特開2016-150140(P2016-150140A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2016150140-緩衝材を内包するサポーター 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-150140(P2016-150140A)
(43)【公開日】2016年8月22日
(54)【発明の名称】緩衝材を内包するサポーター
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/12 20060101AFI20160725BHJP
   A61F 5/02 20060101ALI20160725BHJP
【FI】
   A63B71/12 C
   A61F5/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-29554(P2015-29554)
(22)【出願日】2015年2月18日
(71)【出願人】
【識別番号】512150853
【氏名又は名称】株式会社和ごと
(74)【代理人】
【識別番号】100188950
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 信弥
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 智惠子
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098AA03
4C098BB12
4C098BC03
4C098BC18
4C098BC42
(57)【要約】

【課題】 サポーターに緩衝材を使用した場合でも、サポーターの外観を損ねることなく、携帯性に優れたサポーターを提供する。
【解決手段】 足首用サポーターの本体1の足首前側と足首後側の内側に被覆シート5,6を設け、それぞれ面取り用シート7,8と共に4辺のうち上辺を除いた3辺を本体1と縫着して上部が開口したポケット状の緩衝材収納部3,4とし、前記緩衝材9,10をそれぞれ前記被覆シート5,6と前記面取り用シート7,8の間に収納する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緩衝材収納部を設けたサポーターにおいて、前記緩衝材収納部の外側生地と前記緩衝材との間に面取り用シートを設けると共に、前記面取り用シートの少なくとも一部が伸長可能となるように固定されたことを特徴とするサポーター。
【請求項2】
緩衝材収納部を足首前側及び/又は足首後側に設け、かつ、前記緩衝材収納部の外側生地と前記緩衝材との間に面取り用シートを設けると共に、前記面取り用シートの少なくとも一部が伸長可能となるように固定されたことを特徴とするサポーター。
【請求項3】
面取り用シートが、緩衝材収納部の素材より薄い伸縮性素材からなる、請求項1又は2に記載のサポーター。
【請求項4】
一対の伸縮部をサポーターの側面に設けたことを特徴とする、請求項3に記載のサポーター。
【請求項5】
内側伸縮部の幅が外側伸縮部の幅より大きいことを特徴とする、請求項4に記載のサポーター。
【請求項6】
緩衝材収納部を備えたサポーターにおいて、面取り用シートを前記緩衝材に被せると共に、面取り用シートの少なくとも一部を伸張させ、前記緩衝材を押圧することを特徴とする緩衝材の面取り方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足首等に用いられるサポーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
肘、膝、足首等に用いられるサポーターには、着用する身体の部位を保護等するための緩衝材が使用される場合がある。それらの緩衝材は、サポーター生地に設けられているポケットに挿入するか、生地を二重にしてその間に挟ませることにより、サポーターに内包させることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3177713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す足首用サポーターのように、薄手で伸縮性のある生地に緩衝材を取り付けた場合や、生地の中に緩衝剤を内包した場合には、緩衝材の材質、形状によっては緩衝材の角がサポーター表面に現れ、外観を損ねてしまう。
また、サポーターの生地を厚くして外観が目立たないようにすると、サポーター全体が分厚くなり、携帯性が悪くなるという問題が生じる。
【0005】
