【解決手段】前後方向に伸縮するアーム110、120を後方に伸長させた後に、アームの先端部の爪を第一載置場所に置かれた荷物の後端に当接させてアームを縮めることで、荷物を第一載置場所よりも前方にある第二載置場所に取り込むことのできる移載装置であって、アームの動作を制御するコントローラ108と、アームの先端部近傍に備えられ、荷物を検出することができる検出センサ104と、を備え、コントローラは、(i)荷物を取り込む際に、予め記憶している荷物の前後方向における長さを用いて得られる第一位置において、先端部が停止するようにアームを伸長させ、(ii)第一位置において検出センサの状態が荷物を検出している検出状態であるか否かを判定し、(iii)検出状態であると判定した場合、さらにアームを伸長させる第一補正動作を行う。
前後方向に伸縮するアームを後方に伸長させた後に、前記アームの先端部に備えられた爪を第一載置場所に置かれた荷物の後端に当接させて前記アームを縮めることで、前記荷物を前記第一載置場所よりも前方にある第二載置場所に取り込むことのできる移載装置であって、
前記アームの動作を制御するコントローラと、
前記アームの先端部近傍に備えられ、前記荷物を検出することができる検出センサと、を備え、
前記コントローラは、
(i)前記荷物を前記第二載置場所に取り込む際に、予め記憶している前記荷物の前後方向における長さを用いて得られる第一位置において、前記先端部が停止するように前記アームを伸長させ、
(ii)前記先端部を停止させた前記第一位置において、前記検出センサの状態が、前記荷物を検出している検出状態であるか、前記荷物を検出していない非検出状態であるかを判定し、
(iii)前記検出センサの状態が前記検出状態であると判定した場合、さらに前記アームを伸長させる第一補正動作を行う
移載装置。
前記コントローラは、前記第一補正動作において、前記検出センサの状態が前記検出状態から前記非検出状態に変わるまで前記検出センサの状態を確認し、前記検出センサの状態が前記検出状態から前記非検出状態に変わった時点での前記検出センサの前記前後方向における位置である第二位置から所定間隔以上後方の位置に前記先端部が到達するまで前記アームを伸長させる
請求項1または2に記載の移載装置。
前後方向に伸縮する2本のアームであって、前記前後方向に交差する方向において互いに対向する2本のアームを後方に伸長させた後に、前記2本のアームの先端部に備えられた爪を第一載置場所に置かれた荷物の後端に当接させて前記アームを縮めることで、前記荷物を前記第一載置場所よりも前方にある第二載置場所に取り込むことのできる移載装置であって、
前記2本のアームの動作を制御するコントローラと、
前記2本のアームの先端部近傍に備えられ、前記荷物を検出することができる検出センサと、を備え、
前記コントローラは、
(i)前記荷物を前記第二載置場所に取り込む際に、予め記憶している荷物の前後方向における長さを用いて得られる第一位置において前記先端部が停止するように前記アームを伸長させ、
(ii)前記アームを停止させた前記第一位置において、前記検出センサの状態が、前記荷物を検出している検出状態であるか、前記荷物を検出していない非検出状態であるかを判定し、
(iii)前記検出センサの状態が前記非検出状態であると判定した後において、前記2本のアームの間隔を狭めるクランプ動作を行い、
(iv)前記クランプ動作の開始後に前記検出センサの状態が、前記非検出状態から前記検出状態に変わった場合、第三補正動作を行い、
前記第三補正動作において、前記検出センサの状態が前記検出状態から前記非検出状態に変わった時点での前記検出センサの前記前後方向における位置である第二位置から所定間隔以上後方の位置に前記先端部が到達するまで、または、前記2本のアームの最大伸長長さまで、前記2本のアームを伸長させる
移載装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一態様に係る移載装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0024】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0025】
(実施の形態)
図1は、実施の形態における移載装置の構成概要を示す図である。
【0026】
図1に示す、移載装置100は、載置台130と、載置台130に設けられた検出センサ104、105と、載置台130に設けられた2本のアーム110、120と、2本のアーム110、120のそれぞれの先端部に設けられた爪102と、2本のアーム110、120の動作の制御を行うコントローラ108とを備える。
【0027】
なお、本実施の形態においては、移載装置100は、並行して設置された2本のレールで構成された走行路160を走行する搬送台車150に設置されている。つまり、移載装置100は、搬送台車150が走行路160に沿って移動することで、搬送台車150の前方に配置されたラック(
図1に図示せず)が有する複数の棚のそれぞれに対する荷物の移載を行うことができる。
【0028】
2本のアーム110、120は、前後方向に伸縮することが可能である。また、2本のアーム110、120は、前後方向(Y軸方向)に交差する左右方向(X軸方向)に所定間隔をあけて配置されている。つまり、2本のアーム110、120は、X軸方向において互いに対向している。2本のアーム110、120には、上記の先端部の爪102に加え、後端部の爪103も備えられている。ここで、2本のアーム110、120の先端部とは、2本のアーム110、120の前方(Y軸方向マイナス)側の端部であり、2本のアーム110、120の後端部とは、2本のアーム110、120の後方(Y軸方向プラス)側の端部である。
【0029】
先端部の爪102および後端部の爪103はそれぞれ、Y軸方向に平行な回動軸を中心に回動することで、2本のアーム110、120から出退することができる。
【0030】
また、2本のアーム110、120のそれぞれは、トップ部111、121と、ミドル部112、122と、ベース部113、123とを有し、これらによって、テレスコピック構造が構成されている。つまり、駆動装置(図示せず)によってベース部113、123に対してミドル部112、122を突出するようにスライドさせると、当該動作に連動してトップ部111、121がミドル部112、122に対して突出するようにスライドする。これにより、2本のアーム110、120は全体として伸長する。
