特開2016-154523(P2016-154523A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2016-154523すり抜け防止・引っ張り抑制犬用胴輪
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-154523(P2016-154523A)
(43)【公開日】2016年9月1日
(54)【発明の名称】すり抜け防止・引っ張り抑制犬用胴輪
(51)【国際特許分類】
   A01K 27/00 20060101AFI20160805BHJP
【FI】
   A01K27/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-50002(P2015-50002)
(22)【出願日】2015年2月23日
(71)【出願人】
【識別番号】515068889
【氏名又は名称】岡田 縁
(72)【発明者】
【氏名】岡田 縁
(57)【要約】      (修正有)
【課題】散歩中の犬のすり抜け防止機能と引っ張り抑制機能を併せ持った犬用胴輪の提供。
【解決手段】腹部ベルト3の両端には2本の胸部ベルト2の一端がそれぞれ結合し、2本の背部ベルト1の一端がそれぞれ結合しており、更に2本の背部ベルト1の他端には環状引き綱結合部4が結合され、胸部ベルト2の他端にも環状引き綱結合部4が結合する。引き綱と胴輪を結合する箇所を本体から分離させて輪状にしたことで、すり抜けと引っ張りを防止する効果があり、胴輪本体にクッション部を接合させると、引っ張りによる負荷を軽減し、且つ、サイズ調整が可能なため量産にも対応した犬用胴輪を得ることができる。
【選択図】図1−1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
散歩中における犬のすり抜けを防止する犬用胴輪。
【請求項2】
犬の引っ張りを抑制し、安全かつ適正な方法で犬に散歩トレーニングを指導できる犬用胴輪。
【請求項3】
犬の身体に負荷が加わっても、クッション部が負荷を軽減し摩擦による怪我の防止や被毛の損傷を防ぐことが出来る犬用胴輪。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、散歩中の犬のすり抜け防止機能と引っ張り抑制機能を併せ持ち、且つ犬の身体に負担の少ない犬用胴輪に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の犬用胴輪は、着用中の犬の抵抗や体勢により胴輪と犬の体に隙間が生じて、犬が容易にすり抜けられる構造である。また、引っ張り抑制機能の犬用胴輪は、着用している犬の身体に負担をかけ、摩擦による被毛の擦り切れや皮膚の怪我に繋がるものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術によれば、犬の脱走や怪我等の事故で、飼育者も犬もお互いに負担になることがあった。この発明により、それらを大幅に軽減し、安全で快適な使用感を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一発明は、胴輪と引き綱を結合する箇所にある。従来の胴輪は本体と一体となって引き綱との結合部が取り付けられている。そのため、引き綱を引っ張ると犬の身体と胴輪に隙間が生じて、そこから犬の体がすり抜けられる構造になっている。
【0005】
しかし、この発明は図2で示すように胴輪本体と引き綱結合箇所が一体となっておらず、引っ張り箇所が輪状になっている。
【0006】
この環状引き綱結合部を背部ベルトに施した場合、図3の符号5、符号6の矢印で示すように、環状引き綱結合箇所が引っ張られ、変形することにより胴輪本体が収縮する。
【0007】
即ち、図4の符号5、符号6が示す矢印方向に力が加わる。胴輪本体の収縮により、図5の符号5、符号6で示すように犬の身体の脇部分が締め付けられ、すり抜けを防止する。前進しようとすれば、胸部ベルトにより固定され、後退或いは左右へ移動しようとすれば前脚付け根部分が腹部ベルトに引っ掛かり、外すことが出来なくなる。
【0008】
或いは、この環状引き綱結合部を胸部ベルトに施した場合、図6の符号5、符号6で示すように前脚付根上が収縮することで前進出来なくなり、従来の引っ張り防止胴輪と同様の効果が得られる。
【0009】
この場合でも、犬の身体と胴環の隙間が無くなるため、犬が強く引き、後退や左右へ移動しても、腹部ベルトが前脚付根に引っ掛り、この胴環が犬の身体から外れない構造となる。
【0010】
更に、この構造で犬の身体への負担を軽減するために、本発明による犬用胴輪は、図7−1、図7−2のように胴輪本体にクッション部を接合することも可能である。
【0011】
環状引き綱結合部が強く引っ張られた際には、過度の力が犬の前脚付け根脇部分に加わることになるが、図8−1、図8−2で示すようにクッション部がその力を吸収し、且つ、本体素材が犬に直接触れないため、従来の一般に普及している胴環や、引っ張り抑制胴輪使用における摩擦による怪我を防止することが出来る。
【0012】
この環状引き綱結合部の引っ張りによって、胴輪本体の収縮と同時にクッション部も共に収縮するので、図9で示すように犬の身体と胴輪の隙間が埋り密着することで、胴輪本体のみの場合よりも、更にすり抜け防止効果が高まる。
【0013】
