【解決手段】複数の表示対象データとして、買電料金、ガス料金、給湯料金、売電料金および光熱費の複数の料金が、表示棒201〜205によって、並べて棒グラフ表示される。複数の表示対象データのうちの最大データ値を表示する表示棒204の長さは、所定長Lmに固定的に設定される。最大値以外の表示処理データに対応する表示棒201〜203,205の長さは、最大データ値に対する各表示棒が表示するデータ値の比率によって、所定長Lmよりも短く設定される。
前記表示制御部は、前記第1の表示対象データの値に対する、前記複数の表示対象データのうちの最小値である第2の表示対象データの値の比率が第1の所定比率よりも小さい場合には、前記第2の表示対象データに対応する第2の表示棒の長さを前記所定長と前記第1の所定比率との積に従って設定するとともに、前記第1の表示棒の長さを前記所定長に設定し、
前記第1の表示棒において、前記複数のサブ表示棒のうちの一部の長さは、前記サブデータの値を前記第2の表示棒と同一スケールに従って表示する長さよりも短く、前記複数のサブ表示棒の残りは、前記サブデータの値を前記第2の表示棒と同一スケールに従って表示する長さを有する、請求項2記載のエネルギ表示装置。
前記表示制御部は、前記第1の表示対象データの値に対する前記第2の表示対象データの値の比率が前記第1の所定比率よりも小さく、かつ、前記第1の表示対象データの値に対する、前記第1の表示棒を構成する前記複数のサブ表示棒にそれぞれ対応する前記複数のサブデータのうちの最大値の比率が第2の所定比率よりも大きいときに、前記サブデータのうちの最大値を表示する前記サブ表示棒の長さを、前記第2の表示棒と同一スケールでの長さよりも短くすることによって、前記第1の表示棒の長さを前記所定長に調整する、請求項3記載のエネルギ表示装置。
前記複数の表示棒のうちの前記第1の表示棒以外の各表示棒の長さは、前記所定長と、前記第1の表示対象データの値に対する当該表示棒によって表示されるデータの値の比率との積に相当する、請求項1または2に記載のエネルギ表示装置。
前記表示部は、前記複数の表示対象データおよびサブデータのうちの少なくとも一部に対応して、当該表示対象データまたはサブデータを示すための、数字データを表示するように構成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエネルギ表示装置。
前記表示部は、多色表示可能に構成されるとともに、前記複数の表示対象データおよびサブデータのうちの少なくとも一部に対応して、当該表示対象データまたはサブデータを示すための、数字データおよびアイコンの少なくともいずれかを表示するように構成され、
同一の前記表示対象データまたは前記サブデータに対応する、前記表示棒または前記サブ表示棒と、前記数字データおよび前記アイコンの少なくともいずれかとは、同一または同系統の色で表示される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエネルギ表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
【0027】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に従うエネルギ表示装置が適用される発電システム5の構成を説明する概略ブロック図である。
【0028】
図1を参照して、発電システム5は、発電装置20と、家庭内の電気配線15と、パワーコンディショナ22と、ソーラーブレーカ25と、コンセント42と、家庭負荷ブレーカ45とを含む。電気配線15は、電力系統の電力線11と電気的に接続される。電力線11は、電力系統の商用電源10と電気的に接続される。電力線11は、たとえば、100VACまたは200VACの交流電力を伝送する。
【0029】
発電装置20は、電力系統に対して逆潮流による売電が可能な発電装置で構成される。代表的には、発電装置20は、太陽光発電装置(ソーラーパネル)によって構成される。以下では、発電装置20を、ソーラーパネル20とも称する。
【0030】
パワーコンディショナ22は、発電装置20による発電電力を、電力系統に逆潮流可能な交流電力(100ACないし200VAC)に変換して出力する。パワーコンディショナ22の出力電力は、ソーラーブレーカ25を経由して電気配線15へ伝達される。さらに、電気配線15は、家庭負荷ブレーカ45を経由して、家庭用のコンセント42と接続される。
【0031】
ソーラーブレーカ25は、パワーコンディショナ22および電気配線15との間の電力経路を遮断可能に構成される。同様に、家庭負荷ブレーカ45は、電気配線15に介挿接続されて、コンセント42への電気経路を遮断可能に構成されている。
【0032】
家庭負荷ブレーカ45が非遮断(接続)状態であれば、コンセント42に対して接続された家庭電気負荷40は、電気配線15からの電力を消費して動作することができる。家庭電気負荷40は、たとえば、冷蔵庫、空調機器、調理器具、照明器具等の電気機器類を含む。
【0033】
発電システム5は、さらに、同一の家庭内または施設内に導入された給湯装置50と連係して動作するように構成される。給湯装置50は、都市ガスやLPガス等の燃料ガスをエネルギ源として動作する。
【0034】
図1の例では、給湯装置50は、発電ユニット51を内蔵するコジェネレーションシステムとして構成される。発電ユニット51は、たとえば、燃料ガスを改質して水素を得る燃料電池ユニットによって構成される。あるいは、発電ユニット51は、ガスを燃料とするエンジンおよび当該エンジンの出力によって発電する発電機によって構成することも可能である。パワーコンディショナ52は、発電ユニット51の発電電力を、家庭電気負荷40の使用電力(100VACまたは200VAC)に変換して出力する。パワーコンディショナ52の出力電力は、電気配線15上の、家庭負荷ブレーカ45よりも家庭電気負荷40側のノードNdに対して供給される。
【0035】
後述するように、給湯装置50が発電装置を含むように構成される場合は、発電ユニット51が発電システム5と連係して動作することによって、発電ユニット51を等価的に発電システム5の構成要素として動作させることが可能となる。
【0036】
給湯装置50は、発電ユニット51およびパワーコンディショナ52に加えて、加熱装置53と、補助熱源装置54と、貯湯タンク55と、マイクロコンピュータで構成された制御装置56とを有する。さらに、給湯装置50に対しては、ユーザインターフェースのためのリモートコントロール装置(以下、単に「リモコン」と称する」100が配置される。
【0037】
加熱装置53は、発電ユニット51による発電の際の排熱を用いて、水道水等の非加熱水を加熱する。たとえば、加熱装置53は、発電ユニット51からの排熱を受ける熱交換器によって構成される。貯湯タンク55は、加熱装置53によって生成された加熱水(高温水)を蓄積する。貯湯タンク55に蓄えられた高温水は、ユーザからの指示に応じて、台所、洗面所、浴室等のカランからの給湯、浴槽への給湯、あるいは、暖房装置等を循環する熱媒の供給に用いられる。
【0038】
さらに、給湯装置50は、貯湯タンク55内の貯湯量または湯温が低下した場合には、ガスの燃焼により給湯する補助熱源装置54を作動することによって、ユーザに対して温水を供給することが可能に構成されている。
