(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-15460(P2016-15460A)
(43)【公開日】2016年1月28日
(54)【発明の名称】電子部品固定用キャリアプレート及び電子部品の外部電極の形成方法
(51)【国際特許分類】
H01G 13/00 20130101AFI20151228BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20151228BHJP
H01G 4/12 20060101ALI20151228BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20151228BHJP
【FI】
H01G13/00 331D
H01G13/00 331A
H01G4/30 311D
H01G4/12 364
H01F17/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-180025(P2014-180025)
(22)【出願日】2014年9月4日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0082593
(32)【優先日】2014年7月2日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】カク・ジュン・ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ソン・ミ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ド・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム・チャン・フン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E070
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC04
5E001AD04
5E001AF06
5E001AH01
5E001AH06
5E001AH09
5E001AJ03
5E070AB02
5E070CB04
5E070EA01
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC38
5E082BC39
5E082BC40
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE26
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082FG54
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG28
5E082GG30
5E082JJ02
5E082JJ06
5E082LL03
5E082MM13
5E082MM15
5E082MM40
5E082PP09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電子部品が収容ホールに収容されても固定部の表面上昇によるキャリアプレートの歪み現象を防止することができる電子部品固定用キャリアプレート及びそれを用いた電子部品の外部電極の形成方法を提供する。
【解決手段】電子部品固定用キャリアプレートは、ベースプレート2と、ベースプレート2の内側に配置され、弾性復元力で電子部品を収容できる収容ホール4を有する固定部3と、を含み、固定部3の表面には彫り込み溝5が配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートと、
前記ベースプレートの内側に配置され、弾性復元力で電子部品を収容できる収容ホールを有する固定部と、
を含み、
前記固定部の表面には彫り込み溝が配置される、電子部品固定用キャリアプレート。
【請求項2】
前記彫り込み溝の幅は前記固定部の幅の1/3以下である、請求項1に記載の電子部品固定用キャリアプレート。
【請求項3】
前記彫り込み溝の深さは前記彫り込み溝の幅の1/2以下である、請求項2に記載の電子部品固定用キャリアプレート。
【請求項4】
前記彫り込み溝は、多角形、半円形及び半楕円形のいずれか一つの形状である、請求項1に記載の電子部品固定用キャリアプレート。
【請求項5】
前記彫り込み溝の中心は、前記収容ホールに収容される電子部品間の間隔の1/2地点に位置する、請求項1に記載の電子部品固定用キャリアプレート。
【請求項6】
前記固定部は弾性体である、請求項1に記載の電子部品固定用キャリアプレート。
【請求項7】
前記ベースプレートは、アルミニウム(Al)又はプラスチック材質からなる、請求項1に記載の電子部品固定用キャリアプレート。
【請求項8】
ベースプレートと、前記ベースプレートの内側に配置され、弾性復元力で電子部品を収容できる収容ホールを有する固定部と、を含み、前記固定部の表面には彫り込み溝が配置された電子部品固定用キャリアプレートを設ける段階と、
前記収容ホールに前記電子部品を挿入する段階と、
