【課題】簡易に形成できると共に、搬送時の振動等によって収容物品の配列乱れが生じるのを抑制できる、アルミパウチ等の分包を収納する分包包装に好適な容器用仕切り部材を提供する。
【解決手段】容器用仕切り部材10は、平面視略矩形状の容器50に装着して用いられ、第1板状材を2本の折り曲げ部12、12に沿って折り曲げて形成されており、仕切り部材10は、該折り曲げ部12、12間に位置し且つ第1方向の長さが容器50の第1側面51の平面視での長さと同様である仕切板部13、及び該折り曲げ部12、12を介して仕切板部13とそれぞれ連設される一対の延出板部14、15を有し、仕切板部を容器50の一対の第1側面51間に第1側面51と略平行に配置し、且つ一対の延出板部14、15を、仕切板部13から互いに逆方向に張り出すように折り曲げて容器50の第2側面52に沿って接して配置するように、容器50内に装着される。
前記仕切り部材は、一対の前記延出板部を、前記仕切板部から互いに逆方向に張り出すように折り曲げて前記容器の前記第2側面に沿って接して配置するように、前記容器内に装着される、請求項1に記載の容器用仕切り部材。
各前記延出板部は、該延出板部に前記折り曲げ部に接続する切り込み線を入れることにより形成され、且つ該折り曲げ部に沿って互いに逆方向に折り曲げ可能な一対の側面添設板部を有しており、
一対の前記側面添設板部を互いに逆方向に折り曲げて前記仕切板部の両側に張り出させた状態で、該側面添設板部が前記容器の前記第2側面に沿って接するように前記仕切り部材が該容器内に配置されるようになされている、請求項1又は2に記載の容器用仕切り部材。
一対の前記側面添設板部は、各前記延出板部に、前記第1板状材の前記第3端縁及び前記第4端縁それぞれから前記折り曲げ部まで切り込む切り込み線を入れて、各該延出板部を第2方向に沿って複数に分断することによって形成されている、請求項3に記載の容器用仕切り部材。
一対の前記側面添設板部は、各前記延出板部に、前記折り曲げ部から始まり該折り曲げ部に戻る切り込み線を入れて、各前記延出板部の前記折り曲げ部側の一部をくり抜くことによって形成されている、請求項3に記載の容器用仕切り部材。
前記仕切り片の各前記仕切片本体板部は、該仕切り片を前記第2板状材の前記片第2端縁からA方向に沿って切り欠いて形成されて前記仕切板部と係合可能な係合用第2切欠部を有し、
各前記仕切片本体板部は、更に、各前記第2切欠部の最奥部から更にA方向に沿って前記片折り曲げ部側に延びる片第1切り込み線と、該片第1切り込み線からB方向に沿って互いに逆方向に延びる一対の片第2切り込み線とを設けることで、該第2切欠部と該片第2切り込み線との間に位置してB方向に沿って互いに近接した状態で該片第1切り込み線を介して相対向する一対の抑え片が形成されている、請求項6に記載の容器用仕切り部材。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態の容器用仕切り部材10(以下単に「仕切り部材10」ともいう)は、相対向する一対の第1側面51、51及び相対向する一対の第2側面52、52を有する平面視略矩形状の容器50に装着して用いられる。容器50は、厚紙やダンボール、樹脂等からなる板状体を組み立てて略六面体状に形成されており、上記の各側面51、51、52、52に加えて互いに相対向する底面部54と天面部53とを有している。
【0014】
図2に示すように、仕切り部材10は、第1方向X及びそれと直交する第2方向Yを有し、第1方向Xに沿って延びる第1端縁E1及び第2端縁E2並びに第2方向Yに沿って延びる第3端縁E3及び第4端縁E4を有する略矩形状の第1板状材11をその構成部材の一つとする。仕切り部材10は、第1板状材11を第2方向Yに沿って延びる2本の折り曲げ部12、12に沿って折り曲げることにより形成されている。
図2に示す例では、2本の折り曲げ部12、12は線状、より具体的には第2方向Yに略平行な直線状である。第1板状材11は、厚紙やダンボール、樹脂等から構成され、後述する第2板状材31も同様である。
【0015】
図1及び
図2等に示すように、仕切り部材10は、折り曲げ部12、12間に位置し且つ第1方向Xの長さL1(
図2参照)が容器50の第1側面51の平面視での長さL2(
図1参照)と同様である仕切板部13を有している。仕切板部13は略矩形状である。更に仕切り部材10は、折り曲げ部12、12を介して仕切板部13とそれぞれ連設される一対の延出板部14、15を有している。
