【解決手段】コネクタ組立体は、第1コネクタ100と第2コネクタとからなる。第1コネクタ100は、長手方向両端部に、第1補強金具130を備えている。第1補強金具130には、湾曲部132が設けられている。第1コネクタ100が位置ずれ状態で第2コネクタに嵌合しようとしたとき、この湾曲部132が、第2コネクタに備えられている第2補強金具に接触する。この湾曲部132は、一対の第1湾曲部132aと、第2湾曲部132bと、2つの第3湾曲部132cとからなり、これらが連続した湾曲形状を成している。この湾曲部132は、絞り加工で形成される。第2補強金具230には滑らかに湾曲した湾曲部132が接触し、破断面が接触することはない。したがって、第1補強金具130が第2補強金具に円滑に案内されて正しく嵌合する。
前記一対の第1補強部それぞれが、前記第2ハウジングの外壁に沿って立ち上がり、前記誘込み斜面を形成して、前記受容凹部を形成している内壁側に跨るように延びた形状を有し、該内壁側が前記第2補強部に連続したものであって、
前記第2補強金具がさらに、前記第1補強部の前記内壁側から長手方向内向きに延びて前記第1補強金具に電気的に接するコンタクトを有することを特徴とする請求項1記載のコネクタ組立体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上掲の特許文献1に開示されたコネクタに備えられている補助金具は、曲げ加工により形成されている。このため、その補助金具の上面の隅に破断面が露出している。このコネクタに嵌合する相手コネクタは、位置ずれが生じたまま嵌合しようとしたとき、その補助金具に樹脂製のハウジングが接触する。このため、補助金具の破断面でハウジングが削られたり変形を生じるおそれがある。
【0007】
ここで、その補助金具を備えたコネクタに嵌合する相手コネクタにも、その補助金具に接触する部分に補助金具を備えることが考えられる。しかしながら、この場合であっても、相手コネクタの補助金具も曲げ加工により形成されていると、互いのコネクタの補助金具の破断面どうしが接する可能性がある。その場合、位置ずれが生じていたときの正しい位置への案内性(誘い込み性)に劣ることになりかねない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、正しい嵌合位置に案内する案内性に優れたコネクタ組立体およびコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明のコネクタ組立体は、互いに嵌合する第1コネクタおよび第2コネクタからなるコネクタ組立体であって、
第1コネクタが、
平面視で略長方形状を有する第1ハウジングと、
第1ハウジングの長手方向両端部それぞれに備えられ、幅方向両側において第2コネクタから離れる向きに湾曲した一対の第1湾曲部と、長手方向端部において第2コネクタから離れる向きに湾曲した第2湾曲部と、さらに、一対の第1湾曲部のうちの各一方と第2湾曲部との双方に連続して、長手方向と幅方向との双方に交わる斜めの方向において第2コネクタから離れる向きに湾曲した2つの第3湾曲部とを有し、一対の第1湾曲部のうちの一方から2つの第3湾曲部のうちの一方を経て第2湾曲部に連続しさらに2つの第3湾曲部のうちのもう一方を経て一対の第1湾曲部のうちのもう一方に連続した湾曲部が形成された一対の第1補強金具とを備え、
第2コネクタが、
平面視で略長方形状を有し、長手方向両端部に、嵌合してきた第1コネクタに備えられた第1補強金具を受容する受容凹部が形成された第2ハウジングと、
第2ハウジングの長手方向両端部それぞれに備えられ、幅方向両側それぞれを補強する一対の第1補強部と、長手方向について受容凹部よりもさらに端部を補強する第2補強部とを有し、一対の第1補強部それぞれと第2補強部に、嵌合してきた第1コネクタの第1補強金具が接したときに第1補強金具を受容凹部に誘い込む誘込み斜面を有する一対の第2補強金具とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明のコネクタ組立体を構成する第1コネクタに備えられている第1補助金具には、上記のような連続した湾曲部が形成されている。このため、嵌合時において、第2コネクタに備えられている第2補助金具に第1補助金具の破断面が接することはなく、良好な案内性を有するコネクタ組立体が実現する。
【0011】
また、上記のような湾曲部を有する第1補助金具は、絞り加工により形成することができる。したがって、曲げ加工と比べ、ほとんどコストアップなしに加工することが可能である。
【0012】
