特開2016-161628(P2016-161628A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-161628(P2016-161628A)
(43)【公開日】2016年9月5日
(54)【発明の名称】光学系及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20160808BHJP
   G02B 15/16 20060101ALI20160808BHJP
   G02B 15/163 20060101ALI20160808BHJP
   G02B 15/20 20060101ALI20160808BHJP
   G02B 15/167 20060101ALI20160808BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20160808BHJP
【FI】
   G02B13/04 D
   G02B15/16
   G02B15/163
   G02B15/20
   G02B15/167
   G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】62
(21)【出願番号】特願2015-37996(P2015-37996)
(22)【出願日】2015年2月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100124327
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 敏也
(72)【発明者】
【氏名】平川 純
(72)【発明者】
【氏名】野田 隆行
(72)【発明者】
【氏名】田口 博規
(72)【発明者】
【氏名】太幡 浩文
(72)【発明者】
【氏名】河合 祥子
(72)【発明者】
【氏名】山根 宏大
(72)【発明者】
【氏名】森 勇輝
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087LA03
2H087PA04
2H087PA06
2H087PA07
2H087PA09
2H087PA12
2H087PA18
2H087PA19
2H087PA20
2H087PB05
2H087PB09
2H087PB10
2H087PB11
2H087PB14
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA34
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA36
2H087RA42
2H087RA43
2H087RA46
2H087SA07
2H087SA09
2H087SA13
2H087SA14
2H087SA16
2H087SA17
2H087SA19
2H087SA23
2H087SA24
2H087SA26
2H087SA27
2H087SA29
2H087SA30
2H087SA32
2H087SA43
2H087SA47
2H087SA49
2H087SA52
2H087SA56
2H087SA62
2H087SA63
2H087SA64
2H087SA65
2H087SA72
2H087SA74
2H087SA75
2H087SA76
2H087SB03
2H087SB04
2H087SB05
2H087SB14
2H087SB15
2H087SB16
2H087SB17
2H087SB22
2H087SB23
2H087SB25
2H087SB32
2H087SB33
2H087SB34
2H087SB43
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、撮像に用いる光線の波長が変化した場合の収差変動を抑制することができ、広い波長範囲の光線に対して良好な結像性能を有する光学系及び撮像装置を提供することにある。
【解決手段】上記課題を解決するため、回折面を含むレンズ群を少なくとも一群備えた光学系とし、以下の条件式を満足させる。
−0.05≦ Δ(d−s)/f ≦ 0.05
但し、f:当該光学系全系が示す任意の焦点距離、Δ(d−s):当該光学系全系が示す任意の焦点距離におけるd線(587.56nm)に対するs線(852.11nm)の近軸結像位置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回折面を含むレンズ群を少なくとも一群備え、以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
−0.05≦ Δ(d−s)/f ≦ 0.05
但し、
f:当該光学系全系が示す任意の焦点距離
Δ(d−s):当該光学系全系が示す任意の焦点距離におけるd線に対するs線の近軸結像位置
d線:587.56nmの波長の光線
s線:852.11nmの波長の光線
である。
【請求項2】
焦点距離が可変のズームレンズであって、以下の条件式を満足する請求項1に記載の光学系。
−0.05≦ WΔ(d−s)/fW ≦ 0.05・・・(1)
−0.01≦ TΔ(d−s)/fT ≦ 0.01・・・(2)
但し、
fW:広角端における当該光学系全系の焦点距離
fT:望遠端における当該光学系全系の焦点距離
WΔ(d−s):広角端におけるd線に対するs線の近軸結像位置
TΔ(d−s):望遠端におけるd線に対するs線の近軸結像位置
d線:587.56nmの波長の光線
s線:852.11nmの波長の光線
である。
【請求項3】
正の屈折力を有するレンズ群を少なくとも一群備え、当該正の屈折力を有するレンズ群に前記回折面が少なくとも一面含まれる請求項1又は請求項2に記載の光学系。
【請求項4】
前記回折面を含むレンズ群において、当該回折面を有するレンズは、以下の条件式を満足する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光学系。
−3.0≦Σ{θCs/(fd×νd)}/Σ{1/(fd×νd)}≦3.0・・・(3)
但し、
θCs=(nC−ns)/(nF−nC)
nC:C線(656.27nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率
ns:s線(852.11nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率
nF:F線(486.13nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率
fd:d線に対する当該回折面を有するレンズの焦点距離
νd:d線に対する当該回折面を有するレンズのアッベ数
である。
【請求項5】
前記回折面を含むレンズ群において、当該回折面を有するレンズは、以下の条件式を満足する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光学系。
−15≦Σ{1/(fd×νd)}/Σ{θgF/(fd×νd)}|≦15・・・(4)
但し、
θgF=(ng−nF)/(nF−nC)
ng:g線(435.84nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率
nF:F線(486.13nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率
nC:C線(656.27nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率
ns:s線(852.11nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率
fd:d線に対する前記回折面を有するレンズの焦点距離
νd:d線に対する前記回折面を有するレンズのアッベ数
【請求項6】
以下の条件式を満足する請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の光学系。
0.3<fdoe/√(fW×fT)<5.0・・・(5)
但し、
fdoe:前記回折面を含むレンズ群の焦点距離
fW:当該光学系の焦点距離が固定の場合、当該光学系全系の焦点距離であり、当該光学系の焦点距離が可変である場合、広角端における当該光学系全系の焦点距離
fT:当該光学系の焦点距離が固定の場合、「fT=fW」であり、当該光学系の焦点距離が可変である場合、望遠端における当該光学系全系の焦点距離
である。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の光学系と、当該学系の像面側に、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、光学系及び撮像装置に関し、特に、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の固体撮像素子を用いた撮像装置に好適な光学系及び当該光学系を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の固体撮像素子を用いた撮像装置が普及している。近年では、屈折光学系とは異なる光学特性を有する回折光学素子を用いて、高度な色収差補正を実現した光学系が提案される(例えば、「特許文献1」、「特許文献2」参照)など、近年の撮像用の光学系の高性能化は著しい。また、撮像用の光学系の高性能化と共に、小型化も進展している。このような小型の撮像システムの普及が急速に進み、小型の撮像システムは車載用撮像装置、監視用撮像装置などとしても広く使用されている。
【0003】
例えば、特許文献3には、広角カメラと、ズームカメラとを備えた監視装置が記載されている。この監視装置では、広角カメラにより監視対象領域を常時監視する。そして、拡大画像を取得すべき撮像対象となる人物等が検出された場合には、ズームレンズによりその人物等の拡大画像を取得するものとしている。当該監視装置は、照明装置を備え、周囲の明るさが不足する場合には、照明装置により近赤外波長域の光線が撮像領域に照射される。広角カメラ及びズームカメラは可視光波長域から近赤外波長域まで感度を有し、夜間等の周囲の明るさが不足する場合も撮像対象領域を監視可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3754805号公報
【特許文献2】特許第3754805号公報
【特許文献3】特開2013−90063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1又は特許文献2に記載の光学系のように、主として可視光波長域の光線が用いられる光学系では、上述の回折光学素子を用いること等により、高度な色収差補正が可能になる。しかしながら、特許文献3に記載の広角カメラやズームレンズのように、可視光波長域の光線と、近赤外波長域の光線とが用いられる光学系において、上記特許文献1又は特許文献2に記載の光学系を用いても、近赤外波長域の光線では色収差を十分に補正することができない恐れがあった。光線の屈折率は波長によって異なるため、近赤外波長域の光線では色収差補正が十分ではない恐れが高いためである。同様に、可視光波長域の光線と近赤外波長域の光線とは屈折特性が異なるため、撮像に用いる光線の波長が可視光波長域から近赤外波長域に変化したとき、色収差以外の諸収差も大きくなり、被写体の輪郭が不鮮明になるなど、画質の低下が生じる場合があった。このため、例えば、特許文献3に記載の監視装置などでは、撮像に用いる光線の波長が変化したときに、再度、合焦動作を行わせるものがある。しかし、その場合、光学系の駆動制御が煩雑になる他、装置が大型化するという問題が生じる。
