものにおいて、前記ポンプは、前記タンクに対して設置されている。
【0015】
請求項10記載のタンクトレーラは、請求項1から9のいずれかに記載のものにおいて、前記第2液口を開閉する緊急遮断弁を備え、その緊急遮断弁は、前記タンクの設置場所から供給される圧縮空気に基づいて開閉される。
【0016】
請求項11記載のタンクトレーラは、請求項1から9のいずれかに記載のものにおいて、前記第2液口を開閉する緊急遮断弁を備え、その緊急遮断弁は、前記タンクに設置されたエアタンクから供給される圧縮空気に基づいて開閉される。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載のタンクトレーラによれば、液化ガスが第1液口からタンクに供給され、その第1液口からの液化ガスの供給に伴って、ガス口から気化ガスが排出される。これによりタンクに液化ガスが充填される。液化ガスが充填されたタンクはトラクタにけん引され、トラクタから切り離されることで、タンクは任意の場所に設置される。タンクの第2液口にポンプを接続することで、内部に充填された液化ガスが外部へ送出される。即ち、トラクタが切り離された任意の場所で、貯槽の代わりに液化ガスを貯蔵して、必要に応じて液化ガスをタンクの外部へ送出できる。このタンクトレーラによれば、貯槽を不要にできる。その結果、貯槽の更新およびメンテナンスを不要にできる効果がある。
【0018】
請求項2記載のタンクトレーラによれば、タンクは、第2液口からポンプへ送出された液化ガスの一部が循環されて、ポンプから回収口に回収される。液化ガスは気化し易いので、ポンプで液化ガスの一部が昇温されて気化し、キャビテーションやガス溜りを生じることがある。これを防ぐため、液化ガスの一部を循環させてポンプから回収口に回収することによって、ポンプに悪影響を及ぼすキャビテーションやガス溜りの発生を抑制できる。これにより、請求項1の効果に加え、ポンプの耐久性を向上できる効果がある。
【0019】
請求項3記載のタンクトレーラによれば、タンクは、ポンプの下流側に接続される戻し口を備え、ポンプから吐出される液化ガスの少なくとも一部が戻し口に戻される。その結果、タンクの外部に送出された液化ガスの需要量が変動したときも、ポンプの最小吐出量を確保できる。よって、請求項1又は2の効果に加え、ポンプの連続運転に支障をきたさないようにできる効果がある。
【0020】
請求項4記載のタンクトレーラによれば、ガス口は、回収口または戻し口と共用されるので、回収口または戻し口を構成する部品、回収口または戻し口に接続される配管、及び、その配管が配設されるスペースを不要にできる。よって、請求項2又は3の効果に加え、部品点数を削減できると共に省スペース性を向上できる効果がある。
【0021】
請求項5記載のタンクトレーラによれば、第2液口は第1液口と共用されるので、第1液口または第2液口を構成する部品、及び、第1液口または第2液口に接続される配管を不要にできる。よって、請求項1から4のいずれかの効果に加え、部品点数を削減できると共に省スペース性を向上できる効果がある。
【0022】
請求項6記載のタンクトレーラによれば、タンクに充填された液化ガスの液面の位置が液面検出装置により検出される。タンクは、円筒状の第1小径部および第2小径部が軸方向両側に位置し、それら第1小径部および第2小径部の間に、第1小径部および第2小径部より大きな内径の円筒状の大径部が形成される。タンクは、車両の後方側へ向かって軸心が下降傾斜する横置きに設定されるので、軸心が水平になるようにタンクを配置する場合と比較して、トラクタが連結されたときの重心高を低くできる。よって、トラクタにけん引されるタンクトレーラの転倒に対する安定性を向上できる効果がある。
【0023】
また、大径部は、第1小径部および第2小径部より内径が大きく設定されるので、大径部の液面の位置が液面検出装置によって検出されることで、第1小径部または第2小径部の液面の位置が液面検出装置によって検出される場合と比較して、液化ガスの残量(充填量)がより少なくなるまで液面の位置を検出できる。さらに、第2液口は大径部に形成されるので、液化ガスの残量が少なくなったときも、第2液口から液化ガスを外部へ送り出すことができる。よって、請求項1から5のいずれかの効果に加え、トラクタにけん引されるタンクトレーラの転倒に対する安定性を向上させつつ、外部へ送り出されずに内部に残留する液化ガスの量を少なくできる効果がある。
【0024】
請求項7記載のタンクトレーラによれば、液面検出装置は、液面の位置に関する検出信号を、タンクの設置場所に設置された警報装置へ送信する。タンクの設置場所では、その検出信号に基づいて液面の位置を検出し、請求項6の効果に加え、ポンプを停止させる等の操作を行うことができ、ポンプの空運転を未然に防止できる効果がある。
【0025】
請求項8記載のタンクトレーラによれば、タンクは横置きに設定され、傾き調整機構によって水平面に対するタンクの軸心の傾きが調整される。これにより、第2液口の周囲の面に対する第2液口の高さを調整できるので、請求項1から7のいずれかの効果に加え、第2液口から外部へ送り出されずに内部に残留する液化ガスを少なくできる効果がある。
【0026】
請求項9記載のタンクトレーラによれば、ポンプはタンクに対して設置されている。よって、請求項1から8のいずれかの効果に加え、ポンプが配置されていない場所であっても、タンクに対して設置されたポンプを稼働させて液化ガスを外部へ送り出すことができる効果がある。
【0027】
請求項10記載のタンクトレーラによれば、緊急遮断弁により第2液口が開閉される。緊急遮断弁は、タンクの設置場所から供給される圧縮空気に基づいて開閉されるので、請求項1から9のいずれかの効果に加え、緊急時に安定して遠隔操作できる効果がある。
【0028】
請求項11記載のタンクトレーラによれば、緊急遮断弁により第2液口が開閉される。緊急遮断弁は、タンクに設置されたエアタンクから供給される圧縮空気に基づいて開閉される。よって、請求項1から9のいずれかの効果に加え、タンクの設置場所から圧縮空気が供給されなくなった場合も、緊急遮断弁を操作できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施の形態におけるタンクトレーラの側面図である。
