【解決手段】センサマグネットホルダ32は、センサマグネットをモータシャフトに固定するために用いられる。センサマグネットホルダ32は、モータシャフトが圧入される圧入部36と、圧入部36の径方向外側に設けられた、センサマグネットを保持する保持部38と、圧入部36と保持部40との間を連結する連結部40と、を有する。連結部40は、少なくとも一部が外力によって撓むように構成されている。
前記連結部は、周方向の異なる位置に第1連結部と第2連結部とを有し、前記第1連結部の前記周方向部と前記第2連結部の前記周方向部とが離間していることを特徴とする請求項2または3に記載のセンサマグネットホルダ。
前記連結部は、周方向の異なる位置に第1連結部と第2連結部とを有し、前記第1連結部の前記周方向部と前記第2連結部の前記周方向部とが繋がっていることを特徴とする請求項2または3に記載のセンサマグネットホルダ。
前記保持部は、前記第1連結部の前記周方向部と前記第2連結部の前記周方向部とが繋がった領域に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のセンサマグネットホルダ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述のセンサマグネットホルダは、圧入部が形成された円筒部から軸方向に突出するようにスナップフィットが形成されているため、軸方向の長さが大きい。当然、センサマグネットホルダを取り付けるために必要なモータシャフトの長さは増大する。そのため、モータの小型化、特にモータシャフトの長さを短くするためには更なる改良が必要である。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、センサマグネットをシャフトに固定するためのセンサマグネットホルダをより小さくする新たな技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のセンサマグネットホルダは、センサマグネットをモータシャフトに固定するために用いられるセンサマグネットホルダであって、モータシャフトが圧入される圧入部と、圧入部の径方向外側に設けられた、センサマグネットを保持する保持部と、圧入部と保持部との間を連結する連結部と、を有する。連結部は、少なくとも一部が外力によって撓むように構成されている。
【0009】
この態様によると、圧入部と保持部とがモータシャフトの軸方向に並んでいないため、センサマグネットホルダの薄型化が可能となる。また、保持部は、連結部が撓むことによってセンサマグネットを安定して保持することができる。また、連結部の構成を工夫することで、保持部が必要以上の力でセンサマグネットを付勢しないようにできる。
【0010】
連結部は、圧入部から径方向外側に向かって延びる径方向部と、径方向部の圧入部と反対側の端部から周方向に延びる周方向部と、を有してもよい。これにより、連結部を軸方向に延ばさずに形成できる。また、モータシャフトの軸方向に延びる連結部を設けた場合と比較して、ホルダを余り厚くすることなく、周方向部を長くできる。なお、各部が延びる方向は必ずしもモータシャフトの軸方向に垂直な方向である必要はなく、多少の傾き(例えば30度未満)があってもよい。
【0011】
周方向部は、径方向部から一方の周方向に延びる第1周方向部と、径方向部から他方の周方向に延びる第2周方向部と、を有してもよい。これにより、一つの連結部に対して複数の保持部を設けることができる。
【0012】
連結部は、周方向の異なる位置に第1連結部と第2連結部とを有し、第1連結部の周方向部と第2連結部の周方向部とが離間していてもよい。これにより、周方向部の一方の端部は自由端となり、各周方向部は片持ちバネとして機能できる。
【0013】
保持部は、周方向部の先端近傍に設けられていてもよい。これにより、保持部の変位量を大きくできる。
【0014】
連結部は、周方向の異なる位置に第1連結部と第2連結部とを有し、第1連結部の周方向部と第2連結部の周方向部とが繋がっていてもよい。これにより、比較的簡易な構成で連結部の一部を撓ませることができる。
【0015】
保持部は、第1連結部の周方向部と第2連結部の周方向部とが繋がった領域に設けられていてもよい。
【0016】
連結部は、周方向に等間隔に2n+1個(nは1以上の整数)設けられていてもよい。これにより、センサマグネットホルダは、センサマグネットをバランス良く保持できる。
【0017】
保持部は、圧入部を挟んで径方向部の反対側に設けられていてもよい。これにより、センサマグネットホルダにおいて、複数の径方向部が一直線になりにくくなる。
【0018】
本発明の他の態様は、マグネット固定構造である。マグネット固定構造は、環状のセンサマグネットと、センサマグネットの中央に装着されたセンサマグネットホルダと、を有している。センサマグネットホルダは、センサマグネットに装着された状態で径方向から見た場合に、圧入部および保持部がセンサマグネットと重畳するように構成されている。これにより、厚みの薄いマグネット固定構造を実現できる。
【0019】