前記電子部品の露出した一面に外部電極用ペーストを塗布して外部電極を形成する段階と、
を含む、電子部品の外部電極の形成方法。
【請求項9】
前記彫り込み溝の幅は前記固定部の幅の1/3以下である、請求項8に記載の電子部品の外部電極の形成方法。
【請求項10】
前記彫り込み溝の深さは前記彫り込み溝の幅の1/2以下である、請求項9に記載の電子部品の外部電極の形成方法。
【請求項11】
前記彫り込み溝は、多角形、半円形及び半楕円形のいずれか一つの形状である、請求項8に記載の電子部品の外部電極の形成方法。
【請求項12】
前記彫り込み溝の中心は、前記収容ホールに収容される電子部品間の間隔の1/2地点に位置する、請求項8に記載の電子部品の外部電極の形成方法。
【請求項13】
前記固定部は弾性体である、請求項8に記載の電子部品の外部電極の形成方法。
【請求項14】
前記ベースプレートは、アルミニウム(Al)又はプラスチック材質からなる、請求項8に記載の電子部品の外部電極の形成方法。
【請求項15】
前記電子部品の露出した一面に外部電極用ペーストを塗布して外部電極を形成する段階の後に、前記電子部品の他面が露出するように前記電子部品を逆にして前記収容ホールに挿入した後に前記他面に外部電極用ペーストを塗布して外部電極を形成する段階をさらに含む、請求項8に記載の電子部品の外部電極の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品固定用キャリアプレート及び電子部品の外部電極の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近来では、携帯電話、タブレット、カメラ等の携帯装置の超小型化及び超軽量化が進められている。
【0003】
このような携帯装置には、多様な部品が用いられ、特に、多数のキャパシタ、インダクタ等が用いられている。
【0004】
超小型及び超高容量のために、積層セラミック電子部品では、内部電極の面積を広げて積層数を増加させることにより電気的特性を確保する。
【0005】
特に、チップ全体のサイズを同一に維持し且つ印刷回路基板(PCB)に実装するために形成される外部電極の厚さを減少させる場合、減少した外部電極の厚さ分だけ内部電極の積層数を増加させることができるため、積層セラミックキャパシタ等の積層セラミック電子部品の容量設計に有利である。
【0006】
従来の積層セラミック電子部品は、セラミック誘電体粉末を用いて形成される誘電体層、上記誘電体層に内部電極ペーストを用いて形成される内部電極を含み、上記誘電体層を積層して積層体を形成する構造を有する。
【0007】
具体的には、上記誘電体層は、セラミック誘電体粉末、有機バインダー及び有機溶剤等を混合して製造されたスラリーをシート状に成形して形成される。
【0008】
上記内部電極の形成に用いられる内部電極ペーストは、ニッケル等の金属粉末を有機バインダー及び有機溶剤等に分散させて製造される。
【0009】
上記積層体を圧着、焼成及び切断してチップ状にする。
【0010】
上記チップにおいて内部電極の露出した両端面と一部の側面に外部電極が設置され、この外部電極は一般に銅(Cu)を用いて形成される。
【0011】
通常、外部電極を形成するために導電粉末として銅(Cu)粉末を用い、上記銅粉末にガラスフリット(frit)、ベース樹脂及び有機溶剤で用いられる有機ビヒクルを混合して外部電極用導電性ペーストを製造する。
【0012】
上記外部電極用導電性ペーストをチップの端面に塗布した後に上記チップを焼成して外部電極を形成する。
【0013】
セラミックチップに外部電極を形成する場合、多数のセラミックチップに外部電極を形成するために一定間隔のキャリアプレートにセラミックチップを固定させて外部電極を形成する。
【0014】
上記外部電極形成方式としては、通常、一定サイズのアルミニウムフレームに多数のホール(hole)を形成し、直方体状のセラミックチップの対角線の長さより小さいホールにシリコーンをコーティングした後にセラミックチップを挿入するときに生じる締め付け力によって上記チップを固定する方式である締め付け力固定方式がある。
【0015】
このようなシリコーンの締め付け力を用いて製品を固定する方式を用いる場合、限定されたフレーム空間に製品が挿入される瞬間から上記キャリアプレートの各ホールにコーティングされたシリコーンの変形現象が発生してフレーム内で歪みが発生し、製品のそれぞれの位置が変わる可能性がある。
【0016】
上記のような現象によって、外部電極の塗布厚さ及び側面バンドの長さのばらつきが増加する可能性がある。
【0017】
よって、電子部品の外部電極形成工程で外部電極の塗布厚さ及び側面バンドの長さのばらつきを減らす研究が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2005‐150418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、電子部品固定用キャリアプレート及び電子部品の外部電極の形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一実施形態によれば、ベースプレートと、上記ベースプレートの内側に配置され、弾性復元力で電子部品を収容できる収容ホールを有する固定部と、を含み、上記固定部の表面には彫り込み溝が配置される電子部品固定用キャリアプレートが提供される。