図2】タンクトレーラの配管系統図である。
図3】第2実施の形態におけるタンクトレーラの配管系統図である。
図4】第3実施の形態におけるタンクトレーラの配管系統図である。
図5】第4実施の形態におけるタンクトレーラの配管系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施の形態におけるタンクトレーラ1の側面図である。図1に示すように、タンクトレーラ1はトラクタTにより牽引される車両(本実施の形態ではタンクセミトレーラ)である。タンクトレーラ1は、液化石油ガス(LPG)や液化天然ガス(LNG)等の液化ガスが充填される横置きのタンク2と、そのタンク2に取り付けられる走行装置3とを備え、タンク2は複数の車輪4により支持される。タンクトレーラ1は、トラクタTのフレームT1に設けられた連結部T2に連結されることで、トラクタTによってけん引され、タンク2が軸方向に搬送される。
【0031】
タンク2は軸心Oが後方に傾斜するように配置され、トラクタTが連結されたタンクトレーラ1の重心(トラクタT及びタンクトレーラ1の全体の重心)Gが、タンク2の軸心Oより低い位置に設定される。重心Gの高さ(重心高)をHとする。タンク2を後傾して配置することにより、タンク2を軸心Oが水平になるように配置する場合と比較して重心高Hを低くできるので、トラクタTが連結されたタンクトレーラ1の転倒に対する安定性を向上できる。
【0032】
タンク2は、タンク2の前端側、即ち、トラクタT側に位置しフレームT1に支持される第1小径部11と、タンク2の後端側に位置し走行装置3に支持される第2小径部12と、それら第1小径部11及び第2小径部12の間に位置する大径部13と、第1小径部11と大径部13とを連結する第1傾斜部14と、第2小径部12と大径部13とを連結する第2傾斜部15とを備えている。
【0033】
第1小径部11及び第2小径部12は内径D1の円筒状に、大径部13は内径D2の円筒状にそれぞれ形成されており、大径部13の内径D2は、第1小径部11及び第2小径部12の内径D1よりも大きく形成されている(D1<D2)。また、第1傾斜部14及び第2傾斜部15は、第1小径部11及び第2小径部12から大径部13へ向かうにつれて径が拡大する円錐台状に形成されている。
【0034】
大径部13は、第1小径部11、第2小径部12、第1傾斜部14及び第2傾斜部15と同心に配置されると共に、トラクタTのフレームT1と走行装置3との間に位置し、内径D2が軸心Oに対して上下均一に拡大される。これによりタンク2の重心Gが高くなることを抑制しつつタンク2の容積を拡大でき、タンクトレーラ1の安定性を確保できる。さらに第1小径部11及び第2小径部12と大径部13とが同心に配置されることで、高圧状態で液化ガスがタンク2に充填される場合にも、応力集中を抑制してタンク2の強度を確保できる。
【0035】
タンクトレーラ1は、タンク2の下部に、液化ガスをタンク2に充填(積込)するときに操作されるバルブ等が配置された積込用操作箱5と、液化ガスをタンク2から送出するときに操作されるバルブ等が配置された接続用操作箱6とが配置される。積込用操作箱5はタンク2の第1小径部11側に配置され、接続用操作箱6はタンク2の第2小径部12側に配置される。タンク2は、走行装置3が配置された第2小径部12とは大径部13を挟んで反対側の第1小径部11側に支持脚7が配置される。
【0036】
支持脚7は、タンク2の前端側(第1小径部11側)を地盤面に対して支持するための部材である。なお、本実施の形態における支持脚7は、水平面に対するタンク2の軸心Oの傾きを調整できるように、伸縮可能に構成される。支持脚7の下端部を地盤面に接地させつつ支持脚7の長さを調整することで、水平面に対するタンク2の軸心Oの傾きが調整される。
【0037】
タンク2は、所定箇所にリング状の係止部8が設置される。係止部8は、ラッシングワイヤ等のラッシング部材(図示せず)の一端側が固定される部位であり、ラッシング部材の他端側は、地盤面に固定されたアンカーボルト等の固定部材(図示せず)に固定される。トラクタTから切り離されたタンクトレーラ1は、係止部8にラッシング部材が固定されることで、停留される充填所の地盤面に固定される。その結果、地震や風水害(例えば津波、高潮、河川の氾濫、竜巻等)によってタンクトレーラ1が移動したり転倒したりすることを防止できる。
【0038】
次に図2を参照して、タンクトレーラ1の配管系統について説明する。図2はタンクトレーラ1の配管系統図である。なお、図2は、充填所へ停留されたタンクトレーラ1に充填所側のポンプPが接続された状態が図示される。
【0039】
図2に示すようにタンクトレーラ1は、タンク2の大径部13(図1参照)の底部に第1液口21、ガス口22、第2液口24及び戻し口25が形成される。また、タンク2は、大径部13の底部に液面検出装置27が配置され、頂部に安全弁29が配置される。第2液口24及び液面検出装置27は、大径部13の軸方向中央より後方側(走行装置3側)に設けられている。
【0040】
第1液口21は、タンク2へ液化ガスを充填するときに液化ガスをタンク2に流入させるための開口部であり、第1液配管31の一端が接続される。第1液配管31は、他端にカップリング32が接続され、第1液口21とカップリング32との間に、第1液配管31を開閉する第1液元弁33が配設される。第1液口21は、第1液口21を開閉する緊急遮断弁34が配設されている。
【0041】
ガス口22は、第1液口21からの液化ガスの供給に伴ってタンク2内の気化ガスを押し出すための開口部であり、通気管23が接続される。通気管23は、一端がガス口22に接続され他端側がタンク2の頂部に向かって伸びる配管であり、ガス口22は、通気管23によりタンク2の気相部分と連通する。ガス口22はガス配管35の一端が接続される。ガス配管35は、他端にカップリング36が接続され、ガス口22とカップリング36との間に、ガス配管35を開閉するガス元弁37が配設される。ガス口22は、ガス口22を開閉する緊急遮断弁38が配設されている。なお、ガス口22は、第2液口24(後述する)からポンプPへ送出された液化ガスの一部が循環されて回収される回収口としての機能も有している。
【0042】