【0031】
また、伸長した2本のアーム110、120を縮める場合、駆動装置によって、ベース部113、123に対してミドル部112、122を収めるようにスライドさせると、当該動作に連動してトップ部111、121もミドル部112、122に対して収まるようにスライドする。これにより、伸長した2本のアーム110、120は縮められる。
【0032】
また、2本のアーム110、120の一方は、そのベース部113が載置台130に固定されている固定アーム110であり、他方は、そのベース部123が載置台130に対してX軸方向に移動することが可能な可動アーム120である。固定アーム110のトップ部111には、荷物を取り込む際に行われるクランプ動作において、荷物を当接させるためにガイド部111aが設けられている。ガイド部111aは、トップ部111からX軸方向のプラス側に突出し、トップ部111のY軸方向の長さ全体に亘って形成される突条部である。
【0033】
このように、2本のアーム110、120の伸縮する動作や可動アーム120のX軸方向に移動する動作などは、上記のようにコントローラ108によって制御される。コントローラ108は例えば、情報の入出力を行うインタフェース、並びに、制御プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)およびメモリ等を備えるコンピュータによって実現される。
【0034】
また、コントローラ108は、2本のアーム110、120とともに搬送台車150に備えられていてもよい。また、コントローラ108は、例えば搬送台車150と有線または無線のネットワークを介して接続され、かつ、当該ネットワークを利用した通信を行うことが可能な通信装置を備えていてもよい。
【0035】
検出センサ104、105は、移載装置100が移載する荷物を検出することができる装置であり、例えば光電センサにより実現される。具体的には、検出センサ104は、2本のアーム110、120の先端部近傍に備えられ、検出センサ105は、2本のアーム110、120の後端部近傍に備えられる。なお、先端部近傍とは、先端部を含む位置であり、後端部近傍とは、後端部を含む位置である。
【0036】
コントローラ108は、検出センサ104、105による検出結果に基づいて、2本のアーム110、120の動作の制御を行う。
【0037】
具体的には、コントローラ108は、(i)荷物を、ラック300の棚(第一載置場所)から、搬送台車150の載置台130(第二載置場所)に取り込む際に、予め記憶している荷物の前後方向における長さを用いて得られる第一位置において、先端部が停止するように2本のアーム110、120を伸長させ、(ii)先端部を停止させた第一位置において、検出センサ104の状態が、荷物を検出している検出状態であるか、荷物を検出していない非検出状態であるかを判定し、(iii)検出センサ104の状態が検出状態であると判定した場合、さらに2本のアーム110、120を伸長させる第一補正動作を行う。コントローラ108は、第一補正動作において、検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わるまで検出センサ104の状態を確認し、検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わった時点での検出センサ104の前後方向における位置である第二位置から所定間隔以上後方の位置に先端部が到達するまで2本のアーム110、120を伸長させる。
【0038】
また、コントローラ108は、(i)検出センサ104の状態が非検出状態であると判定した場合、判定の前において検出センサ104が検出状態から非検出状態に変わった時点での検出センサ104の前後方向における位置である第二位置と第一位置との間隔が所定間隔以上であるか否かを判定し、(ii)間隔が所定間隔以上でないと判定した場合、第二位置から所定間隔以上後方の位置に先端部が到達するまで、さらにアームを伸長させる第二補正動作を行う。
【0039】
また、コントローラ108は、(i)検出センサ104の状態が非検出状態であると判定した後において、2本のアーム110、120の間隔を狭めるクランプ動作を行い、(ii)クランプ動作の開始後に検出センサ104の状態が検出状態に変わった場合、2本のアーム110、120を伸長させる第三補正動作を行い、第三補正動作において、検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わった時点での検出センサの前後方向における位置である第二位置から所定間隔以上後方の位置に先端部が到達するまで、2本のアーム110、120を伸長させる。
【0040】
また、コントローラ108は、後述するサイズ区分表および荷物サイズ情報を記憶している記憶部109を備える。また、コントローラ108は、2本のアーム110、120を伸長させた距離、および、2本のアーム110、120を縮めた距離(以下、上記の2つの距離をまとめて「伸縮距離」という)を図示しないエンコーダなどの距離検出部から取得している。なお、コントローラ108は、2本のアーム110、120の伸縮距離を、エンコーダから取得することに限らずに、2本のアーム110、120の伸縮速度と伸縮させた時間とによって算出してもよい。コントローラ108による具体的な制御内容は、
図5〜
図18を用いて後述する。
【0041】
次に、移載装置100の基本的な動作を
図2および
図3A〜
図3Dを用いて説明する。
【0042】
なお、2本のアーム110、120は、伸縮する動作については、ともに同じ動作を行うため、以下、伸縮する動作の説明では、1つのアーム110についてのみ説明する。つまり、2本のアーム110、120は、互いに同じタイミング、および、同じ速度で、同じ方向に伸縮する。
【0043】
図2は、実施の形態における移載装置100がラック300に荷物200を載置する際の動作を示す図である。
【0044】
