【課題】搬送管内に発生させた空気流で紙葉類を搬送する紙葉類搬送装置の搬送管内へ紙葉類を送り出す紙葉類取込装置において送り出した紙葉類を検知する光センサを適切に取り付ける。
【解決手段】紙葉類取込装置は、搬送管に介挿され、紙葉類を挿入するための開口44が設けられた通路部40A、40Bと、開口44から通路部内へ紙葉類を送り出す送出部64、64Aと、通路部の壁部40Aに埋め込むように取り付けられて、通路部内へ送り出された紙葉類を検出する光センサ80とを有し、光センサの発光部と受光部の少なくとも一方を覆う部分の壁部には光の通過穴が設けられている。
前記光センサは、前記開口の下流側で前記開口の近傍に設けられて、前記開口から前記通路部内に送り出された紙葉類の送り出し完了、および前記搬送管を通じて前記通路部の上流から到来する紙葉類の通過を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類取込装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る紙幣取込装置24が取り付けられた紙葉類搬送装置10の概略構成を示す平面図、
図2は紙葉類搬送装置10の正面図である。本実施の形態では、紙葉類搬送装置10は、紙幣の投入を受けて遊技者に遊技球(パチンコ球)を貸し出す遊技球貸機3とパチンコ機などの遊技機4とを一組にしたものを、互いが背中合わせになるようにして表裏面に複数組併設収容した遊技機島2内に設けられ、各遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を取り込んで遊技機島の端部に設けられた金庫5まで搬送する紙幣搬送装置として構成されている。
【0017】
紙葉類搬送装置10は、紙幣(紙葉類)の搬送路となる搬送管12と、搬送管12内にその延設方向に流れる空気流を発生させる空気流発生装置14とを備えている。紙葉類搬送装置10では、空気流を受けて搬送管12内を移動可能な搬送補助体16を、搬送対象の紙幣より上流側で搬送管12内へ挿入し、該搬送補助体16で搬送管12内の紙幣を後方から押し動かして下流へ搬送するようになっている。
【0018】
本例では、
図2に示すように、遊技機島2の一方の端部に、空気流発生装置14と金庫5が配置されており、紙葉類搬送装置10の搬送管12は、空気流発生装置14が設置された側の遊技機島2の端部にその始端部と終端部を備え、始端部から遊技機島2の他方の端部まで延設された往路12aと、他方の端部でU字状に折り返すターン部12bと、ターン部12bで折り返した後、終端部まで延設された復路12cで構成されている。
【0019】
搬送管12は、搬送管12の往路12aおよび復路12cは、所定の長さ、たとえば、遊技機島2に併設収容された遊技機4と遊技球貸機3の1セット分の横幅に対応した長さ、を単位に分割されており、これらを連結ユニット18で必要本数連結することで、遊技機島2の長手方向の長さに応じて経路長を調整できるようになっている。また、施工現場では、搬送管12を必要な長さにその場でカットして使用するようになっている。
【0020】
空気流発生装置14の吹き出し口14aは、搬送管12(往路12a)の始端部側に接続され、空気流発生装置14の吸い込み口14bは搬送管12(復路12c)の終端部側に接続されている。空気流発生装置14はモータでファンを回転させることによって、始端部側から搬送管12内へ空気を吹き出すと共に、終端部側から搬送管12内の空気を吸い出すことで、搬送管12内にその始端部から終端部へ向かう(搬送管12の延設方向に沿って流れる)空気流を発生させる。なお、空気流発生装置14は吸い込み口14bから吸い出した搬送管12内の空気の一部を吹き出し口14aから再び搬送管12内へ送り出して循環させるようになっている。
【0021】
搬送管12の始端部には、搬送補助体16を搬送管12内へ送り出す搬送補助体挿入装置21が設けてある。また、搬送管12の終端部には紙幣分離装置20が配置され、紙幣分離装置20のやや上流には搬送補助体分離装置22が配置されている。また、搬送管12の復路12cの途中には、各遊技球貸機3に対応する位置に、遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を搬送管12内へ取り込む紙幣取込装置24が配設されている。紙幣取込装置24は、遊技機島2の表面側に配置された遊技球貸機3からの紙幣6と、遊技機島2の裏面側に配置された遊技球貸機3からの紙幣6とを取り込むべく、搬送管12の側壁の両側に設けられており、表面用(金庫5から見て右側)の紙幣取込装置24Rと、裏面用(金庫5から見て左側)の紙幣取込装置24Lがある。紙幣取込装置24は、復路12cを構成する搬送管と搬送管の間に介在してこれらを連結しかつ連結部分での紙幣6の通路の役割も果たす。
【0022】
紙幣取込装置24から搬送管12の復路12c内に取り込まれた紙幣6は、その紙面が搬送管12の延設方向に沿う姿勢で取り込み完了位置に滞在する。この搬送管12内に取り込まれて滞在している紙幣6を金庫5まで搬送して回収するために搬送補助体16が搬送補助体挿入装置21によって搬送管12内へ送り込まれる。搬送補助体挿入装置21から搬送管12内へ送り込まれた搬送補助体16は、空気流発生装置14が発生させた空気流の作用を受けて往路12a内をターン部12bに向けて移動し、ターン部12bでUターンした後、復路12c内を終端部に向けてさらに移動する。このとき、