このクッション部は胴輪本体に完全に密着して縫合されているのではなく、図10で示すように胴輪本体から独立した構造になっているため、胴輪本体のサイズ調整にも容易に適応する。
【0014】
この発明による胴輪は、この環状引き綱結合部を1本の胴輪に背部ベルトと胸部ベルトの2箇所に取り付けるか、或いは1箇所にのみ取り付けて、その部分を背部ベルトとするか胸部ベルトとするかを、希望する用途により装着場所を変えて使用し、同様の効果を得るかの2通りの使用方法がある。
【0015】
1本の胴輪本体に2箇所の結合部を取り付けたものが図1−1、図1−2になる。この場合、引き綱の結合箇所を変えるだけで、装着し直す手間無く、引き綱接合箇所を選択するだけで、高いすり抜け防止効果と引っ張り抑制効果を得ることが出来る。
【0016】
また、引っ張り抑制効果を求めるか、より高いすり抜け防止効果を求めるかの目的に応じ、結合部を1本の胴輪本体に1箇所のみに取り付け、この部分を背部ベルトとするか胸部ベルトとするかを選択して使用するとなれば、胴輪本体を図10−1、図10−2のように、より簡素な構造にする事もできる。
【発明の効果】
【0017】
以上の説明により、本発明においては、次に列挙する効果が得られる。
【0018】
(1)散歩中、犬の体が胴輪からのすり抜ける事が防止できる。
【0019】
(2)散歩中、犬の引っ張り抑制が安全且つ適正な方法で行われるため、トレーニング用胴輪として有効である。
【0020】
(3)胴輪を強く引いても、クッション部を接合することにより、犬の身体への負担を大幅に軽減し、怪我や被毛の損傷を防ぐことが出来る。
【0021】
(4)構造が簡潔でサイズ調整が可能なので、犬の成長や体型の変化に対応する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1-1】 本発明の全体像を表した左斜視図
図1-2】 本発明の全体像を表した右斜視図
図2】 胴輪本体と環状引き綱結合部との取り合いを記載した詳細図
図3】 環状の引き綱結合部を引っ張った時の力の伝わり方と形状の変化
図4】 正面から見た環状引き綱結合部を引っ張った状態での加圧の方向と胴輪の収縮の説明図
図5】 犬の体に装着した際、環状引き綱結合部を引っ張った時の力の方向を示す側面図
図6】 環状引き綱結合部を胸部ベルトに施した場合の引っ張り抑制効果を表した図
図7-1】 クッション部付本発明品の全体像を表した左斜視図
図7-2】 クッション部付本発明品の全体像を表した右斜視図
図8-1】 胸部ベルトの環状引き綱結合部を引いた時に加圧される前脚付根部分を示した図
図8-2】 本発明品のクッション部が引っ張りによる負担を軽減していること表す部分図
図9-1】 本体の収縮に伴うクッション部の収縮を表す図
図9-2】 本体の収縮に伴うクッション部の収縮を表す図
図10】 胴輪本体とクッション部の此処の接合方法説明図
図11-1】 本発明品の環状引き綱結合部を背部ベルトとした場合の斜視図
図11-2】 クッション部付本発明品の環状引き綱結合部を背部ベルトとした場合の斜視図
図12-1】 本発明品の環状引き綱結合部を胸部ベルトとした場合の斜視図
図12-2】 クッション部付本発明品の環状引き綱結合部を胸部ベルトとした場合の斜視図
【符号の簡単な説明】
[符号1] 背部ベルト
[符号2] 胸部ベルト
[符号3] 腹部ベルト
[符号4] 環状引き綱結合部
[符号5] 環状引き綱結合部が引っ張られることにより変形する方向
[符号6] 引き綱結合部の変形により胴輪本体が収縮する方向
[符号7] クッション部
[符号8] 図8−2を示す部分
[符号9] 犬の前脚
[符号10] 犬の腹部
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、犬以外の家畜哺乳動物の移動に応用できる。
図1-1】
図1-2】
図2
図3
図4
図5
図6
図7-1】
図7-2】
図8-1】
図8-2】
図9
図10
図11-1】
図11-2】
図12-1】
図12-2】
【手続補正書】
【提出日】2015年4月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
図1-1】 本発明の全体像を表した左斜視図
図1-2】 本発明の全体像を表した右斜視図
図2】 胴輪本体と環状引き綱結合部との取り合いを記載した詳細図
図3】 環状の引き綱結合部を引っ張った時の力の伝わり方と形状の変化
図4】 正面から見た環状引き綱結合部を引っ張った状態での加圧の方向と胴輪の収縮の説明図
図5】 犬の体に装着した際、環状引き綱結合部を引っ張った時の力の方向を示す側面図
図6】 環状引き綱結合部を胸部ベルトに施した場合の引っ張り抑制効果を表した図
図7-1】 クッション部付本発明品の全体像を表した左斜視図
図7-2】 クッション部付本発明品の全体像を表した右斜視図
図8-1】 胸部ベルトの環状引き綱結合部を引いた時に加圧される前脚付根部分を示した図
図8-2】 本発明品のクッション部が引っ張りによる負担を軽減していること表す部分図
図9】 本体の収縮に伴うクッション部の収縮を表す図
図10】 胴輪本体とクッション部の此処の接合方法説明図
図11-1】 本発明品の環状引き綱結合部を背部ベルトとした場合の斜視図
図11-2】 クッション部付本発明品の環状引き綱結合部を背部ベルトとした場合の斜視図
図12-1】 本発明品の環状引き綱結合部を胸部ベルトとした場合の斜視図
図12-2】 クッション部付本発明品の環状引き綱結合部を胸部ベルトとした場合の斜視図