図2に示すように、アーム110の後端部の爪103が荷物200の方向に突出した状態で、アーム110が伸ばされる。これにより、搬送台車150の載置台130(第二載置場所)上に載置されていた荷物200は、ラック300が備える棚(第一載置場所)まで押し出される。このとき荷物200は、前端(Y軸方向のプラス側の端部)が第一載置場所の第一基準位置Pb1に位置するように押し出される。つまり、移載装置100は、ラック300の第一基準位置Pb1に荷物200の前端が位置するように荷物200を押し出す。ここで、第一基準位置Pb1は、荷物のサイズによらず一定の位置に設定されている。このように、移載装置100では、アーム110に設けられた後端部の爪103を前方に向けて移動させることで、載置台130上の荷物を載置台130の外部の載置場所であるラック300に押し出すことができる。
【0045】
図3A〜
図3Dは、実施の形態における移載装置100が荷物200を取り込む際の動作を示す図である。移載装置100は、
図3Bおよび
図3Cに示すように、荷物200を取り込む際に、荷物200を2本のアーム110、120でクランプすることにより荷物200のX軸方向の位置をそろえるクランプ動作を行う。
【0046】
図3Aに示すように、2本のアーム110、120の先端部の爪102が、荷物200の後端(
図3Aにおける荷物200の下端)より後方に位置する状態まで、2本のアーム110、120が伸長される。
【0047】
次に、
図3Bに示すように、2本のアーム110、120の間隔が狭められるクランプ動作が行われる。より具体的には、可動アーム120は、X軸方向のマイナス側に移動され、荷物200のX軸方向のマイナス側の端部(紙面左側の端部)が固定アーム110のトップ部111に備えられるガイド部111aに当接したときに、可動アーム120の移動が停止される。可動アーム120がX軸方向のマイナス側に移動されているときに、2本のアーム110、120に設けられた先端部の爪102は、互いに内側(荷物200が存在する方向)を向くように回転されることにより、突出される。なお、爪102の突出は、可動アーム120がX軸方向のマイナス側に移動された後に行われてもよい。これにより、荷物200のX軸方向のマイナス側の端部がX軸方向の所定の位置に位置するように、荷物200のX軸方向における位置、および、荷物200の姿勢を整えることができる。
【0048】
次に、
図3Cに示すように、可動アーム120は、荷物200のX軸方向のプラス側の端部との間に隙間が空くように、所定間隔だけX軸方向のプラス側に移動される。これにより、2本のアーム110、120から荷物200には力が付与されていない状態とすることができる。
【0049】
最後に、
図3Dに示すように、
図3Cの状態で、2本のアーム110、120が縮められる。これにより、爪102を荷物200の後端(Y軸方向のマイナス側の端部)に当接させながら荷物200をラック300の棚(第一載置場所)から、搬送台車150の載置台130(第二載置場所)に取り込むことができる。なお、本実施の形態では、移載装置100の前方はY軸方向のマイナス側であり、荷物200の前方はY軸方向のプラス側である。つまり、本実施の形態のように移載装置100の前方のラック300に荷物200が載置されている場合には、荷物200の後方は移載装置100(2本のアーム110、120)の前方である。また、本実施の形態とは逆の、移載装置100の後方のラックに荷物が載置されている場合には、荷物200の後方は移載装置100(2本のアーム110、120)の後方である。要するに、荷物の後方とは、移載装置100から遠ざかる方向である。よって、荷物の後方側の端部である荷物の後端とは、荷物の、移載装置100から遠い方の端部である。
【0050】
なお、このように荷物の後端に爪を引っ掛けて取り込む方式は、リアフック方式とも呼ばれる。
【0051】
移載装置100では、荷物200を押し出す制御を行う場合、上述のように、検出センサ104、105の検出結果を用いてアーム110の動作が制御される。
【0052】
図4は、実施の形態における移載装置100の動作の制御系統に関するブロック図である。
【0053】
移載装置100では、検出センサ104が、取り込み対象の荷物の有無を検出し検出結果をコントローラ108に通知する。具体的には、検出センサ104は、アーム110の伸縮する動作において、常に荷物が存在するか否かを検出しており、検出結果をコントローラ108に通知している。検出センサ104は、例えば、所定のサンプリング周波数に応じて、複数の異なるタイミングで2本のアーム110、120の先端部の間に荷物が存在するか否かを検出しており、荷物が存在することを検出している状態である場合には、荷物を検出している検出状態であることを示す第一検出結果をコントローラ108に通知し、荷物が存在することを検出していない場合には、荷物を検出していない非検出状態であることを示す第二検出結果をコントローラ108に通知する。
【0054】
検出センサ104、105のそれぞれは、具体的には、光を発する投光器と、投光器から発せられた光を検出する受光器とから構成されている。つまり、投光器および受光器は、1台ずつがペアとなっている。投光器は、X軸方向に平行に光を発する。つまり、受光器が対応する投光器から発せられた光を受光していない場合には、当該投光器および当該受光器の間には物体が存在していることを示しており、この場合、コントローラ108に第一検出結果として「Hi」の電気信号が通知される。また、受光器が対応する投光器から発せられた光を受光している場合には、当該投光器および当該受光器の間には物体が存在していないことを示しており、この場合、コントローラ108に第二検出結果として「Lo」の電気信号が通知される。
【0055】
コントローラ108は、検出センサ104、105から通知された検出結果に基づいて、検出センサ104、105の状態が検出状態であるか非検出状態であるかを判定でき、当該判定結果に基づいてアーム110の動作を制御する。
【0056】
このように、実施の形態における移載装置100は、コントローラ108によるアーム110の動作制御に特徴を有している。そこで、コントローラ108によるアーム110の動作制御について
図5〜
図18を用いて具体的に説明する。
【0057】
図5は、実施の形態における移載装置100が荷物をステーション400から取り込む際の荷物のサイズを計測する制御について説明するための図である。
【0058】