図3に示すように、搬送管12内の紙幣6を、該紙幣6の後端側から搬送補助体16が押し動かすことで、搬送管12の終端部へ向けて(図中の搬送方向Fへ)紙幣6が搬送される。
【0023】
搬送補助体挿入装置21は、搬送管12の始端部と吹き出し口14aとの間に接続された送出通路と、次に送り出す搬送補助体を待機させる待機部と、待機部内で搬送補助体16を保持すると共に該保持した状態のままで搬送補助体が送出通路と待機部との間を往復移動する搬送補助体可動保持部を有している。搬送補助体可動保持部は前方が開放された断面U字状の保持部で搬送補助体16を保持しており、U字部分には送風穴が開設されている。搬送補助体挿入装置21は、搬送補助体を送出するとき、搬送補助体可動保持部を送出通路内に移動させる。すると、U字部の送風穴からの空気流に乗って搬送補助体が前方へ移動して保持部から離脱して搬送管内へ送り出される。
【0024】
搬送補助体分離装置22は、搬送補助体16とこの搬送補助体16によって搬送されてきた紙幣6とを分離して搬送補助体16を回収する機能を果たす。詳細には、搬送補助体分離装置22は、空気流の作用を受けて移動してきた搬送補助体16とこの搬送補助体16に押されて移動してきた紙幣6が入口から流入し、紙幣6のみ通過可能な幅狭の出口を有する通路状の分離回収部を有している。搬送補助体は分離回収部内に補足されて保持される。分離回収部は入口側を支点に回動可能に構成されており、搬送補助体挿入装置21の待機部の真上の位置に回動したとき、底部の開口から搬送補助体16が落下し、この搬送補助体は待機部の天井の開口から待機部内に落下して搬送補助体可動保持部に保持されるようになっている。このようにして1つの搬送補助体が循環利用される。
【0025】
搬送補助体挿入装置21、紙幣分離装置20、搬送補助体分離装置22は、CPU、ROM、RAMなどを主要部とする図示省略の制御部に制御されて動作する。本例では、空気流発生装置14は常時作動させておき、制御部は、紙幣取込装置24に設けたセンサが遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を検知すると紙幣取込装置24を作動させて該紙幣6を搬送管12内に取り込む。そして、この取り込み動作が完了したら搬送補助体挿入装置21から搬送補助体16を搬送管12内へ送り込む。すると、この搬送補助体16が空気流の作用を受けて搬送管12内を移動し、紙幣6を後方から押し動かして搬送する。そして、搬送補助体分離装置22は搬送補助体16の到来を検知すると分離回収動作を行って搬送補助体16を回収し、その回収した搬送補助体16を次回の送出に備えて搬送補助体挿入装置21の待機部へ案内する。搬送補助体分離装置22によって分離された紙幣6はその下流の紙幣分離装置20に到達し、紙幣分離装置20が紙幣6を検知したら紙幣分離装置20の搬送ベルトを駆動して紙幣6を金庫5へ搬送する、というように制御する。
【0026】
なお、空気流発生装置14を必要時(たとえば、紙幣取込装置24が遊技球貸機3からの紙幣を検知した時点からその紙幣を金庫5に搬送し終えるまでの間)のみ動作させるように制御してもよい。
【0027】
このように、空気流の作用を受けて搬送補助体16が移動し、この搬送補助体16によって紙幣6を後端側から押し動かして搬送するので、紙幣6自体は空気流を受けて推進力を得る必要がない。したがって、空気流を受けるために紙幣6を折り曲げる等の措置を施すことなく、紙幣6を空気流によって搬送することができる。
【0028】
次に、搬送管12および搬送補助体16の形状について詳細に説明する。
【0029】
図4は、直線部分(往路12aおよび復路12cの部分)における搬送管12の該搬送管12の延設方向F(=紙幣の搬送方向F=空気流の流れる方向)に垂直な断面の形状を示している。搬送管12は、厚さ1.5ミリほどの樹脂で形成されている。搬送管12は、たとえば、押し出し成型によって形成される。
【0030】
搬送管12の直線部分は、
図4の断面形状を有して直線状に延設された筒状を成している。搬送管12の延設方向に垂直な断面は略長方形の扁平した形状をなしており、その長辺(長手方向)をなす一対の対向する側壁部32は複数のリブ34およびガイドレール36、拡張部38が形成されて凹凸にされている。略長方形の断面の短辺(短手方向)側をなす一対の対向する壁部33はほぼ平らになっている。
【0031】
以後、搬送管12の延設方向(搬送方向F)に垂直な略長方形の断面における短辺方向をX方向(もしくは幅方向)、長辺方向をY方向(もしくは高さ方向)とする。
【0032】
側壁部32は、搬送される紙幣6の紙面に対向する一対の内壁となっている。紙幣6は長方形をなしており、搬送管12内を、長辺が搬送方向Fとなる向きとなって搬送される。言い換えると、紙面が搬送管12の側壁部32に対向しかつ紙幣6の一方の短辺が搬送方向の先端側となり他方の短辺が後端側となる向きで搬送される。
【0033】
搬送管12の一対の対向する壁部33同士の間隔Dyは紙幣6の短辺より僅かに長くされている。また、一対の側壁部32のうちリブ34やガイドレール36、拡張部38が形成されていない部分(基準平面部とする)での間隔Dxは2cmほどに設定されている。
【0034】
ガイドレール36は、側壁部32のY方向(高さ方向)の中央部に形成されている。ガイドレール36は、基準平面部より搬送管12の外側へ「コ」の字状に突出し、搬送管12の内部空間を拡張する矩形の拡張部38としての役割も兼ねている。ガイドレール36のY方向の内壁間距離は23ミリ程にされている。またガイドレール36の基準平面部から外側への突出量は5ミリ程にされている。
