(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-160557(P2016-160557A)
(43)【公開日】2016年9月5日
(54)【発明の名称】手袋の裏返し器
(51)【国際特許分類】
A41D 19/04 20060101AFI20160808BHJP
A41D 19/00 20060101ALI20160808BHJP
A41D 19/015 20060101ALI20160808BHJP
【FI】
A41D19/04 Z
A41D19/00 Z
A41D13/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-41185(P2015-41185)
(22)【出願日】2015年3月3日
(71)【出願人】
【識別番号】515059131
【氏名又は名称】石倉 一昭
(74)【代理人】
【識別番号】100083127
【弁理士】
【氏名又は名称】恒田 勇
(72)【発明者】
【氏名】石倉 一昭
【テーマコード(参考)】
3B033
【Fターム(参考)】
3B033AA15
3B033AB17
3B033AC03
(57)【要約】
【課題】各種手袋につき、五本の細い指部を即座に裏返すことができるために全体的な裏返しが至極容易となる手袋の裏返し器を提供する。
【解決手段】柄付き操作棒を手袋の指部に深く挿入できるように細く形成するとともに、先端部に抜きに抗するように手袋の指部内面との引掛り手段を設けたことを特徴とする。
【効果】従来最も難しかった五本指の細い指部の裏返しを極めて容易にでき、そのため全体の裏返しおよび表返しが全く簡単になったので、洗濯機による洗浄効果を格段に高め、清潔な手袋の着用を普及する上において優れた効果がある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄付き操作棒を手袋の指部に深く挿入できるように細く形成するとともに、先端部に抜きに抗するように手袋の指部内面との引掛り手段を設けたことを特徴とする手袋の裏返し器。
【請求項2】
前記引掛り手段は、操作棒の先端部に手袋の指部の内面と摩擦により引掛りが生ずるゴム質状のリング又はチューブを嵌着してなることを特徴とする請求項1記載の手袋の裏返し器。
【請求項3】
前記引掛り手段は、操作棒の先端部に軟質弾性素材からなる膨出体が嵌着され、膨出体に操作棒の中心を中心とする円周に沿った環状ヘラを列設し、ヘラが操作棒の基端方向へ逃げ角に形成してなることを特徴とする請求項1記載の手袋の裏返し器。
【請求項4】
前記引掛り手段は、操作棒の先端部に弾性変形し得る線材が螺旋体を嵌着し、螺旋体の線材先端が少なくとも二股の掴み口に形成されていることを特徴とする請求項1記載の手袋の裏返し器。
【請求項5】
前記引掛り手段は、操作棒の先端部にゴムキャップを風船状に膨らむように嵌着し、基端部には風船状の握り押ポンプを嵌着してなり、操作棒の中心部にゴムキャップと押ポンプとを連通する通気孔を設けたことを特徴とする請求項1記載の手袋の裏返し器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゴム手袋、木綿手袋、ネオプレーン手袋等の各種手袋を洗濯しやすく裏返しにするために使用する手袋の裏返し器に関する。
【背景技術】
【0002】
手袋は、特に作業用では頻繁に洗濯して反覆使用されるが、洗濯により新品同様の清潔な手袋で作業を開始できるということが作業効率上望ましい。しかし、そのまま洗濯しても汚れが内部まで取れにくく、指先内にゴミが入っていても排出されることなく残ってしまうという問題があった。そこで、通常は、洗濯器に投入する前に手袋を裏返しにすることにしている家庭、作業場、工場、各種グループ等がある。しかし、手袋を裏返すことはそう簡単ではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
手袋の裏返しが難しい理由は、全体の裏返しに細長い五本の指部の裏返しが必然的に伴うためであって、指部の裏返しが簡単にできなく、素手ではゴム製の片方の手袋に例えば5分もかかっていた。
【0004】
この発明は、上記のような実情に鑑みて、各種手袋につき、五本の細い指部を即座に裏返すことができるために全体的な裏返しが至極容易となる手袋の裏返し器を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、この発明は、柄付き操作棒を手袋の指部に深く挿入できるように細く形成するとともに、先端部に抜きに抗するように手袋の指部内面との引掛り手段を設けたことを特徴とする手袋の裏返し器を提供する。
【0006】
上記の構成によれば、職場等において、作業終了時に使用した手袋を洗濯器に掛けるときには、手袋の手首の部分を反転し指口を露出してから、操作棒を指口に差し込んでから引き抜くと、この時に生じる引掛りで指部の内側が引き抜かれるようになって、指部11が裏返しに突出する(
