【解決手段】本発明によるセラミック基板は、第1セラミックシート、セラミック層、及び第2セラミックシートが順に積層され、上記第2セラミックシートと上記セラミック層を貫通するキャビティ(cavity)を含み、上記セラミック層はセラミックペーストが焼成されて形成されることを特徴とする。また、上記セラミック層により、上記第1セラミックシートと上記第2セラミックシートの接合性を向上させて、焼成後に基板の剥離(delamination)現象を抑制することができる。
前記セラミックペーストは、前記第1セラミックシート及び前記第2セラミックシートの母材と同一または類似の組成を有する、請求項1または2に記載のセラミック基板。
前記セラミックペースト層を形成する段階は、スクリーン印刷(screen printing)の方法を用いて前記第1セラミックグリーンシート上にセラミックペーストを印刷した後、乾燥して行われる、請求項7に記載のセラミック基板の製造方法。
前記セラミックペーストは、前記第1セラミックグリーンシート及び前記第2セラミックグリーンシートと同一または類似の組成を有する、請求項8に記載のセラミック基板の製造方法。
前記セラミックペーストは、前記第1セラミックシート及び前記第2セラミックシートの母材と同一または類似の組成を有する、請求項11に記載の水晶振動子パッケージ。
前記セラミックパッケージは、前記セラミック基板の上面及び側壁上に形成された止め輪(cover ring)をさらに含む、請求項11または12に記載の水晶振動子パッケージ。
前記水晶振動子パッケージは、前記一対の連結電極のそれぞれと前記水晶片の間に介在されて、前記水晶片の一側を前記一対の連結電極のそれぞれに接合させる導電性接着剤をさらに含む、請求項11から13のいずれか1項に記載の水晶振動子パッケージ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施例について説明する。しかし、本発明の実施例は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施例に限定されない。また、本発明の実施例は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0023】
図1は本発明の実施例によるセラミック基板の平面図であり、
図2は
図1を線I−I'に沿って切り取った断面図である。
【0024】
図1及び
図2に示されているように、本実施例のセラミック基板100は、第1セラミックシート110、セラミック層120、及び第2セラミックシート130が順に積層され、第2セラミックシート130とセラミック層120を貫通するキャビティ(cavity)140を含んで構成される。
【0025】
第1セラミックシート110は、セラミック基板100の下部層として構成され、矩形形状を有する板状で製作されることができる。
【0026】
第2セラミックシート130は、セラミック基板100の上部層として構成され、中央部に貫通孔(図示せず)を含む矩形形状を有する板状で製作されることができる。
【0027】
第1及び第2セラミックシート110、130は、必要に応じて、セラミック基板100上、またはその内部に形成される電極(図示せず)と高温同時焼成ができるように、高温同時焼成セラミック(High Temperature Co−fired Ceramic:HTCC)材料として用いられる一般的な酸化物または窒化物などのセラミック粉末を含んで形成されることができる。
【0028】
HTCC用セラミック粉末としては、例えば、アルミナ(Al
2O
3)粉末が用いられることができる。
【0029】
一方、第1及び第2セラミックシート110、130は、主成分であるアルミナ(Al
2O
3)粉末に、副成分である炭酸マグネシウム(MgCO
3)粉末、炭酸バリウム(BaCO
3)粉末、炭酸カルシウム(CaCO
3)粉末、及びシリカ(SiO
2)粉末が混合された混合セラミック粉末で構成されることができる。
【0030】
ここで、MgCO
3、BaCO
3、CaCO
3、SiO
2などの粉末は、電極との焼成収縮を制御し、シートの焼成温度を下げたり上げたりする役割をする。
【0031】
例えば、第1及び第2セラミックシート110、130は、焼成収縮の制御という観点において、おおむねAl
2O
3粉末:80〜90重量%、MgCO
3、BaCO
3粉末:1〜3重量%、CaCO
3、SiO
2粉末:1〜3重量%のセラミック組成を用いることが好ましい。
【0032】