【0006】
本発明の課題は、撮像に用いる光線の波長が変化した場合の収差変動を抑制することができ、広い波長範囲の光線に対して良好な結像性能を有する光学系及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本件発明の光学系は、回折面を含むレンズ群を少なくとも一群備え、以下の条件式を満足することを特徴とする。
【0008】
−0.05≦ Δ(d−s)/f ≦ 0.05・・・(A)
但し、
f:当該光学系全系が示す任意の焦点距離
Δ(d−s):当該光学系全系が示す任意の焦点距離におけるd線に対するs線の近軸結像位置
d線:587.56nmの波長の光線
s線:852.11nmの波長の光線
である。
【0009】
また、本件発明の撮像装置は、上記本件発明に係る光学系と、当該学系の像面側に、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本件発明によれば、撮像に用いる光線の波長が変化した場合の収差変動を抑制することができ、広い波長範囲の光線に対して良好な結像性能を有する光学系及び撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本件発明の実施例1の光学系のレンズ構成例を示す断面図である。
図2】実施例1の光学系の無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図3】本件発明の実施例2の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図4】実施例2の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図5】実施例2の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図6】実施例2の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図7】本件発明の実施例3の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図8】実施例3の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図9】実施例3の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図10】実施例3の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図11】本件発明の実施例4の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図12】実施例4の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図13】実施例4の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図14】実施例4の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図15】本件発明の実施例5の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図16】実施例5の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図17】実施例5の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図18】実施例5の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図19】本件発明の実施例6の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図20】実施例6の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図21】実施例6の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図22】実施例6の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図23】本件発明の実施例7の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図24】実施例7の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図25】実施例7の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図26】実施例7の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図27】本件発明の実施例8の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図28】実施例8の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図29】実施例8の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図30】実施例8の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図31】本件発明の実施例9の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図32】実施例9の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図33】実施例9の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図34】実施例9の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図35】本件発明の実施例10の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図36】実施例10の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図37】実施例10の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図38】実施例10の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図39】本件発明の実施例11の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図40】実施例11の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図41】実施例11の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図42】実施例11の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図43】本件発明の実施例12の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図44】実施例12の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図45】実施例12の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図46】実施例12の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図47】本件発明の実施例13の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図48】実施例13の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図49】実施例13の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図50】実施例13の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図51】本件発明の実施例14の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図52】実施例14の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図53】実施例14の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図54】実施例14の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図55】本件発明の実施例15の光学系の広角端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図56】実施例15の光学系の望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。
図57】実施例15の光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図58】実施例15の光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本件発明に係る光学系及び撮像装置の実施の形態を説明する。
【0013】
1.光学系
1−1.光学系の基本構成
本件発明に係る光学系は、回折面を含むレンズ群を少なくとも一群備え、以下の条件式を満足することを特徴とする。
【0014】
−0.05≦ Δ(d−s)/f ≦ 0.05・・・(A)
但し、
f:当該光学系全系が示す任意の焦点距離
Δ(d−s):当該光学系全系が示す任意の焦点距離におけるd線に対するs線の近軸結像位置
d線:587.56nmの波長の光線
s線:852.11nmの波長の光線
である。
【0015】
本件発明に係る光学系では、回折面を含むレンズ群を少なくとも一群備え、上記条件式(A)を満足させることにより、可視光波長域の光線であるd線の近軸結像位置と、近赤外波長域の光線であるs線との近軸結像位置の差(ピントズレ)が微小であるため、撮像に用いる光線の波長が可視光波長域と、近赤外波長域との間で変化した場合も、合焦位置が変化せず、諸収差の変動を抑制することができる。このため、撮像に用いる光線の波長が変化したときも画質の低下を防止することができる。従って、可視光波長域から近赤外波長域までの広い波長範囲において、良好な結像性能を有し、いずれの波長域においても鮮明な輪郭の被写体像を得ることができる。
【0016】
また、可視光波長域の光線と、近赤外波長域の光線との近軸結像位置の差が微小であるため、撮像に用いる光線の波長が変化しても、従来のように、再度、合焦動作を行わせる必要がない。これと同時に、可視光波長域の光線を用いる場合と、近赤外波長域の光線を用いる場合とにおいて、撮像に用いる光線の波長域に応じて別個に駆動制御を行う必要がない。このため、撮像に用いる光線が可視光波長域から近赤外波長域まで広い波長範囲において、駆動制御を共通化することができる。従って、駆動制御の複雑化に伴う装置の大型化を防止することができる。
【0017】
本件発明では、回折面を用いて光学系を構成することにより、回折面を含まない通常の屈折光学系と比較すると、少ない枚数の光学要素で上記条件式(A)を満足する光学系を構成することが可能になり、当該光学系をコンパクトに構成することができる。