図1)。なお、表返すときは丁度逆の操作となる。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、この発明の手袋の裏返し器によれば、従来最も難しかった五本指の細い指部の裏返しを極めて容易にでき、そのため全体の裏返しおよび表返しが全く簡単になったので、洗濯機による洗浄効果を格段に高め、清潔な手袋の着用を普及する上において優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明による実施例1の手袋の裏返し器を使用状態で示す斜視図である。
【
図2】同手袋の裏返し器を拡大して示す正面図である。
【
図3】実施例2の手袋の裏返し器を拡大して示す正面図である。
【
図4】実施例3の手袋の裏返し器を拡大して示す正面図である。
【
図6】実施例4の手袋の裏返し器を拡大して示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明の手袋の裏返し器は、以下に示すように、様々の形態が考えられるが、手袋の材質、構造、使用目的等で多様な要望に応え得る。次のような人に特に有効性が感じられる。
1.手袋を裏返すのに苦労があった人。従来は片手に5分程度の時間が掛かっていたからで、30秒程度に短縮できる。
2.裏返すのが面倒で洗濯に躊躇していた人。時間短縮を図ることができ、洗濯に励みとなる。
3.手袋を清潔に保ちたい人。工事現場や食品加工等の作業員には有りがたく使用されうる。
【実施例1】
【0010】
手袋の裏返し器具Pは、
図1および
図2に示すように、主体となる操作棒1が棒材をやや「く」字形に曲げて基端部を柄3となし、その操作棒1の先端に摩擦抵抗の大きい輪切りにしたリング状のゴムチューブ5を嵌着して取り付けたものである。
【0011】
手袋Gは、一日の作業が終わって洗濯する前において、手首当りをひっくり返えした状態(半裏返し状態)を示したもので、親指、人指し指、中指、薬指、小指の各指口7,7、・・が裏返しに表れている(
図1)。また、同図は各口7に順次操作棒1を差し入れようとしている状態を示すが、差入れると引き抜くことによりチューブ5が指部9の内面に摩擦して引きずり出すので、それがひっくり返って裏返し指11が飛び出してくる。
【0012】
こうして各指口7,7、・・ごとにひっくり返えすと全体的に裏返った状態になるので、この状態で洗濯するとごみや汚れが完全に落される。また、この状態で、非常に良く干すことができる。
【0013】
干した手袋は裏返しであるので、これを表返して着用可能に戻す必要があるが、それには、丁度逆の操作となる。すなわち、手首部分を表返してから、各指口7,7、・・に操作棒1を差し込んで表返すと、清潔な手袋が再現する。なお、チューブ5はゴム質状であれば良く、軟質プラスチックなどで構成されていても良い。
【実施例2】
【0014】
次の手袋の裏返し器Pは、
図3に示すように、操作棒1の先端部に膨出体13を設けるとともに、操作棒1の中心を中心とする環状のヒダ15,15、・・が形成されている。各ヒダ15は、操作棒1の先端から後方へ逃げ角となっているので、指部9の中に押し込むことができるが、引き抜くときにヒダ15が逆止となるために、引っ掛かりができて指部9が内部から引き出されながら裏返される。
【実施例3】
【0015】
この場合の手袋の裏返し器Pは、
図4、
図5に示し、ねじり型ともいえるもので、操作棒1の先端に線材17がねじり形に加工された螺旋体19が取り付けられ、螺旋線材17の先端に少なくとも二股に割れる掴み口21が形成される。この場合は、柄3をひねりながら、螺進することにより奥部に至ると掴み口21が指部9内面を噛み付くように掴むことになるので、引き抜くことにより指部9を裏返すことができる。なお、掴み口21の形状は二股以上の例えば三股などに割れるものであっても良い。
【実施例4】
【0016】
次の手袋の裏返し器Pは、
図6に示し、通気可能な中空の通気孔20を有する操作棒1であって、操作棒1の先端部に空気で膨らむゴムキャップ23を嵌着し、基端に風船状の押ポンプ25が取り付けられる。これを使用するときには、手袋Gの指口7にゴムキャップ23を深く差し込んでから、ポンプ25で空気を圧縮し通気孔20を介して送ることによりゴムキャップ23を膨らませると、それが指部9の内面に圧接することにより結掴掴合するから、引き抜くことによって、指部11を裏返すことができる。
【符号の説明】
【0017】
P 手袋の裏返し器
G 手袋
1 操作棒
3 柄
5 ゴムチューブ
7 指口
9 指部
11 表返し指
13 膨出体
15 ヒダ
17 線材
19 螺旋体
20 通気孔
21 掴み口
23 ゴムキャップ
25 押ポンプ