【0039】
給湯装置50には、給湯量を検出するための流量センサ57および、燃料ガスの消費量を検出するための流量センサ58がさらに配置される。
【0040】
制御装置56は、リモコン100に入力されるユーザからの各種運転指示(給湯運転、風呂給湯運転等)や、出湯温度の設定に応じて、発電ユニット51、パワーコンディショナ52、および補助熱源装置54等の動作を制御する。また、流量センサ57,58による検出値は、制御装置56へ入力される。流量センサ57,58による検出値の積算によって、給湯装置50でのガス消費量および出湯量を算出することが可能である。
【0041】
リモコン100は、表示部110と、操作スイッチ120と、制御装置150とを有する。制御装置150は、マイクロコンピュータによって構成することができる。
【0042】
表示部110は、たとえば、液晶のドットマトリックスによって構成されている。表示部110は、制御装置150の指示に従った画像や文字を表示するように構成される。
【0043】
操作スイッチ120は、ユーザによって操作可能な押圧スイッチによって構成されることが一般的である。たとえば、操作スイッチ120への入力により、給湯装置50からの給湯温度や、台所や洗面所などに対する一般給湯機能、風呂への湯張りが可能な風呂給湯機能や、床暖房等のための温水暖房機能等をオンすることができる。あるいは、表示部110をタッチパネルで構成した場合には、表示部110および操作スイッチ120を一体的に設けることも可能である。
【0044】
リモコン100の制御装置150と、給湯装置50の制御装置56との間は、有線または無線により相互に通信可能に構成されている。したがって、給湯装置50の動作は、リモコン100へのユーザ指示入力に応じて制御される。
【0045】
次に、給湯装置50の発電ユニット51を含む、発電システム5における電力フローについて説明する。
【0046】
ソーラーパネル20による発電電力は、日照量等の自然条件に応じて変化する。たとえば、太陽光発電による発電電力は、最大出力点追従(MPPT:Maximum Power Point Tracking)制御によって変化することが一般的である。パワーコンディショナ22の出力電力Pslは、検出器61によって検出される。出力電力Pslは、パワーコンディショナ22での電力損失を差し引いた、ソーラーパネル20からの利用可能な発電電力に相当する。以下では、パワーコンディショナ22の出力電力Pslを、単に、発電電力Pslとも称する。
【0047】
発電ユニット51の発電電力は、パワーコンディショナ52による電力変換の後、ノードNdおよびコンセント42を経由して、家庭電気負荷40によって消費することができる。パワーコンディショナ52から電気配線15(ノードNd)への出力電力Pfcは、検出器63によって検出される。出力電力Pfcは、発電ユニット51からの供給電力に相当する。以下では、補助発電電力Pfcとも称する。
【0048】
発電システム5では、発電ユニット51による発電電力を、電力系統に対して逆潮流することは許されていないものとする。したがって、制御装置56は、基本的には、発電ユニット51による補助発電電力Pfcが家庭電気負荷40の消費電力Pcmを超えないように、発電ユニット51の動作を制御する。検出器64は、コンセント42を経由した家庭電気負荷40へのトータル出力電力(すなわち、家庭電気負荷40の消費電力)Pcmを検知するように配置される。たとえば、消費電力Pcmが一定量に達しない場合には、発電ユニット51は停止される。
【0049】
さらに、検出器62は、家庭負荷ブレーカ45を経由した、電気配線15から家庭電気負荷40への供給電力Pldを検出するように配置される。検出器61〜64は、それぞれ電力の瞬時値を検出するための、電圧センサおよび電流センサ、あるいは、電力センサによって構成される。検出器61〜64による検出値Pa〜Pdは、リモコン100の制御装置150へ伝達される。
【0050】
上述のように、検出値Paは、発電装置(ソーラーパネル20)からの発電電力Pslを示し、検出値Pbは、家庭負荷ブレーカ45を経由した家庭電気負荷40への供給電力Pldを示す。同様に、検出値Pcは、発電ユニット51による補助発電電力Pfcを示し、検出値Pdは、家庭電気負荷40による消費電力Pcm(以下、家庭消費電力Pcmとも称する)を示す。なお、家庭消費電力Pcmについては、検出器62および63による検出値に基づく演算によって求めることも可能である(Pcm=Pld+Pfc)。すなわち、検出器64の配置は省略されてもよい。
【0051】
発電システム5では、家庭消費電力Pcmは、電気配線15からの供給電力Pldおよび発電ユニット51からの補助発電電力Pfcの和に相当する(Pcm=Pfc+Pld)。言い換えれば、Pld=Pcm−Pfcで示される。
【0052】
ソーラーパネル20からの発電電力Pslが、電気配線15から家庭電気負荷40への供給電力Pldよりも大きいとき(Psl>Pld)、余剰となる電力(Psl−Pld)が電力系統に対して「売電」される状態となる。すなわち、売電電力Pse=Psl−ld(ただし、Psl>Pld)となる。一方で、Pld≧Pslのとき、Pse=0である。
【0053】
一方で、家庭消費電力Pcmが、発電電力Pslおよび補助発電電力Pfcの和(Psl+Pfc)よりも大きい場合には、電力系統からの「買電」によって、消費電力Pcmが確保される状態となる(Pld=Pcm−Pfc)このとき、供給電力Pldは、ソーラーパネル20からの発電電力Pslよりも大きく(Pld>Psl)、その不足電力(Pld−Psl)が電力系統から「買電」される状態となる。すなわち、買電電力Ppu=Pld−Psl(ただし、Pld>Psl)となる。一方で、Psl≧Pldのとき、Ppu=0である。また、電気配線15からの供給電力Pldは、発電装置(ソーラーパネル20)からの電力のうちの自家用電力に相当する。以下では、電力Pldを「自家用電力Pld」とも称する。
【0054】
このように、発電システム5では、エネルギに関する多数のデータが取り扱われる。このため、コストや電力等、同一単位の複数データを棒グラフ表示で並べることによって、ユーザが当該複数データ間の比較情報を視認できるようにエネルギ表示装置を構成するニーズが想定される。たとえば、リモコン100の表示部110によって、本実施の形態に従うエネルギ表示装置による棒グラフ表示が実行される。
【0055】
図2は、エネルギ表示装置による実施の形態1に従う棒グラフ表示の一例を示す図である。
【0056】
図2を参照して、表示部110において、エネルギに関連する複数の表示対象データとして、エネルギに関する複数の料金が並べて棒グラフ表示される。たとえば、買電料金P1、ガス料金P2、給湯料金P3および売電料金P4にそれぞれ対応する複数の表示棒201〜204、ならびに、これらを総合した光熱費P5に対応する表示棒205が、棒グラフ表示エリア200に並べて表示される。
【0057】
円等の通貨を単位とする各料金は、一定期間(日、週、月、年等)における積算値として示される。以下では、買電料金P1、ガス料金P2、給湯料金P3、売電料金P4および光熱費P5を包括的に表記する場合には、料金P1〜P5とも表記する。すなわち、料金P1〜P5は、「複数の表示対象データ」に対応する。以下では、それぞれの料金の表示値を「データ値」とも称する。