図2に示す通り、折り曲げ部12、12は、第1板状材11の第1方向Xの長さを二等分して第2方向Yに略平行な線であるX方向中心線Mに対して略対称な位置に設けられている。延出板部14、15はX方向中心線Mに対して略対称な略矩形状をしている。以下、延出板部14と15とで同様の構成は、「延出板部14(15)」のようにカッコ書きを用いた記載によりまとめて説明することがある。
【0016】
第1板状材11は、延出板部14(15)における第1端縁E1側が、仕切板部13よりも突出して形成されている。これにより、延出板部14(15)の第2方向Yの長さL3(L3’)は、仕切板部13の同方向の長さL18よりも長く形成されている。延出板部14(15)の第2方向Yの長さL3(L3’)は、容器50の第2側面52の側面視での高さL4(
図1参照)と略同じであるか、高さL4よりも若干低くなっている(
図16参照)。具体的には、第1板状材11における第2端縁E2は、第1方向Xに沿って延びる略直線状に形成されている。一方、第1端縁E1は、延出板部14(15)と仕切板部13との間に第2方向Yの長さL3(L3’)を、仕切板部13よりも大きくするための段差部21、21を有している。但し、第1端縁E1は、仕切板部13、延出板部14(15)それぞれにおいては第1方向Xに沿って延びる略直線状に形成されており、全体としては第1方向Xに沿って延びる形状となっている。L3及びL3’は、L4の60%以上であることが好ましく、L4の70%以上であることがより好ましく、L4の80%以上であることが特に好ましく、L4の90%以上であることが最も好ましい。L3及びL3’は、L4の100%以下であることが好ましく、95%以下であることがより好ましい。仕切板部13の第2方向Yの長さL18は、延出板部14(15)の第2方向Yの長さL3(L3’)の60%以上であることが好ましく、L3(L3’)の70%以上であることがより好ましく、L3(L3’)の80%以上であることが特に好ましく、L3(L3’)の90%以上であることが最も好ましい。L18は、L3(L3’)の100%以下であることが好ましく、95%以下であることがより好ましい。L18を上記のように設定する理由としては、以下の通りである。
仕切り部材10は、その高さが高いほど、容器の底面部と共に天面部に当接しやすくなるため、仕切り材が容器内で縦方向に動くことを抑制することが出来る。その反面、仕切板部13については、その高さが高いと、容器に収納されている袋状の収容物品s(分包、
図17参照)を取り出すときに、指が仕切り材にあたりやすくなり、収容物品sを取り出しにくくなる。
そこで、上記の両方の課題を解決するために、延出板部の長さL3及びL3’は長いほうが良いが、仕切板部13の長さL18はL3及びL3’よりも短いほうが良い。但し、仕切板部13の高さが低すぎると、仕切り材として容器内を区切ることが難しくなるため、仕切板部13の高さであるL18は容器50の高さに対して一定以上であることが好ましい。
【0017】
図1及び
図2に示すように、一方の延出板部14は、該延出板部14に折り曲げ部12に接続する切り込み線16を入れることにより形成され、且つ該折り曲げ部12に沿って互いに逆方向に折り曲げ可能な一対の側面添設板部14a、14bを有している。同様に、他方の延出板部15も、該延出板部15に折り曲げ部12に接続する切り込み線16を入れることにより形成され、且つ該折り曲げ部12に沿って互いに逆方向に折り曲げ可能な一対の側面添設板部15a、15bを有している。
図2に示す例では、一方の延出板部14の切り込み線16と他方の延出板部15の切り込み線16とは、X方向中心線Mに対して略対称な形状をしているが、これに限られない。
【0018】
図2に示すように、一対の側面添設板部14a、14b(15a、15b)は、延出板部14(15)に、第1板状材11の第3端縁E3(第4端縁E4)から折り曲げ部12まで切り込む切り込み線16(16)を入れて、該延出板部14(15)を複数に分断することによって形成されている。
図2に示すように、本実施形態では、切り込み線16、16は、第1方向Xに略平行な直線状である。これにより側面添設板部14a、14b、15a、15bは、折り曲げ部12に沿う一端縁を有する略矩形状に形成されている。また、本実施形態では、延出板部14(15)に切り込み線16(16)が1本形成されており、延出板部14及び15それぞれは、切り込み線16により、2つに分断されている。この場合、延出板部14(15)は一対の側面添設板部14a、14b(15a、15b)からなる。
【0019】
図2に示す例では、側面添設板部14a、14b、15a、15bそれぞれの第2方向Yの長さL5、L6、L5’、L6’(