ここで、本発明のコネクタ組立体において、上記一対の第1補強部それぞれが、第2ハウジングの外壁に沿って立ち上がり、上記誘込み斜面を形成して、受容凹部を形成している内壁側に跨るように延びた形状を有し、内壁側が第2補強部に連続したものであって、上記第2補強金具がさらに、前記第1補強部の内壁側から長手方向内向きに延びて第1補強金具に電気的に接するコンタクトを有することも好ましい形態である。
【0013】
本発明のコネクタ組立体を構成する第1コネクタおよび第2コネクタは、それぞれ、第1補強金具および第2補強金具を備えている。そこで、第1補強金具と第2補強金具を電気的に接続することが考えられる。電気的に接続するには、規定の接触圧で接触するコンタクトを形成する必要がある。そこで、第2補強金具を上記の構造とすることで、狭いスペースを有効に利用して、第1補強金具に規定の接触圧で接触するコンタクトが形成される。すなわち、上記の構造の第2補強金具は、上記の第1補強部を備えている。この第1補強部は、第2ハウジングの側壁側を補強するとともに、第1補強金具を受容凹部に誘い込む役割を担っている。そして、この第2補強金具は、その第1補強部の内壁側から長手方向内向きに延びたコンタクトを有する。このため、第1補強部は、バネの一部としても作用し、コンタクトの接触圧を保つための一助となっている。これにより狭いスペースで規定の接触圧のコンタクトを実現している。
【0014】
また、上記目的を達成する本発明のコネクタは、平面視で略長方形状を有するハウジングと、ハウジングの長手方向両端部それぞれに備えられ、幅方向両側において第2コネクタから離れる向きに湾曲した一対の第1湾曲部と、長手方向端部において第2コネクタから離れる向きに湾曲した第2湾曲部と、さらに、一対の第1湾曲部のうちの各一方と第2湾曲部との双方に連続して、長手方向と幅方向との双方に交わる斜めの方向において第2コネクタから離れる向きに湾曲した2つの第3湾曲部とを有し、一対の第1湾曲部のうちの一方から2つの第3湾曲部のうちの一方を経て第2湾曲部に連続しさらに2つの第3湾曲部のうちのもう一方を経て一対の第1湾曲部のうちのもう一方に連続した湾曲部が形成された一対の第1補強金具とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上の本発明によれば、正しい嵌合位置に案内する案内性に優れたコネクタ組立体およびコネクタが実現する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態としてのコネクタ組立体を構成する一方のコネクタである第1コネクタと、第1補強金具の斜視図である。また、
図1(B)は、第1コネクタの長手方向両端部に備えられている第1補強金具を示した斜視図である。
【0019】
この第1コネクタ100は、不図示の基板(例えばフレキシブル基板)に表面実装される。この第1コネクタ100は、第1ハウジング110と、複数のコンタクト120と、一対の第1補強金具130とを備えている。
【0020】
第1ハウジング110は、平面視で略長方形状を有する。
【0021】
複数のコンタクト120は、第1ハウジング110の略長方形状の2つの長辺それぞれに沿って2列に配列されている。これらのコンタクト120の中には、その長辺からハウジング110の外側に突き出た第1半田接続部121を有するコンタクトが存在する。また、これらのコンタクト120の中には、その長辺よりも第1ハウジング110の内側に設けられた第2半田接続部122を有するコンタクトも存在する。そして、コンタクト120が配列された各列には、第1半田接続部121を有するコンタクトと、第2半田接続部122を有するコンタクトが交互に配列されている。また、第1ハウジング110には、第2半田接続部122の半田付け状態を視認させる、各第2半田接続部122に個別に対応する複数の窓111が形成されている。第1半田接続部121および第2半田接続部122は、いずれも、基板に半田付けされる。
【0022】
また、第1補強金具130は、第1ハウジング110の基板への実装強度を補強する部材であって、第1ハウジング110の長手方向両端部それぞれに備えられている。この第1補強金具130には、第1ハウジング110の長手方向端面に対応する部分と両側面それぞれに対応する部分との合計3箇所に、基板固定部131が設けられている。これら3箇所の基板固定部131は、基板に半田付け固定される。すなわち、この第1補強金具130は、第1ハウジング110の長手方向端部を保持し、基板に半田付け固定される。これにより、第1ハウジング110は、第1補強金具130を介して基板に強固に固定される。
【0023】
ここで、この第1補強金具130には、第1ハウジング110の幅方向両側において半田接続部131側に湾曲した一対の第1湾曲部132aが形成されている。この半田接続部131側への湾曲は、後述する第2コネクタ200(