【0058】
買電料金P1は、買電電力Ppuの一定期間における積算値(kWh)である買電電力量Jpuに電力単価(買電)を乗算することによって算出できる。同様に、売電料金P4は、売買電力Pseの一定期間における積算値(kWh)である売電電力量Jseに電力単価(買電)を乗算することによって算出できる。
【0059】
ガス料金P2は、給湯装置50におけるガス消費量の一定期間における積算値にガス単価を乗算することによって算出できる。なお、ガス消費量の積算値は、流量センサ58による検出値を制御装置150が積算することによって求めることが可能である。あるいは、制御装置150の外部(たとえば、ガスメータ)における積算値データを制御装置150が受信するように構成してもよい。給湯料金P3のデータ値は、給湯装置50からの給湯量の一定期間における積算値に水道水単価を乗算することで算出できる。また、光熱費P5は、下記(1)式に従って算出することができる。
【0060】
P5=(P1+P2+P3)−P4 …(1)
表示棒201〜205の長さは、上記のように算出された料金P1〜P5の値(データ値)に応じて設定される。
【0061】
表示部110には、数字データD1〜D5およびアイコンIC1〜IC5がさらに表示される。数字データD1〜D5は、料金P1〜P5のデータ値を数字で表記したものである。アイコンIC1〜IC5は、料金P1〜P5にそれぞれ関連付けられた、画像情報および/または文字情報によって構成される。
図2の例では、画像情報および文字情報の組み合わせによって各アイコンが構成されるが、アイコンは、画像情報のみ、あるいは、文字情報のみによって構成されてもよい。
【0062】
実施の形態1のエネルギ表示装置による棒グラフ表示では、複数の表示対象データ中の最大のデータ値(以下「最大データ値」とも称する)を有する表示対象データである売電料金P4に対応する表示棒204が、所定長Lmで表示される。すなわち、この例では、売電料金P4が「第1の表示対象データ」に対応し、表示棒204が「第1の表示棒」に対応する。所定長Lmは、好ましくは、棒グラフ表示エリア200における各表示棒の表示可能長の最大値に相当する。
【0063】
図2の例では、表示棒204以外の表示棒201〜203,205の各々は、料金P1〜P3,P5が売電料金P4よりも低いので、所定長Lmよりも短く表示される。具体的には、最大データ値(売電料金P4)に対する、買電料金P1、ガス料金P2、給湯料金P3および光熱費P5の各データ値の比率kに従って、表示棒201〜203,205の長さがそれぞれ設定される。表示棒204に関してk=1.0と解釈すると、表示棒201〜205の各々の長さは、上記比率k(k≦1.0)および所定長Lmの積によって設定される。
【0064】
図2の例では、買電料金P1およびガス料金P2について、k=(P1/P4)=(P2/P4)=2/3であるので、対応する表示棒201,202の各々は、Lm×(2/3)の長さで表示される。同様に、給湯料金P3について、k=(P3/P4)=4/15であるので、対応する表示棒203の長さは、Lm×(4/15)となる。また、光熱費P5について、k=(P5/P4)=(3/5)であるので、表示棒205の長さは、Lm×(3/5)となる。
【0065】
このように、実施の形態1に従うエネルギ表示装置では、複数の表示対象データのうちの、最大データ値を有する表示対象データに対応する表示棒(
図2での表示棒204)が所定長Lmで表示される一方で、並べて表示される他の各表示棒の長さは、所定長Lmと、最大データ値に対する当該表示棒によって示される各データ値の比率kとの積で示される。
【0066】
図3には、本実施の形態に従うエネルギ表示装置による棒グラフ表示のための制御構成を説明する機能ブロック図が示される。
【0067】
図3を参照して、リモコン100の制御装置150は、CPU(Central Processing Unit)で構成される演算部152と、メモリ154と、A/D(Analog/Digital)変換部156とを有する。メモリ154は、RAM(Random Access Memory)領域およびROM(Read Only Memory)領域を有するように構成される。A/D変換部156は、制御装置150からの入力されたアナログ信号を、デジタル信号に変換して演算部152に入力する。A/D変換部156は、複数個のA/D変換ユニットを包括的に記載するものである。A/D変換部156には、エネルギ表示装置による表示対象データに関連するデータが入力される。たとえば、表示対象データに関連するデータは、検出器61〜64による検出値Pa〜Pdを含む。
【0068】
なお、本実施の形態において、表示対象データは、入力されたデータを用いた演算によって制御装置150でデータ値が求められてもよく、制御装置150の外部で算出されたデータをそのまま表示対象データのデータ値として用いてもよい。すなわち、制御装置150に入力されるデータは、表示対象データそのものであってもよく、制御装置150が表示対象データを求めるために必要となる元データであってもよい。
【0069】
制御装置150は、発電システム5等の他機器の制御装置との間でデジタルデータのみを受信するように構成されてもよい。この場合には、A/D変換部156は非配置とされ、表示対象データに関連するデータが、他機器の制御装置から入力される。
【0070】
表示部110は、代表的には液晶マトリクスで構成される。表示部110における画面表示内容(画像および/または文字)は、液晶ドライバ115が各液晶画素に対して駆動電圧を印加することによって制御される。液晶ドライバ115は、演算部152からの制御指令に従って、各液晶画素の駆動電圧を制御する。これにより、演算部152によって設定された画像および/または文字を、表示部110に表示することができる。これにより、
図2に示された、棒グラフ表示エリア200を含む画面表示を、表示部110に実現することができる。
【0071】
また、演算部152は、操作スイッチ120へ入力されたユーザ指示を給湯装置50の制御装置56へ報知するための制御指令をさらに生成する。制御装置56は、制御指令に基づいて給湯装置50の動作を制御することができる。
【0072】
図4は、実施の形態1に従う棒グラフ表示のための制御処理を説明するフローチャートである。
図4に示される制御処理は、制御装置150において繰返し実行される。
【0073】
図4を参照して、制御装置150は、ステップS100により、複数の表示対象データのデータ値を取得する。上述のように、各表示対象データは、制御装置150に入力されたデータをそのまま用いてもよく、制御装置150の内部での演算によって求められてもよい。たとえば、
図2における表示例では、ステップS100において、買電料金P1、ガス料金P2、給湯料金P3、売電料金P4および光熱費P5のデータ値が取得される。
【0074】
制御装置150は、ステップS110により、ステップS100で取得した複数の表示対象データから最大データ値を抽出する。たとえば、
図2の表示例では、ステップS110により、売電料金P4のデータ値(1500円)が最大データ値として抽出される。
【0075】