中心にシャフトが固定されているロータと、マグネット固定構造と、を有してもよい。マグネット固定構造は、シャフトが圧入部に圧入されていてもよい。これにより、シャフトが圧入部に挿入された際に発生する力が保持部に伝わりにくくなるため、過大な付勢力によるセンサマグネットの割れを防止できる。
【0020】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、マグネットホルダをより小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施の形態に係る回転検出装置を備えたウォーム減速機付モータの断面図である。
【
図2】
図2(a)は、本実施の形態に係るセンサマグネットホルダの斜視図、
図2(b)は、
図2(a)と異なる方向から見た本実施の形態に係るセンサマグネットホルダの斜視図である。
【
図3】本実施の形態に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【
図4】
図3に示すセンサマグネットホルダのA−A断面図である。
【
図5】
図3に示すセンサマグネットホルダのB−B断面図である。
【
図6】本実施の形態に係るセンサマグネットホルダの背面図である。
【
図7】
図7(a)は、
図3に示すセンサマグネットホルダをC方向から見た側面図、
図7(b)は、
図3に示すセンサマグネットホルダをD方向から見た側面図、
図7(a)は、
図3に示すセンサマグネットホルダをE方向から見た側面図である。
【
図8】
図8(a)は、本実施の形態に係るセンサマグネットの斜視図、
図8(b)は、
図8(a)と異なる方向から見た本実施の形態に係るセンサマグネットの斜視図である。
【
図9】本実施の形態に係るセンサマグネットの正面図である。
【
図10】
図9に示すセンサマグネットホルダのF−F断面図である。
【
図11】本実施の形態に係るセンサマグネットの背面図である。
【
図12】
図12(a)は、本実施の形態に係るマグネット固定構造の斜視図、
図12(b)は、
図12(a)と異なる方向から見た本実施の形態に係るマグネット固定構造の斜視図である。
【
図13】本実施の形態に係るマグネット固定構造の正面図である。
【
図14】
図13に示すマグネット固定構造のG−G断面図である。
【
図15】第1の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【
図16】第2の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【
図17】第3の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【
図18】第4の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【
図19】第5の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【
図20】第6の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【
図21】第7の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【
図22】第8の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【
図23】第9の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【
図24】第10の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0024】
本発明の技術は、ブラシレスモータやウォーム減速機付モータのような、回転速度や回転位置を検出することが求められるあらゆる小型モータに適用することができる。以下では、ウォーム減速機付モータに適用した場合を例として説明する。
【0025】
(減速機付モータ)
図1は、本実施の形態に係る回転検出装置を備えたウォーム減速機付モータの断面図である。減速機付モータ10は、モータ部12および減速機部14とで構成されている。減速機付モータ10は、通常の有ブラシDCモータである。モータ部12は、金属材料により有底中空筒状に形成され、その内周面にマグネットを取り付けたモータケース16と、モータケース16の開口部を閉じるように装着されたエンドベル18とを有している。モータ部12のエンドベル18から外部に延長したモータシャフト20の先端は、減速機ケース22の内部に設けられている軸受24に軸支されている。
【0026】
減速機部14は、延長したモータシャフト20に結合されているウォーム26と、ウォーム26に噛み合うウォームホイール(図示省略)と、ウォームホイールの中心から取り出される出力軸(図示省略)等から構成されている。出力軸は、例えば自動車用パワーウィンド装置に接続されている。
【0027】
回転検出装置28は、回転側に設けられるセンサマグネット30と、固定側に設けられる磁気感応素子(例えば、ホール素子、GMR(Giant Magneto Resistive)素子、図示省略)との組合せによって構成される。例示のホール素子は、減速機ケース22またはエンドベル18に固定されている基板上において、回転するセンサマグネット30に相対するように取り付けられている。回転検出装置28は、ホール素子に電流を供給しかつ信号を取り出すための配線を備えている。そして、回転検出装置28は、モータ回転によるセンサマグネット30とホール素子との相対的移動に基づいて変化する磁束をホール素子で検出し、パルス信号として出力する。これにより、モータの回転速度及び回転位置を検出してそれを制御することが可能になる。