図2参照)はいずれも同様であるがこれに限定されない。例えばL5とL6は同一であっても異なっていても良い。L5’とL6’、L5とL5’、L6とL6’、L5とL6’、L6とL5’の各関係も同様である。L5:L6は1:0.5〜1.5であることが好ましく、1:0.7〜1.3であることがより好ましく、1:0:8〜1.2であることが更に好ましく、L5’:L6’も同様の範囲であることが好ましい。L5とL6(及びL5’とL6’)が上記の好ましい範囲に設定されることで、容器の側面52に対して延出板部14、15における各側面添設板部から均一に力がかかるようになり、より安定的に仕切り部材10が容器50内で保持できる。
【0020】
図2等に示す例では、第1板状材11は、その四隅部が丸みを有する角R部となっている。また、側面添設板部14a、14b(15a、15b)における、第3端縁E3(第4端縁E4)と切り込み線16とが交差することにより形成されて互いに隣接する両隅部14ae、14be(15ae、15be)も丸みを有する角R部となっている。
【0021】
図1及び
図3等に示すように、延出板部14、15は、仕切板部13から張り出すように折り曲げられている。延出板部14、15は、仕切板部13から同方向に張り出すように折り曲げられていてもよく、互いに逆方向に張り出すように折り曲げられてもよい。逆方向に張り出すように折り曲げられていると、仕切り部材10の容器50における位置ずれがより効果的に防止されるため好ましい。
図1及び
図3等に示す例では、一方の延出板部14における一対の側面添設板部14a、14bが折り曲げ部12に沿って互いに逆方向に折り曲げられて仕切板部13の両側に張り出している。同様に、他方の延出板部15における一対の側面添設板部15a、15bが折り曲げ部12に沿って互いに逆方向に折り曲げられて仕切板部13の両側に張り出している。
【0022】
図1及び
図3等に示す例では、第1端縁E1側に位置する側面添設板部14a及び側面添設板部15aが、仕切板部13から互いに逆方向に張り出している。また、第2端縁E2側に位置する側面添設板部14b及び側面添設板部15bが、仕切板部13から互いに逆方向に張り出している。しかしながら4つの側面添設板部の張り出し方は任意である。側面添設板部14a、14b、15a、15bを全て同方向に張り出すように折り曲げられていてもよい。また4つの側面添設板部14a、14b、15a、15bのうちいずれか3つを同方向に張り出すように折り曲げ、残りの一つを逆方向に張り出すように折り曲げてもよい。また側面添設板部14a、14bを同方向に張り出すように折り曲げ、それとは逆方向に張り出すように側面添設板部15a、15bを折り曲げてもよい。また、側面添設板部14a及び側面添設板部15aを仕切板部13に対して同方向に張り出すように折り曲げ、側面添設板部15bと14bとを、仕切板部13に対して同方向に、且つ側面添設板部15aと14aとはそれぞれ逆方向に張り出すように折り曲げてもよい。容器50における位置ずれ等をより効果的に防止する観点から、延出板部14、15がそれぞれ一対の側面添設板部を有するとき、いずれかの延出板部を構成する一対の側面添設板部が仕切板部13に対して互いに逆方向に張り出すように折り曲げられることが好ましく、2つの延出板部14、15それぞれにおいて、一対の側面添設板部が仕切板部13に対して互いに逆方向に張り出すように折り曲げられることがより好ましい。
【0023】
図4〜
図7に示すように、側面添設板部14a、14b、15a、15bは、容器50に装着されるにあたり、仕切板部13に対して略垂直方向に折り曲げ部12、12に沿って折り曲げられて使用される。
【0024】
図3〜
図7に示すように、一対の側面添設板部14a、14bを互いに逆方向に且つ、仕切板部13に対して略垂直に折り曲げたときに、仕切板部13の板面と略垂直な方向における、該側面添設板部14a、14bの第3端縁E3同士間の距離L7(
図3参照)は、容器50を平面視したときの第2側面52の幅L8(
図1参照)と同様である。側面添設板部15a、15bを互いに逆方向に且つ、仕切板部13に対して略垂直に折り曲げたときに、仕切板部13の板面と略垂直な方向における、側面添設板部15a、15bの第4端縁E4同士間の距離L7’(
図3参照)もL8と同様である。また上記の距離L7及びL7’は後述する仕切り片30を形成する第2板状体31のB方向の幅L9(
図8参照)とも同様である。
【0025】
上述した通り、仕切り部材10は第1板状材11のみからなるものであってもよいが、