さらに、制御装置150は、ステップS120により、最大データ値以外の各データ値について、最大データ値に対する比率kを算出する。上述のように、
図2の例では、買電料金P1およびガス料金P2についてはk=1000/1500=2/3であり、給湯料金P3についてはk=400/1500=4/15であり、光熱費P5については、k=900/1500=3/5である。
【0076】
制御装置150は、ステップS130により、表示対象データである料金P1〜P5にそれぞれ対応する表示棒201〜205の長さを決定する。ステップS130において、最大データ値に対する表示棒204(売電料金P4)の長さはLm(Lm×1.0)に設定される。
【0077】
その他のデータ値を示すための表示棒201〜203,205の各々の長さは、最大データ値に対する各データ値の比率kと、所定長Lmの積(Lm×k)で求められる。
【0078】
さらに、制御装置150は、ステップS200により、ステップS130で決定された各表示棒の長さに従って、表示棒201〜205の各々の制御指令を生成する。ステップS200より生成された表示指令が液晶ドライバ115(
図3)に対して送出されることにより、表示部110のうちの棒グラフ表示エリア200において、
図2に示した態様で表示棒201〜205が表示されることになる。
【0079】
このように、本実施の形態に従うエネルギ表示装置によれば、同一単位の複数のデータを並べて棒グラフ表示する際に、当該表示対象データ中の最大データ値を所定長(最大長)で固定的に表示する一方で、その他のデータ値については、当該最大データ値に対する比率に応じた長さで表示することができる。
【0080】
この結果、表示可能なグラフの表示エリアを有効に活用して、複数の表示対象データをデータ値間の比較をユーザが直感的に理解し易い態様で棒グラフ表示することができる。
【0081】
さらに、
図2に示したように、実質的には、棒グラフのスケールが最大データ値に応じて都度変更される点を考慮すると、表示棒201〜205の各々に対応付けて、各表示棒に対応するデータ値を示す数字データD1〜D5を併せて表示することにより、ユーザは、各データ値を定量的に把握することが可能となる。
【0082】
また、表示部110が多色表示(カラー表示)可能である場合には、表示部110において、表示棒201〜205と、数字データD1〜D5および/またはアイコンIC1〜IC5とは、同系色または同系統の色で表示することが好ましい。これにより、ユーザは各表示対象データの項目を容易に認識することができる。
【0083】
たとえば、表示棒201と、数字データD1および/またはアイコンIC1については、同一色、または、同系統の色相の色によって表示することが好ましい。このようにすると、各表示棒が示すデータの内容について、より簡易にユーザが視認することができる。たとえば、表示棒201〜205をそれぞれ異なる色で表示するとともに、アイコンIC1〜IC5を、表示棒201〜205のそれぞれと同一色(または、類似する同系統の色)で表示することができる。数字データD1〜D5については、共通色(たとえば、黒色)で表示してもよく、アイコンIC1〜IC5と同様に、表示棒201〜205のそれぞれと同一色(または、類似する同系統の色)で表示してもよい。
【0084】
[実施の形態2]
実施の形態1では、各表示棒が単一の表示対象データを示す表示態様について説明した。実施の形態2では、各表示棒が内訳表示を含む、積み上げ棒グラフによって表示される態様について説明する。
【0085】
図5は、本実施の形態2に従う棒グラフ表示の一例を示す図である。
図5を参照して、実施の形態2では、棒グラフ表示エリア200において、発電システム5全体における発電電力量Jgnおよび使用電力量Jcmが、表示棒210および220によって、並べて棒グラフ表示される。したがって、
図5の表示例では、発電電力量Jgnおよび使用電力量Jcmが「複数の表示対象データ」に対応する。
【0086】
発電電力量Jgnおよび使用電力量Jcmは、一定期間(日、週、月、年等)における電力(W)の積算値として求められ、たとえば、単位は(kWh)である。表示棒210は、発電電力量Jgnに応じた長さを有し、表示棒220は、使用電力量Jcmに応じた長さを有する。
【0087】
発電電力量Jgnは、発電ユニット51による補助発電電力Pfcの積算値である補助発電電力量Jfcと、自家用電力量Jhmと、売電電力Pseの積算値である売電電力量Jseとの和によって構成される。自家用電力量Jhmは、発電装置(ソーラーパネル20)による発電電力Pslから売電電力Pseを減じた電力の積算値に相当する。したがって、自家用電力量Jhmと売電電力量Jseとの和は、発電装置(ソーラーパネル20)による発電電力Pslの積算値に相当する。
【0088】
使用電力量Jcmは、補助発電電力量Jfcと、自家用電力量Jhmと、買電電力Ppuの積算値である買電電力量Jpuとの和によって構成される。なお、
図1で説明したように、発電ユニット51による発電電力は、逆潮流されることなく、全量が家庭内で消費される。
【0089】
図5の表示例では、売電電力量Jse=30(kWh)であり、自家用電力量Jhm=12(kWh)であり、補助発電電力量Jfc=6(kWh)であり、買電電力量Jpu=6(kWh)である。
【0090】
この結果、使用電力量Jcm=6+12+6=24(kWh)である。一方で、発電電力量Jgn=30+12+6=48(kWh)である。したがって、発電電力量Jgn/使用電力量Jcmで定義される自給率は、480/240=200(%)である。
【0091】
このように、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhm、および売電電力量Jseは、発電電力量Jgnの内訳データに相当する。同様に、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhm、および買電電力Ppuは、使用電力量Jcmの内訳データに相当する。すなわち、発電電力量Jgnに対しては、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhm、および売電電力量Jseが「複数のサブデータ」に対応し、使用電力量Jcmに対しては、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhm、および買電電力Ppuが「複数のサブデータ」に対応する。
【0092】
発電電力量Jgnを表示する表示棒210は、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhm、および売電電力量Jseにそれぞれ対応するサブ表示棒211〜213を同一方向に積み上げ表示することによって構成される。サブ表示棒211は補助発電電力量Jfcに応じた長さを有し、サブ表示棒212は自家用電力量Jhmに応じた長さを有し、サブ表示棒213は、売電電力量Jseに応じた長さを有する。
【0093】
使用電力量Jcmを表示する表示棒220は、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhm、および買電電力Ppuにそれぞれ対応するサブ表示棒221〜223を同一方向に積み上げ表示することによって構成される。サブ表示棒221は、サブ表示棒211と同様に補助発電電力量Jfcを表示し、サブ表示棒222は、サブ表示棒212と同様に自家用電力量Jhmを表示し、サブ表示棒223は、買電電力量Jpuを表示する。