【0028】
(センサマグネットホルダ)
図2(a)は、本実施の形態に係るセンサマグネットホルダの斜視図、
図2(b)は、
図2(a)と異なる方向から見た本実施の形態に係るセンサマグネットホルダの斜視図である。
図3は、本実施の形態に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
図4は、
図3に示すセンサマグネットホルダのA−A断面図である。
図5は、
図3に示すセンサマグネットホルダ32のB−B断面図である。
図6は、本実施の形態に係るセンサマグネットホルダの背面図である。
図7(a)は、
図3に示すセンサマグネットホルダをC方向から見た側面図、
図7(b)は、
図3に示すセンサマグネットホルダをD方向から見た側面図、
図7(a)は、
図3に示すセンサマグネットホルダをE方向から見た側面図である。
【0029】
センサマグネットホルダ32(以下、適宜「ホルダ32」と称する。)は、センサマグネット30をモータシャフト20に固定するために用いる環状の樹脂部材である。ホルダ32は、モータシャフト20が圧入される貫通孔34が形成されている環状の圧入部36と、圧入部36の径方向外側に設けられた、センサマグネット30を保持する保持部38と、圧入部36と保持部38との間を連結する連結部40と、を有する。
【0030】
本実施の形態に係るホルダ32は、3つの連結部40が等間隔(周方向に120°間隔)で設けられている。それぞれの連結部40は、少なくとも一部が外力によって撓むように構成されている。また、貫通孔34は、モータシャフト20の断面形状に対応した円形である。
【0031】
このように構成されたホルダ32は、圧入部36と保持部38とがモータシャフト20の軸方向Axに並んでいないため、ホルダ32の薄型化が可能となる。また、保持部38は、連結部40が撓むことによってセンサマグネット30を安定して保持することができる。また、連結部40の形状や材料を適宜選択することで、保持部38が必要以上の力でセンサマグネット30を付勢しないようにできる。
【0032】
また、連結部40は、
図6に示すように、圧入部36から径方向外側に向かって延びる径方向部42と、径方向部42の圧入部36と反対側の端部から周方向に延びる周方向部44と、を有している。周方向部44は円弧状のアームである。これにより、連結部40を軸方向Axに延ばさずに形成できる。また、モータシャフト20の軸方向Axに延びる連結部40を設けた場合と比較して、ホルダ32を余り厚くすることなく、周方向部44を長くできる。なお、各部が延びる方向は必ずしもモータシャフトの軸方向に垂直な方向である必要はなく、多少の傾き(例えば30度以下)があってもよい。
【0033】
なお、本実施の形態に係る周方向部44は、径方向部42から一方の周方向に延びる第1周方向部44aと、径方向部42から他方の周方向に延びる第2周方向部44bと、を有している。これにより、一つの連結部40に対して複数の保持部38を設けることができる。センサマグネット30を保持する保持部38の数を多くすることで、センサマグネット30を保持するホルダ32のガタや位置ズレを抑制できる。
【0034】
また、連結部40は、周方向の異なる位置に等間隔で第1連結部40aと第2連結部40bと第3連結部40cとを有している。また、第1連結部40aの第1周方向部44aと第2連結部40bの第2周方向部44bとが離間している。同様に、第2連結部40bの第1周方向部44aと第3連結部40cの第2周方向部44bとが離間している。また、第3連結部40cの第1周方向部44aと第1連結部40aの第2周方向部44bとが離間している。これにより、周方向部44の一方の端部は自由端となり、各周方向部は片持ちバネとして機能できる。
【0035】
保持部38は、周方向部44の先端近傍に設けられている。これにより、周方向部44の撓みによって保持部38の変位量を大きくできる。また、保持部38は、
図5に示すように、ホルダ32をセンサマグネット30に装着する際にリング状のセンサマグネット30の内周面に当接するガイド面38aを有する。ガイド面38aは、
図4に示すように、軸方向Axに対して斜めに形成されている。また、保持部38は、センサマグネット30に装着されたホルダ32が抜けないようにする係止部38b(
図5参照)を有する。係止部38bの機能については後述する。
【0036】
上述のように、連結部40は、周方向に等間隔に3個設けられている。これにより、ホルダ32は、センサマグネット30をバランス良く保持できる。また、保持部38は、圧入部36を挟んで径方向部42の反対側に設けられている。これにより、ホルダ32の径方向において、複数の径方向部42が一直線にならない(
図6参照)。なお、連結部40が2n+1個(nは1以上の整数)設けられている場合も同様である。
【0037】