第2液口24は、タンク2に充填された液化ガスを送出するための開口部であり、第2液配管39の一端が接続される。第2液配管39は、他端にカップリング40が接続され、第2液口24とカップリング40との間に、第2液配管39を開閉する第2液元弁41が配設される。第2液配管39は、第2液口24と第2液元弁41との間に緊急遮断弁42が配設される。カップリング40にポンプP(本実施の形態では遠心式)の上流管P1が接続される。
【0043】
緊急遮断弁42は、第2液配管39を開閉するための弁であり、本実施の形態ではボール弁により構成され、駆動部43によって開閉駆動される。駆動部43は、遮断弁操作装置44によって駆動される。遮断弁操作装置44は、内部の空気圧が変化されることにより駆動部43を駆動させて緊急遮断弁42を開弁状態から閉弁状態に切り換えるための装置である。また、遮断弁操作装置44は、駆動部43に操作信号を送ると同時に、空油圧変換器56(後述する)にも操作信号を送ることができるように構成されている。
【0044】
第2液配管39は、第2液口24と緊急遮断弁42との間および第2液元弁41と緊急遮断弁42との間を連通するバイパス管45が接続される。バイパス管45は、リリーフ弁46が配設される。
【0045】
戻し口25は、ポンプPの下流側(下流管P2)に接続される開口部であり、ポンプPから吐出される液化ガスの少なくとも一部をタンク2に戻すための開口部である。戻し口25は、管体26が接続される。管体26は、一端が戻し口25に接続され他端側がタンク2の頂部に向かって伸びる配管であり、戻し口25は、管体26によりタンク2の気相部分と連通する。戻し口25は戻し配管47の一端が接続される。戻し配管47は、他端にカップリング48が接続され、戻し口25とカップリング48との間に、戻し配管47を開閉し流量を調整でき、且つ、閉止できる戻し元弁49が配設される。戻し口25は、戻し口25を開閉する緊急遮断弁50が配設されている。
【0046】
液面検出装置27は、タンク2に充填された液化ガスの液面の位置を検出するための装置であり、タンク2の頂部に向かって伸びる管状の液面センサ28が接続される。液面検出装置27は、液面センサ28によって検出された検出結果を処理して出力する出力回路(図示せず)を備えている。
【0047】
回収管51は、第2液口24からポンプPへ吸引された液化ガスの一部を循環させてガス口22からタンク2へ回収するための配管である。回収管51は、ガス口22とガス元弁37との間のガス配管35に一端が接続され、他端にカップリング52が接続される。回収管51は、回収管51を開閉し流量を調整できる回収元弁53が配設されている。
【0048】
緊急遮断弁34,38,50は、油圧により開閉される弁であり、本実施の形態ではグローブ弁により構成され、油圧配管54,54aが接続されている。油圧配管54,54aは、緊急遮断弁34,38,50に油圧を伝達するための配管であり、三方弁55が配設される。油圧配管54は、油圧止弁55aが配設され、空油圧変換器56が端部に接続される。空油圧変換器56は、空気圧を油圧に変換するための装置であり、遮断弁操作装置44を介して第1エア配管57及び第2エア配管59(後述する)に接続される。
【0049】
緊急遮断弁42の開閉を操作する遮断弁操作装置44は、第1エア配管57を介してエアタンク58に接続される。エアタンク58は、タンクトレーラ1の空気ブレーキ(図示せず)に供給する圧縮空気を貯蔵するためのタンクである。また、遮断弁操作装置44は、第2エア配管59が接続されている。第2エア配管59は、接続用操作箱6に固定される継手60が接続されている。継手60は、充填所に設置された空圧源(図示せず)に接続された空気配管61の継手62が接続される部材である。継手60,62同士が接続されることにより、充填所から遮断弁操作装置44へ空気圧が導入される。遮断弁操作装置44は、上述のとおり、空油圧変換器56へ操作信号を送るので、緊急遮断弁38,42,50を充填所側から遠隔操作できる。
【0050】
液面検出装置27は、電気配線63が接続される。電気配線63は、液面検出装置27に充填所側から電源を供給すると共に、充填所側へ検出信号を伝送するための配線である。電気配線63は、接続用操作箱6に固定されるコネクタ64が接続される。コネクタ64は、充填所に設置された警報装置65と電気的に接続されたコネクタ66が接続される部材である。コネクタ64,66同士が接続されることにより、液面検出装置27が出力する検出結果を、充填所に設置された警報装置65が取得できる。
【0051】
次に、タンクトレーラ1を用いた液化ガスの充填方法について説明する。タンクトレーラ1は、第1液元弁33、ガス元弁37、第2液元弁41、戻し元弁49及び回収元弁53が閉止された状態で、トラクタTにけん引されて輸入基地や製油所等の基地まで移送される。基地では、エアタンク58又はトラクタTのコンプレッサ(図示せず)が空油圧変換器56に接続され、三方弁55の設定により緊急遮断弁34,38が開弁される。基地から延びた液ホース及びガスホース(いずれも図示せず)がカップリング32,36にそれぞれ接続され、第1液元弁33及びガス元弁37が開弁される。
【0052】
液ホース及びカップリング32を介して基地から送り込まれた液化ガスは、第1液配管31を流れて第1液口21からタンク2内に入る。タンク2内の気化ガスは、タンク2内に流入した液化ガスの増加に伴って通気管23及びガス口22から排出され、ガス配管35及びカップリング36を介して基地側へ送られて回収される。こうして基地においてタンク2へ液化ガスが充填される。
【0053】
タンク2へ液化ガスが充填されたタンクトレーラ1は、トラクタTにけん引されて充填所へ移送される。支持脚7が接地された後、トラクタTが切り離され、タンクトレーラ1が充填所へ停留される。支持脚7が伸縮されてタンク2の軸心Oの傾きが調整された後、タンクトレーラ1は、係止部8により、充填所の地盤面にラッシング部材(図示せず)を用いて固定される。
【0054】
充填所では、継手60に、充填所側から延びる空気配管61の継手62が接続され、コネクタ64に、充填所側から延びるコネクタ66が接続される。三方弁55の設定によって、空油圧変換器56を介して充填所側から緊急遮断弁38,42,50の遠隔操作ができると共に、液面検出装置27から出力される液面の検出結果を充填所側(警報装置65)に取得させることができる。遮断弁操作装置44に空気配管61から空気圧が導入されることによって、緊急遮断弁38,42,50が開弁される。