【0094】
表示部110には、数字データD10〜D13およびアイコンIC10a,IC10b,IC11a,IC11b,IC12a,IC13a,IC14がさらに表示される。数字データD10〜D13は、表示対象の「サブデータ」である、買電電力量Jpu、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhmおよび売電電力量Jseのデータ値をそれぞれ数字で表記したものである。アイコンIC10a,IC10bは、買電電力量Jpuに対応付けられた画像情報および/または文字情報によって構成される。同様に、アイコンIC11a,IC11bは補助発電電力量Jfcに対応付けられ、アイコンIC12aは自家用電力量Jhmに対応付けられ、アイコンIC13aは売電電力量Jseに対応付けられる。アイコンIC14は、売電電力量Jseおよび自家用電力量Jhmの発生源である、発電装置(ソーラーパネル20)に関連した画像によって構成される。
【0095】
実施の形態2の棒グラフ表示においても、複数の表示対象データ(
図5での発電電力量Jgnおよび使用電力量Jcm)のうちの最大データ値に対応する表示棒は、実施の形態1と同様の所定長Lmで表示される。
図5の表示例においては、発電電力量Jgnが使用電力量Jcmよりも大きいので、表示棒210が所定長Lmで示される。すなわち、発電電力量Jgnが「第1の表示対象データ」に対応し、表示棒210が「第1の表示棒」に相当する。
【0096】
発電電力量Jgnに対応する表示棒210を構成するサブ表示棒211〜213は、発電電力量Jgnのデータ値に対する、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhmおよび売電電力量Jseのそれぞれのデータ値の比率mによって決まる長さを有する。すなわち、表示棒210の長さ(Lm)は、比率mに従ってサブ表示棒211〜213の長さに分割される。
【0097】
具体的には、サブ表示棒211の長さは、補助発電電力量Jfcについての比率m=(Jfc/Jgn)=6/48=1/8に従って、Lm×(1/8)とされる。同様に、サブ表示棒212の長さは、自家用電力量Jhmについての比率m=(Jhm/Jgn)=12/48=1/4に従って、Lm×(1/4)とされる。また、サブ表示棒213の長さは、売電電力量Jseについての比率m=(Jse/Jgn)=30/48=5/8に従って、Lm×(5/8)とされる。
【0098】
使用電力量Jcmを表示する表示棒220の長さLmは、最大データ値に対する比率kおよび所定長Lmの積によって決まる。なお、
図5の例では、k=Jcm/Jgn=(1/2)である。
【0099】
表示棒220を構成するサブ表示棒221〜223は、使用電力量Jcmのデータ値に対する、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhmおよび買電電力量Jpuのそれぞれのデータ値の比率mによって決まる長さを有する。すなわち、表示棒210の長さ(Lm×k)は、比率mに従ってサブ表示棒221〜223の長さに分割される。
【0100】
具体的には、サブ表示棒221の長さは、補助発電電力量Jfcについての比率m=(Jfc/Jgn)=6/24=1/4および比率kに従って、Lm×k×m=Lm×(1/4)×(1/2)=Lm×(1/8)とされる。これは、表示棒210中の補助発電電力量Jfcに対応するサブ表示棒211の長さと等しい。
【0101】
同様に、サブ表示棒222の長さは、自家用電力量Jhmについての比率m=(Jhm/Jgn)=12/24=1/2および比率kに従って、Lm×k×m=Lm×(1/2)×(1/2)=Lm×(1/4)とされる。これは、表示棒210中の自家用電力量Jhmに対応するサブ表示棒212の長さと等しい。また、サブ表示棒223の長さは、買電電力量Jpuについての比率m=(Jpu/Jgn)=6/24=1/4および比率kに従って、Lm×k×m=Lm×(1/4)×(1/2)=Lm×(1/8)とされる。
【0102】
図6は、実施の形態2に従う内訳表示を含む棒グラフ表示のための制御処理を示すフローチャートである。
【0103】
図6を参照して、制御装置150は、ステップS100により、複数の表示対象データのデータ値を取得する。実施の形態2では、各表示処理データは、内訳表示のための複数のサブデータを有する。したがって、ステップS100では、各サブデータおよび各表示対象データのデータ値が取得される。上述のように、各サブデータおよび各表示対象データのデータ値は、制御装置150に入力されたデータがそのまま用いられてもよく、制御装置150の内部での演算によって求められてもよい。これにより、発電電力量Jgnおよび使用電力量Jcm、ならびに、買電電力量Jpu、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhmおよび売電電力量Jseのデータ値が取得される。
【0104】
制御装置150は、ステップS110により、複数の表示対象データである、発電電力量Jgnおよび使用電力量Jcmから最大データ値を抽出する。
図5の表示例では、ステップS110により、発電電力量Jgnのデータ値(48kWh)が最大データ値として抽出される。
【0105】
さらに、制御装置150は、ステップS120により、最大データ値以外の各データ値について、最大データ値に対する比率kを算出する。上述のように、
図5の例では、使用電力量Jcmについて、k=24/48=1/2が算出される。
【0106】
制御装置150は、ステップS130により、表示対象データである発電電力量Jgnおよび使用電力量Jcmにそれぞれ対応する表示棒210,220の長さを決定する。ステップS130において、最大データ値に対する表示棒210(発電電力量Jgn)の長さはLm(Lm×1.0)に設定される。一方で、使用電力量Jcmに対応する表示棒220の長さはLm×k(k=1/2)に設定される。
【0107】
さらに、制御装置150は、ステップS150により、各表示棒210,220の内訳表示のための制御処理を実行する。ステップS150は、サブステップS152,S154を有する。
【0108】
制御装置150は、サブステップS152では、表示棒210および212の各々において、内訳データすなわち各サブデータについて、各サブデータの和(すなわち、対応する表示棒のデータ値)に対する比率mを算出する。具体的には、表示棒210に対応する発電電力量Jgnを構成する、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhmおよび売電電力量Jseのそれぞれについて、発電電力量Jgnに対する、補助発電電力量Jfcの比率m=(Jfc/Jgn)=1/8、自家用電力量Jhmの比率m=(Jhm/Jgn)=1/4、売電電力量Jseの比率m=(Jse/Jgn)=5/8が算出される。
【0109】