【0018】
ここで、回折面は下記式で表される位相差関数により規定される回折格子構造を有するものとする。例えば、硝材製レンズ、プレスチック製レンズ等の光学要素の光学面に、切削法、フォトリソグラフィー法、モールド法等により、回折格子構造を形成することにより、回折光学素子を得ることができる。本件発明では、回折光学素子を含むレンズ群を、回折面を含むレンズ群と称している。
【0019】
【数1】
【0020】
但し、上記式において、φ(h)は位相差関数であり、「m」は回折次数であり、「λ」は規格化波長である。また、C1、C2、C3、C4は回折面係数であり、「h」は同径方向における光軸からの長さである。
【0021】
回折光学素子として、空気層と接する側の面にのみ上記回折面を備える単層回折光学素子を用いることができる。また、例えば、接合レンズの接合面を上記回折面とするなど、一の硝材層と、他の硝材層との間に回折面が形成された積層型の複層回折光学素子を用いることもできる。単層回折光学素子よりも複層回折光学素子を用いた方が、より広い波長範囲において色収差等を良好に補正することができる。但し、複層回折光学素子において、硝材層は光学ガラス材からなる層に限らず、光学プラスチック等の光学ガラス以外の光学素子形成材からなる層であってもよい。
【0022】
また、当該回折面は、球面であってもよく、非球面であってもよい。回折面を非球面とすることにより、より少ない枚数の光学要素で色収差等の諸収差を更に良好に補正することができる。
【0023】
なお、本件発明では、当該光学系内に回折面を少なくとも一面含むレンズ群が少なくとも一群あればよく、複数の回折面を含むレンズ群を備えていてもよいし、一つの回折面を含むレンズ群を複数備えていてもよい。但し、当該光学系内に複数の回折面が含まれる場合、各回折面をそれぞれ異なるレンズ群に配置することが好ましい。例えば、ズームレンズでは、焦点距離に応じて各レンズ群の位置が相対的に変化する。各レンズ群の位置によって、回折面により色収差等の諸収差を補正する上で、最も効果的な配置が異なる。従って、複数の回折面を含む場合、異なるレンズ群に各回折面を配置することが、より結像性能の高い光学系を得る上で、好ましい。
【0024】
また、当該光学系は、正の屈折力を有するレンズ群を少なくとも一群備え、当該正の屈折力を有するレンズ群に上記回折面が含まれることが好ましい。正の屈折力を有するレンズ群を回折面を含む構成とすることにより、屈折光学系及び回折面により色収差の補正を行うことができ、可視光波長域の光線及び近赤外波長域の光線のいずれの波長域においてもより良好に色収差を補正することができる。
【0025】
さらに、当該光学系を回折面を含む構成とすることにより、光学系全体の温度特性を改善することもできる。具体的には、光学系が回折面を備えることにより、上述のように少ない光学要素で色収差の補正を良好に行うことができる。このため、色収差補正には有効であるが温度特性の悪い硝材からなる光学要素の枚数を減らすことができ、光学系全体において温度変化に伴う近軸結像位置の変動、すなわちピントズレを抑えることができる
【0026】
本件発明において、当該光学系は焦点距離が固定の単焦点レンズであってもよいし、焦点距離が可変のズームレンズであってもよい。いずれの場合も、具体的なレンズ群構成等は特に限定されるものではないが、例えば、以下の形態が挙げられる。
【0027】
1−2.単焦点レンズ
当該光学系が単焦点レンズである場合、2群構成、3群構成等の種々のレンズ構成を採用することができ、レンズ群の数、パワー配置、各レンズ群の具体的なレンズ構成等は特に限定されるものではない。例えば、物体側から順に、負の屈折力を有するレンズ群と、正の屈折力を有するレンズ群の負・正の二群構成、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズ群と、正の屈折力を有するレンズ群の正・正の二群構成、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズ群、正の屈折力を有するレンズ群、負の屈折力を有するレンズ群の正・正・負の三群構成、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズ群、負の屈折力を有するレンズ群、正の屈折力を有するレンズ群の正・負・正の三群構成、物体側から順に、負の屈折力を有するレンズ群、正の屈折力を有するレンズ群、正の屈折力を有するレンズ群の負・正・正の三群構成等が挙げられる。これらのいずれの構成を採用する場合であっても、上述の観点から、正の屈折力を有するレンズ群に回折面が含まれることが好ましい。
【0028】
当該単焦点レンズが正の屈折力を有するレンズ群を複数備える場合、これらの正の屈折力を有するレンズ群のうち、軸上光線が最も大きな光束径で通過するレンズ群に上記回折面が含まれることが好ましい。軸上光線が最も大きな光束径で通過する正の屈折力を有するレンズ群に回折面を設けることにより、各波長域の光線についてそれぞれ最も効率良く諸収差を補正することができる。
【0029】
1−3.ズームレンズ
当該光学系がズームレンズである場合、複数のレンズ群を備え、広角端から望遠端への変倍時に各レンズ群間の間隔を変化させることにより、焦点距離を変化させるものであれば、レンズ群の数やパワー配置、各レンズ群の具体的なレンズ構成、変倍時の各レンズ群の動作等は特に限定されるものではない。
【0030】
また、当該ズームレンズが正の屈折力を有するレンズ群を複数備える場合、単焦点レンズの場合と同じ理由から、これらの正の屈折力を有するレンズ群のうち、軸上光線が最も大きな光束径で通過するレンズ群に上記回折面が含まれることが好ましい。但し、ズームレンズの場合、一般に、広角端と望遠端とでは、軸上光線が最も大きな光束径で通過するレンズ群が異なる。従って、変倍域全域において色収差をはじめとする諸収差の補正が良好になるという観点から、広角端において軸上光線が最も大きな光束径で通過する正の屈折力を有するレンズ群と、望遠端において軸上光線が最も大きな光束径で通過する正の屈折力を有するレンズ群とのそれぞれに回折面が含まれることがより好ましい。なお、当該光学系がズームレンズである場合、後述する条件式(1)及び条件式(2)を満足することが好ましいが、この点については後述する。以下、ズームレンズの具体的な構成例をいくつか列挙する。
【0031】
(1)2群構成
当該光学系を2群構成のズームレンズとする場合、上記回折面を含む正の屈折力を有するレンズ群を少なくとも一群備え、広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群と第2レンズ群との間隔を変化させるように各レンズ群を相対的に移動させることが好ましい。例えば、物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群と、回折面を含む正の屈折力を有する第二レンズ群とを備えた負・正の2群構成とすることができる。この場合、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が小さくなるように第1レンズ群及び/又は第2レンズ群を移動させることが好ましい。
【0032】
(2)3群構成
当該光学系を3群構成のズームレンズとする場合、上記回折面を含む正の屈折力を有するレンズ群を少なくとも一群備え、広角端から望遠端への変倍時に各レンズ群の間隔を変化させるように各レンズ群を相対的に移動させることが好ましい。
【0033】
具体的には、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正又は負の屈折力を有する第3レンズ群とを備えた負・正・正又は負・正・負の3群構成とすることができる。この場合、広角端から望遠端への変倍時に第3レンズ群を固定し、第1レンズ群及び/又は第2レンズ群を移動させることが好ましい。なお、第3レンズ群の屈折力は限りなく小さくてもよい。このような構成のズームレンズでは、可視光波長域から近赤外波長域まで広い波長範囲において諸収差等をより良好に補正することができるという観点から、第2レンズ群に上記回折面が少なくとも一面含まれることが好ましい。
【0034】
また、回折面を含む正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを備えた正・負・正の3群構成とすることができる。この場合、広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群を固定し、第2レンズ群及び/又は第3レンズ群を移動させることが好ましい。このような構成のズームレンズでは、可視光波長域から近赤外波長域まで広い波長範囲において諸収差等をより良好に補正することができるという観点から、第1レンズ群及び/又は第2レンズ群に上記回折面が少なくとも一面含まれることが好ましい。
【0035】
(3)4群構成
当該光学系を4群構成のズームレンズとする場合、上記回折面を含む正の屈折力を有するレンズ群を少なくとも一群備え、広角端から望遠端への変倍時に各レンズ群の間隔を変化させるように各レンズ群を相対的に移動させることが好ましい。
【0036】
具体的には、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを備えた正・負・正・正の4群構成とすることができる。この場合、広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群を固定し、他のレンズ群のうち少なくともいずれか一のレンズ群を移動させることが好ましい。当該構成のズームレンズでは、可視光波長域から近赤外波長域まで広い波長範囲において諸収差等をより良好に補正することができるという観点から、正の屈折力を有する第1レンズ群、第3レンズ群及び第4レンズ群のうち、いずれか一のレンズ群に上記回折面が少なくとも一面含まれることが好ましい。
【0037】
また、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを備えた負・正・正・正の4群構成とすることもできる。この場合、広角端から望遠端への変倍時に第4レンズ群を固定し、他のレンズ群のうち少なくともいずれか一のレンズ群を移動させることが好ましい。当該構成のズームレンズでは、可視光波長域から近赤外波長域まで広い波長範囲において諸収差等をより良好に補正することができるという観点から、正の屈折力を有する第2レンズ群に上記回折面が少なくとも一面含まれることが好ましい。
【0038】
(4)5群構成
当該光学系を5群構成のズームレンズとする場合、上記回折面を含む正の屈折力を有するレンズ群を少なくとも一群備え、広角端から望遠端への変倍時に各レンズ群の間隔を変化させるように各レンズ群を相対的に移動させることが好ましい。
【0039】
具体的には、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群とを備えた正・負・正・正・負の5群構成とすることができる。この場合、広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群を固定し、他のレンズ群のうち少なくともいずれか一のレンズ群を移動させることが好ましい。当該構成のズームレンズでは、可視光波長域から近赤外波長域まで広い波長範囲において諸収差等をより良好に補正することができるという観点から、正の屈折力を有する第1レンズ群、第3レンズ群及び第4レンズ群のうち、いずれか一のレンズ群に上記回折面が少なくとも一面含まれることが好ましい。
【0040】