【0035】
リブ34は、側壁部32から搬送管12の内側(対向する側壁部32)に向けて突出するようにして複数本形成されている。基準平面部からリブ34の頂までの高さは約2ミリになっている。リブ34の高さは適宜に設定すればよい。リブ34は、ガイドレール36の両縁部に沿って形成されている。また、これらよりY方向に中心から両外側へ10ミリ程離れた位置にもそれぞれ設けられている。
【0036】
図5は、搬送補助体16の平面および正面を示している。搬送補助体16は、各部で径が異なる断面円形の柱状を成している。搬送補助体16は、円柱の中心軸が搬送管12のY方向(高さ方向)となるように搬送管12内に挿入されて使用される。搬送補助体16は発泡スチロール、押出発泡ポリスチレンなどにより、軽量かつ丈夫に形成される。なお、搬送補助体16は内部が空洞に形成されてもよい。
【0037】
図6は、搬送管12内に搬送補助体16を挿入した状態における、延設方向Fに垂直であって搬送補助体16の中心軸を通る断面を示している。搬送補助体16の各部の径は、搬送管12の内縁形状に対応している。すなわち、搬送補助体16の中心軸を通る断面形状は、延設方向Fと垂直な断面における搬送管12の内縁形状に対応した形状となっており、搬送管12の内側を内壁との間に所定のクリアランスをあけてほぼ塞ぐ形状になっている。
【0038】
このように、搬送補助体16は、搬送管12の内縁形状に対応する形状(若干のクリアランスをもってほぼ同一の形状)をなして搬送管12の断面のほぼ全体を塞ぐので、空気流の作用を効率よく受けて移動することができる。さらに搬送補助体16は上流からの空気流が下流へ至るのを遮り、下流側での空気流の乱れを抑制する役割を果たす。
【0039】
紙幣6は、搬送管12内の空気流から作用を受けると側壁部32に張り付く傾向にある。すなわち、紙幣6の一方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔と、他方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔とが均等になることはほとんどなく、いずれかの間隔が他方より狭くなると、空気流の流速は狭い間隔側で広い間隔側より速くなるため、狭い間隔側の気圧が広い間隔側の気圧より低くなり、この気圧差によって紙幣6が狭い間隔側の側壁部32へ吸着・押圧される、すると狭い間隔側の間隔がさらに狭くなり、紙幣6が側壁部32へ張り付き吸着する現象が生じる。
【0040】
紙幣6が強く側壁部32に張り付くと、搬送補助体16で紙幣6を押し動かして搬送することが難しくなるが、上記のように搬送補助体16はその下流側への空気の流れを遮る(少なくする)作用を果たすので、紙幣6が張り付き吸着する力は小さく、円滑な搬送が実現される。
【0041】
搬送補助体16のガイドレール36に対応する箇所は、ガイドレール36と係合する係合部となっている。本例では、ガイドレール36を搬送管12のY方向の中央寄りに設けてあるので、搬送補助体16を安定した姿勢に維持して移動させることができる。また、搬送補助体16の姿勢が安定するので、紙幣6の後端に適切に当接して安定した搬送力を与えることができ、搬送管12と搬送補助体16との間に紙幣6が巻き込まれる事態を回避しやすくなる。
【0042】
また、ガイドレール36の部分は、搬送管12の内部空間を外側へ広げる拡張部38となっており、搬送補助体16もガイドレール36の形状に対応した形状(係合部)を成している。これにより、搬送補助体16は、空気流の作用を受ける部分の面積が拡大し、移動するための力を効率よく受けることができる。また、拡張部38を設けることで、拡張部38以外の部分での搬送管12内の幅(Dx)を狭くすることができるので、紙幣6の倒れを防止することができる。
【0043】
さらに、側壁部32に設けた複数本のリブ34の存在により、紙幣6が側壁部32にぴったりと張り付くことが防止される。すなわち、紙幣6と側壁部32との接触面積が少なくなって摩擦が軽減され、静電気の発生等を抑えることができる。また、紙幣6が側壁部32に張り付いた場合でも、その紙幣6は複数本のリブ34の先端部分で支持されるため、リブ34の周辺やリブ34とリブ34の間では側壁部32と紙幣6との間に隙間が確保され、張り付き力が小さく抑えられる。
【0044】
また、側壁部32から内側に突出する複数のリブ34は、搬送管12の幅方向(X方向)における実質的な紙幣6の通路幅Wを、基準平面部間距離Dxより狭くする役割を果たす。これにより、紙幣6が搬送管12内で横倒れし難くなり、紙幣6の姿勢がY方向に沿うように保持される。特に、リブ34を複数設けることで、紙幣6の倒れを適切に防ぐと共に、紙幣6の側壁部32への張り付きも効果的に防止される。なお、リブ34を設けた分だけDxを大きくすることができ、これによって搬送管12の断面積を大きくして搬送補助体16が空気流の作用を受けやすくなっている。
【0045】
本実施の形態に係る搬送補助体16の場合、ガイドレール36に対応する部分の径が最も大きいので、
図3に示すように、この最大径の部分16mが紙幣6の後端に当接して押し動かすようになる。
【0046】