【0021】
本発明の一実施形態において、上記彫り込み溝の幅は上記固定部の幅の1/3以下であれば良く、上記彫り込み溝の深さは上記彫り込み溝の幅の1/2以下であれば良い。
【0022】
本発明の他の実施形態によれば、ベースプレートと、上記ベースプレートの内側に配置され、弾性復元力で電子部品を収容できる収容ホールを有する固定部と、を含み、上記固定部の表面には彫り込み溝が配置された電子部品固定用キャリアプレートを設ける段階と、上記収容ホールに上記電子部品を挿入する段階と、上記電子部品の露出した一面に外部電極用ペーストを塗布して外部電極を形成する段階と、を含む電子部品の外部電極の形成方法が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施形態による電子部品固定用キャリアプレートは固定部の表面に彫り込み溝が配置されているため、電子部品が収容ホールに収容されても固定部の表面上昇によるキャリアプレートの歪み現象を防止することができる。
【0024】
また、上記のようにキャリアプレートの歪み現象を防止することができるため、電子部品の外部電極形成時に外部電極の塗布厚さ及び側面バンドの長さのばらつきを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態による電子部品固定用キャリアプレートを概略的に示す斜視図である。
【
図2】電子部品が収容ホールに挿入された
図1のA‐A’線に沿う断面図である。
【
図4】本発明の他の実施形態による電子部品の外部電極の形成方法の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による電子部品固定用キャリアプレートを概略的に示す斜視図である。
【0028】
図2は、電子部品が収容ホールに挿入された
図1のA‐A’線に沿う断面図である。
【0029】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態による電子部品固定用キャリアプレート1は、ベースプレート2と、上記ベースプレート2の内側に配置され、弾性復元力で電子部品10を収容できる収容ホール4を有する固定部3と、を含み、上記固定部の表面には彫り込み溝5が配置される。
【0030】
通常、電子部品の外部電極形成方式としては、一定サイズのアルミニウムフレームに多数のホール(hole)を形成し、六面体状のセラミックチップの対角線の長さより小さいホールにシリコーンをコーティングした後にセラミックチップを挿入するときに生じる締め付け力によって上記チップを固定する方式である締め付け力固定方式を用いる。
【0031】
このようなシリコーンの締め付け力を用いて製品を固定する方式を用いる場合、限定されたフレーム空間に製品が挿入される瞬間から上記キャリアプレートの各ホールにコーティングされたシリコーンの変形現象が発生してフレーム内で歪みが発生し、製品のそれぞれの位置が変わる可能性がある。
【0032】
上記のような現象によって、外部電極の塗布厚さ及び側面バンドの長さのばらつきが増加する可能性がある。
【0033】
しかしながら、本発明の一実施形態によれば、電子部品固定用キャリアプレート1が、ベースプレート2と、上記ベースプレート2の内側に配置され、弾性復元力で電子部品10を収容できる収容ホール4を有する固定部3と、を含み、上記固定部の表面には彫り込み溝5が配置されるため、電子部品10の外部電極形成工程で外部電極の塗布厚さ及び側面バンドの長さのばらつきを減らすことができる。
【0034】
以下、
図1及び
図2を参照して、本発明の一実施形態による電子部品固定用キャリアプレート1についてより詳細に説明する。
【0035】
上記ベースプレート2は、後述するように、電子部品10の外部電極形成のために上記電子部品10を収容するための多数の収容ホール4を有し、弾性体からなる固定部3を支持する役割をする。
【0036】
上記ベースプレート2は、その形状に特に制限はなく、例えば、正方形又は長方形であれば良い。
【0037】
また、上記ベースプレート2は、アルミニウム(Al)又はプラスチック材質で製作されることができるが、これに限定されない。
【0038】
一方、上記固定部3は、その材質が弾性体で、電子部品10を収容できる材質であれば特に制限されず、例えば、シリコーン材質であれば良い。
【0039】
上記固定部3は、電子部品10の外部電極形成のために上記電子部品10を収容するための多数の収容ホール4を有することができる。
【0040】
上記収容ホール4は、六面体状の電子部品10の対角線の長さより小さいサイズの直径を有することができる。
【0041】
上記固定部3は、弾性体材質からなり、上記電子部品10の対角線の長さより小さいサイズの直径を有する収容ホール4を有するため、上記電子部品10を上記収容ホール4に挿入するときに弾性体の締め付け力によって上記電子部品10を固定させることができる。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、上記固定部3の表面に彫り込み溝5が配置されるため、上記固定部3の各収容ホール4にコーティングされたシリコーンの変形現象を防止し、上記キャリアプレート1が歪む現象を防止することができる。