また、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とを備えた正・負・正・正・正の5群構成とすることができる。この場合、広角端から望遠端への変倍時に、少なくともいずれか一のレンズ群を移動させることが好ましい。当該構成のズームレンズでは、可視光波長域から近赤外波長域まで広い波長範囲において諸収差等をより良好に補正することができるという観点から、正の屈折力を有する第4レンズ群に上記回折面が少なくとも一面含まれることが好ましい。
【0041】
1−4.防振群
なお、本件発明に係る光学系が単焦点レンズ及びズームレンズのいずれの場合であっても、当該光学系に含まれるレンズ群のうち、いずれか一のレンズ群の全部又は一部を光軸に垂直方向に移動させて、撮像時の振動等に起因する像ブレ等を補正する防振群として用いてもよい。
【0042】
1−5.条件式
次に、本件発明に係る光学系が満足すべき条件、又は、満足することが好ましい条件について説明する。
【0043】
1−5−1.条件式(A)
本件発明に係る光学系は、上述のとおり条件式(A)を満足することを特徴とする。当該条件式(A)を満足させることにより、上述したとおり、視光波長域から近赤外波長域までの広い波長範囲において、撮像に用いる光線の波長域が変化した場合も、再合焦動作等を行わせることなく、良好な結像性能を得ることができる。
【0044】
これらの効果を得る上で、当該光学系は以下の条件式(A)’を満足することがより好ましい。
【0045】
−0.02≦ Δ(d−s)/f ≦ 0.02・・・(A)’
【0046】
1−5−2.条件式(1)及び条件式(2)
ここで、本件発明に係る光学系が、焦点距離が可変のズームレンズである場合、以下の条件式(1)及び条件式(2)を満足することが好ましい。
【0047】
−0.05≦ WΔ(d−s)/fW ≦ 0.05・・・(1)
−0.01≦ TΔ(d−s)/fT ≦ 0.01・・・(2)
【0048】
但し、
fW:広角端における当該光学系全系の焦点距離
fT:望遠端における当該光学系全系の焦点距離
WΔ(d−s):広角端におけるd線に対するs線の近軸結像位置
TΔ(d−s):望遠端におけるd線に対するs線の近軸結像位置
d線:587.56nmの波長の光線
s線:852.11nmの波長の光線
である。
【0049】
条件式(1)は、広角端におけるd線の近軸結像位置と、s線の近軸結像位置との差を規定する式であり、条件式(2)は、望遠端におけるd線の近軸結像位置と、s線の近軸結像位置との差を規定する式である。条件式(1)及び条件式(2)を満足させることにより、当該ズームレンズの変倍域全域において、上記近軸結像位置の差を微小にすることができる。このため、当該ズームレンズが示す任意の焦点距離において、撮像に用いる光線の波長が可視光波長域と、近赤外波長域との間で変化した場合も、合焦位置の変化を防止し、諸収差の変動を抑制することができる。すなわち、当該ズームレンズの変倍域全域において、可視光波長域から近赤外波長域までの広い波長範囲で良好な結像性能を得ることができる。
【0050】
これらの効果を得る上で、当該光学系が焦点距離が可変のズームレンズである場合、以下の条件式(1)’及び条件式(2)’を満足することがより好ましい。
【0051】
−0.02 ≦ WΔ(d−s)/fW ≦ 0.02 ・・・(1)’
−0.005≦ TΔ(d−s)/fT ≦ 0.005・・・(2)’
【0052】
なお、条件式(1)は、条件式(A)において、fが広角端における焦点距離である場合、当該条件式(A)と同一の式となる。また、望遠端では、被写体像が広角端よりも大きくなるため、広角端と比較すると上記近軸結像位置の差が画質に与える影響が大きくなる。このため、望遠端において条件式(2)を満足させることにより、撮像に用いる光線の波長域が変化した場合も、被写体像の輪郭が不鮮明になるのをより有効に防止することができ、変倍域全域において良好な結像性能を有することができる。
【0053】
1−5−3.条件式(3)
本件発明に係る光学系において、上記回折面を含むレンズ群において、当該回折面を有するレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。
【0054】
−3.0≦Σ{θCs/(fd×νd)}/Σ{1/(fd×νd)}≦3.0・・・(3)
【0055】
但し、
θCs=(nC−ns)/(nF−nC)
nC:C線(656.27nm)に対する上記回折面を有するレンズの屈折率
ns:s線(852.11nm)に対する上記回折面を有するレンズの屈折率
nF:F線(486.13nm)に対する上記回折面を有するレンズの屈折率
fd:d線に対する上記回折面を有するレンズの焦点距離
νd:d線に対する上記回折面を有するレンズのアッベ数
である。
【0056】
ここで、「回折面を有するレンズ」は、上記回折光学素子を意味するものとし、当該回折光学素子は単層回折光学素子及び複層回折光学素子のいずれの場合も含むものとする。また、「回折面を有するレンズの屈折率」は、当該回折光学素子の屈折率を意味し、複層回折光学素子の場合、回折面よりも像面側に配置される層(レンズ)の屈折率を意味するものとする。
【0057】
条件式(3)は、回折光学素子の可視光波長域内における屈折力の変化率と、C線からs線における屈折力の変化率との差を定義するための式である。条件式(3)を満足する場合、当該回折光学素子の異常分散性がC線からs線までの波長域において低く、これらの波長域において、一次スペクトルは勿論、二次スペクトルについても、色収差補正を良好に行うことができる。
【0058】
これに対して、条件式(3)を満足しない場合、当該回折光学素子がC線からs線までの波長域において異常分散性を示す範囲があり、C線〜s線の波長域において二次スペクトルの補正が困難になり、これらの波長域において良好な結像性能を得ることが困難になる場合があるため、好ましくない。
【0059】
上記効果を得る上で、下記の条件式(3)’を満足することがより好ましい。
−1.0≦Σ{θCs/(fd×νd)}/Σ{1/(fd×νd)}≦2.0・・・(3)’
【0060】
なお、当該光学系に複数の回折面が含まれる場合、少なくともいずれか一の回折面に関して、当該条件式(3)を満足することが好ましく、全ての回折面に関して、当該条件式(3)を満足することがより好ましい。条件式(3)’についても同様である。
【0061】
1−5−4.条件式(4)
本件発明に係る光学系において、上記回折面を含むレンズ群において、当該回折面を有するレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。但し、当該回折面を有するレンズは、条件式(3)の場合と同じである。
【0062】
−15≦Σ{1/(fd×νd)}/Σ{θgF/(fd×νd)}|≦15・・・(4)
【0063】
但し、
θgF=(ng−nF)/(nF−nC)
ng:g線(435.84nm)に対する上記回折面を有するレンズの屈折率
nF:F線(486.13nm)に対する上記回折面を有するレンズの屈折率
nC:C線(656.27nm)に対する上記回折面を有するレンズの屈折率
ns:s線(852.11nm)に対する上記回折面を有するレンズの屈折率
fd:d線に対する上記回折面を有するレンズの焦点距離
νd:d線に対する上記回折面を有するレンズのアッベ数
【0064】
条件式(4)は、回折光学素子の可視光波長域内における屈折力の変化率と、F線からg線における屈折力の変化率との差を定義するための式である。条件式(3)を満足する場合、当該回折光学素子の異常分散性がF線からg線までの波長域において低く、これらの波長域において、一次スペクトルは勿論、二次スペクトルについても、色収差補正を良好に行うことができる。
【0065】
これに対して、条件式(4)を満足しない場合、当該回折光学素子がF線からg線までの波長域において異常分散性を示す範囲があり、F線〜g線の波長域において二次スペクトルの補正が困難になり、これらの波長域において良好な結像性能を得ることが困難になる場合があるため、好ましくない。
【0066】
上記効果を得る上で、下記の条件式(4)’を満足することがより好ましい。
−13≦Σ{1/(fd×νd)}/Σ{θgF/(fd×νd)}|≦7.0・・・(4)’
【0067】
なお、当該光学系に複数の回折面が含まれる場合、少なくともいずれか一の回折面に関して、当該条件式(4)を満足することが好ましく、全ての回折面に関して、当該条件式(4)を満足することがより好ましい。条件式(4)’についても同様である。
【0068】
1−5−5.条件式(5)
本件発明に係る光学系は、以下の条件式を満足することが好ましい。
【0069】
0.3<fdoe/√(fW×fT)<5.0・・・(5)
【0070】
但し、
fdoe:上記回折面を含むレンズ群の焦点距離
fW:当該光学系の焦点距離が固定の場合、当該光学系全系の焦点距離であり、当該光学系の焦点距離が可変である場合、広角端における当該光学系全系の焦点距離
fT:当該光学系の焦点距離が固定の場合、「fT=fW」であり、当該光学系の焦点距離が可変である場合、望遠端における当該光学系全系の焦点距離
である。
【0071】
上記条件式(5)は、回折面を含むレンズ群の焦点距離を規定する式である。条件式(5)を満足する場合、回折面を含むレンズ群の屈折力が適正になり、色収差等の補正をより良好に行うことができる。
【0072】
これに対して、条件式(5)の数値が下限値以下になると、回折面を含むレンズ群の屈折力が弱くなり過ぎ、色収差等の補正が困難になる。また、条件式(5)の数値が上限値以上になると、回折面を含むレンズ群の屈折力が強くなり過ぎ、球面収差等の諸収差の補正が困難になる。
【0073】
上記効果を得る上で、下記の条件式(5)’を満足することがより好ましい。
0.5<fdoe/√(fW×fT)<3.0・・・(5)
【0074】
なお、当該光学系が回折面を含むレンズ群を複数備える場合、これらのうち少なくともいずれか一のレンズ群に関して、当該条件式(5)を満足することが好ましく、回折面を含むレンズ群の全てが当該条件式(4)を満足することがより好ましい。条件式(5)’についても同様である。
【0075】
2.撮像装置
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係る光学系と、当該光学系の像面側に設けられた、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。ここで、撮像素子等に特に限定はなく、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子等も用いることができる。本件発明に係る撮像装置は、デジタルカメラやビデオカメラ等のこれらの固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよいし、一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラ等のレンズ交換式の撮像装置であってもよいのは勿論である。
【0076】
次に、実施例および比較例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下に挙げる各実施例の光学系は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、銀塩フィルムカメラ等の撮像装置(光学装置)に用いられる撮像光学系である。また、各レンズ断面図において、図面に向かって左方が物体側、右方が像面側である。
【実施例1】
【0077】
(1)光学系の構成