図7は、ターン部12bの正面図である。ターン部12bは、搬送管12を、Y方向を半径方向として180度の円弧を描くように延設した形状をなしている。ターン部12bにおいてもリブ34およびガイドレール36は形成されているが、搬送補助体16が円弧状にターン部12b内を移動する際に引っかかることがないように、搬送補助体16がターン部12b内を円弧状に通る軌跡の範囲からリブ34やガイドレール36を逃がすように(直線部分よりクリアランスを大きく)してある。これにより、ターン部12bでの回転半径を小さくすることができる。リブ34等の逃がし部分Qは、回転半径が小さくなる内側ほど大きくとってある。
【0047】
次に、紙幣取込装置24について説明する。
【0048】
図8は、表面用の紙幣取込装置24Lの正面を、
図9は、
図8の紙幣取込装置24LにおけるA−A断面であり、
図10は、裏面用の紙幣取込装置24Lを搬送管下流側から見た側面を示している。
図9に示すように、紙幣取込装置24は、両端に搬送管12が密に内挿されて接続される筒状の通路部40と、通路部40に沿って設けられた矩形箱状の本体枠部60とを有する。
【0049】
通路部40は、一端部に第1の搬送管接続部41を、他端部に第2の搬送管接続部42を有している。図中の矢印Fは搬送管12内での紙幣6の搬送方向(空気流の方向)を示している。
図9に示す表面用の紙幣取込装置24Lでは、第1の搬送管接続部41に上流側の搬送管12(12U)が接続され、第2の搬送管接続部42に下流側の搬送管12(12D)が接続されている。
【0050】
第1の搬送管接続部41と第2の搬送管接続部42の間は、搬送管12の内側形状に対応した内側形状を有する紙幣通路43になっている。紙幣通路43の本体枠部60側の壁面には、紙幣6を通路部40の紙幣通路43内に取り込む挿入口としての開口部44が設けてある。通路部40は、開口部44が設けられた側の壁面および上下の壁面を有して断面コの字状をなして本体枠部60と一体に形成された開口側通路枠40Aと、開口部44が設けられた壁面に対向する側の壁面をなして開口側通路枠40Aにナイラッチ47等で着脱可能に取り付けられた着脱壁面部40Bで構成される。
【0051】
図11は着脱壁面部40Bを、
図12は着脱壁面部40Bを外した状態の紙幣取込装置24Lの通路部40側を斜め上流側から見た状態を、
図13は紙幣取込装置24Lの通路部40に上流側および下流側の搬送管12U、12Dを接続した状態であって着脱壁面部40Bを外した様子を示している。
図14は、着脱壁面部40Bを外した紙幣取込装置24Lを、これに接続されている搬送管12の端部の一部を切り欠いて示してある。
【0052】
図11、
図12、
図13、
図14に示すように、通路部40の紙幣通路43の内壁には、接続される搬送管12の各リブ34に対応してその延長線上に、第1の搬送管接続部41の近傍から第2の搬送管接続部42の手前に掛けて搬送方向Fに沿って延びるガイドレール46が設けてある。ただし、開口側通路枠40A側の内壁に設けられたガイドレール46は開口部44の部分には形成されておらず、この部分は途切れている。ここでは、搬送管12内のリブ34に対応して、開口側通路枠40A側の内壁と着脱壁面部40Bの内壁にそれぞれ4本ずつのガイドレール46を設けてある。ガイドレール46により、搬送補助体16は、搬送管12内を通る場合と同等の安定した姿勢で通路部40内を通ることができる。
【0053】
図8、
図9などに示すように、本体枠部60の背面の端部には、遊技球貸機3から紙幣を受け入れる紙幣受入口61が開口されている。紙幣受入口61は、紙幣6の短辺よりやや長い長方形の開口であって、紙幣6をその短辺を始端として受け入れる。
図9に示すように、紙幣受入口61と通路部40の開口部44との間には、次に開口部44から紙幣通路43内へ送り出す紙幣6を待機させる通路としての待機部62が形成されている。待機部62はS字状に湾曲した幅狭(紙幣6の厚み方向に狭い)の通路(湾曲通路)となっており、該湾曲通路内に1枚の紙幣6を待機させることができるようになっている。
【0054】
紙幣受入口61からは、通路部40での搬送方向Fに対してほぼ直角に紙幣6が進入する。待機部62の湾曲通路は、紙幣受入口61から入って直後に進路を搬送方向に沿うように約110度変えて湾曲し、その後、ほぼ直線的な通路となり、一対の排出ローラ64の手前で通路部40側に再度向きを変えて湾曲し、一対の排出ローラ64のローラ間へ紙幣6を送り出す通路となっている。湾曲通路における、初めの湾曲と後の湾曲とは紙幣6を湾曲させる向きが逆方向(凹凸の関係)になっている。また、待機部の全長を使って緩やかに湾曲させるのではなく、湾曲通路の始端部と終端部の近傍で比較的小さい半径で湾曲させている。
【0055】
このように待機部62(湾曲通路)は、凹凸に、しかも小さい曲率で湾曲しているので、紙幣6の折れを伸ばすことができる。特に、紙幣の長手方向に沿うように折り目が付く縦折れを矯正して、折り目を取る、あるいは軽減することができる。
【0056】
待機部62に待機している紙幣6を紙幣通路43内へ搬送する送出部は、待機部62の湾曲通路のうち紙幣受入口61側の端部近傍に設けられた第1ローラ63と、他端側に設けられた一対の排出ローラ64と、排出ローラ64から開口部44まで紙幣6を搬送する排出補助ベルト65と、第1ローラ63、排出ローラ64、排出補助ベルト65を周回駆動させるためのモータ66(
図10参照)と、モータ66の回転を第1ローラ63、排出ローラ64に伝達するギアや伝達ベルト67(
図12参照)などで構成される。
【0057】
第1ローラ63は、