図2参照)と嵌合する向きにおける、第2コネクタ200から離れる向きへの湾曲である。
【0024】
また、この第1補強金具130には、第1ハウジング110の長手方向端部において半田接続部131側に湾曲した第2湾曲部132bが形成されている。
【0025】
さらに、この第1補強金具130には、上記の長手方向と幅方向との双方に交わる斜め方向にも、半田接続部131側に湾曲した第3湾曲部132cが2箇所に形成されている。この第3湾曲部132cは、幅方向の湾曲である第1湾曲部132aと長手方向の湾曲である第2湾曲部132bとの双方に連続する湾曲からなる部分である。すなわち、この第1補強金具130には、第1〜第3の湾曲部132a〜132cが繋がった1つの湾曲部132が形成されている。すなわち、この湾曲部132は、幅方向第1の向きに形成されている一方の第1湾曲部132aから一方の第3湾曲部132cを経由して第2湾曲部132bに連続している。また、この湾曲部132はさらに、その第1湾曲部132bからもう一方の第3湾曲部132cを経由して幅方向第2の向きに形成されているもう一方の第2湾曲部132aに連続している。本実施形態では、この連続した湾曲部132は、絞り加工により形成されている。
【0026】
この第1コネクタ100が第2コネクタ200(
図2参照)と嵌合するにあたり位置ずれがあったときは、この連続した湾曲部132のいずれかの部分が第2コネクタ200に接触する。詳細は後述する。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態としてのコネクタ組立体を構成する、
図1に示した第1コネクタと嵌合する第2コネクタと、第2補強金具の斜視図である。ここで、
図2(A)は、第2コネクタ全体の斜視図である。また、
図2(B)は、第2コネクタの長手方向両端部に備えられている第2補強金具を示した斜視図である。
【0028】
この第2コネクタ200は、第1コネクタ100が搭載される基板とは異なる、もう1枚の不図示の基板(例えばリジッドな基板)に表面実装される。この第2コネクタ200は、第2ハウジング210と、複数のコンタクト220と、一対の第2補強金具230とを備えている。
【0029】
第2ハウジング210は、平面視で略長方形状を有する。この第2ハウジング210には、その長手方向両端部に受容凹部212が形成されている。これらの受容凹部212には、嵌合してきた第1コネクタ100(
図1参照)に備えられた一対の第1補強金具130のそれぞれが受容される。
【0030】
複数のコンタクト220は、第1コネクタ100を構成する複数のコンタクト120にそれぞれ接続されるコンタクトである。これら複数のコンタクト220は、第1コネクタ100を構成する複数のコンタクト120と同様、長手方向に2列に配列されている。
【0031】
これら複数のコンタクト220の中には、ハウジング210から幅方向に大きく突き出た第1半田接続部221を有するコンタクトが存在する。また、これら複数のコンタクト220の中には、ハウジング210から大きくは食み出ていない形状の第2半田接続部222を有するコンタクトが存在する。そして、コンタクト220が2列に配列された各列には、第1半田接続部221を有するコンタクトと第2半田接続部222を有するコンタクトが交互に配列されている。これら第1半田接続部221および第2半田接続部222は、不図示の基板上に半田接続される。
【0032】
また、第2補強金具230は、第2ハウジング210の長手方向両端部それぞれに備えられていて第2ハウジング210の基板への実装強度を補強する部材である。この第2補強金具230には、第2ハウジング230の長手方向端面から突き出る向きに延びる2箇所の基板固定部231が設けられている。また、この第2補強金具230には、第2ハウジング210の両側面それぞれから突き出る向きに延びる基板固定部231も設けられている。この第2補強金具230は、第2ハウジング210の長手方向端部を保持し、1つの第2補強金具230につき合計4か所の基板固定部231が基板に半田付け固定される。第2ハウジング210は、第2補強金具230を介して基板に強固に固定される。
【0033】
ここで、この第2補強金具230は、一対の第1補強部232と第2補強部233とを有する。一対の第1補強部232は、第2ハウジング210の受入凹部212の部分の、両側部それぞれを補強する。また、第2補強部233は、第2ハウジング210の長手方向について受入凹部212よりもさらに端部を補強する。そして、これら一対の第1補強部232のそれぞれと第2補強部233は、受入凹部212に向かって下り坂となった誘込み斜面232a,233aを有する。これらの誘込み斜面232a,233aは、嵌合してきた第1コネクタ100の第1補強金具130(