ホルダ32は、センサマグネット30を保持した状態で、センサマグネット30に対して回転することを防止する回転防止部としての凸部46が一つ形成されている。凸部46は、ホルダ32の外周部であって、連結部40の径方向部42の延長上に設けられている。凸部46は3つの連結部40のそれぞれに設けられていてもよい。
【0038】
(センサマグネット)
図8(a)は、本実施の形態に係るセンサマグネット30の斜視図、
図8(b)は、
図8(a)と異なる方向から見た本実施の形態に係るセンサマグネット30の斜視図である。
図9は、本実施の形態に係るセンサマグネット30の正面図である。
図10は、
図9に示すセンサマグネットホルダのF−F断面図である。
図11は、本実施の形態に係るセンサマグネット30の背面図である。
【0039】
センサマグネット30は、例えばフェライト系の樹脂マグネットであり、所望の形状となるように一体成形されたものである。具体的には、センサマグネット30は、中央にホルダ32が装着される空間が形成された環状の部品であり、外周面にN極とS極とが交互に形成されている。
【0040】
センサマグネット30は、
図8(a)に示すように、内周部30aの一方の端面30bに近い縁部に3つの突き当て部48が形成されている。突き当て部48は、内周部30aから中心に向かって突出した円弧状の部分であり、ホルダ32の一部が当接することでホルダ32とセンサマグネット30との軸方向の相対的な位置決めがなされる。
【0041】
また、センサマグネット30は、
図8(b)に示すように、内周部30aの他方の端面30cに近い縁部に3つの抜け止め部50が形成されている。抜け止め部50は、内周部30aから中心に向かって突出した円弧状の部分であり、装着されたホルダ32の保持部38の係止部38bが係止されることでホルダ32がセンサマグネット30から脱落することを防止する。
【0042】
3つの突き当て部48は、ほぼ等間隔に形成されており、軸方向Axを中心として周方向に120°間隔で配置されている。また、3つの抜け止め部50は、ほぼ等間隔に形成されており、軸方向Axを中心として周方向に120°間隔で配置されている。更に、突き当て部48および抜け止め部50は、
図11に示すように、軸方向Axから見て重ならないように配置されている。
【0043】
センサマグネット30は、
図8(b)に示すように、装着されたホルダ32がセンサマグネット30に対して回転しないように、内周部30aに凹溝52が形成されている。凹溝52は、センサマグネット30の他方の端面30cから突き当て部48に向かって形成されている。
【0044】
(マグネット固定構造)
図12(a)は、本実施の形態に係るマグネット固定構造の斜視図、
図12(b)は、
図12(a)と異なる方向から見た本実施の形態に係るマグネット固定構造の斜視図である。
図13は、本実施の形態に係るマグネット固定構造の正面図である。
図14は、
図13に示すマグネット固定構造のG−G断面図である。
【0045】
本実施の形態に係るマグネット固定構造100は、環状のセンサマグネット30と、センサマグネット30の中央に装着されたホルダ32と、を有している。ホルダ32は、センサマグネット30の他方の端面30c側から装着する。その際、
図12(b)に示すように、ホルダ32の凸部46の位置を凹溝52に合わせて挿入することで、ホルダ32が位置決めされ、ホルダ32がセンサマグネット30に対して回転することが防止される。
【0046】
また、ホルダ32を装着する際には、保持部38のガイド面38aが抜け止め部50に当接することで周方向部44がホルダ32の中心に向かって撓む。その後、保持部38のガイド面38aが抜け止め部50を乗り越え、抜け止め部50が保持部38を付勢する力が減少すると、弾性力によって周方向部44の撓みが回復し、保持部38がセンサマグネット30の内周部30aを付勢しながらセンサマグネット30全体を保持することになる。なお、ホルダ32を装着した状態では、係止部38bが抜け止め部50を乗り越えているので、ホルダ32がセンサマグネット30から脱落することを防止できる。
【0047】
なお、本実施の形態に係るホルダ32は、センサマグネット30に装着された状態で径方向から見た場合(
図14参照)に、圧入部36および保持部38がセンサマグネット30と重畳するように構成されている。これにより、厚みの薄いマグネット固定構造100を実現できる。また、ホルダ32は、径方向から見た場合に、圧入部36および保持部38が互いに重畳するように構成されている。これにより、厚みの薄いホルダ32を実現できる。より好ましくは、ホルダ32は、径方向から見た場合に、圧入部36、連結部40および保持部38が互いに一部または全部が重畳するように構成されているとよい。
【0048】
また、本実施の形態に係る減速機付モータ10は、中心にモータシャフト20が固定されているロータと、マグネット固定構造100と、を有している。マグネット固定構造100は、モータシャフト20が圧入部36に圧入されている(
図14参照)。これにより、モータシャフト20が圧入部36に挿入された際に発生する力が保持部38に伝わりにくくなるため、過大な付勢力によるセンサマグネット30の割れを防止できる。
【0049】
(変形例)