図5に示すように、移載装置100では、ステーション400から荷物を取り込む場合、2本のアーム110、120を所定の速度で伸長させる。コントローラ108は、2本のアーム110、120の伸長を行っている間、検出センサ104の検出結果に応じて、ステーション400に載置されている荷物200の前端の位置P11と、後端の位置P12とを検出する。具体的には、コントローラ108は、検出センサ104の状態が非検出状態から検出状態に変わったタイミングにおける当該検出センサ104の位置を位置P11とし、次に、検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わったタイミングにおける当該検出センサ104の位置を位置P12として記憶する。
【0059】
なお、コントローラ108が記憶する位置P11や位置P12などの位置は、移載装置100の所定の基準位置(以下、「第二基準位置」という。)からの距離によって表される。また、同様に第一基準位置Pbの位置も、第二基準位置からの距離によって表される。移載装置100の第二基準位置とは、例えば、2本のアーム110、120が縮んだ状態(伸長していない状態)における、検出センサ104の位置としてもよいし、2本のアーム110、120が最大伸長長さに伸長している状態における、検出センサ104の位置としてもよい。
【0060】
コントローラ108は、取得した前端の位置P11と後端の位置P12との間隔を算出することにより、荷物200の前後方向の長さを取得する。コントローラ108は、記憶部109に予め記憶されているサイズ区分表と、取得した荷物200の前後方向の長さとに基づいて、荷物200のサイズを区分けする。
【0061】
図6は、予め記憶部109に記憶されているサイズ区分表を示す図である。
図7は、記憶部109に記憶される、各荷物のサイズ区分を示す荷物サイズ情報を示す図である。
【0062】
図6に示すように、例えば、サイズA〜サイズEまでの5つのサイズ区分に区分けされている。コントローラ108は、サイズ区分表を用いて、取得した荷物200の前後方向の長さが含まれるサイズ区分を特定し、特定したサイズ区分と荷物200を識別するための荷物IDとを関連付けて、
図7に示すような荷物サイズ情報として、記憶部109に記憶する。
【0063】
なお、各荷物は、所定のサイズ範囲ごとに区分けされたサイズ区分が荷物サイズ情報として記憶されているが、荷物サイズ情報はこれに限らずに、計測された荷物の前後方向の長さの数値が荷物IDと関連付けられて記憶されてもよい。
【0064】
図8は、実施の形態における移載装置100が荷物200を取り込む場合の動作の手順を示すフローチャートである。
【0065】
図8に示すように、移載装置100では、荷物の取り込みが開始された場合、コントローラ108が2本のアーム110、120を伸長させる制御(以下、「伸長制御」という。)を行う(S100:上記
図3A参照)。
【0066】
次に、コントローラ108は、2本のアーム110、120の間隔を狭めるクランプ動作を行わせる制御(以下、「クランプ制御」という。)を行う(S200:上記
図3Bおよび
図3C参照)。
【0067】
最後に、コントローラ108は、2本のアーム110、120を縮める制御を行う(S300:上記
図3D参照)。
【0068】
以下、伸長制御の詳細について、
図9〜
図14を用いて説明する。
【0069】
図9は、実施の形態における移載装置100の伸長制御の手順を示すフローチャートである。
【0070】
図9に示すように、伸長制御では、まず、コントローラ108は、予め記憶している荷物200の前後方向における長さを用いて算出される、前後方向の第一位置において2本のアーム110、120の先端部が停止するように2本のアーム110、120を伸長させる(S110)。予め記憶している荷物200の前後方向における長さは、
図5〜
図7を用いて説明したように、ステーション400から荷物200を取り込んだ際に測定された長さである。第一位置は、記憶されたサイズ区分に応じて特定される長さから求められ、当該サイズ区分に対応するサイズ範囲のうちの最大長さを用いて求められる。第一位置は、例えば、荷物200が
図7におけるID0002である場合には、サイズ区分がサイズDであるので、ラック300の基準位置Pbから700mmに所定間隔d11を加えた距離だけ離れた位置となる。
【0071】
この場合、2本のアーム110、120の先端部とは、爪102を含まないトップ部111、121のY軸方向のマイナス側の端部である。なお、2本のアーム110、120の先端部は、爪102のY軸方向のマイナス側の端部としてもよい。
【0072】
また、ステップS110において、コントローラ108は、2本のアーム110、120の先端部が第一位置P21に向かって最短時間で伸長するように、
図10に示すような速度制御を行っている。
【0073】
図10は、実施の形態における移載装置100の2本のアーム110、120の先端部を第一位置(所定の目標位置)まで伸長させる時に行う速度制御について説明するためのグラフである。
【0074】
図10の(a)は、2本のアーム110、120を、収縮している状態(つまり先端部が位置P1に位置する状態)から、2本のアーム110、120の最大速度である第一速度V1に達するまで加速度a1(>0)で最大加速させ、第一速度V1で移動させ、その後所定の目標位置P2で停止されるように加速度a2(<0)で最大減速させたときの2本のアーム110、120の速度と、先端部の位置との関係を表すグラフである。
【0075】
この場合、コントローラ108は、2本のアーム110、120を、第一速度V1になるまで最大加速させ、第一速度V1で伸長させ、その後所定の目標位置P2で停止されるように最大減速させるため、2本のアーム110、120の先端部が位置P1から目標位置P2に最短時間で達するように制御できる。
【0076】
図10の(b)は、2本のアーム110、120を、収縮している状態(つまり先端部が位置P1に位置する状態)から、加速度a1(>0)で最大加速させ、第一速度V1に達せずに、所定の目標位置P3で停止されるように加速度a2(<0)で最大減速させたときの2本のアーム110、120の速度と、先端部の位置との関係を表すグラフである。つまり、
図10の(b)は、所定の目標位置P3までの距離が短いため最大速度である第一速度V1に加速できない場合を示したグラフである。
【0077】
