(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-159627(P2016-159627A)
(43)【公開日】2016年9月5日
(54)【発明の名称】押し引き黒板
(51)【国際特許分類】
B43L 1/04 20060101AFI20160808BHJP
G03B 21/56 20060101ALI20160808BHJP
【FI】
B43L1/04 G
G03B21/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-3440(P2016-3440)
(22)【出願日】2016年1月12日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0027217
(32)【優先日】2015年2月26日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516011718
【氏名又は名称】チンゲン テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン デュアン
【テーマコード(参考)】
2C071
2H021
【Fターム(参考)】
2C071CA01
2C071CB01
2C071CC01
2H021AA05
(57)【要約】
【課題】本発明は、押し引き黒板を開示する。
【解決手段】押し引き黒板は、外側フレーム、可動黒板、および外側フレーム内に配置されたマルチメディア表示スクリーンを備え、外側フレームは、その内側に摺動面が設けられ、可動黒板が摺動面に設けられ、およびマルチメディア表示スクリーンが、円弧状弾性固定シートを用いて外側フレームの内側に固定され、可動黒板の背後に配置されることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側フレーム(1)、前記外側フレーム(1)内に配置された、可動黒板(2)およびマルチメディア表示スクリーン(3)を備える押し引き黒板であって、
前記外側フレーム(1)は、その内側に摺動面が設けられ、前記可動黒板(2)が前記摺動面に設けられ、前記マルチメディア表示スクリーン(3)が、円弧状弾性固定シート(4)を用いて前記外側フレーム(1)の内側に固定され、前記可動黒板(2)の背後に配置されることを特徴とする押し引き黒板。
【請求項2】
前記外側フレーム(1)の中心に向かう方向に沿って、スプリング(5)が前記外側フレーム(1)の左縁部および/または右縁部に取付けられることを特徴とする請求項1記載の押し引き黒板。
【請求項3】
前記可動黒板(2)の数が1つであることを特徴とする請求項1記載の押し引き黒板。
【請求項4】
前記可動黒板(2)の面積が、前記マルチメディア表示スクリーン(3)の面積より大きいか、または等しいことを特徴とする請求項3記載の押し引き黒板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、教育用具分野に関し、とりわけ押し引き黒板に関する。
【背景技術】
【0002】
黒板は、重要な教育用具である。従来の黒板は、外側フレームおよび外側フレームに全体が固定された黒板を含む。しかしながら、かかる黒板の使用できるスペースは限られており、授業上の要求を満たすことができない。さらに、マルチメディアによる授業がより普及するにつれて、マルチメディア表示スクリーンが、より頻繁に授業に使用される。従来の黒板を用いる場合、教師が、黒板とマルチメディア表示スクリーンとの間で切り換えを行う必要がある場合に不便である。
【0003】
上記の問題に対処するために、マルチメディア押し引き黒板の一種が市場に存在している。この種の黒板は、外側フレームを含み、マルチメディアスクリーンおよび可動黒板が外側フレームの内側に取り付けられる。黒板とマルチメディア表示スクリーンとの切り換えは、黒板を押す、および引くことにより為され得る。しかしながら、かかるマルチメディア押し引き黒板を製造する場合、押し引き黒板とマルチメディア表示スクリーンとは、同時に取り付けられなければならず、マルチメディア表示スクリーンに故障が起こった場合、最初に押し引き黒板を取り外さなければならず、次にマルチメディア表示スクリーンが修理された後に再び取り付けなければならない。したがって、このような既存の技術的課題は、長期にわたる保守、時間および努力の無駄、および授業に対する不利益な影響という不利益がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術に存在する上記の不利益を解消するために、本開示の目的は、マルチメディア表示スクリーンを容易に取り付け、および取り外しが可能な、押し引き黒板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
外側フレーム、および外側フレーム内に配置された、可動黒板およびマルチメディア表示スクリーンを備える押し引き黒板が提供され、外側フレームは、その内側に摺動面が設けられ、可動黒板が摺動面に設けられ、マルチメディア表示スクリーンが、円弧状弾性固定シートを用いて外側フレームの内側に固定され、可動黒板の背後に配置される。
【0006】
代わりに、本発明の押し引き黒板によれば、外側フレームの中心に向かう方向に沿って、スプリングが外側フレームの左縁部および/または右縁部に取り付けられる。
【0007】