図1は、本件発明に係る実施例1の光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が固定の単焦点レンズであり、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、正の屈折力を有する第2レンズ群2Gとから構成される。
【0078】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズが接合された接合レンズとから構成される。ここで、第2レンズ群2Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群であり、第2レンズ群2Gの最も像面側に配置された上記接合レンズの接合面が回折面DOEとなっている。また、第1レンズ群1Gと第2レンズ群2Gとの間に開口絞りが配置されている。
【0079】
なお、第1レンズ群1Gと、第2レンズ群2Gとの間に開口絞りが配置されている。第2レンズ群2Gの像面側に示す「CG」はカバーガラスであり、ローパスフィルターや赤外カットフィルター等を表す。また、カバーガラスCGの像面側に示す「IMG」は像面であり、具体的には、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子の撮像面、或いは、銀塩フィルムのフィルム面等を示す。これらの符号等は実施例2〜実施例16で示す各レンズ断面図においても同様である。
【0080】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表1に当該光学系のレンズデータを示す。表1において、「面No.」は物体側から数えたレンズ面の順番(面番号)、「r」はレンズ面の曲率半径、「d」はレンズ面の光軸上の間隔、「Nd」はd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、「νd」はd線に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、レンズ面が非球面である場合には、面番号の後に「*(アスタリスク)」を付している。また、レンズ面が回折面である場合には、面番号の後に「♯(シャープ)」を付している。レンズ面が非球面及び/又は回折面である場合は、曲率半径「r」の欄には曲率半径を示している。
【0081】
また、表1に示した非球面について、その形状を下記式で定義した場合の非球面係数を表2(2−1)に示す。表2(2−1)において、「E−a」は、「×10−a」を示す。
【0082】
【数2】
【0083】
但し、上記式において、「R」は曲率、「h」は光軸からの高さ、「k」は円錐係数、「A4」、「A6」、「A8」、「A10」・・・は各次数の非球面係数を示す。
【0084】
さらに、表2(2−2)に当該光学系全系の焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、表1に示す可変間隔を示す。表(2−3)は当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離を示す。
【0085】
表3は、回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。但し、C01、C02、C03、C04はそれぞれ上記位相差関数のC1、C2、C3、C4に対応する。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。なお、各表中の長さの単位は全て「mm」であり、画角の単位は全て「°」である。これらの表に関する事項は実施例2〜実施例16で示す各表においても同様であるため、以下では説明を省略する。
【0086】
図2に当該光学系の無限遠合焦時の縦収差図をそれぞれ示す。それぞれの縦収差図は、図面に向かって左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差を表している。球面収差を表す図では、縦軸は開放F値との割合、横軸にデフォーカスをとり、実線がd線(波長λ=587.5618nm)、破線がs線(波長λ=852.1100nm)、一点鎖線がg線(波長λ=435.8343nm)における球面収差を表す。非点収差を表す図では、縦軸は像高、横軸にデフォーカスをとり、実線がサジタル面、破線がメリジオナル面での非点収差を表す。歪曲収差を表す図では、縦軸は像高、横軸に%をとり、歪曲収差を表す。これらの縦収差図に関する事項は実施例2〜実施例16で示す各縦収差図においても同様であるため、以下では説明を省略する。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【実施例2】
【0090】
(1)光学系の構成
図3は、本件発明に係る実施例2の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図4は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、正の屈折力を有する第2レンズ群2Gとから構成されている。
【0091】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズと、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ、正の屈折力を有する両凸レンズ及び負の屈折力を有する両凹レンズを接合した接合レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとから構成される。ここで、第2レンズ群2Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群であり、第2レンズ群2Gに含まれる上記接合レンズを構成する上記凹レンズの空気層と接する物体側の面が回折面DOEとなっている。また、第1レンズ群1Gと、第2レンズ群2Gとの間に開口絞りが配置されている。
【0092】
当該実施例2の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは像面側に移動し、第2レンズ群2Gは物体側に移動する。
【0093】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表4は、当該光学系のレンズデータであり、表5(5−1)は、表4に示した非球面の非球面係数であり、表5(5−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。なお、表5(5−2)において、「6」、「7」、「9」はそれぞれ表4に示す可変間隔「d6」、「d7」、「d9」を意味し、表(5−2)においては「d」の表示を省略している。これは、以下の実施例においても同様である。表5(5−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離を示す。表6は、第2レンズ群2Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0094】
また、図5に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図6に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【実施例3】
【0098】
(1)光学系の構成
図7は、本件発明に係る実施例3の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図8は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、正の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gとから構成されている。
【0099】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、正の屈折力を有する両凸レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズ及び像面側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するレンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、物体側から順に、負の屈折力を有する両凹レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとから構成される。ここで、第2レンズ群2Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群であり、第2レンズ群2Gに含まれる正の屈折力を有する両凸レンズ及び像面側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズを接合した接合レンズの接合面が回折面DOEとなっている。また、第2レンズ群2Gの物体側に開口絞りが配置されている。
【0100】
当該実施例3の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは像面側に移動し、第2レンズ群2Gは物体側に移動し、第3レンズ群は固定である。
【0101】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表7は、当該光学系のレンズデータであり、表8(8−1)は、表7に示した非球面の非球面係数であり、表8(8−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表8(8−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離を示す。表9は、第2レンズ群2Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0102】
また、図9に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図10に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0103】
【表7】
【0104】
【表8】
【0105】
【表9】
【実施例4】
【0106】
(1)光学系の構成
図11は、本件発明に係る実施例4の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図12は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gとから構成されている。
【0107】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとを接合した接合レンズから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズ及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズを接合した接合レンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、物体側から順に、正の屈折力を有する両凸レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズ及び負の屈折力を有する両凹レンズを接合した接合レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとから構成される。ここで、第3レンズ群3Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群であり、第3レンズ群3Gに含まれる上記接合レンズの接合面が回折面DOEとなっている。