【0055】
ポンプPによって液化ガスを吸い込む上流管P1が、充填所側からカップリング40に接続される。ポンプPは、上流管P1から吸い込んだ液化ガスを下流管P2から吐出する。ポンプPは、ポンプPに吸い込まれた液化ガスの一部(以下「循環液」と称す)を使ってベアリングの潤滑および冷却、並びに、ポンプPを駆動するモータ(図示せず)の冷却を行う。ベアリングの冷却等を終えた循環液は、カップリング52に接続された回収管P3からタンク2の気相部分に回収される。また、下流管P2から分岐する戻し管P4は、カップリング48に接続される。
【0056】
充填所側は、警報装置65によりタンク2の液面の検出結果(液面情報)を取得できるので、その液面情報に基づいて、タンク2内の液化ガスの残量を把握できる。タンク2内の液化ガスの残量を把握できれば、充填を必要とする容器(空容器)の数量(容積)との関係で、停留されたタンクトレーラ1のタンク2に残留する液化ガスによって空容器を充填できるか否かを充填所側が判断できる。
【0057】
その判断の結果、停留されたタンクトレーラ1の液化ガスの残量が不十分な場合には、充填所側は、空容器に液化ガスを充填するために、他のタンクトレーラを呼び寄せる等の措置をとることができる。また、タンクトレーラ1の液化ガスの残量が少なくなったときにポンプPの稼働を停止させることができるので、ポンプPが空運転することを防ぎ、ポンプPが破損することを未然に防止できる。
【0058】
以上のように基地側と接続されたタンクトレーラ1から容器(図示せず)に液化ガスを充填するときには、下流管P2を容器に接続させ、第2液元弁41、戻し元弁49及び回収元弁53が開弁された状態でポンプPを稼働させる。タンク2内の液化ガスはポンプPに吸引されて、上流管P1から下流管P2を経て容器に充填される。従来は、移動式の貯蔵設備(タンクトレーラ等)から貯槽に液化ガスを一旦貯蔵した後、貯槽から容器に液化ガスを充填していたのに対し、タンクトレーラ1によれば、貯槽を経ることなく容器に液化ガスを直接充填できる。液化ガスを貯槽に貯蔵し直す必要がないので、貯槽を不要にできる。タンクトレーラ1を用いることによって、老朽化した貯槽を更新することを不要にでき、貯槽を更新しないので、貯槽のメンテナンスを不要にできる。
【0059】
また、タンクトレーラ1は、ポンプPの冷却等を行った循環液が、回収管51及びガス配管35を介してガス口22から回収され、通気管23からタンク2の気相部分に戻される。その結果、ポンプPや配管内にキャビテーションやガス溜りが生じることを抑制できる。即ち、循環液(液化ガス)は、モータの伝熱やポンプPのベアリングの摺動熱によって昇温され気化され易い。昇温された循環液をポンプPや下流管P2に流すと、循環液の気化によってキャビテーションやガス溜りを生じることがある。タンクトレーラ1によれば、これを防止することができ、循環液をポンプPからガス口22に回収することによって、ポンプPに悪影響を及ぼすキャビテーションやガス溜りの発生を抑制できる。その結果、ポンプPの耐久性を向上できる。
【0060】
なお、タンクトレーラ1は、ガス口22が、ポンプPの冷却等を行った循環液を回収する回収口と共用されているので、回収口を構成する緊急遮断弁等の部品、回収口に接続される配管、及び、その配管が配設されるスペースを不要にできる。よって、部品点数を削減できると共に省スペース性を向上できる。
【0061】
また、タンクトレーラ1は、下流管P2から吐出される液化ガスの少なくとも一部が、戻し管P4からカップリング48を介して戻し口25に戻される。ここで、ポンプPを使ってタンク2内の液化ガスを吸込み、タンク2の容積より容積の小さい容器に充填するときには、ポンプPから吐出される液化ガスの需要量は変動する。このような場合であっても、タンクトレーラ1は戻し口25を備えているので、下流管P2から吐出される液化ガスの少なくとも一部(需要量が変動したときの余剰分)が、カップリング48を介して戻し口25からタンク2内に戻される。その結果、タンク2の外部に送出された液化ガスの需要量が変動したときも、ポンプPの最小吐出量を確保できる。よって、ポンプPの連続運転に支障をきたさないようにできる。さらに、ポンプPが頻繁にON−OFF運転されると配管にガス溜りが生じやすくなるが、戻し口25によってポンプPの連続運転に支障をきたさないようにできる(頻繁にON−OFF運転しなくても済むようにできる)ので、配管にガス溜りを生じ難くできる。
【0062】
なお、充填作業中に液化ガスの流出等の異常事態が発生した場合には、充填所側から延びる空気配管61の圧力を低下させることで、遮断弁操作装置44により駆動部43を作動させて緊急遮断弁38,42,50を閉止することができる。タンクトレーラ1によれば、以上のように充填所側から緊急遮断弁38,42,50を遠隔操作できる。
【0063】
また、遮断弁操作装置44はエアタンク58が接続されているので、万一、充填所側から空気圧が遮断弁操作装置44に導入されなくなっても、エアタンク58から空気圧を遮断弁操作装置44に導入して、緊急遮断弁38,42,50を開弁できる。
【0064】
なお、緊急遮断弁42は、ボール弁により構成される。よって、一般的な緊急遮断弁より緊急遮断弁42の圧力損失を小さくできる。緊急遮断弁42は、第2液口24と分離して第2液配管39に配設されるので、第2液口24及び第2液配管39の配管抵抗を小さくすることができる。その結果、ポンプPに効率的に液を吸い込ませることが可能となり、ポンプPの有効吸込能力(NPSH)を確保し易くできる。そのため、能力の比較的高い汎用のポンプPを採用できると共に、タンク2内の液化ガスを効率的に吸い込むことで残液量を減らすことができる。
【0065】
ここで、緊急遮断弁42が閉止されると共に第2液元弁41が閉止されると、緊急遮断弁42と第2液元弁41との間の第2液配管39が液封状態となる。そうすると、日光等によって内圧が上昇し、第2液配管39が破裂するおそれがある。それを防止するため、緊急遮断弁42と第2液元弁41との間の第2液配管39の圧力が上昇した場合には、リリーフ弁46が作動して開弁される。これにより、圧力をバイパス管45からタンク2内へ逃すことができる。その結果、第2液配管39に過剰な負荷(圧力)が作用することを防ぎ、第2液配管39が破裂することを防止できる。