以下では、センサマグネットホルダの各変形例について説明するが、特徴部分を主として説明し、上述の実施の形態と同様の構成については説明を適宜省略する。
図15は、第1の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
図16は、第2の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。
【0050】
ホルダ60は、モータシャフト20が挿入される圧入部62と、圧入部62の径方向外側に設けられた、センサマグネット30を保持する保持部64と、圧入部62と保持部64との間を連結する連結部66と、を有する。連結部66は、少なくとも一部が外力によって撓むように構成されている。
【0051】
ホルダ60の連結部66は、周方向の異なる位置に第1連結部66aと第2連結部66bとを有し、第1連結部66aの周方向部68と第2連結部66bの周方向部68とが繋がっている。これにより、比較的簡易な構成で連結部66の一部を撓ませることができる。また、保持部64は、第1連結部66aの周方向部68と第2連結部66bの周方向部68とが繋がった領域に設けられている。なお、
図16に示すセンサマグネットホルダ70のように、各連結部66の周方向部68が離間していてもよい。この場合、保持部72は各周方向部68の先端部に設けられていてもよい。
【0052】
図17は、第3の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。ホルダ74は、外側環状部と内側環状部がある二重の環状構造であり、内側環状部が圧入部76に相当し、外側環状部の一部に保持部78が形成されている。保持部78は、折り返した蛇腹形状であり、厚みや折り返し回数を適宜選択することで、センサマグネット30に対して適切な付勢力で保持する。
【0053】
図18は、第4の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。ホルダ80は、外周部が円環状ではなく、多角形(八角形)である。そして、保持部82は、多角形の各頂点となる。
【0054】
図19は、第5の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。ホルダ84は、圧入部86と保持部88とを連結する連結部90を有する。そして、連結部90は、径方向部92が撓むように構成されている。
【0055】
図20は、第6の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。ホルダ94は、圧入部96から外に向かって渦巻状の複数のアーム98が形成されている。そして、アーム98の先端が保持部となる。アーム98は、カーブしているため比較的少ない力で撓むので、ホルダ94は、センサマグネット30を軽い力で付勢しながら保持できる。
【0056】
図21は、第7の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。ホルダ110は、圧入部96から外に向かって放射状に複数のアーム112が形成されている。アーム112は、直線状であるため撓ませるには比較的大きな力が必要となる。換言すると、ホルダ110は、センサマグネット30を確実に保持できる。
【0057】
図22は、第8の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。ホルダ114は、圧入部96の外周部に変形可能な形状の4つの連結部116が設けられている。連結部116は、四角の枠で構成されており、枠全体が変形することで撓む。また、連結部116の一つの頂点が保持部117として機能する。
図23は、第9の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。ホルダ118は、円形の枠で構成された保持部120が3つ設けられている。
【0058】
図24は、第10の変形例に係るセンサマグネットホルダの正面図である。ホルダ122は、
図19に示したホルダ84の複数の保持部88が環状に繋がったものである。隣接する保持部88の間の周方向部124は撓むように構成されている。
【0059】
上述のホルダは、圧入部、連結部および保持部が一体成形されているが、複数の部材を組み合わせて構成してもよい。ホルダの材質は、例えば、ガラス入りナイロンであるが、その他の樹脂、ゴム、エラストマ等で構成されていてもよい。また、ホルダ32の貫通孔34は円形に限らず、四角形や六角形等の多角形(非円形)であってもよい。
【0060】
以上、本発明を上述の実施の形態や各変形例を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態や各変形例に限定されるものではなく、実施の形態や各変形例の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態や変形例における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態や変形例に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。