【実施例】
【0030】
以下、実施例と比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
1.評価用サンプル
以下のようにして評価用サンプルを作成した。
(サンプル1)
板紙(UFコート紙270g/m
2、王子製紙株式会社製)に、HYDLITHピーチフィール(DIC株式会社製)をバーコーター(#6)を用いて塗布し、メタルハライドランプ(120W/cm、40m/分)にて硬化させ、サンプル1とした。
(サンプル2)
PETシート(アリンダ 厚さ75μm、ダイニック社製)にHYDLITHピーチフィール(DIC株式会社製)をバーコーター#6を用いて塗布し、メタルハライドランプ(120W/cm、40m/分)にて硬化させ、サンプル2とした。
【0032】
(サンプル3)
人工皮革(コードレ レザー調人工皮革 厚さ0.8mm ダークグレー、帝人株式会社製)に、エンボス加工(表面に、1.2mm四方、深さ0.1mmの凹型四角形を、0.8mmの間隔を介して格子状に配置)を施し、サンプル3とした。
(サンプル4)
ポリスチレン(DICスチレンGH6300−2、DIC株式会社製)を、シボ加工(成形面が、直径30μmの半球形の凸型となる加工を並べて施したプレート金型を用いて射出成形)により成形し、サンプル4とした。
【0033】
(サンプル5)
アルミ板(表面処理無し、板厚0.2mm、UACJ社製)に、フィラー入り塗料をバーコーター(#12)で塗布を用いて塗布し、熱風式ガスオーブンを用いて180℃、5分間で加熱し、サンプル5とした。なお、フィラー入り塗料は、ポリエステル樹脂(数平均分子量6000〜10000の混合物)26部、アミノ樹脂(スーパーベッカミン L−701−70、DIC株式会社製)21部、溶剤(炭化水素、グリコールエーテルなどの混合物)52部に、フィラー(ウレタンビーズC−80 透明、根上工業株式会社製)5部を分散させたものを用いた。
【0034】
(サンプル6)
表面に加工を施していない板紙(UFコート紙270g/m
2、王子製紙株式会社製)をサンプル6とした。
(サンプル7)
表面に加工を施していない板紙(UFコート紙270g/m
2、王子製紙株式会社製)に、両面粘着テープ(ダイタック#8616S 厚さ60μm PET基材、DIC株式会社製)を貼り付け、剥離フィルムを剥がした後、ウレタンビーズ(C−200 透明 平均粒子径32μm、根上工業株式会社製)を均一にふりかけ、球状二次元配列法により均一に塗布した。表面状態を光学顕微鏡により確認し、サンプル7とした。
【0035】
(サンプル8)
PETシート(アリンダ 厚さ75μm、ダイニック社製)に、HYDLITH 2255R(DIC株式会社製)を、バーコーター(#6)を用いて塗布し、常温乾燥により硬化させてサンプル8とした。
(サンプル9)
人工皮革(コードレ レザー調人工皮革 厚さ0.8mm ダークグレー、帝人株式会社製)に、エンボス加工(表面に、2.2mm四方、深さ0.1mmの凹型四角形を、1.8mmの間隔を介して格子状に配置)を施し、サンプル9とした。
【0036】
(サンプル10)
ポリスチレン(DICスチレンGH6300−2、DIC株式会社製)を、シボ加工(2mm間隔で深さ1mmの溝が格子状に形成されたプレート金型を用いて射出成形)により成形し、サンプル10とした。
(サンプル11)
アルミ板(表面処理無し、板厚0.2mm、UACJ社製)に、ウレタン樹脂にフィラー(ウレタンビーズC−80 透明、根上工業株式会社製)を分散させた塗料をバーコーター(#12)を用いて塗布し、熱風式ガスオーブンを用いて180℃、5分間で加熱し、サンプル11とした。
【0037】
2.評価用サンプルの動摩擦係数の測定1
(実施例1)
作成した評価用サンプル1の動摩擦係数を、ASTMD1894−90(同一材料または他の材料の上を滑らせたときのプラスチックフィルムおよびシートの摩擦係数を測定するための試験条件)に準拠し、英弘精機株式会社製のTA.XT.Plusを用い、測定速度をさまざまに変えて測定した。接触面は63.5mm×63.5mm、加重は200g、表面は装置標準のフェルト地とした。
(実施例2〜5)
実施例1と同様にして、評価用サンプル2〜5の動摩擦係数を測定した。
【0038】
(実施例6〜11)
実施例1と同様にして、評価用サンプル6〜11の動摩擦係数を測定した。
【0039】
3.評価用サンプルの動摩擦係数の測定2
(実施例12)
測定装置の摩擦面をアルミ箔(マイホイル、厚み12ミクロン、株式会社UACJ社製)とした以外は実施例2と同様にして、サンプル2の動摩擦係数を測定した。
(実施例13)
測定装置の摩擦面をポリエチレンフィルム(サンプル包装用、厚み4ミクロン、株式会社生産日本社製)とした以外は実施例2と同様にして、サンプル2の動摩擦係数を測定した。
(実施例14)
測定装置の摩擦面をコピー用上質紙(PPC Paper High White、秤量68g/m
2、tanosee社製)とした以外は実施例2と同様にして、サンプル2の動摩擦係数を測定した。
【0040】
(実施例15)
測定装置の摩擦面を実施例12で用いたアルミ箔とした以外は実施例8と同様にして、サンプル8の動摩擦係数を測定した。
(実施例16)
測定装置の摩擦面を実施例13で用いたポリエチレンフィルムとした以外は実施例8と同様にして、サンプル8の動摩擦係数を測定した。
(実施例17)
測定装置の摩擦面を実施例14で用いたコピー用上質紙とした以外は実施例8と同様にして、サンプル8の動摩擦係数を測定した。
【0041】
3.人による評価用サンプルの官能評価
作成した評価用サンプルの触感を、人による官能試験によって評価した。官能試験では、10人へのアンケート調査による評価方法を用いた。被験者が評価用サンプルを直接見ることが出来ないように、手が入る穴を開けた箱に入れ、被験者が穴から手を入れた状態で、サンプルを手や指で触り、「しっとり感」「すべすべ感」をそれぞれ10人中何人が感じたかを調べた。
表1〜3に、動摩擦係数の測定結果、測定速度を2mm/sから20mm/sに変化させたときの動摩擦係数の変化率a、人による官能評価の結果を表1〜3にまとめた。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
表1〜3から明らかなように、動摩擦係数の変化率と官能試験の結果との間には相関が見られた。