【0066】
また、緊急遮断弁42が閉止された後、ポンプPと緊急遮断弁42との間の第1液配管39の圧力が上昇した場合にも、リリーフ弁46が作動する。リリーフ弁46が作動して開弁されることにより、圧力をバイパス管45からタンク2内へ逃すことができる。その結果、ポンプPに過剰な負荷(圧力)が作用することを防ぎ、ポンプPを保護することができる。
【0067】
ここで、第1小径部11及び第2小径部12より内径が大きく設定される大径部13の液面の位置が液面検出装置27によって検出されることで、第1小径部11又は第2小径部12の液面の位置が液面検出装置27によって検出される場合と比較して、液化ガスの残量(充填量)がより少なくなるまで液面の位置を検出できる。
【0068】
さらに、第2液口24は大径部13に形成されるので、第1小径部11や第2小径部12に液口が形成される場合と比較して、液化ガスの残量がより少なくなるまで、第2液口24から液化ガスを外部へ送り出すことができる。よって、外部へ送り出されずにタンク2の内部に残留する液化ガスの量を少なくできる。
【0069】
さらに、第2液口24及び液面検出装置27は、大径部13の軸方向中心より後方側(走行装置3側)に設けられている。そのため、タンク2の軸心Oが後傾(タンク2の軸方向後方(走行装置3側)に向かうにつれて軸心Oが下降傾斜)するようにタンク2の軸心Oの傾きが設定されていると、タンク2の軸心Oが前傾するようにタンク2の軸心Oの傾きが設定される場合と比較して、液化ガスの残量がより少なくなるまで、第2液口24から液化ガスを外部へ送り出すことができる。
【0070】
なお、支持脚7は、タンク2の軸心Oの傾きを調整できるように伸縮可能に構成されている。そのため、充填所の地盤面がタンクトレーラ1に対して前傾しているときにも、支持脚7の高さを調整して、第2液口24及び液面検出装置27が設けられている後方側にタンク2を傾けることができる。その結果、充填所の地形等に影響されることなく、送出されずにタンク2内に残る液化ガスの量を少なくできる。
【0071】
次に図3を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、タンク2へ液化ガスが供給される第1液口21と、タンク2から液化ガスが送出される第2液口24とが別々に設けられると共に、ガス配管35に連通する回収配管51が設けられる場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、タンク2へ液化ガスが供給される液口と、タンク2から液化ガスが送出される液口とが共用されると共に、回収配管51が省略される場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図3は第2実施の形態におけるタンクトレーラ71の配管系統図である。図3は、充填所へ停留されたタンクトレーラ71に充填所側のポンプPが接続された状態が図示される。
【0072】
図3に示すようにタンクトレーラ71は、タンク2の大径部13(図1参照)の底部に液口72、ガス口22及び戻し口25が形成される。液口72は、タンク2へ液化ガスを充填するときに液化ガスをタンク2に流入させるための開口部であり、液配管73の一端が接続される。液配管73は、他端にカップリング74が接続され、液口72とカップリング74との間に、液配管73を開閉する液元弁75が配設される。液配管73は、液口72と緊急遮断弁42との間および液元弁75と緊急遮断弁42との間を連通するバイパス管76が接続される。バイパス管76は、リリーフ弁77が配設される。なお、カップリング36,48,74等は、タンク2に固定された接続用操作箱82に配設される。
【0073】
緊急遮断弁38,50は油圧配管78が接続されている。油圧配管78は、緊急遮断弁38,50に油圧を伝達するための配管であり、油圧止弁79,80が配設され、空油圧変換器81が端部に接続される。空油圧変換器81は、空気圧を油圧に変換するための装置であり、第1エア配管57及び第2エア配管59に接続される。空油圧変換器81は、遮断弁操作装置44から送られる操作信号により作動される。
【0074】
次に、タンクトレーラ71を用いた液化ガスの充填方法について説明する。まず、タンクトレーラ71は、液元弁75、ガス元弁37及び戻し元弁49が閉止された状態で、トラクタTにけん引されて輸入基地や製油所等の基地まで移送される。基地では、エアタンク58又はトラクタTのコンプレッサ(図示せず)が遮断弁操作装置44及び空油圧変換器81に接続され、油圧止弁79が開弁、油圧止弁80が閉止されて緊急遮断弁38,42が開弁される。
【0075】
基地から延びた液ホース及びガスホース(いずれも図示せず)がカップリング74,36にそれぞれ接続され、液元弁75及びガス元弁37が開弁される。液ホース及びカップリング74を介して基地から送り込まれた液化ガスは、液配管73を流れて液口72からタンク2内に流入する。タンク2内の気化ガスは、タンク2内に流入した液化ガスの増加に伴って通気管23及びガス口22から排出され、ガス配管35及びカップリング36を介して基地側へ送られて回収される。こうしてタンク2へ液化ガスが充填される。
【0076】
タンク2へ液化ガスが充填されたタンクトレーラ71は、トラクタTにけん引されて充填所へ移送される。充填所では、継手60に、充填所側から延びる空気配管61の継手62が接続され、コネクタ64に、充填所側から延びるコネクタ66が接続される。油圧止弁79,80が開弁状態にされると、遮断弁操作装置44及び空油圧変換器81を介して緊急遮断弁38,42,50が開弁される。また、ポンプPによって液化ガスが吸い込まれる上流管P1がカップリング74に、回収管P3がカップリング36に、戻し管P4がカップリング48にそれぞれ接続される。
【0077】