同様に、表示棒220に対応する使用電力量Jcmを構成する補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhmおよび買電電力量Jpuのそれぞれについて、使用電力量Jcmに対する、補助発電電力量Jfcの比率m=(Jfc/Jgn)=1/4、自家用電力量Jhmの比率m=(Jhm/Jgn)=1/2、買電電力量Jpuの比率m=(Jpu/Jgn)=1/4が算出される。
【0110】
さらに、制御装置150は、サブステップS154により、各表示棒210,220の内訳表示のためのサブ表示棒211〜213,221〜223の長さを決定する。このとき、各サブ表示棒の長さは、ステップS130で算出された比率k、サブステップS152で算出された比率mを用いて(Lm×k×m)に設定される。なお、最大データ値に対応する表示棒210を構成するサブ表示棒211〜213では、k=1.0である。
【0111】
ステップS154により、
図5の表示例では、上述のように、サブ表示棒211の長さは、Lm×1.0×(1/8)=Lm×(1/8)とされる。同様に、サブ表示棒212の長さは、Lm×1.0×m=Lm×(1/4)とされ、サブ表示棒213の長さは、Lm×1.0×m=Lm×(5/8)とされる。
【0112】
同様に、サブ表示棒221の長さは、Lm×k×m=Lm×(1/4)×(1/2)=Lm×(1/8)とされる。また、サブ表示棒222の長さは、Lm×k×m=Lm×(1/2)×(1/2)=Lm×(1/4)とされ、サブ表示棒223の長さは、Lm×k×m=Lm×(1/4)×(1/2)=Lm×(1/8)とされる。サブ表示棒221〜223の長さの和は、Lm×((1/8)+(1/4)+(1/8))=Lm×(1/2)であり、表示棒220の長さLm×k=Lm×(1/2)と等しくなる。
【0113】
制御装置150は、ステップS200により、サブステップS154で決められたサブ表示棒211〜213,221〜223のそれぞれの長さに従って、各サブ表示棒の表示指令を決定する。これにより、サブ表示棒211〜213の積み上げによって表示棒210が表示され、サブ表示棒211〜223の積み上げによって表示棒220が表示される態様で、内訳表示を含む2つの棒グラフによって、発電電力量Jgnおよび使用電力量Jcmの2つの表示対象データを並べて表示することができる。
【0114】
これにより、実施の形態1に従う棒グラフ表示と同様に、最大データ値の表示棒を所定長Lmで表示するとともに、各表示対象データ(表示棒)について、積み上げ棒グラフの態様で内訳表示を併せて実行できる。この結果、各表示棒について、複数のサブ表示棒による内訳表示のための表示エリアを常に最大限確保することができる。
【0115】
したがって、実施の形態2による棒グラフ表示によれば、内訳表示を含む棒グラフ表示によって、同一単位の複数のデータの比較表示を、表示エリアを有効に活用した上で、直感的に理解し易い態様でユーザに提供することができる。
【0116】
なお、表示部110が多色表示(カラー表示)可能である場合には、内訳表示をさらに見易くするために、サブ表示棒211〜213,221〜223と、数字データD10〜D13およびアイコンIC10a,IC10b,IC11a,IC11b,IC12a,IC13a,IC14との間で、サブデータ(買電電力量Jpu、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhmおよび売電電力量Jse)毎の表示色を異なる色とした上で、同一のサブデータに対応するグループを同系色または同系統の色で表示することが好ましい。
【0117】
たとえば、補助発電電力量Jfcに対応する、サブ表示棒211,221と、アイコンIC11a,IC11bとについては、同一色(または、類似する同系統の色)で表示することが好ましい。同様に、自家用電力量Jhmに対応する、サブ表示棒212,222と、アイコンIC12aとについては、同一色(または、類似する同系統の色)で表示することが好ましい。売電電力量Jseに対応するサブ表示棒213およびアイコンIC13a、ならびに、買電電力量Jpuに対応するサブ表示棒223およびアイコンIC10a,IC10bについても同様に、それぞれ同一色(または、類似する同系統の色)で表示することが好ましい。
【0118】
数字データD10〜D13については、共通色(たとえば、黒色)で表示してもよく、アイコンと同様に、対応するサブ表示棒211〜213,221〜223のそれぞれと同一色(または、類似する同系統の色)で表示してもよい。
【0119】
[実施の形態2の変形例]
実施の形態2の変形例では、実施の形態2で説明した、内訳表示を含む積み上げ棒グラフによる表示態様の変形例について説明する。
【0120】
図7は、実施の形態2の変形例に従う棒グラフ表示の一例を示す図である。
図7を
図5と比較して、
図7では、売電電力量Jseの増加によって、最大データ値の発電電力量Jgnに対する使用電力量Jcmの比率が低下している。この場合には、最大データ値に対する比率kの低下により表示棒220の表示エリアが減少する。この結果、表示棒220におけるサブ表示棒221〜223による内訳表示について、ユーザの視認が困難となることが懸念される。
【0121】
図7の例では、
図5の例と比較して、使用電力量Jcmが同じであるのに対して、売電電力量Jseが30(kWh)から78(kWh)に増加している。この結果、使用電力積算値Jcm=12+6+6=24kWhに対して、発電電力量Jgn=78+12+6=96(kWh)となる。したがって、電力の自給率が400(%)に上昇する一方で、最大データ値である発電電力量Jgnに対する、使用電力量Jcmの比率k=(1/4)に低下する。
【0122】
この結果、実施の形態2による棒グラフ表示では、表示棒220の長さは、Lm×(1/4)に減少する。この結果、積み上げ表示される表示棒220について、サブ表示棒221〜223による内訳表示が視認し難くなる虞がある。
【0123】
したがって実施の形態2の変形例に従う棒グラフ表示では、最大データ値に対する表示棒に対する、他の表示棒の長さの比率を、基準比率kt以上確保することによって、内訳表示が視認し易くなるようにする。
【0124】
たとえば、
図7の例では、上記基準比率kt=(1/2)に設定して、一番短い表示棒(
図7での表示棒220)についても、最大データ値を表示する表示棒(
図7での表示棒210)の所定長Lmに対して、最低でもLm×(1/2)の長さが確保されるように調整する。なお、基準比率ktは、棒グラフ表示エリア200による表示可能長(Lm)および/または内訳表示のデータ数(サブデータの数)等に応じて、適宜、適正値を設定することができる。
【0125】
図7の例では、表示棒220によって示される使用電力量Jcmの比率k=(1/4)が、基準比率kt(kt=1/2)よりも小さいので、表示棒220の長さを、本来のデータ値に対応する長さから拡大して、Lm×ktまで拡大する。
【0126】
表示棒220を構成するサブ表示棒221〜223は、表示棒220の拡大後の長さLm×ktと、実施の形態2で説明した比率m(表示棒220のデータ値に対する各サブデータ値の比)との積に従って、Lm×kt×mの長さで表示される。
【0127】