また、第1及び第2セラミックシート110、130に含有されるセラミック粉末、例えば、Al
2O
3、MgCO
3、BaCO
3、CaCO
3、SiO
2などの粉末は、1μm以下の平均粒度を有することが焼成の制御という側面においてさらに有利である。
【0033】
第1セラミックシート110は、後述するセラミック基板の製造方法においてさらに具体的に説明するが、上記組成のセラミック粉末とバインダーを有機溶剤に含有するスラリー(slurry)が製造された後、上記スラリーが基材に塗布及び乾燥されて第1セラミックグリーンシート(ceramic green sheet)が形成され、上記第1セラミックグリーンシートが高温の焼結過程を経て焼結されたセラミックシートに形成されることができる。
【0034】
また、第2セラミックシート130は、上記組成のセラミック粉末とバインダーを有機溶剤に含有するスラリーが製造された後、上記スラリーが基材に塗布及び乾燥されて第2セラミックグリーンシートが形成され、上記第2セラミックグリーンシートが加工またはパンチング(punching)されて貫通孔が形成され、上記貫通孔を含む第2セラミックグリーンシートがセラミック層120上に積層された後、高温の焼結過程を経て焼結されたセラミックシートに形成されることができる。
【0035】
セラミック層120は、第1セラミックシート110と第2セラミックシート130の間に介在する。このようなセラミック層120は、第1セラミックシート110と第2セラミックシート130を互いに接合させる接合部材として採用される。
【0036】
接合性の向上及び焼成収縮の制御という観点において、セラミック層120は、第1及び第2セラミックシート110、130と同一または類似の組成を有することが好ましい。
【0037】
例えば、セラミック層120は、おおむねAl
2O
3粉末:80〜90重量%、MgCO
3、BaCO
3:1〜3重量%、CaCO
3、SiO
2:1〜3重量%のセラミック組成を用いることができる。
【0038】
また、セラミック層120は、第2セラミックシート130が形成された領域に対応するように形成されて第1及び第2セラミックシート110、130との界面接合面積を広げて、焼成後に、第1及び第2セラミックシート110、130の剥離(delamination)を最大限に抑制することが好ましい。
【0039】
セラミック層120は、後述するセラミック基板の製造方法においてさらに具体的に説明するが、上記組成のセラミック粉末とバインダーを含有するセラミックペースト(paste)が製造された後、第1セラミックグリーンシート上において第2セラミックシートの積層が予定される領域に上記セラミックペーストが塗布及び乾燥されてセラミックペースト層が形成され、このセラミックペースト層が高温の焼結過程を経て焼結されたセラミック層に形成されることができる。
【0040】
このように、セラミック層120は、第1及び第2セラミックシート110、130の母材と同一または類似の組成を有するセラミックペーストが焼成されて形成されるが、一般的に、ペーストは焼結前後で接着性が強い特性を有するものと知られている。
【0041】
したがって、本実施例のセラミック基板100は、焼結前後で接合性に優れたペーストを用いたセラミック層120が第1及び第2セラミックシート110、130の接合部材として採用されることにより、焼成後に第1及び第2セラミックシート110、130の剥離現象が抑制されることができる。
【0042】
一方、本実施例のセラミック基板100は、貫通孔が備えられた第2セラミックシート130、及び第2セラミックシート130に対応して積層されたセラミック層120により、セラミックシート130とセラミック層120を貫通して収容できる空間であるキャビティ140を含むようになる。
【0043】
このとき、セラミック基板100は、キャビティ140によって第1セラミックシート110の表面の一部が露出する。
【0044】
本実施例のセラミック基板100は、キャビティ140内に電子部品が実装される電子機器、例えば、水晶振動子パッケージの採用に適する。
【0045】
このように構成された本実施例のセラミック基板に対する製造方法を説明すると以下の通りである。
【0046】
本実施例のセラミック基板の製造方法では、上述の
図1の実施例を説明し、同一の構成要素に対しては同一の図面符号を与え、同一の構成要素と重複する説明を省略する。
【0047】
図3は
図1のセラミック基板の製造方法を示す順序図である。
【0048】
図3に示されているように、