この場合、コントローラ108は、2本のアーム110、120を、第一速度V1よりも遅い第二速度V2まで加速度a1(>0)で最大加速させ、2本のアーム110、120が第二速度V2に達した直後に目標位置P3で停止されるように加速度a2(<0)で最大減速させるため、2本のアーム110、120の先端部が位置P1から目標位置P3に最短時間で達するように制御できる。
【0078】
つまり、コントローラ108は、2本のアーム110、120を最大加速させることにより伸長させ、かつ、最大減速させることにより目標位置に停止させることで、目標位置に最短時間で停止されるように制御できる。
【0079】
次に、コントローラ108は、2本のアーム110、120の先端部を停止させた第一位置P21において、検出センサ104の状態が荷物を検出している検出状態であるか、荷物を検出していない非検出状態であるかを判定する(S120)。
【0080】
コントローラ108は、ステップS120において、検出センサ104の状態が検出状態であると判定した場合(S120:Yes)、さらに2本のアーム110、120を伸長させる第一補正動作を行う(S130)。第一補正動作の詳細については、後述する。コントローラ108は、第一補正動作を行った後、ステップS100の伸長制御を終了する。
【0081】
図11は、実施の形態における移載装置100の第一補正動作の手順を示すフローチャートである。
【0082】
図11に示すように、第一補正動作では、まず、コントローラ108は、2本のアーム110、120を、第一速度V1よりも遅い第三速度V3で伸長させる制御を開始する(S131)。具体的には、コントローラ108は、この場合において、2本のアーム110、120を伸長させる速度の最大速度が第三速度V3となるように、2本のアーム110、120を伸長させる。
【0083】
次に、コントローラ108は、検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わったか否かを判定する(S132)。
【0084】
次に、コントローラ108は、検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わったと判定した場合(S132:Yes)、荷物200の後端の位置を特定し、特定した後端の位置から所定間隔d11だけ後方(Y軸方向のマイナス側)の位置に2本のアーム110、120の先端部が到達するまで2本のアーム110、120の伸長を行い、先端部が前記位置に到達した後に2本のアーム110、120の伸長を停止する(S133)。つまり、コントローラ108は、2本のアーム110、120の先端部を、荷物200の後端の位置から所定間隔d11だけ後方の位置に位置させる。
【0085】
一方で、コントローラ108は、検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わっていないと判定した場合(S132:No)、ステップS132の判定を繰り返す。つまり、コントローラ108は、検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わるまで、2本のアーム110、120の伸長を継続する。
【0086】
コントローラ108は、2本のアーム110、120の伸長を停止した後、ステップS130の第一補正動作を終了する。
【0087】
図9に戻り、コントローラ108は、ステップS120において、検出センサ104の状態が荷物を検出していないことを示す非検出状態であると判定した場合(S120:No)、ステップS120の判定の前において検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わった時点での検出センサ104の前後方向における位置である第二位置(つまり荷物200の後端位置)と、第一位置との間隔が所定間隔以上であるか否かを判定する(S140)。
【0088】
コントローラ108は、ステップS140において、前記間隔が所定間隔以上であると判定した場合(S140:Yes)、ステップS100の伸長制御を終了する。
【0089】
一方で、コントローラ108は、ステップS140において、前記間隔が所定間隔異常でないと判定した場合(S140:No)、第二補正動作を行う(S150)。コントローラ108は、第二補正動作では、特定した荷物の後端の位置から所定間隔d11だけ離れた位置に2本のアーム110、120の先端部が到達するまで、さらに2本のアーム110、120を伸長させる。
【0090】
以下、実際に行われる伸長制御について、ラック300に載置されている荷物200の位置の状態に応じたケース毎に説明する。
【0091】
図12は、ケース1である場合に行われる、移載装置100の伸長制御について説明するための図である。なお、
図12の(a)は、伸長制御において2本のアーム110、120の先端部が予め記憶されている第一位置P21(後述参照)に位置するように伸長させたときを示す図である。
図12の(b)は、
図12の(a)の可動アーム120の先端部付近の領域(破線枠で示す領域)を拡大した図である。
【0092】
なお、ケース1は、荷物200の後端の位置である第二位置P22が第一位置P21よりも所定間隔d11以上前方(つまり、Y軸方向のプラス側)に位置する場合である。
【0093】
ここで、
図12の(b)では、ステップS120において、検出センサ104の位置に荷物200が位置していないため、「No」と判定され、ステップS140の判定が行われる。そして、ステップS140では、間隔d21が所定間隔d11よりも大きいため、「Yes」と判定され、伸長制御が終了される。つまり、ケース1の場合、コントローラ108は、補正動作を行うことなく伸長制御を終了する。
【0094】
なお、
図12の(b)に示すように、検出センサ104は、2本のアーム110、120の先端部よりもY軸方向のプラス側に間隔d1だけずれた位置に設けられている。所定間隔d11は、間隔d1の大きさに応じて決定されていてもよい。
【0095】
図13は、ケース2である場合に行われる、移載装置100の伸長制御について説明するための図である。なお、
図13の(a)は、
図12の(b)の拡大図に相当する位置における拡大図である。
図13の(b)は、第一補正動作について説明するための図である。
【0096】