図8に示すように、幅細のローラであり、紙幣受入口61から進入してきた紙幣6を該紙幣6の短辺(幅)方向の略中央部分で押圧し、待機部62の湾曲通路内へ取り込む方向に回転する。第1ローラ63による押圧力は、遊技球貸機3が紙幣6を引き戻し可能な程度に比較的弱く設定されている。ここでは、第1ローラ63は、角の丸くされた多角形(たとえば、三角形)にされている。多角形にすることで、その角の部分での紙幣6に対する押圧力を高めても、辺(弦)の部分では押圧力が弱くなる(もしくは無くなる)ので、遊技球貸機3による紙幣6の引き戻しが容易になる。すなわち、角の部分での紙幣6の搬送力を高めつつ、引き戻しの容易性を確保している。なお、第1ローラ63は円形でもかまわない。
【0058】
排出ローラ64は、紙幣6の短辺の長さよりやや長い一対の円柱状のローラで構成されている。排出ローラ64の表面は弾性を有し、一対の排出ローラ64は互いに押圧・密着して配置されており、紙幣6を該一対の排出ローラ64の間にニップして搬送する。
【0059】
排出ローラ64は、通路部40を通る搬送補助体16の最大径部分16mに当接しないようにするため、通路部40内へ突出しない範囲(つまり、通路部40の外側の本体部60側)に設置されている。紙幣6を通路部40内に確実に送り出すためには、紙幣6の終端をガイドレール46の頂まで送り出す必要があり、排出ローラ64からガイドレール46の頂までの搬送は排出補助ベルト65が担う。
【0060】
図9、
図15、
図16に示すように、排出補助ベルト65は、通路部40内での紙幣6の搬送方向Fに沿い、かつ、搬送方向下流側が開口部44内に露出し、搬送方向上流側が通路部40から離隔するように傾斜して張設された環状のベルトである。
図15、
図16に示すように、一対の排出ローラ64のうちの開口部44に近い方の排出ローラ64Aには、他の部分より小径の小径部64b(
図16参照)が設けてあり、この小径部64bに排出補助ベルト65の一方が掛け渡され、他端側は、開口部44の近傍に設けられたプーリ65aに掛け渡されている。排出補助ベルト65は排出ローラ64Aから駆動力を得て周回する。
【0061】
排出補助ベルト65は直径2mmほどの断面円形で環状の丸ベルトであり、弾性を有しかつ表面の摩擦係数の高いゴムを使用している。小径部64bの径は、該小径部64bの半径と排出補助ベルトの厚み(直径)の合計が、排出ローラ64Aの他の部分の半径以下(ここでは、等しくなるよう)に設定されている。すなわち、小径部64bに掛け渡している部分で排出補助ベルト65が排出ローラ64の周面より突出しないようにしてある。
【0062】
また、
図15に示すように、排出ローラ64Aから開口部44に掛けて斜めに掛け渡された排出補助ベルト65に沿ってガイド部68が設けてある。詳細には、ガイド部68は、排出補助ベルト65のうち通路部40側のベルトに沿って近接対向配置され、該ベルトとの間に紙幣6の排出経路69を形成し、開口部44で終端するように設けられている。
【0063】
排出ローラ64から繰り出された紙幣6は排出経路69内へ進出する。排出補助ベルト65は排出経路69内の紙幣を搬送して開口部44から通路部40内へと送り出す。ガイド部68は紙幣6を排出補助ベルト65に当接させる役割および紙幣6が開口部44から通路部40内へ進出する向きを、搬送方向Fに沿う方向へ規制する役割を果たす。
【0064】
排出補助ベルト65は、
図12に示すように、通路部40の開口側通路枠40Aの内壁に設けられたガイドレール46に対応する位置に設けてある。ガイドレール46は前述したように開口部44の部分で途切れており、この途切れた箇所に排出補助ベルト65が位置して露出するようになっている。また、
図15に示すように、開口部44の上流側で途切れたガイドレール46Aの終端を排出補助ベルト65に沿った傾斜面とすることで、ガイド部68が形成されている。
【0065】
ガイドレール46に対応する位置において、ガイドレール46の頂に対応する高さまで排出補助ベルト65を張設してあるので、排出補助ベルト65によって紙幣6をガイドレール46の頂に至るまで送り出すことができる。すなわち、ガイドレール46は、搬送路12のリブ34に対応しており、この部分は搬送補助体16の最も小径部分なので、ガイドレール46の頂まで紙幣6の終端を送り出せば、搬送補助体16の大径部分16mなどに紙幣6が巻き込まれることはなく、確実に紙幣6を通路部40内へ排出することができる。
【0066】
なお、ガイド部68を、
図15に示すものよりさらに下流側へ伸ばすようにしてもよい。
図15に示すものでは、ガイド部68は、排出補助ベルト65の開口部44側の端部の頂付近には至っていないが、搬送方向Fに流れる空気によって紙幣6は排出補助ベルト65に向けて押圧されるので、ガイド部68が終端した以後の部分においても排出補助ベルト65に当接して搬送される。
【0067】
図16、
図17に示すように、排出ローラ64Aの排出補助ベルト65が掛け渡された側と反対側の端部寄りには、第2小径部64cが設けてある。また、
図17に示すように、開口部44から第2小径部64c(排出ローラ64の窪み)に至る斜面部70を設けると共に、該斜面に沿って近接対向配置され、この斜面との間に紙幣6の排出経路72を形成して開口部44で終端する第2ガイド部71を設けてある。斜面部70および第2ガイド部71で構成された排出経路72は、一対の排出ローラ64から送り出された紙幣6の進行方向を、通路部40内での紙幣6の搬送方向Fに沿う方向に規制する役割を果たす。
【0068】
図12に示すように、斜面部70および第2ガイド部71は、ガイドレール46に対応する位置に設けられている。詳細には、