図1のセラミック基板の製造方法は、第1セラミックグリーンシートを設ける段階(S310)と、第1セラミックグリーンシート上にセラミックペースト層を形成する段階(S320)と、セラミックペースト層上に複数の貫通孔を備えた第2セラミックグリーンシートを積層する段階(S330)と、個別の電子部品を形成するために第1セラミックグリーンシート、セラミックペースト層、及び第2セラミックグリーンシートの積層体を切断する段階(S340)と、個別の電子部品に切断された積層体を焼成する段階(S350)と、を含むことができる。
【0049】
一方、図面に示されていないが、複数の貫通孔を備えた第2セラミックグリーンシートは、第1セラミックグリーンシートを設ける段階(S310)、またはセラミックペースト層を形成する段階(S320)と第2セラミックグリーンシートを積層する段階(S330)の間で設けられることができるのはもちろんである。
【0050】
図4aから
図8bは
図1のセラミック基板の製造方法が示された工程図で、
図4a及び
図4bはそれぞれ第1セラミックグリーンシートが形成された平面図及び断面図であり、
図5a及び
図5bはそれぞれ第1セラミックグリーンシート上にセラミックペースト層が積層された平面図及び断面図であり、
図6a及び
図6bはそれぞれ第1セラミックグリーンシート上に順にセラミックペースト層と第2セラミックグリーンシートが積層された平面図及び断面図であり、
図7a及び
図7bはそれぞれ個別の電子部品を形成するための第1セラミックグリーンシート、セラミックペースト層、及び第2セラミックグリーンシートの積層体の切断を示した平面図及び断面図であり、
図8a及び
図8bはそれぞれ切断された積層体の焼成後に、第1セラミックシート、セラミック層、及び第2セラミックシートで構成されたセラミック基板の平面図及び断面図である。
【0051】
図3、
図4a及び
図4bに示されているように、本実施例のセラミック基板は、まず、複数の電子部品が形成される第1セラミックグリーンシート110aを設ける(S310)。
【0052】
第1セラミックグリーンシート110aは、上述の通り、本実施例による組成を有するセラミック粉末とバインダーを有機溶剤に含有するスラリーを製造した後、上記スラリーを基材に塗布及び乾燥して形成することができる。
【0053】
ここで、スラリーの塗布方式としては、キャスティング(casting)工法が用いられることができるが、特にこれに限定されず、公知の塗布方式が適切に採用されることができる。
【0054】
次に、
図3、
図5a及び
図5bに示されているように、第1セラミックグリーンシート上にセラミックペースト層120aを形成する(S320)。
【0055】
セラミックペースト層120aは、第1セラミックグリーンシート110aのセラミック組成と同一または類似の組成を有するセラミックペーストを製造した後、上記セラミックペーストをスクリーン印刷(screen printing)方法などを用いて第2セラミックグリーンシート(
図6aの130a参照)が積層される第1セラミックグリーンシート110a上に印刷した後、乾燥して形成することができる。
【0056】
このような構成により、セラミックペースト層120aは、後で積層される第2セラミックグリーンシート130aの複数の貫通孔(
図6aのH参照)に対応する複数の開口部Oを有する。
【0057】
上述の通り、本実施例によると、セラミックペースト層120aの塗布面積が小さいため、塗布不良などの発生を減らすことができる。
【0058】
また、本実施例のセラミックペースト層120aの形成は、従来のバインダーフィルムを積層することに比べて積層が容易であるという長所を有する。
【0059】
その後、
図3、
図6a及び
図6bに示されているように、セラミックペースト層120a上に複数の貫通孔Hが備えられた第2セラミックグリーンシート130aを積層する(S330)。
【0060】
ここで、第2セラミックグリーンシート130aは、第1セラミックグリーンシート110aの形成方法と同一にセラミックグリーンシートを形成した後、複数の貫通孔の形成が予定される領域を機械ドリルまたはレーザードリルなどを用いて加工またはパンチング(punching)して設けることができる。
図6aには、2つの貫通孔が形成された第2セラミックグリーンシート130aが示されているが、貫通孔の個数はこれに限定されず、多様に変更されることができる。
【0061】
第2セラミックグリーンシート130aの積層時に、セラミックペースト層120aの開口部Oと第2セラミックグリーンシート130aの貫通孔Hが一致するように積層する。