図1に示すように、断面略コの字状の仕切り片30を装着していると、仕切板部13の容器50における位置ずれを一層効果的に防止でき、また容器50の内部を更に細かい区画に仕切ることができるため、内容物を整理しやすく、また、容器50を傾いた状態にしたときに内容物による加重を分散することが出来る。以下では、第1板状材11における仕切り片30と係合するための構成、及び仕切り片30について説明する。各図に示す例では仕切り部材10は仕切り片30を2個装着するが、これに限られず1個でも3個以上であってもよい。
【0026】
図2等に示すように、仕切り部材10は、仕切板部13を第1板状材11の第1端縁E1から第2方向Yに沿って切り欠いて形成されて、仕切り片30と係合可能な係合用第1切欠部17を有する。第1切欠部17は第2方向Yに長い略矩形状をしている。各図では第1切欠部17は仕切板部13に2個形成されているが、1個でも3個以上であってもよい。
【0027】
図2等に示すように、第1切欠部17は、その最奥部17aに、第1方向Xに沿って配され、且つ第2端縁E2側に向けて凹陥した一対の凹部18、18を有する。仕切板部13における凹部18の底部と、第1端縁E1との第2方向Yの距離L12(
図4参照)は、一の第1切欠部17に設けられた一対の凹部18同士で同一であっても異なっていてもよく同一であることが好ましい。L12は、異なる第1切欠部17に設けられた凹部18同士においても同一であっても異なっていてもよく同一であることが好ましい。第1切欠部17が単数であっても複数であっても仕切板部13における各凹部18についてのL12が略同一であることが好ましい。
【0028】
図2等に示すように、第1切欠部17は、一対の該凹部18、18間に位置し、且つ前記第1端縁E1側に向けて突出した凸部19を有する。凸部19は、第1切欠部17の最奥部17aにおける第1方向Xの略中央部に設けられている。
図2等に示すように、例えば、凹部18の形状としては、第1端縁E1側に開口した略コの字状が挙げられる。凸部19の輪郭形状としても、第2端縁E2側に開口した略コの字状が挙げられる。ここでいう略コの字状には、コの字状の両角部の一方又は両方が角R部である形状が含まれる。
図2等に示す例では、凹部18は、略コの字状の2つの角部のうち、凸部19と反対側に位置する角部18aが角R部に形成されている。また凸部19は、略コの字状の2つの角部の両方が角R部に形成されている。X方向において、凹部18、18とその間に存在する凸部19とは、隙間なく連続的に形成されている。
【0029】
図4等に示すように、凹部18の底部と第1端縁E1との第2方向Yにおける距離L12(第1切欠部17の第2方向Yの長さ)に対する、凹部18の底部と凸部19の頂部との距離L13の比(L13/L12)は、0.8以下であることが好ましく、0.05以上0.6以下であることがより好ましく、0.05以上0.1以下であることが更に好ましい。L13/L12が0.05以上であると、後述するように仕切り片30を第1切欠部17に係合したときに、凸部19による仕切り片30の第1方向Xに沿う動きをより確実に規制することができる。0.8以下であると仕切り片30の端縁E2を凸部19に邪魔されずに凹部18に挿入し易い。
【0030】
本発明の仕切り部材10は凸部19を有することで、後述する仕切り片30の仕切り片本体板部34同士が凸部19を挟む状態で仕切板部13に保持されるため、仕切り片30が仕切板部13に係合したときに、仕切り片30の断面略コの字状の状態が、適切に維持される。また、凹部18の第1方向Xの幅は狭いほうが仕切り片30を固定しやすいが、狭すぎると組み立て時に仕切り片30を仕切板部13に挿入しにくい。このため、凹部18の第1方向Xの長さL20(
図2参照)は、第1切欠部の同方向の長さL10(
図2参照)との比L10:L20が好ましくは1:0.1〜0.5であり、より好ましくは1:0.2〜0.4であり、更に好ましくは1:0.25〜0.35である。
【0031】
更に、仕切板部13の第2方向Yの長さL18(
図2参照)に対する第1切欠部17の同方向の長さL12(
図4参照)が長すぎると、仕切り部材10の強度が低下してしまう一方で、短すぎると、仕切り片30の固定がゆるくなる場合があるという課題もある。この観点から、仕切板部13の長さL18に対する第1切欠部17の長さL12の比(L18:L12)は好ましくは1:0.2〜0.7であり、より好ましくは1:0.2〜0.6であり、更に好ましくは1:0.4〜0.5である。
【0032】
図2〜
図4、
図15等に示すように、仕切板部13は、第1切欠部17の開口端17b(
図2参照)の位置に、第1方向Xに沿って互いに近接するように張り出した一対の突起部20、20を設けている。このため、第1切欠部17の第1方向Xの長さ(最大長さ)L10(
図2、
