(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-158468(P2016-158468A)
(43)【公開日】2016年9月1日
(54)【発明の名称】臭化鉄を用いた熱発電方法
(51)【国際特許分類】
H02N 11/00 20060101AFI20160805BHJP
【FI】
H02N11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】3
(21)【出願番号】特願2015-48807(P2015-48807)
(22)【出願日】2015年2月24日
(71)【出願人】
【識別番号】397075940
【氏名又は名称】南 保
(72)【発明者】
【氏名】南 保
(57)【要約】
【課題】熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【解決手段】一方に電極を、他方にイオン化触媒と電極を備え、その間に臭化鉄(iii)を入れた筐体を構成し、筐体外部から加熱して生成した臭素を一旦貯蔵しておき、次いで筐体を冷却して臭素を導入することによって電力を得る方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭化鉄(iii)を熱分解して解離した臭素を一旦貯蔵し、生成した臭化鉄(ii)を冷却し、解離した臭素を導入して反応せしめる熱発電方法。
【請求項2】
臭化鉄(iii)を充填した筐体と臭化鉄(ii)を充填した筐体の正電極側を導管で結んで交互に加熱と冷却を繰り返す熱発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
熱エネルギーを電気エネルギーに変換する技術分野
【背景技術】
【0002】
従来から熱エネルギーから電力を得る方法は各種あり、最も代表な方法は、天然ガスや石油などの火力発電あるいは原子力発電などがある。また小規模の発電では、ゼーベック効果を利用した熱電発電が注目を浴びている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、熱エネルギーから蓄電池的あるいは連続的に電力に変換する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
加熱によって解離し、冷却によって再結合する臭化鉄(iii)を、一方に電極、他方にイオン化触媒と電極を備えた筐体(以下筐体)を構成する。筐体の外部から熱エネルギーを加えて放出した臭素を一旦貯蔵したのち、冷却した筐体に導入することによって、両電極間から電力を得る。(
図1)また一方に臭化鉄(iii)、他方に臭化鉄(ii)を入れた2個の筐体を繋いで、一方を加熱し、他方を冷却し、起電力が低下した段階で加熱ー冷却を反転させると、ほぼ連続的に発電する。(
図2)
【発明の効果】
【0006】
この方法によって、簡単な構造で熱エネルギーを電力に変換出来て、生成したハロゲンを貯蔵すれば蓄電も出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】は連続型。▲1▼は負電極 ▲2▼は正電極 ▲3▼は筐体 ▲4▼は臭化鉄 ▲5▼はイオン化触媒 ▲6▼は導管 ▲7▼は臭素貯槽
【発明を実施するための形態】
【0008】
この方法を説明する化学反応式は、次のとおり。
ここで使用する臭化鉄は、炭素粉末に含浸して集電することが望ましい。あるいは、炭酸エチレンなどの高沸点有機溶媒に溶解あるいは分散してもよい。イオン化触媒は、炭素繊維に白金、ルテニウム、ロジュウムなどを付着して使用すると発電効率が向上し、かつ電極を兼ねることが出来る。イオン化触媒および正陰極は、臭素の通過のため多孔質とする。
【符号の説明】
【0009】
▲1▼および▲2▼は、電力を取り出す為の電極。▲3▼は、ガラス、琺瑯あるいはフッ素樹脂ライニングした鉄製筐体。▲4▼は活性炭素に付着、あるいは炭酸エチレンなどのイオン性溶剤に溶解あるいは分散した臭化鉄(iii)。▲5▼は粒状活性炭あるいは炭素繊維に付着したイオン化触媒。▲6▼は発生した臭素の導管。▲7▼は臭素の貯槽。