これにより、実施の形態2での非拡大時のサブ表示棒221〜223の長さLm×k×mと比較すると、同一のサブデータ値に対して、サブ表示棒221〜223の長さが、(kt/k)倍されていることが理解される。すなわち、表示棒220(サブ表示棒221〜223)については、Lm×ktの長さまで拡大することにより、等価的に、同一のデータ値(サブデータ値)に対する表示長さが(kt/k)倍されるように、スケールが変更される。
【0128】
ここで、表示棒210を構成するサブ表示棒211〜213を、表示棒220と同一スケールで表示すると、表示棒210が所定長Lmより長くなってしまうので、棒グラフ表示エリア200からはみ出してしまうことになる。このため、表示棒210の長さについては調整が必要となる。たとえば、表示棒210を構成するサブ表示棒211〜213のうちの最大長のものを、表示棒220と同一スケール上でのサブデータ値に応じた長さよりも短くすることで、表示棒210の長さを所定長Lmに抑えることができる。
【0129】
図7の例では、発電電力量Jgnを構成する、補助発電電力量Jfc(6kWh)、自家用電力量Jhm(12kWh)および売電電力量Jse(78kWh)のうちで最大値である売電電力量Jseに対応するサブ表示棒213を、表示棒220(サブ表示棒221〜223)と同一スケールに従った長さよりも短くすることによって、表示棒210の長さが所定長Lmに調整される。このとき、サブ表示棒213が、実際のデータ値よりは短く表示されていることをユーザが容易に視認できるように、省略表示240をサブ表示棒213に付することが好ましい。なお、省略表示240については、
図7で例示した記号に限定されることなく、任意の態様の表示とすることができる。
【0130】
一方で、補助発電電力量Jfcおよび自家用電力量Jhmに対応するサブ表示棒211,212は、表示棒220(サブ表示棒221〜223)と同一スケールで表示される。このため、同一データである補助発電電力量Jfcに対応する、サブ表示棒211(表示棒210)およびサブ表示棒221(表示棒220)の長さは同じである。同様に、自家用電力量Jhmに対応する、サブ表示棒212(表示棒210)およびサブ表示棒222(表示棒220)の長さも同じである。
【0131】
図7の表示例のその他の部分は、
図5の表示例と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。すなわち、数字データD10〜D13およびアイコンIC10a,IC10b,IC11a,IC11b,IC12a,IC13a,IC14の表示色については、実施の形態2と同様に設定することができる。
【0132】
図8は、実施の形態2の変形例に従う棒グラフ表示のための制御処理を示すフローチャートである。
【0133】
図8を参照して、制御装置150は、
図6と同様のステップS110〜S120を実行する。これにより、表示棒によって表示される複数の表示対象データ(発電電力量Jgnおよび使用電力量Jcm)、ならびに、各表示対象データを構成する複数のサブデータ(買電電力量Jpu、補助発電電力量Jfc、自家用電力量Jhmおよび売電電力量Jse)のデータ値取得される(S100)。さらに、複数の表示対象データである、発電電力量Jgnおよび使用電力量Jcmから最大データ値を抽出するとともに(S110)、最大データ値以外の各データ値について、最大データ値に対する比率kが算出される(S120)。
図7の表示例では、発電電力量Jgnのデータ値(96kWh)が最大データ値として抽出されるとともに、使用電力量Jcmについて、比率k=24/96=1/4が算出される。
【0134】
制御装置150は、ステップS160により、ステップS120で求められた、最大データ値以外の各データ値の比率kのうちの最小比率k(min)を基準比率kt(たとえば、kt=1/2)と比較する。最小比率k(min)は、複数の表示処理データのうちの、最大データ値および最小データ値の比率に相当する。基準比率ktは「第1の所定比率」に対応する。
【0135】
最小比率k(min)が基準比率kt以上であるときには(k(min)≧kt)、最大データ値に対応する表示棒を所定長Lmで表示しても、同一スケール上で、最小データ値に対応する表示棒の長さをLm×kt確保できることになる。
【0136】
したがって、制御装置150は、k(min)≧ktのとき(S160のNO判定時)には、
図6と同様のステップS130,S150に処理を進める。ステップS130,S150により、実施の形態2と同様の内訳表示を含む棒グラフ表示が実行される。このとき、各サブ表示棒の長さは、上述の比率kおよびmを用いてLm×k×mとなる。すなわち、各サブデータに対応するサブ表示棒は、複数の表示対象データのうちの最大データ値を所定長Lmで表示したときの、各サブデータのデータ値に応じた長さを有することになる。
【0137】
これに対して、制御装置150は、k(min)<ktのとき(S160のYES判定時)には、ステップS170に処理を進めて、最小データ値に対応する表示棒(
図7の例での表示棒220)の長さを、Lm×ktに設定する。これにより、最小データ値に対応する表示棒の長さは、データ値に従った本来の長さである(Lm×k)に対して、(kt/k(min))倍に拡大される。
【0138】
さらに制御装置150は、ステップS180により、その他の各表示棒の長さをLm×k×(kt/k(min))に設定する。すなわち、最小データ値以外に対応する表示棒の長さについても、データ値に従った本来の長さである(Lm×k)から、ステップS170での拡大比(kt/k(min))と同等に拡大される。
【0139】
この結果、ステップS180の処理後において、各表示棒を構成する各サブ表示棒の長さは、同一スケールで決定されている。また、一番短い表示棒についても、Lm×ktの長さが確保される。
【0140】
制御装置150は、ステップS190により、表示棒の長さの上限ガードを伴う内訳表示を実行する。
図9は、
図8のステップS190による処理を詳細に説明するためのフローチャートである。
【0141】
図9を参照して、ステップS190は、サブステップS191〜S195から構成される。
【0142】
制御装置150は、サブステップS191により、各表示棒について、ステップS170,S180による拡大後の表示棒の長さLm♯が所定長Lmより長いか否かを判定する。
図7の例では、最大データ値に対応する表示棒210(Lm♯=Lm×(kt/k(min)))はYES判定とされ、最小データ値に対応する表示棒220(Lm♯=Lm×kt)はNO判定とされる。
【0143】
制御装置150は、サブステップS191がNO判定とされた表示棒については、サブステップS195に処理を進めて、内訳表示のための各サブ表示棒の長さを決定する。具体的には、
図6のサブステップS152と同様に、表示棒に対応するデータ値に対する、各サブデータ値の比率mが算出されるとともに、各サブ表示棒の長さが、拡大後の表示棒の長さLm♯および比率mに従って、Lm♯×mに設定される。
【0144】
一方で、制御装置150は、サブステップS191がYES判定とされた表示棒については、サブステップS192〜S194に処理を進めて、内訳表示のための各サブ表示棒の長さを決定する。
【0145】
制御装置150は、サブステップS192では、