下流管P2を容器に接続させた後、液元弁75、ガス元弁37及び戻し元弁49が開弁された状態でポンプPを稼働させる。タンク2内の液化ガスはポンプPに吸引されて、上流管P1から下流管P2を経て容器に充填される。ポンプPの冷却等を行った循環液は、ガス配管35を通ってガス口22及び通気管23からタンク2の気相部分に戻される。下流管P2から吐出される液化ガスの少なくとも一部が、戻し管P4からカップリング48を介して戻し口25に戻される。
【0078】
タンクトレーラ71によれば、基地でタンク2へ液化ガスが供給される液口72が、充填所でタンク2から液化ガスが送出される液口と共用されているので、第1実施の形態のように第1液口21と第2液口24とを別々に設ける場合と比較して、一方の液口を構成する緊急遮断弁等の部品、一方の液口に接続される配管、及び、その配管が配設されるスペースを不要にできる。よって、部品点数を削減できると共に省スペース性を向上できる。
【0079】
また、ポンプPを冷却等した循環液を回収する回収配管51(図2参照)が省略されているので、回収配管51を構成する配管、及び、回収配管51が配設されるスペースを不要にできる。よって、部品点数を削減できると共に省スペース性を向上できる。
【0080】
次に図4を参照して第3実施の形態について説明する。第1実施の形態および第2実施の形態では、充填所側にポンプPが設置される場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、タンク2に対してポンプ124,131が固定される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図4は第3実施の形態におけるタンクトレーラ101の配管系統図である。
【0081】
図4に示すようにタンクトレーラ101は、タンク2の大径部13(図1参照)の底部に第1液口102、ガス口103、第2液口105,106及び戻し口107が形成される。第1液口102は、タンク2へ液化ガスを充填するときに液化ガスをタンク2に流入させるための開口部であり、第1液配管111の一端が接続される。第1液配管111は、他端にカップリング112が接続され、第1液口102側に第1弁113が、カップリング112側に第1液配管111を開閉する第1元弁114が配設される。第1液口102は、第1液口102を開閉する緊急遮断弁115が配設されている。
【0082】
ガス口103は、第1液口102からの液化ガスの供給に伴ってタンク2内の気化ガスを押し出すための開口部であり、通気管104が接続される。通気管104は、一端がガス口103に接続され他端側がタンク2の頂部に向かって伸びる配管であり、ガス口103は、通気管104によりタンク2の気相部分と連通する。ガス口103はガス配管116の一端が接続される。ガス配管116は、他端にカップリング117が接続され、ガス口103側にガス弁118が、カップリング117側にガス配管116を開閉するガス元弁119が配設される。ガス口103は、ガス口103を開閉する緊急遮断弁120が配設されている。
【0083】
第2液口105,106は、タンク2に充填された液化ガスを送出するための開口部であり、第2液配管121,129の一端がそれぞれ接続される。第2液配管121は、他端にカップリング122が接続され、第2液口105側に上流側弁123が配設される。上流側弁123の下流側の第2液配管121にポンプ124が配設される。ポンプ124はモータ125により駆動される装置であり、ポンプ124の下流側の第2液配管121に下流側弁126が配設され、下流側弁126の下流側の第2液配管121に、第2液配管121を開閉する第2液元弁127が配設される。第2液口105は、第2液口105を開閉する緊急遮断弁128が配設されている。
【0084】
第2液配管129は、第2液口106に一端が接続される配管であり、他端が下流側弁126の下流側かつ第2液元弁127の上流側の第2液配管121に接続され、第2液口106側に上流側弁130が配設される。上流側弁130の下流側の第2液配管129にポンプ131が配設される。ポンプ131はモータ132により駆動される装置であり、ポンプ131の下流側の第2液配管129に下流側弁133が配設される。第2液口106は、第2液口106を開閉する緊急遮断弁134が配設されている。
【0085】
戻し口107は、ポンプ124,131の下流側に接続され、ポンプ124,131から吐出される液化ガスの少なくとも一部をタンク2に戻すための開口部である。戻し口107は、管体108が接続される。管体108は、一端が戻し口107に接続され他端側がタンク2の頂部に向かって伸びる配管であり、戻し口107は、管体108によりタンク2の気相部分と連通する。戻し口107は戻し配管135の一端が接続される。戻し配管135は、他端が、第2液配管129の連通部の下流側かつ第2液元弁127の上流側の第2液配管121に接続され、戻し口107側に、戻し配管135を開閉する戻し弁136が配設される。戻し口107は、戻し口107を開閉する緊急遮断弁137が配設されている。また、戻し配管135はリリーフ弁135aが配設される。
【0086】
緊急遮断弁115,120,128,134,137は、油圧により開閉される弁であり、緊急遮断弁115,120に油圧配管138が接続され、緊急遮断弁128,134,137に油圧配管143が接続される。油圧配管138,143は、緊急遮断弁115,120、緊急遮断弁128,134,137にそれぞれ油圧を伝達するための配管であり、油圧止弁139,144及び空油圧変換器140,145がそれぞれ接続される。空油圧変換器140,145は、空気圧を油圧に変換するための装置であり、三方弁を介してエア配管141,146にそれぞれ接続される。
【0087】
エア配管141は、接続用操作箱110に固定される継手142が接続されている。継手142は、充填所に設置された空圧源(図示せず)に接続された空気配管147の継手148が接続される部材である。継手142,148同士が接続されると、三方弁の切り換えによって、空油圧変換器140,145へ充填所から空気圧が導入されるようにできる。これにより、緊急遮断弁115,120,128,134,137を充填所から遠隔操作できる。
【0088】
エア配管146は、エアタンク58に接続される。そのため、三方弁の切り換えによって、空油圧変換器140,145へエアタンク58から空気圧が導入されるようにできる。これにより、万一、エア配管141から空気圧が導入されない場合であっても、エアタンク58の空気圧によって緊急遮断弁115,120,128,134,137を開閉できる。