図15参照)は、突起部20、20よりも第2端縁E2側の部分における長さとなっており、突起部20、20の間における第1方向Xの間隔L10’(
図15参照)は、第1切欠部17の第1方向Xの長さL10よりも小さくなっている。これらの図、特に
図15に示すように、突起部20、20は、互いと最も近接する部分である頂部20aと、頂部20aから延びて第2端縁E2と対向する第2端縁E2側の端縁部20bと、頂部20aから延びて第1端縁E1における第1方向Xに沿う略直線状部分と連続する第1端縁E1側の端縁部20cを有している。第1端縁E1側の端縁部20cは、突起部20の外側に向けて凸になった曲線状に形成されていると、仕切り片30を第1切欠部17にスムーズに係合させることが容易であるという利点があるため、好ましい。
【0033】
図15に示すように、突起部20における端縁部20bが、略直線状に形成されており、第1切欠部17の第2方向Yに沿って延びる端縁17cと、略角部を形成するように交わっている場合、このような端縁部20bの形状により、仕切り片30は突起部20、20にしっかり係合して外れにくくなるため好ましい。また、突起部20の第1方向Xの長さL22(
図15参照)が長いと仕切り片30の固定が容易となるが、組み立て時に仕切り片30を仕切板部13に挿入しにくい。この観点から、第1切欠部17の第1方向Xの長さL10と、突起部20の第1方向Xの長さL22との比(L10:L22)は、好ましくは1:0.03〜0.3であり、より好ましくは1:0.05〜0.2であり、更に好ましくは1:0.07〜0.15である。
【0034】
続いて、仕切り片30について詳述する。
図8等に示すように、仕切り片30は、A方向及びそれと直交するB方向を有し、A方向に沿って延びる一対の片第1端縁e1、e1並びにB方向に沿って延びる一対の片第2端縁e2、e2を有する略矩形状の第2板状材31から形成される。
図1及び
図8等に示すように、仕切り片30は、第2板状材31をB方向に沿って延びる2本の片折り曲げ部32、32に沿って略同方向に折り曲げることにより断面略コの字状に形成されている。
図8に示す例では、2本の片折り曲げ部32、32は線状、より具体的にはB方向に略平行な直線状である。
【0035】
上記の折り曲げによって、仕切り片30は、片折り曲げ部32、32間に位置する連結板部33と、該片折り曲げ部32、32を介して該連結板部33とそれぞれ連設する一対の仕切片本体板部34、34とを有する。
図8に示す通り、折り曲げ部32、32は、第2板状材31のA方向の長さを二等分してB方向に略平行な線であるA方向中心線mに対して略対称な位置に設けられている。仕切片本体板部34、34もA方向中心線mに対して略対称な形状をしている。連結板部33、仕切片本体板部34、34はいずれも略矩形状である。前述した、第1切欠部17の第1方向Xの長さL10(
図2参照)は、仕切り片30の連結板部33のA方向幅L11(
図8参照)と同様である。仕切片本体板部34のA方向長さL15(
図8参照)は、仕切板部13における第2端縁E2と突起部20の第2端縁E2側の端部との第2方向Y距離L17(
図4参照)と同様である。
【0036】
図8等に示すように、仕切り片30の各仕切片本体板部34は、該仕切り片30を第2板状材31の片第2端縁e2からA方向に沿って切り欠いて形成されて仕切板部13と係合可能な係合用第2切欠部35を有する。係合用第2切欠部35はA方向に細長い形状をしている。係合用第2切欠部35は、第2板状材31の片第2端縁e2におけるB方向の略中央部からA方向に沿って切り欠いて形成されている。係合用第2切欠部35の端縁部は、A方向に延びる略直線状に形成されるとともに、第2切欠部35の開口端35bにおいては曲線状に形成されており、これにより、第2切欠部35の端縁部と片第2端縁e2とが該開口端35bにおいてなす角部は角R部に形成されている。このため、仕切板部13が第2切欠部35とスムーズに係合しやすいなどの利点があるため好ましい。
【0037】
各仕切片本体板部34は、各第2切欠部35の最奥部35aから更にA方向に沿って片折り曲げ部32側に延びる片第1切り込み線36を有する。片第1切り込み線36の最奥部36a(片折り曲げ部32側の端部)と片折り曲げ部32とのA方向距離L14(
図8参照)は、仕切板部13における凹部18の底部と突起部20との第2方向Yの距離L16(
図4参照)と同様である。各仕切片本体板部34は、片第1切り込み線36からB方向に沿って互いに逆方向に延びる一対の片第2切り込み線37、37を有している。
