(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-159980(P2016-159980A)
(43)【公開日】2016年9月5日
(54)【発明の名称】袋状容器の密閉方法及びその密閉装置
(51)【国際特許分類】
B65D 33/17 20060101AFI20160808BHJP
【FI】
B65D33/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-58665(P2015-58665)
(22)【出願日】2015年3月4日
(71)【出願人】
【識別番号】508185856
【氏名又は名称】高嶋 達人
(72)【発明者】
【氏名】高嶋 達人
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA01
3E064BA01
3E064BA09
3E064BA22
3E064BB03
3E064BB04
3E064HM01
3E064HN28
3E064HN38
3E064HN39
(57)【要約】
【課題】各種食品を一体型の再密閉装置の付いていない袋状容器に入れて保管するにあたり、保管時に食品の内容成分の漏出や臭いが拡散する虞がなく、且つ食品を衛生的に保管することができる袋状容器の密閉方法及びその密閉装置を提供する。
【解決手段】袋状容器の上部縁部を第1及び第2の挟み込み部材で外側から挟み込み、巻き上げ、湾曲させ、ループ状に保持することにより、前記袋状容器を密閉する袋状容器の密閉方法であって、可撓性材で長尺状の帯状体に形成された第1及び第2の挟み込み部材と、前記第1及び第2の挟み込み部材のそれぞれの長手方向両端部に、前記第1及び第2の挟み込み部材をループ状に保持する係止手段と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状容器の上部縁部を外側から挟み込み、巻き上げ、湾曲させ、ループ状とすることにより、前記袋状容器を密閉する密閉装置であって、可撓性材で長尺状の帯状体に形成された一対の第1及び第2の挟み込み部材と、前記第1及び第2の挟み込み部材のそれぞれの長手方向両端部に、前記第1及び第2の挟み込み部材をループ状に保持する係止手段と、を備えていることを特徴とする密閉装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の挟み込み部材は、長手方向の一端同士が連結され、他端同士は開放されてなる片開き構造をなしていることを特徴とする請求項1に記載の密閉装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の挟み込み部材は、前記一端から前記他端に向かって次第に離間するように湾曲していることを特徴とする請求項2に記載の密閉装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の挟み込み部材の、連結された前記一端に、操作把持部を有することを特徴とする請求項2か3のいずれか1項に記載の密閉装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の挟み込み部材は、熱可塑性樹脂により成形されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の密閉装置。
【請求項6】
前記係止手段は、前記第1及び第2の挟み込み部材のそれぞれの一端部に備えた係止部材と、前記第1及び第2の挟み込み部材のそれぞれの他端部に備えた係止部材と、により前記第1及び第2の挟み込み部材をループ状に保持する前記係止手段であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の密閉装置。
【請求項7】
前記係止手段は、前記第1及び第2の挟み込み部材のそれぞれの一端部に備えた係止要素と、前記第1及び第2の挟み込み部材のそれぞれの他端部に備えた係止要素と、係止具と、により前記第1及び第2の挟み込み部材をループ状に保持する前記係止手段であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の密閉装置。
【請求項8】
前記第1及び第2の挟み込み部材は、外面側と内面側を有し、前記袋状容器の前記上部縁部を外側から挟み込んだ状態で互いに嵌合可能な凹部と凸部を前記第1及び第2の挟み込み部材の前記内面側に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の密閉装置。