【0062】
その後、
図3、
図7a及び
図7bに示されているように、個別の電子部品を形成するために、第1セラミックグリーンシート110a、セラミックペースト層120a、及び第2セラミックグリーンシート130aの積層体を切断する(S340)。
【0063】
切断工程は、切断によって形成される個別の電子部品が一つのキャビティ140を備えることができるように、積層体の互いに隣接した貫通孔(
図6bのH参照)間の領域をダイシングラインDLに沿って切断して行うことができる。本実施例では、後述する
図8aに示されているように、2つの電子部品が形成される。
【0064】
続いて、
図3、
図8a及び
図8bに示されているように、個別の電子部品に切断された積層体を焼成する(S350)。
【0065】
焼成工程は、約1400℃〜1600℃の高温で行われることができる。このとき、焼成工程が1400℃未満で行われる場合、焼成が十分に行われない可能性がある。これに対し、1600℃を超過して行われる場合、焼成効果とは関係なく原価上昇だけをもたらすおそれがある。
【0066】
このような焼成工程により、
図7aの第1及び第2セラミックグリーンシート110a、130a及びセラミックペースト層120aが焼結されて、第1及び第2セラミックシート110、130、セラミック層120が形成される。
【0067】
最後に、第1セラミックシート110、セラミック層120、及び第2セラミックシート130が順に積層され、第2セラミックシート130とセラミック層120を貫通するキャビティ140を有するセラミック基板100が完成される。
【0068】
このような構成及び製造方法で製作される本実施例のセラミック基板は、焼成前に、2枚のセラミックグリーンシート間に接着性に優れたセラミックペーストを塗布するため、焼成前だけでなく、焼成後にも上下で積層されたセラミックシート間の接合性に優れ、セラミックシートの剥離現象が抑制される。
【0069】
また、本実施例のセラミック基板は、セラミックペーストで上下積層されたセラミックシートの母材と同一または類似の組成を有するセラミック組成物が用いられる場合、基板の剥離現象がさらに抑制されることができる。
【0070】
このように構成された本実施例のセラミック基板を用いた水晶振動子パッケージについて説明すると以下の通りである。
【0071】
本実施例の水晶振動子パッケージにおいて、セラミック基板は、
図1及び
図2を参照して説明した通りであるため、同一の構成に対しては同一の符号を与え、同一の構成要素と重複する説明を省略する。
【0072】
図9は本発明によるセラミック基板を用いた水晶振動子パッケージの概略分解斜視図であり、
図10は
図9による水晶振動子パッケージの斜視図であり、
図11は
図10を線II−II'に沿って切り取った断面図である。
【0073】
図9から
図11に示されているように、本実施例の水晶振動子パッケージ200は、大きく、セラミックパッケージ210と、セラミックパッケージ210のキャビティ140内に実装され、両面に励振電極(図示せず)が形成された水晶片250と、水晶片250を密封させるリッド(lid)260と、を含んで構成される。
【0074】
セラミックパッケージ210は、収容できるキャビティ140を備えたセラミック基板100と、キャビティ140内に形成された一対の連結電極220と、セラミック基板100を覆う止め輪(cover ring)240と、を含んで構成されることができる。
【0075】
具体的には、セラミック基板100は、第1セラミックシート110、セラミック層120、及び第2セラミックシート130が順に積層され、第2セラミックシート130とセラミック層120を貫通するキャビティ140を備え、キャビティ140によって収容空間を提供する。
【0076】
このとき、セラミック層120は、セラミックペーストが焼成されて形成されたもので、第1及び第2セラミックシート110、130の母材と同一または類似の組成を有することができる。
【0077】
上述の通り、セラミック基板100は、焼結前後に接着性に優れたペーストが焼成されて形成されたセラミック層120により、第1セラミックシート110と第2セラミックシート130の接合性の向上を通じて第1及び第2セラミックシート110、130の剥離現象が抑制された基板である。
【0078】
セラミック基板100のキャビティ140内には、入力端子及び出力端子として機能する一対の連結電極220が形成され、上記連結電極220に外部との電気的連結のための水晶片250が導電性接着剤230を媒介に接着されて実装される。これにより、水晶片250は連結電極220と電気的に連結される。