図2等に示す例において片第2切り込み線37、37は、片第1切り込み線36の最奥部36aからB方向に沿って互いに逆方向に延びるように形成されている。これによりこれらの切り込み線36、37が略T字状に交差している。2本の片第2切り込み線37、37の長さ(B方向の長さ)は同様である。各仕切片本体板部34にA方向に沿って形成された切り込み部分のA方向長さ(片第1切り込み線36の最奥部36aと片第2端縁e2とのA方向距離)L23(
図8参照)は、一つの仕切り片30における一対の仕切片本体板部34同士で同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。また、複数の仕切り片30を仕切板部13に装着する場合は、異なる仕切り片30同士におけるL23が同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。仕切り片30が単数であっても複数であっても仕切板部13に係合する各仕切片本体板部34におけるL23が略同一であることが好ましい。上記の切り込み部分のA方向長さL23に対する片第1切り込み線36の同方向の長さL28(
図8参照)の比(L28/L23)は好ましくは0〜0.5であり、より好ましくは0.01〜0.25であり、更に好ましくは0.05〜0.1である。片第1切り込み線36が一定以上の長さで存在することで、仕切り片30を仕切板部13に対して安定して固定しやすい。また、片第1切り込み線36の長さを一定以下とすることで、仕切り片30の強度の低下が抑制される。
【0038】
上記のように片切り込み線36及び37を設けることにより、各仕切片本体板部34には、第2切欠部35と片第2切り込み線37との間に位置してB方向に沿って互いに近接した状態で片第1切り込み線36を介して相対向する一対の抑え片38、38(
図8参照)が形成されている。
図8等に示す例では、抑え片38、38は、片第1切り込み線36に沿う上辺と、片第2切り込み線37及び第2切欠部35の端縁に沿う側辺とを有する略台形状である。
【0039】
図1及び
図9等に示すように、仕切板部13に仕切り片30を装着する場合には、仕切板部13の第1切欠部17に、仕切り片30を係合する。
図9に示すように、仕切り片30は、仕切片本体板部34、34における片第1端縁e1が仕切板部13の第2方向Yに沿い、且つ断面略コの字状の該仕切り片30の開口36が該仕切板部13の前記第1切欠部17の最奥部17aを向いた状態で該第1切欠部17に挿入されることにより、該第1切欠部17に係合する。具体的には、まず、上記の状態で、仕切り片30を、その第2切欠部35が、仕切板部13の第1切欠部17の第1端縁E1側に位置するように配置する。このとき仕切り片30の片折り曲げ部32、32が仕切板部13の板面と略直交する方向を向いた状態とする。そして、仕切り片30を第2方向Yに沿って、第1端縁E1側から第2端縁E2側に向けて移動させる。これにより、仕切り片30の第2切欠部35の最奥部35aが仕切板部13の突起部20、20と当接する。更に、仕切り片30を、仕切板部13の第2端縁E2側に向けて移動させる。すると、仕切り片30の第2切欠部35よりも片折り曲げ部32側の部分が、仕切板部13の突起部20、20間を通っていく。次いで、仕切り片30の片第2端縁e2、具体的には第2切欠部35の最奥部35aが、第1切欠部17の凹部18内に挿入される。
【0040】
更に、仕切板部13における凹部18よりも第2端縁E2側の部分を、仕切り片30の片第1切り込み線36に沿って片折り曲げ部32側に挿入することで、仕切板部13における凹部18よりも第2端縁E2側の部分を、抑え片38、38が狭持する。
【0041】
以上のように、仕切板部13の凹部18、18内に仕切り片30の片第2端縁e2、具体的には、仕切片本体板部34の第2切欠部35の最奥部35aを凹部18内に挿入させることにより、仕切り片30の仕切片本体板部34の第1方向Xに沿う動きを該仕切板部13の凸部19によって規制することができる。
【0042】
また、仕切り片30の第2切欠部35を仕切板部13と係合させるときに、一対の抑え片38、38の間に仕切板部13を挟ませることにより、仕切板部13の板面と略直交する方向に沿う仕切り片30の動きを規制することができる。また抑え片38、38の間に仕切板部13を挟ませることにより、仕切板部13の第2方向Yに沿う仕切り片30の動きも一定程度制限される。仕切板部13(仕切板部13における凹部18よりも第2端縁E2側の部分)は、片第1切り込み線36の最奥部36aまで挿入される。
【0043】