図17に示すように、斜面部70は、通路部40の開口側通路枠40A側の内壁に設けられたガイドレール46のうちの開口部44の下流側のガイドレール46Bの始端を、第2小径部64cに至る斜面にして構成されている。第2ガイド部71は、上流側のガイドレール46Aの終端を斜面部70に近接対向する斜面にして形成されている。
【0069】
図16、
図17に示すように、開口部44の下流側近傍には、通過する紙幣6を検出する紙幣センサ80が設けてある。本例では紙幣センサ80は、斜面部70の下流側近傍であって開口側通路枠40Aの壁部に埋め込むように取り付けられている。このような位置に設けることで、紙幣センサ80は、開口部44から通路部40内への紙幣6の繰り出しが紙幣6の終端まで完了したことを検出できると共に、通路部40を通過する紙幣6を検出でき、これらの用途に兼用される。
【0070】
本例で使用する紙幣センサ80は、
図18に示すように、対向配置された着脱壁面部40Bに向けて光を照射する発光部80aと、着脱壁面部40B側からの光を受光する受光部80bを備えた光センサである。着脱壁面部40Bのうち紙幣センサ80に対向する部分には、発光部80aからの光が受光部80bへ向かうように光の進路を変更する光路変更部81を設けてある。光路変更部81はプリズムあるいは鏡などで構成されており、光路変更部81への電気配線は不要である。着脱壁面部40Bは開口側通路枠40Aに対して着脱されるが、光路変更部81への電気配線は不要なので、光路変更部81が着脱の支障になることはない。
【0071】
なお、
図9に示すように、待機部62の湾曲通路のうち紙幣受入口61側の端部近傍には当該箇所に存在する紙幣6を検知する第1センサ87が、湾曲通路の途中には当該箇所に存在する(あるいは通過する)紙幣6を検知する第2センサ88が設けてある。第1センサ87は紙幣による光の遮断の有無を検出する光センサで構成されている。第2センサ88は、倒れた状態と湾曲通路内へ突出するように起立した状態に変位し、かつ起立状態となるように付勢されたアクチュエータ88aを有するスイッチで構成される。
【0072】
待機部62のS字状に湾曲した湾曲通路は、本体枠部60に形成されたS字状に湾曲した面を成す本体側案内面62Aと、本体側案内面62Aに対して所定の間隔をあけて対向配置されるS字状に湾曲した面を内側に備えた開閉扉62Bで構成される。
図19は、紙幣取込装置24の背面側(通路部40の反対側)を示す斜視図であり、
図20は、開閉扉62Bを開いた状態を、
図21は、開閉扉62Bを取り外した状態で、本体側案内面62A等を示している。また、
図22は開閉扉62Bの斜視図である。
【0073】
開閉扉62Bは、紙幣受入口61側の湾曲部分近傍の基端部に設けた軸突起62c(
図22参照)を、本体枠部60側の対応する位置に開設された受け穴62d(
図21参照)に係合させて回動可能に本体枠部60に取り付けられる。また開閉扉62Bの先端部に設けた突起62e(
図22参照)と、閉じた状態で開閉扉62Bの突起62eに対応する位置に開設された本体枠部60側の係止穴62f(
図21参照)とが係合することで開閉扉62Bは閉じた状態に保持される。
【0074】
図21、
図22に示すように、本体側案内面62Aおよび開閉扉62Bの内側面62Kにはそれぞれ、湾曲通路の延設方向(湾曲通路内での紙幣6の搬送方向)に沿って複数本のリブ85が設けてある。本体側案内面62Aに設けたリブ85aと開閉扉62Bの内側面62Kに設けたリブ85bは、互いに対向する位置に設けてある。この対向するリブ85aとリブ85bとの間が、実質的に待機部(湾曲通路)62の紙幣6の厚み方向における通路幅(リブ間通路幅とする)になっている。リブ85が形成する通路は一対の排出ローラ64が互いに当接している箇所(境界部分)に向けて延びている。
【0075】
本体側案内面62Aと開閉扉の内側面62Kとの間隔は、湾曲通路の入口側より出口側(排出ローラ64側)で広くなっている。また、湾曲通路の本体側案内面62Aに設けられたリブ85aおよび開閉扉62Bの内側面62Kに設けられたリブ85bの高さはそれぞれ、湾曲通路の入口側より出口側で高くなっている。ここでは、本体側案内面62Aと開閉扉の内側面62Kとの間隔が入口側より出口側で広がる分に対応させて、リブ85a、85bの高さを入口側より出口側で高くしてあり、これらの相殺により、リブ間通路幅が、湾曲通路の入口側から出口側までほぼ均一になっている。
【0076】
このようにリブ85を設けることで、紙幣6は待機部62の湾曲通路内でリブ85にのみ接触し、本体側案内面62Aや開閉扉62Bの内側面62Kに面接触せずに、接触抵抗が減り、紙幣6を待機部62内で円滑に搬送することができる。
【0077】
紙幣6には、しわ(皺)が多数存在する場合があり、該しわは紙幣に細かい多数の凹凸を与えて実施的な厚み(かさ)を増加させるので、紙幣6が本体側案内面62Aや開閉扉62Bの内側面62Kと擦れやすくなる。しかし、リブ85a、85bの高さを入口側より出口側で高くしているので、リブ85a、85bの頂と本体側案内面62Aや開閉扉62Bの内側面62Kとの落差が出口側で大きくなり、多数の凹凸のある紙幣6がリブ85a、85bに当接した状態でも該紙幣6の他の部分が本体側案内面62Aや開閉扉の内側面62Kに接触し難くい。
【0078】
一方、本体側案内面62Aや開閉扉62Bの内側面62Kとの間隔が湾曲通路の入口から出口まで一定の場合には、リブ85a、85bの高さを高くすると、湾曲通路の実質的な通路幅(リブ間通路幅)が出口側で狭くなる。そこで、これを補うために、本体側案内面62Aと開閉扉の内側面62Kとの間隔を、リブ85a、85bの高さに対応させて出口側ほど高くすることで、湾曲通路の入口から出口までリブ間通路幅を均一にしてある。