なお、ケース2は、荷物200の後端の位置である第二位置P32が第一位置P31よりも後方(つまり、Y軸方向のマイナス側)に位置する場合である。
【0097】
ここで、
図13の(a)では、ステップS120において、検出センサ104の位置に荷物200が位置しているため、「Yes」と判定され、ステップS130の第一補正動作が行われる。そして、第一補正動作が行われることにより、2本のアーム110、120の先端部は、荷物200の後端の位置である第二位置P32から間隔d31(所定間隔d11以上の間隔)だけ離れた第三位置P33に移動される。伸長制御は、第一補正動作が終了されることにより、終了される。
【0098】
図14は、ケース3である場合に行われる、移載装置100の伸長制御について説明するための図である。なお、
図14の(a)は、
図12の(b)の拡大図に相当する位置における拡大図である。
図14の(b)は、第二補正動作について説明するための図である。
【0099】
なお、ケース3は、荷物200の後端の位置である第二位置P42が第一位置P41よりも前方に位置する場合であって、第二位置P42と第一位置P41との間隔d41が所定間隔d11未満である場合である。
【0100】
ここで、
図14の(a)では、ステップS120において、検出センサ104の位置に荷物200が位置していないため、「No」と判定され、ステップS140の判定が行われる。そして、ステップS140では、間隔d41が所定間隔d11未満であるため、「No」と判定され、第二補正動作が行われる。第二補正動作が行われることにより、2本のアーム110、120の先端部は、荷物200の後端の位置である第二位置P42から間隔d42(所定間隔d11以上の間隔)だけ離れた第三位置P43に移動される。伸長制御は、第二補正動作が終了されることにより、終了される。
【0101】
次に、クランプ制御の詳細について、
図15〜
図18を用いて説明する。
【0102】
図15は、実施の形態における移載装置100のクランプ制御の手順を示すフローチャートである。
【0103】
図15に示すように、クランプ制御では、まず、コントローラ108は、2本のアーム110、120の間隔を狭めるクランプ動作を行う(S210)。クランプ制御は、伸長制御が行われた後に行われるため、検出センサ104の状態が非検出状態であると判定された後に行われることになる。
【0104】
次に、コントローラ108は、検出センサ104の状態が、検出状態であるか、非検出状態であるかを判定する(S220)。
【0105】
コントローラ108は、検出センサ104の状態が検出状態であると判定した場合(S220:Yes)、第三補正動作を行う(S260)。第三補正動作の詳細については、後述する。コントローラ108は、第三補正動作を行った後、ステップS210に戻る。つまりコントローラ108は、第三補正動作を行った後、クランプ制御S200を最初から繰り返す。
【0106】
図16は、実施の形態における移載装置100の第三補正動作の手順を示すフローチャートである。
【0107】
図16に示すように、第三補正動作では、まず、コントローラ108は、2本のアーム110、120を伸長前の位置に戻す(S261)。具体的には、コントローラ108は、クランプ動作を行う前の位置に戻るように、可動アーム120をX軸方向プラス側に移動させ、その後、2本のアーム110、120を縮める動作を行う。
【0108】
次に、コントローラ108は、取り込みの対象となっている荷物の荷物IDに対応する、記憶部109に記憶した荷物サイズを削除する(S262)。
【0109】
次に、コントローラ108は、2本のアーム110、120を、第一速度V1よりも遅い第三速度V3で伸長させる制御を開始する(S263)。具体的には、コントローラ108は、この場合において、2本のアーム110、120を伸長させる速度の最大速度が第三速度V3となるように、2本のアーム110、120を伸長させる。
【0110】
次に、コントローラ108は、検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わったか否かを判定する(S264)。
【0111】
次に、コントローラ108は、検出センサ104の状態が検出状態か非検出状態に変わったと判定した場合(S264:Yes)、荷物200の後端の位置を特定し、特定した後端の位置から所定間隔d11だけ後方(Y軸方向のマイナス側)の位置に2本のアーム110、120の先端部が到達するまで2本のアーム110、120の伸長を行い、先端部が前記位置に到達した後に2本のアーム110、120の伸長を停止する(S265)。つまり、コントローラ108は、2本のアーム110、120の先端部を、荷物200の後端の位置から所定間隔d11だけ後方の位置に位置させる。
【0112】
一方で、コントローラ108は、検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わっていないと判定した場合(S264:No)、ステップS264の判定を繰り返す。つまり、コントローラ108は、検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わるまで、2本のアーム110、120の伸長を継続する。
【0113】
コントローラ108は、2本のアーム110、120の伸長を停止した後、ステップS260の第三補正動作を終了する。
【0114】
図15に戻り、コントローラ108は、検出センサ104の状態が非検出状態であると判定した場合(S220:No)、2本のアーム110、120が荷物をクランプしたか否かを判定する(S230)。具体的には、コントローラ108は、可動アーム120を所定の荷重で移動させようとした場合に、可動アーム120が移動していると判定したときに、2本のアーム110、120が荷物をクランプしていないと判定する。反対に、コントローラ108は、可動アーム120を所定の荷重で移動させようとしても移動しなくなったと判定した場合に、2本のアーム110、120が荷物をクランプしたと判定する。
【0115】