本実施形態では、片第1切り込み線36及び片第2切り込み線37のうち、片第1切り込み線36のみを設ける場合に比べて、片第2切り込み線37を設けることで、片第1切り込み線36の最奥部36aまで仕切板部13を確実に挿入でき、また一対の抑え片38、38により仕切板部13の両板面をしっかり押圧することができる。
【0044】
このように仕切板部13(仕切板部13における凹部18よりも第2端縁E2側の部分)を第2切欠部35の最奥部35aまで挿入し、更に、片第1切り込み線36の最奥部36aまで挿入すると、仕切り片30は、その連結板部33が仕切板部13の突起部20、20間を通り、仕切り片30の全体が、仕切板部13の突起部20、20よりも第2端縁E2側に位置する(
図10、
図11、
図15等参照)。
以上の過程により、各仕切り片30が仕切板部13に装着される。
【0045】
図10〜
図15に各仕切り片30を仕切板部13に装着した状態の仕切り部材10を示す。
図10、
図13及び
図14等に示すように、仕切り片30は、仕切片本体板部34、34が、仕切板部13と略直交した状態で、仕切板部13に装着される。また
図11等に示すように、断面略コの字状の仕切り片30は、その片第2端縁e2が、仕切板部13の第2端縁E2と連結板部33と略平行な同一平面を構成するように仕切板部13に装着される。
【0046】
図11及び
図15等に示す例では、仕切り片30は仕切板部13に装着されたときに、突起部20、20の第2端縁E2側の端縁部20bに連結板部33の外側の板面33a(
図15参照)が当接している。しかし仕切り片30が仕切板部13に装着されたときに、突起部20、20の端縁部20bと、連結板部33の外側の板面33aとの間には隙間があってもよい。
図12に示すように、仕切り片30が仕切板部13に装着した状態の仕切り部材10は、右側面視において、各側面添設板部14a、14bの第3端縁E3及び側面添設板部15a、15bの第4端縁E4が、仕切り片30の片第1端縁e1と同一線上に位置する。
【0047】
上述した関係から、第1切欠部17は、突起部20、20間におけるX方向幅L10’は、連結板部33のA方向幅L11よりも小さくなっている(
図15等参照)。これによって容器50の搬送や使用時においても、仕切り片30は突起部20、20間を通ってY方向外側に動くことが規制される。すなわち仕切り片30の第2方向Yに沿う動きが突起部20によって規制される。
【0048】
図16に示すように、仕切り部材10は、一対の延出板部14、15を、仕切板部13が容器50の第1側面51に略平行となり、且つ、仕切板部13から張り出すように折り曲げて該容器50の第2側面52に沿って接して配置するように、容器50内に装着される。これにより、容器50の第2側面52の平面視での幅方向pに沿う位置ずれが一対の延出板部14、15によって規制される。このような仕切り部材10を装着した容器50は、例えば、
図17のように、袋状の包装材に内容物が封入されてなる収容物品sを多数整列配置した場合、使用時や搬送時の振動等による容器50における仕切り部材10の位置ずれや変形等が防止されやすい。本実施形態では一対の延出板部14、15が、仕切板部13から互いに逆方向に張り出すように折り曲げて容器50内に装着されるので、更に位置ずれ等が防止されやすい。
【0049】
また、第2側面52、52には、折り曲げた状態の延出板部14、15並びに仕切板部13と延出板部14、15との角部が沿って接しているため、収容物品sが、第2側面52と延出板部14、15との間に挟まり難い。また、仮に、収容物品sが、第2側面52と延出板部14、15との間に挟まっても、収容物品sの包装材の損傷が防止される。例えば、収容物品sの袋状の包装材が、紙や樹脂フィルム、アルミパウチ等から構成される場合、本発明はこれらの包装材の損傷防止に特に効果を奏する。
【0050】
特に
図16に示すように、本実施形態の仕切り部材10は、互いに逆方向に折り曲げて仕切板部13の両側に張り出させた状態の一対の側面添設板部14a、14bが容器50の一方の第2側面52に沿って接し、同様の状態のもう一対の側面添設板部15a、15bが他方の第2側面52に沿って接するように仕切り部材10が容器50内に配置される。これにより、仕切り部材10による容器50の第2側面52の平面視での幅方向pに沿う位置ずれが、互いに逆方向に折り曲げられた一対の側面添設板部14a、14b及び15a、15bによって、更に効果的に規制され、仕切板部13が第1側面51、51と略平行な状態が安定的に維持される。
【0051】