【0079】
また、紙幣が湾曲通路の出口側へ進行すればするほど、湾曲通路の内壁面62A、62Kやリブ85a、85bと紙幣6との接触面積が増加して抵抗が増す傾向にあるので、出口側ほど両内壁面62A、62Kの間隔を広くし且つリブ85a、85bの高さを高くしてある。これにより、多数のしわのある紙幣6であっても湾曲通路内を円滑に進むことができる。
【0080】
図23、
図24は、紙幣取込装置24が紙幣6を受け入れてから通路部40内へ送り出すまでの動作を示している。紙幣取込装置24は、遊技球貸機3から紙幣6が到来し、その先端を第1センサ87が検出すると(
図23(a))、モータ66を駆動する。これにより第1ローラ63および排出ローラ64が回転し、第1ローラ63が排出ローラ64側に向けて紙幣6を送り出す。その後、この紙幣6を第2センサ88が検知してから紙幣6の先端が排出ローラ64に到達する所定時間後にモータ66を停止させて第1ローラ63、排出ローラ64の回転を停止させる(
図23(b)。これにより紙幣6は待機部62の待機位置で待機した状態になる。紙幣6が待機位置に待機したことは図示省略の制御部に通知され、この通知を受けた制御部は、紙幣取込装置24に対して紙幣の排出許可信号を送信する。
【0081】
これを受けた紙幣取込装置24は、モータ66を駆動する。これより排出ローラ64が回転しこの回転に伴って排出補助ベルト65も周回する。待機位置にある紙幣6は排出ローラ64および排出補助ベルト65に搬送され、排出補助ベルト65とガイド部68との間の排出経路69を通って、開口部44から通路部40(紙幣通路43)内へと進む。このとき、紙幣6はガイド部68に進行方向が規制されて、該ガイド部68の傾斜に沿った向きで通路部40内へ進出する。
【0082】
紙幣6が通路部40内へ進出すると、これを紙幣センサ80が検出する。
図23、
図24の破線90は紙幣センサ80による紙幣6の検出位置を示している。さらに紙幣6が通路部40へ繰り出されて、紙幣6の終端が排出ローラ64を通過すると、その後は、
図24(a)に示すように、周回する排出補助ベルト65とガイド部68との間に紙幣6の終端部分を挟みこむようにして、排出補助ベルト65が紙幣6を開口部44へと送り出す。これにより、紙幣6の終端まで完全に通路部40内へ送り出される。
【0083】
通路部40内へ完全に排出された紙幣6は、搬送管12内を流れている空気流によって下流へ僅かに運ばれ、紙幣センサ80がこの紙幣6を検出しなくなると、紙幣6の送り出し完了を認識して、モータ66を停止させる(
図24(b))。以上のようにして紙幣取込装置24は遊技球貸機3からの紙幣6を搬送管12内へ送り出す。紙幣取込装置24は紙幣6の送り出しが完了すると、その旨を制御部に通知する。これを受けた制御部は搬送補助体挿入装置21から搬送補助体16を送出させてこの紙幣6を回収する。
【0084】
次に、表面用の紙幣取込装置24Rと裏面用の紙幣取込装置24Lとの相違を説明する。
図25に示すように、紙幣取込装置24Lでは、一対の排出ローラ64より紙幣受入口61が搬送方向Fの上流側にあり、待機部(湾曲通路)62は、搬送方向上流側から下流へと延設され、その終端にある一対の排出ローラ64のうち紙幣受入口61と反対側の排出ローラ64Aからその搬送方向下流側の開口部44まで排出補助ベルト65が張設されていた。
【0085】
これに対して紙幣取込装置24Rでは、一対の排出ローラ64より紙幣受入口61が搬送方向下流側にあり、待機部(湾曲通路)62は、搬送方向下流側から上流へと延設され、その終端にある一対の排出ローラ64のうち紙幣受入口61側の排出ローラ64Aからその搬送方向下流側の開口部44まで排出補助ベルト65が張設される。従って紙幣取込装置24Rでは、排出ローラ64の部分で紙幣6の進路がほぼ反転するほど湾曲される。
【0086】
上記のように待機部62や排出補助ベルト65の配置が相違する以外については紙幣取込装置24Rと紙幣取込装置24Lの構成は同一になっている。
【0087】
紙幣取込装置24Rと紙幣取込装置24Lを使用することで、遊技機島2の表面側の遊技球貸機3からの紙幣受け入れ位置と裏面側の遊技球貸機3からの紙幣受け入れ位置とを近接させることができ、バランス良く遊技機島2の表裏に遊技球貸機3および遊技機4を配列することができる。
【0088】
また、紙幣取込装置24と紙幣取込装置24との間を、適宜の長さに切断した搬送管12で接続して連結するので、表面側の遊技球貸機3と裏面側の遊技球貸機3とが、背面同士をほぼ対向させて配置された場合でも、また位置をずらして配置された場合でも、表面用の紙幣取込装置24Rと裏面用の紙幣取込装置24Lとの間を接続する搬送管12の長さを現場で切断して調整すれば対応することができる。
【0089】
たとえば、
図26(a)は、表面側の遊技球貸機3と裏面側の遊技球貸機3とが、背面同士をほぼ対向させて配置された場合であり、表面用の紙幣取込装置24Rの紙幣受入口61と紙幣取込装置24Lの紙幣受入口61とが搬送方向に位置ずれなく配置されている。この場合は、紙幣取込装置24Rの通路部40の第1の搬送管接続部41(R)と紙幣取込装置24Lの通路部40の第1の搬送管接続部41(L)との間をその距離(L1とする)に合った長さに切断した搬送管12(L1)で接続すればよい。
【0090】