別の方法として、緩衝材の角を丸くする等、緩衝材を成型した場合には、緩衝材を成型するコストがかかるという製造上の問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、サポーターに緩衝材を使用した場合でも、比較的簡易な方法で、サポーターの外観を損ねることなく、携帯性に優れたサポーターを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、第1の発明は緩衝材収納部を設けたサポーターにおいて、前記緩衝材収納部の外側生地と前記緩衝材との間に面取り用シートを設けると共に、前記面取り用シートの少なくとも一部が伸長可能となるように固定されたことを特徴とするサポーターである。
【0008】
第2の発明は、緩衝材収納部を足首前側及び/又は足首後側に設け、かつ、前記緩衝材収納部の外側生地と前記緩衝材との間に面取り用シートを設けると共に、前記面取り用シートの少なくとも一部が伸長可能となるように固定されたことを特徴とするサポーターである。
【0009】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、面取り用シートが、緩衝材収納部の素材より薄い伸縮性素材からなるサポーターである。
【0010】
第4の発明は、第3の発明において、一対の伸縮部をサポーターの側面に設けたことを特徴とするサポーターである。
【0011】
第5の発明は、第4の発明において、内側伸縮部の幅が外側伸縮部の幅より大きいことを特徴とするサポーターである。
【0012】
第6の発明は、緩衝材収納部を備えたサポーターにおいて、面取り用シートを前記緩衝材に被せると共に、面取り用シートの少なくとも一部を伸張させ、前記緩衝材を押圧することを特徴とする緩衝材の面取り方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、緩衝材を覆う生地が薄くても、面取り用シートに覆われた緩衝材の角が押圧されることにより、緩衝材の角が面取りされて外観を改善することができる。また、面取り用シートで押圧されることにより、緩衝材の位置ずれを防ぐことも期待できる。
【0014】
そして、サポーターの生地を薄くすることができるため、サポーターの上から上着を着たり、ズボン、靴等を履くことができ、サポーターとしての機能を損ねることなく、しかも収納時にはコンパクトで携帯性に優れたサポーターとすることもできる。
【0015】
本発明によれば、緩衝材を成型しなくとも角がある緩衝材をそのまま使用することができ、緩衝材を成型する場合に比べて製造コストを抑えることも期待される。
【0016】
本発明によれば、サポーターの側面に伸縮部を設けることにより、サポーターの装着性が向上する。また、足首用のサポーターにおいては内側の伸縮部の幅を外側の伸縮部の幅より大きくすることにより、圧迫感が少なくフィットして装着感が向上し、かつ、足首サポーターが回転して位置ずれを起こすのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施例を示す正面図である。
図2図2は、本発明の一実施例を示す右側面図である。
図3図3は、本発明の一実施例を示す左側面図である。
図4図4は、本発明の一実施例を示す背面図である。
図5図5は、本発明の一実施例の使用状態を示す概略正面図である。
図6図6は、図5のA−A線拡大一部断面図である。
図7図7は、図5のB−B線拡大一部断面図である。
図8図8は、本発明の一実施例の使用状態を示す概略斜視図である。
図9図9は、面取り用シートを追加挿入した状態を示す図5のB−B線拡大一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
図1図4は本発明の一実施例であるサポーターを示す正面図、右側面図、左側面図、背面図、図5はその概略正面図、図6図5のA−A線拡大一部断面図、図7図5のB−B線拡大一部断面図、図8は本発明の一実施例の使用状態を示す概略斜視図である。
【0019】
図において、1は右足の足首用サポーターの本体、2は足の甲を保護する前甲部、3,4はそれぞれ本体1の足首前側と足首後側の内側に設けられた緩衝材収納部、5,6はそれぞれ前記緩衝材収納部3,4を構成する前記本体1の内側に縫着された被覆シート、7,8はそれぞれ前記緩衝材収納部3,4の内部に縫着された面取り用シート、9,10は長方形のウレタン素材の緩衝材、11,12は伸縮部、13は口ゴム部、14は右足である。
【0020】
前記緩衝材収納部3,4は、被覆シート5,6をそれぞれ面取り用シート7,8と共に4辺のうち上辺を除いた3辺を本体1と縫着して上部が開口したポケット状に構成されている。
なお、緩衝材収納部は、本実施例のように、緩衝材収納部の外側生地をサポーターの外側生地で形成することもできるが、サポーター本体とは別個の収納部としてもよい。
【0021】
また、本実施例においては、緩衝材収納部は、足首前側及び足首後側に設けられているが、緩衝材収納部を設置する位置はこれに限定されるものではない。例えば、前甲部2の足の甲を保護する効果を高めるため、前甲部2に緩衝材収納部を設けてもよい。