【請求項9】
1)請求項1〜8のいずれか1項に記載の密閉装置の、前記第1及び第2の挟み込み部材で、前記袋状容器の前記上部縁部を挟み込むステップと、2)前記第1及び第2の挟み込み部材で前記袋状容器の前記上部縁部を間に挟み込んだ状態で、前記第1及び第2の挟み込み部材を軸として少なくとも2回、前記袋状容器に沿って順次巻き上げるステップと、3)前記第1及び第2の挟み込み部材を巻き上げた状態で、前記第1及び第2の挟み込み部材を湾曲させ、ループ状とし、前記第1及び第2の挟み込み部材の長手方向両端部を係止手段により係止して、巻き出しを防止するステップと、を含む袋状容器を密閉するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体、気体、固体状の各種物体を柔軟性に富んだ袋状容器に入れた後にその開口部を密閉する袋状容器の密閉方法及びその密閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種食品を保管するにあたり、その食品を衛生的な袋状容器に入れた後に開口部を密閉し保管すると、食品の吸湿や内容成分の漏出、揮発、腐敗が防止され、食品の新鮮度を長期間保ち、かつ外部を汚さず衛生的に保つことができる。このような袋状容器は、一般的に一体型の再密閉装置が付いているか、付いていないかで特徴付けることができる。
【0003】
一体型の再密閉装置が付いている袋状容器の例としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、各種食品を保管する再密閉可能な凹凸構造の組み合わせによるチャック機構を有するプラスチック製の袋に関するものが記載されている。この種のチャックは繰り返し利用できるため保管中の食品の出し入れが容易で大変使い勝手が良い。
【0004】
しかしながら、特に生鮮食品や油分を含む食材の保管に使用された前記袋状容器を再利用する場合には、前記袋状容器から食品の残滓を完全に取り除くことが難しく、腐敗の原因となり衛生上好ましくない。さらに、このようなチャックは材料が高価であるため、短期間だけの使用においては特に不経済であり、資源の浪費にもなっている。
【0005】
一体型再密閉装置が付いていない袋状容器の密閉方法の例としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものがある。特許文献2には、食品などを保管するための袋状容器や管状物等を密閉するためのクリップに関するものが記載されている。すなわち、この種のクリップは、凸部と凹部を持つ一対のアームが弾性ヒンジを支点として回転自在となっており、アームを回動させて袋状容器の開口部を挟み、一対のアーム同士をロックして上記袋状容器の開口部を緊締し密閉される。この種のクリップは、繰り返し使用できる他、袋状容器として一般的に使用されているポリプロピレン製フィルムなどからなるビニール袋であれば、食品の保管毎に新品のビニール袋に替えることができるため経済的且つ衛生的である。
【0006】
しかしながら、この種のクリップは外圧などにより、アーム同士のロックが外れ易い他、構造的に中央部分の密閉が弱いという問題点があり、保管時に食品の内容成分が外部に漏出したり臭いが拡散する虞がある。
【0007】
【特許文献1】米国特許第4787880号明細書
【特許文献2】特公平7−56284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、各種食品を一体型の再密閉装置の付いていない袋状容器に入れて保管するにあたり、保管時に食品の内容成分の漏出や臭いが拡散する虞がなく、且つ食品を衛生的に保管することができる袋状容器の密閉方法及びその密閉装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明の密閉装置は、各種食品を一体型の再密閉装置の付いていない袋状容器に入れて保管するにあたり、袋状容器の上部縁部を第1及び第2の挟み込み部材で外側から挟み込み、巻き上げ、湾曲させ、ループ状とすることにより、前記袋状容器を密閉する袋状容器の密閉方法及びその密閉装置を提供できるという知見に基づくものである。
【0010】