【0089】
ポンプ124,131を駆動するモータ125,132は、電気配線149,151がそれぞれ接続される。電気配線149,151は、モータ125,132に充填所側から電源を供給すると共に操作信号を伝送するための配線である。電気配線149,151は、接続用操作箱110に固定されるコネクタ150,152が接続される。コネクタ150,152は、充填所に設置されたモータ125,132の制御装置153と電気配線154,156によって電気的に接続されたコネクタ155,157が、それぞれ接続される部材である。
【0090】
次に、タンクトレーラ101を用いた液化ガスの充填方法について説明する。輸入基地や製油所等の基地では、エアタンク58又はトラクタTのコンプレッサ(図示せず)が空油圧変換器140に接続され、緊急遮断弁115,120が開弁される。基地から延びた液ホース及びガスホース(いずれも図示せず)がカップリング112,117にそれぞれ接続され、第1液元弁114及びガス元弁119が開弁される。これによりタンク2へ液化ガスが充填される。
【0091】
タンクトレーラ101は、トラクタTにけん引されて充填所へ移送される。充填所では、コネクタ64,150,152及び継手142と、コネクタ66,155,157及び継手148とがそれぞれ接続される。これにより、空油圧変換器145を介して緊急遮断弁128,134,137が開弁される。
【0092】
次いで、液化ガスが充填される容器(図示せず)を、充填機(図示せず)を介してカップリング122へ接続した後、第1液元弁114及びガス元弁119が閉止された状態で、モータ125,132を稼働させてポンプ124,131を作動させる。第2液元弁127を開弁すると、タンク2内の液化ガスはポンプ124,131に吸引されて、カップリング122から容器側(充填機側)へ吐出される。戻し配管135にリリーフ弁135aが配設されているので、戻し配管135の圧力がリリーフ弁135aの設定圧になるまで、充填機により液化ガスが容器に押込み充填される。戻し配管135の圧力がリリーフ弁135aの設定圧を超えると、液化ガスは戻し配管135から戻し口107を経てタンク2内に戻される。
【0093】
以上のようにタンクトレーラ101によれば、ポンプ124,131がタンク2に対して設置されているので、ポンプが配備されていない充填所においても、制御装置153によって充填所側からモータ125,132を遠隔操作することで、ポンプ124,131を使って液化ガスをタンク2の外に送出できる。なお、タンクトレーラ101にモータ125,132の制御装置153が搭載されていると、商用電源(外部電源)を供給するだけでポンプ124,131を作動させることができる。その場合には、商用電源(外部電源)をタンクトレーラ101に供給可能な場所であれば、充填所に限らずモータ125,132に商用電源を投入して液化ガスをタンク2の外に送出できる。よって、タンクトレーラ101からボンベ(小型容器)への液化ガスの充填を、充填所以外でも実施できる。
【0094】
また、液化ガスをタンク2に供給する供給作業で使われる第1液口102及びガス口103にそれぞれ緊急遮断弁115,120が配設され、液化ガスをタンク2から送出する送出作業で使われる第2液口105,106及び戻し口107にそれぞれ緊急遮断弁128,134,137が配設される。緊急遮断弁115,120に接続される油圧配管138は、緊急遮断弁128,134,137に接続される油圧配管143と別系統である。従って、供給作業時に緊急事態が生じた場合には、油圧配管138の油圧によって緊急遮断弁115,120を閉止し、送出作業時に緊急事態が生じた場合には、油圧配管143の油圧によって緊急遮断弁128,134,137を閉止できる。供給作業または送出作業に関係する複数の緊急遮断弁を、それぞれ一つの操作で開閉できるので、異常発生時の緊急遮断作業の確実性を向上できる。
【0095】
また、充填所側の空気配管147及びタンクトレーラ101側のエアタンク58を油圧配管138,143に接続し、三方弁によって流路を切り換えることで、充填所側の空気配管147又はタンクトレーラ101側のエアタンク58のいずれを空圧源とするかを選択できる。よって、充填所側から空気圧が導入されない場合であっても、エアタンク58を空圧源として、緊急遮断弁115,120,128,134,137を開閉できる。なお、エアタンク58内の圧縮空気が不足してエアタンク58の圧力が低下した場合には、エアタンク58は、トラクタT(図1参照)のコンプレッサから圧縮空気が供給される。
【0096】
また、第2液口105,106を複数(本実施の形態では2つ)設け、その第2液口105,106にそれぞれポンプ124,131が接続されるので、個々のポンプ124,131の吐出し能力は小さくても、ポンプ124,131全体としての吐出し能力および全揚程を確保できる。
【0097】
次に図5を参照して第4実施の形態について説明する。第3実施の形態では、タンク2の底部に第1液口102、ガス口103、第2液口105,106及び戻し口107が形成される場合について説明した。これに対し第4実施の形態では、液口202により第1液口および第2液口が共用されると共に、ガス口203が戻し口と共用される場合について説明する。なお、第1実施の形態および第3実施の形態で説明したものと同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図5は第4実施の形態におけるタンクトレーラ201の配管系統図である。
【0098】
図5に示すようにタンクトレーラ201は、タンク2の大径部13(図1参照)の底部に液口202、ガス口203及び第2液口106が形成される。液口202は、タンク2へ液化ガスを充填するときに液化ガスがタンク2に流入される一方、タンク2に充填された液化ガスが払い出される開口部である。ガス口203は、液口202からの液化ガスの供給に伴ってタンク2内の気化ガスが排出される一方、ポンプ124,131から吐出される液化ガスの少なくとも一部がタンク2に戻される開口部である。
【0099】