【0108】
当該実施例4の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは固定であり、第2レンズ群2Gは像面側に移動し、第3レンズ群は物体側に移動する。
【0109】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表10は、当該光学系のレンズデータであり、表11(11−1)は、表10に示した非球面の非球面係数であり、表11(11−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表11(11−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離を示す。表12は、第3レンズ群3Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0110】
また、図13に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図14に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0111】
【表10】
【0112】
【表11】
【0113】
【表12】
【実施例5】
【0114】
(1)光学系の構成
図15は、本件発明に係る実施例5の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図16は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gとから構成されている。
【0115】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとを接合した接合レンズから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズ及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズを接合した接合レンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、物体側から順に、正の屈折力を有する両凸レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズ及び負の屈折力を有する両凹レンズを接合した接合レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとから構成される。ここで、第1レンズ群1G及び第3レンズ群3Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群である。第1レンズ群1Gを構成する接合レンズの接合面及び第3レンズ群3Gに含まれる上記接合レンズの接合面がそれぞれ回折面DOEとなっている。また、第2レンズ群2Gと、第3レンズ群3Gとの間に開口絞りが配置されている。
【0116】
当該実施例5の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは固定であり、第2レンズ群2Gは像面側に移動し、第3レンズ群3Gは物体側に移動する。
【0117】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表13は、当該光学系のレンズデータであり、表14(14−1)は、表13に示した非球面の非球面係数であり、表14(14−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表14(14−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離を示す。表15は、第1レンズ群1G及び第3レンズ群3Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0118】
また、図17に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図18に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0119】
【表13】
【0120】
【表14】
【0121】
【表15】
【実施例6】
【0122】
(1)光学系の構成
図19は、本件発明に係る実施例6の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図20は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、正の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、負の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gとから構成されている。
【0123】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズと、正の屈折力を両凸レンズと、負の屈折力を有する両凹レンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、正の屈折力を有する両凸レンズと、開口絞りと、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、物体側から順に、負の屈折力を有する両凹レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとから構成される。第4レンズ群4Gは、正の屈折力を有する両凸レンズから構成される。ここで、第2レンズ群2Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群である。第2レンズ群2Gを構成する接合レンズの接合面が回折面DOEとなっている。
【0124】
当該実施例6の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは像面側に凸の軌跡を描いて移動し、第2レンズ群2Gは物体側に移動し、第3レンズ群3Gは物体側に凸の軌跡を描いて移動し、第4レンズ群4Gは固定である。
【0125】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表16は、当該光学系のレンズデータであり、表17(17−1)は、表16に示した非球面の非球面係数であり、表17(17−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表17(17−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離を示す。表18は、第2レンズ群2Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0126】
また、図21に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図22に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0127】
【表16】
【0128】
【表17】
【0129】
【表18】
【実施例7】
【0130】
(1)光学系の構成
図23は、本件発明に係る実施例7の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図24は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gとから構成されている。
【0131】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、負の屈折力を有する両凹レンズと、負の屈折力を有する両凹レンズ及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズを接合した接合レンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、正の屈折力を有する両凸レンズから構成される。第4レンズ群4Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、負の屈折力を有する両凹レンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズとから構成される。ここで、第1レンズ群1Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群である。第1レンズ群1Gを構成する接合レンズの接合面が回折面DOEとなっている。また、第3レンズ群3Gの物体側に開口絞りが配置されている。
【0132】
当該実施例7の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは固定であり、第2レンズ群2Gは像面側に移動し、第3レンズ群3Gは固定であり、第4レンズ群は異なる軌跡でそれぞれ物体側側に移動し、第4レンズ群4Gは物体側に凸の軌跡を描きながら移動する。
【0133】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表19は、当該光学系のレンズデータであり、表20(20−1)は、表19に示した非球面の非球面係数であり、表20(20−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表20(20−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離を示す。表21は、第1レンズ群1Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0134】
また、図25に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図26に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0135】
【表19】
【0136】
【表20】
【0137】
【表21】
【実施例8】
【0138】
(1)光学系の構成
図27は、本件発明に係る実施例8の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図28は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gとから構成されている。
【0139】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、負の屈折力を有する両凹レンズと、負の屈折力を有する両凹レンズ及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズを接合した接合レンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズから構成される。第4レンズ群4Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズを接合した接合レンズとから構成される。ここで、第3レンズ群3Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群である。第3レンズ群3Gを構成する両凸レンズの物体側の面が回折面DOEとなっている。また、第3レンズ群3Gの物体側に開口絞りが配置されている。