【0043】
これにより、電子部品10の外部電極形成時に上記外部電極の塗布厚さ及び側面バンドの長さのばらつきを減らすことができる。
【0044】
図3は、
図2のB領域の拡大図である。
【0045】
図3を参照すると、上記彫り込み溝5の幅Wgは上記固定部3の幅Wfの1/3以下であれば良い。
【0046】
上記固定部3の幅Wfは上記固定部3の各収容ホール4に収容されている電子部品10間の間隔でもある。
【0047】
上記彫り込み溝5の幅Wgが上記固定部3の幅Wfの1/3以下に調節されることにより、上記電子部品10を上記固定部3の各収容ホール4に安定的に収容すると共に、上記固定部3の各収容ホール4にコーティングされたシリコーンの変形現象を防止し、上記キャリアプレート1が歪む現象を防止することができる。
【0048】
これにより、後の上記電子部品10の外部電極形成工程で外部電極の塗布厚さ及び側面バンドの長さのばらつきを減らすことができる。
【0049】
上記彫り込み溝5の幅Wgが上記固定部3の幅Wfの1/3を超える場合は、上記彫り込み溝5の幅Wgが大きすぎるため、上記電子部品10を上記固定部3の各収容ホール4に安定的に収容することができない。
【0050】
上記彫り込み溝5の深さDgは上記彫り込み溝5の幅Wgの1/2以下であれば良い。
【0051】
上記彫り込み溝5の深さDgが上記彫り込み溝5の幅Wgの1/2以下となるように調節することにより、上記電子部品10を上記固定部3の各収容ホール4に安定的に収容すると共に、上記固定部3の各収容ホール4にコーティングされたシリコーンの変形現象を防止し、上記キャリアプレート1が歪む現象を防止することができる。
【0052】
上記彫り込み溝5の深さDgが上記彫り込み溝5の幅Wgの1/2を超える場合は、上記彫り込み溝5の深さDgが深すぎるため、上記固定部3の各収容ホール4にコーティングされたシリコーンの変形現象を防止することができない。
【0053】
上記彫り込み溝5は、特に制限されず、例えば、多角形、半円形及び半楕円形のいずれか一つの形状であれば良い。
【0054】
上記電子部品10を上記固定部3の各収容ホール4に安定的に収容すると共に上記固定部3の各収容ホール4にコーティングされたシリコーンの変形現象を防止して上記キャリアプレート1が歪む現象を防止するために、上記彫り込み溝5の形状は半円形又は四角形であるのが良い。
【0055】
一方、本発明の一実施形態によれば、上記彫り込み溝5の中心は、上記収容ホール4に収容される電子部品10間の間隔の1/2地点に位置することができる。
【0056】
上記電子部品10間の間隔の1/2地点は、必ずしも一致する必要はなく、上記電子部品10間の間隔の中間程度の領域を全て含む。
【0057】
上記彫り込み溝5の中心が上記収容ホール4に収容される電子部品10間の間隔の1/2地点に位置することにより、より安定的に上記電子部品10を上記収容ホール4に挿入し、上記キャリアプレート1が歪む現象を防止することができる。
【0058】
これにより、上記電子部品10の外部電極形成工程で外部電極の塗布厚さ及び側面バンドの長さのばらつきを減らすことができる。
【0059】
図4は、本発明の他の実施形態による電子部品の外部電極の形成方法の工程図である。
【0060】
以下、
図4を参照して、本発明の他の実施形態による電子部品の外部電極の形成方法について具体的に説明するが、これに限定されない。
【0061】
本発明の他の実施形態による電子部品の外部電極の形成方法は、まず、ベースプレートと、上記ベースプレートの内側に配置され、弾性復元力で電子部品を収容できる収容ホールを有する固定部と、を含み、上記固定部の表面には彫り込み溝が配置された電子部品固定用キャリアプレートを設けることができる(S1)。
【0062】
上記ベースプレートは、電子部品の外部電極形成のために上記電子部品を収容するための多数の収容ホールを有し弾性体からなる固定部を支持するように上記固定部の側面部に形成されることができる。
【0063】
上記ベースプレートは、その形状に特に制限はなく、例えば、正方形又は長方形であれば良い。
【0064】
また、上記ベースプレートは、アルミニウム(Al)又はプラスチック材質で製作されることができるが、これに限定されない。
【0065】
一方、上記固定部は、その材質が弾性体で、電子部品を収容できる材質であれば特に制限されず、例えば、シリコーン材質であれば良い。
【0066】
上記固定部に電子部品を収容するために、上記電子部品の対角線の長さより小さいサイズの直径を有する多数の収容ホールを形成することができる。
【0067】
上記固定部は、弾性体材質からなり、上記電子部品の対角線の長さより小さいサイズの直径を有する多数の収容ホールを有するため、上記電子部品を上記収容ホールに挿入するときに弾性体の締め付け力によって上記電子部品を固定させることができる。
【0068】
本発明の一実施形態によれば、上記固定部の表面に彫り込み溝を形成することができる。