図6のサブステップS152と同様に、表示棒に対応するデータ値に対する、各サブデータ値の比率mを算出する。さらに、サブステップS193では、サブステップS192で算出された各サブデータの比率mから最大値が抽出される。そして、抽出された最大比率のサブデータを表示するサブ表示棒の長さが、表示棒全体の長さをLmに抑えるために縮小される。すなわち、最大比率のサブデータを表示するサブ表示棒の長さは、他の表示棒と同一スケールに従った拡大後の長さ(Lm♯×m)から(Lm♯−Lm)だけ短縮するように設定される。好ましくは、長さが短縮されたサブ表示棒に対しては、省略表示240(
図7)を付するための処理がさらに実行される。
【0146】
さらに、制御装置150は、サブステップS194により、それ以外のサブ表示棒、すなわち、最大比率以外のサブデータに対応する各サブ表示棒の長さを、ステップS195と同様に、拡大後の表示棒の長さLm♯および比率mに従って、Lm♯×mに設定する。
【0147】
再び
図8を参照して、制御装置150は、ステップS200により、ステップS150またはS190によって設定された各サブ表示棒の長さに従った積み上げ棒グラフによって各表示棒が表示されるように、制御指令を生成する。ステップS200で生成された表示指令が液晶ドライバ115(
図3)に対して送出されることにより、表示部110のうちの棒グラフ表示エリア200において、
図7に示した態様で表示棒210および220が表示されることになる。
【0148】
図7の表示例では、表示棒210を構成するサブ表示棒211〜213の長さがサブステップS192〜S194によって設定されるとともに、表示棒220を構成するサブ表示棒221〜223の長さがステップS195によって設定される。これにより、サブ表示棒212,213およびサブ表示棒221〜223については、同一スケールに従ってLm♯×mの長さで表示される一方で、最大比率のサブ表示棒211の長さが、上記同一スケールに従った長さから(Lm♯−Lm)だけ短縮される。
【0149】
この結果、表示棒220の長さをLm×kt確保するように、各表示棒の長さを同一スケールで拡大するとともに、最大値データの表示棒210のうちの最大比率のサブ表示棒211の長さを短縮することによって、サブ表示棒211〜213の長さの和(すなわち、表示棒210の長さ)が所定長Lmを超えないようにすることができる。
【0150】
このように、実施の形態2の変形例では、実施の形態2による棒グラフ表示と同様に、各各表示棒について複数のサブ表示棒の積み上げによる内訳表示を実行することができる。さらに、最小値データに対応する表示棒の長さを常に一定以上確保できるので、ユーザによる内訳表示の視認が容易になる。
【0151】
図10には、実施の形態2のさらなる変形例に従う表示処理が示される。
図10を
図8と比較して、実施の形態2のさらなる変形例では、S160のYES判定時、すなわち、複数の表示処理データについて、最大データ値に対する最小データ値の比率k(min)が基準比率ktよりも小さいときに、ステップS210およびS220がさらに実行される。
【0152】
制御装置150は、ステップS210において、最大データ値の内訳データ、すなわち、各サブデータについて、最大データ値に対する各サブデータ値の比率mを算出する。さらに、制御装置150は、ステップS220により、ステップS210で算出された各サブデータ値の比率mから抽出された最大比率m(max)を基準比率mtと比較する。基準比率mtは、「第2の所定比率」に対応する。
【0153】
最大比率m(max)が大きいときには、実施の形態2の変形例(
図7)で説明したように、最大比率m(max)のサブ表示棒の長さを短縮しても、当該サブ表示棒を含む表示棒による内訳表示の視覚イメージが大きく変化することはない。
【0154】
一方で、最大比率m(max)が小さく、サブ表示棒の間で長さがあまり変わらないときには、実施の形態2の変形例(
図7)のように最大比率m(max)のサブ表示棒の長さを短縮すると、内訳表示の視覚イメージが大きく変化することが懸念される。したがって、実施の形態2のさらなる変形例では、最大比率m(max)に応じて、実施の形態2に従う表示態様と、実施の形態2の変形例に従う表示態様とを選択することによって、積み上げ棒グラフによる内訳表示を実行する。
【0155】
制御装置150は、m(max)>mtのとき(S220のYES判定時)には、ステップS230に処理を進めて、
図8のS170〜S190に従って各サブ表示棒の長さを設定する。すなわち、最小データ値に対応する表示棒の長さをLm×ktまで拡大するとともに、上記最大比率m(max)のサブ表示棒の長さを短縮する態様で、積み上げ棒グラフが表示される。
【0156】
一方で、制御装置150は、m(max)≦mtのとき(S220のYES判定時)には、
図6と同様のステップS130,S150に処理を進める。これにより、実施の形態2の変形例に従う棒グラフの長さの拡大および短縮を行うことなく、実施の形態2と同様の態様で、内訳表示を含む棒グラフ表示が実行される。
【0157】
このように、実施の形態2のさらなる変形例に従えば、複数の表示対象データを積み上げ棒グラフによって並べて内訳表示する際に、ユーザに与える内訳イメージが実際と大きく変わらないように配慮した上で、棒グラフの表示エリアを確保するための表示長の調整を実行することができる。これにより、エネルギに関連する同一単位の複数のデータの比較表示を、さらに有効に行うことができる。
【0158】
なお、本実施の形態では、エネルギ表示装置が発電システム5(
図1)に適用される例を説明したが、本発明は、適用されるシステムやその構成を特に限定することなく、エネルギに関連する同一単位の複数のデータを並べて棒グラフ表示する技術に対して、共通に適用することができる。
【0159】
特に、
図1の発電システム5について、補助発電のための発電ユニット51が非配置とされて、発電装置20のみが設けられた構成とすることも可能である。また、
図1の発電システム5では、発電装置20を太陽光発電装置(ソーラーパネル)としたが、地域ないし法制によっては、発電装置20として、地熱発電装置や風力発電装置、燃料電池等を適用することによって、本発明に従う表示装置が適用される発電システム5を構成することも可能である。
【0160】
さらに、表示対象となるデータ数(複数)、および、各データの内訳表示の数(複数)についても任意である。たとえば、実施の形態2およびその変形例において、3個以上の表示対象データを内訳表示を伴う積み上げ棒グラフによって表示することも可能である。
【0161】
さらに、実施の形態2の変形例において、最大データ値に対応する表示棒のうち、最大長の単一のサブ表示棒のみで長さを短くする例を説明したが、複数のサブ表示棒の一部であれば、2以上のサブ表示棒の長さを短くするように、積み上げ棒グラフを表示することも可能である。
【0162】
また、実施の形態2およびその変形例では、
図5および
図7において、内訳表示のためにサブ表示棒が上方向に積み上げられた例を記載したが、積み上げ方向については、下方向あるいは横方向等としてもよく、任意の方向とすることができる点について確認的に記載する。
【0163】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。