【0140】
当該実施例8の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは固定であり、第2レンズ群2Gは像面側に移動し、第3レンズ群3Gは固定であり、第4レンズ群は異なる軌跡でそれぞれ物体側側に移動し、第4レンズ群4Gは物体側に凸の軌跡を描きながら移動する。
【0141】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表22は、当該光学系のレンズデータであり、表23(23−1)は、表22に示した非球面の非球面係数であり、表23(23−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表23(23−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離を示す。表24は、第3レンズ群3Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0142】
また、図29に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図30に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0143】
【表22】
【0144】
【表23】
【0145】
【表24】
【実施例9】
【0146】
(1)光学系の構成
図31は、本件発明に係る実施例9の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図32は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gとから構成されている。
【0147】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、負の屈折力を有する両凹レンズと、負の屈折力を有する両凹レンズ及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズを接合した接合レンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズから構成される。第4レンズ群4Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、負の屈折力を有する両凹レンズレンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズとから構成される。ここで、第4レンズ群4Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群である。第4レンズ群4Gを構成する接合レンズの接合面が回折面DOEとなっている。また、第3レンズ群3Gの物体側に開口絞りが配置されている。
【0148】
当該実施例9の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは固定であり、第2レンズ群2Gは像面側に移動し、第3レンズ群3Gは固定であり、第4レンズ群は異なる軌跡でそれぞれ物体側側に移動し、第4レンズ群4Gは物体側に凸の軌跡を描きながら移動する。
【0149】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表25は、当該光学系のレンズデータであり、表26(26−1)は、表25に示した非球面の非球面係数であり、表26(26−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表26(26−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離を示す。表27は、第4レンズ群4Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0150】
また、図33に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図34に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0151】
【表25】
【0152】
【表26】
【0153】
【表27】
【実施例10】
【0154】
(1)光学系の構成
図35は、本件発明に係る実施例10の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図36は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gとから構成されている。
【0155】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズから構成される。第4レンズ群4Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、負の屈折力を有する両凹レンズレンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズとから構成される。ここで、第1レンズ群1G及び第3レンズ群3Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群である。第1レンズ群1Gを構成する接合レンズの接合面及び第3レンズ群を構成するメニスカスレンズの物体側の面がそれぞれ回折面DOEとなっている。また、第3レンズ群3Gの物体側に開口絞りが配置されている。
【0156】
当該実施例10の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは固定であり、第2レンズ群2Gは像面側に移動し、第3レンズ群3Gは固定であり、第4レンズ群は異なる軌跡でそれぞれ物体側側に移動し、第4レンズ群4Gは物体側に凸の軌跡を描きながら移動する。
【0157】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表28は、当該光学系のレンズデータであり、表29(29−1)は、表28に示した非球面の非球面係数であり、表29(29−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表29(29−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離を示す。表30は、第1レンズ群1G及び第3レンズ群3Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0158】
また、図37に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図38に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0159】
【表28】
【0160】
【表29】
【0161】
【表30】
【実施例11】
【0162】
(1)光学系の構成
図39は、本件発明に係る実施例11の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図40は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gと、負の屈折力を有する第5レンズ群5Gとから構成されている。
【0163】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第4レンズ群4Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとを接合した接合レンズから構成される。第5レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズレンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとから構成される。ここで、第1レンズ群1Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群である。第1レンズ群1Gを構成する接合レンズの接合面が回折面DOEとなっている。また、第3レンズ群3Gの物体側に開口絞りが配置されている。
【0164】
当該実施例11の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは固定であり、第2レンズ群2Gは像面側に移動し、第3レンズ群3Gは固定であり、第4レンズ群は異なる軌跡でそれぞれ物体側側に移動し、第4レンズ群4Gは物体側に凸の軌跡を描きながら移動し、第5レンズ群5Gは固定である。
【0165】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表31は、当該光学系のレンズデータであり、表32(32−1)は、表31に示した非球面の非球面係数であり、表32(32−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表32(32−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離、f5は第5レンズ群5Gの焦点距離を示す。表33は、第1レンズ群1Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0166】
また、図41に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図42に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0167】
【表31】
【0168】
【表32】
【0169】
【表33】
【実施例12】
【0170】
(1)光学系の構成
図43は、本件発明に係る実施例12の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図44は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gと、負の屈折力を有する第5レンズ群5Gとから構成されている。
【0171】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズと、負の屈折力を有する両凹レンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第4レンズ群4Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとを接合した接合レンズから構成される。第5レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズレンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとから構成される。ここで、第3レンズ群3Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群である。第3レンズ群3Gを構成する両凸レンズの物体側の面が回折面DOEとなっている。また、第3レンズ群3Gの物体側に開口絞りが配置されている。
【0172】
当該実施例12の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは固定であり、第2レンズ群2Gは像面側に移動し、第3レンズ群3Gは固定であり、第4レンズ群は異なる軌跡でそれぞれ物体側側に移動し、第4レンズ群4Gは物体側に凸の軌跡を描きながら移動し、第5レンズ群5Gは固定である。