また、同図(b)のように、紙幣取込装置24Rの紙幣受入口61と紙幣取込装置24Lの紙幣受入口61とが、たとえば、8cm位置ずれしているならば、紙幣取込装置24Rの通路部40の第1の搬送管接続部41(R)と紙幣取込装置24Lの通路部40の第1の搬送管接続部41(L)との間をその距離(L2=L1+8cm)に対応する長さに切断した搬送管12(L2)で接続すればよい。同様に同図(c)のように、紙幣取込装置24Rの紙幣受入口61と紙幣取込装置24Lの紙幣受入口61とが16cm位置ずれしているならば、紙幣取込装置24Rの通路部40の第1の搬送管接続部41(R)と紙幣取込装置24Lの通路部40の第1の搬送管接続部41(L)との間をその距離(L3=L1+16cm)に対応する長さに切断した搬送管12(L3)で接続すればよい。
【0091】
このように、現場で搬送管12を切断するだけで、各種設置状況に対応できるので、様々な長さの搬送管12を予め用意する必要がなく、部品管理が効率化される。
【0092】
また、遊技球貸機3からの紙幣受け入れ位置が遊技機島2の端部に接近して、紙幣取込装置24Lを使用できない場合には、
図25の紙幣取込装置24R(a)のように、紙幣取込装置24Rを反転させて設置すれば、対応することができる。
【0093】
このように、表面用の紙幣取込装置24Rと裏面用の紙幣取込装置24Lを用意するだけで多様な設置状況に対応することができる。
【0094】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0095】
実施の形態では、排出補助ベルト65は排出ローラ64の小径部64bに一端側を掛け渡すようにしたが、排出ローラ64Aの近傍に設けた別のプーリに掛け渡すように構成されてもよい。
【0096】
また、排出補助ベルト65は丸ベルトに限定されず、たとえば、平ベルトでもよい。この場合、平ベルトは幅細(たとえば、5ミリ程度)としてもよいし、紙幣6の短辺方向の幅全体を占めるような幅広にされてもよい。幅狭あるいは幅広の平ベルトを使用する場合においても、排出補助ベルトを排出ローラ64に掛け渡すようにしてもよいし、排出ローラ64の近傍に設けた別のプーリに掛け渡すように構成してもよい。排出補助ベルト65の形状や配置は、搬送補助体16の形状に合わせて設定すればよい。すなわち、排出補助ベルト65は、排出ローラ64以降、搬送補助体16の最小径部分に対応する箇所(実施の形態ではガイドレール46の箇所)まで紙幣6を搬送する役割を担うので、排出補助ベルト65の位置や幅、形状は、搬送補助体16の最小径部分の位置や形状に合わせればよい。
【0097】
また、実施の形態では一対の排出ローラ64の2本の回転軸が互いに搬送方向Fと平行に並ぶように配置し、一対の排出ローラ64からの紙幣6の繰り出し方向を搬送方向Fに対しほぼ垂直方向にした。これにより、表面用の紙幣取込装置24Rと裏面用の紙幣取込装置24Lとで排出ローラ64の配置を共通化でき、また平行に並べることで一対の排出ローラを配置するために要する本体部61での厚みを最小にすることができる。なお、一対の排出ローラ64の配置はこれに限定されず、たとえば、排出補助ベルト65やガイド部68の傾斜に沿った方向に紙幣6を繰り出すように、2本の排出ローラ24を斜めにずらして配置してもよい。
【0098】
排出補助ベルト65は排出ローラ64の長手方向に分散して複数本設けられてもよい。たとえば、斜面部70に代えて、第2の排出補助ベルト65を排出ローラ64Aの第2小径部64cに掛け渡して設けるようにしてもよい。
【0099】
また、搬送補助体16の形状は実施の形態で示したものに限定されない。たとえば、断面矩形・多角形などの柱形状としてもよい。また、搬送補助体16をY方向中央部に対して対象な形状にしたが、Y方向に非対称な形状にされてもかまわない。
【0100】
実施の形態では紙葉類として紙幣6を例に説明したが、チケット、カードなど他の種類の紙葉類であってもかまわない。また、紙葉類の形状は長方形に限定されない。また紙葉類搬送装置10は、遊技機島2内に設置されるものに限定されず、たとえば、遊技場内の複数の遊技機島2や管理室などを巡るように構成されてもよい。
【0101】
実施の形態では、紙葉類を1枚のみ搬送する例を
図3等に示したが、搬送管12の途中に複数枚の紙幣6が存在する状態で搬送補助体16を挿入した場合には、それら複数枚の紙幣6を一度に搬送することも可能である。たとえば、搬送管12の復路12cの途中の各紙幣取込装置24の取込完了位置にそれぞれ紙幣6が停留している状態で搬送補助体挿入装置21から搬送補助体16を送り込むと、搬送補助体16が押し動かす紙幣6の枚数が復路12cを進む途中で順に増加し、すべての紙幣6を搬送することができる。このような大きな搬送力は、搬送補助体16が搬送管12の断面をほぼ塞ぐ形状を成していること、またこれにより紙幣6の張り付き吸着が少なくなること、拡張部38の存在により空気流の作用を受ける面積が大きいことなどによって確保される。また、搬送補助体16が変形しない柱状をなしているので、羽などでは実現されない、多数枚の一括搬送を可能にしている。
【0102】
実施の形態では搬送管12の断面を略長方形としたが、円形や楕円形など他の形状にされてもよい。ただし、搬送補助体はその内縁形状に対応した形状で断面のほぼ全体を塞ぐことが好ましい。また、複数のリブを設けて、紙葉類の実質的な通路幅を狭くするとよい。
【0103】
また遊技機島は、実施の形態で例示したパチンコ機と遊技球貸機を収容する構成に限定されず、メダル貸機とスロットマシン等を収容する遊技機島でもかまわない。