第1配管204は、タンク2へ液化ガスを充填するときに液化ガスが流通する配管であり、一端にカップリング112が接続され、上流側弁123とポンプ124との間の第2液配管121に他端が接続される。第2配管205は、タンク2へ液化ガスを充填するときに気化ガスが流通する配管であり、一端にカップリング117が接続され、戻し弁136とリリーフ弁135aとの間の戻し配管135に他端が接続される。油圧止弁206は、タンク2へ液化ガスを充填するときに、第2液口106を開閉する緊急遮断弁134に油圧が伝達されるのを防ぐ弁であり、緊急遮断弁134近くの油圧配管143に配設される。
【0100】
次に、タンクトレーラ201を用いた液化ガスの充填方法について説明する。輸入基地や製油所等の基地では、油圧止弁206が閉止された状態で、エアタンク58又はトラクタTのコンプレッサ(図示せず)が空油圧変換器145に接続され、緊急遮断弁128,137が開弁される。基地から延びた液ホース及びガスホース(いずれも図示せず)がカップリング112,117にそれぞれ接続され、第1液元弁114及びガス元弁119が開弁される。これによりタンク2へ液化ガスが充填される。
【0101】
タンクトレーラ201は、トラクタTにけん引されて充填所へ移送される。充填所では、油圧止弁206が開弁された状態で、コネクタ64,150,152及び継手142と、コネクタ66,155,157及び継手148とがそれぞれ接続される。これにより、空油圧変換器145を介して緊急遮断弁128,134,137が開弁される。
【0102】
次いで、液化ガスが充填される容器(図示せず)を、充填機(図示せず)を介してカップリング122へ接続した後、第1液元弁114及びガス元弁119が閉止された状態で、モータ125,132を稼働させてポンプ124,131を作動させる。第2液元弁127を開弁すると、タンク2内の液化ガスはポンプ124,131に吸引されて、カップリング122から容器側(充填機側)へ吐出される。
【0103】
タンクトレーラ201によれば、第3実施の形態と比較して、第1液口102及びガス口103を省略できる。よって、第1液口102及びガス口103を構成する緊急遮断弁等の部品、各液口に接続される配管、及び、その配管が配設されるスペースを不要にできる。よって、部品点数を削減できると共に省スペース性を向上できる。
【0104】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施の形態で説明したタンク2の形状、各部の直径や軸方向長さ等の寸法は一例であり、任意に設定することができる。
【0105】
上記実施の形態では、タンクトレーラ1がタンクセミトレーラの場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、タンクフルトレーラとすることは当然可能である。
【0106】
上記各実施の形態では、タンク2を軸心Oが後方に傾斜するように配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、タンク2を軸心Oが水平になるように配置することは当然可能である。また、第1小径部11、第2小径部12(内径D1)及び大径部13(内径D2)を備えるタンク2(D2>D1)について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、両端部を除いて軸心O方向に亘って同一の内径に設定されたタンク(D2=D1)を用いることは当然可能である。
【0107】
上記各実施の形態では、緊急遮断弁25,34,38,50,115,120,128,134,137が油圧により開閉される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、空気圧により開閉される緊急遮断弁を採用することは当然可能である。また、上記実施の形態では、グローブ弁により緊急遮断弁34,38,50が形成され、ボール弁により緊急遮断弁42が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、配管抵抗等を考慮して種々の弁を適宜採用できる。
【0108】
上記各実施の形態では、タンクトレーラ1は、支持脚7を伸縮して地盤面とタンク2との距離を調整し、水平面に対するタンク2の軸心Oの傾きを調整する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。タンク2を支持するフレームとタンク2との距離を調整できる機構をタンク2とフレームとの間に設け、その機構を昇降することで水平面に対するタンク2の軸心Oの傾きを調整するようにすることは当然可能である。
【0109】
上記第3実施の形態では、タンクトレーラ101に複数のポンプ124,131が配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。吐出し能力および全揚程の要求仕様を1台で満足できるポンプを用いることで、ポンプを1台にすることは当然可能である。
【0110】
上記第1実施の形態および第2実施の形態では、循環液をタンク2内に回収する回収口の機能をガス口22にもたせてガス口22と回収口とを共用する場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、戻し口25の機能をガス口22にもたせてガス口22と戻し口25とを共用することは当然可能である。
【0111】
なお、上記各実施の形態のいずれかの一部または全部を、他の実施の形態の一部または全部と組み合わせることは可能である。また、上記各実施の形態のうちの一部の構成を省略することも可能である。
【符号の説明】
【0112】
1,71,101,201 タンクトレーラ
2 タンク
7 支持脚(傾き調整機構)
11 第1小径部
12 第2小径部
13 大径部
21,102 第1液口
22 ガス口(回収口)
24,105,106 第2液口
25,107 戻し口
27 液面検出装置
42,128,134 緊急遮断弁
58 エアタンク
65 警報装置
72 液口(第1液口、第2液口)
103 ガス口
124,131 ポンプ
202 液口(第1液口、第2液口)
203 ガス口(戻し口)
O 軸心
P ポンプ
T トラクタ
図1
図2
図3
図4
図5