【0173】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表34は、当該光学系のレンズデータであり、表35(35−1)は、表34に示した非球面の非球面係数であり、表35(35−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表35(35−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離、f5は第5レンズ群5Gの焦点距離を示す。表36は、第3レンズ群3Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0174】
また、図45に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図46に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0175】
【表34】
【0176】
【表35】
【0177】
【表36】
【実施例13】
【0178】
(1)光学系の構成
図47は、本件発明に係る実施例13の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図48は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gと、負の屈折力を有する第5レンズ群5Gとから構成されている。
【0179】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、物体側から順に、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第4レンズ群4Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとを接合した接合レンズから構成される。第5レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズレンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとから構成される。ここで、第4レンズ群4Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群である。第4レンズ群4Gを構成する接合レンズの接合面が回折面DOEとなっている。また、第3レンズ群3Gの物体側に開口絞りが配置されている。
【0180】
当該実施例13の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは固定であり、第2レンズ群2Gは像面側に移動し、第3レンズ群3Gは固定であり、第4レンズ群は異なる軌跡でそれぞれ物体側側に移動し、第4レンズ群4Gは物体側に凸の軌跡を描きながら移動し、第5レンズ群5Gは固定である。
【0181】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表37は、当該光学系のレンズデータであり、表38(38−1)は、表37に示した非球面の非球面係数であり、表38(38−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表38(38−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離、f5は第5レンズ群5Gの焦点距離を示す。表39は、第4レンズ群4Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0182】
また、図49に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図50に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0183】
【表37】
【0184】
【表38】
【0185】
【表39】
【実施例14】
【0186】
(1)光学系の構成
図51は、本件発明に係る実施例14の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図52は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gと、負の屈折力を有する第5レンズ群5Gとから構成されている。
【0187】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、 、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズと、負の屈折力を有する両凹レンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第4レンズ群4Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとを接合した接合レンズから構成される。第5レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズレンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとから構成される。ここで、第1レンズ群1G及び第3レンズ群3Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群である。第1レンズ群1Gを構成する接合レンズの接合面及び第3レンズ群を構成する両凸レンズの物体側の面が回折面DOEとなっている。また、第3レンズ群3Gの物体側に開口絞りが配置されている。
【0188】
当該実施例14の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは固定であり、第2レンズ群2Gは像面側に移動し、第3レンズ群3Gは固定であり、第4レンズ群は異なる軌跡でそれぞれ物体側側に移動し、第4レンズ群4Gは物体側に凸の軌跡を描きながら移動し、第5レンズ群5Gは固定である。
【0189】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表40は、当該光学系のレンズデータであり、表41(41−1)は、表40に示した非球面の非球面係数であり、表41(41−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表41(41−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離、f5は第5レンズ群5Gの焦点距離を示す。表42は、第1レンズ群3G及び第3レンズ群3Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0190】
また、図53に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図54に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0191】
【表40】
【0192】
【表41】
【0193】
【表42】
【実施例15】
【0194】
(1)光学系の構成
図55は、本件発明に係る実施例15の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図56は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変のズームレンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gと、負の屈折力を有する第5レンズ群5Gとから構成されている。
【0195】
第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ及び正の屈折力を有する両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第2レンズ群2Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズと、負の屈折力を有する両凹レンズと、正の屈折力を有する両凸レンズと、負の屈折力を有する両凹レンズとから構成される。第3レンズ群3Gは、物体側から順に、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとから構成される。第4レンズ群4Gは、正の屈折力を有する両凸レンズと、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズとを接合した接合レンズから構成される。第5レンズ群5Gは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズレンズと、正の屈折力を有する両凸レンズとから構成される。ここで、第1レンズ群1G及び第4レンズ群4Gは、本件発明にいう回折面を含むレンズ群である。第1レンズ群1Gを構成する接合レンズの接合面及び第4レンズ群4Gを構成する接合レンズの接合面が回折面DOEとなっている。また、第3レンズ群3Gの物体側に開口絞りが配置されている。
【0196】
当該実施例15の光学系において、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群1Gは固定であり、第2レンズ群2Gは像面側に移動し、第3レンズ群3Gは固定であり、第4レンズ群は異なる軌跡でそれぞれ物体側側に移動し、第4レンズ群4Gは物体側に凸の軌跡を描きながら移動し、第5レンズ群5Gは固定である。
【0197】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表43は、当該光学系のレンズデータであり、表44(44−1)は、表43に示した非球面の非球面係数であり、表43(43−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表43(43−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離、f5は第5レンズ群5Gの焦点距離を示す。表44は、第1レンズ群3G及び第4レンズ群4Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(5)の数値、及び、条件式(1)〜条件式(5)の数値を求める上で必要な諸数値を表46に示す。
【0198】
また、図57に、当該光学系の広角端における無限遠合焦時の縦収差図を示し、図58に当該光学系の望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。
【0199】
【表43】
【0200】
【表44】
【0201】
【表45】
【0202】
【表46】
【産業上の利用可能性】
【0203】
本件発明によれば、撮像に用いる光線の波長が変化した場合の収差変動を抑制することができ、広い波長範囲の光線に対して良好な結像性能を有する光学系及び撮像装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0204】
1G ・・・第1レンズ群
2G ・・・第2レンズ群
3G ・・・第3レンズ群
4G ・・・第4レンズ群
5G ・・・第5レンズ群
CG ・・・カバーガラス
IMG・・・像面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58