次に、コントローラ108は、2本のアーム110、120が荷物をクランプしたと判定した場合(S230:Yes)、2本のアーム110、120の間隔を狭める動作を停止する(S240)。一方で、コントローラ108は、2本のアーム110、120が荷物をクランプしていないと判定した場合(S230:No)、ステップS230の判定を繰り返す。つまり、コントローラ108は、2本のアーム110、120が荷物をクランプしたと判定するまで、2本のアーム110、120の間隔を狭める動作を継続する。
【0116】
次に、コントローラ108は、2本のアーム110、120の間隔を所定間隔だけ広げる動作を行う(S250)。具体的には、コントローラ108は、可動アーム120をX軸方向のプラス側に所定間隔だけ移動させる。コントローラ108は、ステップS250を行った後、ステップS200のクランプ制御を終了する。
【0117】
以下、クランプ制御において第三補正動作が行われる場合について、
図17および
図18を用いて説明する。
【0118】
図17および
図18は、実施の形態における移載装置100のクランプ動作が開始された後に、検出センサ104が荷物を検出する場合について説明するための図である。なお、
図17の(a)は、伸長制御が行われた後であって、クランプ動作が行われる前の状態の一例を示す図である。
図17の(b)は、
図17の(a)固定アーム110の先端部付近の領域(破線枠で示す領域)を拡大した図である。また、
図18の(a)は、
図17の状態からクランプ動作が行われた後の状態の一例を示す図である。
図18の(b)は、
図18の(a)の固定アーム110の先端部付近の領域(破線枠で示す領域)を拡大した図である。
【0119】
ここで、
図17の(a)に示すように、荷物210は、X軸方向およびY軸方向に対して傾いた姿勢で載置されている。
図17の(b)に示すように、荷物210の後端の位置P52が第一位置P51よりも所定間隔d11以上前方(つまり、Y軸方向のプラス側)に位置するため、ステップS120において、「Yes」と判定され、ステップS100の伸長制御が終了され、ステップS200のクランプ制御が行われる。
【0120】
そして、クランプ制御のステップS210のクランプ動作が行われた場合、
図18に示すように、荷物210の後端の位置P52が検出センサ104の位置よりも後方に位置してしまう場合がある。
【0121】
具体的には、例えば、荷物210が、リブを有するプラスチックバケットである場合に発生しうる。このようなプラスチックバケットは、有底筒状のケースであり、ケースの側壁に、当該側壁から外側に突出しており、かつ、高さ方向に亘って突条のリブが形成されている。リブは、プラスチックバケットの角部(側壁の両端部)には形成されていないため、プラスチックバケットの角部は、リブよりも内方に位置する構造である。このようなプラスチックバケットが、
図17の(a)で示す荷物210のような傾いた姿勢で載置されている場合、荷物210のY軸方向のマイナス側の端部はプラスチックバケットの角部となる。このため、クランプによって荷物210の姿勢が正されて
図18の(a)に示されるように回転した場合、プラスチックバケットのリブが荷物210のY軸方向のマイナス側の端部に位置することになる。このため、荷物210の後端の位置P52が検出センサ104の位置よりも後方に位置する場合が発生しうる。
【0122】
また、例えば、荷物210の重心がX軸方向のマイナス側、かつ、Y軸方向のプラス側の角部付近に偏っている荷物であったり、当該角部でのみラック300の棚との摩擦係数が大きな素材で構成されている荷物であったりする場合、当該角部の摩擦力が他の部分よりも大きく働くような荷物の場合には、クランプ動作が行われたときに、当該角部を起点として回転することで、荷物210の後端の位置P52が検出センサ104の位置よりも後方に位置する場合が発生しうる。
【0123】
この場合、クランプ制御のステップS220において、検出センサ104により荷物が検出されることになり、「Yes」と判定され、ステップS260の第三補正動作が行われることになる。
【0124】
このように、実施の形態の移載装置100によれば、予め記憶している荷物200の前後方向における長さを用いて算出される、前後方向の第一位置において先端部が停止するように2本のアーム110、120を伸長させるため、当該移載装置100の能力において第一位置に到達するまでの時間が極力短くなるように2本のアーム110、120を伸長させることができる。しかしながら、予め記憶している荷物の前後方向における長さを用いて算出される第一位置で停止するように2本のアーム110、120を伸長させるだけでは、荷物に何らかの要因で位置ずれが生じた場合に、荷物の取り込みを行うことができないおそれがある。
【0125】
ここで、何らかの要因としては、例えば、移載装置が第一載置場所に荷物を載置したときに荷物に働く慣性力と、荷物の重量や荷物と第一載置場所との間の摩擦係数などの状態との関係に応じて、荷物が所定の位置よりも後方にずれた位置に載置されてしまうことや、斜めにずれた姿勢で載置されてしまうことなどが考えられる。また、所定の位置よりも後方へずれたり、斜めにずれた姿勢で載置されたりすることは、メンテナンスのために進入した作業者によって発生することも考えられる。
【0126】
そこで、本実施の形態の移載装置100によれば、第一位置において荷物を検出している場合に、さらに2本のアーム110、120を伸長させる第一補正動作を行うため、何らかの要因で第一載置場所に置かれた荷物に位置ずれが生じている場合であっても、荷物の取り込みを確実に行うことができる。
【0127】
つまり、位置ずれが生じていない場合には、短時間で荷物の取り込みを行うことができ、位置ずれが生じていても荷物の取り込みを確実に行うことができるため、荷物の取り込みを効率よく行うことができる。
【0128】
また、本実施の形態の移載装置100によれば、コントローラ108は、検出センサ104の状態が荷物を検出していない非検出状態であると判定した場合、判定の前において検出センサ104の状態が検出状態から非検出状態に変わった時点での検出センサ104の前後方向における位置である第二位置と第一位置との間隔が所定間隔d11以上であるか否かを判定する。そして、コントローラ108は、当該間隔が所定間隔以上でないと判定した場合、第二位置から所定間隔d11以上後方の位置に先端部が到達するまで、さらに2本のアーム110、120を伸長させる第二補正動作を行う。つまり、コントローラ108は、第一位置において荷物を検出していない場合であっても、第一位置が第二位置よりも所定間隔以上後方に位置しない場合には、検出した荷物の後端の位置である第二位置よりも所定間隔以上後方に先端部が位置するまでアームを伸長させる第二補正動作を行う。これにより、荷物の後端の位置よりも所定間隔d11以上後方の位置に、確実に2本のアーム110、120の先端部を位置させることができ、荷物の取り込みを確実に行うことができる。