【0079】
連結電極220は、セラミックパッケージ210の底層に形成されるビアを通じて連結されてセラミックパッケージ210の底面まで電気的に導通される。したがって、外部から供給される電流は、セラミックパッケージ210の底面に形成された外部端子を経て連結電極220と導電性接着剤230につながる電気的経路を通じて水晶片250に印加される。
【0080】
連結電極220は、導電性材質であれば制限なく採用されることができ、一例として、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)などで形成されることができる。これは、単独で用いられたり、これらの合金で形成されることができる。
【0081】
セラミック基板100を覆う止め輪240は、密封性の向上のために、セラミック基板100の上面及び側壁上に形成されることができる。このとき、セラミック基板100のキャビティ140に対応する貫通孔245を含むことができる。
【0082】
一方、図面に示されていないが、セラミックパッケージ210は、その底面に外部端子(図示せず)を備える。上記外部端子は、セラミックパッケージ210に実装される水晶片250に電源を供給する役割をする。セラミックパッケージ210は、外部端子に対応する底層にビア(via)(図示せず)が形成されるため、上面まで電気的に連結される。
【0083】
水晶片250はSiO
2で構成される石英(Quartz)がその結晶軸に対して特定の方向に切断されて薄い板状で製造された振動素子で、ピエゾ(piezo)現象によって電流が流れると、一定の周期で物理的な振動が生じ、この振動によって一定の電気的信号を発生させる。
【0084】
水晶片250の上面及び下面、即ち、両面にはそれぞれパターニングされた励振電極(図示せず)が備えられ、これら励振電極は金(Au)や銀(Ag)などで形成されることができる。
【0085】
このような水晶片250は、振動できるように、一側が連結電極220に接合されて支持され、一側と反対となる他側が第1セラミックシート110の露出面と一定の間隔離れる片持ち梁の形態でキャビティ140内に実装される。
【0086】
これにより、水晶片250は、一側だけが固定された状態で、反対側の他側の自由振動によって所定の周波数を出力するようになる。
【0087】
上述の構成の水晶片250が連結電極220に堅固に付着されることができるように、連結電極220と水晶片250の間に介在される導電性接着剤230としては、接着性に優れた高分子樹脂に一定量の金属粉末が混合された接着剤を用いることが好ましい。接着性に優れた高分子樹脂の一例として、エポキシ系樹脂またはポリアミド系樹脂を挙げることができる。
【0088】
高分子樹脂は、高い弾性力を有するため、高分子樹脂が含有された導電性接着剤230は、外部の衝撃を吸収して水晶片250に伝達されないようにする緩衝材としても機能する。
【0089】
水晶片250が搭載され、止め輪240で覆われたセラミックパッケージ210は、覆いとして機能するリッド(lid)260によって水晶片250の実装部分が密封される。
【0090】
リッド260は、水晶片250の上面に対向するように、止め輪240の上面の縁部に沿って介在されたシール材(図示せず)によって水晶片250の実装部分を密封するようになる。
【0091】
本実施例において、リッド260及び止め輪240は、金属材、例えば、Fe−Ni−Coの成分が含まれたコバール(Kovar)素材、またはSUS系の少なくとも一つの物質で形成されることができる。この場合、リッド260及び止め輪240は、水晶片250を外部から保護するとともに、遮蔽(shield)の効果を有するため、ノイズ対策の手段としても機能する。
【0092】
シール材としては、密封性の向上のために、接着性に優れた材質、例えば、エポキシ系樹脂またはポリアミド系樹脂などのような熱硬化性樹脂が用いられることができる。
【0093】
一方、止め輪240が省略される場合、シール材は、第2セラミックシート130の上面の縁部に沿って介在されることができる。
【0094】
このような構成を有する本実施例の水晶振動子パッケージ200は、剥離現象が抑制されたセラミック基板100を用いることにより、パッケージの強度に優れる。
【0095】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。