なお、前甲部2は、サポーター内部に折り畳むことにより、足首の保護を強化することにも使用できる。
【0022】
本体1を図8に示すように右足14の足首に装着する際には、緩衝材9,10を図6,7に示すようにそれぞれ被覆シート5,6と面取り用シート7,8の間に収納する。そして本体1を右足14の足首に装着すると本体1は足首の形に合わせて伸縮すると共に、緩衝材9,10の上面を覆う面取り用シート7,8の4辺が上下左右の外側に引っ張られ、図に示すように緩衝材9,10の角が押されて変形して面取りされた状態になる。
【0023】
本実施例では本体1や被覆シート5,6は靴下に使用されるメリヤス編み等で構成されるが、前記面取り用シート7,8はストッキングに使用されるプレーン編み、交編み、ゾッキ編み、ノンラン編み等の薄く伸縮性があり、かつ、締め付け効果が高い編み方で構成されており、本体1の生地の厚さが約1mmに対して面取り用シート7,8の生地の厚さは約0.5mmである。
【0024】
そして、本実施例における本体1や被覆シート5,6の素材は、綿、アクリル、ポリエステル等の靴下に用いる素材であるが、面取り用シート7,8の素材は、ナイロン、ポリウレタン等のストッキングに用いる素材からなり、薄い伸縮性素材である。
【0025】
なお、面取り用シートは、本体や被服シートに比べて薄く(例えば、本体生地の半分以下の厚さ)、伸縮性の高いものが好ましいが、本実施例で示した編み方や素材、厚さに限られない。
【0026】
また、面取り用シート7,8の上辺の全体は縫着されていないが、上辺の両端は縫着され、上辺全体が本体と被覆シートに挟持されると共に足に押え付けられることにより面取り用シート7,8の上辺は固定されて上方に引っ張られる。このように面取り用シート7,8が使用時に伸縮すればよいため、面取り用シート7,8の四辺の全てを必ずしも縫着等で本体に固定しなくてもよい。
【0027】
また、図9に示すように、面取り効果を上げるために、本体1と面取り用シート7,8の間に面取り用シート71,81を追加して挿入することができる。
【0028】
また、本実施例によれば、面取り用シート7,8が四方に伸張されることにより緩衝材9,10が押圧されており、緩衝材9,10の位置ずれを押えることができる。
【0029】
緩衝材9,10はウレタン素材を使用しているが、スポンジゴム、シリコン素材や低反発素材等でもよく、本実施例に限られないことは勿論である。
【0030】
本実施例によれば、面取り用シートにより緩衝材の角を押圧して面取りすることにより、緩衝材が目立たず、装着していても分かり難いと共に見た目も綺麗にすることができる。
【0031】
そして、サポーターの本体及び前甲部の生地を薄くすることができるため、収納時にコンパクトになり、携帯性に優れ、また装着したまま靴を履くことができる。
【0032】
また、面取り用シートを本体の一部である緩衝材収納部に緩衝材を覆うように設けるだけでよいため、緩衝材の角を丸くする等、緩衝材を成型する必要がないので緩衝材の成型コストがかからず、サポーターの製品の製造コストを下げることも期待される。
【0033】
本実施例における伸縮部11,12の効果として、正座したときに足の甲の外側に体重がかかるため、足の甲を保護するために前記前甲部2を足の甲の外側に位置するように本体1を装着するが、この場合に本体1が足の形にフィットするように前記伸縮部11,12の横幅は約3:2の比率で構成されている。
【0034】
また、本体1が足の形にフィットしているため、本体1が回転して位置ずれを起こすことの防止や、比率を1:1にした場合に比べて圧迫感が少ないという効果、幅が広い伸縮部が足の内側になることから、左右のサポーターの履き違いを防止する効果等が期待される。
【0035】
本実施例では、一対の伸縮部として、足首の外側と内側の左右にそれぞれ伸縮部を設けているが、必ずしもその数や位置関係に限定されるものではない。特に、足首の外側に伸縮部がないものであっても、同様の機能を発揮することができる。
伸縮部の比率としては、例えば、外側の伸縮部の幅を100%とした場合に、内側の伸縮部の幅を110%〜200%とすることができ、その範囲は130%〜170%であることが好ましい。
【0036】
なお、本実施例では足首用のサポーターに本発明を適用したものであるが、肘や膝、腰等の緩衝材を内包するサポーターにも本発明を適用することができ、本実施例に限られないことは勿論である。また、本発明のサポーターは、靴下や足袋、手袋の他、下着や衣類等とすることもできる。
【符号の説明】
【0037】
1 本体
2 前甲部
3,4 緩衝材収納部
5,6 被覆シート
7,8 面取り用シート
9,10 緩衝材
11,12 伸縮部
13 口ゴム部
14 右足
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9