図1参照)を受入凹部212に誘い込む下り坂斜面である。
【0034】
ここで、第1補強部232は、基板固定部231に下端が繋がり、第2ハウジング210の側壁に沿って立ち上がって、上記の誘込み斜面232aを形成している。これら、第1補強部232は、その誘込み斜面232aからさらに、第2ハウジング210の受容凹部212を形成している内壁に沿って延びている。すなわち、第1補強部232は、第2ハウジング210の側面と受容凹部212を形成している内壁とに跨るように延びた形状を有する。そして、第1補強部232は、その内壁側において第2補強部233に連続している。
【0035】
また、第2補強部233は、長手方向端面側の基板固定部231に下端が繋がり、その端面に沿って立ち上がり、上記の誘込み斜面233aを形成している。そして、この第2補強部233はさらに、その誘込み斜面233aから、第2ハウジング210の受容凹部212を形成している内壁に沿って延びている。すなわち、第2補強部233は、第2ハウジング210の端面と受容凹部212を形成している内壁とに跨るように延びた、第1補強部232と同様の形状を有する。そして、その第2補強部233は、受容凹部212を形成している内壁側であって幅方向両側それぞれにおいて、一対の第1の補強部232のそれぞれに連続している。
【0036】
さらに、この第2補強金具230は、第1補強金具130(
図1参照)に電気的に接続(電力を伝送)する一対のコンタクト234を有する。これらのコンタクト234のそれぞれは、各第1補強部232の内壁側から第2ハウジング210の長手方向内向きに延びた形状を有する。そして、その長手方向内向きに延びた先端部が、第1補強金具130に電気的に接続される。
【0037】
コンタクト234が第1補強金具130に電気的に接続(電力を伝送)するにあたっては、コンタクト234は、第1補強金具130に、規定の強い接触圧を持って接触する必要がある。ここで、この第2補強金具230では、第1補強部232が、コンタクト234に接触圧を与えるばねの役割を兼ねている。これにより、狭いスペースを利用して規定の接触圧を実現している。
【0038】
図3は、嵌合時の姿勢であって互いに離間した状態の第1コネクタと第2コネクタを示した図である。
【0039】
ここでは、
図1に示す第1コネクタ100と、
図2に示す第2コネクタ200とにより、本発明の一実施形態としてのコネクタ組立体300が構成されている。
【0040】
この
図3には、
図1に示す上面を下側(第2コネクタ200側)に向けた姿勢の第1コネクタ100が示されている。第1コネクタ100は、嵌合時にはこの姿勢で、第2コネクタ200と嵌合する。
【0041】
なお、ここでも基板は図示省略されているが、第1コネクタ100の、
図3に上向きに示す下面が基板に接するように搭載される。また第2コネクタ100も、その下面が接するように、第1コネクタ100の基板とは別の基板に搭載される。
【0042】
図4は、
図3に示すコネクタ組立体における嵌合前後の、第1補助金具と第2補助金具を示した斜視図である。
【0043】
ここで、
図4(A−1),(A−2)は、嵌合前の状態を互いに別々の角度から示した斜視図である。
図4(B−1),(B−2)は、嵌合した状態を互いに別々の角度から示した斜視図である。また、
図4(A−1)と
図4(B−1)は、互いに同じ向きから見た斜視図である。同様に、
図4(A−2)と
図4(B−2)は、互いに同じ向きから見た斜視図である。
【0044】
この
図4に示すように、第1補強金具130は、第2補強金具230の、一対の第1補強部232と第2補強部233とに囲まれた空間内に嵌り込む。第2ハウジング210には、その囲まれた空間に対応する部分に、第1補強金具230を受け容れる受容空間212(
図2参照)が形成されている。
【0045】
また、第2補強金具230に設けられているコンタクト234は第1補強金具130の、第1湾曲部132aの先端近傍に接触して、第1補強金具130と第2補強金具230が電気的に接続される。第1補強金具130は、その基板固定部131が、第1コネクタ100が搭載されている基板上の不図示のパッドに半田付け固定されている。また、第2補強金具230は、その基板固定部231が、第2コネクタ200が搭載されている基板上の不図示のパッドに半田付け固定されている。したがって第1コネクタ100と第2コネクタ200が嵌合すると、第1補強金具130と第2補強金具230を介して双方の基板の不図示のパッドどうしが接続されて同じ電位となる。
【0046】
図5は、
図3と同様、嵌合前の姿勢の第1コネクタと第2コネクタからなるコネクタ組立体の斜視図である。
【0047】
また、
図6は、
図5に示す状態のコネクタ組立体の平面図である。