代わりに、本発明の押し引き黒板によれば、可動黒板の数は1つである。
【0008】
代わりに、本発明の押し引き黒板によれば、可動黒板の面積は、マルチメディア表示スクリーンの面積より大きいか、または等しい。
【0009】
本発明の種々の他の目的、特徴および利点は、添付図面を考慮してよりよく理解された場合に、完全に明らかになるであろう。添付図面は、好ましい実施形態を図示することのみを目的とし、本発明を限定するように解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による押し引き黒板の構造を示す図である。
【
図2】壁に取り付けられたときの固定シートの側面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態による押し引き黒板の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
本開示は、外側フレーム、外側フレーム内に配置された可動黒板、およびマルチメディア表示スクリーンを備える押し引き黒板を提供し、押し引き黒板は、外側フレームが、その内側に摺動面が設けられ、可動黒板が摺動面に設けられ、マルチメディア表示スクリーンが、円弧状弾性固定シートを用いて外側フレームの内側に固定され、可動黒板の背後に配置されることを特徴とする。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による押し引き黒板の構造を示す図である。
図1に示すように、押し引き黒板は、外側フレーム1および外側フレーム1内に配置された可動黒板2を含み、外側フレーム1は、その内側に摺動面が設けられ、可動黒板2は摺動面に設けられ、摺動面上を左右にスライド可能で、それによって黒板の位置を変える。可動黒板2の背後に配置されるマルチメディア表示スクリーン3もまた、外側フレーム1の内側に取り付けられ、マルチメディア表示スクリーン3は、円弧状弾性固定シート4を使用して、外側フレーム1の内側に固定される。
図1および
図3に示すように、4つの固定シート4が、壁に取り付けられ、それらの位置は外側フレームの内側であって、それにより、マルチメディア表示スクリーン3が外側フレーム1の内側に固定される。
【0014】
図2は、壁に取り付けられる場合の固定シートの側面図である。
図2に示すように、固定シート4の一端は、外側フレームの内側の位置で壁に固定され、他端は、壁から距離を置いた自由端であり、その距離はマルチメディア表示スクリーンの厚みよりも小さい。固定シートは、弾性を有し、弾性変形し得る。従って、かかる弾性は、マルチメディア表示スクリーンが固定シートと壁との間の隙間に挿入され、および固定シートから取り外され得ることを保証する。さらに、固定シートの自由端から壁への距離がマルチメディア表示スクリーンの厚みよりも小さいので、マルチメディア表示スクリーンが外側フレーム内に挿入された後、固定シートは、マルチメディア表示スクリーンをクランプし、外側フレーム内側の位置で、マルチメディア表示スクリーンを壁にしっかりと固定することができる。固定シートは、弾性スチールなどの弾性材で形成される。
【0015】
既存の押し引き黒板では、可動黒板を左側または右側に押す場合、可動黒板の縁部が外側フレームの左縁部または右縁部に直接衝突し、外側フレームと黒板の両方を損傷させる可能性がある。結果として、外側フレームが落下する可能性があり、これは危険である。この問題を解決するために、本開示の押し引き黒板によれば、スプリング5が、可動黒板の外側縁部から外側フレームの中心への方向に沿って、外側フレームの右縁部および/または左縁部に取り付けられる。例えば、
図1に示すように、2つの可動黒板がある場合、スプリングは、外側フレームの左縁部および右縁部の両方に配置され、そして可動黒板が1つだけある場合、スプリングは、外側フレームの一方側(可動黒板が配置される側)に備えられる。
図3に示すように、可動黒板が外側フレームの左半分側に配置される場合、スプリングを外側フレームの左側に設ける必要があるだけである。スプリングの配置およびスプリングのダンパー効果によって、可動黒板が左および/または右に押され、および/または引かれる場合、可動黒板は、外側フレームの左縁部および/または右縁部に直接衝突せず、それにより、可動黒板および外側フレームへの損傷を減じ、可動黒板の寿命を改善し、安全性に関連する事故を回避する。
【0016】
本開示の押し引き黒板によれば、
図1および3に示すように、可動黒板の数は、1つまたは2つとすることができる。当業者はまた、実際の応用によれば、任意の数の黒板があってもよいことを理解し得る。
【0017】
図1は、2つの可動黒板が配置されている状態を示す。
図1に示すように、2つの可動黒板があって、マルチメディア表示スクリーン3が外側フレーム1の中央に配置され、2つの可動黒板が、マルチメディア表示スクリーンの左側および右側のそれぞれに配置されている。授業中は、可動黒板は、マルチメディア表示スクリーンの左側および右側のそれぞれに押す、または引くことができ、そして、このように、教師は、マルチメディアプレゼンテーションを行うためにマルチメディア表示スクリーンを用いることができ、同時に必要な内容を書き込むために黒板を用いることができる。教師が授業を完了すると、2つの可動黒板は、外側フレームの中央に向かって引くことができる。マルチメディア表示スクリーンは、可動黒板の後ろにあるため、マルチメディア表示スクリーンは、2つの可動黒板によって覆い隠されることができ、それによって、外部の物体によるマルチメディア表示スクリーンの損傷を防ぐことができる。この実施形態において、2つの可動黒板は、同じかまたは異なるサイズを有することができる。