【0069】
上記彫り込み溝の幅Wgは上記固定部の幅Wfの1/3以下であれば良い。
【0070】
上記彫り込み溝の深さDgは上記彫り込み溝の幅Wgの1/2以下であれば良い。
【0071】
上記彫り込み溝は、特に制限されず、例えば、多角形、半円形及び半楕円形のいずれか一つの形状であれば良い。
【0072】
次に、上記収容ホールに上記電子部品を挿入する段階を行うことができる(S2)。
【0073】
次に、上記電子部品の露出した一面に外部電極用ペーストを塗布して外部電極を形成する段階を行うことができる(S3)。
【0074】
本発明の一実施形態によれば、上記電子部品の露出した一面に外部電極用ペーストを塗布して外部電極を形成する段階(S3)の後に、上記電子部品の他面が露出するように上記電子部品を逆にして上記収容ホールに挿入した後に上記他面に外部電極用ペーストを塗布して外部電極を形成する段階をさらに含むことができる。
【0075】
上記電子部品の両面に外部電極が形成されるため、上記のように一面に外部電極を形成した後に同じ方法で他面にも外部電極を形成することができる。
【0076】
以下、上記電子部品の製造方法及び外部電極の形成方法についてより具体的に説明する。
【0077】
ここでは、上記電子部品のうち、特に、積層セラミックキャパシタについて説明するが、これに限定されない。
【0078】
まず、誘電体層及び上記誘電体層を介して対向して配置される第1及び第2の内部電極を含むセラミック本体を製造する。
【0079】
上記誘電体層は、チタン酸バリウム(BaTiO
3)等のパウダーをセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤と配合してバスケットミル(Basket Mill)を用いて製造されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布し乾燥して数μmの厚さで製造されたセラミックグリーンシートで形成されることができる。
【0080】
上記セラミックグリーンシート上に導電性ペーストをディスペンシング(dispensing)し、スクイージー(squeegee)を一側方向に移動させながら導電性ペーストによる内部電極層を形成することができる。
【0081】
この際、導電性ペーストは、銀(Ag)、鉛(Pb)、白金(Pt)等の貴金属材料及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち一つの物質で形成されるか又は少なくとも2つの物質を混合して形成されることができる。
【0082】
上記内部電極層を形成した後、上記セラミックグリーンシートをキャリアフィルムから分離させ、複数のセラミックグリーンシートを重ねて積層して積層体を形成することができる。
【0083】
上記セラミックグリーンシート積層体を高温及び高圧に圧着させた後、圧着されたセラミックグリーンシート積層体を切断工程により所定のサイズに切断してセラミック本体を製造することができる。
【0084】
上記のように製造されたセラミック本体には、導電性ペーストを用いて形成された内部電極の露出した面が存在する。
【0085】
次に、上記内部電極と電気的に連結されるよう、上記セラミック本体の内部電極の露出した面に第1及び第2の外部電極を形成する。
【0086】
上記外部電極は、上記セラミック本体において内部電極の露出した両端面と一部の側面に形成され、一般に銅(Cu)を用いて形成される。
【0087】
外部電極を形成するために導電粉末として銅(Cu)粉末を用い、上記銅粉末にガラスフリット(frit)、ベース樹脂及び有機溶剤で用いられる有機ビヒクルを混合して外部電極用導電性ペーストを製造する。
【0088】
上記外部電極用導電性ペーストをセラミック本体の両側端部に塗布した後、上記セラミック本体を焼成して外部電極を形成する。
【0089】
上記セラミック本体の両側端部に上記外部電極用導電性ペーストを連続的に塗布するために、本発明の一実施形態による外部電極の形成方法によりセラミック本体をキャリアプレートの収容ホールに挿入して弾性体の締め付け力を用いた方法を用いることができる。
【0090】
即ち、本発明の一実施形態による彫り込み溝が配置された弾性体の固定部を含むキャリアプレートの収容ホールに上記セラミック本体を挿入し、上記セラミック本体の露出した一面に外部電極用ペーストを塗布し乾燥した後、他面を露出させて外部電極ペーストを塗布することにより、電子部品の外部電極を形成することができる。
【0091】
この場合、上記キャリアプレートは彫り込み溝が配置された弾性体の固定部を含むため、電子部品が収容ホールに収容されても固定部の表面上昇によるキャリアプレートの歪み現象を防止することができる。
【0092】
また、上記のようにキャリアプレートの歪み現象を防止することができるため、電子部品の外部電極形成時に外部電極の塗布厚さ及び側面バンドの長さのばらつきを減らすことができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0094】
1 キャリアプレート
2 ベースプレート
3 固定部
4 収容ホール
5 彫り込み溝
10 電子部品