【0048】
図3に示す第1コネクタ100と第2コネクタ200は、正しい相対位置関係にある。これに対し、
図5、
図6に示す第1コネクタ100は、第2コネクタ200に対し、幅方向Xの向きにずれた位置にあり、かつ、長手方向Yの向きにもずれた位置にある。本実施形態では、幅方向、長手方向ともに、+0.3mm〜−0.3mmのずれがあっても、嵌合時に正しい嵌合位置に案内される。
【0049】
図7は、
図6に示す矢印A−Aに沿う断面図である。
【0050】
第1コネクタ100が、第2コネクタ200に対し矢印Xの向きにずれたまま、第2コネクタ200に近づいていく。すると、この
図7に示すように、第1補強金具130の湾曲部132を形成している一方の第1湾曲部132aが、第2補強金具230の一方の第1補強部232の誘込み斜面232aに接する。この誘込み斜面232aは、第2ハウジング210の受容凹部212に向かって下り斜面となっている。
【0051】
また、第1補強金具130の第1湾曲部132aには斜め向きに湾曲した第3湾曲部132c(
図1参照)が連続していて、そこには破断面は存在しない。このため、第1コネクタ100は、第1補強金具130が第2補強金具230により受容凹部212に円滑に案内されて、第2コネクタ200に正しく嵌合する。
【0052】
図8は、
図6に示す矢印B−Bに沿う断面図である。
【0053】
第1コネクタ100が、第2コネクタ200に対し長手方向矢印Yの向きにずれたまま、第2コネクタ200に近づく。すると、第1補強金具130の第2湾曲部132bが、第2補強金具230の第2補強部233の誘込み斜面233aに接触する。この誘込み斜面233aも、受容凹部212に向かう下り斜面となっている。第1補強金具130の第2湾曲部132bの幅方向両隣りには第3湾曲部132c(
図1参照)が連続していて、そこには破断面は存在しない。このため、第1補強金具130は、第2補強金具230により受容凹部212に向かって円滑に案内され、第1コネクタ100が第2コネクタ200に正しく嵌合する。
【0054】
ここで、上記のような幅方向のずれ、あるいは長手方向のずれがあっても、接触するのは、第1補強金具130と第2補強金具230という金属どうしである。これに対し、金属と樹脂とが接触すると樹脂が削られたり押し潰されたりしがちであり、嵌合不良が発生するおそれがある。本実施形態の場合、金属どうしが接触する構造であり、嵌合不良の発生が回避される。
【0055】
図9は、変形例としての第2コネクタと、その第2コネクタを構成する第2補強金具の斜視図である。この
図9は、上述の実施形態における
図2に対応する図である。この
図9において、
図2に示した第2コネクタの各要素に対応する要素には、
図2において付した符号と同一の符号を付して示し、相違点のみ説明する。
【0056】
この
図9に示す第2コネクタ200’も、
図1に示す第1コネクタ100と嵌合するコネクタである。
【0057】
この
図9に示す第2コネクタ200’の、
図2に示す第2コネクタ200との相違点は、第2補強金具230’の形状にある。
【0058】
この
図9に示す第2補強金具230’には、
図2に示す第2補強金具230に設けられているコンタクト234は設けられていない。すなわち、この第2コネクタ200’は、補強金具を電気的な接続を担う部材としては意図していないコネクタ組立体を構成するコネクタである。
【0059】
この第2補強金具230’には、一対の各第1補強部232および第2補強部233の、受容凹部212に面する内壁側にも、基板固定部231’が設けられている。これにより、側面側や端面側の基板固定部231とともに、基板にさらに強固に固定される。ただし、この
図9に示す第2補強金具230’の場合、第1補強部232の、第2ハウジング210’の外面側の基板固定部231は、その形状が
図2に示すものとは異なっている。この
図9に示す第2補強金具230’の場合、受容凹部212側にも基板固定部231’が設けられているため、外壁面側の基板固定部231は、この
図9に示す形状で十分である。また、この
図9に示す形状により、第2コネクタ200’の幅寸法を狭めている。
【0060】
以上の実施形態および変形例によれば、嵌合時に位置ずれがあっても金属部材どうしが接触する。これにより、樹脂の接触を避け、樹脂の削れや変形が防止され、嵌合不良の発生が防止される。また、第1補強金具130には、絞り加工により、第1コネクタ100の端面側から両側面側にかけて連続した湾曲部132が形成されている。したがって第2補強金具230,230’に金属の破断面が接することはなく、位置ずれがあっても円滑に誘い込まれる。
【0061】
なお、第1補強金具は、絞り加工の代りに、金属成形や切削加工で形成されてもよい。