本発明の密閉装置は、可撓性材で長尺状の帯状体に形成された一対の第1及び第2の挟み込み部材と、前記第1及び第2の挟み込み部材のそれぞれの長手方向両端部に、前記第1及び第2の挟み込み部材をループ状に保持するための係止手段とを備え、前記第1及び第2の挟み込み部材で、前記袋状容器の前記上部縁部を挟み込む第1工程と、前記挟み込み部材で前記袋状容器の前記上部縁部を間に挟み込んだ状態で、前記挟み込み部材を軸として少なくとも2回(好ましくは3回、好ましくは4回、好ましくは5回)前記袋状容器に沿って順次巻き上げる第2工程と、前記挟み込み部材を巻き上げた状態で、前記挟み込み部材を湾曲させ、ループ状とし、前記挟み込み部材の長手方向両端部を前記係止手段により係止して、前記挟み込み部材をループ状に保持することにより、前記挟み込み部材の巻き出しを防止する第3工程とにより、前記袋状容器を密閉する。
【0011】
前記第1及び第2の挟み込み部材は、長手方向の一端同士が連結され、他端同士が開放されてなる片開き構造をなしていてもよい。片開き構造によれば、一対の第1及び第2の挟み込み部材のどちらか一方の紛失を防止することができる。また、前記一端から前記他端に向かって次第に離間するように湾曲していると、直ちに対象物を挟み込むことができるため、前記第1工程の作業性を向上させることができる。さらに、前記第1及び第2の挟み込み部材の、連結された前記一端に、操作把持部を備えていると片手の指で前記操作把持部を持ったまま、密閉のための一連の工程を行うことができるので、より作業性を向上させることができる。
【0012】
前記第1及び第2の挟み込み部材を形成する材料としては、紙、金属、プラスチック等、如何なる可撓性部材をも使用可能であるが、加工性、経済性、作業性の点から熱可塑性樹脂を使用してもよい。
【0013】
前記係止手段は、一体型の係止部材により係止してもよく、一体型ではなく係止具を用いて係止してもよい。すなわち、一体型は、前記第1及び第2の挟み込み部材のそれぞれの一端部に備えた係止部材と、前記第1及び第2の挟み込み部材のそれぞれの他端部に備えた係止部材とをお互いに係止して、前記第1及び第2の挟み込み部材をループ状に保持する。また、封止用装置と一体型ではない前記係止手段は、前記第1及び第2の挟み込み部材のそれぞれの一端部に備えた係止要素と、前記第1及び第2の挟み込み部材のそれぞれの他端部に備えた係止要素とを環状弾性体等の係止具で係止して、前記第1及び第2の挟み込み部材をループ状に保持する。
【0014】
前記第1及び第2の挟み込み部材の長さは、密閉の対象とする袋状容器の特性により適宜設定することができる。前記第1及び第2の挟み込み部材が前記袋状容器の前記上部縁部の幅と比較して長い場合は、前記袋状容器の前記上部縁部を挟み込む際に、前記袋状容器の前記上部縁部のシワが抑えられ、密閉性に優れる。しかし、前記袋状容器の封止後及び不使用時に、前記第1及び第2の挟み込み部材が嵩張り収納性に劣る。第1及び第2の挟み込み部材の長さが前記袋状容器の前記上部縁部の幅と比較して短い場合は、前記袋状容器の密閉後及び不使用時に、前記第1及び第2の挟み込み部材が嵩張らず収納性に優れる。しかし、前記袋状容器の前記上部縁部を挟み込む際に、シワが発生し易く、密閉性と作業性に劣る。
【0015】
そこで、本発明の密閉装置の前記第1及び第2の挟み込み部材は、外面側と内面側を有し、前記袋状容器の前記上部縁部を外側から挟み込んだ状態で互いに嵌合可能な凹部と凸部を前記内面側に備えていてもよい。これにより、第1及び第2の挟み込み部材の長さが前記袋状容器の前記上部縁部の幅と比較して短い場合であっても、前記袋状容器の前記上部縁部は、前記第1及び第2の挟み込み部材の長さ方向へは動かし易く幅方向へは動かし難く、前記袋状容器の前記上部縁部を前記第1及び第2の挟み込み部材の所定範囲内への集束が容易となり、前記第1工程の作業性を向上させることができる。また、前記袋状容器の前記上部縁部を前記第1及び第2の挟み込み部材で嵌合することにより、前記袋状容器の前記上部縁部にシワが発生していても、より密閉性に優れたものとすることができる。
【0016】
本発明の密閉装置の前記第1及び第2の挟み込み部材は、前記外面側に文字や凹凸部を配置しても良い。これにより、広告媒体としての利用が可能となりえる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、各種食品を一体型の再密閉装置の付いていない袋状容器に入れて保管するにあたり、保管時に食品の内容成分の漏出や臭いが拡散する虞がなく、食品を衛生的に保管することができる。生鮮食品の包装に好適で、無駄な包装体を減らすことができ、ゴミ削減の効果が高い