また、凸部19によって、容器の第1側面51の平面視での幅方向wに沿う仕切り片30の動きが規制されるほか、突起部20によって、容器50の高さ方向に沿う仕切り片30の動きが制限される。更に、抑え片38、38により、仕切り片30の容器50における前記の幅方向pに沿う動きも規制される。このように強固に仕切板部13に固定された仕切り片30を装着させていることによっても、容器50における仕切り部材10の位置ずれ、特に前記の幅方向pに沿う位置ずれが規制される。したがって、仕切り部材10を装着した容器50は、
図17のように、仕切り部材10が、袋状の包装材に内容物が封入されてなる収容物品sを多数整列配置した場合、使用時や搬送時の振動等によっても容器50における仕切り部材10の位置ずれや変形等が防止されるという効果が一層効果的に奏される。このため、容器50の使用時や搬送時における収容物品sの配置の乱れが効果的に防止できる。
【0052】
位置ずれや包装材の損傷防止等の効果をより高める観点から、本発明の仕切り部材10及び容器50が適用される収容物品s(分包)一包に封入された内容物の重さとしては例えば1g以上8g以下程度であることが好ましく、2g以上6g以下であることがより好ましく、3g以上4g以下であることが特に好ましい。また収容物品s一包に封入された内容物の重さが上記の範囲であることを前提として、容器50に収容される収容物品sの数は20個以上200個以下であることが好ましく、30個以上150個以下であることがより好ましく、50個以上100個以下であることが特に好ましい。また、包装材の内容物の形状としては、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、チュアブル状、シロップ状、スティック状等が挙げられる。
【0053】
本発明の容器の例としては、食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、健康食品、医薬品、医薬部外品又は化粧品包装用の容器に用いられることが好ましい。具体的には、上記の各種形状の食品、医薬品又は化粧品を、紙や樹脂フィルム、アルミパウチ等からなる袋状の包装材で個別に包装してなる多数の収容物品(分包)を包装するための容器として用いられることが好ましい。これらの用途では、低コストに製造でき位置ずれ及び包装材の損傷を効果的に防止可能という仕切り部材10による効果が発揮されやすい。また、仕切り部材の用途としても、同様に、上記で挙げた各種用途に用いられる容器に利用されるものが挙げられる。
【0054】
本発明の仕切り部材及び容器の特に典型的な用途の例として、粉状、粒状、液状又は流動状の食品包装用途、とりわけ粉末状の青汁等の健康食品の包装用途が挙げられる。青汁は、植物の緑葉を乾燥粉末や搾汁粉末等の様々な加工物として含有する製品である。
【0055】
以上の通り、好ましい実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0056】
例えば、仕切り部材は、
図18(a)に示すような、延出板部14、15に切り込み線が形成されていない仕切り部材10Aであってもよい。この場合、上述した仕切り部材10ほどではないものの、仕切板部13から互いに逆方向に張り出すように折り曲げられた延出板部14、15を設けたことで、容器50における第2側面52の平面視での幅方向pに沿う位置ずれが一定程度防止される。
【0057】
仕切り部材は、また、
図18(b)に示すような、一対の前記側面添設板部14a’、14b’(15a’、15b’)が、各延出板部14(15)に、折り曲げ部12から始まり該折り曲げ部12に戻る切り込み線16’を入れて、各延出板部14(15)の折り曲げ部12側の一部をくり抜くことによって形成されているのであってもよい。この場合は、上述した仕切り部材10ほどではないものの、上述した仕切り部材10’よりも、容器50における第2側面52の平面視での幅方向pに沿う位置ずれが防止しやすい。
図18(b)に示す例では、切り込み線16’は、折り曲げ部12から始まり該折り曲げ部12に戻るU字状である。
【0058】
また、延出板部14(15)は、それぞれ2つの側面添設板部を有していたが、3以上であってもよい。
また、仕切板部は、第1切欠部を有していなくてもよく、仕切り片を装着していなくてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、仕切板部13の第1端縁E1は、延出板部14(15)と仕切板部13との間に第2方向Yの長さL3(L3’)を、仕切板部13よりも大きくするための段差部21、21を有していたが、このような段差部を有しなくてもよい。つまり、第1板状材11は、仕切板部13及び延出板部14、15を含めた第1方向Xの全体に亘り、第1端縁E1が直線状であっても良い。