【0129】
また、本実施の形態の移載装置100によれば、コントローラ108は、第一補正動作において、検出センサ104の状態が荷物を検出していない非検出状態に変わった時点での検出センサ104の前後方向における位置である第二位置から所定間隔以上後方の位置に先端部が到達するまで2本のアーム110、120を伸長させる。つまり、コントローラ108は、第一補正動作において、検出した荷物の後端の位置である第二位置よりも所定間隔d11以上後方に先端部が位置するまで2本のアーム110、120を伸長させる。このため、荷物の後端の位置よりも所定間隔以上後方の位置に、確実に2本のアーム110、120の先端部を位置させることができ、荷物の取り込みを確実に行うことができる。
【0130】
また、本実施の形態の移載装置100によれば、コントローラ108は、検出センサ104の状態が荷物を検出していない非検出状態であると判定した後において、2本のアーム110、120の間隔を狭めるクランプ動作を行う。そして、コントローラ108は、クランプ動作の開始後に検出センサ104の状態が非検出状態から検出状態に変わった場合、その前において検出センサ104の状態が非検出状態に変わった時点での検出センサ104の前後方向における位置である第二位置から所定間隔以上後方の位置に先端部が到達するまで、2本のアーム110、120を伸長させる第三補正動作を行う。つまり、コントローラ108は、クランプ動作の開始後に検出センサ104の状態が非検出状態から検出状態に変わった場合であっても、2本のアーム110、120を伸長させる第三補正動作を行う。このため、2本のアームの先端部を荷物の後端よりも後方の位置に確実に到達させることができ、荷物の取り込みを確実に行うことができる。
【0131】
(変形例1)
上記実施の形態では、移載装置100のコントローラ108が第二補正動作を行う場合があったが、第二補正動作を行わなくてもよい。
【0132】
図19は、実施の形態の変形例における、移載装置100が荷物200を取り込む場合の動作の手順を示すフローチャートである。
【0133】
なお、
図19では、上記実施の形態において説明した手順と同じ手順を行うものには、同じ符号を付している。このため、説明の詳細は省略する。
【0134】
図19に示すように、荷物の取り込みが開始された場合、コントローラ108は、予め記憶している荷物200の前後方向における長さを用いて算出される、前後方向の第一位置において2本のアーム110、120の先端部が停止するように2本のアーム110、120を伸長させる(S110)。
【0135】
次に、コントローラ108は、2本のアーム110、120の先端部を停止させた第一位置P21において、検出センサ104の状態が荷物を検出している検出状態であるか、荷物を検出していない非検出状態であるかを判定する(S120)。
【0136】
コントローラ108は、ステップS120において、検出センサ104の状態が検出状態であると判定した場合(S120:Yes)、さらに2本のアーム110、120を伸長させる第一補正動作を行う(S130)。なお、この場合、必ずしも第一補正動作を行わなくてもよく、第一補正動作の代わりに、例えば、ユーザに荷物を検出していることを通知するエラー通知を行ってもよい。
【0137】
コントローラ108は、ステップS120において、検出センサ104の状態が非検出状態であると判定した場合(S120:No)、クランプ制御を行う(S200)。
【0138】
最後に、コントローラ108は、2本のアーム110、120を縮める制御を行う(S300)。
【0139】
このため、クランプ動作の開始後に検出センサ104の状態が非検出状態から検出状態に変わった場合であっても、2本のアーム110、120を伸長させる第三補正動作を行う。このため、2本のアーム110、120の先端部を荷物の後端よりも後方の位置に確実に到達させることができ、荷物の取り込みを確実に行うことができる。
【0140】
(変形例2)
上記実施の形態では、クランプ制御において、クランプ動作が行われた後に、検出センサ104の状態が検出状態である場合、自動的に第三補正動作が行われるが、第三補正動作の代わりにクランプ動作が継続できない旨をユーザに通知するためのエラー通知を行ってもよい。そして、ユーザが手動でエラー通知を解除した(リセットした)場合に、第三補正動作が行われるようにしてもよい。
【0141】
(変形例3)
上記実施の形態では、第三補正動作のステップS261において、2本のアーム110、120を伸長前の位置に戻す制御を行っているが、2本のアーム110、120を伸長前の位置に戻す制御を行わなくてもよい。
【0142】
(変形例4)
上記実施の形態では、第三補正動作のステップS262において、取り込みの対象となっている荷物の荷物IDに対応する、記憶部109に記憶した荷物サイズを削除する制御を行っているが、荷物サイズを削除しなくてもよい。つまり、荷物サイズを削除しなくても、荷物サイズを無視してその後の動作を行えばよい。
【0143】
(変形例5)
上記実施の形態では、第三補正動作のステップS263〜ステップS265の制御を行うことで、2本のアーム110、120の先端部を、荷物200の後端の位置から所定間隔d11だけ後方の位置に位置させているが、これに限らずに、2本のアーム110、120を最大伸長長さまで伸長させてもよい。
【0144】
(変形例6)
上記実施の形態では、検出センサ104、105を構成する光電センサは、投光器および受光器が別体である透過型の光電センサであるが、これに限らずに、投光器および受光器が一体である拡散反射型の光電センサを採用してもよいし、投光器および受光器が一体であり、かつ、回帰反射板を用いた回帰反射型の光電センサを採用してもよい。
【0145】
以上、本発明の移載装置について、実施の形態に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。