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の密閉装置1の好適な実施形態について説明する。
【0019】
本発明の密閉装置1は、各種食品を袋状容器2に入れて保管するにあたり、袋状容器2の上部縁部3を一対の挟み込み部材20と21で外側から挟み込み、巻き上げ、湾曲させ、ループ状に保持することにより、前記袋状容器2を密閉するものである。例えば、この密閉装置1は、保管時に食品の内容成分の漏出や臭いが拡散する虞がなく、生鮮食品の包装に好適に用いられる。
【0020】
図1に、本発明の密閉装置1の一実施例を図示する。本発明の密閉装置1は、可撓性材で長尺状の帯状体に形成された一対の挟み込み部材20と21と、挟み込み部材20と21の長手方向両端部を係止し、ループ状に保持するための係止手段10とを備えている。
【0021】
挟み込み部材20と21は、紙、金属、プラスチック等、如何なる可撓性部材をも使用可能であるが、加工性、経済性、作業性の点から、ガラス転移温度が−80℃以上0℃未満の熱可塑性樹脂の使用が好ましい。すなわちガラス転移温度が0℃未満の樹脂であれば、常温で取り扱う際に、一対の挟み込み部材20と21は、袋状容器2の形状とともに変形することができる十分な柔軟性を発揮する。しかし、ガラス転移温度が0℃以上の樹脂では、一対の挟み込み部材20と21は、硬質化するため、袋状容器2の形状とともに変形することができず、特に冷凍庫内では袋状容器2の密閉を解除する際に破損する虞がある。また、ガラス転移温度が−80℃未満の樹脂では、一般に融点も低くなるため、耐熱性という点から好ましくない。
【0022】
次に、係止手段10について説明する。
図4に示すように、挟み込み部材20と21は、ループ状とした際に、内周側挟み込み部材20または21と外周側挟み込み部材20または21とが形成される。また、ループ状とした挟み込み部材20と21との離間幅T−1は、挟み込む対象とする袋状容器2の上部縁部3の厚みにより変化する。すなわち、係止位置Yは、内周側挟み込み部材と外周側挟み込み部材と挟み込む対象とする袋状容器2の上部縁部3の厚みとにより決定されるため、本発明の密閉装置1の係止手段10は、挟み込み部材20と21が内周側か外周側かに係らず、また、袋状容器2の厚みの違いに係らず、係止可能でなくてはならない。すなわち、本発明の密閉装置1の一実施例の係止手段10は、挟み込み部材20と21のそれぞれの両端部の幅方向の両側に波状の山部及び谷部を交互に複数設けた係止要素10Aと10Bと10Cと10Dとを有し、一対の挟み込み部材20と21で袋状容器2の上部縁部3を外側から挟み込み、巻き上げ、湾曲させ、係止要素10Aと10Bと10Cと10Dとを輪ゴム等の係止具11で捲回係止し、挟み込み部材20と21をループ状に保持する。
【0023】
次に、本発明の密閉装置1の一実施例の挟み込み部材20と21のサイズについて説明する。挟み込み部材20と21のサイズは、密閉の対象とする袋状容器2の特性により決定されるが、挟み込み部材20と21は等長等幅等厚で、幅5〜50ミリ程度、長さ30〜300ミリ程度、厚さ0.5〜5ミリ程度とすることが望ましい。
【0024】
次に、本発明の密閉装置1の一実施例の密閉方法について説明する。
図2に示すように、挟み込み部材20と21で、袋状容器2の上部縁部3を挟み込む第1工程と、
図3に示すように、挟み込み部材20と21で、袋状容器2の上部縁部3を間に挟み込んだ状態で、挟み込み部材20と21を軸として少なくとも2回、袋状容器2に沿って順次巻き上げる第2工程と、
図4に示すように、挟み込み部材20と21を巻き上げた状態で、挟み込み部材20と21を湾曲させ、ループ状とし、係止要素10Aと10Bと10Cと10Dとを輪ゴム等の係止具11で捲回係止し、ループ状に保持することで巻き出しを防止する第3工程とにより、袋状容器2を密閉する。
【0025】
図5に、本発明の密閉装置1の別の実施形態を図示する。この密閉装置1は、挟み込み部材20と21と係止手段10とをやはり備え、挟み込み部材20と21は、挟み込み部材20と21の長手方向の一端同士が連結され、他端同士は開放されてなる片開き構造をなし、連結部には操作把持部22を有し、連結部から自由端に向かって次第に離間するように湾曲している。さらに、挟み込み部材20と21は、外面側と内面側を有し、袋状容器2の上部縁部3を外側から挟み込んだ状態で互いに嵌合可能な凸部25と凹部26を内面側に備えている。