【0018】
図3は、1つの可動黒板が配置されている状態を示す。
図3に示すように、1つの可動黒板2および1つのマルチメディア表示スクリーン3が、外側フレーム1の内側に配置され、そして、可動黒板2は、マルチメディア表示スクリーン3の左側または右側に配置され得る。マルチメディア表示スクリーンを使用しない場合、可動黒板は、マルチメディア表示スクリーンの前に引き寄せることができ、マルチメディア表示スクリーンを覆い隠し、それによって、マルチメディア表示スクリーンが外部の物体によって損傷することが防がれる。マルチメディア表示スクリーンを使用する必要がある場合、マルチメディア表示スクリーンを外に出すために、可動黒板を一方の側に引き寄せることができる。そして、このように、教師は、可動黒板およびマルチメディア表示スクリーンの両方を同時に使用することができる。好ましくは、可動黒板2の面積は、マルチメディア表示スクリーン3の面積より大きいか、または等しく、したがって、可動黒板2は、可動黒板2がマルチメディア表示スクリーン3の前の位置に移動されるときに、マルチメディア表示スクリーン3の全体を覆うことができ、マルチメディア表示スクリーン3を保護することができる。
【0019】
既存の押し引き黒板では、可動黒板が外側フレームの真ん中にむかって引き寄せられるときに、スペースが発生し、チョークのダストが容易にスペースに入り、マルチメディア表示スクリーンのクリア性および寿命に不利益に影響を与える。この問題を解決するために、本発明の押し引き黒板では、ダスト遮断具(図示せず)が可動黒板の左側および右側に取付けられる。ダスト遮断具は、一種のシールであって、シールは、防じん機能を有し、硬質および軟質プラスチック複合材料で形成され、ストリップである。据え付け中に、ダスト遮断具は、釘または両面テープなどの結合手段を用いて、可動黒板の左縁部および右縁部に固定され得る。ダスト遮断具を配置することにより、マルチメディア表示スクリーンは、2つの可動黒板が外側フレームの中央に向かって引き寄せられるときに、チョークダストによって損傷を受けることから効果的に保護され、それによって、マルチメディア表示スクリーンの寿命が延びる。
【0020】
既存の押し引き黒板では、マルチメディア表示スクリーンの上縁部および下縁部と外側フレームの上縁部および下縁部との間にスペースが存在する。先行技術では、2つの小さな黒板が、スペースを覆うために使用される。かかる配置では、使用可能なスペースが減らされる。本発明では、固定シートの一端が、外側フレームの上縁部に近接する位置で壁に固定される。このように、マルチメディア表示スクリーンの上端は、外側フレームの上縁部に近く、より大きなスペースが、マルチメディア表示スクリーンの下縁部と外側フレームの下縁部との間に形成され、したがって、キャビネット6を、より大きなスペース内に配置することができる。キャビネットは、図に示されるように、2枚ドアのスチールキャビネットで、マルチメディア表示スクリーンの幅と同じ幅を有する。このキャビネットは、チョーク、黒板消しなどの実物教材を保管するために使用することができ、または教師の個人的な物を保管するために使用することができる。キャビネットを配置する利益として、使用可能なスペースが増え、押し引き黒板の優れた外観が得られる。
【0021】
本開示の押し引き黒板によれば、外側フレーム1は、アルミニウム合金で形成される。アルミニウム合金は、低密度、スチールの品質に近いかまたはそれより高い強度、優れた可塑性および優れた機械加工性を有する合金である。外側フレームを作製するためにアルミニウム合金を使用することにより、外側フレームは、より低い重量を有する一方、充分な強度を有することができ、押し引き黒板の使用を保証することができる。
【0022】
本開示の押し引き黒板によれば、押し引き黒板は、マルチメディア表示スクリーンの据え付けおよび保守を容易にするように、外側フレーム内側のマルチメディア表示スクリーンを固定する固定シートを備える。押し引き黒板は、また、ダンパースプリングおよびダスト遮断具を備え、これらは、可動黒板を押すときに、外側フレームや可動黒板の損傷の可能性を減らすのみならず、可動黒板とマルチメディア表示スクリーンとの間のスペースに入ってくる外部のダストからマルチメディア表示スクリーンを保護し、それにより、押し引き黒板の寿命を延ばす。
【0023】
本明細書に記載され、および図示されたものは、開示の好ましい実施形態およびその変形のいくつかである。本明細書で使用された用語、説明および図は、説明だけのために示され、限定するものとして解されるものではない。当業者ならば、多くの変形が、開示の趣旨および範囲内で可能であって、他に指示がない限り、すべての用語は最も広く、合理的な意味で解釈されるものと認識するであろう。説明に用いられたすべての見出しは、便宜のためだけのものであって、法的または限定的な効果を有しない。
【0024】
本明細書において、種々の態様および実施形態が開示され、一方その他の態様および実施形態が企図されている。本明細書において開示された種々の態様および実施形態は、以下の請求の範囲によって示される範囲および趣旨で説明する目的のためのものであって、限定を意図するものではない。