【0026】
次に、本発明の密閉装置1の別の実施形態の係止手段10について説明する。挟み込み部材20と21の長手方向の一端部に設けられ、挟み込み部材20と21の自由端を挿通させる挿通孔12を有した係止部材10Eと、挟み込み部材20と21の自由端部20Aと21Aの幅方向の両側にそれぞれ設けられ、係止部材10Eの挿通孔の内面と係止することで挟み込み部材20と21の戻り方向の移動を阻止する、波状の山部及び谷部を交互に複数設けた係止要素10A10Bとを有し、係止部材10Eの挿通孔12に挟み込み部材20と21の自由端部20Aと21Bを挿通し係止する。
【0027】
次に、本発明の密閉装置1の別の実施形態の密閉方法について説明する。密閉装置1の操作把持部22を持ち、挟み込み部材20と21で、袋状容器2の上部縁部3を挟み込む第1工程と、挟み込み部材20と21で、袋状容器2の上部縁部3を間に挟み込んだ状態で、操作把持部22を持ち、挟み込み部材20と21を軸として少なくとも2回、袋状容器2に沿って順次巻き上げる第2工程と、挟み込み部材20と21を巻き上げた状態で、操作把持部22と挟み込み部材20と21の自由端部20Aと21Aを持ち、挟み込み部材20と21を湾曲させ、ループ状とし、挟み込み部材20と21の自由端部20Aと21Aを係止部材10Eの挿通孔12に挿通し、係止部材10Eの挿通孔12の内面と係止要素10A10Bと係止し、ループ状に保持することで巻き出しを防止する第3工程とにより、袋状容器2を密閉する
【0028】
以上、本発明の内容を一実施例に基づき説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、その構成において、例えば次のような種々の変更が可能である。
【0029】
本発明でいう袋状容器は、紙、布、プラスチック製の袋又は管状物、紙、布、プラスチックフィルム又はそれらを複数枚束ねたもの等であり、挟み込んで巻き上げることができるものであればよい。
【0030】
本発明の密閉装置の第1及び第2の挟み込み部材は、長尺状の帯状体であるが、幅と長さの寸法比は特に制限されず、目的に応じて適宜設定することができる。本発明の密閉装置は、長さの方が幅よりも十分に長いものにすることができる。
【0031】
本発明の密閉装置の第1及び第2の挟み込み部材は、形成する材料としては、紙、鉄、ステンレス、プラスチック等、如何なる可撓性部材をも使用可能である。
【0032】
本発明の密閉装置の係止手段は、一体型の係止部材により係止してもよく、一体型ではなく係止具を用いて係止してもよい。係止具としては、紐や輪ゴム、ボルト及びナット等、第1及び第2の挟み込み部材をループ状に保持できるものであれば、如何なる係止具をも使用可能である。また、一体型の係止部材としては、
図6に示すように、嵌合型の雄型係止部材13と雌型係止部材14とからなっていてもよく、第1及び第2の挟み込み部材をループ状に保持できるものであれば、如何なる係止部材であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の密閉装置の一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の密閉装置の一実施形態の密閉方法(第1工程)の説明のための断面図である。
【
図3】本発明の密閉装置の一実施形態の密閉方法(第2工程)の説明のための断面図である。
【
図4】本発明の密閉装置の一実施形態の密閉方法(第3工程)の説明のための断面図である。
【
図5】本発明の密閉装置の別の一実施形態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の密閉装置の別の係止手段を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
1:密閉装置
2:袋状容器
3:袋状容器の上部縁部
10:係止手段、10A:係止要素A、10B:係止要素B、10C:係止要素C、10D:係止要素D、10E:係止部材E、11:係止具、12:挿通孔、13:雄型係止部材、14:雌型係止部材
20:第1挟み込み部材、20A:自由端部
21:第2挟み込み部材、21A:自由端部
22:操作把持部
25:嵌合部材凸部、26:嵌合部材凹部